JP2012231644A - 車両駆動モータの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動電圧の低下によるモータのトルクの低下を抑えつつ、モータが置かれている環境に応じて、インバータのスイッチング素子のスイッチングによって発生し得る電圧ストレスを低減することが可能な車両駆動モータの制御装置を提供する。
【解決手段】インバータ14はスイッチング素子Q1〜Q6を備え、スイッチング素子Q1〜Q6をオン/オフすることにより、バッテリ10からの直流電力を交流電力に変換してモータ16に供給する。制御装置20は、モータ16の温度が第1の温度よりも高い第2の温度では、第1の温度における第1のスイッチング速度よりも遅い第2のスイッチング速度でスイッチング素子Q1〜Q6を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】インバータ14はスイッチング素子Q1〜Q6を備え、スイッチング素子Q1〜Q6をオン/オフすることにより、バッテリ10からの直流電力を交流電力に変換してモータ16に供給する。制御装置20は、モータ16の温度が第1の温度よりも高い第2の温度では、第1の温度における第1のスイッチング速度よりも遅い第2のスイッチング速度でスイッチング素子Q1〜Q6を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両駆動モータが置かれている環境に応じて車両駆動モータを制御する装置に関する。
ハイブリッド自動車、電気自動車、及び燃料電池自動車等の車両のように、モータの駆動力によって走行する車両が知られている。このような車両は、バッテリの出力電力を調整する昇圧コンバータと、昇圧コンバータの出力電力を交流電力に変換してモータに出力するインバータとを備える。車両に搭載された制御装置は、昇圧コンバータの出力電力を調整し、インバータを制御することにより、モータの出力トルクを調整して走行制御を行う。一般的に、モータには3相交流モータが用いられる。モータの動作を制御する方法としては、PWM制御が知られている。
PWM制御を実行する場合、制御装置は、例えばアクセル開度や車速等のデータに基づいて、インバータに含まれる各相のスイッチング素子をオン/オフするためのPWM信号を生成し、このPWM信号をスイッチング素子に供給することで、各スイッチング素子のスイッチングを制御してモータの動作を制御する。スイッチングによって過渡過電圧(サージ電圧)が発生し、この過渡過電圧がモータに対する電圧ストレスとなる。
モータは、回転子にトルクを発生させるための界磁巻線を備えている。界磁巻線は、インバータから出力された電力に基づく磁界を発生する。回転子は、界磁巻線から発せられた磁界によってトルクを発生し回転する。界磁巻線は、導線をモータの突起部に巻きつけることにより構成される。
界磁巻線の表面は、アミドイミド等の絶縁体で覆われている。そのため、スイッチング素子のスイッチングによって過渡過電圧が生じたとしても、過渡過電圧が絶縁許容電圧以下のときは絶縁が確保される。しかしながら、過渡過電圧が絶縁許容電圧を超えると界磁巻線の表面を覆う絶縁体の絶縁性能が低下し、モータの寿命が短くなることがある。
また、表面が絶縁体で覆われた界磁巻線の絶縁許容電圧は、界磁巻線の温度、及び界磁巻線を取り巻く空気の気圧によって変化する。モータの絶縁許容電圧は、高温で低気圧になるほど低下する。そのため、相対的に高温で低気圧の環境下では、過渡過電圧が絶縁許容電圧を超えて界磁巻線の絶縁に影響を与える場合がある。
下記に示す特許文献1には、モータ内に発生する電圧ストレスが絶縁許容電圧を超えないように、モータの温度とモータが配置された空間の気圧とに応じて、昇圧コンバータとインバータとを制御することにより、モータの界磁巻線に流れる電流又はモータのトルクを制御する技術が開示されている。各界磁巻線には、電流が流れることによって電圧降下が生じる。界磁巻線に電圧降下が生じると、近接する巻線導体間には分担電圧と称される電位差が生じる。特許文献1に記載の技術は、この分担電圧が絶縁許容電圧を超えないように、界磁巻線に流れる電流又はモータのトルクを制御する。上述したように、モータの絶縁許容電圧は、高温で低気圧になるほど低下する。そのため、低下する絶縁強度に相当する分、モータの界磁巻線に流れる電流を小さくすることにより、モータ内に発生する電圧ストレスを低減してモータの電気絶縁を確保している。
しかしながら、上記の特許文献1に記載の技術によると、モータ内に発生する電圧ストレスが絶縁許容電圧を超えないように、高温で低気圧になるほどモータの負荷率や駆動電圧を下げているため、高温で低気圧になるほどモータのトルクが低下してしまう。
本発明の目的は、駆動電圧の低下によるモータのトルクの低下を抑えつつ、モータが置かれている環境に応じて、インバータのスイッチング素子のスイッチングによって発生し得る電圧ストレスを低減することが可能な車両駆動モータの制御装置を提供することである。
本発明は、複数のスイッチング素子を備え、前記複数のスイッチング素子をオン/オフすることにより、電源装置から供給される直流電力を交流電力に変換して車両駆動モータに供給するインバータと、前記複数のスイッチング素子のスイッチング速度を可変制御する制御部と、を有する車両駆動モータの制御装置において、前記制御部は、前記車両駆動モータの温度、又は前記車両駆動モータに供給される電流のうち少なくとも一方に応じてスイッチング速度を可変制御する制御部であって、前記車両駆動モータの温度が第1の温度よりも高い第2の温度、又は、前記車両駆動モータに供給される電流が第1の電流よりも大きい第2の電流では、前記第1の温度、又は前記第1の電流における第1のスイッチング速度よりも遅い第2のスイッチング速度で前記スイッチング素子を制御する、ことを特徴とする車両駆動モータの制御装置である。
