JP2012228842A - 切削用刃物及び回転切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】刃物の厚みを薄くして、刃物材料を少なくでき、刃物全体の曲げ剛性を高めることが可能な切削用刃物を提供する。
【解決手段】刃物21は、母材として鋼材、超硬合金又は刃先部分のみを超硬合金とする鋼材が使用された厚さ0.5mm前後の略長方形の長尺状の弾性変形可能な薄板であり、高価な材料の使用を少なくできるため、刃物21の価格が安価にされる。刃物21の逃げ面21bの逃げ角が0°になっている。刃物21は、すくい面21dの切れ刃を含む所定範囲には、クロム窒化物である硬質膜22がコーティングされている。刃物21が工具本体11の取付溝13に回転反対方向に曲げられて装着されており、刃物21の両端面11a,11b側のねじれ角が正及び負になっていることにより、周方向に刃物21の奥行きが確保され、刃物21の曲げ剛性が曲げられていない刃物21自体の曲げ剛性よりも高められる。
【選択図】図1

Description

本発明は、モルダー、プレーナーヘッド、軸付フライス、超仕上げ鉋等の切削工具に取り付けられる板状の切削用刃物及びこれを用いた回転切削工具に関する。
従来、この種の切削用刃物としては、特許文献1に示すように、鉋胴本体の外周面に設けた軸方向に平行な刃物溝に取り付けられた真っ直ぐな直刃が知られている。しかし、直刃の場合、被削材を切削する際の切削抵抗が刃物全体に同時に加わる。このため、刃物の曲げ剛性が小さいと切れ刃付近において刃物が座屈しやすくなるという問題がある。それを避けるためには、刃物の厚さを厚くして曲げ剛性を確保する必要がある。すなわち、高価な刃物材料が多量に必要となり、刃物コストが高価になるという問題がある。さらに、直刃の場合、切削の際の騒音が高くなり、作業環境を悪化させるという問題もある。
これに対して、例えば特許文献2に示すように、木工用カッター装置のブロック主体の周面に螺旋状に形成された取付溝に螺旋状にねじれた状態で嵌め合わされた刃物が知られている。この刃物によれば、被削材を切削する際の切削抵抗が切れ刃の螺旋に沿って加わるために、切削の際の騒音が抑えられる効果が得られる。しかし、この刃物についても、上記直刃ほどではないが曲げ剛性が十分でなく、切れ刃付近において刃物が座屈しやすくなるという問題がある。特に刃物の厚さが薄い場合には切れ刃付近における刃物の座屈の問題は避けられない。また、この刃物の切れ刃は、軸線に対して一方向に傾斜しているため、刃物のいずれか一端側では被削材に対して一方向の外向きの力が加わることになり、被削材の片側縁でバリや欠けが生じやすいという問題がある。さらに、このカッター装置の場合、ねじれた切れ刃により被削材に対して一方向外向きの力が加わるため、被削材を横方向に動かすようになり、安定した切削が妨げられるという問題がある。
特許第3474503号公報
特開昭50−54974号公報
本発明は、上記問題を解決しようとするもので、厚みを薄くして、刃物材料を少なくでき、刃物全体の曲げ剛性を高めることが可能な切削用刃物及びこれを用いた回転切削工具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の構成上の特徴は、工具本体に取り付けられる切削用刃物であって、刃物のすくい面が刃物母材より硬質の材料でコーティングされており、刃物の厚さが0.2mmから0.8mmであることにある。なお、刃物の厚さについては、0.2〜0.8mmの範囲でよいが、好ましくは0.3〜0.6mmである。厚さを0.8mmより大きくすると刃物の寿命を高める効果が低下し、また0.2mm未満になると刃物強度が低下して刃物としての実用性がなくなる。
上記のように構成した発明においては、刃物の厚みを薄くしたことにより、刃物材料コストを大幅に低減でき、刃物を安価に提供することができる。また、本発明においては、刃物の厚みを薄くしたことにより、逃げ面の回転方向に沿う長さを小さくできるため、逃げ面の摩耗量を[刃厚÷cos(すくい角)]程度までに抑えることが可能になる。そのため、切れ刃を従来の厚い刃物以上に長時間使用しても、逃げ面の回転方向に沿う長さが従来の厚い刃物よりも短く、刃物の更なる使用が可能になる。すなわち、刃物の寿命を数倍長くすることができる。さらに、本発明においては、すくい面が硬質膜でコーティングされているため、切れ刃のすくい面側の著しい摩耗が抑えられて、刃物の耐久性が高められる。また、本発明においては、すくい面に硬質膜を設けたことにより、刃物のすくい面に対して逃げ面の摩耗が選択的に進行するため、切れ刃の鋭利さが維持され易く、逃げ面が被削材と強く接触することが防止され、刃物の切削抵抗が抑えられる。
