JP2012237260A - ディーゼルエンジンの制御装置及びディーゼルエンジンシステム - Google Patents

ディーゼルエンジンの制御装置及びディーゼルエンジンシステム Download PDF

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Kazuhisa Inagaki
和久 稲垣
Tsune Kugimoto
恒 釘本
Takayuki Fuyugashira
孝之 冬頭
Junichi Mizuta
準一 水田
Yoshiki Takatori
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Abstract

【課題】窒素酸化物(NOx)を低減するとともにベース燃料の燃焼を安定化させる。
【解決手段】水噴射量割合制御部42は、シリンダ11内からのNOx排出量が所定量以下になるように、エンジン負荷φに基づいて水の噴射量率Xを決定する。過酸化水素噴射量割合制御部43は、水の蒸発潜熱及び比熱比低下によるベース燃料の着火遅れを補償するように、水の噴射量率Xに応じて過酸化水素水濃度Yを変化させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ベース燃料と水と過酸化水素をディーゼルエンジンのシリンダ内に供給するディーゼルエンジンの制御装置、及びディーゼルエンジンシステムに関する。
内燃機関において、動力を発生するためのベース燃料の他に、水をシリンダ内へ噴射することで、シリンダ内温度を低下させて窒素酸化物(NOx)を低減する技術が提案されている(例えば下記特許文献1)。特許文献1においては、内燃機関、特に直噴式内燃機関の運転に使用する燃料−水−エマルジョンを以下の方法により生成している。まず3mLのオキシエチル化ノニルフェノール(11モルのエチレンオキシドを含有する)、および1:1のエチレンオキシド:プロピレンオキシド比および3100の分子量の7mLのエチレンオキシド/プロピレンオキシド−ポリアルキレングリコールを、二度蒸留した84mLの水に40〜45℃で溶解する。この混合物を室温に冷却した後に、20mLのH22(30%濃度)を添加する。そして、300mLのレギュラーガソリンをこの溶液中に攪拌混入し、その混合物を15分間強力に剪断することで、安定な燃料−水−エマルジョンを得ている。
特表2001−508117号公報
ディーゼルエンジンにおいては、窒素酸化物(NOx)の排出量がエンジン負荷(エンジントルク)等のエンジン運転状態に応じて変化するため、ベース燃料の他に水をシリンダ内へ供給することでNOxを低減する場合は、シリンダ内へのベース燃料及び水の全体供給量に対する水の供給量割合をエンジン負荷等のエンジン運転状態に応じて変化させることが望ましい。ただし、シリンダ内温度を低下させてNOxを低減するために、シリンダ内への水の供給量割合を増やすと、水の蒸発潜熱及び比熱比低下により、ベース燃料の噴射時期に対する着火遅れ期間が増加する。ベース燃料の着火遅れ期間が増加し過ぎると、失火の発生や、未燃炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)の増加を招きやすくなる。
本発明は、窒素酸化物(NOx)を低減するとともにベース燃料の燃焼を安定化させることを目的とする。
本発明に係るディーゼルエンジンの制御装置及びディーゼルエンジンシステムは、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係るディーゼルエンジンの制御装置は、ベース燃料と水と過酸化水素をディーゼルエンジンのシリンダ内に供給するディーゼルエンジンの制御装置であって、ベース燃料及び水の全体供給量に対する水の供給量割合を制御する水供給量割合制御部と、前記水の供給量割合に応じて、水及び過酸化水素の全体供給量に対する過酸化水素の供給量割合を変化させるように、当該過酸化水素の供給量割合を制御する過酸化水素供給量割合制御部と、を備えることを要旨とする。
本発明の一態様では、過酸化水素供給量割合制御部は、前記水の供給量割合とエンジン負荷とに基づいて、前記過酸化水素の供給量割合を決定することが好適である。