また、本発明に係る車両駆動モータの制御装置であって、前記制御部は、前記車両駆動モータの温度が予め設定された温度閾値以上の場合、又は、前記車両駆動モータに供給される電流が予め設定された電流閾値以上の場合に、スイッチング速度を前記第1のスイッチング速度から前記第2のスイッチング速度に切り替える、ことを特徴とする。
また、本発明は、複数のスイッチング素子を備え、前記複数のスイッチング素子をオン/オフすることにより、電源装置から供給される直流電力を交流電力に変換して車両駆動モータに供給するインバータと、前記複数のスイッチング素子のスイッチング速度を可変制御する制御部と、を有する車両駆動モータの制御装置において、前記制御部は、前記車両駆動モータが配置されている空間の気圧、又は前記車両駆動モータが配置されている空間の標高のうち少なくとも一方に応じてスイッチング速度を可変制御する制御部であって、前記車両駆動モータが配置されている空間の気圧が第1の気圧よりも低い第2の気圧、又は、前記車両駆動モータが配置されている空間の標高が第1の標高よりも高い第2の標高では、前記第1の気圧又は前記第1の標高における第1のスイッチング速度よりも遅い第2のスイッチング速度で前記スイッチング素子を制御する、ことを特徴とする車両駆動モータの制御装置である。
また、本発明に係る車両駆動モータの制御装置であって、前記制御部は、前記車両駆動モータの気圧が予め設定された気圧閾値以下の場合、又は、前記車両駆動モータが配置されている空間の標高が標高閾値以上の場合に、スイッチング速度を前記第1のスイッチング速度から前記第2のスイッチング速度に切り替える、ことを特徴とする。
また、本発明は、複数のスイッチング素子を備え、前記複数のスイッチング素子をオン/オフすることにより、電源装置から供給される直流電力を交流電力に変換して車両駆動モータに供給するインバータと、前記複数のスイッチング素子のスイッチング速度を可変制御する制御部と、を有する車両駆動モータの制御装置において、前記制御部は、前記車両駆動モータの温度が第1の温度よりも高い第2の温度、又は、前記車両駆動モータに供給される電流が第1の電流よりも大きい第2の電流で、かつ、前記車両駆動モータが配置されている空間の気圧が第1の気圧よりも低い第2の気圧、又は、前記車両駆動モータが配置されている空間の標高が第1の標高よりも高い第2の標高の状態では、前記第1の温度、前記第1の電流、前記第1の気圧、又は前記第1の標高における第1のスイッチング速度よりも遅い第2のスイッチング速度で前記スイッチング素子を制御する、ことを特徴とする車両駆動モータの制御装置である。
本発明によると、駆動電圧の低下による車両駆動モータのトルクの低下を抑えつつ、スイッチング素子のスイッチングによって発生し得る電圧ストレスを低減することが可能となる。
図1に、本発明の実施形態に係る車両駆動モータ制御装置を示す。車両駆動モータ制御装置は、ユーザの運転操作に基づいて、バッテリ10からモータ16に供給される電力を調整し、車両の走行制御を行う。
モータ16は、3相交流同期型モータであり、U、V、W相の3つのコイルを備えた固定子と、図示しない回転子とを含む。U、V、W相の3つのコイルの一端は中点Nで互いに接続され、他端はインバータ14に接続される。
コンバータ12は、制御装置20の制御に基づいて、直流電源であるバッテリ10から供給される直流電力を調整してインバータ14に出力する。
インバータ14は、制御装置20の制御に基づいて、コンバータ12から供給された直流電力を3相交流電力に変換してモータ16に供給する。モータ16は、インバータ14から供給された3相交流電力に基づいて回転し車両を駆動する。
インバータ14は、電源ラインとアースラインとの間に互いに並行に配置されたU相、V相、W相のアームを含んで構成されている。U相アームは、スイッチング素子Q1、Q2の直列接続からなり、V相アームは、スイッチング素子Q3、Q4の直列接続からなり、W相アームは、スイッチング素子Q5、Q6の直列接続からなる。スイッチング素子Q1〜Q6は、例えばIGBTである。各スイッチング素子Q1〜Q6のコレクタ−エミッタ間には、それぞれ、エミッタ側からコレクタ側に電流を流すダイオードD1〜D6が配置されている。U相アームのスイッチング素子Q1、Q2の中間点は、モータ16のU相コイルに接続されている。V相アームのスイッチング素子Q3、Q4の中間点は、モータ16のV相コイルに接続されている。W相アームのスイッチング素子Q5、Q6の中間点は、モータ16のW相コイルに接続されている。インバータ14は、制御装置20からの制御信号(PWM信号)に基づいて、スイッチング素子Q1〜Q6をスイッチング(オン/オフ)することにより電力を変換する。
運転操作部18は、アクセルペダル、ブレーキペダル、ギアチェンジレバー等を備え、運転操作に応じた運転操作指令を制御装置20に出力する。
温度センサ22はモータ16の筐体に取り付けられ、モータ16の温度を測定し、測定された温度を示す温度データを制御装置20に出力する。気圧センサ24は、車両においてモータ16が配置されている空間の気圧を測定し、測定された気圧を示す気圧データを制御装置20に出力する。また、モータ16には、レゾルバ等の回転角センサ26が設けられている。回転角センサ26は回転子の回転角を検出し、回転角を示す回転角データを制御装置20に出力する。
制御装置20は、運転操作指令や車速等に基づいてコンバータ12とインバータ14とを制御することにより、モータ16の動作を制御する。制御装置20は、コンバータ12の昇圧電圧(インバータ14の入力電圧)が目標昇圧電圧となるように、コンバータ12を制御する。また、制御装置20は、モータ16が目標トルクを出力するように、インバータ14のスイッチング制御を行う。スイッチング制御において、制御装置20は、モータ16が目標トルクを出力するように、インバータ14の各スイッチング素子Q1〜Q6をオン/オフするためのPWM信号を生成する。
