JP2012238496A - 多角形型架空電線 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボルト式クランプ等による圧縮力を内部に効率的に伝え、高い電線把持力を得ることのできる多角形型架空電線を提供する。
【解決手段】鋼線11の周囲にアルミニウムを被せた素線12をより合わせたアルミ覆鋼より線(AC線13)の周囲に、複数のアルミ素線12をより合わせ、断面視台形状の複数の台形アルミ素線30を周方向に嵌め合わせて最外層を形成してなる多角形型架空電線100において、少なくともAC線13と、アルミ素線12との間に粉体の増摩剤を混合した増摩グリス40を介在させ、増摩剤とグリスの混合重量比が増摩剤/(グリス+増摩剤)で15%〜40%となるように混合した。
【選択図】図1

Description

本発明は、架空電線敷設の際に外力に対して架空電線形状を確保するため、最外層を台形アルミ素線とした多角形型架空電線の鋼心部とアルミ素線との間に、紛体の増摩剤を添加した増摩グリスを介在させて、把持力を強化することのできる多角形型架空電線に関する。
従来の架空電線は、アルミ丸素線と丸鋼線をより合わせた物が主で、一部の線ではその外周に扇状(台形)素線を組み合わせて架空電線を構成していた。これらの電線は、電線敷設工事に対し多少の外形変化は許されるもので、その電線の機能上問題ないものであった。
しかしながら、現在の多角形型架空電線(例えば、特許文献1参照)は、架空電線の外形変化は低風圧性能を確保する必要上、表面形状を強固に保つように設計されている。このため、電線端末又は鉄塔上での架空電線を把持する方法として、油圧式圧縮機と圧縮型クランプによる強固な端末作りが要求される。
特開2008−108428号公報
架空電線の把持方法としては、(1)電線を切断し圧縮型クランプを取り付ける方法、(2)架空電線を外部より咥え、ボルト等で挟み込んで圧縮力を作用させて電線を把持する方法、がある。前者は高い把持力が期待できる半面、架空電線を切断するため端子等を使い接触面を通し電流を流すため接触面の電気抵抗の管理・点検をしなければならないという問題がある。後者は、電線を切断することなく電線を外部から把持するため接触面の電気抵抗は無くなるが、電線把持力は圧縮クランプほど高くない。
また、多角形型架空電線は、最外層が嵌合部を有する台形アルミ素線で構成されているため、ボルト締めによるクランプ把持方法では台形アルミ素線が持つ外部からの圧縮力に対する抵抗力が高いため、内部の鋼心部にまで圧縮力が作用しない。つまり台形アルミ素線の半径方向に対するブリッジ効果が強いため変形せず鋼心部に圧縮力が伝わらず鋼心部とその外層にあるアルミ線の間で力の伝達が出来ない。そのため、鋼心部が架空電線内部で固定されず張力分担を行わない状態になる。
上述のように従来の多角形型架空電線の課題は、最外層の台形アルミ素線の円形圧縮に対する変形への体力の強さにあり、単純に把持力を得ようとすると、台形アルミ素線の小型化、すなわち電線の円周方向への寸法を小さくしブリッジ効果を弱める方法が考えられる。しかしながら、低風圧架空電線の場合、最外層の台形アルミ素線を小型化し、台形アルミ素線間に隙間が生じると架空電線の風圧抗力係数を大きくしてしまう結果になる。したがって、台形アルミ素線の電線円周方向の寸法を小さくする手法は適用出来ない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ボルト式クランプ等による圧縮力を電線内部に効率的に伝達し、高い電線把持力を得ることのできる多角形型架空電線を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明者等は、多角形型架空電線の鋼心部に、鋼線の周囲にアルミニウムを被せた素線をより合わせたアルミ覆鋼より線を使い、鋼心部の周囲に複数のアルミ素線をより合わせ、断面台形状の複数の台形アルミ素線を周方向に嵌め合わせて最外層を形成してなる多角形型架空電線において、少なくとも前記アルミ覆鋼より線と、前記アルミ素線との間に粉体の増摩剤を混合した増摩グリスを介在させる事を検討した。ここで、前記粉体の増摩剤として混合重量比が、増摩剤/(グリス+増摩剤)で15%〜40%となるように混合した。
