JP2012234602A - 磁気ヘッド及びそれを用いた磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気ヘッド及びそれを用いた磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スピン蓄積効果を用いた再生ヘッドの漏洩磁場検出部を狭小化する。
【解決手段】自由層となる磁性導電層4と固定層となる磁性導電層5とを、障壁層2,3を介して、非磁性導電層1上に積層した構造とする。磁性導電層の磁化は反強磁性導電層6によって固定する。導電性磁気シールド12は、コンタクト11を介して、非磁性導電層と電気的に接合されている。電流は、第1の導電性磁気シールドから第2の導電性磁気シールド13へと通電する。記録媒体対向面には、非磁性導電層、障壁層、及び、磁性導電層が露出しており、これらは、導電性磁気シールド12,14とで挟まれた構造となっている。導電性磁気シールドは、磁性導電層と接合されており、磁性導電層の電位を検出する電圧端子となっている。導電性磁気シールドは、電気的に接合されていない。
【選択図】図2A

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子を備える磁気ヘッド、及びそれを用いた磁気記録再生装置に関する。
磁気記録再生装置市場においては、年率40%超の記録密度向上が要求されており、現在の成長率に従うと面記録密度は2015年頃には数テラbit/in2に到達すると推測される。超テラビット級の磁気記録再生装置に対し、磁気記録再生ヘッドには、今まで以上の高出力化・高分解能化が求められる。
現行の磁気記録再生装置に関しては、その要素技術として、センス電流を積層面に垂直に流すCPP−GMR(Current Perpendicular to Plane Giant Magneto Resistance)ヘッドやTMR(Tunneling Magneto Resistance)ヘッドが提案されている。これらスピンバルブタイプの再生ヘッドは、媒体からの漏洩磁界を検出する手段として磁化が自由に回転する磁性体(自由層)を用いており、一方向に磁化を固着した磁性体(固定層)と自由層と間の相対的な磁化の向きに応じて抵抗が変化する。
現行のCPP−GMRヘッドやTMRヘッドに関して、分解能を高めるためには構成膜を薄くする必要がある。特にビット長が小さくなってくると、高い分解能を得るためにはギャップ幅Gwを狭小化しなくてはならない。例えば、2Tbit/in2の媒体に対する再生ヘッドはGw=18nmとなり、素子の構成膜の合計を18nm以下にする必要がある。そこで、テラビット級の面記録密度を持つハードディスクに関しては、高分解能かつ高出力の外部磁界センサが必要となっている。
高分解能かつ低ノイズの外部磁界センサとして、スピン蓄積効果を応用した再生ヘッドが提案されている(特許文献1,2,3)。スピン蓄積効果とは、強磁性体から非磁性金属に電流を流した際に、スピン拡散長の範囲内で、非磁性金属中にスピン偏極した電子が蓄積される現象である。ここで、スピン拡散長とは、スピンの情報が消失する(スピンが反転する)距離を表しており、物質固有の値である。この効果は、強磁性体が一般にフェルミ準位において異なるスピン密度(アップスピン電子とダウンスピン電子の数が異なる)をもつため、強磁性体から非磁性金属に電流を流すとスピン偏極した電子が注入され、アップスピン電子とダウンスピン電子のケミカルポテンシャルが異なることに起因したスピン流が発生する。この蓄積されたスピン流のため、非磁性導電層は、スピン拡散長の範囲内で、強磁性的な振る舞いをすることが知られている。
この効果を利用した再生ヘッドは、スピン流を注入する磁性体を固定層、他方の磁性体を記録媒体に対向する自由層として利用する(特許文献1)。スピン蓄積効果により、固定層と自由層とをスピン拡散長(スピン情報を伝達可能な距離)の範囲内で離れた位置に配置することが出来るため、記録媒体に対向するシールド間距離(ギャップ長)を狭小化することが可能となる。例えば、本構造の場合、媒体に対向する面(ABS:Air Bearing Surface)において、シールド間に挟まれた膜の最小構成は、コンタクト、非磁性細線、障壁層、磁性体(自由層)、延長電極、層間絶縁膜となるため、記録媒体対向面のシールド内には、固定層と反強磁性層が不要となっている。
特開2004−342241号公報 特開2007−299467号公報 特開2009−301625号公報