制御装置20は、一つの態様では、ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現され、例えば電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)である。具体的には、制御装置20の機能は、記録媒体に記録された制御プログラムがメインメモリに読み出されてCPU(Central Processing Unit)により実行されることによって実現される。この制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されることも可能であるし、データ信号として通信により提供されることも可能である。ただし、制御装置20は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。また、制御装置20は、物理的に1つの装置により実現されてもよいし、複数の装置により実現されてもよい。
ところで、インバータ14のスイッチング素子のスイッチングによって過渡過電圧(サージ電圧)が発生し、この過渡過電圧がモータ16に対する電圧ストレスとなる。ここで、図2を参照して、スイッチング素子のスイッチング速度と電圧ストレスとの関係について説明する。図2は、スイッチング速度と電圧ストレスとの関係を示す図である。図2の横軸は時間を示し、縦軸は電圧ストレスを示す。図2の右側のグラフに示すように、スイッチング速度が相対的に速い場合には、スイッチングで発生する過渡過電圧(電圧ストレス)は相対的に大きくなる。すなわち、スイッチング素子のゲートに与える信号電圧の立ち上がり又は立ち下がりが急峻になるほど、スイッチングで発生する過渡過電圧が大きくなる。また、図2の左側のグラフに示すように、スイッチング速度が相対的に遅い場合には、スイッチングで発生する過渡過電圧は相対的に小さくなる。すなわち、スイッチング素子のゲートに与える信号電圧の立ち上がり又は立ち下がりが緩やかになるほど、スイッチングで発生する過渡過電圧が小さくなる。また、コイルの絶縁許容電圧は、モータ16の温度と、モータ16が配置されている空間の気圧とによって変化する。モータ16が高温になり気圧が低くなるほど、絶縁許容電圧は低下する。
そこで、本実施形態では、制御装置20は、温度センサ22によって測定されたモータ16の温度と気圧センサ24によって測定された気圧とのうち少なくとも一方に応じて、各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を変えてインバータ14を制御する。例えば、制御装置20は、モータ16の温度が高くなるほど、各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を遅くして各スイッチング素子Q1〜Q6を制御する。すなわち、制御装置20は、モータ16の温度が高くなるほど、各スイッチング素子Q1〜Q6のゲートに与える信号電圧の立ち上がり又は立ち下がりを緩やかにする。また、制御装置20は、モータ16が配置されている空間の気圧が低くなるほど、各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を遅くして各スイッチング素子Q1〜Q6を制御してもよい。すなわち、制御装置20は、モータ16が配置されている空間の気圧が低くなるほど、各スイッチング素子Q1〜Q6のゲートに与える信号電圧の立ち上がり又は立ち下がりを緩やかにする。また、制御装置20は、モータ16の温度が高くなり、モータ16が配置されている空間の気圧が低くなるほど、各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を遅くして各スイッチング素子Q1〜Q6を制御してもよい。すなわち、制御装置20は、モータ16の温度が高くなり、モータ16が配置されている空間の気圧が低くなるほど、各スイッチング素子Q1〜Q6のゲートに与える信号電圧の立ち上がり又は立ち下がりを緩やかにする。
スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度は、スイッチング素子Q1〜Q6のゲート電位の変圧速度に相当する。ゲート電位の変圧速度はゲート抵抗の抵抗値に依存し、ゲート抵抗値が大きくなるほどゲート電位の変圧速度(スイッチング速度)は遅くなる。従って、スイッチング速度を変えるためには、各スイッチング素子Q1〜Q6のゲート抵抗を切り替えればよい。例えば、特開2005−168171号公報や特開2009−296846号公報等に記載されている技術のように、各スイッチング素子Q1〜Q6のゲート抵抗を切り替えればよい。本実施形態では、制御装置20は、モータ16の温度と気圧とのうち少なくとも一方に応じて、スイッチング素子Q1〜Q6のゲート抵抗の抵抗値を制御することにより、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を制御する。
記憶装置28には、モータ16の温度及び気圧と、スイッチング速度との対応関係を示すマップが記憶されている。図3を参照して、温度及び気圧(標高)と、スイッチング速度との対応関係について説明する。図3は、温度及び気圧(標高)と、スイッチング速度との対応関係を示す図である。図3の横軸はモータ16の温度を示し、縦軸は標高(気圧)を示す。標高は気圧に対応し、標高が高くなるほど気圧は低くなる。例えば図3に示すように、モータ16の温度と標高(気圧)とに応じて、車両が曝されている環境を複数の環境(例えば環境A〜F)に分類する。そして、環境A〜Fのそれぞれとスイッチング速度との対応関係を示すマップを予め作成しておき、そのマップを記憶装置28に記憶しておく。一例として、環境A(モータ16の温度が50℃未満で、標高が1000m未満の環境)には、スイッチング速度SAが対応付けられている。