本発明の一態様では、過酸化水素供給量割合制御部は、前記水の供給量割合及びエンジン負荷に対する前記過酸化水素の供給量割合の関係を表す過酸化水素供給量割合特性において、前記水の供給量割合及びエンジン負荷に対応する前記過酸化水素の供給量割合を演算し、前記過酸化水素供給量割合特性においては、エンジン負荷の減少に対して、前記水の供給量割合に対する前記過酸化水素の供給量割合の傾きが増加することが好適である。
本発明の一態様では、ベース燃料の着火性を推定する燃料着火性推定部をさらに備え、過酸化水素供給量割合制御部は、燃料着火性推定部で推定されたベース燃料の着火性に応じて、前記過酸化水素の供給量割合を変化させることが好適である。
本発明の一態様では、過酸化水素供給量割合制御部は、ベース燃料の着火性が基準より高い場合は、ベース燃料の着火性が基準である場合と比較して、前記過酸化水素の供給量割合を減少させ、ベース燃料の着火性が基準より低い場合は、ベース燃料の着火性が基準である場合と比較して、前記過酸化水素の供給量割合を増加させることが好適である。
また、本発明に係るディーゼルエンジンシステムは、ベース燃料と水と過酸化水素がシリンダ内に供給されるディーゼルエンジンと、本発明に係るディーゼルエンジンの制御装置と、を備えることを要旨とする。
本発明によれば、シリンダ内への水の供給により窒素酸化物(NOx)を低減することができるとともに、水の蒸発潜熱及び比熱比低下によるベース燃料の着火遅れをシリンダ内への過酸化水素の供給により補償してベース燃料の燃焼を安定化させることができる。
本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの制御装置を備えるディーゼルエンジンシステムの概略構成を示す図である。 電子制御装置の構成例を示す図である。 エンジン負荷φに対する水の噴射量率Xの関係を表す水噴射量率特性マップの一例を示す図である。 クランク角に対するシリンダ内圧力の変化を計算した結果を示す図である。 クランク角に対するシリンダ内温度の変化を計算した結果を示す図である。 過酸化水素水濃度Yを変化させた場合にベース燃料の着火時期を計算した結果を示す図である。 エンジン負荷φ及び水の噴射量率Xを変化させた場合にベース燃料の噴射時期に対する着火遅れ期間が一定に保たれる過酸化水素水濃度Yを計算した結果を示す図である。 エンジン負荷φ及び水の噴射量率Xを変化させた場合にクランク角に対するシリンダ11内温度の変化を計算した結果を示す図である。 エンジン負荷φ及び水の噴射量率Xに対する過酸化水素水濃度Yの関係を表す過酸化水素水濃度特性マップの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの制御装置を備えるディーゼルエンジンシステムの他の概略構成を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの制御装置を備えるディーゼルエンジンシステムの概略構成を示す図である。ベース燃料タンク22内には、ディーゼルエンジン10で使用されるベース燃料が貯溜されている。ここでのベース燃料としては、例えば軽油を用いることができる。ベース燃料タンク22内に貯溜されたベース燃料は、燃料ポンプにより汲み上げられ、ベース燃料タンク22とインジェクタ13を接続するためのベース燃料供給通路23内を通って、ディーゼルエンジン10のシリンダ11内に臨んで配置されたインジェクタ13へ供給される。ディーゼルエンジン10は、例えばピストン−クランク機構を用いて構成可能である。ディーゼルエンジン10では、例えばピストン12が圧縮上死点付近に位置するときにベース燃料をインジェクタ13からシリンダ11内に直接噴射することで、シリンダ11内に供給されたベース燃料が自着火して拡散燃焼(ディーゼル燃焼)する。このベース燃料の燃焼によって、動力を発生させる。ディーゼルエンジン10には、シリンダ11内の圧力を検出する筒内圧力センサ21が付設されており、筒内圧力センサ21で検出されたシリンダ11内の圧力を示す信号は、電子制御装置(ECU)40に入力される。
