JP2012220338A - 形状測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】形状測定装置(100)は、被測定物にライン光を照射する光照射部(21)及びライン光の照射方向とは異なる方向から被測定物に照射されたライン光を検出する光検出部(22)を有するセンサー部(2)と、光検出部(22)からの検出結果に基づいて被測定物の形状を測定する形状測定部(53)と、センサー部(2)と被測定物とを相対移動させる駆動部(11)と、測定方向に相対移動する間に形状測定部(53)によって得られた複数回の測定の結果に基づいて、測定時のセンサー部(2)と被測定物との少なくとも一方の姿勢を制御する測定制御部(56)とを備える。
【選択図】図3
Description
しかしながら、このように測定範囲をティーチングさせて測定を行う場合、開始位置と終了位置との空間座標を直線的に移動することになる。また、複数点を用いたティーチングを行う場合でも、その教示点間は直線的に移動する。そのため、このような被測定物の形状を考慮せずに直線的な経路で測定を行った場合、被測定物に対するプローブ姿勢が不適切となり、正反射光による精度への悪影響や照明角度からデータが取得できない領域(オクルージョン)が発生して、高精度な形状測定が行えない場合がある。つまり、このような形状測定装置では、複雑な形状の被測定物に対して精度を高めて測定することが困難であった。
本実施形態に係る形状測定装置100は、被測定物3の3次元形状を検出する3次元形状計測装置(例えば、座標測定機(CMM:Coordinate Measuring Machine))である。つまり、形状測定装置100は、光切断法を用いることで、被測定物3の表面に一本のライン光(ライン状の測定光)からなるライン状投影パターンを投影し、ライン状投影パターンを被測定物3表面の全域を走査させる毎に投影方向と異なる角度から被測定物3に投影されたライン状投影パターンを撮像する。そして、この形状測定装置100は、撮像された被測定物3表面の撮像画像よりライン状投影パターンの長手方向の画素毎に三角測量の原理等を用いて被測定物3表面の基準平面からの高さを算出し、被測定物3表面の三次元形状を求める装置である。
図1において、形状測定装置100は、測定装置本体1及び制御装置4を備えている。
後述する制御装置4は、制御線を介して測定装置本体1に接続されており、測定装置本体1を制御する。
測定装置本体1は、回転機構13及びヘッド駆動部14を有する駆動部11(図3)と、位置検出部12(図3)と、ヘッド部17と、定盤18と、光切断プローブ2とを備えている。なお、ここでは、被測定物3は、一例として、球体を示しており、定盤18の上に配置されている。
ヘッド駆動部14(移動部)は、制御装置4から供給される駆動信号に基づいて、互いが直交するX軸、Y軸、Z軸の直交3軸の方向にヘッド部17を移動させる。ヘッド駆動部14は、X軸移動部141、Y軸移動部142、及びZ軸移動部143を備えている。ここで、XY平面とは、定盤18の上面と平行な面を規定するものである。すなわち、X軸方向とは、定盤18上における一方向を規定するものであり、Y軸方向とは、定盤18の上面においてX軸方向に直交する方向を規定するものであり、Z軸方向とは、定盤18の上面に直交する方向を規定するものである。
なお、ヘッド部17は、光切断プローブ2の上部に位置し、回転機構13を介して光切断プローブ2(センサー部)を支持している。すなわち、ヘッド駆動部14は、互いに直交する3次元座標系の座標軸方向それぞれに、光切断プローブ2を移動させる。
図2に示すように、回転機構13は、ヘッド部17と光切断プローブ2との間に配置され、ヘッド駆動部14に対して光切断プローブ2を回転可能に支持する。すなわち、回転機構13は、被測定物3の表面に対して光切断プローブ2を任意の角度に回転可能とする。
また、回転機構13は、A回転軸131、B回転軸132、及びC回転軸133を備えている。なお、回転機構13は、A回転軸131、B回転軸132、及びC回転軸133の各軸を回転させる駆動モータを備えており、制御装置4から供給される駆動信号に基づいて、光切断プローブ2を任意の角度に回転させる。
B回転軸132は、A回転軸131下部に取り付けられ、C回転軸133を含めて光切断プローブ2を上下方向に−90〜+90度の範囲で回転させる機構である。