しかし、記録媒体の高記録密度化が更に進むと、従来の構造では、ギャップ長を狭くすることが困難となる。例えば、特許文献1の場合、電流を印加する端子は、固定層側の非磁性細線と固定層が電流供給回路の一部となるように配置されている。また、電圧を検出する端子は、自由層側の非磁性細線と自由層との電位差を検出する構造となっている。そのため、記録媒体に対向する面では、コンタクト及び延長電極は必須の構成となり、これらの層の存在のため、ギャップ長を狭くすることが困難となる。また、特許文献2の場合、非磁性細線と自由層との電位差を検出する構造において、上記特許文献1における延長電極はないものの、代わりに強磁性自由層が延長電極の役割をしている。この構造では、自由層の磁化に、記録媒体に垂直な成分を持たせることは困難であり、また自由層の磁化を安定化させるためのハードバイアス機構を設けることも困難である。また、特許文献3の場合、スピン蓄積が起きる非磁性層が媒体に対向する面(ABS)内で広がった構造になっており、この構造ではスピン蓄積された電子密度が低くなるため十分な出力を得ることは困難である。
上記課題を克服するために、本発明は、電圧端子と電流端子の一端を共通化した3端子スピン蓄積素子を提案する。すなわち、一端が自由層に配置された電圧検出端子の他端を、一端が固定層に配置された電流端子の他端と共通にし、共通端子を接地された構造とする。
一例として、自由層と固定層を、それぞれ障壁層を介して非磁性導電層の片側に積層した構造とする。非磁性導電層を挟むようにして、一方の側に第1の導電性磁気シールドを配置し、反対側に第2と第3の導電性磁気シールドを配置する。第1の導電性磁気シールドは、コンタクトを介して非磁性導電層に電気的に接合する。第2の導電性磁気シールドと第3の導電性磁気シールドは電気的に絶縁した構造とし、固定層は第2の導電性磁気シールドに、自由層は第3の導電性磁気シールドに、それぞれ電気的に接続する。記録媒体対向面には、第1と第3の導電性磁気シールドで挟まれて、非磁性導電層、障壁層及び自由層が露出している。電流は、第1の導電性磁気シールドから第2の導電性磁気シールドへと通電する。非磁性導電層と自由層の間の電圧は、第1の導電性磁気シールドと第3の導電性磁気シールドを端子として検出する。この場合、第1の導電性磁気シールドは、電流通電用と電圧検出用の共通端子として機能する。
電圧端子と電流端子の一端を共通化することで、記録媒体対向面の磁気シールド間には、コンタクト及び延長電極が不要となる。そのため、少なくとも、これらの層の厚さ分、シールド間隔を狭くすることができる。また、3端子構造にすることで、電圧端子へのスピン流の散逸を低減でき、素子単体で高出力化が可能となる。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
従来の4端子スピン蓄積素子の断面模式図。 従来の4端子スピン蓄積素子の記録媒体対向面の模式図。 本発明による3端子スピン蓄積素子の一例を示す断面模式図。 本発明による3端子スピン蓄積素子の一例の記録媒体対向面の模式図。 4端子スピン蓄積素子の出力電圧の磁場依存性を示す図。 3端子スピン蓄積素子の出力電圧の磁場依存性を示す図。 4端子スピン蓄積素子における純スピン流分布の模式図。 4端子スピン蓄積素子における純スピン流の等価回路図。 3端子スピン蓄積素子における純スピン流分布の模式図。 3端子スピン蓄積素子における純スピン流の等価回路図。 出力信号のスピン拡散長依存性を示す図。 出力信号の界面スピン分極率依存性を示す図。 3端子スピン蓄積素子を備えた再生ヘッドの一例を示す模式図。 図8に示した再生ヘッドの上面模式図。 図8に示した再生ヘッドの側断面模式図。 図8に示した再生ヘッドの底面模式図。 3端子スピン蓄積素子を備えた再生ヘッドの他の例を示す模式図。 図10に示した再生ヘッドの上面模式図。 図10に示した再生ヘッドの側断面模式図。 図10に示した再生ヘッドの底面模式図。 本発明による再生ヘッドの作製方法の例を示す図。 本発明による再生ヘッドの作製方法の例を示す図。 本発明による再生ヘッドの作製方法の例を示す図。 本発明による再生ヘッドの作製方法の例を示す図。 本発明による再生ヘッドの作製方法の他の例を示す図。 本発明による再生ヘッドの作製方法の他の例を示す図。 本発明による再生ヘッドの作製方法の他の例を示す図。 本発明による再生ヘッドの作製方法の他の例を示す図。 本発明による磁気ヘッドの概略図。 本発明による磁気ヘッドを備えた磁気記録再生装置の概略図。
以下、本発明を適用するのに好ましいスピン蓄積素子、及び、それを利用した再生ヘッドについて、詳細に説明する。
