JP2014126381A - 形状測定装置、構造物製造システム、形状測定方法、構造物製造方法、及び形状測定プログラム - Google Patents

形状測定装置、構造物製造システム、形状測定方法、構造物製造方法、及び形状測定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】複雑な形状の測定対象(被測定物)に対して精度を高めて測定できる形状測定装置を提供する。
【解決手段】本発明の形状測定装置は、測定光束を測定対象に投光する投光部と、測定光束が投光されている測定対象の表面を撮像する撮像部と、撮像された測定画像に含まれる、測定対象の表面に投光された測定光束による像の位置に基づいて、表面の形状を算出する形状算出部と、形状算出部から得られた情報に基づき表面の傾斜方向を示す傾斜情報を算出する傾斜情報算出部と、算出された傾斜情報に基づいて、測定画像の撮像条件または投光部の投光条件を設定し、撮像部又は投光部を制御する制御部とを有し、形状算出部は、制御部で設定された撮像条件で撮像された測定画像に基づいて、表面の形状を算出する。
【選択図】図3

Description

本発明は、測定対象(被測定物)の三次元形状を測定する形状測定装置、構造物製造システム、形状測定方法、構造物製造方法、及び形状測定プログラムに関する。
工業製品等の物体の表面形状を測定する技術は従来から種々提案されており、例えば、被測定物にスリット光を照射して被測定物の断面形状に対応して形成される光切断線から被測定物の三次元形状を測定する光切断法が知られている(特許文献1を参照)。
また、関連する形状測定方法として、光切断プローブを手動で操作する際に、測定対象のCADモデルを画面に表示させて操作することにより、形状測定の効率化を図る形状測定方法がある(特許文献2を参照)。
特表2009―534969号公報 米国特許出願公開第2011/0123097号明細書
ところで、上述の光切断法による形状測定装置では、光切断プローブを走査しながら、測定を行う。測定対象(被測定物)が複雑な形状である場合など、走査方向に測定対象の面の形状(面の傾き)が急峻に変化する場合には、連続的に撮像される撮像画像の明るさにムラが発生することがある。また、測定対象の面の単位面積あたりの取得画像の枚数が変化することがある。このため、測定対象の形状測定データの品質が低下し、形状測定データの検出精度が低下する可能性があった。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、複雑な形状の測定対象(被測定物)に対して精度を高めて形状測定を行うことができる、形状測定装置、構造物製造システム、形状測定方法、構造物製造方法、及び形状測定プログラムを提供することにある。
本発明の一実施形態は、測定光束を測定対象に投光する投光部と、前記測定光束が投光されている前記測定対象の表面を撮像する撮像部と、撮像された測定画像に含まれる、前記測定対象の表面に投光された測定光束による像の位置に基づいて、前記表面の形状を算出する形状算出部と、前記形状算出部から得られた情報に基づき前記表面の傾斜方向を示す傾斜情報を算出する傾斜情報算出部と、算出された前記傾斜情報に基づいて、前記測定画像の撮像条件または前記投光部の投光条件を設定し、前記撮像部又は前記投光部を制御する制御部とを有し、前記形状算出部は、前記制御部で設定された前記撮像条件で撮像された前記測定画像に基づいて、前記表面の形状を算出する形状測定装置である。
また、本発明の一実施形態は、構造物の形状に関する構造物設計情報を作製する設計装置と、前記構造物設計情報に基づいて前記構造物を作製する成形装置と、作成された前記構造物の形状を、測定画像に基づいて測定する上述の形状測定装置と、前記測定によって得られた形状情報と、前記構造物設計情報とを比較する検査装置と、を含む構造物製造システムである。
また、本発明の一実施形態は、測定光束を測定対象に投光する投光ステップと、前記測定光束が投光された前記測定対象の表面を撮像する撮像ステップと、撮像された測定画像に含まれる前記測定光束の当該測定画像内の位置に基づいて、前記表面の形状を算出する形状算出ステップと、前記形状算出ステップで得られた前記表面の形状から、前記表面の傾斜方向を示す傾斜情報を算出する傾斜算出ステップと、算出された前記傾斜情報に基づいて、前記撮像ステップにおいて測定画像を撮像させる撮像条件または前記投光する測定光束の投光条件を設定して、前記設定された撮影条件または投光条件となるように制御する制御ステップとを有し、前記形状算出ステップは、設定された前記撮像条件または投光条件で撮像された前記測定画像に基づいて、前記表面の形状を算出する形状測定方法である。
また、本発明の一実施形態は、構造物の形状に関する構造物設計情報を作製することと、前記構造物設計情報に基づいて前記構造物を作製することと、作成された前記構造物の形状を、上述の形状測定方法を用いて生成した測定画像に基づいて測定することと、前記測定によって得られた形状情報と、前記構造物設計情報とを比較することと、を含む構造物製造方法である。
また、本発明の一実施形態は、形状測定装置のコンピュータに、測定光束を測定対象に投光する投光ステップと、前記測定光束が投光された前記測定対象の表面を測定画像として撮像する撮像ステップと、撮像された前記測定画像に含まれる前記測定光束の当該測定画像内の位置に基づいて、前記表面の形状を算出する形状算出ステップと、前記形状算出ステップで得られた前記表面の形状から、前記表面の傾斜方向を示す傾斜情報を算出する算出ステップと、算出された前記傾斜情報に基づいて、前記撮像ステップにおいて測定画像を撮像させる撮像条件または前記測定対象に投光される前記測定光束の投光条件を設定して、前記設定された撮影条件または投光条件となるように制御する制御ステップとを有し、前記形状算出ステップは、設定された前記撮像条件または前記投光条件で撮像された前記測定画像に基づいて、前記表面の形状を算出することを実行させるための形状測定プログラムである。
本発明によれば、複雑な形状の測定対象(被測定物)に対して精度を高めて形状測定を行うことができる。
本実施形態による形状測定装置の構成を示す図である。 本実施形態における回転機構の構成を示す図である。 本実施形態による形状測定装置の構成を示す概略ブロック図である。 本実施形態における状測定装置の測定手順を示す図である。 本実施形態におけるプローブ座標系を示すベクトル関連図である。 本実施形態における回転軸ベクトルを示すベクトル関連図である。 本実施形態における法線ベクトルの生成例を示す概念図である。 本実施形態における現画像取得位置と次画像取得位置との関係を示すベクトル関連図である。 円柱における法線検出の例を示す図である。 本実施形態における球体の測定例を示す図である。 本実施形態における複雑な形状の測定例を示す図である。 本実施形態の形状測定装置の変形例について説明するための図である。 本実施形態による形状測定装置を備えた構造物製造システムの構成を示すブロック図である。 構造物製造システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態による形状測定装置について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態による形状測定装置の構成を示す図である。本実施形態の形状測定装置100は、測定対象(被測定物)3に光切断プローブ2からライン光を照射し、このライン光を撮像する。そして、形状測定装置100は、ライン光の撮像画像から測定対象3の測定面の法線方向(面の傾斜情報)を示す法線ベクトルを算出し、この法線ベクトルとライン光の投影方向又は撮像方向との差に基づいて、撮像部22(図2)のシャッタースピードや、投光部21(図2)が投光(照射)するライン光の明るさや、撮像部22における撮像頻度(単位時間当たりの測定画像の撮像回数)や、光切断プローブ2の移動速度(スキャン速度)等を設定する。なお、傾斜情報は、光切断プローブ2の撮像方向又はライン光の照射方向を基準にして、撮像部22により撮影される測定対象の表面またはその近傍の法線とのなす角度を示す情報とするのが好ましい。しかしながら、撮像部22により撮影される測定対象の表面が、仮に設定した基準面(例えば水平面)に対してどの程度傾いているかを示す情報としてしてもよい。測定する表面がどのような方向に傾斜しているが分かるものであればよい。例えば、光切断プローブ2の投影方向又は撮影方向が測定対象を保持する保持面の法線方向と常に一定の角度差を有する形状測定装置であれば、単に、測定対象の表面が基準とする面に対してどの程度傾いているかが分かればよい。
また、形状測定装置100は、上記算出した法線ベクトルを、予め記憶した測定対象のCADデータに基づいて正常な法線ベクトルであるか否かを判定し、算出された法線ベクトルが、検出されるべきでない異常な法線ベクトルであると判定された場合に、この異常な法線ベクトルが検出された測定位置における点群データの生成を回避する。
これにより、形状測定装置100は、複雑な形状の測定対象3に対して精度を高めて形状測定を行うことができる。
また、以下に説明する形状測定装置100では、上記算出した法線ベクトルに基づいて、画像取得条件を設定するととともに、光切断プローブ2から照射されるライン光の向きを法線ベクトルの方向に一致するように制御する例を示す。なお、測定対象3に対するライン光の照射方向と法線ベクトルの方向とを合わせるように制御する場合においても、測定対象3の測定面が急峻に変化する場合には、必ずしもライン光の照射方向と法線ベクトルの方向とを一致させることができない場合もあり、このような場合においても、形状測定装置100では、画像取得条件を最適に設定することにより精度を高めて形状測定を行うことができる。
また、形状測定装置100では、後述する変形例に示すように、測定対象3に対するライン光の照射方向を法線ベクトルの方向に合わせることなく固定(一定の角度)のままにして形状測定を行う場合においても、画像取得条件を最適に設定することにより精度を高めて形状測定を行うことができる。
[形状測定装置100の全体構成]