また、本発明において、刃物が被削材の切削方向に対して逆方向に凸の状態で工具本体に取り付けられ、両端側部分のねじれ角が正及び負であることが好ましい。ここで、刃物の工具本体外周面における切削方向に垂直な軸線に対する傾斜角度、すなわち軸線に対する切れ刃のねじれ角について定義する。被削材側から切れ刃を見て、軸線に対して切れ刃が時計回りの方向に傾斜している場合を正のねじれ角とし、反対方向に傾斜している場合を負のねじれ角とする。本発明においては、刃物が切削方向に対して逆方向に凸に曲げられていることにより、切削方向に刃物の奥行きが大きく立体的に確保されるため、刃物の曲げ剛性が曲げない状態の曲げ剛性よりも高められる。そのため、刃物が薄くても切れ刃の座屈を抑制することができる。また、本発明においては、被削材の切削時に、被削材の両側縁において刃物の切れ刃から被削材に対して内側向きの力が加わるため、被削材の両側縁でのバリや欠けの発生が有効に抑えられる。さらに、本発明においては、刃物が被削材の切削方向に対して逆方向に凸の状態に曲げられていることにより、すくい面にコーティングされた硬質膜が圧縮されるため、硬質膜の剛性が高められる。
また、本発明において、刃物が被削材に対する切削方向に凸の状態で工具本体に取り付けられ、両端側部分の切れ刃のねじれ角を正及び負とすることができる。このように、刃物が切削方向に凸に曲げられても、切削方向に刃物の奥行きが大きく立体的に確保されるため、刃物の曲げ剛性が曲げない状態の曲げ剛性よりも高められる。そのため、刃物が薄くても切れ刃の座屈を抑制することができる。また、本発明においては、被削材の切削時に、被削材の両側縁において刃物から被削材に対して外側向きの力が加わるため、切削屑を被削材の中央から両端の外方向に向けて排出することができることにより、切削屑の排出を良くすることができる。
また、本発明において、刃物の母材が鋼材、超硬合金又は刃先部分のみを超硬合金とした鋼材であることが好ましい。鋼材としては、工具鋼、高速度工具鋼、ステンレス鋼等である。これにより、刃物に加わる切削抵抗によってわずかであるが刃物の切れ刃近傍が弾性変形して切削方向の反対側へ逃げ面が被削材から離れるようになる。そのため、本発明においては、刃物に加わる切削抵抗が減少して円滑な切削が可能になる。
さらに、本発明において、請求項1から4のいずれか1項に記載の回転工具に複数の切削用刃物を取り付けた回転切削工具は、ジョインティングすることによって各刃物の刃先の切削半径誤差を従来の刃物と同様に極力小さくできる。刃物が薄いため、刃物の厚み全体をジョインティングしてもよく、各刃物の刃先を所定の切削半径内に収めることが容易にできる。
本発明においては、刃物の厚みを薄くしたことにより、刃物材料コストを大幅に低減でき、刃物を安価に提供することができる。さらに、逃げ面の回転方向に沿う長さを小さくできるため、逃げ面の摩耗量を最大でも[刃厚÷cos(すくい角)]程度までに抑えることが可能になる。また、本発明においては、すくい面が硬質膜でコーティングされているため、切れ刃のすくい面側の著しい摩耗が抑えられて、刃物の耐久性が高められる。また、刃物のすくい面に対して逃げ面の摩耗が選択的に進行するため、切れ刃の鋭利さが維持され易く、逃げ面が被削材と強く接触することが防止され、刃物の切削抵抗が抑えられる。
また、本発明において、刃物が切削方向に対して逆方向に凸に曲げられあるいは切削方向に凸に曲げられていることにより、切削方向に刃物の奥行きが大きく立体的に確保されるため、刃物の曲げ剛性が曲げない状態の刃物自体の曲げ剛性よりも高められる。その結果、薄い刃物でも大きな曲げ剛性が確保される。さらに、本発明において、刃物が切削方向に対して逆方向に曲げられあるいは切削方向に曲げられていることに加えて、両端側部分のねじれ角を正及び負とすることにより、刃物が切削方向に対して逆方向に凸に曲げられあるいは切削方向に凸に曲げられていることに応じて、刃物両端側での被削材のバリや欠けの発生が有効に抑えられ、また、切削屑の排出を良くすることができる。また、本発明において、刃物の母材を鋼材、超硬合金又は刃先部分のみを超硬合金とした鋼材とすることにより、切削抵抗によって刃物の切れ刃近傍が弾性変形して切削方向の反対側へ逃げ面が被削材から離れるようになるため、刃物による切削抵抗が減少して円滑な切削が可能になる。さらに、本発明においては、複数の切削用刃物を取り付けた回転切削工具のジョインティングが容易になる。
実施例1に係る鉋胴を示す正面図である。 同鉋胴を示す側面図である。 図1のIII−III線方向の断面図である。 図1のIV−IV線方向の断面図である。 湾曲した状態の刃物を示す正面図、底面図、側面図及び部分断面図(従来の刃物を含む)である。 押え金具を示す正面図、底面図及び側面図である。 切れ刃のねじれ角について説明する説明図である。 変形例1に係る刃物の取付形状を説明する説明図である。 変形例2に係る刃物の取付形状を説明する説明図である。 変形例3に係る刃物の取付形状を説明する説明図である。 変形例4に係る刃物の取付形状を説明する説明図である。 変形例5に係る刃物の取付形状を説明する説明図である。 変形例6に係る刃物の取付形状を説明する説明図である。 変形例7に係る刃物の取付形状を説明する説明図である。 変形例8に係る刃物の取付形状を説明する説明図である。 実施例2に係る鉋胴を示す正面図である。 同鉋胴を示す右側面図である。 湾曲した状態の刃物を示す正面図、底面図及び側面図である。 変形例9に係る刃物の取付形状を説明する説明図である。 