図1Aは従来の4端子スピン蓄積素子の断面模式図であり、図1Bは記録媒体対向面の模式図である。その基本構造は、2つの磁性導電層4,5が、障壁層2,3を介して、非磁性導電層1上に積層された構造である。磁性導電層5は、反強磁性導電層6によって磁化方向が一方向に固着されており、再生ヘッドにおける固定層の役割を果たす。また、電流を導電性磁気シールド10より、固定層5を通じて非磁性導電層1に流す構造となっているため、前述の通り、一方向に偏極したスピン流が注入され、非磁性導電層1の内部にスピン流が蓄積される。一方、磁性導電層4は、記録媒体に対向した面に露出した構造となっており、再生ヘッドにおける自由層として機能する。磁性導電層4の磁化方向は、記録媒体からの漏洩磁場によって変化し、非磁性導電層1に蓄積されたスピン流の偏極方向に対する相対的な向きに依存した出力電圧が発生する。この出力電圧は、磁性導電層4に接合された延長電極7と、非磁性導電層1に電気的に接合された導電性磁気シールド9との電位差に対応する。なお、導電性磁気シールド9は、コンタクト8を介して非磁性導電層1に接合されている。以下、本構造の素子を4端子スピン蓄積素子と呼ぶ。
図2Aは本発明による3端子スピン蓄積素子の一例を示す断面模式図であり、図2Bはその記録媒体対向面の模式図である。その基本構造は、2つの磁性導電層4,5が、障壁層2,3を介して、非磁性導電層1上に積層された構造である。また、図1Aと同様に、反強磁性導電層6によって磁化が固定された磁性導電層5が固定層として機能し、媒体対向面に露出した磁性導電層4が自由層として機能する。電流の印加方向は、図1Aと異なり、導電性磁気シールド12から導電性磁気シールド13へと電流が流れる方向である。導電性磁気シールド12は、コンタクト11を介して、非磁性導電層1と電気的に接合されている。コンタクト11の材料としては、一般的な非磁性導電体が用いられる。
本構造によると、電流を膜面に対して垂直方向に印加でき、大電流を印加することも可能となる。ただし、コンタクト11は必ずしも磁性導電層5の真下になくてもよく、非磁性導電層1上の磁性導電層5と異なる位置で、磁性導電層5と同じ側にあって別途電極をとっても良い。一方、記録媒体対向面に関しては、非磁性導電層1、障壁層2、及び、磁性導電層4が露出しており、これらは、導電性磁気シールド12,14で挟まれた構造となっている。導電性磁気シールド14は、磁性導電層4と接合されており、磁性導電層4の電位を検出する電圧端子となっている。なお、導電性磁気シールド13,14は、電気的に絶縁されている。以下、本構造の素子を3端子スピン蓄積素子と呼ぶ。
3端子スピン蓄積素子は、図1A、図1Bに示した4端子スピン蓄積素子と比較して、電圧端子である延長電極7とコンタクト8が不要となるため、記録媒体対向面において、シールド間距離を狭小化可能となる。また、本構造では、延長電極7がないために、自由層の磁区制御用のハードバイアス層を配置することが容易となる。以上の点から、狭ギャップ再生ヘッドを提供可能となる。
図3Aに4端子スピン蓄積素子の出力電圧の磁場依存性を示し、図3Bに3端子スピン蓄積素子の出力電圧の磁場依存性を示す。なお、図中の実線及び破線は、磁場の増加過程及び減少過程に対する出力電圧を示す。4端子スピン蓄積素子においては、前述の通り、蓄積されたスピン流の偏極方向と磁性導電層4との磁化の向きに依存した電圧が観測される。そのため、磁性導電層(自由層)4と磁性導電層(固定層)5の磁化の向きが反平行の場合、ΔV/2だけ高い電位となり、自由層と固定層の磁化の向きが平行の場合、ΔV/2だけ低い電位となる。そのため、非磁性導電層1が接地された場合、出力電圧は図3Aのように、自由層の磁化反転に伴って、ΔVの電位差が生じる。この電位差を出力信号と呼ぶ。一方、3端子スピン蓄積素子においては、非磁性導電層1の電位は、コンタクト11と導電性磁気シールド12の膜厚方向に発生する電圧降下のため、正の有限値V0をとる。また、磁性導電層4の電位は、自由層と固定層の磁化の向きが平行・反平行で、V0+ΔV/2とV0−ΔV/2の値をとるため、自由層の磁化反転に伴いΔVの出力信号が観測される。
続いて、それぞれの出力信号の大きさに関して説明を行う。図4A及び図5Aは、4端子スピン蓄積素子と3端子スピン蓄積素子における純スピン流分布の模式図である。スピン蓄積効果は、固定層5よりスピンを注入することで、非磁性導電層1にスピン流が発生するが、その大きさをIsとする。4端子スピン蓄積素子においては、図4Aに示すように、電圧検出部でこのスピン流が分流する。いま、磁性導電層4の方向に流れるスピン流をIs1、導電性磁気シールド9の方向に流れるスピン流をIs2とすると、図4Bの等価回路図を参照して、スピン流Is1,Is2は以下のように表すことができる。
s=Is1+Is2 …(1)
s1=RsF/(RsF+RsN)×Is …(2)
s2=RsN/(RsF+RsN)×Is …(3)
ただし、RsF及びRsNは、磁性導電層4とコンタクト8のスピン抵抗を表す。Phys. Rev. B, 72, 014461(2005) によると、スピン抵抗RsFとRsNは、
sF=λF×(1−P)×ρF/AhF …(4)
sN=λbN×ρbN/AhN …(5)
と表される。ただし、λF,P,ρF,AhFは、磁性導電層4のスピン拡散長、スピン分極率、電気抵抗値、非磁性導電層1との接合面積を表す。また、λ-bN,ρbN,AhNは、コンタクト8のスピン拡散長、電気抵抗値、非磁性導電層1との接合面積を表す。
