JP2012231753A - 調理済肉製品 - Google Patents

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【課題】食肉を加工処理する際に食中毒菌の増殖の防止を図り、加熱調理時に加熱の均一化を図ると共に形状変形及び品質変化を抑止し、更にはパッケージ作業の簡素化を図る。
【解決手段】
低温状態の原肉を定寸にカットして角型肉片を形成し、角型肉片の全体を加熱処理した後に、表層面のみを高温加熱処理して表皮層20を形成した。また、低温状態の原肉を定寸にカットして角型肉片を形成し、角型肉片の全体を加熱処理した後に、表層面のみを高温加熱処理して表皮層20を形成し、角型肉片を数量単位で一定量に分けて包装袋に収納して包装した。
【選択図】図1

Description

本発明は、食肉を加工処理する際に食中毒菌の増殖の防止を図り、加熱調理時に加熱の均一化を図ると共に形状変形及び品質変化を抑止し、更にはパッケージ作業の簡素化を図る調理済肉製品に関するものである。
従来、食肉を加工処理する際には、冷凍した食肉を一旦解凍させてから裁断カットする方法が一般的に採用されているため、裁断カットの工程で食中毒菌が増殖しやすいという問題があった。加えて、食肉の品質及びうま味を十分に確保することも重要な課題となっている。
また、食肉を裁断カットし大きさが不揃いの小肉片を包装する際には、肉の重量を計測して一定量に分けて包装していたのでパッケージ作業に時間と手間がかかるという問題があった。具体的には、例えば牛肉の場合、元材料の枝肉は重量単位(Kg)で売買されるので、枝肉を骨と肉に分離した原肉(ブロック)、更には原肉(ブロック)をカットした小肉片(例えば、ステーキ、カレー用など)も重量単位(Kg)で販売される。従って、重量販売には、その都度重量測定器で重量をチェックする時間と手間がかかり、当然コスト負担になる。加えて、このようにパッケージ作業には時間と手間がかかるので、従来の方法では包装工程においても食中毒菌が増殖するという問題があった。
一方、食肉の裁断技術、冷凍保存技術、品質劣化防止技術に関しては、以下に示すような先行技術が存在する。
特開平11−169067号公報(特許文献1)には、裁断の厚みを調整する作業を容易なものとし、且つ、装置の大型化、構成の複雑化を来すことのないことを目的とし、供給される食品ブロックを切断する切断手段と、予め所定の大きさに切断された食品ブロックを保持してこれを上記切断手段に対して順次供給していく食品ブロック供給手段と、上記切断手段によって所定の厚みに切断され排出された食品片を受けてこれを所定の方向に搬送する搬送手段とからなる「食品裁断装置」が提案されている。
特開2001−169719号公報(特許文献2)には、所定の大きさにカットされたマグロや牛肉等の食肉を冷凍して、−20℃以下の冷凍保存を2ケ月程行なっても色調やテクスチャー等の品質の保持および解凍に伴う製品重量の減少を抑制することを目的とし、マグロや牛肉等の冷凍して保存される食肉を所定の大きさにカットするカット工程と、カット工程で所定の大きさにカットされた食肉を液化窒素や液化炭酸を用いて急速凍結する急速凍結工程と、急速凍結された所定量の凍結食肉に酸素、この酸素の充填量に対して40パーセント以下の不活性ガスをガスバリヤー性包装袋に充填して密封する包装工程と、包装工程後に包装を−20℃以下に冷凍保存する冷凍保存工程とからなる「冷凍食肉の保存方法」が提案されている。
特表2004−512847号公報(特許文献3)には、食肉製品の劣化の要因になる病原体による汚染要因を減らすことを目的とし、魚、鳥肉または食肉製品を処理する方法であって、約0°から1.7℃(約32°から35°F)で第1期間の間、前記製品を消毒液に浸すステップと、前記第1期間の後、約21.1°から40.6℃(約70°から105°F)で第2期間の間、前記製品を消毒液に浸すステップと、前記第2期間の後、約0°から1.7℃で第3期間の間、前記製品を消毒液に浸すステップと、前記第3期間の後、製品流通のために準備するステップとからなる「魚、鳥肉または食肉製品を処理する方法」が提案されている。
特開平11−169067号公報 特開2001−169719号公報 特表2004−512847号公報