環境B(モータ16の温度が50℃以上100℃未満で、標高が1000m以上2500m未満の環境)には、スイッチング速度SBが対応付けられている。環境C(モータ16の温度が100℃以上150℃未満で、標高が2500m以上4000m未満の環境)には、スイッチング速度SCが対応付けられている。また、環境D(モータの温度が150℃以上で、標高が4000m以上の環境)には、スイッチング速度SDが対応付けられている。また、環境Eは、環境Dよりもモータの温度が高く、標高が高い環境である。この環境Eには、スイッチング速度SEが対応付けられている。また、環境Fは、環境Eよりもモータの温度が高く、標高が高い環境である。この環境Fには、スイッチング速度SFが対応付けられている。スイッチング速度SA〜SFは、SA>SB>SC>SD>SE>SFの関係が成立している。すなわち、スイッチング速度SA〜SFのうちスイッチング速度SAが最も速く、スイッチング速度SAからスイッチング速度SFにかけてスイッチング速度は遅くなっている。一例として、スイッチング速度SAは20〜30kV/μs程度であり、スイッチング速度SFは数kV/μs程度である。このように、モータ16の温度と気圧(標高)とで規定される環境と、スイッチング速度との対応関係を示すマップが記憶装置28に記憶されている。
図4を参照して、スイッチング速度とゲート電位の変圧速度との関係について説明する。図4は、スイッチング速度とゲート電位の変圧速度との関係を示すグラフである。図4の横軸はスイッチング速度を示し、縦軸はゲート電位の変圧速度(dV/dt)を示す。スイッチング速度は変圧速度に相当する。スイッチング速度SA〜SFのうち、スイッチング速度SAでの変圧速度(dV/dt)が最も速い。スイッチング速度が、スイッチング速度SAからスイッチング速度SFになるほど変圧速度が遅くなり、スイッチング速度SFでの変圧速度が最も遅くなっている。
本実施形態では、一例としてスイッチング速度を6段階(SA〜SF)に設定する。そのため、スイッチング速度SA〜SFのそれぞれに対応し抵抗値がそれぞれ異なる6種類のゲート抵抗を各スイッチング素子Q1〜Q6に設ければよい。すなわち、スイッチング速度SAに対応する抵抗値のゲート抵抗RA、スイッチング速度SBに対応する抵抗値のゲート抵抗RB、スイッチング速度SCに対応する抵抗値のゲート抵抗RC、スイッチング速度SDに対応する抵抗値のゲート抵抗RD、スイッチング速度SEに対応する抵抗値のゲート抵抗RE、及びスイッチング速度SFに対応する抵抗値のゲート抵抗RFを、各スイッチング素子Q1〜Q6に設ければよい。ゲート抵抗RA〜RFの抵抗値は、RA<RB<RC<RD<RE<RFの関係が成立している。すなわち、ゲート抵抗RA〜RFのうちゲート抵抗RAの抵抗値が最も低く、ゲート抵抗RAからゲート抵抗RFにかけて抵抗値が大きくなっている。制御装置20は、各スイッチング素子Q1〜Q6のゲート抵抗を切り替えることにより、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を切り替えることができる。
スイッチング速度SA〜SFは、対応するモータ16の温度と気圧(標高)とにおいて、過渡過電圧による電圧ストレスが絶縁許容電圧を超えないスイッチング速度である。例えば、スイッチング速度SAは、環境A下で、過渡過電圧による電圧ストレスが絶縁許容電圧を超えないスイッチング速度である。また、スイッチング速度SBは、環境B下で、過渡過電圧による電圧ストレスが絶縁許容電圧を超えないスイッチング速度である。また、スイッチング速度SCは、環境C下で、過渡過電圧による電圧ストレスが絶縁許容電圧を超えないスイッチング速度である。また、スイッチング速度SDは、環境D下で、過渡過電圧による電圧ストレスが絶縁許容電圧を超えないスイッチング速度である。また、スイッチング速度SEは、環境E下で、過渡過電圧による電圧ストレスが絶縁許容電圧を超えないスイッチング速度である。また、スイッチング速度SFは、環境F下で、過渡過電圧による電圧ストレスが絶縁許容電圧を超えないスイッチング速度である。
次に、図5を参照して、制御装置20による制御について説明する。図5は、本実施形態に係る車両駆動モータ制御装置による動作を示すフローチャートである。
制御装置20は、モータ16の温度を示す温度データを温度センサ22から受け、モータ16が置かれている空間の気圧を示す気圧データを気圧センサ24から受ける(ステップS01)。制御装置20は、記憶装置28に記憶されているマップを参照することにより、温度と気圧(標高)とに対応するスイッチング速度を記憶装置28から取得する。
例えば、モータ16の環境が環境A(モータ16の温度が50℃未満で、標高が1000m未満の環境)の場合には、制御装置20は、スイッチング速度SAでインバータ14の各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングを制御する(ステップS02)。相対的に低温で高気圧の環境においては、モータ16の絶縁許容電圧が相対的に高いため、制御装置20は、最も速いスイッチング速度SAで各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングを制御する。例えば、制御装置20は、各スイッチング素子Q1〜Q6のゲート抵抗を切り替えることにより、ゲート電位の変圧速度(スイッチング速度)を切り替えればよい。環境A下では、制御装置20は、各スイッチング素子Q1〜Q6のゲート抵抗を最も低い抵抗値のゲート抵抗RAに切り替えることにより、最も速いスイッチング速度SAで各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングを制御する。