C回転軸133は、B回転軸132に取り付けられ、光切断プローブ2を360度の範囲で回転させる機構である。
光照射部21は、図示しないシリンドリカルレンズや細い帯状の切り欠きを有したスリット板等から構成され、光源からの照明光を受けて扇状のライン光を生じさせるものである。光源としては、LEDやレーザー光源・SLD(Super Luminescent Diode)等を用いることができる。
また、光検出部22は、図示しない結像レンズやCCD等から構成され、後述のように駆動部11を駆動させてライン光が所定間隔走査される毎に被測定物3を撮像するようになっている。なお、光照射部21及び光検出部22の位置は、被測定物3の表面上のライン光の光検出部22に対する入射方向と、光照射部21の光照射方向とが、所定角度θをなすように規定されている。なお、本実施形態では、上記所定角度θが、例えば、45度に設定されている。
図3は、本実施形態による形状測定装置100の構成を示す概略ブロック図である。なお、この図において、図1及び図2と同じ構成には、同じ符号を附す。
また、上述したように、測定装置本体1は、駆動部11、位置検出部12、及び光切断プローブ2を備えている。
駆動部11は、回転機構13とヘッド駆動部14とを備え、制御装置4から供給される駆動信号に基づいて、光切断プローブ2の位置及び姿勢を変更させる。すなわち、駆動部11は、光切断プローブ2と被測定物3とを相対移動させる。
ヘッド位置検出部16は、ヘッド駆動部14のX軸、Y軸、及びZ軸方向の位置をそれぞれ検出するX軸用エンコーダ、Y軸用エンコーダ、及びZ軸用エンコーダを備える。ヘッド位置検出部16は、それらのエンコーダによってヘッド駆動部14の位置を検出し、ヘッド駆動部14の位置を示す信号を後述の座標検出部51に供給する。
光検出部22は、光照射部21からの照射光により被測定物3の表面に形成される光切断線を撮像する。ここで、光切断線は、被測定物3の断面形状に応じて形成される。そして、光検出部22は、被測定物3の表面に形成される陰影パターンを撮像し、撮像した画像情報を間隔調整部52に供給する。これにより、制御装置4は、形状測定データを取得する。
制御装置4は、演算処理部41と、入力装置42と、ジョイスティック43と、モニタ44とを備えている。
ジョイスティック43は、ユーザの操作を受けて、その操作に応じて駆動部11を駆動させる制御信号を生成して駆動制御部54に供給する。このように、ジョイスティック43は、光切断プローブ2を配置させる状態を示す情報を検出し、検出した情報に基づいて光切断プローブ2を配置させる制御指令情報として、入力することができる。
モニタ44は、データ出力部57から供給された測定データ(全測定ポイントの座標値)等を受け取る。モニタ44は、受け取った測定データ(全測定ポイントの座標値)等を表示する。また、モニタ44は、計測画面、指示画面等を表示する。
つまり、座標検出部51は、ヘッド位置検出部16から出力される直交3軸の座標信号によって、光切断プローブ2の位置、すなわち水平方向における観察位置(光軸中心位置)と上下方向における観察位置とを検知する。また、座標検出部51は、回転位置検出部15から出力される回転位置を示す信号によって、光切断プローブ2の姿勢を検知する。
また、座標検出部51は、光切断プローブ2の6軸の座標情報に基づいて、光切断プローブ2の移動経路、移動速度などを検出する。
座標算出部53(形状測定部)は、間隔調整部52から供給されたフレームが間引かれた画像情報を受け取る。座標算出部53は、座標検出部51から供給された光切断プローブ2の6軸の座標情報を受け取る。座標算出部53は、間隔調整部352から供給された画像情報と、座標検出部51から供給されたと6軸の座標情報とに基づき、各測定ポイントの座標値(三次元座標値)の点群データを算出する。すなわち、座標算出部53は、光検出部22からの検出結果(フレームが間引かれた画像情報)に基づいて被測定物3の形状を検出(測定)する
ここで、光照射部21は、光切断プローブ2に固定されているので、光照射部21の照射角度は、光切断プローブ2に対して固定である。また、光検出部22も光切断プローブ2に固定されているので、光検出部22の撮像角度は、光切断プローブ2に対して固定である。