一方、図5A及び図5Bに示すように、3端子スピン蓄積素子においては、コンタクト8が存在しないため、導電性磁気シールド12へのスピン流の散逸は無視できる。そのため、従来の4端子スピン蓄積素子と本発明の3端子スピン蓄積素子を比較した場合、本発明の方が、(λF・ρF/λ-bN・ρbN)×(AhN/AhF)×(1−P)×Is分だけ、スピン流の散逸を抑制できる構造である。一般的に、非磁性体のスピン拡散長は磁性体のそれより数百倍大きいことから、スピン流の散逸を数十%低減することが可能である。そのため、本発明による3端子スピン蓄積素子にすることで、素子レベルでの出力信号ΔVが増大する。
図6及び図7は、本発明の3端子スピン蓄積素子及び従来の4端子スピン蓄積素子における出力信号ΔVのスピン拡散長依存性及び界面スピン分極率依存性を示す図である。出力信号ΔVは
ΔV=P×P×λN/(AN×σN)×exp(−d/λN)×Is …(6)
で表され、この値はスピン流Isに比例する。ここで、AN及びσNは、非磁性導電体1の断面積及び電気伝導度を表す。よって、4端子スピン蓄積素子の場合の出力信号ΔV’は、
ΔV’=ΔV×(λF・ρF/λN・ρN)×(AhN/AhF)×(1−P) …(7)
で表される。一方、3端子スピン蓄積素子の出力信号ΔV”は、前記の通り、導電性磁気シールド12へのスピン流の散逸は無視できるので、式(6)と同値のΔV”=ΔVとなる。
図6及び図7の中の実線は本発明による3端子スピン蓄積素子に対する計算結果を示し、破線は従来の4端子スピン蓄積素子に対する計算結果を示す。また、二点鎖線は、本発明によって得られる出力信号の増大分(=ΔV”−ΔV’)を表す。なお、これらの計算値は、後述の実施例2で得られた結果を基に算出している。図6は、スピン分極率P=0.5の場合の結果を示すが、非磁性導電層のスピン拡散長が増大するに従って、本発明によって得られる効果は増大していく。また、更にスピン拡散長が増大すると、その効果は次第に飽和する傾向にある。一方、スピン分極率に関しては、図7に示すように、非磁性導電層のスピン拡散長λN=700nmの場合、P=0.7付近で本発明によって得られる効果は最大値をとり、検出部の磁性導電層4が完全分極の状態(P=1)では、効果は得られない。なお、本発明による効果が最大となるスピン分極率の値は、非磁性導電層1と磁性導電層4のスピン拡散長λN,λF、伝導率ρN,ρF、及び、接合部面積AhN,AhFの大きさで規定される。以上のように、適切なスピン分極率を持つ材料を選択することで、本発明の効果として、出力信号の増大が期待される。
こうして、本発明によると、超テラビット級磁気記録装置対応の高分解能・高出力磁気再生センサが実現される。
図8は、本発明による3端子スピン蓄積素子を備えた再生ヘッドの一例を示す図であり、再生ヘッドを中央部分で切断した断面模式図である。図9A、図9B及び図9Cは、図8に示した再生ヘッドの上面模式図、側断面模式図、及び底面模式図である。図8に示した断面は、図9Bの断面に対応する。図中、1は非磁性導電層、2及び3は障壁層、4及び5は磁性導電層、6は反強磁性導電層、12,13,14は第1、第2、第3の導電性磁気シールド、15は非導電性磁気シールドを表す。これらの構成は、図2A及び図2Bに示した3端子スピン蓄積素子の基本構造と同じである。
磁性導電層4は端面が記録媒体対向面に露出しており、漏洩磁場を検出する自由層として機能する。自由層の両脇には、第1のバードバイアス層16が配置されている。自由層の磁化は第1のハードバイアス層16によって制御されており、漏洩磁場の変化によって、磁化方向が変化する。第1のハードバイアス層の材料としては、Co−Pt合金等を用いることができる。一方、磁性導電層5は、反強磁性導電層6によってその磁化方向が一方向に固定されており、固定層として機能する。また、非導電性磁気シールド15は、Y3Fe512などに代表される絶縁性を示す磁性体から構成されており、第2の磁気シールド13と第3の磁気シールド14の間に挿入することで、両者の磁気的な結合を保つが、第2の磁気シールド13と第3の磁気シールド14を電気的に絶縁する役割を担っている。これは、センシング部分の微細化に伴い、自由層4に接合された第3の磁気シールド14の体積が小さくなるため、磁気シールドとしての機能を保つ必要があるためである。17はキャップ層、18は層間絶縁層である。この再生ヘッドは、第1の導電性磁気シールド12から第2の導電性磁気シールド13へと電流を印加する電流源20と、第3の導電性磁気シールド14の電位を検出する電圧計21を備え、電流源20と電圧計21の共通端子が接地された構造を特徴とする。