水タンク32内には、水(H2O)が貯溜されている。水タンク32とインジェクタ15を接続するための水供給通路33には、水供給制御弁37が設けられており、水タンク32内に貯溜された水は、水ポンプにより汲み上げられ、水供給制御弁37が開いているときに、水供給通路33内を通って、ディーゼルエンジン10の吸気通路14内に臨んで配置されたインジェクタ15へ供給される。さらに、水ポンプにより汲み上げられた水タンク32内の水は、反応器34にも供給される。反応器34は、水タンク32内から供給された水を利用して、例えば水の電解合成法により過酸化水素(H22)を生成する。ただし、反応器34では、他の方法により過酸化水素を生成してもよい。反応器34とインジェクタ15を接続するための過酸化水素供給通路35には、過酸化水素供給制御弁36が設けられている。反応器34で生成された過酸化水素は、水に溶解して過酸化水素水(溶液)になっており、過酸化水素供給制御弁36が開いているときに、過酸化水素供給通路35内を通ってインジェクタ15へ供給され、その際に、過酸化水素供給制御弁36で濃度が調整される。インジェクタ15から吸気通路14内に噴射された過酸化水素水(水及び過酸化水素)は、吸気行程にてシリンダ11内に供給される。ただし、インジェクタ15をシリンダ11内に臨ませて配置し、過酸化水素水をインジェクタ15からシリンダ11内に直接噴射することも可能である。
電子制御装置40は、例えば図2に示す機能ブロックを含んで構成することができる。ベース燃料噴射制御部41は、インジェクタ13からのベース燃料の噴射制御を行う。インジェクタ13からシリンダ11内へのベース燃料噴射量を制御することで、エンジン負荷(エンジントルク)φを制御することができる。水噴射量割合制御部42は、インジェクタ15からの水の噴射制御を行う。インジェクタ15からの水噴射量を制御することで、シリンダ11内へのベース燃料及び水の全体供給量に対する水の供給量割合(水の噴射量率)Xを制御することができる。水の噴射量率Xは、(インジェクタ15からの水噴射重量)/[(インジェクタ15からの水噴射重量)+(インジェクタ13からのベース燃料噴射重量)]で表される。過酸化水素噴射量割合制御部43は、過酸化水素供給制御弁36及び水供給制御弁37の開度を制御することで、反応器34からインジェクタ15への過酸化水素(過酸化水素水)の供給流量を制御する。これによって、シリンダ11内への水及び過酸化水素の全体供給量に対する過酸化水素の供給量割合(過酸化水素水濃度)Yを制御することができる。過酸化水素水濃度Yは、(インジェクタ15からの過酸化水素噴射重量)/[(インジェクタ15からの過酸化水素噴射重量)+(インジェクタ15からの水噴射重量)]で表される。セタン価推定部44は、筒内圧力センサ21で検出されたシリンダ11内の圧力の変化に基づいて、ベース燃料の着火時期を推定し、ベース燃料のセタン価(着火性)を推定する。
インジェクタ15から吸気通路14を介してシリンダ11内に水を供給することで、ベース燃料の燃焼の際に、水の蒸発潜熱及び比熱比低下によりシリンダ11内の燃焼温度を低下させることが可能となる。これによって、窒素酸化物(NOx)を低減することが可能となる。水噴射量割合制御部42は、シリンダ11内からのNOx排出量が所定量以下になるように、エンジン負荷φ(インジェクタ13からのベース燃料噴射量)に基づいて水の噴射量率Xを決定する。その際には、例えば図3に示すような、エンジン負荷φに対する水の噴射量率Xの関係を表す水噴射量率特性マップを特性記憶部45に予め記憶しておく。水噴射量率特性マップは、NOx排出量が所定量以下になるように、各エンジン負荷φ毎に水の噴射量率Xが適合され、図3に示す例では、エンジン負荷φの増加に対して水の噴射量率Xが増加する特性を有する(図3において、φ1<φ2<φ3、X1<X2<X3)。水噴射量割合制御部42は、特性記憶部45に記憶された水噴射量率特性マップにおいて、与えられたエンジン負荷φに対応する水の噴射量率Xを演算する。これによって、エンジン負荷φに応じて水の噴射量率Xを変化させ、エンジン負荷φの増加に対して水の噴射量率Xを増加させる。
ただし、水の蒸発潜熱及び比熱比低下により、ベース燃料の噴射時期に対する着火遅れ期間が増加し過ぎると、失火の発生や、未燃炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)の増加を招きやすくなる。そこで、インジェクタ15から吸気通路14を介してシリンダ11内に水とともに過酸化水素も供給することで、ベース燃料の燃焼の際に、OHによる酸化剤によってベース燃料の着火を促進させることができ、燃焼を安定化させることができる。