変形例10に係る刃物の取付形状を説明する説明図である。 変形例11に係る刃物の取付形状を説明する説明図である。 変形例12に係る刃物の取付形状を説明する説明図である。 変形例13に係る刃物の取付形状を説明する説明図である。 変形例14に係る刃物の取付形状を説明する説明図である。 変形例15に係る刃物の取付形状を説明する説明図である。 変形例16に係る刃物の取付形状を説明する説明図である。 実施例3に係るルータービットを示す平面図である。 同ルータービットを示す正面図である。 同ルータービットを示す側面図である。 図28のA−A線方向の断面図である。 刃物を示す正面図及び底面図である。 変形例17である刃物を示す正面図及び底面図である。 実施例4に係る刃物を装着した鉋胴を示す正面図である。 同鉋胴を示す側面図である。 同鉋胴を示す平面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1,図2,図3,図4は、実施例1に係る刃物を回転切削工具である木工用鉋胴の取付溝に装着した場合について、正面図、側面図、III−III線方向断面図及びIV−IV線方向断面図により示したものである。
木工用鉋胴10は、金属製で中心に軸孔12を有する長尺円筒状の工具本体11に、外周側の周方向に等間隔で離間した4箇所にて同一形状の4本の取付溝13を設けている。取付溝13は、工具本体11の略径方向に凹むと共に軸方向に沿って両端面11a,11b間を貫通した図2に示す側面から見て各断面が略長方形である。なお、本実施例においては、一端面11a内側近傍が、被削材を送材案内する定規(図示しない)の位置合わせの基準となっている。
取付溝13は、工具本体11の回転方向Rに対して反対方向に円弧状に湾曲しておりかつ工具本体11の軸方向に対称形状になっている。取付溝13は、すくい角が正になるように傾斜しており、回転前方側の前壁面14と後方側の後壁面15が全長にわたり同じ距離になっている。取付溝13の底壁面16は前及び後壁面14,15に対して直角であり、さらに軸方向に平行に延びた平面となっている。後壁面15の径方向に対する傾斜角度は、工具本体11の両端面11a,11bにおいて後述する刃物21を取り付けた状態ですくい角δ15°であり取付溝13の湾曲に沿って増加し、工具本体11の長手方向中央で最大のすくい角δ25°になっている。このように取付溝13が円弧状に湾曲しており、さらに取付溝13の底壁面16が軸に対して平行であることから、前及び後壁面14,15の上縁は底壁面16に対して回転前方側から見て円弧状に凹んで湾曲している。
工具本体11は、前壁面14の上縁近傍位置で、回転方向Rに向けて切欠かれて外周面からわずかに湾曲して凹んで軸方向両端間に延びた切欠き凹部17を設けている。また、工具本体11は、切欠き凹部17の回転方向R前方側において、軸方向の中央位置と左右両端近傍位置とその中間位置の5か所にそれぞれ取付孔18を設けている。取付孔18は、工具本体11の軸直角方向でかつ切欠き凹部17の傾斜方向に沿って略平行に取付溝13まで貫通して延びている。取付孔18は、工具本体11表面に露出している円筒状に凹んだ導入部18aと、導入部18aの先でねじ溝になったねじ部18bとからなる。取付孔18には、ボルト19が導入孔18a側から挿入され、ねじ部18bに螺着されて先端側が取付溝13内にまで突出するようになっている。
各取付溝13には、刃物21と押え金具24とが装着されている。刃物21は、図5に示すように、母材が鋼材、超硬合金又は刃先部分のみを超硬合金とする鋼材であり、厚さ0.3〜0.6mmの略長方形の長尺状の弾性変形可能な薄板である。刃物21の厚さについては、母材の材質や工具本体11からの突出長さにより異なるもので後述する。刃物21は、母材板の打ち抜き加工により簡単に形成され、図示のように湾曲させることにより上記取付溝13とほぼ同一長さになっている。刃物21は、下縁側の底面21aは直線であるが、上縁の切れ刃21cを有する逃げ面21bが長手方向中央を中心として内側に円弧状にわずかに凹んでいる。刃物21の逃げ面21bは、図3に示すように、ジョインティングが施されることにより逃げ角γは0°である。
刃物21は、片面側であるすくい面21dの切れ刃21cを含む所定範囲に硬質膜22がコーティングされている。硬質膜22は、材質がCrNかCr2Nあるいは、CrNとCr2Nの混合物であるクロム窒化物であり、厚さが0.5〜10μm程度である。硬質膜22の材質については、被削材や加工条件によって選択される。硬質膜22のコーティングにおいては、複数の刃物21をすくい面21d側の所定範囲を残して重ね合せることにより、同時に複数の刃物21にコーティングを効率よく行うことができ、硬質膜形成コストを大幅に低減できる。ただし、すくい面21d全面や逃げ面21bにもコーティングを行うことも可能である。また、刃物21の両面にコーテイングを行うこともでき、これにより刃物両面をすくい面として利用することができる。
