JP2012224838A - 液体噴射用液体、液体噴射記録ヘッド及び液体噴射記録装置 - Google Patents

液体噴射用液体、液体噴射記録ヘッド及び液体噴射記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、噴射孔から飛翔し、記録紙などの被記録媒体上に着弾する液体噴射用液体であって、印刷プロセス中に不快な臭気を低減し、且つ環境温度に寄らずに安定して噴射孔から飛翔できる特徴を提供する。
【解決手段】 本発明は液体噴射用液体として、下記の構成を採用する。
12種類の有機溶剤から選ばれる少なくとも1種を含んでなる有機溶剤と、香料成分とを含み、10乃至40℃の範囲におけるせん断速度104-1のときの粘度が3乃至30mPa・sであることを特徴とする液体噴射用液体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、噴射孔から飛翔し、記録紙などの被記録媒体上に着弾する液体噴射用液体であって、印刷プロセス中に不快な臭気を低減し、且つ少なくとも環境温度が10乃至40℃の範囲において、安定して噴射孔から飛翔できる特徴を有する液体噴射用液体に関する。
近年のインクジェット記録方式などの液体噴射記録方式は、印刷版を用意する必要のある印刷方式と異なり、一台の機械で様々なパターンを印字できる事から、例えば梱包材やポスター、車体のラッピングなど幅広い分野での利用が可能なものである。
従来、液体噴射記録方式としてはコンティニュアスタイプとオンデマンドタイプの2つの方式に大別する事ができる。コンティニュアスタイプは、例えば、インクなどの液体噴射用液体を粒子状にして噴射し、帯電させた液体噴射用液体粒子の進行経路に電界を形成する事により、液体噴射用液体粒子を偏向させて対象物に記録する事ができるものなどが挙げられる。また、オンデマンドタイプは、例えば、インクジェットヘッドなどの液体噴射記録ヘッドのノズルなどの噴射孔から画像に応じて液体噴射用液体を吐出させて、紙、フィルム、メディアと呼ばれるような布帛等の被記録媒体に印字を行うものなどが挙げられる。
これらの液体噴射記録の長所としては、直接記録であるためにプロセスが簡単である事に加えて、インパクト方式ではないために無騒音である、カラー化が容易である、高速記録が可能である、普通紙が使用できるため低ランニングコストである、微小液体噴射用液滴を吐出させるために高解像度の記録が可能である等の優れた特徴が挙げられる(特許文献1)。
また、液体噴射用液体中に樹脂を添加する事により、液体噴射用液体溶剤の揮発に伴い樹脂皮膜で着色剤を覆う試み(特許文献2)や、光硬化樹脂を添加し印字後の光照射で液体噴射用液体の硬化を促進する試み(特許文献3)が試されるなど、耐候性、耐擦過性、耐溶剤性などの耐久性の向上に関する研究は鋭意行われている。
一方、特許文献2記載の技術による印刷物の耐久性の向上効果を得るためには、高分子量の樹脂を選択し、さらに高分子量の樹脂を溶解できる溶媒を選択する必要があり、それらの溶剤には独特な臭気を有しているものも多い。また、特許文献3記載の技術に使用される光硬化樹脂はモノマーで存在すると不快な臭気を感じるものが多く、液体噴射記録ヘッドに接続されている液体噴射用液体のタンクや液体噴射用液体が噴射孔から噴射される際に発生するミストから発せられる臭気によって気分が悪くなる場合があるため、作業者はマスクをするなどの対策が必要になっている。
そこで、液体噴射記録装置内にファンを取り付けて液体噴射用液体由来の臭気を外部へ排出、除去する方法(特許文献4)や、液体噴射用液体を被記録媒体上に着弾させて画像を形成した後に光硬化樹脂を添加した無色の塗布液を塗布して画像上に樹脂を硬化、成膜させることで臭気をマスキングする方法(特許文献5)が提案されている。また、装置側ではなく、被記録媒体として香料成分を付着させたメディアを使用することで液体噴射用液体由来の臭気を低減する方法(特許文献6)が開示されている。
一方で、液体噴射用液体自体に香料を添加させることによって、臭気の低減を図る方法(特許文献7、8)も提案されている。
特開平5−65443号公報 特開平5−295313号公報 特開平8−060054号公報 特開2010−273320号公報 特開2006−316115号公報 特開2010−221626号公報 特開昭59−12977号公報 特開2002−338863号公報
しかしながら、特許文献4に記載されている技術は、液体噴射記録ヘッド付近など臭気を発生する部分にファンを取り付けるためのスペースの増設など、装置自体の改良や大型化が必要になってしまうため、コスト面での課題は多い。また、特許文献5に記載されている技術では、画像上から発せられる臭気については低減できるが、液体噴射記録ヘッド付近のミストから発せられる臭気については除去が不可能であり、別途ファンなどの取り付けが必要になってしまう。特許文献6に記載されている技術は、被記録媒体に予め香料成分を塗布しておくなど、画像形成段階とは別に被記録媒体上に香料成分を塗布する工程が必要になったり、使用できる被記録媒体の種類が限られたりするなど、印刷プロセスの複雑化と用途の制限が課題となってしまう。
一方で、特許文献7と8に記載されている技術では、液体噴射用液体への香料成分の添加であるため、装置面の改良が必要なく、コスト面では優位な方法である。しかし、香料成分が添加された液体噴射用液体について具体的な物性や組成がほとんど記載されておらず、香料成分の添加による液体噴射用液体の物性や安定性への影響について未知な部分が多く、実施には更なる調査が必要となっている。
特に、低温環境下において特許文献7と8に記載されている液体噴射用液体を使用した場合には、液体噴射用液体の粘度が上昇して噴射孔から噴射されないとか、香料成分が分離してしまうなどの不具合を生じ易い。また、香料成分が分離した場合には、液体噴射用液体中で香料成分が油滴として存在しやすくなってしまい、擬視的にエマルション状態を形成して、液体噴射用液体の流動性が大きく変化してしまう。逆に、高温環境下では液体噴射用液体の粘度が低下しすぎてしまい、印刷中に飛沫が発生するなどの不具合も予想される。
具体的に、画像形成できる液体噴射用液体として香料成分の添加を検討する際には、液体噴射用液体の臭気が感じられない程度に香料成分を添加する必要があると共に、添加する香料成分と液体噴射用液体の内容物の相溶性も十分に検証して、液体噴射用液体として安定な状態を得なくてはならない。一般に香料成分はアルコールやエーテル、エステルを有するものが多く、これらと相溶性の無い溶剤を液体噴射用液体に使用すると香料成分の分離や内容物の凝集などを生じてしまう恐れがある。特に、保存性能を考慮すると、着色剤として顔料を使用する場合は、顔料分散剤と香料成分の相溶性も重要な調査対象になるし、定着樹脂を添加する場合についても香料成分に溶解する樹脂を選定することが望ましい。同時に、環境を選ばずに使用できる液体噴射用液体を得るには粘度の設定が重要になり、環境温度による粘度変化の小さい液体噴射用液体を調整することが望ましい。そのため、印刷プロセス中に不快な臭気を低減し、且つ環境温度に寄らずに液体噴射用液体を安定して噴射孔から飛翔できる液体噴射用液体を得るためには、香料成分を添加しても環境温度による分離などを生じず、且つ粘度変化が小さくなる組成設計を図る必要がある。
本発明は、上記課題を克服するためになされたものであり、印刷プロセス中に不快な臭気を低減し、且つ環境温度によらずに液体噴射用液体を安定して噴射孔から飛翔できる液体噴射用液体、液体噴射記録ヘッド及び液体噴射記録装置を提供する事を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の液体噴射用液体は以下の手段を採用している。
本発明は液体噴射用液体として、化学式1乃至化学式12から選ばれる少なくとも1種を含んでなる有機溶剤と、液体噴射用液体全量に対して0.1乃至30重両部の香料成分とを含み、10乃至40℃の範囲におけるせん断速度104-1のときの粘度が3乃至30mPa・sである、という構成を採用する。
Figure 2012224838
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Figure 2012224838
Figure 2012224838
Figure 2012224838
(R1=C1〜C20、R2,R3=C1〜C6、R4,R6=C1〜C4、R5=C1〜C5、n=0
〜5)
Figure 2012224838
Figure 2012224838
Figure 2012224838
(R7,R9=C1〜C4、R8=C2〜C3、n=0〜5)
Figure 2012224838
Figure 2012224838
Figure 2012224838
Figure 2012224838
(R10,R12=C1〜C8、R11=C1〜C2、R13,R14,R15=C1〜C4、n=0〜2)
この構成によれば、香料成分が添加されていることにより、液体噴射用液体のタンクや液体噴射記録ヘッド付近に舞うミストから揮発する有機溶剤と同時に添加されている香料成分も揮発するために、従来感じられていた液体噴射用液体由来の臭気を緩和することができる。また、その量としては、香料成分の添加量が液体噴射用液体全量に対して0.1乃至30重量部とすることで、印刷プロセス中に液体噴射用液体由来の臭気を紛らわせ、不快にならない程度の芳香作用を得ることができる。
なお、一般に香料成分はアルコールやエーテル、エステルを有するものが多く、前記有機溶剤として、香料の種類に合わせて化学式1乃至化学式12から選択することで、液体噴射用液体と香料成分との相溶性を改善して、経時的な香料成分の分離を抑制することができる。さらに、前記有機溶剤の炭化水素基Rの炭素数と繰り返し単位数nを指定のものとすることで、液体噴射用液体の粘度を吐出に適した値にすることができる。上記の炭化水素基Rの炭素数と繰り返し単位数nを逸脱すると、液体噴射用液体の粘度が高くなり、吐出できなくなってしまう可能性がある。
同時に、液体噴射用液体として使用するには、噴射口付近で付与される104-1のせん断速度における粘度管理を行う必要がある。そのため、液体噴射用液体粘度をせん断速度104-1において10乃至40℃の範囲のときの粘度が3乃至30mPa・sとなるように調整することで、10℃においても液体噴射用液体の流動性が十分に維持され、ヘッド内への液体噴射用液体の供給不足による印字不良を抑制することができ、尚且つ、40℃においても粘度低下に伴うミストや飛沫の増加を抑制し、画質の低下を抑制できるようになる。上記の粘度範囲を逸脱すると、高温環境下では液体噴射用液体の粘度が低下しすぎて印刷中に飛沫が発生したり、逆に低温環境下では粘度が上昇しすぎて液体噴射用液体を吐出できなくなってしまうなどの不具合も予想される。
また、液体噴射用液体に係る解決手段として、前記有機溶剤が、融点が−150乃至5℃であるエーテル類、アルコール類、エステル類から選ばれる1種、又は2種以上含んでなることを特徴とする、という構成を採用する。
この構成によれば、香料成分と混和性の高いエーテル類、エステル類、アルコール類が低温環境下において凝固したり、溶解性や混和性の低下を生じたりすることを抑制でき、低温環境においても香料成分が液体噴射用液体中から分離することを抑制できる。香料成分の分離が生じた場合、液体噴射用液体中で香料成分が油滴状に存在して系全体が擬視的にエマルション状態を形成することで、液体噴射用液体の流動特性が特異的に変化してしまい、吐出速度がばらついたり、追従不良によって液体噴射用液体が噴射口から噴射されなかったりする不具合が生じやすくなってしまう。
そのため、本発明に係わる液体噴射用液体に用いるエーテル類、エステル類、アルコール類は、少なくとも融点が5℃以下である必要がある。一方で、融点が低い分には低温環境下においても香料成分の分離は生じ難いが、このような有機溶剤は一般に沸点も低く、噴射孔において液体噴射用液体の乾燥が促進されて吐出不良を生じやすくなったり、液体噴射用液体としての引火点の低下や蒸気による中毒などの安全面での品質確保が困難に成ったりするため、本発明に使用する液体噴射用液体の融点の下限は−150℃とすることで、吐出性能を維持しつつ安全面に配慮した液体噴射用液体を得ることができる。ここでも、分子量が増大すると一般に融点が上昇することから、化学式1乃至化学式12記載の有機溶剤は構造中の鎖長(炭素数や繰り返し単位の回数)の制御が必要になるものである。