この図1に示す形状測定装置100は、測定対象3の三次元形状を検出する三次元形状計測装置(例えば、座標測定機(CMM:Coordinate Measuring Machine))である。つまり、形状測定装置100は、光切断法を用いることで、測定対象3の表面に一本のライン光(ライン状の測定光)からなるライン状投影パターンを投影し、測定対象3表面の全域を走査させて、測定位置がかわる毎に投影方向と異なる角度から測定対象3に投影されたライン状投影パターンを撮像する。そして、この形状測定装置100は、撮像された測定対象3表面の撮像画像よりライン状投影パターンの短手方向の画素列毎に三角測量の原理等を用いて測定対象3表面の基準平面からの高さを算出し、測定対象3表面の三次元形状を求める装置である。
図1において、形状測定装置100は、測定装置本体1及び制御装置4を備えている。後述する制御装置4は、制御線を介して測定装置本体1に接続されており、測定装置本体1を制御する。測定装置本体1は、回転機構13及びヘッド駆動部14を有する駆動部11(図3)と、位置検出部12(図3)と、ヘッド部17と、定盤18と、光切断プローブ2とを備えている。なお、ここでは、測定対象3は、一例として、球体を示しており、定盤18の上に配置されている。定盤18は、石製又は鋳鉄製からなるものであり、上面が水平に保たれたものとなっている。
ヘッド駆動部14(移動部)は、制御装置4から供給される駆動信号に基づいて、互いが直交するX軸、Y軸、Z軸の直交3軸の方向にヘッド部17を移動させる。ヘッド駆動部14は、X軸移動部141、Y軸移動部142、及びZ軸移動部143を備えている。ここで、本実施の形態における定盤18の上面は、図1に示すXY平面と平行な面となるように設定されている。すなわち、X軸方向とは、定盤18上における一方向を規定するものであり、Y軸方向とは、定盤18の上面においてX軸方向に直交する方向を規定するものであり、Z軸方向とは、定盤18の上面に直交する方向を規定するものである。
X軸移動部141は、ヘッド部17をX軸方向に駆動するX軸用モータを備え、定盤18上の所定の範囲内でX軸方向にヘッド部17を移動させる。Y軸移動部142は、ヘッド部17をY軸方向に駆動するY軸用モータを備え、定盤18上の所定の範囲内でY軸方向にヘッド部17を移動させる。また、Z軸移動部143は、ヘッド部17をZ軸方向に駆動するZ軸用モータを備え、所定の範囲内でZ軸方向にヘッド部17を移動させる。
なお、ヘッド部17は、光切断プローブ2の上部に位置し、回転機構13を介して光切断プローブ2(センサー部)を支持している。すなわち、ヘッド駆動部14は、互いに直交する三次元座標系の座標軸方向それぞれに、光切断プローブ2を移動させる。
図2は、本実施形態における回転機構13の構成を示す図である。
図2に示すように、回転機構13は、ヘッド部17と光切断プローブ2との間に配置され、ヘッド駆動部14に対して光切断プローブ2を回転可能に支持する。すなわち、回転機構13は、測定対象3の表面に対して光切断プローブ2によるライン光の投影方向および撮影方向を任意の角度に設定可能とする。
また、回転機構13は、A回転軸131、B回転軸132、及びC回転軸133を備えている。なお、回転機構13は、A回転軸131、B回転軸132、及びC回転軸133の各軸を回転させる駆動モータを備えており、制御装置4から供給される駆動信号に基づいて、光切断プローブ2を任意の角度に回転させる。
A回転軸131は、A回転軸131の下に取り付けられたB回転軸132及びC回転軸133を含めて光切断プローブ2を360度の範囲でZ軸と平行な軸を中心に回転させる回転軸である。B回転軸132は、A回転軸131下部に取り付けられ、C回転軸133を含めて光切断プローブ2をX軸方向及びY軸方向と平行な面内に含まれる軸を中心に回転することができる機構である。尚、その可動範囲は、上下方向に−90〜+90度となっている。なお、0度はZ軸と光切断プローブ2及びC回転軸133との中心を結ぶ線が平行となる方向としている。C回転軸133は、B回転軸132に取り付けられ、光切断プローブ2を360度の範囲で回転させる機構である。
光切断プローブ2(センサー部)は、測定対象3に光切断を行うためのライン光を照射する投光部21と、ライン光の照射方向とは異なる方向から測定対象3に照射されたライン光を検出する撮像部22とを有している。また、光切断プローブ2は、撮像部22におけるシャッタースピードや、投光部21における光源からの放射光量の設定を可能にするプローブ調整部23(図3)を有している。
投光部21は、光源と光源からの光を集光して、投光部21から所定の距離離れた位置にライン状の強度分布を有するライン光の像が形成できるように、図示しないシリンドリカルレンズや細い帯状の切り欠きを有したスリット板と集光光学系等から構成される投影光学系を有する。この投影光学系により、光源からの光束は、ファン状に広がりながら測定対象に到達する。光源からの光束が測定対象に到達したときは、ラインの像が測定対象の表面に投影される。光源としては、LEDやレーザー光源・SLD(Super Luminescent Diode)等を用いることができる。
撮像部22は、投光部21の光照射方向とは異なる方向から測定対象3の表面に投影されるライン光を撮像する。すなわち、撮像部22は、ライン光が照射されることで光切断面(線)が現れた測定対象3の表面を検出する。
また、撮像部22は、図示しない結像レンズやシャッター機構やCCDやC−MOSセンサー等の撮像素子から構成され、後述のように駆動部11を駆動させてライン光が所定間隔で走査される毎に測定対象3を撮像するようになっている。
撮像部22に備えられた結像レンズは、シャインプルーグ光学系となっており、撮像部22の撮像素子の共役な面は、投光部なお、投光部21及び撮像部22の位置は、測定対象3の表面上のライン光の撮像部22に対する入射方向と、投光部21の光照射方向とが、所定角度θをなすように規定されている。なお、本実施形態では、上記所定角度θが、例えば、45度に設定されている。
次に、図3を参照して、形状測定装置100の構成を詳細に説明する。
図3は、本実施形態による形状測定装置100の構成を示す概略ブロック図である。なお、この図において、図1及び図2と同じ構成部分には、同じ符号を附す。
図3において、形状測定装置100は、測定装置本体1と制御装置4とを備えている。
また、上述したように、測定装置本体1は、駆動部11、位置検出部12、及び光切断プローブ2を備えている。駆動部11は、回転機構13とヘッド駆動部14とを備え、制御装置4から供給される駆動信号に基づいて、光切断プローブ2の位置及び姿勢を変更させる。すなわち、駆動部11は、光切断プローブ2と測定対象3とを相対移動させる。
位置検出部12は、回転位置検出部15とヘッド位置検出部16とを備えている。
ヘッド位置検出部16は、ヘッド駆動部14のX軸、Y軸、及びZ軸方向の位置をそれぞれ検出するX軸用エンコーダ、Y軸用エンコーダ、及びZ軸用エンコーダを備える。ヘッド位置検出部16は、それらのエンコーダによってヘッド駆動部14の位置を検出し、ヘッド駆動部14の位置を示す信号を後述の座標検出部51に供給する。
回転位置検出部15は、A回転軸131、B回転軸132、及びC回転軸133の回転位置をそれぞれ検出するエンコーダを備える。回転位置検出部15は、それらのエンコーダを用いて、A回転軸131、B回転軸132、及びC回転軸133の回転位置を検出し、検出した回転位置を示す信号を座標検出部51に供給する。
光切断プローブ2は、上述したように、光切断方式により測定対象3の表面形状を検出するために、投光部21及び撮像部22を備えている。投光部21は、後述の間隔調整部52から供給される光の照射を制御する制御信号に基づき、測定対象3に直線上の光があたるように、測定対象3に直線状のスリット光(ライン状の光)を照射する。
撮像部22は、投光部21からの照射光により測定対象3の表面に形成される光切断線を撮像する。ここで、光切断線は、測定対象3の断面形状に応じて形成される。そして、撮像部22は、測定対象3の表面に形成される陰影パターンを撮像し、撮像した画像情報を間隔調整部52に供給する。これにより、制御装置4は、形状測定データを取得する。
また、光切断プローブ2は、プローブ調整部23を備えており、このプローブ調整部23は、後述する測定制御部56内の画像取得条件設定部59からの制御信号を、間隔調整部52を介して受信し、撮像部22のシャッター機構を制御することによりシャッタースピードを調整する。また、プローブ調整部23は、投光部21のLED等の発光輝度を制御する。
続いて、制御装置4について説明する。
制御装置4は、演算処理部41と、入力装置42と、ジョイスティック43と、モニタ
44とを備えている。
入力装置42は、ユーザが各種指示情報を入力するキーボードなどを備える。入力装置42は、入力された指示情報を検出し、検出した指示情報を記憶部55に記憶させる。
ジョイスティック43は、ユーザの操作を受けて、その操作に応じて駆動部11を駆動させる制御信号を生成して駆動制御部54に供給する。このように、ジョイスティック43は、光切断プローブ2を配置させる状態を示す情報を検出し、検出した情報に基づいて
光切断プローブ2を配置させる制御指令情報として、入力することができる。
モニタ44は、データ出力部60から供給された測定データ(全測定ポイントの座標値)等を受け取る。モニタ44は、受け取った測定データ(全測定ポイントの座標値)等を表示する。また、モニタ44は、計測画面、指示画面等を表示する。
演算処理部41は、形状測定装置100における測定対象3の形状を測定する処理の制御を行い、測定対象3表面の基準平面からの高さを算出し、測定対象3の三次元形状を求める演算処理を行う。また、演算処理部41は、座標検出部51、間隔調整部52、座標算出部53、駆動制御部54、記憶部55、測定制御部56、データ出力部60、及びハードディスク61を備えている。
座標検出部51は、回転位置検出部15及びヘッド位置検出部16から出力される6軸座標信号によって、光切断プローブ2の位置、及び光切断プローブ2の姿勢を検知する。
ここで、6軸座標信号とは、X軸、Y軸、Z軸の直交3軸、及びA回転軸131、B回転軸132、C回転軸133の3軸の座標を示す信号である。
つまり、座標検出部51は、ヘッド位置検出部16から出力される直交3軸の座標信号によって、光切断プローブ2の位置、すなわち水平方向における観察位置(光軸中心位置)と上下方向における観察位置とを検知する。また、座標検出部51は、回転位置検出部15から出力される回転位置を示す信号によって、光切断プローブ2の姿勢を検知する。
座標検出部51は、光切断プローブ2の位置、及び光切断プローブ2の姿勢を示す情報として、6軸の座標情報を座標算出部53に供給する。また、座標検出部51は、光切断プローブ2の6軸の座標情報に基づいて、光切断プローブ2の移動経路、移動速度などを検出する。