押え金具24は、図6に示すように、長尺角棒状であり、取付溝13に合わせた円弧状に湾曲した形状になっている。押え金具24は、回転前方側の前側面24aと後方側の後側面24bが全長にわたり同じ距離になっており、底面24cは前及び後側面24a,24bに対して直角に延びた平面となっている。押え金具24の湾曲形状は、前側面24aが凹み、後側面24bが膨らむ形状に形成されている。押え金具24の上面24dは、前及び後側面24a,24b間において内側に向けて円弧状に凹んだ湾曲面になっている。前側面24aの上面24d近傍位置には、長手方向の中央位置と左右両端近傍位置とその中間位置の5か所にそれぞれ固定穴25が設けられている。固定穴25は、押え金具24を取付溝13に挿嵌した状態で、上述した工具本体11の取付孔18が取付溝13に開口する位置に対応し、取付孔18と同軸状に配置されるようになっている。
工具本体11の取付溝13への刃物21と押え金具24の取り付けについては、まず押え金具24が取付溝13内に挿嵌され、底面24cを取付溝13の底壁面16に載せ、両端が工具本体11の両端面11a,11bに合わされる。さらに、取付溝13の後壁面15と押え金具24の後側面24b間の円弧状の隙間に、刃物21がすくい面21dを押え金具24側に向けた状態で湾曲させながら挿嵌され、底面21aが取付溝13の底壁面16に、すくい面21dの反対面21eが後壁面15に押し付けられる。その後、取付孔18に導入部18a側からボルト19が挿入され、ねじ部18bに螺着させて締め付けることにより、ボルト19先端が押え金具24の前側面24aの固定穴25に挿入されて押え金具24に押し付けられる。さらに、刃物21が取付溝13の後壁面15に押し付けられて、刃物21と押え金具24が取付溝13内に強固に固定される。刃物21の取付溝13への取り付けについては、刃物21を円弧状に折り曲げて行うことができ、刃物21を捩じる必要がない。また、刃物21の底面21aと押え金具24の底面24cが平面であり、取付溝13の平面となっている底壁面13に載置すればよい。そのため、刃物21と押え金具24の取付溝13内への取り付けが簡易にかつ精度よく行われる。
これにより、刃物21は、取付溝13の形状に合わせて回転方向Rと反対方向に向けて円弧状に湾曲した状態で固定され、刃物21の切れ刃21cを含む逃げ面21bが工具本体11外周面から0.5mm程度突出した状態にされる。刃物21の刃先の工具本体11からの突出量と刃物厚さの関係については、次の通りである。突出量が0.5mmのときは、刃物21材質が鋼材の場合は刃物厚さが0.5mmで、超硬合金の場合は刃物厚さが0.3mmが適正である。突出量が0.3mmのときは、刃物21材質が鋼材の場合は刃物厚さが0.3mmで、超硬合金の場合は刃物厚さが0.2mmが適正である。突出量が0.8mmのときは、刃物21材質が鋼材の場合は刃物厚さが0.8mmで、超硬合金の場合は刃物厚さが0.6mmが適正である。このように、刃物母材が超硬合金の場合は、鋼材に比べて同じ突出量では刃物厚さを薄くでき、同じ厚さでは突出量を大きくできる。
押え金具24の上面24dの後側面24b側が刃物21の1mm程度内側に配置され、上面24dの前側面24a側が工具本体11外周面に露出した切欠き凹部17に傾斜を合わせて繋ぎ合わされる。このように、刃物21のすくい面21d側に押え金具24の上面24dと工具本体11の切欠き凹部17が円滑に配置されることにより、切削により生じた切屑の排出がスムーズに行われる。
上述したように、刃物21が工具本体11の取付溝13に押え金具24に押されて装着されたことにより、刃物21の工具本体11外周面における軸心に対する傾斜角度であるねじれ角が、工具本体11の一端面11a側においては曲線状に変化する負のねじれ角になっており、他端面11b側においては曲線状に変化する正のねじれ角になっている。ここで、刃物21のねじれ角θは、図7に示すように、工具本体11の回転方向Rを12時方向として軸心を基準にして時計回り方向(CW)に傾斜している場合を正とし、反時計回り方向(CCW)に傾斜している場合を負とする。また、工具本体11の取付溝13に固定された4つの刃物21に対しては、先端切れ刃21cの外径のばらつきを是正するために、砥石を用いたジョインティングが行われる。ジョインティングについては、通常は切れ刃21c部分について行われるが、本実施例の刃物21については厚さが0.5mm程度と非常に薄いため、ジョインティングが外周逃げ面21b全面について行われてもよい。これにより、逃げ面21bは半径一定の円弧状になるような円筒研磨が行われ、逃げ角γが0°にされる。
上記構成の実施例1においては、刃物21の厚みを0.5mm程度に薄くしたことにより、刃物21を構成する高価な材料の使用を非常に少なくすることができるため、刃物21の価格を刃物厚さが3mm程度の従来の刃物に比べて大幅に安価にすることができる。また、刃物21の厚みを薄くしたことにより、逃げ面21bを小さくできるため、逃げ面21bの摩耗量を[刃厚÷cos(すくい角δ)÷cos(ねじれ角θ)]程度までに抑えることが可能になる。図5(d)に示すように、刃物21と従来の厚さ3mmの刃物21Xが1mm程度の摩耗によりx線まで切れ刃が後退すると、従来の刃物21Xでは再研磨が必要になる。しかし、刃物21は逃げ角γが0°であることにより切れ刃21cが維持されるため、さらに摩耗しても使用可能である。その結果、実施例1においては、先端切れ刃21cが従来の厚い刃物21Xの限界以上に後退しても刃物21の使用が可能になり、刃物21の寿命を従来の刃物21Xに比べて数倍長くすることができる。さらに、実施例1においては、すくい面21dが硬質膜22でコーティングされているため、すくい面21dの著しい摩耗が抑えられて、刃物21の耐久性が高められると共に、刃物21のすくい面21dに対して逃げ面21bの摩耗が進行するため、逃げ面21bが被削材と強く接触することが防止され、刃物21の切削抵抗が抑えられる。