また、液体噴射用液体に係る解決手段として、前記有機溶剤が、2−ピロリドンと、3−メチル−2−オキサジノンの双方を含んでなることを特徴とする、という構成を採用する。
この構成によれば、例えば、ポリ塩化ビニルなどの非吸収体を被記録媒体として使用する際にも、メディアを侵すことによるメディアと着色剤や定着樹脂との密着性の向上による形成された画像の耐擦過性等の耐久性能を改善したり、レベリング作用によってドット径が広がることで、形成された画像の光沢を向上させたり、ドットとドットの間に液体噴射用液体が塗布されていない部分(白抜け部分)の発生を低減したりできる。
また、液体噴射用液体に係る解決手段として、可溶化剤を含み、前記香料成分が水媒体中に乳化分散してなることを特徴とする、という構成を採用する。
この構成によれば、液体噴射用液体の溶剤が水を主成分とする場合においても、油溶性である香料成分を分離することなく、安定して液体噴射用液体中に存在させることができる。従って、主溶剤が水である水性インクにおいても香料成分の添加が可能であり、印刷プロセスにおける液体噴射用液体由来の臭気の除去が可能になる。また、一般に親水性が大きく、油性成分を水媒体中に効率的に分散させてO/Wエマルションを形成させ、且つ、エマルション粒子が微細であるために、粒子が視認できず、擬視的に油性成分が水媒体と溶解、混和した状態を形成させる可溶化剤を使用することで、油である香料成分が、熱化学的に安定して水媒体中に分散できるものである。可溶化能力が低いものを使用すると、香料成分の分離や、組成物の白濁といった問題を生じてしまう。
また、前記可溶化剤が、中和剤、イオン化剤として、有機アミン化合物と、有機アミノ酸化合物を含むアルカリ成分によって、末端水素がアルカリ成分に置換されたイオン性界面活性剤である、という特徴を採用する。
この構成によれば、まず、非イオン性界面活性剤を使用した際に生じる高温域での分離現象(曇点)の発生を解消できる。従って、本発明にかかる組成物を被記録媒体上に塗布し、乾燥のために加温しても、被記録媒体上で香料成分が浮き出してしまい、画像のにじみを生じるなどの各種不具合を抑制できるものである。また、中和剤として、有機物を使用することによって、本発明にかかる組成物中に存在する金属イオンを減らすことができる。金属イオンが存在する場合、金属イオンが酸素の中継材料として触媒作用を示すことで、香料成分の酸化による香の変質を生じてしまう。従って、本発明では、金属イオンを減らすために、有機物による中和によって、イオン性界面活性剤を構成することで、香料成分の酸化を抑制することが可能になる。
また、前記イオン性界面活性剤が、親水基として、炭素数が1〜3のアルキレンオキサイドか、スチレンオキサイドの単一成分の繰り返し構造か、2成分以上を共重合してなるアルキレンオキサイド(AO)基を含み、且つ、該AO基が、イオン性界面活性剤の総分子量(Mw)に対して、30重量%〜80重量%である、という構成を採用する。すなわち、イオン性界面活性剤のAO基の占める割合が、下記の数式1の範囲内であることを特徴とする液体噴射用液体を提供する。
〔数式1〕 0.30≦(AO基の重量÷総分子量)≦0.80
この構成によれば、アルキル鎖と親水基となる末端のイオン化部分のみで構成されているイオン性界面活性剤と比較して、親水基が増えるため、より水媒体に混和しやすく、且つ、油である香料成分の可溶化力も向上するものである。また、AO基の炭素数が4を超えると、特にゴム部材の膨潤傾向が顕著になり、液体噴射装置の故障に起因する恐れが生じてくるため、AO基の炭素数は3以下が望ましい。また、可溶化力の調整として、AO基の繰り返し構造を、単一成分で構成しても良いし、2成分以上を共重合することは、当然可能である。さらに、AO基がイオン性界面活性剤の総分子量(Mw)に対して、30重量%未満である場合には、親水性が十分ではなく、香料成分を水媒体中に可溶化させることはできない。逆に、AO基がイオン性界面活性剤の総分子量(Mw)に対して、80重量%を超える場合には、逆に親油性が担保されずに、香料成分との相性が悪化して、混和しなくなってしまう。
また、前記イオン性界面活性剤が、リン酸誘導体、スルホン酸誘導体、カルボン酸誘導体、コハク酸誘導体、スルホコハク酸誘導体のいずれかである、という構成を採用する。
この構成によれば、汎用性の高い前記末端イオン化基の構造を採用することで、本発明にかかるイオン性界面活性剤として、より多くのものが採用できるようになり、材料の供給安定性や生産性、安全性の面からも、問題の少ない材料の選択が可能になる。特に、リン酸誘導体を導入されたものは、金属の防錆作用が報告されているため、本発明にかかる組成物が金属部品と接触する場合には、一定の防錆効果も期待できる。
また、前記イオン性界面活性剤と、前記香料成分の含有重量比が、下記の数式2の範囲内であることを特徴とする、という構成を採用する。
〔数式2〕 1:0.3≦香料成分:イオン性界面活性剤の含有量≦1:5
この構成によれば、香料成分を水媒体中に安定して可溶化せしめるものである。香料成分に対する界面活性剤の添加量が少ない場合は、可溶化能力が不足し、香料成分の分離や組成物の白濁が生じてしまう。逆に、界面活性剤が多すぎると、組成物の表面張力の低下や濡れ性が高まりすぎてしまい、液体噴射装置の噴射孔内で安定なメニスカスを形成できなかったり、ノズル面を汚した結果として、抜けや偏向が生じてしまう。
多価アルコールを含み、且つ、多価アルコールの含有量が、液体噴射用液体全量に対して、5〜50重両%である、という構成を採用する。
この構成によれば、香料成分と比較的分子構造が近く、且つ、水溶性材料である多価アルコールを使用することで、香料成分の水媒体への混和が促進されるものである。なお、多価アルコールが少ないと、香料成分の水媒体中への混和は促進されないし、逆に、多すぎても、安定性には問題は無いが、液体噴射用液体全量に対して多価アルコールの占める割合が増えれば増えるほど、当然、その他の材料を添加できなくなってくるため、組成物は、単に「香のする液体」となってしまい、定着性などの諸機能の不足を生じて、展開先の少ない組成物になってしまい、本発明にかかる組成物を汎用性の高いものにできない。従って、多価アルコールの含有量が、液体噴射用液体全量に対して、5〜50重両%とすることが望ましい。
ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノールアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテルのいずれかを含む、という構成を採用する。
これらは、ポリ塩化ビニールなどの樹脂の軟化剤としても知られており、本発明の組成物を樹脂上に塗布する際には、着色剤を樹脂中に埋め込む作用を発現するため、上記溶剤を使用することで本発明の組成物を使用できる被記録媒体の選択肢を広げることが可能になる。
また、本発明に係る液体噴射用液体を使用する液体噴射記録ヘッドは、圧電素子によって形成された隔壁が間隔をあけて並列に形成され隔壁のそれぞれの間にチャネルが形成されたアクチュエータープレートと、液体室が形成された液体室プレートと、被記録媒体に向けて液体噴射用液体を吐出するノズルが形成されたノズルプレートと、ノズルプレートを支持するためのノズルキャップとを有する事を特徴としている。
この構成によれば、液体噴射記録ヘッドを用いて本発明に係る液体噴射用液体を被記録媒体に噴射し、所望の印字及び記録等の作業を実施する事ができる。
また、本発明に係る液体噴射ヘッドを有する液体噴射記録装置は、被記録媒体を搬送する一対の搬送手段と、前記液体噴射ヘッドに液体噴射用液体を供給する液体供給手段と、前記液体噴射ヘッドを被記録媒体の搬送方向と略直交する方向に走査させる走査手段とを備える事を特徴としている。
この構成によれば、本発明に係る液体噴射ヘッドを液体噴射記録装置に搭載する事ができる。この構成を採用した事によって、液体噴射用液体を供給する手段を備え、被記録媒体に連続的に液体噴射用液体を噴射し、所望の印字及び記録等の作業を実施する事ができる。
香料成分の添加量を液体噴射用液体全量に対して、0.1乃至30重量部とする事で、印刷プロセスにおいて液体噴射用液体のタンクや液体噴射記録ヘッド付近に舞うミストから揮発する有機溶剤と同時に添加されている香料成分も揮発するために、従来感じられていた液体噴射用液体由来の臭気を緩和することができる。香料成分の添加量が0.1重量部よりも少ないと、香料成分よりも液体噴射用液体溶剤の揮発量の方が多くなり過ぎてしまい、液体噴射用液体由来の臭気を紛らわすことが困難になる。
逆に、香料成分の添加量が30重量部を超えると、印刷プロセスにおいて香料成分の揮発量が多くなり過ぎてしまい、今度は香料成分の香によって不快さを感じるようになる恐れがある。また、香料成分の添加量が多いと、液体噴射用液体中の添加剤との相溶性によっては、内容物の凝集や分離を生じやすくなるため、液体噴射用液体に使用できる材料の制約が大きくなってしまい、要求される性能を有する液体噴射用液体を設計し難くなる場合がある。
また、液体噴射用液体として使用するには、噴射口付近で付与される104-1のせん断速度における粘度管理を行う必要がある。また、環境温度による液体噴射用液体の流動性を把握することによって、各環境温度下における液体噴射装置の駆動条件を設定でき、環境温度に左右されずに安定して液体噴射用液体を噴射させることができるようになる。
そこで、液体噴射用液体粘度をせん断速度104-1において10乃至40℃の範囲のときの粘度が3乃至30mPa・sに調整することで、少なくとも10℃乃至40℃の環境下において十分に安定して、本発明に係わる液体噴射装置によって噴射孔から飛翔できる液体噴射用液体とすることができる。さらに、前記溶剤の炭化水素基Rの炭素数と繰り返し単位数nを指定のものとすることで、液体噴射用液体の粘度を吐出に適した値にすることができる。上記の炭素数Rと繰り返し単位数nを逸脱すると、液体噴射用液体の粘度が高くなり、吐出できなくなってしまう可能性がある。
さらに、本発明に係わる液体噴射用液体に融点が−150乃至5℃であるアルコール類、エーテル類、エステル類のいずれかである有機溶剤から1種以上を含有させることによって、水酸基やエーテル基、エステル基を有する香料成分と液体噴射用液体との相溶性を向上させて、特に低温環境下における香料成分や内容物の凝集や分離を抑制できる。
融点が5℃以下の前記有機溶剤を使用することによって、特に低温環境下においても溶解性を維持しやすく、香料成分の分離や、香料成分の分離に伴う液体噴射用液体中での香料成分の油滴としての存在を抑制し、擬視的なエマルション状態の形成を阻害でき、液体噴射用液体の流動特性の変化を大きく低減できる。
逆に融点が−150℃以上の前記有機溶剤を使用することで、噴射孔における液体噴射用液体の乾燥が遅延して吐出不良の発生を低減しつつ、液体噴射用液体としての引火点の低下、蒸気による中毒などの安全面での品質確保に配慮した液体噴射用液体を得ることができる。ここでも、分子量が増大すると一般に融点が上昇することから、化学式1乃至化学式12記載の溶剤は構造中の鎖長(炭素数や繰り返し単位の回数)の制御が必要になるものである。
また、前記有機溶剤に2−ピロリドンや3−メチル−2−オキサジノンを含有させることによって、特に非吸収体に対する液体噴射用液体の浸透性や濡れ性を向上させることができ、耐久性に優れた液体噴射用液体を調整することができる。
さらに、可溶化剤を含み、前記香料成分を水媒体中に乳化分散して存在させることによって、水性インクにおいても油溶性の香料成分の添加が可能になり、主溶剤の種類によらず、印刷プロセス中の液体噴射用液体由来の臭気の除去が可能になる。また、一般に親水性が大きく、油性成分を水媒体中に効率的に分散させてO/Wエマルションを形成させ、且つ、エマルション粒子が微細であるために、粒子が視認できず、擬視的に油性成分が水媒体と溶解、混和した状態を形成させる可溶化剤を使用することで、油である香料成分が、熱化学的に安定して水媒体中に分散できるものである。