本発明によれば、アルミ覆鋼より線と、アルミ素線との間に、粉体の増摩剤を混合した増摩グリスを介在させたので、ボルト式クランプ等で多角形型架空電線を把持した場合に、アルミ素線とアルミ覆鋼線との間に増摩剤が微小楔として介在しアルミ素線とアルミ覆鋼線間の摩擦が大きくなり、アルミ素線とアルミ覆鋼より線とが一体化し、高い電線把持力を得ることができる。
本発明の多角形型架空電線の拡大断面図である。 (a)〜(c)は、AC線とアルミ素線との間に増摩剤入り増摩グリスを介在させた場合の増摩剤の作用を示す断面図である。 図2(c)の拡大図である。 ちょう度とちょう度調整用オイル量との関係を示したグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の多角形型架空電線の拡大断面図である。
図1に示すように、本発明の多角形型架空電線100は、アルミ覆鋼より線(以下、AC線13と言う)を複数より合わせて構成された鋼心部10の周囲に、複数のアルミ素線20をより合わせ、複数の台形アルミ素線30を周方向に嵌め合わせて最外層を形成したものである。そして、少なくとも鋼心部10(AC線13)と、アルミ素線20との間に粉体の増摩剤を混合した増摩グリス40を介在させている。
AC線13は、鋼線11の周囲にアルミニウムを被せた素線12をより合わせたものである(図2参照)。AC線13には、素線製造過程の相違により、アルミクラッド素線(AC線)、アルモウエルド素線(AW線)とアルミ被覆素線(AS線)があり、これらを総称して言うものとする。
増摩グリス40に使用する増摩剤としては、炭化ケイ素を使用することが好ましい。ただし、炭化ケイ素は、硬度が高いため、粒径を15〜70μm、基材であるグリスとの混合重量比を15〜40%の範囲にする必要がある。
増摩剤として他に、硬度の低い炭酸カルシウム、タルク(との粉)、シリカゲルを用いることもできる。ただし、炭酸カルシウムを増摩剤とする場合は平均直径を6〜10μm、重量比を増摩剤/(グリス+増摩剤)で30〜40%の範囲となるように混合する必要がある。タルクを増摩剤とする場合は、平均直径を22〜32μmとし、重量比を増摩剤/(グリス+増摩剤)で30〜40%の範囲となるように混合する必要がある。シリカゲルを増摩剤とする場合、平均直径を22〜36μmとし、重量比を増摩剤/(グリス+増摩剤)で30〜40%となるように混合する必要がある。
上記した硬度の低い3種は、そもそもグリス作成時にちょう度を上げるため増調材として添加される材料であるため、増摩剤として多量に添加すると、グリスとしてのちょう度が高くなりペースト化してしまう。このため、基材となるグリスにオイルを添加しちょう度を調整するが、オイルを加えたことにより油分が増え、ちょう度・高温時の液化特性を満たす範囲で増摩剤を添加した場合の混合比を重量比で上記の範囲とすることが望ましい。
各増摩剤で平均粒径が若干異なるのは、素材が持つ結晶内すべり面の強度の違いに因る結果と考える。定性的解釈として、添加剤が小さい場合、素線間に入り込んだ増摩剤は、両素線に潰され3軸方向の圧力を受け内部応力が高まり石の様に硬くなる。しかしながら増摩剤の塊の体積が大きくなると、内部まで一様に内部応力が高まらず素材特有のすべり面で崩壊し易くなり、ある直径以上になると増摩剤としての効果が落ちると推測される。