また、実施例1では、刃物21が工具本体11の回転反対方向に曲げられており、刃物21の両端面11a,11b側のねじれ角θが負及び正になっていることにより、周方向に刃物21の奥行きが立体的に確保される。これにより、刃物21の曲げ剛性が曲げない状態の刃物21自体の曲げ剛性よりも高められる。その結果、実施例1においては、刃物21の厚さが0.5mm程度と非常に薄くなっているが、高い曲げ剛性が確保される。また、本実施例1においては、刃物21の両端側が正のねじれ角の部分と負のねじれ角の部分になっていることにより、切削時に被削材の横方向に加わる力が逆向きに作用して互いに打ち消し合うように作用する。そのため、切削時における被削材に加わる横方向の一方に向けた抵抗が抑えられ、被削材の横方向への移動が抑えられるため、鉋胴10による安定した切削が可能になる。
さらに、本実施例1においては、刃物21が回転方向Rと反対方向に凸に円弧状に湾曲すると共に両端側部分のねじれ角θが負及び正になっていることにより、被削材の切削時に、被削材の両側縁において刃物21から被削材に対して内側向きの力が加わる。そのため、被削材両側縁でのバリや欠けの発生が抑えられ、特に方向性のある繊維質の木材等の被削材を切削する場合に有効である。また、本実施例1においては、刃物21が曲げられていることにより、切削時に刃物21が一度に被削材に当たらないので、切削騒音を低減できる。また、実施例1においては、刃物21の母材が鋼材、超硬合金又は刃先部分のみを超硬合金とする鋼材であることにより、刃物21に加わる切削抵抗によってわずかであるが刃物21が弾性変形して逃げ面側へたわみながら被削材から離れるようになる。そのため、実施例1においては、刃物21に加わる切削抵抗が減少して円滑な切削が可能になる。
つぎに、実施例1の変形例1〜8について図8〜図15により説明する。変形例1〜8は、実施例1の刃物の配置を変更した例を示すもので、図においては刃物のみを示し、取付溝と押え金具については図示省略する。変形例1は、図8に示すように、実施例1における刃物21のように両端が軸心に対して平行な同一線上に揃えられた形態と異なり、刃物21Aの両端が軸心に対して平行な同一線上(K)から外れた形態である。
変形例2は、図9に示すように、刃物21Bを、実施例1の刃物21のように湾曲の頂点を長手方向の中央に配置した対称形状ではなく、湾曲頂点Tを工具本体11の一端面11a近傍にずらせたものである。変形例2においては、被削材の幅が工具本体11の長さより短いときでも、被削材の幅方向両端において、切れ刃のねじれ角を常に負及び正になるようにできる。そのため、変形例2においては、被削材の幅に関わらず、方向性がある繊維質の木材等の被削材を切削する場合には、被削材両側縁でのバリや欠けの発生が有効に抑えられる。
変形例3は、図10に示すように、刃物21Cを、実施例1の刃物21のように単一の湾曲形状ではなく、2つの湾曲部を円弧状に連続させた波状にしたものである。
変形例4は、図11に示すように、刃物21Dを、実施例1の刃物21のように円弧状に湾曲させる代わりに、長手方向中央で折れ曲がった対称な形状にしたものである。
変形例5は、図12に示すように、刃物21Eを、変形例4において湾曲の頂点Uを工具本体11の一端面11a近傍にずらせて配置したものである。変形例5においても、上記変形例2と同様、被削材の幅に関わらず被削材両側縁でのバリや欠けの発生が有効に抑えられる。
変形例6は、図13に示すように、刃物21Fを、変形例4の刃物21Dのように単一の折れ曲がった形状ではなく、複数の折れ曲がった形状を連続して設けるようにしたものである。
変形例7は、図14に示すように、刃物21Gを、中間部分が軸方向に平行な直線であり、両端側が円弧状になった形状としたものである。
変形例8は、図15に示すように、刃物21Hを、変形例3の刃物21Cに代えて、S字型の波状にしたものである。変形例1〜8においても、実施例1と同様に薄い刃体21Hの曲げ剛性が確保される。また、変形例1〜7においても、被削材の両側縁でのバリや欠けの発生を抑える効果が得られるが、変形例8では、本体11の一端面側においてはこのような効果は得られない。
つぎに、実施例2について図16、図17により説明する。
実施例2に係る刃物35は、実施例1の刃物21とは逆に木工用鉋胴30の切削方向である回転方向Rに円弧状に湾曲した凸の状態で取付溝33に取り付けられる。鉋胴30は、実施例1の鉋胴10に対して、取付溝33が、軸孔32を有する円筒形の工具本体31の外周面に、回転方向Rに円弧状に湾曲して形成されており、かつ工具本体31の軸方向中央を挟んだ軸方向両側が対称形状になっている。押え金具37も図6に示す方向と反対方向に湾曲したものとなっている。