また、前記可溶化剤が、中和剤、イオン化剤として、有機アミン化合物と、有機アミノ酸化合物からなる群より選択されるアルカリ成分によって、末端水素がアルカリ成分に置換されたイオン性界面活性剤であることによって、非イオン性界面活性剤を使用した際に生じる高温域での分離現象(曇点)の発生を解消できるし、香料成分の酸化を促進する金属イオンを本発明にかかる組成物から減らすこともできるため、より安定して香料成分を分散し、且つ、香料成分の変質も抑制できるものである。
また、前記イオン性界面活性剤が、親水基として、炭素数が1〜3のアルキレンオキサイドか、スチレンオキサイドの単一成分の繰り返し構造か、2成分以上を共重合してなるアルキレンオキサイド(AO)基を含み、且つ、該AO基が、イオン性界面活性剤の総分子量(Mw)に対して、30重量%〜80重量%であることによって、イオン性界面活性剤として、親水基が増えるため、より水媒体に混和しやすく、且つ、油である香料成分の可溶化力も向上するものである。また、AO基の炭素数を規定することで、特にゴム部材の膨潤傾向を抑制でき、液体噴射装置の故障を防止できる。また、可溶化力の調整として、AO基の繰り返し構造を、単一成分で構成しても良いし、2成分以上を共重合することは、当然可能である。さらに、AO基がイオン性界面活性剤の総分子量(Mw)に対して、30重量%〜80重量%とすることで、香料成分の水媒体への混和を促進し、安定した組成物とすることができる。
さらに、本発明にかかる組成物を安定して製造できるようにするために、界面活性剤として汎用性の高い、リン酸誘導体、スルホン酸誘導体、カルボン酸誘導体、コハク酸誘導体、スルホコハク酸誘導体であるイオン性界面活性剤を使用する。特に、リン酸誘導体は、金属の防錆効果も期待できるものである。
また、香料成分とイオン性界面活性剤の重量比を、数式1の範囲にする事によって、香料成分の水媒体中への混和を担保するものである。所望範囲を超えると、分離や白濁を生じやすい。
同時に、香料成分と分子構造が近く、且つ、水溶性である多価アルコールを使用することで、より一層、香料成分を水媒体中に混和させる作用を得られることになる。
一方で、本発明にかかる組成物を塗布できる被記録媒体を増やし、本発明にかかる組成物の汎用性を高めるために、PVCなどの樹脂を軟化させる作用を有するジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノールアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテルのいずれかを添加させることとする。
本発明の実施例の含有成分を示す図である。 本発明の比較例の含有成分を示す図である。 本発明の実施例と比較例の粘度を示す図である。 本発明の実施例と比較例の評価を示す図である。 本発明の液体噴射記録装置を示す斜視図である。
10℃、25℃、40℃におけるせん断速度104-1の粘度はAnton Paar社製レオメーターMCR−301を用いて測定した。
着色材としては、染料及び顔料のどちらか一方またはその双方を使用できる。染料としては、油性染料ならば何れも用いる事ができるが、その液体噴射用液体溶剤への溶解性を考慮した上で使用するものである。その一例を挙げる。
具体的には、ニグロシンベ−スEE、同EEL、同EX、同EXBP、同EB、オイルイエロー101、同107、オイルピンク312、オイルブラウンBB、同GR、オイルグリーンBG、オイルブルー613、同BOS オイルブラックHBB、同860、同BS、バリファストイエロー1101、同1105、同3108、同4120、バリファストオレンジ2210、同3209、同3210、バリファストレッド1306、同1308、同1355、同1360、同2303、同2320、同3304、同3306、同3320、バリファストピンク2310N、バリファストブラウン2402、同3405、バリファストグリーン1501、バリファストブルー1603、同1605、同1607、同1631、同2606、同2610、同2620、バリファストバイオレット1701、同1702、バリファストブラック1802、同1807、同3804、同3806,同3808、同3810、同3820、同3830、スピリットレッド102、オスピーイエローRY、ROB−B、MVB3、SPブルー105(以上、オリエント化学工業(株)製)、アイゼンスピロンイエロー3RH、同GRLHスペシャル、同C−2GH、同C−GNH、アイゼンスピロンオレンジ2RH、同GRHコンクスペシャル、アイゼンスピロンレッドGEH、同BEH、同GRLHスペシャル、同C−GH、同C−BH、アイゼンスピロンバイオレットRH、同C−RH、アイゼンスピロンブラウンBHコンク、同RH、アイゼンスピロンマホガニーRH、アイゼンスピロンブルーGNH、同2BNH、同C−RH、同BPNH、アイゼンスピロングリーンC−GH、同3GNHスペシャル、アイゼンスピロンブラックBNH、同MH、同RLH、同GMHスペシャル、同BHスペシャル、S.B.N.オレンジ703、S.B.N.バイオレット510、同521、S.P.T.オレンジ6、S.P.T.ブルー111、SOTピンク1、SOTブルー4、SOTブラック1、同6、同10、同12、13リキッド、アイゼンローダミンBベース、アイゼンメチルバイオレットベース、アイゼンビクトリアブルーBベース(以上、保土谷化学工業(株)製)、オイルイエローCH、オイルピンク330、オイルブルー8B、オイルブラックS、同FSスペシャルA、同2020、同109、同215、ALイエロー1106D、同3101、ALレッド2308、ネオスーパーイエローC−131、同C−132、同C−134、ネオスーパーオレンジC−233、ネオスーパーレッドC−431、ネオスーパーブルーC−555、ネオスーパーブラウンC−732、同C−733(以上、中央合成化学(株)製)、オレオゾールファストイエロー2G、同GCN、オレオゾールファストオレンジGL、オレオゾールファストレッドBL、同RL(以上、田岡化学工業(株)製)、サビニールイエロー2GLS、同RLS、同2RLS、サビニールオレンジRLS、サビニールファイアレッドGLS、サビニールレッド3BLS、サビニールピンク6BLS、サビニールブルーRN、同GLS、サビニールグリーン2GLS、サビニールブラウンGLS(以上、サンド社製、スイス国)、マゼンタSP247%、クリスタルバイオレット10B250%、マラカイトグリーンクリスタルコンク、ブリリアントグリーンクリスタルH90%、スピリットソルブルレッド64843(以上、ホリディ社製、英国)、ネプチューンレッドベース543、ネプチューンブルーベース634、ネプチューンバイオレットベース604、バソニールレッド540、バソニールバイオレット600(以上、BASF社製、独国)などが挙げられる。
顔料では、従来公知の顔料が使用でき、アゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、及び天然染料系顔料等の有機系顔料、黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料等が挙げられ、これらは単独あるいは混合して使用する事が出来る。
具体例を挙げると、TITONE SR−1、同650、同R62N、同R3L、同R7E(以上、堺化学工業(株)製)、クロノスKR−310、同KR−380、同480(以上、チタン工業(株)製)、タイピュアR−900、同R−602、同R−960、同R−931(以上、デュポン・ジャパン、リミテッド製)、TITANIXJR301、同JR805、同JR602、同JR701、同JR800(以上、テイカ(株)製)などの酸化チタン、Special Black 6、同S170、同S610、同5、同4、同4A、同550、同35、同250、同100、Printex 150T、同U、同V、同140U、同140V、同95、同90、同85、同80、同75、同55、同45、同P、同XE2,同L6、同L、同300、同30、同3、同35、同25、同200、同A、同G(以上、デグサ・ジャパン(株)製)、#2400、#2350、#2300、#2200B、#1000、#950、#900、#850、#MCF88、MA600、MA100、MA7、MA11,#50、#52、#45、#44、#40、#33,#32、#30、CF9、#20B、#4000B(以上、三菱化成工業(株)製)、MONARCH 1300、同1100、同1000、同900、同880、同800、同700、MOGUL L、REGAL 400R、同660R、同500R、同330R、同300R、同99R、ELFTEX 8、同12、BLACK PEARLS 2000(以上、米国、キャボットCo.LTD製)、RAVEN7000、同5750、同5250、同5000、同3500、同2000、同1500、同1255、同1250、同1200、同1170、同1060、同1040、同1035、同1020、同1000、同890H、同890、同850、同790、同780、同760、同500、同450、同430、同420、同410、同22,同16、同14、同825Oil Beads、同H20、同C、Conductex 975、同900,同SC(以上、コロンビヤン・カーボン日本(株)製)などのカーボンブラック、BS−605、同607(以上、東洋アルミ(株)製)、ブロンズパウダーP−555、同P−777(以上、中島金属箔工業(株)製)、ブロンズパウダー3L5、同3L7(以上、福田金属箔工業(株)製)などの金属粉顔料、また、黒色酸化鉄、低次性酸化チタン、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロムなどの無機顔料、ハンザエロー−10G、同5G、同3G、同4、同GR、同A、ベンジジンエロー、パーマネントエローNCG、タートラジンレーキ、キノリンエロー、スダーン1、パーマネントオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGN、パーマネントブラウンFG、パラブラウン、パーマネントレッド4R、ファイヤーレッド、ブリリアントカーミンBS、ピラゾンレッド、レーキレッドC、キナクリドンレッド、ブリリアントカーミン6B、ボルドー5B、チオインジゴレッド、ファストバイオレットB、ジオキサジンンバイオレット、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、インジゴ、アシッドグリーンレーキ、フタロシアニングリーンなどの有機顔料などが挙げられる。また、この他に硫化亜鉛、珪酸亜鉛、硫酸亜鉛カドミウム、硫化カルシウム、硫酸ストロンチウム、タングステン酸カルシウムなどの無機蛍光顔料が挙げられる。また、本発明に係る液体噴射用液体では、着色剤に顔料を用いる場合、分散剤を併用する事ができる。
本発明の液体噴射用液体の着色剤に顔料を用いる場合には顔料の分散性向上の為に、従来一般に用いられている高分子分散剤や、アニオン系もしくはノニオン系の界面活性剤などで一般に顔料の分散剤として用いられるものが使用できる。
一例として、高分子分散剤として、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステルを主成分とした共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸アルキルエステルを主成分とした共重合体などの油溶性高分子などが挙げられる。また、界面活性剤として、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。これら油溶性高分子及び界面活性剤は、その1種または2種以上を選択し、併用しても使用できる。その使用量は、少ない場合は添加する目的である分散効果が弱く、多い場合は液体噴射用液体中の各組成物の溶解バランスを崩してしまい各種不具合が発生する懸念があるため、液体噴射用液体全量に対して0.1重量%以上15重量%以下が好ましい。
更に、顔料を油溶性樹脂に分散した顔料チップを用いる事は、顔料液体噴射用液体製造上有利な事である。これは、油溶性樹脂に分散した顔料チップは、顔料表面に分散樹脂が直接固着、分散されているため、液体噴射用液体製造時に溶解作業の導入のみで、簡便に顔料の分散が実現されるためである。
具体的には、NC790ホワイト、L1/8レッドF3RK−70、同ブラックMA100、同イエローN1F、同オレンジ501、同ブラウン5R、同ブルーKLG、NCL1/8バイオレットPRL50(太平化学社(製))などが挙げられる。