図10は、本発明による3端子スピン蓄積素子を備えた再生ヘッドの別の例を示す図であり、再生ヘッドを中央部分で切断した断面模式図である。図11A、図11B及び図11Cは、図10に示した再生ヘッドの上面模式図、側断面模式図、底面模式図である。図10に示した断面は、図11Bの断面図に相当する。図中、1は非磁性導電層、2及び3は障壁層、4及び5は磁性導電層、12,13及び14は導電性磁気シールドを表す。15は非導電性磁性シールド、16は第1のハードバイアス層、17はキャップ層、18は層間絶縁層である。電流源20と電圧計21は、図8に示した再生ヘッドと同じ構成である。
この再生ヘッドは、反強磁性導電層の代わりに、磁性導電層(固定層)5の両脇に配置した第2のハードバイアス層19によって固定層の磁区を制御することが特徴である。なお、第1のハードバイアス層16、及び、第2のハードバイアス19の材料は、Co−Pt合金等として、それぞれの組成比や形状を変化させることで、自由層4と固定層5に印加されるバイアス磁界の強度を異ならせる。なお、自由層4と比較し、固定層5に印加されるバイアス磁界の強度が強い。図10に示した再生ヘッドの構造とすることで、反強磁性導電層6が不要となり、作製プロセスが容易となる。
図14は、本発明の再生ヘッドを備えた磁気ヘッドの模式図である。図中、31はスライダアーム、32は記録ヘッド、33は本発明による再生ヘッドである。なお、記録ヘッド32と再生ヘッド33を纏めて、磁気ヘッド34と呼ぶ。
図15は、本発明の磁気ヘッドを備えた磁気記録再生装置の概略図である。長手記録連続媒体、垂直記録連続媒体、ディスクリート媒体、パターン媒体といった磁気記録層を有する磁気記録媒体36と、磁気記録媒体36を回転させるための駆動部38からの運動を伝達する回転棒37、磁気記録媒体に対して情報の記録再生を行う図14に示した磁気ヘッド34、磁気ヘッド34を磁気記録媒体上の所望のトラックに位置決めするアクチュエータ35及びスライダアーム31、磁気ヘッド34からの出力信号を処理する手段、磁気ヘッド34に送る記録信号を処理する手段を備える。
[実施例1]
図12Aから図12Dを参照して、本発明の再生ヘッドの作製方法の例について説明する。図12A〜図12Dは、図8及び図9A〜図9Cに示した再生ヘッドの作製工程図である。なお、図中のA断面は固定層側(電流注入部)、B断面は素子断面、C断面は自由層側(媒体対向面の検出部)をそれぞれ表す。
(第1工程)第1シールド作成
第1工程は、第1の導電性磁気シールド12の作製工程である。本実施例では、AlTiC基板を用い、めっき法にて第1の導電性磁気シールド12であるNiFeを1.5μm形成し、その表面を化学機械研磨法(CMP)によって平坦化した。その後、層間絶縁膜18として、Al23(2nm)をスパッタにより形成し、A断面(固定層側)にコンタクトホール(1×1μm2)を形成した。なお、()内の数値は膜厚あるいは面積を表す。
(第2工程)多層膜製膜
第2工程では、非磁性細線、及び、磁性ピラー用の多層膜を形成する。非磁性導電層1としてAg(4nm)、障壁層2としてMgO(0.8nm)、磁性導電層としてCoFeB(5nm)、反強磁性導電層6としてMnIr(8nm)、キャップ層17としてTa(5nm)、Ru(5nm)をスパッタ法によって、第1工程で作製された基板上に形成した。
(第3工程)非磁性細線加工
第3工程では、非磁性細線の細線パターンを加工した。第2工程で作製した多層膜上に、電子線描画用ネガレジストをスピンコートし、電子線描画にて非磁性細線パターンを作成した。非磁性細線のパターンとして、線幅20nm×長さ3μmの描画を行った。その後、レジストパターンをマスクとし、イオンミリングによって、第1の導電性磁気シールドが露出するまでエッチングを行った。本工程で作製された非磁性細線パターン上に層間絶縁膜18を積層し、リフトオフ法によって細線上のレジストパターンごと剥離する。なお、本工程では層間絶縁膜18として、Al23(40nm)形成した。
(第4工程)磁性ピラー加工
第4工程では、磁性ピラー加工を行った。まず、電子線描画により、2つの磁性細線パターンを作製した。作製したパターンは、A断面(固定層)が線幅20nm×長さ200nm、B断面(自由層)が線幅20nm×長さ100nmである。なお、固定層と自由層との距離は、100nmとした。その後、アルゴンミリングにより、自由層と固定層のパターンを形成した。なお、アルゴンミリングは、MgO障壁層が露出するまで、エッチングを行った。加工後のパターン上に層間絶縁膜18を積層し、リフトオフ法によって細線上のレジストパターンごと剥離した。なお、本工程では層間絶縁膜18として、Al23(20nm)形成した。更に、自由層上の反強磁性導電層MnIrを除去する目的で、自由層のパターンホールを、電子線ポジレジストにて形成し、イオンミリングによって、自由層上のMnIr膜8nmとキャップ膜を除去した。その後、キャップ膜を再度形成し、リフトオフにより、キャップ膜を形成した。その後、自由層側にハードバイアス層16のパターンを作製した。