また、モータ16の環境が環境B(モータ16の温度が50℃以上100℃未満で、標高が1000m以上2500m未満の環境)の場合には、制御装置20は、スイッチング速度SBでインバータ14の各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングを制御する(ステップS03)。環境Bは、環境Aよりもモータ16の温度が高く、標高が高い(気圧が低い)ため、環境Bでは環境Aよりもモータ16の絶縁許容電圧が低くなる。そのため、制御装置20は、スイッチング速度SAよりも遅いスイッチング速度SBで、各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングを制御する。例えば、制御装置20は、各スイッチング素子Q1〜Q6のゲート抵抗をスイッチング速度SBに対応する抵抗値のゲート抵抗RBに切り替えることにより、スイッチング速度SBで各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングを制御する。
また、モータ16の環境が環境C(モータ16の温度が100℃以上150℃未満で、標高が2500m以上4000未満の環境)の場合には、制御装置20は、スイッチング速度SCでインバータ14の各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングを制御する(ステップS04)。環境Cは、環境Bよりもモータ16の温度が高く、標高が高い(気圧が低い)ため、環境Cでは環境Bよりもモータ16の絶縁許容電圧が低くなる。そのため、制御装置20は、スイッチング速度SBよりも遅いスイッチング速度SCで、各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングを制御する。例えば、制御装置20は、各スイッチング素子Q1〜Q6のゲート抵抗をスイッチング速度SCに対応する抵抗値のゲート抵抗RCに切り替えることにより、スイッチング速度SCで各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングを制御する。
また、モータ16の環境が環境D(モータ16の温度が150℃以上で、標高が4000m以上の環境)の場合には、制御装置20は、スイッチング速度SDでインバータ14の各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングを制御する(ステップS05)。環境Dは、環境Cよりもモータ16の温度が低く、標高が高い(気圧が低い)ため、環境Dでは環境Cよりもモータ16の絶縁許容電圧が低くなる。そのため、制御装置20は、スイッチング速度SCよりも遅いスイッチング速度SDで、各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングを制御する。例えば、制御装置20は、各スイッチング素子Q1〜Q6のゲート抵抗をスイッチング速度SDに対応する抵抗値のゲート抵抗RDに切り替えることにより、スイッチング速度SDで各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングを制御する。
また、モータ16の環境が環境E(環境Dよりもモータ16の温度が高く、標高が高い環境)の場合には、制御装置20は、スイッチング速度SEでインバータ14の各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングを制御する(ステップS06)。環境Eは、環境Dよりもモータ16の温度が高く、標高が高い(気圧が低い)ため、環境Eでは環境Dよりもモータ16の絶縁許容電圧が低くなる。そのため、制御装置20は、スイッチング速度SDよりも遅いスイッチング速度SEで、各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングを制御する。例えば、制御装置20は、各スイッチング素子Q1〜Q6のゲート抵抗をスイッチング速度SEに対応する抵抗値のゲート抵抗REに切り替えることにより、スイッチング速度SEで各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングを制御する。
また、モータ16の環境が環境F(環境Eよりもモータ16の温度が高く、標高が高い環境)の場合には、制御装置20は、スイッチング速度SFでインバータ14の各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングを制御する(ステップS07)。環境Fは、環境Eよりもモータ16の温度が高く、標高が高い(気圧が低い)ため、環境Fでは環境Eよりもモータ16の絶縁許容電圧が低くなる。そのため、制御装置20は、スイッチング速度SEよりも遅いスイッチング速度SFで、各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングを制御する。例えば、制御装置20は、各スイッチング素子Q1〜Q6のゲート抵抗をスイッチング速度SFに対応する抵抗値のゲート抵抗RFに切り替えることにより、スイッチング速度SFで各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングを制御する。
以上のように、モータ16の温度と気圧(標高)とに応じて、各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を変えてインバータ14を制御することにより、モータ16の絶縁許容電圧が低下する環境下でも、過渡過電圧による電圧ストレスを低減して、モータ16の電気絶縁を確保することが可能となる。すなわち、モータ16の温度が高くなり気圧が低くなるほど、モータ16の絶縁許容電圧が低下するが、各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を遅くすることにより、過渡過電圧(電圧ストレス)を低減することができるため、モータ16の電気絶縁を確保することが可能となる。また、モータ16の駆動電圧を制限する必要がないため、駆動電圧の低下によるモータ16のトルクの低下を抑えつつ、モータ16内の電圧ストレスを低減して、モータ16の電気絶縁を確保することができる。このように駆動電圧の低下によるモータ16のトルクの低下を抑えることができるため、運転性能低下を抑制することができる。