溶剤又は分散媒として主に有機溶剤を使用するが、前記化合物を溶解し得るものであれば、特に限定されない。具体的には、アセトン、ジメチルケトン、ジフェニルケトンなどケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、モノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテートなどエーテル類、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなど脂環式化合物、トルエン、ベンゼンなどの芳香族化合物などが使用でき、またこれらは1種又は2種以上選択して併用できるものである。さらに、その使用量は、少ない場合は液体噴射用液体の内容物の溶解不足や分散不足により不溶・凝集物が発生し、多い場合は液体噴射用液体粘度が上昇して吐出が減少したり、液体噴射用液体保管時に前記化合物の加水分解や縮重合が生起したりするなど各種不具合が発生するため、液体噴射用液体全量に対して5重量%〜90重量%が好ましい。
水性の液体噴射用液体に適用する場合には、従来の水性インク組成物で使用される公知の染料又は顔料を前記着色剤として使用できる。染料としては、ジャパノールファストブラックDコンク(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォーターブラック100L(C.I.ダイレクトブラック19)、ウォーターブラックL−200(C.I.ダイレクトブラック19)、ダイレクトファストブラックB(C.I.ダイレクトブラック22)、ダイレクトファストブラックAB(C.I.ダイレクトブラック32)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.ダイレクトブラック38)、ダイレクトファストブラックコンク(C.I.ダイレクトブラック51)、カヤラススプラグレイVGN(C.I.ダイレクトブラック71)、カヤラスダイレクトブリリアントエローG(C.I.ダイレクトエロー4)、ダイレクトファストエロー5GL(C.I.ダイレクトエロー26)、アイゼンプリムラエローGCLH(C.I.ダイレクトエロー44)、ダイレクトファストエローR(C.I.ダイレクトエロー50)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカーレットGSX(C.I.ダイレクトレッド4)、ダイレクトファストスカーレット4BS(C.I.ダイレクトレッド23)、アイゼンダイレクトローデュリンBH(C.I.ダイレクトレッド31)、ダイレクトスカーレットB(C.I.ダイレクトレッド37)、カヤクダイレクトスカーレット3B(C.I.ダイレクトレッド39)、アイゼンプリムラピンク2BLH(C.I.ダイレクトレッド75)、スミライトレッドF3B(C.I.ダイレクトレッド80)、アイゼンプリムラレッド4BH(C.I.ダイレクトレッド81)、カヤラススプラルビンBL(C.I.ダイレクトレッド83)、カヤラスライトレッドF5G(C.I.ダイレクトレッド225)、カヤラスライトレッドF5B(C.I.ダイレクトレッド226)、カヤラスライトローズFR(C.I.ダイレクトレッド227)、ダイレクトスカイブルー6B(C.I.ダイレクトブルー1)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.ダイレクトブルー15)、スミライトスプラブルーBRRコンク(C.I.ダイレクトブルー71)、ダイボーゲンターコイズブルーS(C.I.ダイレクトブルー86)、ウォーターブルー#3(C.I.ダイレクトブルー86)、カヤラスターコイズブルーGL(C.I.ダイレクトブルー86)、カヤラススプラブルーFF2GL(C.I.ダイレクトブルー106)、カヤラススプラターコイズブルーFBL(C.I.ダイレクトブルー199)等の直接染料; アシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(C.I.アシッドブラック2)、スミノールミリングブラック8BX(C.I.アシッドブラック24)、カヤノールミリングブラックVLG(C.I.アシッドブラック26)、スミノールファストブラックBRコンク(C.I.アシッドブラック31)、ミツイナイロンブラックGL(C.I.アシッドブラック52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(C.I.アシッドブラック52)、スミランブラックWA(C.I.アシッドブラック52)、ラニルブラックBGエクストラコンク(C.I.アシッドブラック107)、カヤノールミリングブラックTLB(C.I.アシッドブラック109)、スミノールミリングブラックB(C.I.アシッドブラック109)、カヤノールミリングブラックTLR(C.I.アシッドブラック110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(C.I.アシッドブラック119)、ウォーターブラック187−L(C.I.アシッドブラック154)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(C.I.アシッドエロー7:1)、カヤシルエローGG(C.I.アシッドエロー17)、キシレンライトエロー2G140%(C.I.アシッドエロー17)、スミノールレベリングエローNR(C.I.アシッドエロー19)、ダイワタートラジン(C.I.アシッドエロー23)、カヤクタートラジン(C.I.アシッドエロー23)、スミノールファストエローR(C.I.アシッドエロー25)、ダイアシッドライトエロー2GP(C.I.アシッドエロー29)、スミノールミリングエローO(C.I.アシッドエロー38)、スミノールミリングエローMR(C.I.アシッドエロー42)、ウォーターエロー#6(C.I.アシッドエロー42)、カヤノールエローNFG(C.I.アシッドエロー49)、スミノールミリングエロー3G(C.I.アシッドエロー72)、スミノールファストエローG(C.I.アシッドエロー61)、スミノールミリングエローG(C.I.アシッドエロー78)、カヤノールエローN5G(C.I.アシッドエロー110)、スミノールミリングエロー4G200%(C.I.アシッドエロー141)、カヤノールエローNG(C.I.アシッドエロー135)、カヤノールミリングエロー5GW(C.I.アシッドエロー127)、カヤノールミリングエロー6GW(C.I.アシッドエロー142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(C.I.アシッドレッド9)、ソーラールビンエクストラ(C.I.アシッドレッド14)、ダイワニューコクシン(C.I.アシッドレッド18)、アイゼンボンソーRH(C.I.アシッドレッド26)、ダイワ赤色2号(C.I.アシッドレッド27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(C.I.アシッドレッド35)、カヤシルルビノール3GS(C.I.アシッドレッド37)、アイゼンエリスロシン(C.I.アシッドレッド51)、カヤクアシッドローダミンFB(C.I.アシッドレッド52)、スミノールレベリングルビノール3GP(C.I.アシッドレッド57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(C.I.アシッドレッド82)、アイゼンエオシンGH(C.I.アシッドレッド87)、ウォーターピンク#2(C.I.アシッドレッド92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(C.I.アシッドレッド92)、ローズベンガル(C.I.アシッドレッド94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(C.I.アシッドレッド111)、カヤノールミリングルビン3BW(C.I.アシッドレッド129)、スミノオールミリングブリリアントレッド3BNコンク(C.I.アシッドレッド131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(C.I.アシッドレッド138)、アイゼンオパールピンクBH(C.I.アシッドレッド186)、スミノールミリングブリリアントレッドBコンク(C.I.アシッドレッド249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(C.I.アシッドレッド254)、カヤクアシッドブリリドブリリアントレッドBL(C.I.アシッドレッド265)、カヤノールミリングレッドGW(C.I.アシッドレッド276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(C.I.アシッドバイオレット15)、ミツイアシッドバイオレットBN(C.I.アシッドバイオレット17)、スミトモパテントピュアブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー#106(C.I.アシッドブルー1)、パテントブルーAF(C.I.アシッドブルー7)、ウォーターブルー#9(C.I.アシッドブルー9)、ダイワ青色1号(C.I.アシッドブルー9)、スプラノールブルーB(C.I.アシッドブルー15)、オリエントソルブルブルーOBC(C.I.アシッドブルー22)、スミノールレベリングブルー4GL(C.I.アシッドブルー23)、ミツイナイロンファストブルーG(C.I.アシッドブルー25)、カヤシルブルーAGG(C.I.アシッドブルー40)、カヤシルブルーBR(C.I.アシッドブルー41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(C.I.アシッドブルー43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(C.I.アシッドブルー62)、ミツイナイロンファストスカイブルーB(C.I.アシッドブルー78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/c(C.I.アシッドブルー83)、サンドランシアニンN−6B350%(C.I.アシッドブルー90)、ウォーターブルー#115(C.I.アシッドブルー90)、オリエントソルブルブルーOBB(C.I.アシッドブルー93)、スミトモブリリアントブルー5G(C.I.アシッドブルー103)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(C.I.アシッドブルー112)、カヤノールミリングシアニン5R(C.I.アシッドブルー113)、アイゼンオパールブルー2GLH(C.I.アシッドブルー158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)、アシッドブリリアントミリンググリーンB(C.I.アシッドグリーン9)、ダイワグリーン#70(C.I.アシッドグリーン16)、カヤノールシアニングリーンG(C.I.アシッドグリーン25)、スミノールミリンググリーンG(C.I.アシッドグリーン27)等の酸性染料;アイゼンカチロンイエロー3GLH(C.I.ベーシックイエロー11)、アイゼンカチロンブリリアントイエロー5GLH(C.I.ベーシックイエロー13)、スミアクリルイエローE−3RD(C.I.ベーシックイエロー15)、マキシロンイエロー2RL(C.I.ベーシックイエロー19)、アストラゾンイエロー7GLL(C.I.ベーシックイエロー21)、カヤクリルゴールデンイエローGL−ED(C.I.ベーシックイエロー28)、アストラゾンイエロー5GL(C.I.ベーシックイエロー51)、アイゼンカチロンオレンジGLH(C.I.ベーシックオレンジ21)、アイゼンカチロンブラウン3GLH(C.I.ベーシックオレンジ30)、ローダミン6GCP(C.I.ベーシックレッド1)、アイゼンアストラフロキシン(C.I.ベーシックレッド12)、スミアクリルブリリアントレッドE−2B(C.I.ベーシックレッド15)、アストラゾンレッドGTL(C.I.ベーシックレッド18)、アイゼンカチロンブリリアントピンクBGH(C.I.ベーシックレッド27)、マキシロンレッドGRL(C.I.ベーシックレッド46)、アイゼンメチルバイオレット(C.I.ベーシックバイオレット1)、アイゼンクリスタルバイオレット(C.I.ベーシックバイオレット3)、アイゼンローダミンB(C.I.ベーシックバイオレット10)、アストラゾンブルーG(C.I.ベーシックブルー1)、アストラゾンブルーBG(C.I.ベーシックブルー3)、メチレンブルー(C.I.ベーシックブルー9)、マキシロンブルーGRL(C.I.ベーシックブルー41)、アイゼンカチロンブルーBRLH(C.I.ベーシックブルー54)、アイゼンダイヤモンドグリーンGH(C.I.ベーシックグリーン1)、アイゼンマラカイトグリーン(C.I.ベーシックグリーン4)、ビスマルクブラウンG(C.I.ベーシックブラウン1)等の塩基性染料が例示できる。
