JP2012225318A - 形状記憶合金エンジン - Google Patents

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義久 佐藤
Takasumi Shimizu
孝純 清水
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Abstract

【課題】冷熱を用いて運動エネルギを発生させる形状記憶合金エンジンを提供する。
【解決手段】形状記憶合金エンジン100は、高温輪110および低温輪120と、高温輪110および低温輪120の双方に巻き掛けられた環状の形状記憶合金ベルト130と、内部を冷却するように構成された冷却部140とを備えている。この形状記憶合金エンジン100では、少なくとも低温輪120が冷却部140の内部に配置されているとともに、高温輪110が冷却部140の外部に配置されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、形状記憶合金に温度差を付与することにより運動エネルギを発生させる形状記憶合金エンジンに関し、特に冷熱を用いて運動エネルギを発生させる形状記憶合金エンジンに関する。
形状記憶合金は、変態点(Af)以下の温度で変形させても、変態点(Af)以上の温度に昇温することにより、予め記憶された形状(記憶形状)に回復する性質を有している。このような形状記憶合金の性質を用いて、低温(例えば、100℃以下)の熱源を用いて形状記憶合金に温度差を付与し、運動エネルギを発生させる技術が、種々提案されている。
例えば、特許文献1では、形状記憶合金の一部に熱エネルギを供給して形状記憶合金に温度差を付与する形状記憶合金の応用素子が提案されている。この形状記憶合金の応用素子では、熱源としての太陽光を形状記憶合金の一部に照射し、太陽熱エネルギを機械的エネルギに変換している。また、特許文献2には、形状記憶合金のエネルギ変換性を用いた種々の形状記憶熱エンジンが提案されている。これらの形状記憶熱エンジンでは、熱源として温水が利用されている。
図3は、温水の熱エネルギを利用した形状記憶合金エンジンの一例を示す模式図である。形状記憶合金エンジン200は、軸心212を中心に回転自在な小径のプーリ210と、軸心222を中心に回転自在な大径のプーリ220と、形状記憶合金からなるベルト230と、温水槽240とを備えている。ベルト230は、小径のプーリ210および大径のプーリ220に巻き掛けられている。そして、小径のプーリ210を、温水槽240に張られた温水HWに浸漬することにより、プーリ210,220とベルト230とが一定方向に回転する。図3に示す形状記憶合金エンジン200は、元々はお湯で回転する玩具として市場に出回ったものであるが、この形状記憶合金エンジン200を活用して、低温の廃熱を使用して発電を行い、廃熱の有効活用を図る試みが多くなされてきた。
特開昭60−116880号公報 特開平5−215063号公報
このように、低温熱源の熱エネルギの活用は種々提案されてきたが、液化天然ガスの蒸発等で生じる冷熱を用いることについては、従来、検討されてこなかった。また、従来の形状記憶合金エンジンにおいて、熱エネルギを与えて加熱する代わりに、熱エネルギを奪って冷却しても、形状記憶合金エンジンを駆動させることは困難であった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、冷熱を用いて運動エネルギを発生させる形状記憶合金エンジンを提供することを目的とする。
上記目的の少なくとも一部を達成するために、本発明は、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
形状記憶合金エンジンであって、高温輪および低温輪と、前記高温輪および前記低温輪の双方に巻き掛けられた環状の形状記憶合金ベルトと、内部を冷却するように構成された冷却部とを備え、少なくとも前記低温輪を前記冷却部の内部に配置するとともに、前記高温輪を前記冷却部の外部に配置した形状記憶合金エンジン。
少なくとも低温輪を冷却部の内部に配置するとともに、高温輪を冷却部の外部に配置することにより、高温輪から繰り出された形状記憶合金ベルトは、低温輪に巻き込まれる前に冷却される。これにより、冷却部の冷熱を用いて運動エネルギを発生させる形状記憶合金エンジンを実現することができる。