(第5工程)磁区制御層形成
第5工程では、磁区制御用のハードバイアス層を形成した。第4工程で作成されたハードバイアス用のパターンにCo−Pt合金をスパッタ法にて50nm形成した。
(第6工程)磁区制御層加工
第6工程では、その後、CMP平坦化を行い、ハードバイアス層16を完成した。
(第7工程)第2、第3磁気シールド作製
第7工程では、第2及び第3の導電性磁気シールドの作製を行った。第6工程で作製された基板上にスパッタ法を用いてNiFeを1.5μm形成した。
(第8工程)磁気シールド分離
第8工程では、電子線フォトレジストを用い、第2及び第3の磁気シールドを分離するパターンを形成し、その後、イオンミリングによって、第2の導電性磁気シールドと第3の導電性磁気シールドとを分離した。なお、ミリングによるエッチングは、層間絶縁膜18が露出するまでエッチングを行った。
(第9工程)非導電性磁気シールド膜形成
第9工程では、非導電性磁気シールドの作製を行う。非導電性磁気シールド15として、スパッタ法によって、Y3Fe512を2μm形成した。その後、CMP処理によって、平坦化を行った。ただし、平坦化の工程は、必ずしも必要とはしない。
(第10工程)保護膜形成
第10工程では、保護膜を形成した。保護膜22として、Al23をスパッタ法により2μm形成し、その後、CMPによる平坦化を行った。
(第11工程)スライダー加工
第11工程では、スライダーの形状に加工した。本工程では、CMP処理による平坦化を行うが、浮上面に対応するC断面の平坦化により、自由層4の形状をコントロールする。本実施例では、自由層の形状が、線幅20nm×長さ100nmから線幅20nm×長さ30nmになるように、CMP工程を進めた。
(第12工程)電流・電圧端子配線
第12工程では、それぞれのシールドにコンタクト用の配線を施し、電流源20と電圧計21を配線した。コンタクトホールのパターンは、フォト露光によって形成し、イオンミリングによる加工を行った。電流源20は、第1の導電性磁気シールド12と第2の導電性磁気シールド間に電流を印加できるように配線した(A断面)。また、電圧計21を、その一端が第3の磁気シールドに接続され、もう一端が接地される様に配線した(C断面)。なお、本実施例では、第1の導電性磁気シールドに配線された電流源20の接地端子と電圧計21の接地端子を共通とした。
以上の工程で作製された再生ヘッドに関して、効果を検証した。なお、比較のために、4端子スピン蓄積素子の再生ヘッドの出力信号の結果も示す。4端子スピン蓄積素子の基本構造は、図1A及び図1Bに示した通りであり、非磁性導電層1、自由層4、固定層5、及び、反強磁性層6のサイズと材料は、実施例1と同様とした。ただし、記録媒体対向面の構成としては、図1A及び図1Bに示したコンタクト8層と延長電極7として、Alが2nm、Cuが5nm積層された構造である。また、導電性磁気シールド9,10の間隔は20nmとした。
まず、比較用の4端子スピン蓄積素子に関して、素子を構成する非磁性導電層1であるAgと磁性導電層4であるCoFeBの抵抗値ρとスピン拡散長λを測定したところ、ρN=3.6μΩcm、λN=700nm、及び、ρF=30.0μΩcm、λF=5nmとなった。また、MgO障壁層とAg細線の界面スピン分極率Pは、P=0.5と見積もられる。電流I=0.1mAを印加し、出力信号ΔV’を非局所測定法により測定したところ、CoFeBの磁化反転に伴い、ΔV’=6.53mVの出力信号を得た。
一方、本発明による3端子スピン蓄積素子における物性値は、前記4端子スピン蓄積素子とほぼ同値であるが、電流I=0.1mAを印加した場合の出力信号ΔV”を測定したところ、ΔV”=6.82mVと比較例に対し、0.3mVの高出力化に成功した。また、記録媒体対向面に関して、第1及び第3の導電性磁気シールド間の距離は13nmとした。これは、3端子スピン蓄積素子にすることで、図1A及び図1Bに示したコンタクト8と延長電極7が不要になった結果である。また、自由層4には、ハードバイアス層16による磁区制御が可能なため、磁場に対する応答性も向上した。以上より、本実施例による効果として、比較例に対して約5%の出力増大と、35%の狭ギャップ化が可能となった。
[実施例2]
図13Aから図13Dを用いて、本発明の再生ヘッドの作製方法の他の例について説明する。図13A〜図13Dは、図10及び図11A〜図11Cに示した再生ヘッドの作製工程図である。なお、図中のA断面は固定層側(電流注入部)、B断面は素子断面、C断面は自由層側(媒体対向面の検出部)をそれぞれ表す。
(第1工程)第1シールド作製
第1工程は、第1の導電性磁気シールド12の作製工程である。本実施例では、AlTiC基板を用い、めっき法にて第1の導電性磁気シールド12であるNiFeを1.5μm形成し、その表面を化学機械研磨法(CMP)によって平坦化した。その後、層間絶縁膜18として、Al23(2nm)をスパッタにより形成し、A断面(固定層側)にコンタクトホール(1×1μm2)を形成した。なお、()内の数値は膜厚あるいは面積を表す。