間隔調整部52は、予め定められた所定の撮像頻度(単位時間当たりの測定画像の撮像回数)で、或いは、画像取得条件設定部59で設定された撮像頻度で、撮像部22から画像情報を受け取る。そして、間隔調整部52は、撮像部22から受け取った画像情報を座標算出部53に供給する。
座標算出部53は、間隔調整部52から供給されたフレームが間引かれた画像情報を受け取る。座標算出部53は、座標検出部51から供給された光切断プローブ2の6軸の座標情報を受け取る。座標算出部53は、間隔調整部52から供給された画像情報と、座標検出部51から供給されたと6軸の座標情報とに基づき、各測定ポイントの座標値(三次元座標値)の点群データを算出する。すなわち、座標算出部53は、撮像部22からの検出結果(画像情報)に基づいて測定対象3の形状を検出(測定)する。
座標算出部53におけるこの点群データの具体的な算出方法は、以下の通りである。まず、座標算出部53は、受け取った光切断プローブ2の6軸の座標情報から、光切断プローブ2に固定された投光部21の座標と、撮像部22の座標とを算出する。
ここで、投光部21は、光切断プローブ2に固定されているので、投光部21の照射角度は、光切断プローブ2に対して固定である。また、撮像部22も光切断プローブ2に固定されているので、撮像部22の撮像角度は、光切断プローブ2に対して固定である。
座標算出部53は、照射した光が測定対象3にあたった点の位置を、三角測量法に基づき算出する。ここで、照射した光が測定対象3にあたった点の座標は、投光部21による当該位置へ照射した光の伝搬方向と、当該位置から撮像部22の結像光学系の瞳の中心へ向かう方向とを含む平面内の座標として求める。ちなみに、光の伝搬方向は投光部21の投影光学系の光軸に基づいて、光の伝搬方向を決めることができ、当該位置から撮像部22の結像光学系の瞳の中心へ向かう方向は、照射した光により得られる測定光の像の位置を求めれば、当該位置から撮像部22の結像光学系の瞳の中心へ向かう方向が決まる。この平面内で二つの方向が決まり、光切断センサーの投光部21と撮像部22の位置情報を取得すれば、三次元空間での位置が定まる。なお、上記の撮像された画像は、測定位置に配置された光切断プローブ2によって検出された画像を示す。
これによって、形状測定装置100は、測定対象3に照射されるスリット光を所定の方向に走査させることにより、座標算出部53により、光が照射された位置の座標を算出することができる。つまり、測定対象3の表面形状を求めることができる。座標算出部53は、測定対象3の形状をライン光に基づいて検出された点群の位置情報である点群データとして検出する。
また、座標算出部53は、算出した三次元座標値の点群データを記憶部55に記憶させる。
記憶部55は、例えば、RAM(Random Access Memory)などのメモリであり、入力装置42から供給された各種指示情報を測定条件テーブルとして記憶する。ここで、測定条件テーブルには、測定条件や測定の終了条件、測定対象3の測定開始点(最初の測定ポイント)の座標値等、測定開始位置での測定目標方向、各測定ポイントの初期値を示すデータなどの項目が含まれる。また、記憶部55は、座標算出部53から供給された三次元座標値の点群データを測定データとして記憶する。また、記憶部55は、座標検出部51から供給された各測定ポイントの座標値データ(6軸の座標情報)を経路情報として記憶する。また、記憶部55は、測定対象3のCADデータ(設計情報)を記憶する。
なお、記憶部55は、形状記憶部551と、経路記憶部552と、CADデータ記憶部553と、を備えている。形状記憶部551は、上述した座標算出部53から供給された三次元座標値の点群データを測定データとして記憶する。つまり、形状記憶部551は、後述する測定制御部56によって制御された相対位置に対応させて座標算出部53が検出した検出値(形状)である点群データを記憶する。
ここで、相対位置とは、光切断プローブ2の測定位置及び姿勢(向き)のことであり、光切断プローブ2と測定対象3との相対的な位置を示し、測定対象3が固定されている場合には、光切断プローブ2の測定位置を示す。
経路記憶部552は、変更させた上述の相対位置(各測定ポイント)に対応する光切断プローブ2の座標値データ(6軸の座標情報)を相対位置の経路情報として記憶する。
CADデータ記憶部553は、測定対象3のCADデータ(設計情報)を記憶する。
駆動制御部54は、ジョイスティック43からの操作信号に基づいて、又は、測定制御部56の移動指令部57からの指令信号に基づいて、ヘッド駆動部14及び回転機構13に駆動信号を出力して、駆動部11を移動させる制御を行う。
測定制御部56は、移動指令部57と、法線算出部58と、画像取得条件設定部59とを含む。また、測定制御部56は、座標算出部53における測定(点群データの生成)動作を制御する。また、測定制御部56は、記憶部55から測定条件テーブルに登録された測定対象3の測定開始点(最初の測定ポイント)及び測定終了条件、等を読み出す。また、測定制御部56は、移動指令部57により、測定対象3の測定開始点、及び座標算出部53によって算出(検出)された測定対象3の形状に応じて、測定対象3に対するスキャンの移動経路を算出する。
すなわち、移動指令部57は、座標算出部53によって算出(検出)された検出値(三次元座標値の点群データ)に基づいて、次にライン光を検出する位置になるように光切断プローブ2と測定対象3との相対位置を制御する。つまり、移動指令部57は、検出値(三次元座標値の点群データ)に基づいて、撮像部22によってライン光を検出可能な範囲内に収まるように、光切断プローブ2と測定対象3との距離を制御する。すなわち、移動指令部57は、三次元座標値の点群データに基づいて、光切断プローブ2と測定対象3との測定可能距離を示すワーキングディスタンスを制御する。
また、測定制御部56は、法線算出部58により、検出値(三次元座標値の点群データ)に基づいて、ライン光における測定対象3の法線方向を示す法線ベクトルを算出し、算出した法線ベクトルに基づいて、移動指令部57により、ライン光を照射する光切断プローブ2の向き(姿勢)を制御する。
この場合に、法線算出部58は、形状記憶部551から読み出した、現在の相対位置に対する三次元座標値の点群データと現在より過去に検出された(例えば、1つ前の)相対位置に対する三次元座標値の点群データとに基づいて、現在の相対位置における法線ベクトルを算出する。すなわち、法線算出部58は、連続する2枚のライン光の撮像画像から測定対象3の測定面の法線方向を示す法線ベクトルを算出する。
また、測定制御部56は、画像取得条件設定部59により、測定対象3の測定面の法線ベクトルと、測定対象の測定面と光切断プローブ2との相対位置を基に、光切断プローブ2内のプローブ調整部23を制御することにより、次画像取得のための撮像部22のシャッタースピードや、投光部21のLED等の光源輝度を制御する。また、測定制御部56は、画像取得条件設定部59により、間隔調整部52を介して光切断プローブ2における撮像頻度(単位時間当たりの測定画像の撮像回数)を制御し、また、移動指令部57を介してスキャン速度(光切断プローブ2の移動速度)をリアルタイムに設定する。
また、測定制御部56は、法線算出部58により、光切断プローブ2を測定方向に移動させる間に座標算出部53によって得られた複数回の点群データの測定結果に基づいて、法線ベクトルを算出し、この法線ベクトルの方向に基づいて光切断プローブ2の姿勢を制御する。なお、本実施形態の形状測定装置100では、移動指令部57が、法線算出部58により算出した法線ベクトルの向きと、ライン光の照射方向とが一致する向きになるように光切断プローブ2を制御をする(図10を参照)。
また、測定制御部56は、記憶部55から読み出した測定終了条件に基づいて、測定対象3の形状の検出を終了させる。測定終了条件の詳細は、後述する。
また、測定制御部56は、座標算出部53によって点群データを繰り返し検出させる際に、変更させた相対位置(光切断プローブ2の測定位置及び姿勢)に対応する光切断プローブ2の座標値データ(6軸の座標情報)を経路記憶部552に記憶させる。測定制御部56は、再び同じ測定対象3の形状を検出させる場合に、経路記憶部552から読み出した相対位置の経路に基づいて、光切断プローブ2の6軸の座標情報を変更させて、座標算出部53に点群データを繰り返し検出させることができる。
画像取得条件設定部59は、法線算出部58により算出された法線ベクトルと光切断プローブ2と測定面の相対位置情報に基づいて、撮像画像に含まれる測定光の明るさに応じた画像取得条件を設定する。画像取得条件設定部59は、例えば、法線算出部58により算出された法線ベクトルと光切断プローブ2と測定面の相対位置情報に基づいて、シャッタースピード(測定画像を検出する時間幅)の算出を行い、このシャッタースピードを撮像状態として設定する。すなわち、被測定物の形状(面の傾き)が急峻に変化する場合に、撮像部22で検出する散乱光の明るさが変化するので、画像取得条件設定部59は、この散乱光の明るさに応じて測定画像を検出するシャッタースピードを設定する。また、画像取得条件設定部59は、法線算出部58により算出された法線ベクトルに基づいて、投光部21のLED等の発光輝度を撮像状態として設定する。
このように、画像取得条件設定部59が撮像部22のシャッタースピードや投光部21の発光輝度を調整することにより、形状測定装置100は、被測定物が複雑な形状である場合など、被測定物の形状(面の傾き)が急峻に変化する場合において、連続的に撮像する撮像画像の明るさにムラが発生することを回避し、点群データの品質を一定に保つことができる。
また、画像取得条件設定部59は、法線算出部58により算出された法線ベクトルと光切断プローブ2と測定面の相対位置情報に基づいて、測定画像の撮像頻度(単位時間当たりの測定画像の撮像回数)を撮像状態として設定し、座標算出部53は、設定された撮像頻度に応じて撮像された測定画像に含まれる測定光の位置に基づいて、測定対象3の表面の形状を測定する。