一方、炭化ケイ素の様に硬度が高い素材では、粒径の増加と共に楔としての効果が期待出来る。
ここで、硬度の低い粉体を添加した場合に増摩効果が高くなる概念について図2及び図3を参照して説明する。図2(a)〜(c)は、AC線とアルミ素線との間に増摩剤入り増摩グリスを介在させた場合の変化を示す断面図であり、図3は、図2(c)の拡大図である。
増摩グリス40の製造時に添加する物質は通常、潤滑材であるが、本発明のような粉体の増摩剤を添加した場合、添加した物質自体の硬度が低いにもかかわらず、AC線13とアルミ素線20を一体化させることができる。すなわち、アルミ素線20とAC線13をより合わせる際に、これらの外部に付いた増摩グリス40がアルミ素線20とAC線13の隙間に入り、さらにボルト式クランプ、楔式クランプで把持すると、AC線13とアルミ素線20が固体接触し、増摩グリス40を押し潰す。すると、図2(c)及び図3に示すように、AC線13とアルミ素線20の間に残った増摩グリス40がAC線13とアルミ素線20の間に入り込み圧縮され固体化し楔となってAC線13及びアルミ素線20を一体化し、鋼心部10にも張力がかかり高い把持力が生じることになる。その結果、増摩効果が高くなる。
上述のように本発明では、増摩剤として硬度の高い炭化ケイ素を使用することが好ましく、炭化ケイ素の場合、平均直径が15〜70μm、混合重量比を増摩剤/(グリス+増摩剤)で15%〜40%の条件となるように混合したものであることが好ましい。ここで、平均直径の上限を70μmとしたのは、平均直径が70μmを超えると、含まれている最大粉体直径の粉体がAC線のアルミの厚さの最小値部位に食い込んだ場合、組み合わせ上、従来のAC線を用いた電線の最小必要アルミ厚さを下回るためである。また、平均直径の下限を15μmとしたのは、グリスのちょう度を保つためである。
さらに、混合重量比を増摩剤/(グリス+増摩剤)で15%〜40%としたのは、電線の内部に入れるグリスとしてのちょう度と高温時の液化特性のためである。
なお、図4のグラフは、ちょう度と、ちょう度調整用オイル量との関係を示したものである。このグラフから、ちょう度調整用オイルの添加量が増えると、ちょう度が下がることが分かるが、使用温度が高まるとグリスからしみ出すオイル量が増え電線の外部に浸出してくる。この様な状態になると電線からオイルが滴下し、地上に落下し、農作物や地上物に影響が出る恐れがあるので、電線用グリスとして使用出来ない。
増摩グリスに含まれる基材となるグリスとしては、従来から使用されているグリス、例えば特開2007−220682号公報、特開2007−250538号公報等に記載されているものを使用することができる。また、増摩剤のグリスへの添加は、増摩剤を効率的に塗布するため、グリスに増摩剤を混ぜて塗り込む手法を採用することが好ましい。
ここで、本発明の多角形型架空電線100の中心部にある鋼線をAC線13としたのは、増摩グリス40による把持力向上を図るためである。通常のアルミより線とした場合、中心部は亜鉛メッキ鋼線を使用するが、鋼線に付着している亜鉛メッキ層の層内で滑りが生じ、外側のアルミ素線と亜鉛メッキ鋼線との一体化ができないためである。このため、鋼線11の外側にアルミ被覆(アルミニウムを被せた素線12)を有するAC線13を使用する必要がある。
最外層を構成する台形アルミ素線30は、図1に示すように、断面視略台形状をなし、台形アルミ素線30の周方向における一側面に断面視三角形状の凸部31が形成され、凸部31と反対側の側面に断面視三角形状に窪む凹部32が形成されている。そして、複数の台形アルミ素線30を周方向に配置し、各台形アルミ素線30の凸部31及び凹部32を嵌合させることによって、管状の最外層が形成されている。なお、複数の台形アルミ線30のうちのいずれかの台形アルミ素線30は、最外層の外周面から突出しており、これによって最外層の外周面に平板状の突起33が形成されている。