(第2工程)多層膜製膜
第2工程では、非磁性細線、及び、磁性ピラー用の多層膜を形成した。非磁性導電層1としてAg(4nm)、障壁層2としてMgO(0.8nm)、磁性導電層としてCoFeB(5nm)、キャップ層17としてTa(5nm)、Ru(5nm)をスパッタ法によって、第1工程で作製された基板上に形成した。
(第3工程)非磁性細線加工
第3工程では、非磁性細線の細線パターンを加工した。第2工程で作製した多層膜上に、電子線描画用ネガレジストをスピンコートし、電子線描画にて非磁性細線パターンを形成した。非磁性細線のパターンとして、線幅20nm×長さ3μmの描画を行った。その後、レジストパターンをマスクとし、イオンミリングによって、第1の磁気シールドが露出するまでエッチングを行った。本工程で作製された非磁性細線パターン上に層間絶縁膜18を積層し、リフトオフ法によって細線上のレジストパターンごと剥離した。なお、本工程では層間絶縁膜18として、Al23(40nm)形成した。
(第4工程)磁性ピラー加工
第4工程では、磁性ピラー加工を行った。まず、電子線描画により、2つの磁性細線パターンを作製した。作製したパターンは、A断面(固定層)が線幅20nm×長さ200nm、B断面(自由層)が線幅20nm×長さ100nmとした。なお、固定層と自由層との距離は、100nmとした。その後、アルゴンミリングにより、自由層と固定層のパターンを形成した。なお、アルゴンミリングは、MgO障壁層2が露出するまで、エッチングを行った。加工後のパターン上に層間絶縁膜18を積層し、リフトオフ法によって細線上のレジストパターンごと剥離した。なお、本工程では層間絶縁膜18として、Al23(20nm)形成した。その後、自由層側にハードバイアス層16、固定層側にハードバイアス層19のパターンを作製した。
(第5工程)磁区制御層形成
第5工程では、磁区制御用のハードバイアス層を形成した。第4工程で作成されたハードバイアス用のパターンにCo−Pt合金をスパッタ法にて50nm形成した。
(第6工程)磁区制御層加工
その後、CMP平坦化を行い、第1のハードバイアス層16と第2のハードバイアス層19を完成した。
(第7工程)第2、第3磁気シールド作製
第7工程では、第2及び第3の導電性磁気シールドの作製を行った。第6工程で作製された基板上にスパッタ法を用いてNiFeを1.5μm形成した。
(第8工程)磁気シールド分離
第8工程では、電子線フォトレジストを用い、第2及び第3の導電性磁気シールドを分離するパターンを形成し、その後、イオンミリングによって、第2の導電性磁気シールドと第3の導電性磁気シールドを分離した。なお、ミリングによるエッチングは、層間絶縁膜18が露出するまでエッチングを行った。
(第9工程)非導電性磁気シールド膜形成
第9工程では、非導電性磁気シールドの作製を行った。非導電性磁気シールド15として、スパッタ法によって、Y3Fe512を2μm形成した。その後、CMP処理によって平坦化を行った。ただし、平坦化の工程は、必ずしも必要とはしない。
(第10工程)保護膜形成
第10工程では、保護膜22を形成した。保護膜22として、Al23をスパッタ法により2μm形成し、その後CMPによる平坦化を行った。
(第11工程)スライダー加工
第11工程では、スライダーの形状に加工した。本工程では、CMP処理による平坦化を行うが、浮上面に対応するC断面の平坦化により、自由層4の形状をコントロールした。本実施例では、自由層の形状が、線幅20nm×長さ100nmから線幅20nm×長さ30nmになるように、CMP工程を進めた。
(第12工程)電流・電圧端子配線
第12工程では、それぞれのシールドにコンタクト用の配線を施し、電流源20と電圧計21を配線した。コンタクトホールのパターンは、フォト露光によって形成し、イオンミリングによる加工を行った。電流源20は、第1の導電性磁気シールド12と第2の導電性磁気シールド13間に電流を印加できるように配線した(A断面)。また、電圧計21が、その一端が第3の導電性磁気シールド14に接続され、もう一端が接地される様に配線した(C断面)。なお、本実施例では、第1の磁気シールドに配線された電流源20の接地端子と電圧計21の接地端子を共通とした。本実施例では、実施例1と比較し、反強磁性体6を作製する工程が省略できたため、第4工程の簡素化が可能となった。
以上の工程で作製された第2の再生ヘッドに関して、効果を検証した。本実施例では、電流I=0.1mAを印加し、出力信号ΔV”を非局所測定法により測定したところ、ΔV”=6.70mVとなった。実施例1と比較すると、0.1mV出力信号が小さくなっているが、これは、利用効率の違いによって生じた差異であると考えられる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 非磁性導電層