また、モータ16の温度が高くなるほどモータ16の絶縁許容電圧が低下するが、本実施形態では高温になるほどスイッチング速度を遅くすることにより電圧ストレスを低減することができるため、電圧ストレスの低減に相当する分、モータ16の使用温度を高めることができる。例えば従来技術においては、モータの温度がある一定以上となる環境下では、モータの負荷率と駆動電圧とを制限しても、モータ内に発生する電圧ストレスを絶縁許容電圧以下にすることが困難となる。そのため、従来技術では、その環境下でモータを駆動させることが困難となる。これに対して本実施形態では、高温になるほどスイッチング速度を遅くして電圧ストレスを低減することができるため、従来技術ではモータを駆動させることが困難であった環境下でも、モータを駆動させることが可能となる。このように、本実施形態によると、モータ16の使用温度を拡張することができる。
また、絶縁許容電圧が相対的に高い環境下において、スイッチング速度を相対的に遅くする必要がないにも関わらずスイッチング速度を相対的に遅くした場合には、スイッチング素子Q1〜Q6で発生するスイッチング損失が大きくなるおそれがある。本実施形態では、モータ16の温度と気圧とに応じてスイッチング速度を変えているため、絶縁許容電圧が相対的に高い環境下において、スイッチング損失が大きくなる問題を回避することができる。例えば、相対的に低温で高気圧の環境下においては、相対的に高温で低気圧の環境下ほどスイッチング速度を遅くしなくても、モータ16の電気絶縁を確保することができる。本実施形態では、相対的に低温で高気圧の環境下ほど、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を速くしているため、相対的に低温で高気圧の環境下ほど、スイッチング損失を小さくしつつ、電圧ストレスを絶縁許容電圧以下にすることができる。なお、相対的に高温で低気圧の環境下ほどスイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を遅くしているため、スイッチング損失が大きくなるが、電圧ストレスを低減してモータの電気絶縁を確保することができるため、全体として特性が向上する。
なお、上述した温度、気圧(標高)、及びスイッチング速度の具体的な数値は一例であり、車両やモータの構成等によって具体的な値は変わる。また、上述した例では、スイッチング速度を6段階(SA〜SB)に分けた場合について説明したが、本実施形態はこの例に限定されず、スイッチング速度を6段階以外の複数の段階に分けてもよい。この場合、スイッチング素子Q1〜Q6に設けられるゲート抵抗の数を変えることにより、スイッチング速度の段階数を任意に変えることができる。
上述した実施形態では、制御装置20は、モータ16の温度と気圧とに応じて、各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を変えてインバータ14を制御する。別の形態として、制御装置20は、モータ16の温度と気圧とのうち少なくとも一方に応じて、各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を変えてインバータ14を制御してもよい。例えば、制御装置20は、モータ16の温度に応じて、各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を変えてインバータ14を制御してもよい。具体的には、制御装置20は、モータ16の温度が高くなるほど、各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を遅くしてスイッチングを制御する。または、制御装置20は、モータ16が置かれている環境の気圧(標高)に応じて、各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を変えてインバータ14を制御してもよい。具体的には、制御装置20は、気圧が低くなるほど、各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を遅くしてスイッチングを制御する。このように、モータ16の温度と気圧とのうち少なくとも一方に応じてスイッチング速度を変えても、過渡過電圧による電圧ストレスを低減して、モータ16の電気絶縁を確保することが可能となる。
なお、モータ16の温度に代えて、モータ16に供給される電流、モータ16のトルク、モータ16の回転数、又はトルク指令値に応じて、各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を変えてもよい。電流、トルク、回転数、及びトルク指令値は、モータ16の温度に準ずるパラメータである。すなわち、モータ16の温度は、電流、トルク、又は回転数に依存する。例えば、モータ16に流れる電流が大きくなれば、モータ16での発熱量も大きくなり、モータ16の温度も高くなる。同様に、モータ16のトルクが大きくなれば、モータ16の温度も高くなり、モータ16の回転数が多くなれば、モータ16の温度も高くなる。また、運転操作部18から入力される指令値(例えばトルク指令値)が大きいほど、モータ16に供給される電流が大きくなるため、モータ16の温度も高くなる。このようにモータ16の温度は、電流、トルク、回転数、及びトルク指令値によって変化するため、電流、トルク、回転数、及びトルク指令値は、温度に準じたパラメータである。従って、上述した温度に応じた制御と同様の制御を、電流、トルク、回転数、又はトルク指令値に応じて行ってもよい。