[適用例2]
前記冷却部は、前記低温輪の外端から前記高温輪の内端までを覆うように構成されている、適用例1記載の形状記憶合金エンジン。
低温輪の外端から高温輪の内端までを覆うように冷却部を構成することにより、高温輪から繰り出された形状記憶合金ベルトは、速やかに冷却される。そのため、低温輪に巻き込まれる際の形状記憶合金ベルトの温度をより低くすることができ、低温輪に巻き込まれる際に逆回転方向に作用する回復力や弾性力をより小さくできるので、形状記憶合金エンジンの出力をより高くすることが可能となる。
[適用例3]
前記冷却部は、液化ガスを貯留可能に構成されており、前記液化ガスの蒸発により生じる冷熱により前記冷却部の内部を冷却する、適用例1または2記載の形状記憶合金エンジン。
液化ガスを貯留するように冷却部を構成することにより、内部を冷却する冷却部をより容易に実現することが可能となる。
[適用例4]
前記低温輪の少なくとも一部は、前記冷却部に貯留された前記液化ガスに浸漬されている、適用例3記載の形状記憶合金エンジン。
低温輪の少なくとも一部を冷却部に貯留された液化ガスに浸漬させることにより、低温輪の温度はほぼ液化ガスの温度に維持される。そのため、形状記憶合金ベルトがより速やかに冷却され、低温輪に巻き込まれる際に回復力や弾性力が逆回転方向に作用することを抑制できるので、形状記憶合金エンジンの出力をより高くすることが容易となる。
[適用例5]
前記形状記憶合金ベルトは、母相への変態点が5℃以下である形状記憶合金からなる、適用例3または4のいずれか記載の形状記憶合金エンジン。
この適用例によれば、液化ガスの蒸発で生じる冷熱を利用した形状記憶合金エンジンをより確実に稼働させることができる。
[適用例6]
前記形状記憶合金ベルトは、Ni−Ti系形状記憶合金からなる、適用例1ないし5のいずれか記載の形状記憶合金エンジン。
一般に、Ni−Ti系形状記憶合金は、他の形状記憶合金よりも記憶形状への回復力が大きい。そのため、形状記憶合金ベルトをNi−Ti系形状記憶合金で形成することにより、形状記憶合金エンジンの出力をより高くすることが可能となる。
[適用例7]
前記形状記憶合金ベルトは、NiおよびTiが化学量論的に1:1のNi−Ti合金におけるNiおよびTiの少なくとも一方の一部を、Co、Fe、Cr、Mnからなる群から選択された少なくとも1種の元素に置き換えたNi−Ti系形状記憶合金からなる、適用例6記載の形状記憶合金エンジン。
この適用例によれば、形状記憶合金ベルトの変態点をより低くすることができるので、冷熱を利用した形状記憶合金エンジンをより容易に実現することができる。
[適用例8]
前記形状記憶合金ベルトは、400〜500℃で形状記憶処理が行われたNi−Ti系形状記憶合金からなる、適用例6または7記載の形状記憶合金エンジン。
形状記憶合金ベルトとして形状記憶処理を400〜500℃で行ったNi−Ti系形状記憶合金を用いることにより、繰り返し特性の悪化を抑制することができるので、形状記憶合金エンジンの稼働時間をより長くすることが可能となる。
[適用例9]
形状記憶合金エンジンであって、さらに、前記高温輪に送風するファンを備える、適用例1ないし8のいずれか記載の形状記憶合金エンジン。
この適用例によれば、形状記憶合金ベルトを介した熱伝導等により高温輪が冷却されるのを抑制することが可能となる。そのため、高温輪の温度を形状記憶合金ベルトの変態点(Af)以上に維持して、継続的に形状記憶合金エンジンを稼働させることがより容易となる。
[適用例10]
前記高温輪の外径は、前記低温輪の外径よりも小さい、適用例1ないし9のいずれか記載の形状記憶合金エンジン。
この適用例によれば、形状記憶合金エンジンの出力をより高くすることが可能となる。
第1実施形態における形状記憶合金エンジンの構成を示す模式図。 第2実施形態における形状記憶合金エンジンの構成を示す模式図。 形状記憶合金エンジンの一例を示す模式図。
以下、本発明を実施するための形態を以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
A1.形状記憶合金エンジンの構成:
A2.形状記憶合金ベルトの材質:
A3.第1実施形態の実施例:
B.第2実施形態:
C.変形例:
A.第1実施形態:
A1.形状記憶合金エンジンの構成:
図1は、第1実施形態における形状記憶合金エンジン100の構成を示す模式図である。形状記憶合金エンジン100は、第1のプーリ110と、第2のプーリ120と、形状記憶合金ベルト130と、冷却槽140とを備えている。
第1のプーリ110と第2のプーリ120とは、それぞれ、互いに平行な軸心112,122を中心に回転自在となるように、図示しない支持部材に支持されている。軸心112,122間の距離は、調整可能に構成されている。なお、一般的には、第1および第2のプーリ110,120には、形状記憶合金ベルト130の脱離を抑制するためのフランジが設けられているが、図1では、便宜上、その図示を省略している。
図1の例では、第1のプーリ110が第2のプーリ120よりも小径となっているが、第1と第2のプーリ110,120の外径の大小関係は、適宜変更することができる。但し、形状記憶合金エンジン100の出力をより高くすることが容易である点で、第1のプーリ110は、第2のプーリ120よりも小径であるのが好ましい。
形状記憶合金ベルト130は、環状に形成されており、第1と第2のプーリ110,120の双方に巻き掛けられている。第1実施形態では、形状記憶合金ベルト130を断面が円形の丸ベルトとしている。但し、形状記憶合金ベルト130の断面は、楕円形、三角形、台形、長方形、正方形等、種々の形状とすることができる。形状記憶合金ベルト130は、所定の変態点(Af:マルテンサイト相から母相への変態終了温度)以上で直線状となるように形状記憶処理が施されている。形状記憶合金ベルト130の材質については、後述する。
なお、形状記憶合金ベルト130の記憶形状は、直線状の他、種々変更することも可能である。例えば、形状記憶合金ベルト130の記憶形状を、曲率半径が第1のプーリ110に巻き付けられている状態よりも大きい形状としても良く、曲率中心がプーリ110,120とは反対側となるようにしても良い。また、形状記憶合金ベルト130の記憶形状は、均一でなくともよい。
冷却槽140は、第2のプーリ120の外端から第1のプーリ110の内端までを覆うように構成されている。ここで、プーリの外端とは、当該プーリにおいて、他方のプーリから最も遠い点のことをいう。また、プーリの内端とは、当該プーリにおいて、他方のプーリに最も近い点のことをいう。
冷却槽140は、液化天然ガスや液体窒素等の液化ガスを貯留できるように構成されている。冷却槽140に貯留された液化ガスLGには、第2のプーリ120の一部が浸漬されている。冷却槽140に貯留された液化ガスが気化することにより、液化ガスLGおよび冷却槽140の内部は、室温(約25℃)よりも温度が低くなる。低温の冷却槽140内部では、第2のプーリ120と形状記憶合金ベルト130とが冷却される。これにより、形状記憶合金ベルト130の温度は、冷却槽140内部を移動する間に、変態点(Af)以下となる。
冷却槽140は、その上端(すなわち、第1のプーリ110側の端部)が解放されており、第1のプーリ110は、冷却槽140の外部に配置されている。そのため、第1のプーリ110は、室温の雰囲気にさらされて、温度がほぼ室温となる。形状記憶合金ベルト130は、ほぼ室温の第1のプーリ110と接触することにより温度が上昇し、第1のプーリ110の外周部を移動する間に変態点(Af)以上の温度となる。形状記憶合金ベルト130の温度が変態点(Af)以上となることにより、形状記憶合金ベルト130には、記憶形状である直線状に回復するように回復力が発生する。このように、形状記憶合金ベルト130に回復力が生じることにより、第1のプーリ110は回転駆動される。
第1実施形態では、冷却槽140が第2のプーリ120の外端から第1のプーリ110の内端を覆っているため、形状記憶合金ベルト130は、第1のプーリ110から繰り出された後、すぐに冷却槽140に入る。このように構成することにより、第1実施形態の形状記憶合金エンジン100は、液化ガスLGの冷熱を運動エネルギに変換することが可能となる。これは、形状記憶合金ベルト130が第2のプーリ120に巻き込まれるまでに十分に冷却され、第2のプーリ120に巻き込まれる際の形状記憶合金ベルト130の温度が変態点(Af)以下となることで、第2のプーリ120において回転を止める方向に作用する回復力が小さくなるためと推定される。