顔料としては、アゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、天然染料系顔料等の有機系顔料;黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機系顔料が例示でき、例えば、アニリンブラック(C.I.50440)、シアニンブラック、ナフトールエローS(C.I.10316)、ハンザエロー10G(C.I.11710)、ハンザエロー5G(C.I.11660)、ハンザエロー3G(C.I.11670)、ハンザエローG(C.I.11680)、ハンザエローGR(C.I.11730)、ハンザエローA(C.I.11735)、ハンザエローRN(C.I.11740)、ハンザエローR(C.I.12710)、ピグメントエローL(C.I.12720)、ベンジジンエロー(C.I.21090)、ベンジジンエローG(C.I.21095)、ベンジジンエローGR(C.I.21100)、パーマネントエローNCG(C.I.20040)、バルカンファストエロー5G(C.I.21220)、バルカンファストエローR(C.I.21135)、タートラジンレーキ(C.I.19140)、キノリンエローレーキ(C.I.47005)、アンスラゲンエロー6GL(C.I.60520)、パーマネントエローFGL、パーマネントエローH10G、パーマネントエローHR、アンスラピリミジンエロー(C.I.68420)、スダーンI(C.I.12055)、パーマネントオレンジ(C.I.12075)、リソールファストオレンジ(C.I.12125)、パーマネントオレンジGTR(C.I.12305)、ハンザエロー3R(C.I.11725)、バルカンファストオレンジGG(C.I.21165)、ベンジジンオレンジG(C.I.21110)、ペルシアンオレンジ(C.I.15510)、インダンスレンブリリアントオレンジGK(C.I.59305)、インダンスレンブリリアントオレンジRK(C.I.59105)、インダンスレンブリリアントオレンジGR(C.I.71105)、パーマネントブラウンFG(C.I.12480)、パラブラウン(C.I.12071)、パーマネントレッド4R(C.I.12120)、パラレッド(C.I.12070)、ファイヤーレッド(C.I.12085)、パラクロルオルトアニリンレッド(C.I.12090)、リソールファストスカーレット、ブリリアントファストスカーレット(C.I.12315)、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッドF2R(C.I.12310)、パーマネントレッドF4R(C.I.12335)、パーマネントレッドFRL(C.I.12440)、パーマネントレッドFRLL(C.I.12460)、パーマネントレッドF4RH(C.I.12420)、ファストスカーレットVD、バルカンファストルビンB(C.I.12320)、バルカンファストピンクG(C.I.12330)、ライトファストレッドトーナーB(C.I.12450)、ライトファストレッドトーナーR(C.I.12455)、パーマネントカーミンFB(C.I.12490)、ピラゾロンレッド(C.I.12120)、リソールレッド(C.I.15630)、レーキレッドC(C.I.15585)、レーキレッドD(C.I.15500)、アンソシンB(C.I.18030)、ブリリアントスカーレットG(C.I.15800)、リソールルビンGK(C.I.15825)、パーマネントレッドF5R(C.I.15865)、ブリリアントカーミン6B(C.I.15850)、ピグメントスカーレット3B(C.I.16105)、ボルドー5B(C.I.12170)、トルイジンマルーン(C.I.12350)、パーマネントボルドーF2R(C.I.12385)、ヘリオボルドーBL(C.I.14830)、ボルドー10B(C.I.15880)、ボンマルーンライト(C.I.15825)、ボンマルーンメジウム(C.I.15880)、エオシンレーキ(C.I.45380)、ローダミンレーキB(C.I.45170)、ローダミンレーキY(C.I.45160)、アリザリンレーキ(C.I.58000)、チオインジゴレッドB(C.I.73300)、チオインジゴマルーン(C.I.73385)、パーマネントレッドFGR(C.I.12370)、PVカーミンHR、ワッチングレッド,モノライトファストレッドYS(C.I.59300)、パーマネントレッドBL、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ(C.I.42535)、ジオキサジンバイオレット、アルカリブルーレーキ(C.I.42750A、C.I.42770A)、ピーコックブルーレーキ(C.I.42090)、ピーコックブルーレーキ(C.I.42025)、ビクトリアブルーレーキ(C.I.44045)、フタロシアニンブルー(C.I.74160)、ファストスカイブルー(C.I.74180)、インダンスレンブルーRS(C.I.69800)、インダンスレンブルーBC(C.I.69825)、インジゴ(C.I.73000)、ピグメントグリーンB(C.I.10006)、ナフトールグリーンB(C.I.10020)、グリーンゴールド(C.I.12775)、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ(C.I.42000)、フタロシアニングリーン等が例示できる。
さらに、前記以外の加工顔料としては、Renol Yellow GG−HW30、Renol Yellow HR−HW30、Renol Orange RL−HW30、Renol Red HF2B−HW30、Renol Red FGR−HW30、Renol Red F5RK−HW30、Renol Carmine FBB−HW30、Renol Violet RL−HW30、Renol Blue B2G−HW30、Renol Blue CF−HW30、Renol GreenGG−HW30、Renol Brown HFR−HW30、Renol BlackR−HW30(以上、クラリアントジャパン株式会社製)、UTCO−001エロー、UTCO−012エロー、UTCO−021オレンジ、UTCO−031レッド、UTCO−032レッド、UTCO−042バイオレット、UTCO−051ブルー、UTCO−052ブルー、UTCO−061グリーン、UTCO−591ブラック、UTCO−592ブラック(以上、大日精化工業株式会社製)、MICROLITH Yellow 4G−A、MICROLITH Yellow MX−A、MICROLITH Yellow 2R−A、MICROLITH Brown5R−A、Scarlet R−A、Red2C−A、Red3R−A、Magenta2B−A、VioletB−A、Blue4G−A、GreenG−A(以上、チバスペシャリティケミカルズ株式会社製)等が例示できる。
また、本発明の液体噴射用液体には、化学式1乃至化学式12から選ばれる少なくとも1種を含む有機溶剤であることが望ましく、さらに前記有機溶剤の融点が−150乃至5℃であることがより望ましい。さらに、前述した有機溶剤は、アルコール類、エーテル類、エステル類のうちいずれか1種以上を含有していることが望ましい。これらの成分は、以下に示す具体例のうち、少なくとも1種類が本発明の液体噴射用液体に含有されていることが望ましい。また、これらの成分は、本発明の液体噴射用液体において溶媒として用いられる。また、前記有機溶剤(アルコール類、エーテル類、エステル類)は液体噴射用液体と香料成分との混和性の向上を目指すものであり、液体噴射用液体として所望の粘度範囲を逸脱しないものであれば、特に制限されるものではない。
具体的には、化学式1に該当するもの(アルコール類)としては、メタノール(融点−97℃)、エタノール(融点−114℃)、1‐プロパノール(融点−126.5℃)、2‐プロパノール(融点−89.5℃)、1‐ブタノール(融点−90℃)、2‐メチル‐1‐プロパノール(融点−108℃)、3‐メトキシブタノール(融点−85℃)、ベンジルアルコール(融点−15℃)、オレイルアルコール(融点−5乃至0℃)、オクチルドデカノール(融点−1乃至1℃)、2‐ヘキシル‐1‐デカノール(融点−21乃至−15℃)、化学式2に該当するものとしては、エチレングリコール(融点−13℃)、ジエチレングリコール(融点−10℃)、トリエチレングリコール(融点−7℃)、テトラエチレングリコール(融点−6℃)、プロピレングリコール(融点−59℃)、ヘキシレングリコール(融点−40乃至−50℃)、1,2‐ブタンジオール(融点‐50℃)、1,3‐ブタンジオール(融点−54℃)、化学式3に該当するものとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル(融点−85℃)、エチレングリコールモノエチルエーテル(融点−100℃)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(融点−60℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(融点−70℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(融点−84℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(融点−80℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(融点−76℃)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(融点−78℃)、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(融点−34℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(融点−95℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(融点−100℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(融点−80℃)、化学式4に該当するものとしては、チオジエチレングリコール(融点−16℃)、化学式5に該当するものとしては、テトラヒドロフルフリルアルコール(融点−80℃)が挙げられ、化学式6に該当するもの(エーテル類)としては、エチレングリコールジメチルエーテル(融点−69℃)、エチレングリコールジエチルエーテル(融点−58℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(融点−64℃)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(融点−72℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(融点−44℃)、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル(融点−64℃)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