これは、例えば、図11に示すような複雑な形状測の測定対象3の形状測定を行う場合において、光切断プローブ2が一定間隔でX方向に移動し、かつ、測定画像の撮像頻度が一定である場合は、傾斜面上の測定位置P11における単位面積当たりの撮像回数が、平面上の測定位置P10における単位面積当たりの撮像回数よりも少なくなる可能性がある。このため、画像取得条件設定部59は、測定対象3の測定面の法線ベクトルと光切断プローブ2と測定面の相対位置情報に基づいて、測定画像の撮像頻度を撮像状態として設定することにより、測定対象3の単位面積当たりの撮像頻度を一定にすることができる。すなわち形状測定装置100は、測定面が急峻に変化する場合においても、測定面に対するデータ測定間隔(距離)を一定に保つことができる。
なお、上記の撮像頻度(単位時間当たりの測定画像の撮像回数)と、光切断プローブ2の移動速度とに応じて、データ測定間隔(距離)が決まり、この「データ測定間隔」を「データ取得ピッチ」とも呼ぶ。形状測定装置100は、このデータ取得ピッチごとに、光切断プローブ2の移動先の座標位置を算出し、光切断プローブ2を移動させる。
また、画像取得条件設定部59は、法線算出部58により算出された法線ベクトル(と光切断プローブ2と測定面の相対位置情報に基づいて、測定対象3と撮像部22との相対的な移動速度(スキャン速度)を撮像状態として設定し、この移動速度の情報を、測定制御部56の移動指令部57に通知する。移動指令部57は、この移動速度(スキャン速度)の情報に基づいて、光切断プローブ2を移動させる。
これにより、形状測定装置100では、例えば、撮像頻度(単位時間当たりの測定画像の撮像回数)が同じであっても、測定対象3の測定面の単位面積当たりの撮像頻度を一定にすることができる。すなわち形状測定装置100は、測定面が急峻に変化する場合においても、測定面に対するデータ取得ピッチを一定に保つことができる。
また、画像取得条件設定部59は、選択部59Aと、識別部59Bとを備える。選択部59Aは、法線算出部58により算出された法線ベクトルと、CADデータに基づいて得られる法線ベクトルの情報とを比較し、法線算出部58が算出する法線ベクトルの中から画像取得条件設定部59が撮像状態を設定する際に用いることができる有効(正常)な法線ベクトルを選択する。
例えば、図9は、測定対象3が円柱である場合の法線ベクトルの検出の例を示している。この図9(a)に示すように、円柱の長手方向をY軸方向に設定し、このY軸方向にスキャン(光切断プローブ2を移動)したとすると、円柱上面を測定する場合の法線ベクトル分布は、図9(b)に示すように、(x,y,z)=(−1〜+1,0,0〜+1)の範囲で変化する。従って、選択部59Aは、検出された法線ベクトルが、図9(b)に示すように、(x,y,z)=(−1〜+1,0,0〜+1)の範囲にある場合に、検出された法線ベクトルが有効(正常)な法線ベクトルであると判定し、それ以外の範囲に有る場合に、検出された法線ベクトルが検出されるべきでない異常な法線ベクトルであると判定する。
これにより、形状測定装置100は、法線算出部58により算出(検出)した法線ベクトルを、CADデータを基に正常な法線ベクトルであるか否かを判定することができ、異常な法線ベクトルを排除することができる。このため、形状測定装置100は、複雑な形状の測定対象3の形状測定を行う場合に、精度を高めて形状測定を行うことができる。
また、識別部59Bは、法線算出部58が算出する法線ベクトルの中から選択部59Aが選択しなかった法線ベクトルを、異常な法線ベクトルの情報として識別し、記憶部55に保存する。そして、形状測定装置100は、この異常な法線ベクトを異常値として後処理で利用できるようにする。例えば、座標算出部53は、この異常な法線ベクトルを用いて点群データを生成し、この点群データを、正常な法線ベクトルを基にして得られた点群データと色分けしてモニタ44に表示することができる。
データ出力部60は、記憶部55から測定データ(全測定ポイントの座標値)等を読み出す。データ出力部60は、その測定データ(全測定ポイントの座標値)等をモニタ44に供給する。また、データ出力部60は、測定データ(全測定ポイントの座標値)等をプリンタ(不図示)へ出力する。
ハードディスク61は、磁気記憶装置などの不揮発性の記憶装置であり、記憶部55に記憶されている情報を保存しておく目的のために記憶する。記憶部55に記憶されている情報は、例えば、形状記憶部551に記憶されている点群データや、経路記憶部552に記憶されている経路情報や、CADデータ記憶部553に記憶されている設計情報(CADデータ)などである。これらの情報は、測定制御部56によって、記憶部55から読み出されて、ハードディスク61に記憶される。また、ハードディスク61に記憶されている情報は、測定制御部56によって、ハードディスク61から読み出され、記憶部55に記憶されて、測定の際に使用されてもよい。
[形状データを作成するまでの手順]
次に、図4を参照して、形状測定装置100が測定対象3を光切断プローブ2によりスキャンし形状データを作成するまでの手順を説明する。
図4は、本実施形態における形状測定装置100の測定手順を示す図である。
この図において、まず、測定オブジェクト(被測定物)である測定対象3が、ユーザによって測定台に設置される(ステップS101)。つまり、測定対象3は、形状測定装置100の定盤18上における稼動範囲の測定有効空間に設置される。
次に、ユーザが、ヘッド駆動部14及び回転機構13を測定開始位置に移動させる(ステップS102)。つまり、光切断プローブ2が、測定開始位置に移動させられる。すなわち、光切断プローブ2から照射される光切断線(ライン光)が測定対象3の測定開始位置に照射されるように、例えば、移動ツマミ(入力装置42の一部)、又はジョイスティック43を用いて6軸座標を調整され、駆動制御部54は、移動ツマミ又はジョイスティック43からの操作信号に基づいて、ヘッド駆動部14及び回転機構13を移動及び回転させる。そして、駆動制御部54は、移動ツマミ又はジョイスティック43からの操作信号に基づいて、登録位置として設定された駆動部11の測定開始位置を記憶部55に記憶させる。これにより、形状測定装置100は、測定開始位置が設定される。
ヘッド駆動部14及び回転機構13を測定開始位置に移動させる場合、光切断線は、光切断プローブ2内の撮像部22によりモニタされ、画像中心位置に撮像されるように微調整されてもよい。なお、光切断プローブ2は、形状測定装置100に取り付け前に単体校正が実施され、ライン光が計測カメラの中心位置にある場合が、ワーキングディスタンスの中心となるように予め校正されている。
次に、光切断線の照射方向(測定目標方向)が、ユーザによって指定される(ステップS103)。つまり、ユーザによって、C回転軸133を移動ツマミ又はジョイスティック43により光切断線の長手方向を測定対象3に合わせて、光切断線の照射方向が、調整される。この場合、スキャン方向(光切断プローブ2の移動方向)は、光切断線の長手方向と垂直な方向となる。
ここで、駆動制御部54は、移動ツマミ又はジョイスティック43からの操作信号に基づいて、回転機構13のC回転軸133を回転させるとともに、登録位置として設定された測定開始位置での測定目標方向を記憶部55に記憶させる。
次に、形状測定装置100では、測定データ取得距離、又は測定終了条件が、ユーザによって指定される(ステップS104)。つまり、入力装置42又はジョイスティック43により、測定データ取得距離、又は測定終了条件が指定され、入力装置42又はジョイスティック43は、指定された測定データ取得距離、又は測定終了条件を記憶部55に記憶させる。
本実施形態では、自動追従動作を終了させる測定終了条件として、以下に示す条件の設定が可能である。なお、測定制御部56は、指定された測定終了条件に到達するまで、光切断プローブ2の位置及び姿勢(上述の相対位置)を変更させて、座標算出部53に点群の位置情報である点群データを繰り返し検出させる。
(1)測定距離によって測定を終了する。
この場合、形状測定装置100では、例えば、mm(ミリメートル)単位によって、測定対象3の測定開始位置から測定を行う距離が指定される。また、その距離の指定においては、頻繁に利用する距離を予めメニュー化しておいて、そのメニューの内から指定する方式でもよい。
また、この測定終了条件が指定された場合に、測定制御部56は、光切断プローブ2の位置が測定対象3の測定開始位置から上述の指定された距離以上離れた位置になった場合に測定対象3の形状の検出を終了させる。
(2)同一位置点群の検出によって測定を終了する。
この測定終了条件が指定された場合、座標算出部53によって検出された点群データが、既に取得済みのデータと一致(同一位置点群)、又は近距離で重なる場合に、形状測定装置100は、測定を終了する。すなわち、測定制御部56は、上述の相対位置を変更させて、座標算出部53に点群データを繰り返し検出させ、新しく検出された点群データ(点群の位置情報)が、既に検出された点群データの値を含む予め定められた範囲内である場合に、測定対象3の形状の検出を終了させる。例えば、球面を連続的に測定(スキャン)し、360度測定の結果、近距離の点群が重なる場合に、測定制御部56は、測定対象3の形状の検出を終了させる。
(3)法線角度の範囲によって測定を終了する。
この測定終了条件が指定された場合、形状測定装置100は、後述する法線ベクトルの向きが予め定められた範囲内にあるかをモニタし、法線ベクトルの向きがこの範囲から外れた場合に測定を終了する。つまり、測定制御部56は、法線ベクトルの向きが予め定められた範囲内にあるかをモニタし、後述する法線ベクトルの向きが、予め定められた範囲外である場合に、測定対象3の形状の検出を終了させる。
(4)画像毎点群数の下限値によって測定を終了する。
この測定終了条件が指定され、形状測定装置100は、例えば、1024を最大とする画像取得毎の点群数が、規定値を下回った場合に、測定を終了する。つまり、測定制御部56は、上述の相対位置を変更させて座標算出部53に1回に検出させた点群の数が、予め定められた値以下である場合に、測定対象3の形状の検出を終了させる。
(5)点群数の上限値によって測定を終了する。
この測定終了条件が指定され、形状測定装置100は、測定開始から取得された点群データの総数が上限値を越えた場合に、測定を終了する。つまり、測定制御部56は、上述の相対位置を変更させて座標算出部53に検出させた点群の数をカウントして、カウントした点群データの総数が、予め定められた上限値を越えたら場合に、測定対象3の形状の検出を終了させる。
(6)空間座標範囲によって測定を終了する。
この測定終了条件が指定された場合、形状測定装置100は、後述するワールド座標の指定された範囲内に到達した場合に、測定を終了する。つまり、測定制御部56は、上述の相対位置を変更させて座標算出部53に検出させた点群データが、ワールド座標の指定された範囲内に到達した場合に、測定対象3の形状の検出を終了させる。