なお、第1実施形態では、冷却槽140が第2のプーリ120の外端から第1のプーリ110の内端までを覆うように構成されているが、形状記憶合金ベルト130が第2のプーリ120に巻き込まれる前に冷却可能であればよい。例えば、冷却槽140の上端が第2のプーリ120の内端に位置するように構成してもよく、また、冷却槽140の上端が第2のプーリ120の内端と第1のプーリ110の内端との間に位置するように構成してもよい。すなわち、冷却槽140は、少なくとも第2のプーリ120を覆うように構成することも可能である。このようにしても、形状記憶合金ベルト130は、第2のプーリに巻き込まれる前に冷却されるので、第2のプーリ120において回転を止める方向に作用する回復力が小さくなり、液化ガスLGの冷熱を運動エネルギに変換することが可能となる。
但し、第2のプーリ120に巻き込まれる際の形状記憶合金ベルト130の温度をより低くし、第2のプーリにおいて回転を止める方向に作用する回復力をより小さくできる点で、冷却槽140の上端が第2のプーリ120の内端と第1のプーリ110の内端との間に位置するように構成するのが好ましく、冷却槽140の上端が第1のプーリ110の内端に位置するように構成するのがより好ましい。
なお、上述のように、ほぼ室温となる第1のプーリ110は、冷却槽140内で冷却されている第2のプーリ120よりも温度が高い。そのため、第1のプーリ110は「高温輪」とも呼ぶことができ、第2のプーリ120は「低温輪」とも呼ぶことができる。
A2.形状記憶合金ベルトの材質:
形状記憶合金エンジン100では、上述のように、形状記憶合金ベルト130が記憶形状に回復する際の回復力により、第1のプーリ110が駆動される。そのため、形状記憶合金ベルト130は、回復力がより大きい材料を用いて形成するのが好ましい。
また、第1のプーリ110が室温雰囲気中にあるため、第1のプーリ110は、ほぼ室温となっている。そのため、形状記憶合金ベルト130が第1のプーリ110に接触している間に変態点(Af)以上の温度となるように、変態点(Af)は室温よりも十分に低いのが好ましい。一方、変態点(Af)が低すぎると、形状記憶合金ベルト130の記憶形状への回復が早くなりすぎ、回復力が逆回転方向に作用するおそれがある。そのため、形状記憶合金ベルト130は、変態点(Af)が5℃以下の材料で形成するのが好ましい。但し、変態点(Af)は、第1のプーリ110の雰囲気温度や、冷却槽140内の温度に応じて適宜変更することが可能である。
第1実施形態では、回復力が大きく、かつ変態点(Af)が5℃以下となる材料として、ニッケル(Ni)およびチタン(Ti)が化学量論的に1:1のNi−Ti合金をベースとし、NiおよびTiの一部をコバルト(Co)に置き換えたNi−Ti系形状記憶合金を用いて形状記憶合金ベルト130を形成している。
具体的には、Niが52〜57重量%、Coが0.5〜2.5重量%、残部がTiおよび不純物であるNi−Ti系形状記憶合金を用いて形状記憶合金ベルト130が形成される。NiおよびCoは、いずれもその組成を多くすることにより、変態点(Af)を低くすることが可能である。しかしながら、NiおよびCoが多くなりすぎると、形状記憶合金の加工性が低下する。そこで、Niの上限を57重量%とし、Coの上限を2.5重量%とする。上記化学成分を含有する形状記憶合金は、線状に加工された後、特定の形を覚えさせるための熱処理(形状記憶処理)が施される。
形状記憶処理は、加工歪みが残留し形状記憶特性をより確実に発現させることができる点と、温度ヒステリシスをより小さくできる点とで、再結晶しない程度の高温で行うのが好ましい。ここで、温度ヒステリシスとは、マルテンサイト相から母相への変態終了温度Afと、母相からマルテンサイト相への変態終了温度Mfとの差をいう。Ni−Ti系形状記憶合金では、再結晶温度が約600℃であるため、形状記憶処理は600℃以下で行われる。温度ヒステリシスを小さくすることにより、形状記憶合金ベルト130は、冷却槽140内においてより速やかにヤング率の低いマルテンサイト相に相変態する。これにより、形状記憶合金ベルト130が第2のプーリ120に巻き込まれる際に逆回転方向に作用する弾性力をより小さくすることでき、形状記憶合金エンジン100の出力を高くすることが容易となる。また、500℃以上で形状記憶処理を行うと、繰り返し特性が悪くなり、容易に劣化する。そのため、形状記憶処理は、400〜500℃で行うのが好ましい。