ここで、モータ16の温度に関係するデータを、温度関係データと称することとする。この温度関係データの例として、モータ16の温度、モータ16に供給される電流、モータ16のトルク、モータ16の回転数、トルク指令値が挙げられる。制御装置20は、温度関係データが大きくなるほど、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を遅くしてスイッチングを制御する。上述した温度とスイッチング速度との対応付けを示すマップと同様に、温度関係データとスイッチング速度との対応付けを示すマップを予め作成しておき、記憶装置28にそのマップを記憶させておく。制御装置20は、記憶装置20に記憶されているマップを参照し、温度関係データが示す値に応じてスイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を制御する。
上述した実施形態では、温度関係データの一例としてのモータ16の温度に応じて、スイッチング速度を制御する場合について説明した。温度関係データの別の例として、電流に応じてスイッチング速度を制御する場合について説明する。上述した温度とスイッチング速度との対応付けを示すマップと同様に、モータ16に供給される電流とスイッチング速度との対応付けを示すマップを予め作成しておき、記憶装置28にそのマップを記憶させておく。また、インバータ14とモータ16との間の電力ラインに電流センサを設け、その電流センサによってモータ16に供給される電流を測定する。制御装置20は、その電流センサによって測定された電流値が大きくなるほど、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を遅くしてスイッチングを制御する。例えば上述した実施形態と同様に、制御装置20は、モータ16に供給される電流に応じて、6段階(SA〜SF)のうちのいずれかのスイッチング速度でスイッチング素子Q1〜Q6を制御する。
また、温度関係データの別の例として、トルクに応じてスイッチング速度を制御する場合について説明する。この場合も、モータ16のトルクとスイッチング速度との対応付けを示すマップを予め作成しておき、記憶装置28にそのマップを記憶させておく。また、モータ16にトルクセンサを設け、そのトルクセンサによってモータ16のトルクを測定する。制御装置20は、そのトルクセンサによって測定されたトルクが大きくなるほど、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を遅くしてスイッチングを制御する。例えば、制御装置20は、モータ16のトルクに応じて、6段階(SA〜SF)のうちのいずれかのスイッチング速度でスイッチング素子Q1〜Q6を制御する。
また、温度関係データの別の例として、回転数に応じてスイッチング速度を制御する場合について説明する。この場合も、モータ16の回転数とスイッチング速度との対応付けを示すマップを予め作成しておき、記憶装置28にそのマップを記憶させておく。制御装置20は、回転角センサ26から得られる回転数が多くなるほど、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を遅くしてスイッチングを制御する。例えば、制御装置20は、モータ16の回転数に応じて、6段階(SA〜SF)のうちのいずれかのスイッチング速度でスイッチング素子Q1〜Q6を制御する。
また、温度関係データの別の例として、トルク指令値に応じてスイッチング速度を制御する場合について説明する。この場合も、トルク指令値とスイッチング速度との対応付けを示すマップを予め作成しておき、記憶装置28にそのマップを記憶させておく。制御装置20は、運転操作部18から出力されるトルク指令値が大きくなるほど、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を遅くしてスイッチングを制御する。このトルク指令値は、例えば、アクセル開度によって決定される。例えば、制御装置20は、そのトルク指令値に応じて、6段階(SA〜SF)のうちのいずれかのスイッチング速度でスイッチング素子Q1〜Q6を制御する。
以上のように、モータ16の温度以外の温度関係データに応じてスイッチング速度を制御する場合であっても、モータ16の温度に応じた制御と同様の効果を奏することができる。なお、制御装置20は、モータ16の温度とモータ16に供給される電流とに応じて、スイッチング速度を制御してもよい。
また、スイッチング速度を切り替える閾値を設定し、温度関係データとその閾値とを比較してスイッチング速度を変えてもよい。例えば、制御装置20は、モータ16の温度が温度閾値以上になった場合に、第1のスイッチング速度から第1のスイッチング速度よりも遅い第2のスイッチング速度に切り替えてスイッチングを制御する。また、制御装置20は、モータ16に供給される電流が電流閾値以上になった場合に、第1のスイッチング速度から第2のスイッチング速度に切り替えてスイッチングを制御してもよい。また、制御装置20は、モータ16のトルクがトルク閾値以上となった場合に、第1のスイッチング速度から第2のスイッチング速度に切り替えてスイッチングを制御してもよい。また、制御装置20は、モータ16の回転数が回転数閾値以上となった場合に、第1のスイッチング速度から第2のスイッチング速度に切り替えてスイッチングを制御してもよい。また、制御装置20は、トルク指令値がトルク指令値閾値以上となった場合に、第1のスイッチング速度から第2のスイッチング速度に切り替えてスイッチングを制御してもよい。ここで、温度閾値、電流閾値、トルク閾値、回転数閾値、及びトルク指令値閾値は、モータ16の絶縁許容電圧が所定の割合に低下するときの、温度、電流値、トルク、回転数、及びトルク指令値である。温度閾値、電流閾値、トルク閾値、回転数閾値、及びトルク指令値閾値は、制御装置20に予め記憶させている。