このように、形状測定装置100では、以上の(1)から(6)の測定終了条件を単体、及び組み合わせ条件として指定する。
次に、形状測定装置100では、測定対象3の表面のデータ取得ピッチの初期値がユーザによって指定される(ステップS105)。つまり、入力装置42又はジョイスティック43を用いて、データ測定ピッチが指定され、入力装置42又はジョイスティック43は、指定されたデータ測定ピッチを記憶部55に記憶させる。なお、このデータ取得ピッチは、後述するように、被測定面の形状に応じて画像取得条件設定部59により変更されるものである。
以上により、形状測定装置100において、測定対象3の形状を測定するための設定が完了する。
次に、形状測定装置100は、測定対象3の形状の測定を開始する(ステップS106)。つまり、測定制御部56は、上述で設定された測定条件テーブルを記憶部55から読み出して、測定条件テーブルに基づいて測定対象3の形状の測定を開始する。形状測定装置100は、以下のように、光切断プローブ2の位置及び姿勢(上述の相対位置)を変更させて、座標算出部53に点群の位置情報である点群データを繰り返し検出させる。
測定対象3の形状の測定において、まず、形状測定装置100は、測定終了条件に達したかを判定する(ステップS107)。つまり、測定制御部56は、ステップS104の処理において指定された測定終了条件に達したか否かを判定する。測定制御部56は、測定終了条件に達したと判定した場合に、ステップS121に処理を進める。また、測定制御部56は、測定終了条件に達していないと判定した場合に、ステップS108に処理を進める。
次に、ステップS108において、形状測定装置100は、6軸の現座標情報、光切断の画像を取得する。つまり、測定制御部56は、測定条件テーブルに基づいて測定開始位置に光切断プローブ2の位置を移動及び姿勢を変更させる。そして、測定制御部56は、座標検出部51に6軸の現座標情報を検出させるとともに、間隔調整部52を介して撮像部22に光切断の画像を取得させる。
なお、撮像部22によって光切断プローブ2の画像を取得されるのと同期して、座標検出部51は、位置検出部12が検出した移動後の(現在の)6軸の座標情報をラッチし、座標算出部53に供給する。また、撮像部22によって取得された画像は、間隔調整部52を介して座標算出部53に供給される。
次に、形状測定装置100は、6軸の座標情報と画像内の輝度ピーク位置から1画像分の点群データを生成する(ステップS109)。つまり、座標算出部53は、座標検出部51から供給された6軸の座標情報と、間隔調整部52から供給された画像とに基づいて、1画像分の点群データを生成する。座標算出部53は、生成した点群データを形状記憶部551に記憶させる。
なお、座標算出部53は、点群データを生成する際に、後述するプローブ座標から後述するワールド座標に変換する。以下、座標算出部53が、プローブ座標からワールド座標に変換して、点群データを生成する一例を説明する。
(プローブ座標系について)
まず、本実施形態におけるプローブ座標系について説明する。
図5は、本実施形態におけるプローブ座標系を示すベクトル関連図である。
この図において、プローブ座標系は、光切断プローブ2単体において、照明光軸L1と撮像光軸L2が交わる点を原点とし、投光部21の方向をZ軸のプラス方向、Z軸と直交する紙面右に向かう方向をX軸のプラス方向、紙面奥に向かう方向をY軸のプラス方向として示される。本実施形態では、例えば、撮像部22は、1024×1024画素のCCDカメラを使用し、光切断線の長手方向を垂直方向として撮像する。そのため、座標算出部53は、最大輝度位置の検出を水平方向に行うことにより、最大1024個のピーク位置を検出することが可能である。
これにより、予め光切断プローブ2単体の校正がされた状態では、座標算出部53は、撮像された画像内の精密な水平画素位置から、校正データを基にした補正演算により、光切断面内のプローブ座標系での三次元座標を生成することが可能である。
なお、本実施形態において、光切断プローブ2単体校正が完了しているものとし、補正演算内容の詳細に関しては、説明を省略する。
(ワールド座標系について)
次に、本実施形態におけるワールド座標系について説明する。
ワールド座標系は、例えば、図1に示された形状測定装置100の定盤18上における左手前を原点としてX軸、Y軸、及びZ軸方向での測定空間内の三次元位置を示す座標系である。なお、座標算出部53は、点群データをこのワールド座標系の位置情報(座標情報)として生成する。
(プローブ座標からワールド座標への変換)
次に、座標算出部53における、プローブ座標からワールド座標に変換して、点群データを生成する処理について説明する。座標算出部53は、プローブ座標系として生成された点群座標に6軸の座標情報を加味した演算を行い、ワールド座標系に変換する。
ここで、プローブ座標系によって示される点の三次元座標を式(1)として示す。
Figure 2014126381
図6は、本実施形態における回転軸ベクトルを示すベクトル関連図である。
この図において、A回転軸131及びB回転軸132の回転中心をポイントP1とし、C回転軸133の回転中心(プローブ座標原点でもある)をポイントP2として示す。また、光切断プローブ2によって画像が取得される際のA回転軸131の角度を角度aとし、B回転軸132の角度を角度bとし、C回転軸133の角度を角度cとして示す。
ここで、A回転軸131、B回転軸132、及びC回転軸133の各回転軸に対応する回転行列をそれぞれMa、Mb、及びMcとすると、ワールド座標への変換は、式(2)として示される。
Figure 2014126381
ここで、O(オー)は、A回転軸131及びB回転軸132の回転中心におけるワールド座標を示すベクトルであり、座標検出部51が検出した形状測定装置100のX軸、Y軸、及びZ軸の座標情報と一致させるように校正されている。
また、Lは、(a=b=0)である場合のA回転軸131及びA回転軸132の回転中心を基点として、C回転軸133の回転中心に向けてのベクトルを示す。ベクトルLのノルムをl(エル)とすると、ベクトルLは、式(3)として示される。
Figure 2014126381
式(3)として示される演算処理により、座標算出部53は、ベクトルLの先端、即ち、プローブ座標系の原点ポイントP2を、ワールド座標系に変換することができる。つまり、座標算出部53は、光切断プローブ2によって検出された測定対象3の表面の位置情報(点群データ)をワールド座標系に変換することができることを示している。
また、座標算出部53は、生成した点群データを形状記憶部551に記憶させる。
図4に戻り、次に、形状測定装置100は、前画像、現画像の点群位置から測定対象3の表面の法線を検出する(ステップS110)。つまり、測定制御部56内の法線算出部58は、形状記憶部551から1つ前の測定位置(相対位置)に対する検出値(形状)である前画像の点群データと、現在の測定位置(相対位置)に対する検出値(形状)である現画像の点群データとを読み出す。そして、測定制御部56は、形状記憶部551から読み出した、前画像の点群データと現画像の点群データとに基づいて、現在の測定位置(相対位置)における法線ベクトルを算出する。
(法線ベクトルの算出例)
ここで、法線算出部58における法線ベクトルの算出の一例を説明する。
図7は、本実施形態における法線ベクトルの生成例を示す概念図である。
図7(a)において、点群データD2は、現在の測定位置において取得された画像n(現画像)に基づいて、生成されたワールド座標系による点群データを示している。点群データD1は、画像n(現画像)の1つ前の測定位置において取得された画像(n−1)(前画像)に基づいて、生成されたワールド座標系による点群データを示している。この点群データD1及びD2において、四角で囲まれた1〜1024の数字は、点群の番号を示している。
法線算出部58は、現画像nから生成された点群から選定された最大1024点に対応した法線ベクトル計算を行う。
なお、ここでは、一例として、現画像nの5番目の走査線位置から生成された三次元座標における法線ベクトルの計算例を示す。
図7(b)は、図7の現画像n及び前画像(n−1)における5番目近傍の点群データD3を示している。この図において、ベクトルV0は、現画像nの5番目の点を基点として、現画像nの4番目に向かう三次元ベクトルを示し、ベクトルV1は、現画像nの5番目の点を基点として、前画像(n−1)の4番目に向かう三次元ベクトルを示す。また、ベクトルV2は、現画像nの5番目の点を基点として、前画像(n−1)の5番目に向かう三次元ベクトルを示す。さらに、ベクトルV3は、現画像nの5番目の点を基点として、現画像nの6番目に向かう三次元ベクトルを示し、ベクトルV4は、現画像nの5番目の点を基点として、前画像(n−1)の6番目に向かう三次元ベクトルを示す。
上述のように、ベクトルV0〜V4を定義した場合、この現画像nの5番目の点における法線ベクトルNは、式(4)として示される。
Figure 2014126381
この式(4)において、「×」は外積を示し、「unit」は単位ベクトル化関数を示す。また、「+」はベクトル加算を示す。
なお、式(4)の方式では、周辺4ベクトルを平均化して求める方式であるため、測定制御部56は、安定した法線ベクトルNを算出することができる。
また、この現画像nの5番目の周辺点群に欠落がある場合には、平均数は3以下として対応してもよい。
測定制御部56内の法線算出部58は、上述の式(4)として示される演算方法によって、1画像から最大1024点に対応した法線ベクトルを算出するが、ここでは、プローブ座標系で、Z軸の座標が最大となる位置における法線ベクトルの算出を行う。即ちプローブと被測定物の距離が最短となる被測定物面の近傍を対象に、法線ベクトルの算出を行う。
図4に戻り、ステップS110の処理において法線ベクトルが算出されると、測定制御部56内の画像取得条件設定部59は、ステップS111〜S118に示す画像取得条件の設定処理を開始する。この画像取得条件の設定処理において、画像取得条件設定部59は、まず最初に、選択部59Aにより、ステップS110において検出(算出)された法線ベクトルが有効な法線ベクトル線であるか否かを判定する(ステップS111)。例えば、選択部59Aは、ステップS110において算出された法線ベクトルを、予め記憶部55に記憶した測定対象3のCADデータ(設計情報)から得られる法線ベクトルと比較する。そして、選択部59Aは、この算出された法線ベクトルがCADデータから得られる法線ベクトルの方向から所定の範囲内の方向にある場合に、有効な法線ベクトルと判定する。