A3.第1実施形態の実施例:
Niを54.54重量%、Tiを44.02重量%、Coを1.44重量%に配合して溶解することにより、Ni−Ti系形状記憶合金インゴットを準備した。準備した形状記憶合金インゴットを鍛造−圧延−線引加工して、断面が円形の形状記憶合金線材(以下、単に「線材」とも呼ぶ)を得た。次いで、直線状の形状を記憶させるために、直線状に引っ張った状態で450℃の炉の中を通して直線形状記憶処理を施した。形状記憶処理を施した線材を所定の長さに切断した後、線材の端部を接合することにより、形状記憶合金ベルト130を得た。
得られた形状記憶合金ベルト130を第1と第2のプーリ110,120の双方に巻き掛けた後、形状記憶合金ベルト130に適度な張力が加わるように、軸心112,122の間隔を調整した。
次いで、第1のプーリ110の内端が冷却槽140の上端に位置するように、第2のプーリ120を冷却槽140に挿入した。第2のプーリ120の挿入の後、冷却槽140に、液化ガスLGとして、液体窒素を入れた。なお、冷却槽140に入れる液体窒素の量は、第2のプーリ120の約半分が冷却槽140に貯留された液体窒素に浸かるように、調整した。これにより、第1と第2のプーリ110,120と形状記憶合金ベルト130とは、継続的に回転した。
このように、第1実施形態の形状記憶合金エンジン100では、少なくとも第2のプーリ120を覆うように冷却槽140を構成することにより、より確実に冷熱と室温との温度差から運動エネルギを発生させることが可能となる。
B.第2実施形態:
図2は、第2実施形態における形状記憶合金エンジン100aの構成を示す模式図である。第2実施形態の形状記憶合金エンジン100aは、第1のプーリ110に向けて送風するファン150が設けられている点で、第1実施形態の形状記憶合金エンジン100と異なっている。他の点は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、ファン150を設けることにより、形状記憶合金ベルト130を介した熱伝導や冷却槽140上端での放熱等により第1のプーリ110が冷却されるのを抑制することが可能となる。そのため、第1のプーリ110の温度を形状記憶合金ベルト130の変態点(Af)以上に維持して、継続的に形状記憶合金エンジン100aを稼働させることがより容易となる。
C.変形例:
なお、本発明は上記実施形態や実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
上記各実施形態では、液化ガスLGを冷却槽140に貯留し、貯留した液化ガスLGに第2のプーリ120の一部分を浸漬しているが、液化ガスLGの量を適宜変更することも可能である。例えば、液化ガスを冷却槽140の上端まで充填するものとしても良く、液化ガスLGに第2のプーリ120を浸漬しないものとしても良い。
但し、以下の理由で、液化ガスLGに第2のプーリ120の少なくとも一部を浸漬するのが、より好ましい。一般に、冷却槽140内部においては、形状記憶合金ベルト130は、冷却槽140内部のガスへの放熱と、第2のプーリ120への熱伝導とにより冷却される。また、液化ガスLGに第2のプーリ120の少なくとも一部を浸漬することにより、第2のプーリ120の温度は、ほぼ液化ガスLGの温度に維持される。そのため、形状記憶合金ベルト130がより速やかに冷却され、第2のプーリ120に巻き込まれるまでの間に、より確実に形状記憶合金ベルト130をマルテンサイト相に相変態させることができる。従って、第2のプーリ120に巻き込まれる際に回復力や弾性力が逆回転方向に作用することをより確実に抑制できるので、形状記憶合金エンジン100の出力をより高くすることが容易となる。
C2.変形例2:
上記各実施形態では、第2のプーリ120と形状記憶合金ベルト130を冷却する冷却部を、冷却槽140に液化ガスを貯留することにより実現しているが、一般的には、冷却部は、その内部を冷却するように構成されていればよい。例えば、液化ガスLGに換えて外部で冷却された冷媒を冷却槽140に貯留するものとしても良く、冷却槽140自体を所定の温度以下に冷却するものとしても良い。後者の場合、液化ガスLGや冷媒を貯留する必要がなくなるため、冷却部の形状を槽形状でない形状(例えば、円筒形状)とすることができる。さらに、冷却のための冷熱としては、液化ガスLGの蒸発によって生じる冷熱に限らず、種々の冷熱を利用することも可能である。例えば、ヒートポンプ式温水器の吸熱部に生じる冷熱を使用することも可能である。但し、冷却槽140に液化ガスLGを貯留することにより、冷却部をより容易に実現することが可能となる。