ここで、クランク角に対するシリンダ11内圧力の変化を計算した結果を図4に示し、クランク角に対するシリンダ11内温度の変化を計算した結果を図5に示す。図4,5において、「ベース」は、ベース燃料と水と過酸化水素のうち、ベース燃料だけをシリンダ11内に噴射した場合を表し、「ベース+水」は、ベース燃料と水と過酸化水素のうち、ベース燃料と水をシリンダ11内に供給した場合を表し、「ベース+過酸化水素水」は、ベース燃料と水と過酸化水素をシリンダ11内に供給した場合を表す。シリンダ11内圧力及び温度の計算の際には、エンジン負荷φ=0.5(全負荷をφ=1.0とし、その半分)とし、「ベース+水」及び「ベース+過酸化水素水」における水の噴射量率X=20wt%(重量%)とし、「ベース+過酸化水素水」における過酸化水素水濃度Y=0.34wt%としている。図4,5に示すように、「ベース+水」では、「ベース」と比較してベース燃料の着火時期(シリンダ11内圧力及び温度が急上昇している時期)が遅れるのに対して、「ベース+過酸化水素水」では、「ベース+水」と比較してベース燃料の着火時期が早まり、「ベース」と比較してベース燃料の着火時期がほぼ同等であることがわかる。さらに、「ベース+過酸化水素水」において、過酸化水素水濃度Yを変化させた場合に、ベース燃料の着火時期を計算した結果を図6に示す。図6に示すように、過酸化水素水濃度Yの増加に対してベース燃料の着火時期が早まることがわかる。このように、シリンダ11内に過酸化水素を酸化剤として供給することで、水の蒸発潜熱及び比熱比低下によるベース燃料の着火遅れを補償することができる。
さらに、「ベース+過酸化水素水」において、エンジン負荷φ及び水の噴射量率Xを変化させた場合に、ベース燃料の噴射時期に対する着火遅れ期間が一定に保たれる過酸化水素水濃度Yを計算した結果を図7に示す。計算の際には、エンジン負荷φ=0.3,0.5,0.7のそれぞれにおいて、水の噴射量率Xを変化させた場合に、ベース燃料の着火時期が一定に保たれる過酸化水素水濃度Yを計算している。図7に示すように、一定のエンジン負荷φにおいては、水の噴射量率Xの増加に対して、ベース燃料の着火時期を一定に保つために必要な過酸化水素水濃度Yが増加する。さらに、エンジン負荷φが減少するほど、ベース燃料の着火時期を一定に保つために必要な、水の噴射量率Xの増加に対する過酸化水素水濃度Yの増加割合が大きくなる。
ここで、「ベース+水」において、エンジン負荷φ及び水の噴射量率Xを変化させた場合に、クランク角に対するシリンダ11内温度の変化を計算した結果を「ベース」と比較して図8に示す。計算の際には、エンジン負荷φを0.5,0.7に変化させ、水の噴射量率Xを10wt%,20wt%,30wt%に変化させている。図8に示すように、「ベース」では、エンジン負荷φ=0.5とエンジン負荷φ=0.7とを比較して、ベース燃料の着火時期(シリンダ11内温度が急上昇している時期)はあまり変わらない。一方、「ベース+水」では、水の噴射量率Xの増加に対して、φ=0.7でのベース燃料の着火時期とφ=0.5でのベース燃料の着火時期との差が大きくなり、水の噴射量率X=30wt%のときは、φ=0.7ではベース燃料が着火するが、φ=0.5ではベース燃料はほとんど着火しなくなる。そのため、エンジン負荷φが減少するほど、水の噴射量率Xの増加とともにベース燃料の着火が難しくなり、水の噴射量率Xの増加に対する過酸化水素水濃度Yの増加割合を大きくする必要がある。
そこで、過酸化水素噴射量割合制御部43は、エンジン負荷φと水の噴射量率Xとに基づいて過酸化水素水濃度Y(過酸化水素供給制御弁36の開度)を決定する。その際には、例えば図9に示すような、エンジン負荷φ及び水の噴射量率Xに対する過酸化水素水濃度Yの関係を表す過酸化水素水濃度特性マップを特性記憶部45に予め記憶しておく。過酸化水素水濃度特性マップは、ベース燃料の噴射時期に対する着火遅れ期間の変動が所定期間以下に抑えられる(より好ましくは着火遅れ期間が一定に保たれる)ように、一定のエンジン負荷φにおいて、水の噴射量率Xの増加に対して過酸化水素水濃度Yが増加する特性を有する。さらに、過酸化水素水濃度特性マップは、ベース燃料の噴射時期に対する着火遅れ期間の変動が所定期間以下に抑えられる(より好ましくは着火遅れ期間が一定に保たれる)ように、エンジン負荷φの減少に対して、水の噴射量率Xに対する過酸化水素水濃度Yの傾きY/Xが増加する特性を有する(図9において、φ1<φ2<φ3、X1<X2<X3、Y3<Y2<Y1)。過酸化水素噴射量割合制御部43は、特性記憶部45に記憶された過酸化水素水濃度特性マップにおいて、与えられたエンジン負荷φ及び水の噴射量率Xに対応する過酸化水素水濃度Yを演算する。これによって、水の蒸発潜熱及び比熱比低下によるベース燃料の着火遅れを補償するように、水の噴射量率Xに応じて過酸化水素水濃度Yを変化させる。例えば図3に示すような水噴射量率特性マップを用いて、エンジン負荷φに応じて水の噴射量率Xを変化させる場合は、エンジン負荷φに応じて過酸化水素水濃度Yが変化することになる。