(融点−60℃)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(融点−45℃)、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル(融点−34℃)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(融点−27℃)、ポリエチレングリコールジメチルエーテル(融点−40℃)、プロピレングリコールジメチルエーテル(融点−72℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(融点−75℃)、トリプロピレングリコールジメチルエーテル(融点−70℃)、化学式7に該当するものとしては、1,3‐ジオキソラン(融点−95℃)、化学式8に該当するものとしては、トリアセチン(融点3℃)が挙げられ、化学式9に該当するもの(エステル類)としては、酢酸メチル(融点−98℃)、酢酸エチル(融点−84℃)、酢酸ノルマルプロピル(融点−92℃)、酢酸イソプロピル(融点−73℃)、酢酸ブチル(融点−74℃)、酢酸イソブチル(融点−99℃)、酢酸アミル(融点−100℃)、酢酸ヘキシル(融点−80℃)、酢酸オクチル(融点−39℃)、酢酸2-メトキシエチル(融点−65℃)、酢酸2−エトキシエチル(融点−61℃)、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(融点−65℃)、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(融点−63℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(融点−25℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(融点−25℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(融点−32℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(融点−87℃)、化学式10に該当するものとしては、乳酸メチル(融点−66℃)、乳酸エチル(融点−26℃)、乳酸プロピル(融点1℃)、乳酸ブチル(融点−28℃)、化学式11に該当するものとしては、炭酸ジメチル(融点2乃至4℃)、炭酸エチルメチル(融点−14.5℃)、炭酸ジエチル(融点−43℃)、化学式12に該当するものとしては、炭酸プロピレン(融点−49℃)が挙げられる。これらを1種単独で液体噴射用液体に添加しても良いし、2種以上を併用しても良い。
さらに、その使用量は少ない場合は、特に低温環境下における香料成分の分離を生じやすくなり、多い場合は相溶性から液体噴射用液体に添加する分散剤や定着樹脂の選択に制約が大きくなったり、液体噴射用液体の乾燥性が悪化して、形成された画像が印刷プロセス中に十分に乾燥しなかったりするなど各種不具合が生じるため、液体噴射用液体全量に対して5重量部乃至90重量部が望ましい。
さらに、本発明の液体噴射用液体には、香料成分が必須であり、その添加量は液体噴射用液体全量に対して0.1乃至30重量部であることが望ましい。0.1重量部より少ないと、印刷プロセス中に液体噴射用液体から発せられる臭気を紛らわすことができず、30重量部よりも多いと、印刷プロセスにおいて香料成分の揮発量が多くなり過ぎてしまい、今度は香料成分の香によって不快さを感じるようになったり、液体噴射用液体中の添加剤との相溶性によっては、内容物の凝集や分離を生じやすくなるため、液体噴射用液体に使用できる材料の制約が大きくなったりするなど各種不具合を生じやすくなってしまう。
前記香料成分としては液体噴射用液体溶剤か、前記有機溶剤(アルコール類、エーテル類、エステル類)のいずれか、又は全てと混和可能であれば、特に制限を受けるものではなく、具体的には、アンバーグリス(リュウゼン香)、ベンゾイン精油(安息香)、丁字精油、ベルガモット精油、ビターオレンジ精油、グレープフルーツ精油、カフィライム精油、レモン精油、ライム精油、マンダリン精油、ペティグレン精油、タンジェリン精油、ニガヨモギ精油、バジル精油、セージ精油、サイプレス精油、ファーニードル精油、ゼラニウム精油、ジュニパー精油、ラベンダー精油、レモングラス精油、マートル精油、パルマローズ精油、ローズマリー精油、ティーツリー精油、タイム精油、イランイラン精油、トロピカルフルーツ精油、アニスシード精油、ブラックペッパー精油、カルダモン精油、シナモン精油、クローヴ精油、コリアンダー精油、ジンジャー精油、ナツメグ精油、アトラスシダーウッド精油、ヒバ精油、ヒノキ精油、パチョリ精油、パインウッド精油、ローズウッド精油、サンダルウッド精油、スパイクナード精油、ベチバー精油、ウィンターグリーン精油、フランキンセンス精油、ミルラ精油、カモミール精油、セロリシード精油、ダヴァナ精油、ガルバナム精油、リツィアクベバ精油、タジェット精油、ピンクペッパー精油、サフラン精油、エレミ精油、ラブダナム精油、スティラックス精油、イモーテル精油、トンカビーン精油、ジンジャーリリー精油、ナグチャンパ精油、ネロリ精油、ローズオットー精油、アミリスウッド精油、バーチタール精油、ガイヤックウッド精油、アンブレットシード精油、ジャスミンアブソリュート、ミモザアブソリュート、バイオレットリーフアブソリュート、ビーワックスアブソリュート、カカオアブソリュート、ヘイアブソリュート、オークモスアブソリュート、タバコアブソリュート、バニラアブソリュート、フランジパニアブソリュート、ガーデニアアブソリュート、サンバックジャスミンアブソリュート、ジョンキルアブソリュート、ナルシスアブソリュート、オスマンサスアブソリュート、ローズアブソリュート、チュベローズアブソリュート、アイリスコンクリート等の天然香料などが挙げられ、これらは1種単独で液体噴射用液体に添加されても良いし、2種以上を併用しても良い。
また、ヘディオン、キャローン、セタロックス、ポリサントール、フィクサトゥール505、オーラタッチ、ムスクケトン、ムスセノンデルタ、ヘルベトリド、リーラル(以上、フェルメニッヒ社製)、カラナール、ケファリス、サンダロア(以上、ジボダン社製)、オッリニッフ、バグダノール(以上、IFF社製)、ガラクソリド(インターナショナルフレーバーアンド フレグランシズ社製)、安息香酸、ケイ皮酸、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮アルコール、ヘリオトロピン、アルデヒドC‐8(オクタナール)、アルデヒドC‐10(デシルアルデヒド)、アルデヒドC‐11(ウンデカナール)、アルデヒドC‐12(ドデカナール)、ピーチアルデヒド(γ‐ウンデカラクトン)、ストロベリーアルデヒド(メチルフェニルグリシド酸エチル)、ココナッツアルデヒド(γ‐ノナラクトン)、アニスアルデヒド(4-メトキシベンズアルデヒド)、オーランチオール、ベンズアルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルブチラーテ、シス‐3‐ヘキサノール、シトラール(3,7‐ジメチルオクタ‐2,6‐ジエナール)、シトロネロール、クマリン、シクラメンアルデヒド(3‐(4‐イソプロピルフェニル)イソブチルアルデヒド)、ダマスコン、オイゲノール、ゲラニオール、ヘキシルシンナムアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、インドール、リナロール、リナリルアセテート、フェニルエチルアルコール、ラズベリーケトン(4‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐2‐ブタノン)、テルピネオール、イオノン、エチルマルトール、ヘリオナール、ホモフロノール、バニリン、イソ・イー・スーパー(1,2,3,4,5,6,7,8‐オクタヒドロ‐2,3,8,8‐テトラメチル‐2‐アセトナフトン)、カシュメラン(ジヒドロペンタメチルインダノン)、トナリド(6‐アセチル‐1,1,2,4,4,7‐ヘキサメチルテトラヒドロナフタレン)、ベルドラシン(1,3,5−ウンデカトリエン)、インドラローメ、フロロパール(2,4,6‐トリメチル‐4‐フェニル‐1,3‐ジオキサン)、イソカンフィルシクロヘキサノール、ジヒドロミルセノール、アミルシンナムアルデヒド、エチルバニリン、アセチルセドレン、サリチル酸メチル、ゲラノニトリル(3,7‐ジメチル‐2,6‐オクタジニトリル)の合成香料などが挙げられ、さらにこれらの異性体も含まれ、これらは1種単独で液体噴射用液体に添加されても良いし、2種以上を併用しても良い。
また、前記香料成分を水媒体中に乳化分散させるためには、従来公知である界面活性剤等が例示できる。具体的には、化学式13乃至化学式17から選ばれるいずれか一つの構造を持ち、末端の水素を有機アミンもしくは有機アミノ酸と置換したもののうち、AO基がイオン性界面活性剤の総分子量(Mw)に対して、30重量%〜80重量%であるものが挙げられる。
化学式13に該当するものとしては、フォスファノールRB―410、フォスファノールRS710(以上、東邦化学工業社製)、ポリオキシプロピレン(3)ラウリルリン酸塩(エタノールアミン塩)、ポリオキシプロピレン(3)ラウリルリン酸、ポリオキシエチレン(3)ラウリルリン酸、ポリオキシエチレン(20)ラウリルリン酸、ポリオキシエチレン(3)ラウリルリン酸塩(エタノールアミン塩)などが挙げられ、化学式14に該当するものとしては、ポリオキシエチレン(4)ラウリルスルホン酸塩(エタノールアミン塩)、リグニンスルホン酸などが挙げられ、化学式15に該当するものとしては、ポリオキシエチレン(4)ラウリルカルボン酸塩(エタノールアミン塩)、ノニルフェノキシカルボン酸などが挙げられ、化学式16に該当するものとしては、コハク酸ビスエトキシジグリコールなどが挙げられ、化学式17に該当するものとしては、ポリオキシエチレン(4)ラウリルスルホコハク酸塩(エタノールアミン塩)、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテルスルホン酸などが挙げられる。これらを1種単独で液体噴射用液体に添加しても良いし、2種以上を併用しても良い。
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なお、この記載におけるRの炭素数などについては、例えば化学式13ではR16:C12、R17:C2,n:3、化学式14ではR16:C12、R17:C2,n:4、化学式15ではR16:C12、R17:C2,n:4、化学式16ではR16:C2、R17:C2,n:2、化学式17ではR16:C12、R17:C2,n:6とする。
液体噴射用液体を製造する方法は、液体噴射用液体組成物の製造方法としては従来知られている種々の方法が採用できる。例えば、ボールミル、ビーズミル、ロールミル、ヘンシェルミキサー、プロペラ撹拌機、ホモジナイザー、ホモミキサー、ニーダー等の装置を使用して作る事が出来る。
さらに、撹拌終了後に濾過や遠心分離を行い粗大粒子や気体を除いても良い。粗大粒子や気体を取り除く事により、液体噴射用液体を使用する際に詰まり等の印刷不良や経時的な液体噴射用液体の変質を抑制しやすいためである。
一方で、製造時に加熱や冷却、加圧や減圧、不活性ガス置換をしても良い。製造時のこれらの作業によって、内容物の溶解や分散の促進効果や脱泡効果に加えて、酸化による内容物の変質を防ぐ事ができる。例えば、内容物の溶解や分散を促進するため、液体噴射用液体自体を加熱放置したり、過熱しながら撹拌や分散したりすれば、内容物の溶解や分散が短時間に行われるし、均一な溶解や分散が促進されるためである。
また、製造した液体噴射用液体を温度の低い状態(10乃至30℃)で保管する事は、インク組成物の経時性能を劣化させないためにも好ましい。製造後の液体噴射用液体を高温(例えば、50℃以上)にて保管すると、液体噴射用液体の粘度が低下して、内容物の沈降が生じやすくなったりするのを防ぐためである。
これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、組み合わせて使用しても良い。