取付溝33に装着される刃物35は、図18に示すように、上記刃物21と同様の材質の弾性変形可能な薄板であり、図18(b)において下縁側の取付面35aは直線であるが、上縁の切れ刃35cが外方にわずかに凸になっている。刃物35の逃げ面35bは逃げ角γが0°になっている。刃物35は、片面側であるすくい面35dの切れ刃35cを含む所定範囲には、クロム窒化物の硬質膜(図示しない)がコーティングされている。刃物35は、取付溝33に挿嵌されて押え金具37に押されることにより、工具本体31の回転方向Rに凸に湾曲して配置される。これにより、切れ刃35cの工具本体31外周面における軸心に対する傾斜角度であるねじれ角が、本体31の一端面31a側においては曲線状に変化する正のねじれ角になっており、他端面31b側においては曲線状に変化する負のねじれ角になっている。なお、切れ刃35cのねじれ角の正負について、上記実施例1と同様である。
上記構成の実施例2においては、上記実施例1と同様に刃物35の厚みを0.5mm程度に薄くしたことにより、刃物35を構成する高価な材料の使用を非常に少なくすることができるため、刃物35の価格を刃物厚さが3mm程度の従来の刃物に比べて大幅に安価にすることができる。また実施例2においては、刃物35の厚みを0.5mm程度に薄くしたことにより、外周逃げ面を小さくできるため、逃げ面の摩耗量を[刃厚÷cos(すくい角)÷cos(ねじれ角)]程度までに抑えることができ、また、すくい面が硬質膜でコーティングされているため、すくい面の著しい摩耗が抑えられて、刃物35の耐久性が高められる等、実施例1と同様の効果が得られる。また、実施例2においては、刃物35が工具本体31の回転方向Rに凸に曲げられており、刃物35の両端面31a,31b側部分のねじれ角θが正及び負になっていることにより、周方向に刃物35の奥行きが立体的に確保される。これにより、刃物35の曲げ剛性が曲げない状態の刃物35自体の曲げ剛性よりも高められる。その結果、実施例2においては、刃物35の厚さが0.5mm程度と非常に薄くなっているが、高い曲げ剛性が確保される。
また、本実施例2においては、刃物35の両端面31a,31b側が正のねじれ角の部分と負のねじれ角の部分になっていることにより、切削時に被削材に加わる横方向の力が逆向きに作用して互いに打ち消し合うように作用する。そのため、切削時における被削材に加わる横方向の一方に向けた抵抗が抑えられ、被削材の横方向への移動が抑えられるため、鉋胴30による安定した切削が可能になる。さらに、本実施例2においては、刃物35が回転方向Rに凸に曲げられており、刃物35の両端側部分のねじれ角が正及び負になっている。これにより、被削材の切削時に、切削屑を被削材の中央から横方向へ排出することができるため、切削屑の排出の流れを良くすることができ、特に被削材の側縁部のバリ等が問題にならない樹脂、金属等の硬い被削材を切削する場合に有効である。また、実施例2においては、刃物35が曲げられていることにより、切削時に刃物35が一度に被削材に当たらないので、切削騒音を低減できる。
つぎに、実施例2の刃物35の曲げ方を変えた変形例9〜16について図19〜図26により説明する。
変形例9は、図19に示すように刃物35Aの両端が軸心に対して平行な同一線上(K)から外れた形態である。
変形例10は、図20に示すように、刃物35Bの湾曲の頂点Vを本体31の一端面31a近傍にずらせたものである。
変形例11は、図21に示すように、刃物35Cを、単一の湾曲形状ではなく、2つの湾曲部を円弧状に連続させた波状にしたものである。
変形例12は、図22に示すように、刃物35Dを、円弧状に湾曲させる代わりに、長手方向中央で折れ曲がった対称な形状にしたものである。
変形例13は、図23に示すように、刃物35Eの湾曲の頂点Wを本体31の一端面31a近傍にずらせて配置したものである。
変形例14は、図24に示すように、刃物35Fを、単一の折れ曲がった形状ではなく複数の折れ曲がった形状を連続して設けるようにしたものである。
変形例15は、図25に示すように、刃物35Gを、中間部分が軸方向に平行な直線であり、両端側が円弧状になった形状としたものである。
変形例16は、図26に示すように、刃物35Hを、変形例11の刃物35Cに代えて、1つの湾曲部とほぼ半分の湾曲部を円弧状に連続させたS字型の波状にしたものである。変形例9〜16においても、実施例2と同様に薄い刃体の曲げ剛性が確保される。また、変形例9、10、12、13、15においても、切削屑の排出の流れを良くする効果が得られるが、変形例11、14、16では、本体11の一端面側においてはこのような効果は得られない。
つぎに、実施例3について図27〜図30により説明する。