これによって、被測定物3に照射されるスリット光を所定の方向に走査させることにより、光が照射された位置の座標を算出することができる。つまり、被測定物3の表面形状を求めることができる。座標算出部53は、被測定物3の形状をライン光に基づいて検出された点群の位置情報である点群データとして検出する。
また、座標算出部53は、算出した三次元座標値の点群データを記憶部55に記憶させる。
また、記憶部55は、座標算出部53から供給された三次元座標値の点群データを測定データとして記憶する。また、記憶部55は、座標検出部51から供給された各測定ポイントの座標値データ(6軸の座標情報)を経路情報として記憶する。また、記憶部55は、設計データ(CADデータ)を記憶する。
形状記憶部551は、上述した座標算出部53から供給された三次元座標値の点群データを測定データとして記憶する。つまり、形状記憶部551は、後述する測定制御部56によって制御された相対位置に対応させて座標算出部53が検出した検出値(形状)である点群データを記憶する。ここで、相対位置とは、光切断プローブ2の測定位置及び姿勢(向き)のことであり、光切断プローブ2と被測定物3との相対的な位置を示し、被測定物3が固定されている場合には、光切断プローブ2の測定位置を示す。
経路記憶部552は、変更させた上述の相対位置(各測定ポイント)に対応する光切断プローブ2の座標値データ(6軸の座標情報)を相対位置の経路情報として記憶する。
また、駆動制御部54は、ジョイスティック43からの操作信号に基づいて、登録位置として設定された駆動部11の位置情報(被測定物3の測定開始点、等)を記憶部55に記憶させる。つまり、駆動制御部54は、駆動部11に支持されている光切断プローブ2の位置を間接的に取得することができる。
すなわち、測定制御部56は、座標算出部53によって算出(検出)された検出値(三次元座標値の点群データ)に基づいて、次にライン光を検出する位置になるように光切断プローブ2と被測定物3との相対位置を制御する。つまり、測定制御部56は、検出値(三次元座標値の点群データ)に基づいて、光検出部22によってライン光を検出可能な範囲内に収まるように、光切断プローブ2と被測定物3との距離を制御する。すなわち、測定制御部56は、三次元座標値の点群データに基づいて、光切断プローブ2と被測定物3との測定可能距離を示すワーキングディスタンスを制御する。
また、測定制御部56は、座標算出部53によって点群データを繰り返し検出させる際に、変更させた相対位置に対応する光切断プローブ2の座標値データ(6軸の座標情報)を経路記憶部552に記憶させる。測定制御部56は、再び同じ被測定物3の形状を検出させる場合に、経路記憶部552から読み出した相対位置の経路に基づいて、光切断プローブ2の6軸の座標情報を変更させて、座標算出部53に点群データを繰り返し検出させる。
図4は、本実施形態形における形状測定装置100の測定手順を示す図である。
この図において、まず、測定オブジェクトである被測定物3が、ユーザによって測定台に設置される(ステップS101)。つまり、被測定物3は、形状測定装置100の定盤18上における稼動範囲の測定有効空間に設置される。
なお、光切断プローブ2は、形状測定装置100に取り付け前に単体校正が実施され、ライン光が計測カメラの中心位置にある場合が、ワーキングディスタンスの中心となるように予め校正されている。
ここで、駆動制御部54は、移動ツマミ又はジョイスティック43からの操作信号に基づいて、回転機構13のC回転軸133を回転させるとともに、登録位置として設定された測定開始位置での測定目標方向を記憶部55に記憶させる。
この場合、形状測定装置100では、例えば、mm(ミリメートル)単位によって、被測定物3の測定開始位置から測定を行う距離が指定される。また、その距離の指定においては、頻繁に利用する距離を予めメニュー化しておいて、そのメニューの内から指定する方式でもよい。
また、この測定終了条件が指定された場合に、測定制御部56は、光切断プローブ2の位置が被測定物3の測定開始位置から上述の指定された距離以上離れた位置になった場合に被測定物3の形状の検出を終了させる。