定着性付与を目的として樹脂を本発明の液体射用液体に含有させる事も可能である。これらの樹脂は本発明のインク組成物に使用する有機溶剤に可溶なものであれば、特に種類を限定されるものではない。
具体的には、エポキシ樹脂、アクリル酸樹脂、メタクリル酸樹脂、エチレンイミン樹脂、ポリオキシエチレンアルキルエーテル樹脂、マレイン酸樹脂、マレイミド樹脂、ロジンエステルとその塩、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性グリセリンエステル、ロジン変性フェノールマレイン酸エステル、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、アルキルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾニトリル樹脂、テルペンジフェノール、テルペンフェノール共重合体、ケトン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルピロリドン、及びこれらの誘導体などが挙げられる。市販されているものとしては、テスラック2158−100(日立ポリマー(株)製)、フタルキッドDX615(50重量%キシレン溶液、日立化成(株)製)などのアルキド樹脂、アクリロイドB66、同B67(以上、英国、ロームアンドハース社製)、ジョンクリル690、同67、同678、同586、同61J、同60J、同HPD−96J、同7100、同711(以上、独国、BASF社製)などのアクリル樹脂、カリフレックスTR−1107(シェル化学(株)製)、タフプレンA、アサプレンT−431(以上、旭化学工業(株)製)などのスチレン系エラストマー、スミテートRB−11(住友化学工業(株)製)、エバフレックス150(三井ポリケミカル(株)製)などのエチレン・酢酸ビニル共重合体などを例示できる。
これらの樹脂は、添加量が少ないと印字物に十分な定着性の向上が発現されず、多過ぎても液体噴射用液体粘度の上昇を生じるため、添加量としては液体噴射用液体全量に対して1乃至20重量%が好ましい。
[実施例]
以下、本発明を実施例1乃至20により詳細に説明する。図1は、それぞれ実施例1乃至20ごとに、含有する材料名を示す。実施例1乃至20中の各成分を含有している箇所にのみ、図1において数字を記載している。図1において、−(ハイフン)で示す箇所は、その成分が含有されていないことを示す。実施例1乃至20中の数字は「重量部」を示す。
なお、図1における「式」という欄に、「1、2、3、・・・、12」と示す数字は、以下に示す化学式1乃至化学式12にそれぞれ対応し、実施例1乃至20は化学式1乃至化学式12から選ばれる少なくとも1種を含んでなる有機溶剤をそれぞれ含有していることを示している。
Figure 2012224838
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(R1=C1〜C20、R2,R3=C1〜C6、R4,R6=C1〜C4、R5=C1〜C5、n=0
〜5)
Figure 2012224838
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(R7,R9=C1〜C4、R8=C2〜C3、n=0〜5)
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(R10,R12=C1〜C8、R11=C1〜C2、R13,R14,R15=C1〜C4、n=0〜2)
また、本実施例における液体噴射用液体は、可溶化剤を含み、前記香料成分が水媒体中に乳化分散してなることを特徴とする。可溶化剤とは、ポリオキシプロピレン(3)ラウリルリン酸塩(エタノールアミン塩)、ポリオキシエチレン(3)ラウリルリン酸塩(エタノールアミン塩)、ポリオキシエチレン(2)ラウリルリン酸塩(エタノールアミン塩)、ポリオキシエチレン(4)ラウリルスルホン酸塩(エタノールアミン塩)、ポリオキシエチレン(4)ラウリルカルボン酸塩(エタノールアミン塩)、コハク酸ビスエトキシジグリコール、ポリオキシエチレン(4)ラウリルスルホコハク酸塩(エタノールアミン塩)、ポリオキシエチレン(25)ラウリルリン酸塩(エタノールアミン塩)およびポリオキシブチレン(20)アドリルリン酸塩(エタノールアミン塩)などである。なお、これらの可溶化剤は、イオン性界面活性剤でもある。
この構成によれば、液体噴射用液体の溶剤が水を主成分とする場合においても、油溶性である香料成分を分離することなく、安定して液体噴射用液体中に存在させることができる。従って、主溶剤が水である水性インクにおいても香料成分の添加が可能であり、印刷プロセスにおける液体噴射用液体由来の臭気の除去が可能になる。また、一般に親水性が大きく、油性成分を水媒体中に効率的に分散させてO/Wエマルションを形成させ、且つ、エマルション粒子が微細であるために、粒子が視認できず、擬視的に油性成分が水媒体と溶解、混和した状態を形成させる可溶化剤を使用することで、油である香料成分が、熱化学的に安定して水媒体中に分散できるものである。可溶化能力が低いものを使用すると、香料成分の分離や、組成物の白濁といった問題を生じてしまう。
また、前記可溶化剤が、中和剤、イオン化剤として、有機アミン化合物と、有機アミノ酸化合物からなる群より選択されるアルカリ成分によって、末端水素がアルカリ成分に置換されたイオン性界面活性剤である、という特徴を採用する。
この構成によれば、まず、非イオン性界面活性剤を使用した際に生じる高温域での分離現象(曇点)の発生を解消できる。従って、本発明にかかる組成物を被記録媒体上に塗布し、乾燥のために加温しても、被記録媒体上で香料成分が浮き出してしまい、画像のにじみを生じるなどの各種不具合を抑制できるものである。また、中和剤として、有機物を使用することによって、本発明にかかる組成物中に存在する金属イオンを減らすことができる。金属イオンが存在する場合、金属イオンが酸素の中継材料として触媒作用を示すことで、香料成分の酸化による香の変質を生じてしまう。従って、本発明では、金属イオンを減らすために、有機物による中和によって、イオン性界面活性剤を構成することで、香料成分の酸化を抑制することが可能になる。
また、前記イオン性界面活性剤が、親水基として、炭素数が1〜3のアルキレンオキサイドか、スチレンオキサイドの単一成分の繰り返し構造か、2成分以上を共重合してなるアルキレンオキサイド(AO)基を含み、且つ、該AO基が、イオン性界面活性剤の総分子量(Mw)に対して、30重量%〜80重量%である、という構成を採用する。すなわち、イオン性界面活性剤のAO基の占める割合が、下記の数式1の範囲内であることを特徴とする液体噴射用液体を提供する。
〔数式1〕 0.30≦(AO基の重量÷総分子量)≦0.80
この構成によれば、アルキル鎖と親水基となる末端のイオン化部分のみで構成されているイオン性界面活性剤と比較して、親水基が増えるため、より水媒体に混和しやすく、且つ、油である香料成分の可溶化力も向上するものである。また、AO基の炭素数が4を超えると、特にゴム部材の膨潤傾向が顕著になり、液体噴射装置の故障に起因する恐れが生じてくるため、AO基の炭素数は3以下が望ましい。また、可溶化力の調整として、AO基の繰り返し構造を、単一成分で構成しても良いし、2成分以上を共重合することは、当然可能である。さらに、AO基がイオン性界面活性剤の総分子量(Mw)に対して、30重量%未満である場合には、親水性が十分ではなく、香料成分を水媒体中に可溶化させることはできない。逆に、AO基がイオン性界面活性剤の総分子量(Mw)に対して、80重量%を超える場合には、逆に親油性が担保されずに、香料成分との相性が悪化して、混和しなくなってしまう。
また、前記イオン性界面活性剤が、リン酸誘導体、スルホン酸誘導体、カルボン酸誘導体、コハク酸誘導体、スルホコハク酸誘導体のいずれかである、という構成を採用する。
この構成によれば、汎用性の高い前記末端イオン化基の構造を採用することで、本発明にかかるイオン性界面活性剤として、より多くのものが採用できるようになり、材料の供給安定性や生産性、安全性の面からも、問題の少ない材料の選択が可能になる。特に、リン酸誘導体を導入されたものは、金属の防錆作用が報告されているため、本発明にかかる組成物が金属部品と接触する場合には、一定の防錆効果も期待できる。
また、前記イオン性界面活性剤と、前記香料成分の含有重量比が、下記の数式の範囲内であることを特徴とする、という構成を採用する。
〔数式2〕 1:0.3≦香料成分:イオン性界面活性剤の含有量≦1:5
この構成によれば、香料成分を水媒体中に安定して可溶化せしめるものである。香料成分に対する界面活性剤の添加量が少ない場合は、可溶化能力が不足し、香料成分の分離や組成物の白濁が生じてしまう。逆に、界面活性剤が多すぎると、組成物の表面張力の低下や濡れ性が高まりすぎてしまい、液体噴射装置の噴射孔内で安定なメニスカスを形成できなかったり、ノズル面を汚した結果として、抜けや偏向が生じてしまう。
多価アルコールを含み、且つ、多価アルコールの含有量が、液体噴射用液体全量に対して、5〜50重両%である、という構成を採用する。
この構成によれば、香料成分と比較的分子構造が近く、且つ、水溶性材料である多価アルコールを使用することで、香料成分の水媒体への混和が促進されるものである。なお、多価アルコールが少ないと、香料成分の水媒体中への混和は促進されないし、逆に、多すぎても、安定性には問題は無いが、液体噴射用液体全量に対して多価アルコールの占める割合が増えれば増えるほど、当然、その他の材料を添加できなくなってくるため、組成物は、単に「香のする液体」となってしまい、定着性などの諸機能の不足を生じて、展開先の少ない組成物になってしまい、本発明にかかる組成物を汎用性の高いものにできない。従って、多価アルコールの含有量が、液体噴射用液体全量に対して、5〜50重両%とすることが望ましい。
ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノールアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテルのいずれかを含む、という構成を採用する。
これらは、ポリ塩化ビニールなどの樹脂の軟化剤としても知られており、本発明の組成物を樹脂上に塗布する際には、着色剤を樹脂中に埋め込む作用を発現するため、上記溶剤を使用することで本発明の組成物を使用できる被記録媒体の選択肢を広げることが可能になる。
図2は、それぞれ比較例1乃至10ごとに、含有する材料名を示す。比較例中の数字は「重量部」を示す。含有していない成分の欄は「−」で示す。なお、図2における「式」という欄の記載は、上述した図1と同様である。
図3は、それぞれ実施例1乃至20および比較例1乃至10ごとに、各温度における粘度を示す。図4は、それぞれ実施例1乃至20および比較例1乃至10ごとに、各項目における評価を示す。
具体的な、液体の噴射環境は、実施例1乃至20、及び比較例1乃至10で得た液体噴射用液体を液体噴射記録装置(360dpi、駆動周波数8kHz、ノズル数508)でPVCフィルム上に一面に印字した。
(吐出安定性)
実施例1乃至20、及び比較例1乃至10の液体噴射用液体を液体噴射記録装置でベタ印字を行い、安定して2分間の連続印字ができるかどうかを確認した。
○:印字不良無く、連続印字できる
×:抜けや偏向などが発生し、連続印字を2分間行えない
(芳香の程度)
実施例1乃至20、及び比較例1乃至10の液体噴射用液体を液体噴射記録装置でベタ印字した際に感じられる香料成分の香の感じられ方について確認した。なお、前記試験を無作為に選択した10人の作業者に行わせて、液体噴射記録装置から感じられる臭気についてアンケートした。
○:50%以上が芳香を快く感じる
△:50%以上が芳香を強く感じる(不快に感じる)
×:50%以上が芳香を感じない
(白抜け部分の有無)
実施例1乃至20、及び比較例1乃至10の液体噴射用液体を液体噴射記録装置でベタ印字した形成した印字物に白抜け部分があるかどうかと、光沢具合を目視にて確認した。
○:白抜け無し、光沢有り
△:白抜けは無いが、光沢が無い
×:白抜け有り
(ゴム部材の膨潤)
実施例1乃至20、及び比較例1乃至10の液体噴射用液体中に10mm×10mmの正方形に裁断したEPDMを浸漬して密封した後、45℃環境下に1ヶ月放置した後、寸法変化を比較した。