実施例3に係る木工用ルータービット40に使用される刃物51は、図27に示すように、実施例1の刃物21の両端側に面取り部を設けたものである。ルータービット40は、円柱形の工具本体41と工具本体41を回転切削機に取り付けるためのシャンク部42が同軸に連結されている。工具本体41は外周面の対称な2か所に取付溝43を有している。取付溝43は、工具本体41の回転方向R前方側である前壁面44が略径方向に延びた平面となっており、回転後方側の後壁面45が回転反対方向に向けて円弧状に凸に湾曲しており、底壁面46は軸方向に平行な平面になっている。取付溝43内には、前壁面44側の押え金具55と後壁面45側の刃物受け具57とが挿嵌され、押え金具55と刃物受け具57の間に刃物51が挟まれている。
刃物51は、図31に示すように、実施例1の刃物21と同様、母材が鋼材、超硬合金又は刃先部分のみを超硬合金とする鋼材であり、厚さ0.3〜0.6mm前後の長尺状の弾性変形可能な薄板である。刃物51は、上縁の逃げ面52aが実施例1と同様に円弧状に凹んだ中間部53と、その両端側にて逃げ面52aが中間部53から連続してそれぞれ略半円弧状に膨出した面取り部54となっており、下縁側の底面52bは平面である。刃物51も、母材板の打ち抜き加工により簡単に形成され、図示のように湾曲させることにより上記取付溝43とほぼ同一長さになっている。刃物51の逃げ面52aは、工具本体41に取り付け後ジョインティングすることによって逃げ角がほぼ0°になっている。刃物51は、片面側であるすくい面52cの切れ刃を含む所定範囲には、上記実施例1と同様に材質がCrNかCr2Nあるいは,CrNとCr2Nの混合物であるクロム窒化物の硬質膜(図示しない)が厚さが0.5〜10μm程度に形成されている。
押え金具55は、前壁面44と向き合う前側面55aは平面であり、後側面55bが後壁面45に合わせて円弧状に膨らんだ湾曲面となっており、底面55cが平面である。上側面55dは長手方向の両側が刃物51に合わせて湾曲して突出しており、刃物51を湾曲させての後側面55bに重ね合わせたとき、押え金具55が刃物51上縁の切れ刃部分を残して全体が重なり合うようになっている。刃物受け具57は、金属製で所定厚さの厚板であり、後壁面45に合わせて円弧状に曲げられており、前側面57aが湾曲して凹んでおり、後側面57bが湾曲して膨出している。底面57cは平面であり、上側面57dが押え金具55の上側面55dと同様に長手方向両側が突出しており、前側面57aで刃物51と重なり、後側面57bが取付溝43の後壁面45に密接するようになっている。取付溝43内に押え金具55と刃物51と刃物受け具57とが挿嵌され、取付溝43の回転前方にて工具本体41に設けた取付孔47にボルト(図示しない)を挿入して締め付けることにより、刃物51が工具本体41に取り付けられる。
実施例3においては、刃物51の中間部53は実施例1と同様に被削材の切削が行われ、実施例1と同様の効果が得られる。さらに、刃物51両端側の面取り部54においては、被削材の両側縁の面取り加工が行われる。その際、実施例3においては、刃厚の薄い刃物51の面取り部54が工具本体41外周面から突出しているが、突出した面取り部54は、押え金具55と刃物受け具57によって強固に挟持されているため、刃物51の強度が確保される。その結果、実施例3では、厚さの薄い安価な刃物51を用いて、被削材の通常の切削加工と同時に面取り加工を行うことができる。
次に、実施例3の刃物の変形例17について図32により説明する。
変形例17においては、刃物51Aは、中間部53と面取り部54の折り曲げられた中央の中央部分53aが平面になっており、中央部分53aの外側が円弧状に湾曲している。刃物51Aは、底面が平坦でかつ中央部分53aが平面である。中間部53ではすくい角が一定になる。
つぎに、実施例4について図33〜図35により説明する。
実施例4は、刃物71の形状が上記各実施例や変形例に示す湾曲したり折れ曲がった形状とは異なり、木工用鉋胴60の軸方向に平行な取付溝63に装着される直刃の刃物71に関するものである。鉋胴60は、金属製で中心に軸孔62を有する長尺円筒状の工具本体61を設けており、工具本体61の外周側の径方向に対向した2箇所にて工具本体61の略径方向に凹むと共に長手方向に貫通した端面から見て略長方形の同一形状の2本の取付溝63を設けている。取付溝63は、上記各実施例や変形例に示す湾曲したり折れ曲がった形状とは異なり、軸方向に平行に延びた直溝である。取付溝63は、すくい角が正になるように傾斜しており、回転前方側の前壁面64と後方側の後壁面65が互いに平行で、底壁面66は前及び後壁面64,65に対して直角な平面である。後壁面65の径方向に対する傾斜角度は略15°である。
工具本体61は、前壁面64の上縁近傍位置で、回転方向に向けて円弧状に凹んで軸方向両端間に延びて切り欠かれた切欠き凹部67になっており、切欠き凹部67が後述する押え金具73の上面と連続してスムーズに繋がるようになっている。また、工具本体61は、切欠き凹部67のわずかに回転前方側において、軸方向の中央位置と左右両端近傍位置とその中間位置の5か所にそれぞれ上述した取付孔18と同様の構造の取付孔68を設けている。