この測定終了条件が指定された場合、座標算出部53によって検出された点群データが、既に取得済みのデータと一致(同一位置点群)、又は近距離で重なる場合に、形状測定装置100は、測定を終了する。すなわち、測定制御部56は、上述の相対位置を変更させて、座標算出部53に点群データを繰り返し検出させ、新しく検出された点群データ(点群の位置情報)が、既に検出された点群データの値を含む予め定められた範囲内である場合に、被測定物3の形状の検出を終了させる。例えば、球面を連続的に測定(スキャン)し、360度測定の結果、近距離の点群が重なる場合に、測定制御部56は、被測定物3の形状の検出を終了させる。
この測定終了条件が指定された場合、形状測定装置100は、後述する法線ベクトルの向きが予め定められた範囲内にあるかをモニタし、法線ベクトルの向きがこの範囲から外れた場合に測定を終了する。つまり、測定制御部56は、法線ベクトルの向きが予め定められた範囲内にあるかをモニタし、後述する法線ベクトルの向きが、予め定められた範囲外である場合に、被測定物3の形状の検出を終了させる。
この測定終了条件が指定され、形状測定装置100は、例えば、1024を最大とする画像取得毎の点群数が、規定値を下回った場合に、測定を終了する。つまり、測定制御部56は、上述の相対位置を変更させて座標算出部53に1回に検出させた点群の数が、予め定められた値以下である場合に、被測定物3の形状の検出を終了させる。
この測定終了条件が指定され、形状測定装置100は、測定開始から取得された点群データの総数が上限値を越えた場合に、測定を終了する。つまり、測定制御部56は、上述の相対位置を変更させて座標算出部53に検出させた点群の数をカウントして、カウントした点群データの総数が、予め定められた上限値を越えたら場合に、被測定物3の形状の検出を終了させる。
この測定終了条件が指定された場合、形状測定装置100は、後述するワールド座標の指定された範囲内に到達した場合に、測定を終了する。つまり、測定制御部56は、上述の相対位置を変更させて座標算出部53に検出させた点群データが、ワールド座標の指定された範囲内に到達した場合に、被測定物3の形状の検出を終了させる。
このように、形状測定装置100では、以上の(1)から(6)の測定終了条件を単体、及び組み合わせ条件として指定する。
なお、光検出部22によって光切断プローブ2の画像を取得されるのと同期して、座標検出部51は、位置検出部12が検出した移動後の(現在の)6軸の座標情報をラッチし、座標算出部53に供給する。また、光検出部22によって取得された画像は、間隔調整部52を介して座標算出部53に供給される。
なお、座標算出部53は、点群データを生成する際に、後述するプローブ座標から後述するワールド座標に変換する。以下、座標算出部53が、プローブ座標からワールド座標に変換して、点群データを生成する一例を説明する。
まず、本実施形態におけるプローブ座標系について説明する。
図5は、本実施形態形におけるプローブ座標系を示すベクトル関連図である。
この図において、プローブ座標系は、光切断プローブ2単体において、照明光軸L1と撮像光軸L2が交わる点を原点とし、光照射部21の方向をZ軸のプラス方向、Z軸と直交する紙面右に向かう方向をX軸のプラス方向、紙面奥に向かう方向をY軸のプラス方向として示される。本実施形態では、例えば、光検出部22は、1024×1024 画素のCCDカメラを使用し、光切断線の長手方向を垂直方向として撮像する。そのため、座標算出部53は、最大輝度位置の検出を水平方向に行うことにより、最大1024個のピーク位置を検出することが可能である。
なお、本実施形態において、光切断プローブ2単体校正が完了しているものとし、補正演算内容の詳細に関しては、説明を省略する。
次に、本実施形態におけるプローブ座標系について説明する。
ワールド座標系は、例えば、図1に示された形状測定装置100の定盤18上における左手前を原点としてX軸、Y軸、及びZ軸方向での測定空間内の3次元位置を示す座標系である。なお、座標算出部53は、点群データをこのワールド座標系の位置情報(座標情報)として生成する。
次に、座標算出部53における、プローブ座標からワールド座標に変換して、点群データを生成する処理について説明する。座標算出部53は、プローブ座標系として生成された点群座標に6軸の座標情報を加味した演算を行い、ワールド座標系に変換する。
ここで、プローブ座標系によって示される点の3次元座標を式(1)として示す。