次に、多角形型架空電線100の製造方法について説明する。
まず、複数のAC線13をより合わせて、これらAC線13の外周面に増摩グリス40を塗布し鋼心部10とする。その後、この鋼心部10の外側にアルミ素線20を必要回数より合わせる。アルミ素線20をより合わせた後、断面略台形状の台形アルミ素線30をより合わせて最外層を形成することによって多角形型架空電線100とする。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明する。
多角形型架空電線の一種である多角形型低風圧電線のうち、直径18mm〜37.2mmまでの電線6種類(表1参照)に対して粉体の増摩剤を添加した増摩グリスを用いた実験を行った。
まず、多角形型低風圧電線の鋼心部について考慮して摩擦力を高くし、さらに(1)増摩剤の種類、(2)増摩剤のサイズを検討して表面に傷が生じない方法を創出した。
ここで使用した増摩剤は、炭化ケイ素、炭酸カルシウム、タルク(との粉)、シリカゲルの4種類であり、そのサイズは6〜70μmである。
以下に具体的な手順について説明する。
多角形型架空電線の片側端末に対し次の処理を行った。端末から1.2mまでの多角形型架空電線に対して、外層より各層を解き、鋼心部を露出させる。
上記の方法で増摩グリスを塗布した後、アルミ素線をより合わせて元の架空電線状態に戻す。このより合わせ時に各素線間に隙間が生じないようにする。なお、増摩剤入り増摩グリスを塗布するのは鋼心部の外層までである。より上がった多角形型架空電線の増摩剤入り増摩グリスの塗布部分に既存のボルト式クランプを取り付け、電線把持力を調べるため引張強度試験を実施した。具体的には、引張試験機で電線端末−電線−ボルト式クランプ間に引張荷重をかけ、増摩グリスの鋼心部とアルミ素線間の把持力向上を確認した。
<検討1>
(鋼心部の材質)
増摩剤として高い硬度を持つ炭化ケイ素(SiC)の粉末を用い、鋼心部を亜鉛メッキ鋼線で形成した多角形型低風圧電線を使用した。そして、上述の手順に従って、鋼心部とアルミ素線の間に炭化ケイ素を添加したグリスを介在させ、把持力評価試験を行った。
把持力評価試験の結果、ボルト締め型クランプによる電線把持力は高くなったが、従来のACSR電線と同じ把持力は確保できなかった。試験後の電線を解体し、AC線と鋼心部の状況を見ると、増摩剤の食い込みは認められるが鋼心部の亜鉛メッキ鋼線上のメッキ層で(メッキ層の)滑りが発生してしまい、期待した把持力増加が得られないことがわかった。
そこで、鋼心部をアルミクラッド型のAC線とし、前述と同じ条件で試験を行い、把持力評価試験を実施して次の結果を得た。その結果、アルミクラッド部分に増摩剤が食い込んで把持力が上昇し、ボルト式クランプの電線把持規定値を満たすことがわかった。
この結果から、増摩剤による電線把持力増加の方法では、鋼心部をAC線化する必要があることがわかった。しかしながら、AC線の表面には増摩剤の微視的な傷が付き、AC線の耐腐食効果を落とすことが懸念されるため、添加粉体が硬い場合、粉体直径を十分に注意して決める必要がある。そこで、以下に示す検討2を行った。
<検討2>
(増摩剤の平均直径及び増摩剤のグリスとの重量比)
(実施例1)
増摩剤として炭化ケイ素を用い、炭化ケイ素の平均直径を15μm、40μm、70μmとし、増摩剤とグリスの混合重量比(増摩剤/(グリス+増摩剤))をそれぞれ10%、15%、20%、30%、40%とした。そして、上記と同様の方法で増摩グリスを塗布し、把持力評価試験を行った。把持力評価試験の結果を下記表1に示す。なお、多角形型架空電線は、表1に示す通り160mm〜810mmの6種類をそれぞれ使用した。