そして、画像取得条件設定部59は、ステップS111の処理において、算出された法線ベクトルが有効な法線でないと判定された場に(ステップS112)、この法線ベクトルを異常値としリジェクト(無効に)し、この異常な法線ベクトルが算出された測定点において生成された点群データを無効にしてスキップし(ステップS113)、ステップS119の処理に移行する。
一方、ステップS111の処理において、算出された法線が有効な法線であると判定された場合に(ステップS114)、画像取得条件設定部59は、ステップS115〜S118に示す画像取得条件の設定処理を行う。
この画像取得条件の設定処理において、画像取得条件設定部59は、最初に、得られた法線ベクトルの情報から、シャッタースピードの算出を行う(ステップS115)。例えば、画像取得条件設定部59は、照明光軸に対する法線角度θを求め、シャッタースピードSSを式(5)により、拡散光の反射強度に合わせ算出する。
Figure 2014126381
ここで、SS0は、「照明光軸との法線角度θ=0」の場合のシャッタースピードである。
続いて、形状測定装置100は、投光部21における光源輝度の調整値の算出を行う(ステップS116)。例えば、画像取得条件設定部59は、照明光軸に対する法線角度θを求め、光源輝度の調整値PLを式(6)により、拡散光の反射強度に合わせ算出する。
Figure 2014126381
ここで、P0は、「照明光軸との法線角度θ=0」の場合の光源輝度調整値である。
次に、形状測定装置100は、データ取得ピッチの算出を行う(ステップS117)。例えば、画像取得条件設定部59は、撮像光軸に対する法線角度φを求め、被測定面上のデータ取得ピッチが均等になるように、データ取得ピッチtを式(7)により算出する。
Figure 2014126381
ここで、t0は、「撮像光軸との法線角度φ=0」の場合のデータ取得ピッチである。
続いて、形状測定装置100は、スキャン速度(光切断プローブ2の移動速度)の算出を行う(ステップS118)。例えば、画像取得条件設定部59は、撮像光軸に対する法線角度φを求め、被測定面上のデータ取得ピッチが均等になるようにスキャン速度Vを算出する。
Figure 2014126381
ここで、V0は、「撮像光軸との法線角度φ=0」の場合の移動速度である。
このように、形状測定装置100は、光切断法による測定において、連続的に得られる画像から法線ベクトルの算出を行い、その法線ベクトルの情報を基に次画像取得のためのシャッタースピード、光源輝度、データ取得ピッチ、スキャン速度をリアルタイムに設定することで、最適な撮像条件で画像を取得することが可能となる。
また、形状測定装置100は、法線ベクトルの算出時に、予めCADデータ(設計情報)を基に得られる法線ベクトル方向から所定の範囲内の方向にある法線情報のみを使用することで、画像取得条件を設定する際の信頼性を保つことが可能となる。
そして、上記のステップS115からS118までの画像取得条件の設定処理が完了すると、次に、ステップS119に移行し、形状測定装置100は、ステップS117により設定したデータ取得ピッチに応じて、次画像取得の6軸の座標情報を計算する(ステップS119)。
このステップS119における6軸の座標情報の計算処理において、測定制御部56は、移動指令部57により、式(4)に示される演算方法によって算出された法線ベクトルNと、ベクトルV0及びV4とに基づいて、次の測定位置である次画像取得位置に向かう方向ベクトルDを算出する。
この方向ベクトルDは、式(9)として示される。
Figure 2014126381
また、記憶部55から読み出した、上述のステップS117において設定したデータ取得ピッチを測定対象3の表面のデータ取得ピッチtとすると、移動ベクトルMは、式(10)として示される。
Figure 2014126381
ここで、次画像を取得する位置を示す次画像取得位置ベクトルSを式(11)として示す。
Figure 2014126381
また、現在の画像取得位置のワールド座標を示す現画像取得位置のワールド座標位置ベクトルWを式(12)として示す。
Figure 2014126381
この現画像取得位置のワールド座標位置ベクトルWを式(12)として示す場合、次画像取得位置Sは、式(13)として示される。
Figure 2014126381
この場合におけるベクトル関連図を図8に示す。
図8では、本実施形態における現画像取得位置のワールド座標位置ベクトルWと次画像取得位置Sとの関係を示している。
また、ワールド座標における次画像取得位置Sでの6軸の座標P=[x y z a b c]の各成分は、測定制御部56によって次のように演算される。法線ベクトルNの各成分をN=[XN YN ZN]T(Tは転置ベクトルを示す)とすると、法線方向に光切断プローブ2を向けるための角度a及びbは、それぞれ式(14)及び式(15)として示される。
Figure 2014126381
なお、A回転軸131及びB回転軸132における各回転軸の回転行列をそれぞれMa、Mbとすると、A回転軸131及びB回転軸132の回転中心座標Oは、式(16)として示される。
Figure 2014126381
ここで、Lは、(a=b=0)である場合のA回転軸131及びB回転軸132の回転中心を基点として、C回転軸133の回転中心に向けてのベクトルを示し、ベクトルLのノルムをl(エル)とすると、ベクトルLは、式(17)として示される。
Figure 2014126381
したがって、測定制御部56は、次画像取得位置Sにおける6軸の座標Pを式(14)〜式(16)により算出することができる。
図4に戻り、次に、形状測定装置100は、移動指令部57により6軸を制御して、次画像取得位置に駆動部11を移動させる(ステップS120)。つまり、移動指令部57は、算出された6軸の座標Pを指令値として、駆動制御部54により駆動部11を移動させる。これにより、駆動制御部54は、駆動部11を検出値に応じて6軸の座標に移動させ、光切断プローブ2を次画像取得位置に移動させる。
また、測定制御部56は、移動させた次画像取得位置に対応する座標情報(光切断プローブ2の座標情報)を経路記憶部552に記憶させる。すなわち、測定制御部56は、座標算出部53に点群の位置情報を繰り返し検出させる際に、変更させた測定位置(相対位置)に対応する光切断プローブ2の座標情報を経路記憶部552に記憶させる。
次に、形状測定装置100は、ステップS107において、測定終了条件に達するまで、上述のステップS108〜S120を繰り返し処理させる。
そして、形状測定装置100は、ステップS107の処理において、測定終了条件に達したと判定された場合に、ステップS121の処理に移行し、形状測定装置100は、測定制御部56により、点群データをハードディスク61にセーブする(記憶させる)。つまり、測定制御部56は、形状記憶部551に記憶されている測定対象3の形状情報である点群データをハードディスク61に記憶させる。
なお、測定制御部56は、経路記憶部552に記憶されている経路情報(上述の相対位置の経路)をハードディスク61に記憶させてもよい。
また、測定制御部56は、再び座標算出部53に測定対象3の形状を検出させる場合に、経路記憶部552から読み出した経路情報に基づいて光切断プローブ2の座標情報を変更させて、座標算出部53に点群の位置情報を繰り返し検出させてもよい。この場合、測定制御部56は、ハードディスク61に記憶されている経路情報を読み出して使用してもよいし、ハードディスク61に記憶されている経路情報を経路記憶部552に記憶させて、使用してもよい。
次に、本実施形態による形状測定装置100が、測定対象3としての球体の形状を測定する場合の一例について説明する。
図10は、本実施形態の形状測定装置100における球体の測定例を示す図である。
この図において、形状測定装置100は、測定制御部56が測定位置P3から測定位置P6まで光切断プローブ2を移動して、測定対象3(球体)の形状を測定する。なお、測定経路R1は、測定位置P3から測定位置P6までの測定を行う際の経路を示す。
この図に示すように、ユーザによって、測定位置P3(測定開始位置)に光切断プローブ2が移動され、光切断線の照射方向が指定された場合、測定制御部56は、測定対象3(球体)の法線方向を算出する。次に、測定制御部56は、算出した法線方向、光切断線の照射方向、及びデータ取得ピッチに基づいてプローブ角度を含む次画像取得位置を計算して、測定経路R1に示すように、連続的に計測を実行させる。また、測定制御部56は、画像取得条件設定部59により、最適な画像が得られるようにシャッタースピード等の画像取得条件を制御する。
そして、測定制御部56は、測定終了条件に達した場合(測定位置P6)に、測定動作を終了させる。
ここで、図9に示すように、測定位置P3から測定位置P6の各測定位置において、測定制御部56は、光切断プローブ2の最適な相対位置(測定位置及び姿勢(向き))を維持するともともに、最適な画像が得られるように画像取得条件を制御しながら、光切断プローブ2を移動させる。つまり、測定制御部56は、最適なワーキングディスタンスと、最適な光切断プローブ2の向きと、最適な画像取得条件の設定と、を維持させながら、光切断プローブ2を移動させる。なお、光切断線を法線方向から照射する場合、光切断線の短手方向幅が、最も狭くなるため、最も精度よく測定することができる。
(複雑な形状の測定対象3を測定する場合の一例)
次に、本実施形態による形状測定装置100が、複雑な形状の測定対象3を測定する場合の一例について説明する。
図11は、本実施形態における複雑な形状の測定例を示す図である。
この図において、形状測定装置100は、測定制御部56が測定位置P10から測定位置P15まで光切断プローブ2をX方向に移動して測定する。なお、測定経路R2は、測定位置P10から測定位置P15までの測定を行う際の経路を示す。ここで、本実施形態による形状測定装置100では、測定制御部56は、測定位置P10から測定位置P15まで光切断線を測定対象3の法線に近い角度で照射するように光切断プローブ2の制御をする。