○:寸法変化が3%未満
×:寸法変化が3%以上
(香の変化)
実施例1乃至20、及び比較例1乃至10の液体噴射用液体を100ml容器に50ml封入し、45℃環境下に1週間放置した後に、容器内の香が試験前後で変化したかどうかをアンケートした。
○:50%以上が変化なしと回答
×:50%超が変化ありと回答
(可溶化性)
実施例1乃至20、及び比較例1乃至10の液体噴射用液体を作成した際に、分離や白濁の有無を比較した。
○:分離や白濁なし
×:分離や白濁あり
(60℃での香料の分離)
実施例1乃至20、及び比較例1乃至10の液体噴射用液体を液体噴射記録装置でベタ印字した形成した印字物を60℃に加温して乾燥させる際に、印字物表面に香料成分の浮きが生じるかどうかを確認した。
○:浮きなし
×:浮きあり
以上のとおり、本願発明における実施例1乃至20と比較例1乃至10を比較検討した。すなわち、本願発明の実施形態における液体噴射用液体は、有機溶剤と、香料成分とを含み、10乃至40℃の範囲におけるせん断速度104-1のときの粘度が3乃至30mPa・sであることを特徴としている。図4の「可溶化性」、「60℃での香料の分離」項目より、組成物の安定性に問題はない。また、「香の変化」項目より、香の持続性についても問題は無い。
比較例1は、化学式1乃至化学式12から選ばれる有機溶剤の融点が−150乃至5℃の範囲を逸脱しており、比較例2は、10乃至40℃の範囲におけるせん断速度104-1のときの粘度が3乃至30mPa・sではないため、吐出安定性に問題が生じた。比較例3は、含有されている有機溶剤が化学式1に示す炭素数の範囲から逸脱していたため、香料の分離が発生した。比較例4は、香料成分が液体噴射用液体全量に対して、30重量部よりも多量であるため、芳香が強すぎて不快に感じられた。さらに、比較例5は、香料成分が液体噴射用液体全量に対して、0.1重量部よりも少量であるため、芳香が感じられなかった。また、比較例6は、界面活性剤の量が少ないため、図4の「可溶化性」項目より香料成分を可溶化できていないし、対イオンがナトリウムイオンであるため、図4の「香の変化」項目より組成物を室温に1週間放置すると香が変化している。また、比較例7と8は、それぞれ、界面活性剤のAO基とMwの比が所望範囲外であり、図4の「可溶化性」項目より香料成分の効果的な可溶化作用は得られていない。さらに、比較例9は、AO基の炭素数が長く、図4の「ゴム材料の膨潤」項目より膨潤傾向が見られるし、アルキル基の炭素数が長いため、溶解性が悪く、図4の「可溶化性」項目より白濁して見えている。比較例10は、ノニオン性界面活性剤であり、組成物を加温すると曇点が生じて、図4の「60℃での香料の分離」項目より香料の分離が生じているため、被記録媒体の乾燥温度を上昇できず、乾燥の遅延による印刷効率の低下が大きい。
以下、本発明の液体噴射用液体を使用する液体噴射ヘッド、および液体噴射ヘッドを搭載した液体噴射記録装置について図5を参照して説明する。
図5は、本実施形態の液体噴射記録装置の概略構成を示す斜視図である。図5に示すように、液体噴射記録装置1は、紙等の被記録媒体sを搬送する一対の搬送手段2、3と、被記録媒体sに液体を噴射するとともに、圧電素子によって形成されたアクチュエータープレートと、アクチュエータープレートに液体を供給する液体室が形成された液体室プレートとを有する液体噴射ヘッド4と、液体噴射ヘッド4に液体を供給する液体供給手段5と、液体噴射ヘッド4を被記録媒体sの搬送方向(主走査方向)と略直交する方向(副走査方向)に走査させる走査手段6とを備えている。また図示していないが、液体噴射記録装置1は搬送手段2、3、液体噴射ヘッド4、液体供給手段5、及び走査手段6などに対して制御信号を送受信して制御する制御部を備えている。以下、副走査方向をX方向、主走査方向をY方向、そしてX方向およびY方向にともに直交する方向をZ方向として説明する。
一対の搬送手段2、3は、それぞれ副走査方向に延びて設けられたグリッドローラ20、30と、グリッドローラ20、30のそれぞれに平行に延びるピンチローラ21、31と、詳細は図示しないがグリッドローラ20、30を軸回りに回転動作させるモータ等の駆動機構とを備えている。
液体供給手段5は、液体噴射用液体が収容された液体収容体50と、液体収容体50と液体噴射ヘッド4とを接続する液体供給管51とを備えている。液体収容体50は、複数備えられており、具体的には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類の液体噴射用液体が収容された液体タンク50y、50m、50c、50bが並べて設けられている。液体タンク50y、50m、50c、50bのそれぞれには図示しないポンプモーターmが設けられており、液体を液体供給管を通じて液体噴射ヘッド4へ押圧移動できる。液体供給管51は、液体噴射ヘッド4(キャリッジユニット62)の動作に対応可能な可撓性を有するフレキシブルホースからなる。
走査手段6は、副走査方向(X方向)に延びて設けられた一対のガイドレール60、61と、一対のガイドレール60、61に沿って摺動可能なキャリッジユニット62と、キャリッジユニット62を副走査方向に移動させる駆動機構63と、を備えている。駆動機構63は、一対のガイドレール60、61の間に配置された一対のプーリ64、65と、一対のプーリ64、65間に巻回された無端ベルト66と、一方のプーリ64を回転駆動させる駆動モータ67とを備えている。
一対のプーリ64、65は、一対のガイドレール60、61の両端部間にそれぞれ配置されており、副走査方向に間隔をあけて配置されている。無端ベルト66は一対のガイドレール60、61間に配置されており、この無端ベルトにはキャリッジユニット62が連結されている。キャリッジユニット62の基端部62aには複数の液体噴射ヘッド4が搭載されており、具体的には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類の液体噴射用液体に個別に対応する液体噴射ヘッド4y、4m、4c、4bが副走査方向に並んで搭載されている。
液体噴射記録装置1のキャリッジユニット62には、液体噴射ヘッド4が、長手方向(Y方向)を主走査方向に一致させ、短手方向(X方向)を副走査方向に一致させて搭載されている。またキャリッジユニット62には、複数の液体噴射ヘッド4がX方向に並んで搭載されている。そして、被記録媒体sをY方向に搬送し、キャリッジユニット62をX方向に移動させつつ、液体噴射ヘッド4から液体噴射用液体を噴射することで、被記録媒体に記録を行うようになっている。
1 液体噴射記録装置
2 搬送手段
4 液体噴射ヘッド

Claims (17)

  1. 化学式1乃至化学式12から選ばれる少なくとも1種を含んでなる有機溶剤と、香料成分とを含み、10乃至40℃の範囲におけるせん断速度104-1のときの粘度が3乃至30mPa・sである液体噴射用液体。
    Figure 2012224838
    Figure 2012224838
    Figure 2012224838
    Figure 2012224838
    Figure 2012224838
    (R1=C1〜C20、R2,R3=C1〜C6、R4,R6=C1〜C4、R5=C1〜C5、n=0
    〜5)
    Figure 2012224838
    Figure 2012224838
    Figure 2012224838
    (R7,R9=C1〜C4、R8=C2〜C3、n=0〜5)
    Figure 2012224838
    Figure 2012224838
    Figure 2012224838
    Figure 2012224838
    (R10,R12=C1〜C8、R11=C1〜C2、R13,R14,R15=C1〜C4、n=0〜2)
  2. 前記有機溶剤が、融点が−150乃至5℃であるエーテル類、アルコール類、エステル類から選ばれる1種、又は2種以上含んでなることを特徴とする請求項1記載の液体噴射用液体。
  3. 前記有機溶剤が、2−ピロリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン(MOZ)の双方を含むことを特徴とする請求項1または2記載の液体噴射用液体。
  4. 前記香料成分が液体噴射用液体全量に対して、0.1乃至30重量部含まれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体噴射用液体。
  5. 前記香料成分が、水媒体中に乳化分散してなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液体噴射用液体。
  6. 可溶化剤を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体噴射用液体。
  7. 前記可溶化剤が、イオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項6に記載の液体噴射用液体。
  8. 前記イオン性界面活性剤の対イオンが、有機アミン化合物、または有機アミノ酸化合物を含むことを特徴とする請求項7に記載の液体噴射用液体。
  9. 前記イオン性界面活性剤が、リン酸誘導体、スルホン酸誘導体、カルボン酸誘導体、コハク酸誘導体、スルホコハク酸誘導体のいずれかであることを特徴とする請求項7または8に記載の液体噴射用液体。
  10. 前記イオン性界面活性剤が、疎水基としてアルキル基を有し、親水基としてアルキレンオキサイド(AO)基を有してなることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の液体噴射用液体。
  11. 前記AO基の占める割合が、下記の数式1の範囲内であることを特徴とする請求項10に記載の液体噴射用液体。
    〔数式1〕 0.30≦(AO基の重量÷総分子量)≦0.80
  12. 前記AO基の炭素数が1〜3のアルキレンオキサイドか、スチレンオキサイドの単一成分の繰り返し構造か、2成分以上を共重合してなることを特徴とする請求項10または11に記載の液体噴射用液体。
  13. 前記イオン性界面活性剤と、前記香料成分の含有重量比が、下記の数式2の範囲内であることを特徴とする請求項7乃至12のいずれか一項に記載の液体噴射用液体。
    〔数式2〕 1:0.3≦香料成分:イオン性界面活性剤の含有量≦1:5
  14. 多価アルコールを含み、且つ、多価アルコールの含有量が、液体噴射用液体全量に対して、5〜50重両部であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の液体噴射用液体。
  15. ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノールアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテルのいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の液体噴射用液体。
  16. 請求項1乃至15の何れか一項に記載の液体噴射用液体を使用する液体噴射記録ヘッドであって、圧電素子に電界を与えることよって駆動される吐出部と、前記吐出部に連通し被記録媒体に前記液体噴射用液体を吐出するノズルとを有することを特徴とする液体噴射記録ヘッド。
  17. 請求項16に記載の液体噴射ヘッドを有する液体噴射記録装置であって、被記録媒体を搬送する一対の搬送手段と、前記液体噴射ヘッドに液体噴射用液体を供給する液体供給手段と、前記液体噴射ヘッドを被記録媒体の搬送方向と略直交する方向に走査させる走査手段とを備える事を特徴とする液体噴射記録装置。
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JP2016124981A (ja) * 2014-12-27 2016-07-11 株式会社パイロットコーポレーション ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン

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