2,3 障壁層
4,5 磁性導電層
6 反強磁性導電層
7 延長電極
8,11 コンタクト
9,10,12,13,14 導電性磁気シールド
15 非導電性磁気シールド
16 第1のハードバイアス層
17 キャップ層
18 層間絶縁層
19 第2のハードバイアス層
20 電流源
21 電圧計
31 スライダアーム
32 記録ヘッド
33 再生ヘッド
34 磁気ヘッド
35 アクチュエータ
36 記録媒体
37 回転棒
38 駆動部

Claims (7)

  1. 非磁性導電層と、
    前記非磁性導電層の一端に、第1の障壁層を介して積層された第1の磁性導電層と、
    前記非磁性導電層の他端に、第2の障壁層を介して積層された第2の磁性導電層と、
    前記第2の障壁層を介して前記非磁性導電層と前記第2の磁性導電層との間に電流を印加する電流印加手段と、
    前記非磁性導電層と前記第1の磁性導電層との間の電圧を検出する電圧検出手段とを備え、
    前記電流印加手段の前記非磁性導電層側の端子と、前記電圧検出手段の前記非磁性導電層側の端子は共通端子であり、
    前記電圧検出手段は、外部磁界によって変化する前記第1の磁性導電層の磁化の向きに応じて、前記非磁性導電層と前記第1の磁性導電層との間に生じる電圧を検出することを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 請求項1記載の磁気ヘッドにおいて、
    前記非磁性導電層の一方の側面に、電圧測定端子である第1の導電性磁気シールドと電流端子である第2の導電性磁気シールドが配置され、
    前記非磁性導電層の他方の側面に、前記共通端子である第3の導電性磁気シールドが配置され、
    前記第1の導電性磁気シールドは前記第1の磁性導電層と電気的に接続されており、
    前記第2の導電性磁気シールドは前記第2の磁性導電層と電気的に接続されており、
    前記第1の導電性磁気シールドと前記第2の導電性磁気シールドとは電気的に絶縁されており、
    前記第3の導電性磁気シールドは前記非磁性導電層と電気的に接続されていることを特徴とする磁気ヘッド。
  3. 請求項2記載の磁気ヘッドにおいて、前記第1の導電性磁気シールド及び前記第2の導電性磁気シールドは、間に非導電性磁気シールドを介して磁気的に結合されていることを特徴とする磁気ヘッド。
  4. 請求項2記載の磁気ヘッドにおいて、前記第3の導電性磁気シールドと前記非磁性導電層とを電気的に接合するコンタクト部分が、前記第1の磁性導電層の前記第2の磁性導電層側の端部よりも、前記第2の磁性導電層の方向に離れた場所に配置されていることを特徴とする磁気ヘッド。
  5. 請求項1記載の磁気ヘッドにおいて、
    前記第1の磁性導電層の両脇に当該第1の磁性導電層の磁化を制御するハードバイアス層が配置され、
    前記第2の磁性導電層に積層して、当該第2の磁性導電層の磁化を一方向に固着させるための反強磁性体層が配置されていることを特徴とする磁気ヘッド。
  6. 請求項1記載の磁気ヘッドにおいて、
    前記第1の磁性導電層の両脇に当該第1の磁性導電層の磁化を制御する第1のハードバイアスが配置され、
    前記第2の磁性導電層の両脇に当該第2の磁性導電層の磁化を制御する第2のハードバイアス層が配置されていることを特徴とする磁気ヘッド。
  7. 磁気記録層を備える磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を回転駆動する駆動部と、前記磁気記録媒体に対して情報の記録再生を行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体の所望のトラックに位置決めするヘッド駆動部とを有し、
    前記磁気ヘッドは、非磁性導電層と、前記非磁性導電層の一端に第1の障壁層を介して積層された第1の磁性導電層と、前記非磁性導電層の他端に第2の障壁層を介して積層された第2の磁性導電層と、前記第2の障壁層を介して前記非磁性導電層と前記第2の磁性導電層との間に電流を印加する電流印加手段と、前記非磁性導電層と前記第1の磁性導電層との間の電圧を検出する電圧検出手段とを備え、前記電流印加手段の前記非磁性導電層側の端子と、前記電圧検出手段の前記非磁性導電層側の端子は共通端子であり、前記電圧検出手段は、外部磁界によって変化する前記第1の磁性導電層の磁化の向きに応じて、前記非磁性導電層と前記第1の磁性導電層との間に生じる電圧を検出することを特徴とする
    磁気記録再生装置。
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