この図において、A回転軸131及びB回転軸132の回転中心をポイントP1とし、C回転軸133の回転中心(プローブ座標原点でもある)をポイントP2として示す。また、光切断プローブ2によって画像が取得される際のA回転軸131の角度を角度aとし、B回転軸132の角度を角度bとし、C回転軸133の角度を角度cとして示す。
ここで、A回転軸131、B回転軸132、及びC回転軸133の各回転軸に対応する回転行列をそれぞれMa、Mb、及びMcとすると、ワールド座標への変換は、式(2)として示される。
また、Lは、(a=b=0)である場合のA回転軸131及びA回転軸132の回転中心を基点として、C回転軸133の回転中心に向けてのベクトルを示す。ベクトルLのノルムをl(エル)とすると、ベクトルLは、式(3)として示される。
また、座標算出部53は、生成した点群データを形状記憶部551に記憶させる。
ここで、測定制御部56における法線ベクトルの算出の一例を説明する。
図7は、本実施形態形における法線ベクトルの生成例を示す概念図である。
図7(a)において、点群データD2は、現在の測定位置において取得された画像n(現画像)に基づいて、生成されたワールド座標系による点群データを示している。点群データD1は、画像n(現画像)の1つ前の測定位置において取得された画像(n−1)(前画像)に基づいて、生成されたワールド座標系による点群データを示している。この点群データD1及びD2において、四角で囲まれた1〜1024の数字は、点群の番号を示している。
測定制御部56は、現画像nから生成された点群から選定された最大1024点に対応した法線ベクトル計算を行う。
図7(b)は、図7の現画像n及び前画像(n−1)における5番目近傍の点群データD3を示している。この図において、ベクトルV0は、現画像nの5番目の点を基点として、現画像nの4番目に向かう3次元ベクトルを示し、ベクトルV1は、現画像nの5番目の点を基点として、前画像(n−1)の4番目に向かう3次元ベクトルを示す。また、ベクトルV2は、現画像nの5番目の点を基点として、前画像(n−1)の5番目に向かう3次元ベクトルを示す。さらに、ベクトルV3は、現画像nの5番目の点を基点として、現画像nの6番目に向かう3次元ベクトルを示し、ベクトルV4は、現画像nの5番目の点を基点として、前画像(n−1)の6番目に向かう3次元ベクトルを示す。
なお、式(4)の方式では、周辺4ベクトルを平均化して求める方式であるため、測定制御部56は、安定した法線ベクトルNを算出することができる。
また、この現画像nの5番目の周辺点群に欠落がある場合には、平均数は3以下として対応してもよい。
この方向ベクトルDは、式(5)として示される。
図8では、本実施形態形における現画像取得位置ベクトルWと次画像取得位置Sとの関係を示している。
また、A回転軸131及びB回転軸132における各回転軸の回転行列をそれぞれMa、Mbとすると、A回転軸131及びB回転軸132の回転中心座標Oは、式(12)として示される。
また、測定制御部56は、移動させた次画像取得位置に対応する座標情報(光切断プローブ2の座標情報)を経路記憶部552に記憶させる。すなわち、測定制御部56は、座標算出部53に点群の位置情報を繰り返し検出させる際に、変更させた測定位置(相対位置)に対応する光切断プローブ2の座標情報を経路記憶部552に記憶させる。
なお、測定制御部56は、経路記憶部552に記憶されている経路情報(上述の相対位置の経路)をハードディスク58に記憶させてもよい。
図9は、本実施形態形における球体の測定例を示す図である。
この図において、形状測定装置100は、測定制御部56が測定位置P3から測定位置P6まで光切断プローブ2を移動して、球体3の形状を測定する。なお、測定経路R1は、測定位置P3から測定位置P6までの測定を行う際の経路を示す。
図10は、従来の形状測定装置における複雑な形状の測定例を示す図である。
従来の形状測定装置が、図10(a)に示すような複雑な形状の被測定物3を測定する場合、次のような問題が発生する場合がある。
また、測定位置P8のような形状を測定する場合、図10(C)に示すように、照明光軸L1と撮像光軸L2とを2分する角度に被測定物3の表面が位置するため、正しい形状測定が行えない場合がある(第2の場合)。この場合、本来捉えたい拡散反射成分に加え、正反射成分が光検出部に進入して、異常値となって検出される。そのため、形状を測定できないことがある。