本発明は、食肉を加工処理する際に食中毒菌の増殖の防止を図り、加熱調理時に加熱の均一化を図ると共に形状変形及び品質変化を抑止し、更にはパッケージ作業の簡素化を図ることを目的とした調理済肉製品を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、低温状態の原肉を定寸にカットして角型肉片を形成し、前記角型肉片の全体を加熱処理した後に、表層面のみを高温加熱処理して表皮層を形成したことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、低温状態の原肉を定寸にカットして角型肉片を形成し、前記角型肉片の全体を加熱処理した後に、表層面のみを高温加熱処理して表皮層を形成し、前記角型肉片を数量単位で一定量に分けて包装袋に収納して包装したことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、低温状態の原肉を定寸にカットした後、そのカットした肉片の全体を加熱処理により調理し、更に表層面のみを高温加熱処理して表皮層を形成するようにしたので、食中毒菌の増殖を防止し食品の安全性を確保することができる。また、加熱調理時に加熱の均一化を図ると共に、包装後の重圧・加圧による肉片の形状の変形や内部成分の品質の変化を抑止することができるので、品質及びうま味を一層確保することが可能になる。
また、低温状態の原肉を定寸にカットした後、そのカットした肉片の全体を加熱処理により調理し、更に表層面のみを高温加熱処理して表皮層を形成し、次いで肉片を数量単位で一定量に分けて包装袋に収納するようにしたので、上述した作用効果に加えて、肉片の数量チェックを行うことによりパッケージ作業が容易になるので、肉片の販売は重量販売から数量販売に転換することができることから、肉片の大量販売が可能になる。また、従来の方法で問題となっていた包装時においても食中毒菌の増殖を防止することができる。
本発明にかかる調理済肉製品の断面の一例を示す説明図である。 図1に示す調理済肉製品の調理の一例を示す説明図である。
以下、本発明にかかる調理済肉製品の実施形態について説明する。
図1に示すように、本発明にかかる調理済肉製品10は、冷凍又は冷蔵した原肉を低温状態で定寸にカットして形成された角型肉片(例えば、サイコロ状の肉片)から構成される。これにより、食中毒菌の増殖を防止し食品の安全性を確保することができる。なお、角型肉片は、各辺部の寸法が略均一であるサイコロ状の形状に限定されるものではなく、各辺部の寸法を変更調整してカットされたものであってもよい。
通常の食肉の加工処理方法では、解凍した枝肉を骨と肉に分離した後、5〜10℃の冷蔵状態で原肉を包丁又はスライス等を用いてカットしている。これに対して、本発明では、原肉を冷凍状態(例えば、−5℃〜−15℃)又は冷蔵状態(例えば、5℃以下)で裁断装置を用いて一定の大きさ(例えば、原肉を25mm角のサイコロ状の肉片)にカットする。
また、本発明にかかる調理済肉製品10は、上述のようにカットしたサイコロ状の肉片の全体を焼く・煮る又は蒸す等の加熱処理した後に、図1に示すように、表層面のみを高温加熱処理して表皮層20が形成されることを特徴とする。これにより、重圧・加圧による肉片の形状変形を抑止し(図1参照)、且つ内部成分の品質の変化を抑止することができる
具体的な実施例としては、例えば、25mm角のサイコロ状の肉片の中心部の温度が75℃以上で1分間以上加熱した後に、表層面のみを高温(例えば、200℃程度)で短時間(例えば、30秒程度)加熱して表皮層を形成する。
なお、表層面のみを高温加熱処理する方法は、赤外線放射、直火焼き、油揚げ等を採用することができる。
また、本発明にかかる調理済肉製品10は、図2に示すように、例えば、ネギ30を間に入れて串刺しにして加熱調理することができる。
以上のように肉片は定寸にカットされているので、加熱調理時に加熱の均一化が図られると共に、表層面のみを高温加熱処理して表皮層が形成されているので、肉片の形状変形及び品質変化を抑止することができ、品質及びうま味を一層確保することが可能になる。
また、本発明にかかる調理済肉製品10は、上述のようにカットして加熱調理した角型肉片(例えば、サイコロ状の肉片)を数量単位で一定量に分けて包装袋に収納して包装することができる。
具体的な実施例としては、例えば、25mm角のサイコロ状の肉片を数量単位で一定量に分けて通気性を遮断したシートからなる包装袋に収納する。
ここで、包装手段については、レトルトパック、真空パック、その他の収納容器など様々な形態のものを採用することができる。
以上のように肉片は定寸にカットされているので、包装時において肉片の数量チェックを行うことによりパッケージ作業が容易になり生産性の向上を確保することができる。
10 調理済肉製品
20 表皮層
30 ネギ
40 串

Claims (2)

  1. 低温状態の原肉を定寸にカットして角型肉片を形成し、前記角型肉片の全体を加熱処理した後に、表層面のみを高温加熱処理して表皮層を形成したことを特徴とする調理済肉製品。
  2. 低温状態の原肉を定寸にカットして角型肉片を形成し、前記角型肉片の全体を加熱処理した後に、表層面のみを高温加熱処理して表皮層を形成し、前記角型肉片を数量単位で一定量に分けて包装袋に収納して包装したことを特徴とする調理済肉製品。
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