その結果、炭化ケイ素は、非常に固い材料のため、多角形型架空電線の把持力は上昇し、混合重量比が15%〜40%の場合に所定の把持力を満足した。ボルト式クランプで多角形型架空電線を把持した部位の解体を行い、AC線の表面に付く傷を顕微鏡観察と塩水噴霧試験で調査したが、アルミ層を突き破る層は認められなかった。
ただし、混合重量比が40%を超えても同様の特性を得ることができたが、グリスの作成時の練合わせ作業に著しく時間を要すること、また添加物の増加に伴う費用増加が生じるため実用的ではない。
Figure 2012238496
(実施例2)
増摩剤として炭酸カルシウムを用い、炭酸カルシウムの平均直径を3μm、6μm、10μmとし、増摩剤とグリスの混合重量比(増摩剤/(グリス+増摩剤))を10%、15%、20%、30%、40%とした。そして、上記と同様の方法で増摩剤入りグリスを塗布し、把持力評価試験を行った。把持力評価試験の結果を下記表2に示す。
その結果、炭酸カルシウムは非常に柔らかい材料であるが、混合重量比30%を超えると多角形型架空電線の把持力が必要把持力を満足した。ボルト式クランプで多角形型架空電線を把持した部位の解体を行いAC線の表面に付く傷を顕微鏡で観察したが、アルミ層を突き破る傷は認められなかった。
なお、混合重量比が40%を超えても同様の特性を得ることができたが、グリスの作成時の練合わせ作業に著しく時間を要すること、また添加物の増加に伴う費用増加が生じるため実用的ではない。
Figure 2012238496
(実施例3)
増摩剤としてタルク(との粉)を用い、タルクの平均直径を10μm、22μm、32μmとし、増摩剤とグリスの混合重量比(増摩剤/(グリス+増摩剤))を10%、15%、20%、30%、40%とした。そして、上記と同様の方法で増摩剤入りグリスを塗布し、把持力評価試験を行った。把持力評価試験の結果を下記表3に示す。
その結果、このケースでもタルクは非常に柔らかい材料であるものの、混合重量比が30%を超えると、把持力が必要把持力を満足した。
なお、混合重量比が40%を超えても同様の特性を得ることができたが、グリスの作成時の練合わせ作業に著しく時間を要すること、また添加物の増加にともなる費用増加により実用的ではない。
また、ボルト式クランプで多角形型架空電線を把持した部位の解体を行い、AC線の表面に付く傷を顕微鏡で観察したが、アルミ層を突き破る傷は見られなかった。
Figure 2012238496
(実施例4)
増摩剤としてシリカゲルを用い、シリカゲルの平均直径を8μm、22μm、36μm、増摩剤とグリスの混合重量比(増摩剤/(グリス+増摩剤))を10%、15%、20%、30%、40%としたものを用いた。そして、上記と同様の方法で増摩剤入りグリスを塗布し、把持力評価試験を行った。把持力評価試験の結果を下記表4に示す。
その結果、シリカゲルも非常に柔らかい材料であるが、このケースでも混合重量比が30%を超えると、把持力が必要把持力を満足した。
なお、混合重量比が40%を超えても同様の特性を得ることができたが、グリスの作成時の練合わせ作業に著しく時間を要すること、また添加物の増加にともなる費用増加により実用的ではない。
ボルト式クランプで多角形型架空電線を把持した部位の解体を行いAC線の表面に付く傷を顕微鏡で観察したが、アルミ層を突き破る傷は認められなかった。
Figure 2012238496
(比較例)
増摩剤を添加せずに、上記と同様の方法で増摩剤を添加しないグリスを塗布し、把持力評価試験を行った。把持力評価試験の結果を下記表5に示す。
その結果、160mm〜610mmの多角形型架空電線で必要把持力を得ることができなかった。また、鋼心部とアルミ素線との間で滑り込みが発生した。
