JP2012232489A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布層を有する積層ポリエステルフィルムであり、当該塗布層が、帯電防止剤、イソシアネート系反応基とウレタン結合とを有する化合物、末端にイソシアネート系反応基を持たないウレタン樹脂、および1種以上の架橋剤を含有する塗布液から形成されてなり、380nmの光線透過率が5%以下であることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
高分子量のカチオン性化合物としては、例えば、分子内に4級アンモニウム塩を含有する化合物が用いられるが、主鎖構造に4級アンモニウム塩を含有する化合物が熱安定性の観点から特に好ましい。
かかる化合物(B)としては、ポリオールに過剰ポリイソシアネートを反応させて生成した、末端にイソシアネート基を有するウレタン樹脂であっても構わず、この樹脂の合成には後述のウレタン樹脂(C)の合成に使用する原料成分を用いることが可能である。
テトラメチレン〜デカメチレン構造をもつウレタン樹脂(C)は、例えば、ポリイソシアネート成分やポリオール成分、鎖延長剤等にテトラメチレン〜デカメチレン構造を有する物を構成成分の一部として使用することで得られる。特に優れた特性のウレタン樹脂を得るためには、テトラメチレン〜デカメチレン構造を有するポリオールを使用することが工業的に容易である。また、このテトラメチレン〜デカメチレン構造を有するポリオールには、側鎖に例えば、メチル基を導入したものなど、テトラメチレン〜デカメチレン構造に変性を加えた誘導体であっても構わない。
付加重合性オキサゾリン基含有モノマーは、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等を挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
エポキシ化合物としては、ポリエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、グリシジルアミン化合物等が挙げられ、ポリエポキシ化合物としては、例えば、ソルビトール、ポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジエポキシ化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、モノエポキシ化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルアミン化合物としてはN,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン等が挙げられる。
JIS−K−7136に準じ、村上色彩技術研究所製ヘーズメーター「HM−150」により、試料フィルムの内部ヘーズを測定した。なお、エタノールを粗面補償溶媒として石英セルにて測定した。
島津製作所社製 分光光度計UV3100により、スキャン速度を低速、サンプリングピッチを2nm、波長300〜700nm領域で連続的に光線透過率を測定し、380nm波長での光線透過率を検出した。
ポリエステルフィルムの塗布層上に、下記に示すとおりのハードコート組成物を硬化後の厚さが3μmになるように塗布し、ウシオ電機社製紫外線照射装置UVC−402を用いて、高圧水銀灯により、160W/cm、照射距離100mm、コンベア速度3m/分で紫外線を照射し、活性エネルギー線硬化樹脂組成物の硬化を行い、<ポリエステルフィルム/易接着性塗布層/ハードコート層>という構成の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムの活性エネルギー線硬化樹脂層に、1インチ幅に碁盤目が100個になるようクロスカットを入れ、セロテープ(登録商標)による急速剥離テストを実施し、剥離面積によりその密着性を評価した。判定基準は以下のとおりである。
5:0≦碁盤目剥離個数≦10
4:11≦碁盤目剥離個数≦20
3:21≦碁盤目剥離個数≦40
2:41≦碁盤目剥離個数≦80
1:81≦碁盤目剥離個数
(1)と同ようにして得た積層フィルムのポリエステルフィルム面をガラス板に張り付け、そのガラス板を沸騰水の入った容器に活性エネルギー線硬化樹脂層が下になるように被せ、活性エネルギー線硬化樹脂層を蒸気に5分間さらして湿熱負荷を与え、その後、UVC−402を用いて高圧水銀灯により160W/cm、照射距離100mm、コンベア速度1m/分で紫外線を照射した。この操作を交互に7セット行った後、得られた積層フィルムの活性エネルギー線硬化樹脂層に、1インチ幅に碁盤目が100個になるようクロスカットを入れ、セロテープ(登録商標)による急速剥離テストを実施し、剥離面積によりその接着性を評価した。判定基準は(1)と同様である。
日本ヒューレット・パッカード社製 高抵抗測定器:HP4339Bおよび測定電極:HP16008Bを使用し、23℃,50%RHの測定雰囲気でサンプルを30分間調湿後、表面固有抵抗値を測定した。なお、表面固有抵抗が1×1012Ω以下であれば良好な帯電防止性能があると言え、1×1010Ω以下であれば十分な帯電防止性能があると言える。
微粘着層を設けたフィルム面の反対面にUV光が当たるようサンプルをセットした後、キセノンランプで200時間照射した後、サンプルのエッジ部を指で擦りシリコーン層の剥がれ具合を下記の基準で評価した。評価結果は、表2の通りであった。
○:全く剥がれない
×:部分的に剥がれる
○:接着性、接着耐候性、帯電防止性、粘着層の耐光性いずれも良好であり、
装飾フィルム用として好適である