例えば、測定位置P11において、測定制御部56は、光切断線を測定対象3の法線に近い角度で照射するように、光切断プローブ2の位置及び姿勢を駆動部11により変更させる。また、測定制御部56は、測定位置P12から測定位置P15においても、測定位置P11と同様に、最適なワーキングディスタンスと、最適な光切断プローブ2の向きとを維持させながら、光切断プローブ2を移動させる。また、測定制御部56は、画像取得条件設定部59により、測定位置P10から測定位置P15において、光切断プローブ2による画像取得条件を最適に設定する。
例えば、測定位置P12と測定位置P13に示すように、面の傾き(法線ベクトルの方向)が急峻に変化する場合においては、撮像部22により受光する光量が変化することがあり、また、同じスキャン間隔(データ取得ピッチ)で撮像を行うと撮像面の広さに応じて、単位面積あたりの撮像画像のスキャン間隔が変化することがある。このような場合に、本実施形態の形状測定装置100では、撮像面の状態に応じて、画像取得条件(例えばシャッタースピードや、データ取得ピッチ)を最適に設定することができる。
以上のように、本実施形態による形状測定装置100は、測定対象(被測定物)3に光切断プローブ2からライン光を照射し、このライン光を撮像する。そして、形状測定装置100は、ライン光の撮像画像から測定対象3の測定面の法線方向(面の傾斜情報)を示す法線ベクトルを算出し、この法線ベクトルの情報に基づいて、測定時の光切断プローブ2の姿勢を制御する。また、形状測定装置100は、上記法線ベクトルとライン光の撮像方向とに基づいて、撮像部22のシャッタースピードや、投光部21が射影するライン光の明るさや、撮像部22における撮像頻度(単位時間当たりの測定画像の撮像回数)や、光切断プローブ2の移動速度(スキャン速度)等を設定する。
このように、測定制御部56が光切断プローブ2の光切断プローブ2の位置と画像取得条件とを最適な状態になるように制御するので、本実施形態による形状測定装置100は、複雑な形状の測定対象3に対して精度を高めて形状測定を行うことができる。
[本実施形態の形状測定装置100の変形例]
上述した形状測定装置100では、法線ベクトルを算出し、この法線ベクトルの向きとライン光の照射方向とが一致するように光切断プローブ2の姿勢を制御するとともに、法線ベクトルの向きに応じて画像取得条件を制御する例について説明した。しかしながら、本発明の形状測定装置は、これに限定されず、例えば、図12に示すように、照明光軸L1の照射方向(照射角度)と法線ベクトル方向とを一致させることなく、一定の照射角度まま照明光軸L1を測定面に照射して撮像を行う場合においても効果的に適用できるものである。
例えば、形状測定装置100が、図12に示すような複雑な形状の測定対象3を測定する場合、次のような問題が発生する場合がある。
例えば、光切断プローブ2における画像取得条件を測定位置P10のような平面形状を測定する場合に合わせて設定すると、測定位置P8のような傾斜形状を測定する場合には、図12(a)に示すように、照明光軸L1と撮像光軸L2とを2分する角度に測定対象3の表面の法線ベクトルが位置するため、撮像部22で撮像される表面から投光部からの正反射光が撮像部22に入射するため、極端に強い光が入射してしまい、正しい形状測定が行えない場合がある。また、測定位置P9のような形状を測定する場合、図12(b)に示すように、光切断線の撮像角度が大きく平坦な波形として捉えられ、撮像画像が暗くなる場合がある。また、測定位置P9のような形状を測定する場合、測定面の面積が広くなり、同じスキャン間隔(データ取得ピッチ)で撮像を行うと、測定面の単位面積あたりの撮像画像の枚数が少なくなることがある。
すなわち、法線ベクトルに基づいて、ライン光の照射方向を制御しない場合においては、面の傾き(法線ベクトルの方向)に応じてライン光の照射方向が変化することにより、撮像部22により受光する光量が大きく変化する。また、測定面に対して同じスキャン間隔(データ取得ピッチ)で撮像を行うと撮像面の広さに応じて、測定面の単位面積あたりの撮像画像のデータ取得間隔(データ取得ピッチ)が変化することになる。このような場合においても、本実施形態の形状測定装置100では、画像取得条件設定部59により、撮像面の法線ベクトル(傾斜情報)に応じて、シャッタースピードや、発光輝度や、データ取得ピッチや、スキャン速度(移動速度)等を制御することにより、複雑な形状の被測定物に対して精度を高めて測定することが可能になる。
以上説明したように、本実施形態の形状測定装置100では、撮像される被測定物の表面の傾きを法線ベクトルにより検出し、この傾きに応じて、シャッタースピードやデータ取得ピッチ等の画像取得条件を調整することができる。これにより、本実施形態の形状測定装置100では、明るさにムラのない撮像画像を得ることができるとともに、撮像面の単位面積当たりデータ取得ピッチ(サンプリング密度)を均一にすることができる。このため、本実施形態の形状測定装置100では、複雑な形状の被測定物に対して精度を高めて形状測定を行うことができる。
また、本実施形態の形状測定装置100では、画像取得条件をリアルタイムで設定することが可能であり、測定対象3の撮像面が急峻に変化する場合においても、撮像面の状態に応じてシャッタースピードやデータ取得ピッチ等をリアルタイムに変更することにより、ムラのない均一の撮像画像を取得することができる。
なお、上述した形状測定装置100では、測定対象3の面の傾きを測定位置での法線ベクトルを算出することにより検出しているが、例えば、測定位置での接線を算出することにより検出するようにしてもよい。
[構造物製造システムの例]
次に、上述した形状測定装置100を備えた構造物製造システムについて説明する。
図13は、本発明の実施形態による形状測定装置100を備える構造物製造システム200の構成を示すブロック図である。構造物製造システム200は、上述した形状測定装置100と、設計装置110と、成形装置120と、制御装置(検査装置)150と、リペア装置140とを備える。
設計装置110は、構造物の形状に関する設計情報を作製し、作成した設計情報を成形装置120に送信する。また、設計装置110は、作成した設計情報を制御装置150の後述する座標記憶部151に記憶させる。ここで、設計情報とは、構造物の各位置の座標を示す情報である。
成形装置120は、設計装置110から入力された設計情報に基づいて上記構造物を作製する。成形装置120の成形工程には、鋳造、鍛造、または切削等が含まれる。
形状測定装置100は、作製された構造物(測定対象3)の座標を測定し、測定した座標を示す情報(形状情報)を制御装置150へ送信する。
制御装置150は、座標記憶部151と、検査部152とを備える。座標記憶部151には、前述の通り、設計装置110により設計情報が記憶される。検査部152は、座標記憶部151から設計情報を読み出す。検査部152は、形状測定装置100から受信した座標を示す情報(形状情報)と座標記憶部151から読み出した設計情報とを比較する。
検査部152は、比較結果に基づき、構造物が設計情報通りに成形されたか否かを判定する。換言すれば、検査部152は、作成された構造物が良品であるか否かを判定する。
検査部152は、構造物が設計情報通りに成形されていない場合、修復可能であるか否か判定する。修復できる場合、検査部152は、比較結果に基づき、不良部位と修復量を算出し、リペア装置140に不良部位を示す情報と修復量を示す情報とを送信する。
リペア装置140は、制御装置150から受信した不良部位を示す情報と修復量を示す情報とに基づき、構造物の不良部位を加工する。
図14は、構造物製造システム200による処理の流れを示したフローチャートである。
まず、設計装置110が、構造物の形状に関する設計情報を作製する(ステップS201)。次に、成形装置120は、設計情報に基づいて上記構造物を作製する(ステップS202)。次に、形状測定装置100は、作製された上記構造物の形状を測定する(ステップS203)。次に、制御装置150の検査部152は、形状測定装置100で得られた形状情報と、上記設計情報とを比較することにより、構造物が設計情報通りに作成されたか否か検査する(ステップS204)。
次に、制御装置150の検査部152は、作成された構造物が良品であるか否かを判定する(ステップS205)。作成された構造物が良品である場合(ステップS205;YES)、構造物製造システム200はその処理を終了する。一方、作成された構造物が良品でない場合(ステップS205;NO)、制御装置150の検査部152は、作成された構造物が修復できるか否か判定する(ステップS206)。
作成された構造物が修復できると検査部152が判断した場合(ステップS206;YES)、リペア装置140は、構造物の再加工を実施し(ステップS207)、ステップS203の処理に戻る。一方、作成された構造物が修復できないと検査部152が判断した場合(ステップS206;NO)、構造物製造システム200はその処理を終了する。以上で、本フローチャートの処理を終了する。
以上により、上記の実施形態における形状測定装置100が複雑な形状の被測定物に対して精度を高めて測定することができるので、構造物製造システム200は、作成された構造物が良品であるか否かを正確に判定することができる。また、構造物製造システム200は、構造物が良品でない場合、構造物の再加工を実施し、修復することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明と上述した実施形態との対応関係について補足して説明する。すなわち、本発明における形状測定装置は、形状測定装置100が対応し、本発明における投光部は、光切断プローブ2の投光部21が対応し、本発明における撮像部は、光切断プローブ2の撮像部22が対応する。また、本発明における算出部は、測定制御部56内の法線算出部58が対応し、本発明における設定部は、測定制御部56内の画像取得条件設定部59が対応する。
また、本発明における測定部は、座標算出部(点群データ算出部)53が対応し、本発明における移動部は、測定制御部56の移動指令部57が対応する。また、本発明における選択部は、画像取得条件設定部59内の選択部59Aが対応し、本発明における識別部は、画像取得条件設定部59内の識別部59Bが対応する。また、本発明における測定対象は、測定対象3が対応する。
また、本発明における光束は、投光部21が測定対象(被測定物)3に投光(照射)するライン光が対応する。本発明における測定光は、光束が測定対象3表面に投光されて生じる反射光(例えば、散乱光)が対応する。