また、測定位置P9のような形状を測定する場合、図10(d)に示すように、光切断線の撮像角度が大きく平坦な波形として捉えられ精密なピーク位置が捉えられない場合がある(第3の場合)。
図11は、本実施形態形における複雑な形状の測定例を示す図である。
この図において、形状測定装置100は、図10における被測定物3と同様の複雑な形状を、測定制御部56が測定位置P10から測定位置P15まで光切断プローブ2を移動して測定する。なお、測定経路R2は、測定位置P10から測定位置P15までの測定を行う際の経路を示す。ここで、本実施形態による形状測定装置100では、測定制御部56は、測定位置P10から測定位置P15まで光切断線を被測定物3の法線に近い角度で照射する制御をする。
また、測定制御部56は、測定位置P12から測定位置P15においても、測定位置P11と同様に、最適なワーキングディスタンスと、最適な光切断プローブ2の向きとを維持させながら、光切断プローブ2を移動させる。これにより、上述の第2の場合(測定位置P12)及び第3の場合(測定位置P14)の問題を防止することができる。
これにより、測定制御部56が最適な上述の相対位置を制御するので、本実施形態による形状測定装置100は、複雑な形状の被測定物3に対して精度を高めて測定することができる。
これにより、測定制御部56が最適なワーキングディスタンスを制御するので、本実施形態による形状測定装置100は、複雑な形状の被測定物3に対して精度を高めて測定することができる。
これにより、測定制御部56が最適な光切断プローブ2の向きを制御するので、本実施形態による形状測定装置100は、複雑な形状の被測定物3に対して精度を高めて測定することができる。
これにより、測定制御部56は、簡易な方法により、法線ベクトルを算出することができる。
これにより、形状測定装置100は、被測定物3を測定するために、光切断プローブ2を被測定物3の形状に合わせて最適な測定位置及び向きに移動することができる。つまり、測定制御部56がワーキングディスタンスと、光切断プローブ2の向きとを制御するので、本実施形態による形状測定装置100は、複雑な形状の被測定物3に対して精度を高めて測定することができる。
つまり、被測定物3の表面の法線方向に光切断プローブ2を制御することにより、上述した第1〜第3の場合のような問題の発生を抑えて、高精度な3次元形状測を行うことが可能になる。
これにより、形状測定装置100は、ティーチングを行うことなく測定開始位置のみを指示することにより、被測定物3の形状を連続的に認識し、被測定物3の形状に追従して光切断プローブ2の向きを変更することが可能となる。そのため、形状測定装置100は、測定データ取得時間の短縮、及び高精度な測定データの取得を行うことができる。
上記の実施形態において、A回転軸131、B回転軸132、及びC回転軸133を備えた回転機構13を用いて、光切断プローブ2の向きを変更する形態を説明したが、図12に示すように、被測定物3を固定するテーブルを回転させる形態でもよい。図12において、回転機構13aは、A回転軸134及びB回転軸135を備えている。
また、上記の実施形態において、形状測定装置100は、回転機構13(又は13a)を備える形態を説明したが、回転機構13(又は13a)を備えずに、測定制御部56が、被測定物3に対する直交3軸によるワーキングディスタンスを追従する制御のみを行う形態でもよい。
また、過去に測定された2回分またはそれ以上のデータから測定面の形状を予測して法線を求めてもよい。
また、測定中の姿勢を測定中の形状データから求めた法線方向に合わせてもよい。
また、連続する形状測定だけに限らず、既に形状測定を行った部位の近傍の形状を測定する際に、前に行った形状データと新たに行う形状測定結果を併せて用いて法線方向を求めてもよい。
また、上記の実施形態において、ユーザが測定開始位置などを指定する形態を説明したが、測定開始位置などの指定情報を有する設定ファイルをハードディスク58に記憶させて、測定の際に、測定制御部56がハードディスク58から読み出して使用する形態でもよい。
また、上記の実施形態において、演算処理部41の各部は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、メモリ及びCPU(Central Processing Unit)を備えて、プログラムによって実現されてもよい。