×:接着性、接着耐候性、帯電防止性、粘着層の耐光性のいずれかの特性が劣っており、保護フィルム用として不適当である
(ポリエステル1):実質的に粒子を含有しない、極限粘度0.66のポリエチレンテレフタレート
(ポリエステル2):平均粒径2.5μmの非晶質シリカを0.2重量部含有する、極限粘度0.66のポリエチレンテレフタレート
(ポリエステル3):(ポリエステル1)をベント付き二軸押出機に供して、紫外線吸収剤として2,2−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン](CYTEC社製 CYASORB UV−3638 分子量 369 ベンゾオキサジン系)を10重量%濃度となるように供給して溶融混練りした極限粘度は、0.59のポリエチレンテレフタレート
(AS1):下記式1の構成単位と、下記式2の構成単位と、下記式3の構成単位を重量比率で80/10/10の比率で共重合した、数平均分子量21000の高分子化合物。
(UA)
:ヘキサメチレンジイソシアネート3量体312.5部、数平均分子量が700のメトキシポリエチレングリコール55.4部、からなる、分子内にウレタン結合と末端イソシアネート基を含有し、イソシアネート基をメチルエチルケトンオキシムでブロックイソシアネートとした化合物
ただし表面はイソホロンジイソシアネート80部、ヘキサメチレンジイソシアネート3量体20.2部、数平均分子量が1000のポリヘキサメチレンカーボネート229部、トリメチロールプロパン2.6部、ジメチロールプロピオン酸16.1部、からなりトリエチルアミンで中和し、ジエチレントリアミンで鎖延長したウレタン樹脂で被覆されたコアシェル構造となっている。
(A1):アクリル樹脂。プライマル HA−16(ロームアンドハースジャパン社製)(F1):平均粒径0.07μmのシリカゾル水分散体
(C1):オキサゾリン基がアクリル系樹脂にブランチされたポリマー型架橋剤。エポクロスWS−500(日本触媒社製)
(C2):グリシジルエーテルを有する多官能エポキシ化合物。デナコールEX−521(ナガセケムテックス社製)
(C3):メトキシメチロールメラミンである。ベッカミンJ−101(大日本インキ化学工業社製)
(C4):カルボジイミド化合物水溶液。カルボジライトSV−02(日清紡社製)。
上記ポリエステル1とポリエステル2をそれぞれ85%、15%の割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステル1とポリエステル3を95%、5%割合で混合し混合原料をB層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、A層を最外層(表層)、B層を中間層として、40℃に冷却したキャスティングドラム上に、2種3層(ABA)で、厚み構成比がA:B:A=3:94:3になるように共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの両面に、横延伸乾燥後の塗布量が0.03g/m2となるよう塗布液P1(下記表1参照)を塗布した後、テンターに導き、横方向に120℃で4.0倍延伸し、230℃で熱処理を行った後、フィルムをロール上に巻き上げ両面に塗布層を有する厚さ100μmの積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。
表1に示したP2〜P12の塗布液を塗布すること以外は実施例1と同様の方法により、実施例2〜6、比較例1〜6の積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの
実施例7:
上記ポリエステル1とポリエステル2を重量比でそれぞれ60%、40%の割合で混合した混合原料をA層の原料とすること以外は実施例1と同様の方法により、積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下表2に示す。
B層の原料を上記ポリエステル1 100%とした以外は、実施例1と同様の方法により、積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下表2に示す。次に、このフィルムの片面に、微粘着層としてシリコーン塗工液(末端基のみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシリコーン(信越化学工業製「X−62−1347」)100部(固形分重量部)に対し、白金触媒(信越化学工業製「CAT−PL−56」)2部(固形分重量部)を、バーコーターを用いて塗工し、150℃、2分間塗膜を乾燥・硬化させ、厚み25μmの微粘着層を設けた。このようにして得られたフィルムは、表2に示したように優れた特性を持つので、実際に携帯電話の表示画面に貼り付けて保護フィルムとして用いた時の視認性は、比較例7以外はいずれも良好で好適に使用できた。
Claims (2)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布層を有する積層ポリエステルフィルムであり、当該塗布層が、帯電防止剤、イソシアネート系反応基とウレタン結合とを有する化合物、末端にイソシアネート系反応基を持たないウレタン樹脂、および1種以上の架橋剤を含有する塗布液から形成されてなり、380nmの光線透過率が5%以下であることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
- 請求項1記載の積層ポリエステルフィルムの少なくとも片面に微粘着層を有することを特徴とする装飾フィルム用ポリエステルフィルム。
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