各取付溝63には、刃物71と押え金具73とが装着されている。刃物71は、上記刃物21と同様に鋼材、超硬合金製で厚さ0.5mm前後の長尺状の弾性変形可能な薄板であり、板材の打ち抜き加工により形成されて、取付溝63とほぼ同一長さになっている。刃物71は、逃げ面の逃げ角が0°になっており、すくい面の切れ刃を含む所定範囲には、上記実施例1と同様に材質がCrNかCr2Nあるいは,CrNとCr2Nの混合物であるクロム窒化物の硬質膜がコーティングされている。押え金具73は、金属製の長尺角棒状であり、上面が切欠き凹部67に合わせた円弧状に凹んだ湾曲面となっている。刃物71と押え金具73はストレートであり、工具本体61のストレートな取付溝63への取り付けは容易に行われ、その後、取付孔68にボルト(図示しない)を挿入して締め付けることにより取付溝63内に強固に固定される。刃物71の先端切れ刃は、工具本体61外周面から0.5mm程度突出させられる。
取付溝63に固定された2つの刃物71に対しては、先端切れ刃の外径のばらつきを是正するために、砥石を用いたジョインティングが行われる。ジョインティングについては、通常は切れ刃部分について行われるが、本実施例の刃物71については厚さが0.5mm程度と非常に薄いため、ジョインティングが外周逃げ面全面について行われてもよい。これにより、逃げ面は円弧状になるような円筒研磨が行われ、逃げ角が0°にされる。
上記構成の実施例4においては、上記実施例1と同様に刃物71の厚みを0.5mm程度に薄くしたことにより、刃物71を構成する高価な材料の使用を非常に少なくすることができるため、刃物71の価格を刃物厚さが3mm程度の従来の刃物に比べて大幅に安価にすることができる。また実施例2においては、刃物71の厚みを0.5mm程度に薄くしたことにより、逃げ面を小さくできるため、逃げ面の摩耗量を[刃厚÷cos(すくい角)]程度までに抑えることが可能になる。その結果、実施例4においては、先端切れ刃が従来の厚い刃物以上に後退しても刃物71の使用が可能になり、刃物71の寿命を数倍長くすることができる。また、すくい面が硬質膜でコーティングされているため、すくい面の著しい摩耗が抑えられて、刃物71の耐久性が高められる等、実施例1と同様の効果が得られる。また、実施例4においては、刃物71の母材が鋼材、超硬合金又は刃先部分のみを超硬合金とする鋼材であることにより、刃物71に加わる切削抵抗によってわずかであるが刃物71が弾性変形して逃げ面側へたわみながら被削材から離れるようになる。そのため、実施例4においては、刃物71に加わる切削抵抗が減少して円滑な切削が可能になる。
なお、上記実施例1,2においては、変形例1〜16として種々の形態の刃物が示されているが、これに限るものではなく、これ以外の種々の形態及びその組み合わせの形態も可能である。また、上記実施例1,2及び各変形例においては、単一の鉋胴について説明したが、これを軸方向に複数連結し、互いに隣接する鉋胴の刃物の位置をそれぞれずらせて配置させることも可能である。また、複数の刃物について、先端切れ刃側に溝を形成することにより、分割して切削することも可能である。さらに、上記各実施例及び各変形例においては、本発明の刃物を回転切削工具に適用した例について示しているが、超仕上げ鉋等の回転しない切削工具に対しても適用することが可能である。その他、上記各実施例や変形例に示したものは一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することも可能である。
10…木工用鉋胴、11…工具本体、13,13A〜13G…取付溝、18…取付孔、21,21A〜21H…刃物、21c…切れ刃、22…硬質膜、24,24A〜24G…押え金具、30…木工用鉋胴、31…工具本体、33,33A〜33G…取付溝、35,35A〜35H…刃物、35c…切れ刃、37、37A〜37G…押え金具、40…木工用ルータービット、41…工具本体、43…取付溝、51…刃物、55…押え金具、57…刃物受け具、60…木工用鉋胴、61…工具本体、63…取付溝、71…刃物、73…押え金具。

Claims (5)

  1. 工具本体に取り付けられる切削用刃物であって、
    刃物の少なくともすくい面が刃物母材より硬質の材料でコーティングされており、刃物の厚さが0.2mmから0.8mmであることを特徴とする切削用刃物。
  2. 被削材の切削方向に対して逆方向に凸の状態で前記工具本体に取り付けられ、両端側部分のねじれ角が正及び負であることを特徴とする請求項1に記載の切削用刃物。
  3. 被削材に対する切削方向に凸の状態で前記工具本体に取り付けられ、両端側部分のねじれ角が正及び負であることを特徴とする請求項1に記載の切削用刃物。
  4. 刃物の母材を鋼材、超硬合金又は刃先部分のみを超硬合金とした鋼材とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の切削用刃物。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の切削用刃物を工具に取り付けてジョインティングしてなる回転切削工具。
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