C3.変形例3:
上記各実施形態では、形状記憶合金ベルト130を、NiおよびTiが化学量論的に1:1のNi−Ti合金をベースとし、NiおよびTiの一部をCoに置き換えたNi−Ti系形状記憶合金を用いて形成しているが、Coに換えて、鉄(Fe)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)等でNiおよびTiの一部を置き換えるものとしても良い。また、Co、Fe、Cr、Mnから選択された2種以上の元素で、NiおよびTiの一部を置き換えるものとしても良い。
また、上記各実施形態では、形状記憶合金ベルト130を形成するNi−Ti系形状記憶合金として、Ni−Ti合金のNiおよびTiの一部をCoに置き換えているが、NiあるいはTiの一部をCoに置き換えるものとしても良い。一般的には、NiおよびTiが化学量論的に1:1のNi−Ti合金において、NiおよびTiの少なくとも一方の一部を、Co、Fe、Cr、Mnからなる群から選択された少なくとも1種の元素に置き換えたNi−Ti系形状記憶合金により、形状記憶合金ベルト130を形成するものとしてもよい。
さらに、形状記憶合金ベルト130を、銅(Cu)−亜鉛(Zn)−アルミニウム(Al)系の形状記憶合金等のNi−Ti系形状記憶合金以外の形状記憶合金を用いて形成するものとしても良い。但し、形状記憶合金エンジン100の出力をより高くすることができる点で、回復力が大きいNi−Ti系形状記憶合金を用いるのが好ましい。
100,100a…形状記憶合金エンジン
110…第1のプーリ
120…第2のプーリ
112,122…軸心
130…形状記憶合金ベルト
140…冷却槽
150…ファン
LG…液化ガス
200…形状記憶合金エンジン
210,220…プーリ
212,222…軸心
230…ベルト
240…温水槽
HW…温水

Claims (10)

  1. 形状記憶合金エンジンであって、
    高温輪および低温輪と、
    前記高温輪および前記低温輪の双方に巻き掛けられた環状の形状記憶合金ベルトと、
    内部を冷却するように構成された冷却部と
    を備え、
    少なくとも前記低温輪を前記冷却部の内部に配置するとともに、前記高温輪を前記冷却部の外部に配置した
    形状記憶合金エンジン。
  2. 前記冷却部は、前記低温輪の外端から前記高温輪の内端までを覆うように構成されている、請求項1記載の形状記憶合金エンジン。
  3. 前記冷却部は、液化ガスを貯留可能に構成されており、前記液化ガスの蒸発により生じる冷熱により前記冷却部の内部を冷却する、請求項1または2記載の形状記憶合金エンジン。
  4. 前記低温輪の少なくとも一部は、前記冷却部に貯留された前記液化ガスに浸漬されている、請求項3記載の形状記憶合金エンジン。
  5. 前記形状記憶合金ベルトは、母相への変態点が5℃以下である形状記憶合金からなる、請求項3または4記載の形状記憶合金エンジン。
  6. 前記形状記憶合金ベルトは、Ni−Ti系形状記憶合金からなる、請求項1ないし5のいずれか記載の形状記憶合金エンジン。
  7. 前記形状記憶合金ベルトは、NiおよびTiが化学量論的に1:1のNi−Ti合金におけるNiおよびTiの少なくとも一方の一部を、Co、Fe、Cr、Mnからなる群から選択された少なくとも1種の元素に置き換えたNi−Ti系形状記憶合金からなる、請求項6記載の形状記憶合金エンジン。
  8. 前記形状記憶合金ベルトは、400〜500℃で形状記憶処理が行われたNi−Ti系形状記憶合金からなる、請求項6または7記載の形状記憶合金エンジン。
  9. 形状記憶合金エンジンであって、さらに、
    前記高温輪に送風するファンを備える、
    請求項1ないし8のいずれか記載の形状記憶合金エンジン。
  10. 前記高温輪の外径は、前記低温輪の外径よりも小さい、請求項1ないし9のいずれか記載の形状記憶合金エンジン。
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