Claims (10)
- 被測定物にライン状の測定光を照射する照射部及び前記測定光の照射方向とは異なる方向から前記被測定物に照射された前記測定光を検出する検出部を有するセンサー部と、
前記検出部からの検出結果に基づいて前記被測定物の形状を測定する形状測定部と、
前記センサー部と前記被測定物とを相対移動させる駆動部と、
測定方向に前記相対移動する間に前記形状測定部によって得られた複数回の測定の結果に基づいて、測定時の前記センサー部と前記被測定物との少なくとも一方の姿勢を制御する測定制御部と
を備えることを特徴とする形状測定装置。 - 前記測定制御部は、
前記被測定物の形状の測定と、該測定された形状に基づく前記相対移動後の前記姿勢の制御とを繰り返し行う
ことを特徴とする請求項1に記載の形状測定装置。 - 前記測定制御部は、
前記形状に基づいて、前記光検出部によって前記測定光を検出可能な範囲内に収まるように、前記センサー部と前記被測定物との距離を制御する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の形状測定装置。 - 前記測定制御部は、
前記形状に基づいて、前記測定光における前記被測定物の法線方向を算出し、算出した前記法線方向に基づいて、前記測定光を照射する前記センサー部の向きを制御する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の形状測定装置。 - 前記測定制御部によって制御された前記センサー部と前記被測定物との相対位置に対応させて前記形状測定部が測定した前記形状を記憶する形状記憶部を備え、
前記測定制御部は、
前記形状記憶部から読み出した、現在の前記相対位置に対する前記形状と現在より過去に検出された前記相対位置に対応する前記形状とに基づいて、現在の前記相対位置における前記法線方向を算出する
ことを特徴とする請求項4に記載の形状測定装置。 - 3次元座標系の座標軸方向それぞれに、前記センサー部を移動させる移動部と、
前記移動部に対して前記センサー部を回転可能に支持する回転機構と
を備え、
前記測定制御部は、
前記移動部及び前記回転機構に対して前記センサー部を、算出した前記法線方向の向きと前記測定光の照射方向とが一致する向きにさせる制御を行う
ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の形状測定装置。 - 前記形状測定部は、
前記被測定物の形状を前記測定光に基づいて検出された点群の位置情報として検出し、
前記測定制御部は、
前記センサー部と前記被測定物との相対位置を変更させて、前記形状測定部に前記点群の位置情報を繰り返し検出させ、新しく検出された点群の位置情報が、既に検出された点群の位置情報の値を含む予め定められた範囲内である場合に、前記被測定物の形状の測定を終了させる
ことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の形状測定装置。 - 前記測定制御部は、
前記法線方向の向きが、予め定められた範囲外である場合に、前記被測定物の形状の測定を終了させる
ことを特徴とする請求項7に記載の形状測定装置。 - 前記測定制御部は、
前記相対位置を変更させて検出された前記点群の数が、予め定められた値以下である場合に、被測定物の形状の測定を終了させる
ことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の形状測定装置。 - 変更させた前記相対位置に対応する前記センサー部の座標情報を前記相対位置の経路として記憶する経路記憶部を備え、
前記測定制御部は、
前記形状測定部に前記点群の位置情報を繰り返し検出させる際に、変更させた前記相対位置に対応する前記センサー部の座標情報を前記経路記憶部に記憶させ、
再び前記被測定物の形状を検出させる場合に、前記経路記憶部から読み出した前記相対位置の経路に基づいて前記センサー部の座標情報を変更させて、前記形状測定部に前記点群の位置情報を繰り返し検出させる
ことを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の形状測定装置。
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