以上説明した本実施形態によれば、水噴射によりNOxを低減することができるとともに、水の蒸発潜熱及び比熱比低下によるベース燃料の着火遅れを過酸化水素により補償してベース燃料の燃焼を安定化させることができる。その結果、失火の発生と、未燃HC及びCOの増加を防ぐことができる。さらに、ベース燃料の着火遅れ期間が一定に保たれるように、水の噴射量率Xに応じて過酸化水素水濃度Yを変化させることで、過酸化水素の消費量を低減しつつ、ベース燃料の燃焼を安定化させることができる。
なお、ベース燃料タンク22に給油されるベース燃料のセタン価(着火性)が変化すると、ベース燃料の噴射時期に対する着火遅れ期間も変化する。そこで、過酸化水素噴射量割合制御部43は、ベース燃料の噴射時期に対する着火遅れ期間の変動が所定期間以下に抑えられる(より好ましくは着火遅れ期間が一定に保たれる)ように、セタン価推定部44で推定されたベース燃料のセタン価(着火性)に応じて過酸化水素水濃度Yを変化させることが好ましい。より具体的には、過酸化水素噴射量割合制御部43は、セタン価推定部44で推定されたベース燃料のセタン価(着火性)が基準より高い場合は、ベース燃料のセタン価(着火性)が基準である場合と比較して、過酸化水素供給制御弁36の開度を減少させて過酸化水素水濃度Yを減少させる。一方、過酸化水素噴射量割合制御部43は、セタン価推定部44で推定されたベース燃料のセタン価が基準より低い場合は、ベース燃料のセタン価が基準である場合と比較して、過酸化水素供給制御弁36の開度を増加させて過酸化水素水濃度Yを増加させる。その際には、過酸化水素水濃度特性マップをベース燃料のセタン価毎に予め作成して特性記憶部45に記憶しておき、過酸化水素噴射量割合制御部43は、セタン価推定部44で推定されたベース燃料のセタン価に対応する過酸化水素水濃度特性マップを特性記憶部45から読み出して、エンジン負荷φ及び水の噴射量率Xに対応する過酸化水素水濃度Yを演算することが可能である。また、エンジン負荷φ及び水の噴射量率Xに対する過酸化水素水濃度の補正値δYの関係を表す過酸化水素水濃度補正値特性マップをベース燃料のセタン価毎に予め作成して特性記憶部45に記憶しておき、過酸化水素噴射量割合制御部43は、セタン価推定部44で推定されたベース燃料のセタン価に対応する過酸化水素水濃度補正値特性マップを特性記憶部45から読み出して、エンジン負荷φ及び水の噴射量率Xに対応する過酸化水素水濃度の補正値δYを演算することも可能である。
以上の説明では、ベース燃料を噴射するインジェクタ13と別に設けられたインジェクタ15から吸気通路14を介してシリンダ11内に過酸化水素水(水及び過酸化水素)を供給するものとした。ただし、本実施形態では、例えば図10に示すように、過酸化水素水(水及び過酸化水素)をベース燃料に混ぜてエマルジョンとしてシリンダ11内に供給することも可能である。図10に示す構成例では、ベース燃料タンク22内に貯溜されたベース燃料は、燃料ポンプにより汲み上げられ、ベース燃料タンク22とエマルジョン生成装置38を接続するためのベース燃料供給通路23内を通って、エマルジョン生成装置38へ供給される。水タンク32とエマルジョン生成装置38を接続するための水供給通路33には、水供給制御弁37が設けられており、水タンク32内に貯溜された乳化剤の添加された水は、水供給制御弁37が開いているときに、水供給通路33内を通ってエマルジョン生成装置38へ供給される。反応器34とエマルジョン生成装置38を接続するための過酸化水素供給通路35には、過酸化水素供給制御弁36が設けられており、反応器34で生成された過酸化水素は、過酸化水素供給制御弁36が開いているときに、過酸化水素供給通路35内を通ってエマルジョン生成装置38へ供給される。エマルジョン生成装置38は、過酸化水素水(水及び過酸化水素)をベース燃料に混ぜてエマルジョンを生成する。インジェクタ13は、エマルジョン生成装置38からのエマルジョン(ベース燃料と水と過酸化水素)をシリンダ11内に直接噴射する。