また、気圧の代わりに標高に応じてスイッチング速度を制御してもよい。例えばGPS(Global Positioning System)を車両に搭載し、車両が置かれている標高を測定する。制御装置20は、GPSによって測定された標高に応じて、スイッチング速度を制御する。ここで、気圧に関するデータを気圧関係データと称することとする。この気圧関係データの例として、気圧、標高が挙げられる。制御装置20は、気圧関係データに応じてスイッチング速度を制御する。
また、スイッチング速度を切り替える閾値を設定し、気圧関係データとその閾値とを比較してスイッチング速度を変えてもよい。例えば、制御装置20は、モータ16が配置されている空間の気圧が気圧閾値以下となった場合に、第1のスイッチング速度から第2のスイッチング速度に切り替えてスイッチングを制御する。また、制御装置20は、モータ16が配置されている空間の標高が標高閾値以上となった場合に、第1のスイッチング速度から第2のスイッチング速度に切り替えてスイッチングを制御してもよい。ここで、気圧閾値及び標高閾値は、モータ16の絶縁許容電圧が所定の割合に低下するときの、気圧及び標高である。気圧閾値及び標高閾値は、制御装置20に予め記憶されている。なお、制御装置20は、モータ16が配置されている空間の気圧と標高とに応じて、スイッチング速度を制御してもよい。
また、制御装置20は、温度関係データと気圧関係データとに応じて、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング速度を制御してもよい。上述した実施形態では、温度関係データと気圧関係データとの組み合わせの一例として、温度と気圧(標高)とに応じてスイッチング速度を変える場合について説明した。本実施形態では、温度と気圧(標高)との組み合わせ以外の組み合わせに応じてスイッチング速度を制御してもよい。例えば、モータ16に供給される電流、モータ16のトルク、モータ16の回転数、又はトルク指令値と、気圧(標高)との組み合わせに応じて、スイッチング速度を制御してもよい。
10 バッテリ、12 コンバータ、14 インバータ、16 モータ、18 運転操作部、20 制御装置、22 温度センサ、24 気圧センサ、26 回転角センサ、28 記憶装置。
Claims (5)
- 複数のスイッチング素子を備え、前記複数のスイッチング素子をオン/オフすることにより、電源装置から供給される直流電力を交流電力に変換して車両駆動モータに供給するインバータと、
前記複数のスイッチング素子のスイッチング速度を可変制御する制御部と、
を有する車両駆動モータの制御装置において、
前記制御部は、前記車両駆動モータの温度、又は前記車両駆動モータに供給される電流のうち少なくとも一方に応じてスイッチング速度を可変制御する制御部であって、前記車両駆動モータの温度が第1の温度よりも高い第2の温度、又は、前記車両駆動モータに供給される電流が第1の電流よりも大きい第2の電流では、前記第1の温度、又は前記第1の電流における第1のスイッチング速度よりも遅い第2のスイッチング速度で前記スイッチング素子を制御する、
ことを特徴とする車両駆動モータの制御装置。 - 請求項1に記載の車両駆動モータの制御装置であって、
前記制御部は、前記車両駆動モータの温度が予め設定された温度閾値以上の場合、又は、前記車両駆動モータに供給される電流が予め設定された電流閾値以上の場合に、スイッチング速度を前記第1のスイッチング速度から前記第2のスイッチング速度に切り替える、
ことを特徴とする車両駆動モータの制御装置。 - 複数のスイッチング素子を備え、前記複数のスイッチング素子をオン/オフすることにより、電源装置から供給される直流電力を交流電力に変換して車両駆動モータに供給するインバータと、
前記複数のスイッチング素子のスイッチング速度を可変制御する制御部と、
を有する車両駆動モータの制御装置において、
前記制御部は、前記車両駆動モータが配置されている空間の気圧、又は前記車両駆動モータが配置されている空間の標高のうち少なくとも一方に応じてスイッチング速度を可変制御する制御部であって、前記車両駆動モータが配置されている空間の気圧が第1の気圧よりも低い第2の気圧、又は、前記車両駆動モータが配置されている空間の標高が第1の標高よりも高い第2の標高では、前記第1の気圧又は前記第1の標高における第1のスイッチング速度よりも遅い第2のスイッチング速度で前記スイッチング素子を制御する、
ことを特徴とする車両駆動モータの制御装置。 - 請求項3に記載の車両駆動モータの制御装置であって、
前記制御部は、前記車両駆動モータの気圧が予め設定された気圧閾値以下の場合、又は、前記車両駆動モータが配置されている空間の標高が標高閾値以上の場合に、スイッチング速度を前記第1のスイッチング速度から前記第2のスイッチング速度に切り替える、
ことを特徴とする車両駆動モータの制御装置。 - 複数のスイッチング素子を備え、前記複数のスイッチング素子をオン/オフすることにより、電源装置から供給される直流電力を交流電力に変換して車両駆動モータに供給するインバータと、
前記複数のスイッチング素子のスイッチング速度を可変制御する制御部と、
を有する車両駆動モータの制御装置において、
前記制御部は、前記車両駆動モータの温度が第1の温度よりも高い第2の温度、又は、前記車両駆動モータに供給される電流が第1の電流よりも大きい第2の電流で、かつ、前記車両駆動モータが配置されている空間の気圧が第1の気圧よりも低い第2の気圧、又は、前記車両駆動モータが配置されている空間の標高が第1の標高よりも高い第2の標高の状態では、前記第1の温度、前記第1の電流、前記第1の気圧、又は前記第1の標高における第1のスイッチング速度よりも遅い第2のスイッチング速度で前記スイッチング素子を制御する、
ことを特徴とする車両駆動モータの制御装置。
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