Figure 2012238496
以上の結果から明らかなように、AC線と、アルミ素線との間に、粉体の増摩剤として平均直径が15〜70μmの炭化ケイ素で、増摩剤とグリスの混合重量比が増摩剤/(グリス+増摩剤)で15%〜30%となるように混合した増摩グリスを介在させた本発明は、粉体の増摩剤を添加しないグリスを使用する比較例に比べて、ボルト式クランプ等で多角形型架空電線を把持した場合に、アルミ素線とAC線との間の摩擦が大きくなり、AC線の動きが抑制される。その結果、アルミ素線とAC線とが一体化し、高い電線把持力を得ることができる。
また、AC線と、アルミ素線との間に、粉体の増摩剤として平均直径が6〜10μmの炭化カルシウムで、増摩剤とグリスの混合重量比が増摩剤/(グリス+増摩剤)で30%〜40%となるように混合した増摩グリスを介在させた本発明は、粉体の増摩剤を添加しないグリスを使用する比較例に比べて、ボルト式クランプ等で多角形型架空電線を把持した場合に、アルミ素線とAC線との間の摩擦が大きくなり、AC線の動きが抑制される。その結果、アルミ素線とAC線とが一体化し、高い電線把持力を得ることができる。
また、AC線と、アルミ素線との間に、粉体の増摩剤として平均直径が22〜32μmのタルク(との粉)で、増摩剤とグリスの混合重量比が増摩剤/(グリス+増摩剤)で30%〜40%となるように混合した増摩グリスを介在させた本発明は、粉体の増摩剤を添加しないグリスを使用する比較例に比べて、ボルト式クランプ等で多角形型架空電線を把持した場合に、アルミ素線とAC線との間の摩擦が大きくなり、AC線の動きが抑制される。その結果、アルミ素線とAC線とが一体化し、高い電線把持力を得ることができる。
また、AC線と、アルミ素線との間に、粉体の増摩剤として平均直径が22〜36μmのシリカゲルで、増摩剤とグリスの混合重量比が増摩剤/(グリス+増摩剤)で30%〜40%となるように混合した増摩グリスを介在させた本発明は、粉体の増摩剤を添加しないグリスを使用する比較例に比べて、ボルト式クランプ等で多角形型架空電線を把持した場合に、アルミ素線とAC線との間の摩擦が大きくなり、AC線の動きが抑制される。その結果、アルミ素線とAC線とが一体化し、高い電線把持力を得ることができる。
10 鋼心部
11 鋼線
12 アルミニウムを被せた素線
13 AC線(鋼線アルミ覆鋼より線)
20 アルミ素線
30 台形アルミ素線
40 増摩グリス
100 多角形型架空電線

Claims (3)

  1. 鋼線の周囲にアルミニウムを被せた素線をより合わせたアルミ覆鋼より線からなる鋼心部の周囲に、複数のアルミ素線をより合わせ、断面台形状の複数の台形アルミ素線を周方向に嵌め合わせて最外層を形成してなる多角形型架空電線において、
    少なくとも前記アルミ覆鋼より線と、前記アルミ素線との間に粉体の増摩剤を混合した増摩グリスを介在させ、
    増摩剤とグリスの混合重量比が増摩剤/(グリス+増摩剤)で15%〜40%
    となるように混合したことを特徴とする多角形型架空電線。
  2. 前記粉体の増摩剤が、平均直径が15〜70μmの炭化ケイ素であることを特徴とする請求項1に記載の多角形型架空電線。
  3. 前記粉体の増摩剤が、平均直径が6〜10μmの炭酸カルシウム、平均直径が22〜32μmのタルク(との粉)、平均直径が22〜36μmのシリカゲルのいずれか1つであり、
    かつ、前記粉体の増摩剤とグリスの混合重量比が増摩剤/(グリス+増摩剤)で30%〜40%
    となるように混合したことを特徴とする請求項1に記載の多角形型架空電線。
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