図10に示す構成例では、ベース燃料噴射制御部41は、インジェクタ13からシリンダ11内へのベース燃料噴射量を制御することで、エンジン負荷φを制御することができる。水噴射量割合制御部42は、水供給制御弁37の開度を制御して水タンク32からエマルジョン生成装置38への水の供給流量を制御することで、水の噴射量率Xを制御することができる。過酸化水素噴射量割合制御部43は、過酸化水素供給制御弁36の開度を制御して反応器34からエマルジョン生成装置38への過酸化水素の供給流量を制御することで、過酸化水素水濃度Yを制御することができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
10 ディーゼルエンジン、11 シリンダ、12 ピストン、13,15 インジェクタ、14 吸気通路、21 筒内圧力センサ、22 ベース燃料タンク、23 ベース燃料供給通路、32 水タンク、33 水供給通路、34 反応器、35 過酸化水素供給通路、36 過酸化水素供給制御弁、37 水供給制御弁、38 エマルジョン生成装置、40 電子制御装置、41 ベース燃料噴射制御部、42 水噴射量割合制御部、43 過酸化水素噴射量割合制御部、44 セタン価推定部、45 特性記憶部。

Claims (6)

  1. ベース燃料と水と過酸化水素をディーゼルエンジンのシリンダ内に供給するディーゼルエンジンの制御装置であって、
    ベース燃料及び水の全体供給量に対する水の供給量割合を制御する水供給量割合制御部と、
    前記水の供給量割合に応じて、水及び過酸化水素の全体供給量に対する過酸化水素の供給量割合を変化させるように、当該過酸化水素の供給量割合を制御する過酸化水素供給量割合制御部と、
    を備える、ディーゼルエンジンの制御装置。
  2. 請求項1に記載のディーゼルエンジンの制御装置であって、
    過酸化水素供給量割合制御部は、前記水の供給量割合とエンジン負荷とに基づいて、前記過酸化水素の供給量割合を決定する、ディーゼルエンジンの制御装置。
  3. 請求項2に記載のディーゼルエンジンの制御装置であって、
    過酸化水素供給量割合制御部は、前記水の供給量割合及びエンジン負荷に対する前記過酸化水素の供給量割合の関係を表す過酸化水素供給量割合特性において、前記水の供給量割合及びエンジン負荷に対応する前記過酸化水素の供給量割合を演算し、
    前記過酸化水素供給量割合特性においては、エンジン負荷の減少に対して、前記水の供給量割合に対する前記過酸化水素の供給量割合の傾きが増加する、ディーゼルエンジンの制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1に記載のディーゼルエンジンの制御装置であって、
    ベース燃料の着火性を推定する燃料着火性推定部をさらに備え、
    過酸化水素供給量割合制御部は、燃料着火性推定部で推定されたベース燃料の着火性に応じて、前記過酸化水素の供給量割合を変化させる、ディーゼルエンジンの制御装置。
  5. 請求項4に記載のディーゼルエンジンの制御装置であって、
    過酸化水素供給量割合制御部は、
    ベース燃料の着火性が基準より高い場合は、ベース燃料の着火性が基準である場合と比較して、前記過酸化水素の供給量割合を減少させ、
    ベース燃料の着火性が基準より低い場合は、ベース燃料の着火性が基準である場合と比較して、前記過酸化水素の供給量割合を増加させる、ディーゼルエンジンの制御装置。
  6. ベース燃料と水と過酸化水素がシリンダ内に供給されるディーゼルエンジンと、
    請求項1〜5のいずれか1に記載のディーゼルエンジンの制御装置と、
    を備える、ディーゼルエンジンシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104763521A (zh) * 2015-03-11 2015-07-08 吉林大学 一种燃油中加入双氧水的控制系统及控制策略
JP2016138518A (ja) * 2015-01-28 2016-08-04 マツダ株式会社 圧縮着火式エンジンの制御装置
JP2018533694A (ja) * 2015-11-06 2018-11-15 アイオナイジングエナジー リミテッド 内燃機関エンジン内で有機脂を酸化させるための方法及び装置
JP2018178723A (ja) * 2017-04-03 2018-11-15 株式会社デンソー 内燃機関制御システム

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