(1)そして、上記実施形態において、形状測定装置100は、光束を測定対象に投光する投光部21と、光束が投光されている測定対象3の表面を測定画像として撮像する撮像部22と、撮像された測定画像に含まれる、測定対象3の表面に生じた測定光の当該測定画像内の位置に基づいて、表面の傾斜情報を算出する算出部(法線算出部58)と、算出された傾斜情報に基づいて、測定画像に含まれる測定光の明るさに応じた撮像状態を設定する設定部(画像取得条件設定部59)と、設定された撮像状態に応じて撮像され測定画像に含まれる測定光の前記位置に基づいて、表面の形状を測定する測定部(座標算出部53)と、を備える。
このような構成で形状測定装置100では、投光部21により、測定対象3に光束(ライン光)を投光し、撮像部22により、ライン光が投光されている測定対象3の表面を測定画像として撮像する。そして、法線算出部58は、連続する2枚のライン光の撮像画像から測定対象3の測定面の法線方向(面の傾斜情報)を示す法線ベクトルを算出し、画像取得条件設定部59は、この法線ベクトルに基づいて、シャッタースピードやデータ取得ピッチ等の画像取得条件や投光部21による光束の明るさを設定する。
これにより、形状測定装置100は、複雑な形状の測定対象3に対して精度を高めて形状測定を行うことができる。
(2)また、上記実施形態において、設定部(画像取得条件設定部59)は、算出された傾斜情報に基づいて、測定画像を検出する時間幅を撮像状態として設定し、測定部(座標算出部53)は、設定された時間幅に応じて撮像された測定画像に含まれる測定光の位置に基づいて、表面の形状を測定する。
このような構成の形状測定装置100では、算出部(法線算出部58)が、連続的に得られる画像から法線ベクトルの算出(面の傾斜情報の検出)を行い、設定部(画像取得条件設定部59)が、その傾斜情報を基に測定画像を検出する時間幅(例えば、シャッタースピード)を設定する。すなわち、被測定物の形状(面の傾き)が急峻に変化する場合に、撮像部22で検出する散乱光の明るさが変化するので、この散乱光の明るさに応じて測定画像を検出する時間幅(例えば、シャッタースピード)を設定する。
これにより、形状測定装置100は、被測定物が複雑な形状である場合など、被測定物の形状(面の傾き)が急峻に変化する場合においても、連続的に撮像する撮像画像の明るさにムラが発生することを回避することができる。このため、形状測定装置100は、複雑な形状の測定対象3に対して精度を高めて形状測定を行うことができる。
(3)また、上記実施形態において、設定部(画像取得条件設定部59)は、算出された傾斜情報に基づいて、測定光の明るさを撮像状態として設定し、測定部(座標算出部53)は、撮像された測定画像に含まれる測定光の位置に基づいて、表面の形状を測定する。
このような構成の形状測定装置100では、算出部(法線算出部58)が、連続的に得られる画像から法線ベクトルの算出(面の傾斜情報の検出)を行い、設定部(画像取得条件設定部59)が、その傾斜情報を基に、投光部21の光源輝度値を設定する。
これにより、形状測定装置100は、被測定物が複雑な形状である場合など、被測定物の形状(面の傾き)が急峻に変化する場合に、連続的に撮像する撮像画像の明るさにムラが発生することを回避することができる。このため、形状測定装置100は、複雑な形状の測定対象3に対して精度を高めて形状測定を行うことができる。
(4)また、上記実施形態において、設定部(画像取得条件設定部59)は、算出された傾斜情報に基づいて、測定画像の撮像頻度を撮像状態として設定し、測定部(座標算出部53)は、設定された撮像頻度に応じて撮像された測定画像に含まれる測定光の位置に基づいて、表面の形状を測定する。
このような構成の形状測定装置100では、算出部(法線算出部58)が、連続的に得られる画像から法線ベクトルの算出(面の傾斜情報の検出)を行い、設定部(画像取得条件設定部59)が、その傾斜情報を基に、画像取得のための撮像頻度(単位時間当たりの測定画像の撮像回数)を設定する。
これにより、形状測定装置100は、被測定物が複雑な形状である場合など、被測定物の形状(面の傾き)が急峻に変化する場合においても、測定対象の面の単位面積あたりの取得画像の枚数を一定に保つことができる。このため、形状測定装置100は、複雑な形状の測定対象3に対して精度を高めて形状測定を行うことができる。
(5)また、上記実施形態において、形状測定装置100は、測定対象3と撮像部22との相対位置を変える移動部(移動指令部57)を備え、設定部(画像取得条件設定部59)は、算出された傾斜情報に基づいて、測定対象3と撮像部22との相対的な移動速度を撮像状態として設定し、測定部(座標算出部53)は、設定された移動速度に従って移動部(移動指令部57)が上記相対位置を変える上記測定対象3が撮像された測定画像に含まれる測定光の位置に基づいて、表面の形状を測定する。
このような構成の形状測定装置100では、算出部(法線算出部58)が、連続的に得られる画像から法線ベクトルの算出(面の傾斜情報の検出)を行い、設定部(画像取得条件設定部59)が、その傾斜情報を基に、測定対象3と撮像部22との相対的な移動速度を設定する。
これにより、形状測定装置100は、被測定物が複雑な形状である場合など、被測定物の形状(面の傾き)が急峻に変化する場合に、測定対象3の測定面の単位面積あたりの取得画像の枚数を一定に保つことができる。このため、形状測定装置100は、複雑な形状の測定対象3に対して精度を高めて形状測定を行うことができる。
(6)また、上記実施形態において、形状測定装置100は、測定対象3の形状を示す形状情報に基づいて、算出部(法線算出部58)が算出する傾斜情報の中から設定部(画像取得条件設定部59)が上記撮像状態の設定の基にする傾斜情報を選択する選択部59Aを備え、設定部(画像取得条件設定部59)は、算出された傾斜情報の中から選択部59Aが選択した傾斜情報に基づいて、撮像部22が撮像する測定画像の撮像状態を設定する。
このような構成の形状測定装置100では、画像取得条件設定部59が、選択部59Aを備える。この選択部59Aは、法線算出部58により算出された法線ベクトル(傾斜情報)と、測定対象3のCADデータ(設計情報)に基づいて得られる法線ベクトルの情報とを比較し、法線算出部58が算出する法線ベクトルの中から画像取得条件設定部59が撮像状態を設定する際に使用する有効(正常)な法線ベクトル(傾斜情報)を選択する。すなわち、画像取得条件設定部59は、法線ベクトルの算出時に、この算出した法線ベクトルの方向が、測定対象3のCADデータから得られる法線ベクトルの方向から所定の範囲内の方向にあるか否かを比較し、所定の範囲内の方向にある法線ベクトルのみを使用する。
これにより、形状測定装置100は、法線算出部58により算出(検出)した法線ベクトルを、CADデータを基に正常な法線ベクトルであるか否かを判定することができる。このため、形状測定装置100は、異常な法線ベクトルを基に画像取得条件が設定されることを回避することができる。このため、形状測定装置100は、複雑な形状の測定対象3の形状測定を行う場合に、精度を高めて形状測定を行うことができる。
(7)また、上記実施形態において、形状測定装置100は、算出部(法線算出部58)が算出する傾斜情報の中から選択部59Aが選択しなかった傾斜情報を、設定部(画像取得条件設定部59)が上記撮像状態の設定の基にしない情報として識別する識別部59Bを備える。
このような構成の形状測定装置100では、画像取得条件設定部59が、識別部59Bを備える。この識別部59Bは、法線算出部58が算出する法線ベクトル(傾斜情報)の中から選択部59Aが選択しなかった法線ベクトル(傾斜情報)を、異常な法線ベクトルの情報として識別する。そして、形状測定装置100は、この異常な法線ベクトを異常値として特有の後処理を行う。例えば、形状測定装置100は、異常な法線ベクトが検出された位置における点群データを生成するが、点群データの情報に法線ベクトル異常の情報を付加する。例えば、形状測定装置100は、異常な法線ベクトルが検出された位置で得られた点群データを、正常な法線ベクトル検出された位置で得られた点群データと色分けしてモニタ44に表示する。
(8)また、上記実施形態において、構造物製造システム200は、構造物の形状に関する構造物設計情報を作製する設計装置110と、構造物設計情報に基づいて構造物を作製する成形装置120と、作成された構造物の形状を、撮像画像に基づいて測定する形状測定装置100と、測定によって得られた形状情報と、構造物設計情報とを比較する検査装置(制御装置150)とを含む。
これにより、構造物製造システム200は、形状測定装置100が複雑な形状の測定対象3に対して精度を高めて形状測定を行うことができるので、構造物製造システム200は、作成された構造物が良品であるか否かを正確に判定することができる。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
また、上記の実施形態の形状測定装置100において、演算処理部41の各部は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、メモリ及びCPU(Central Processing Unit)を備えて、プログラムによって実現されてもよい。
また、上述の形状測定装置100は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した測定対象3の形状を測定する処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の形状測定装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
2…光切断プローブ、3…測定対象、13…回転機構、14…ヘッド駆動部、21…投光部、22…撮像部、51…座標検出部、52…間隔調整部、53…座標算出部(測定部)、54…駆動制御部、55…記憶部、56…測定制御部、57…移動指令部(移動部)、58…法線算出部(算出部)、59…画像取得条件設定部(設定部)、59A…選択部、59B…識別部、100…形状測定装置、551…形状記憶部、552…経路記憶部、553…CADデータ記憶部

Claims (11)

  1. 測定光束を測定対象に投光する投光部と、
    前記測定光束が投光されている前記測定対象の表面を撮像する撮像部と、
    撮像された測定画像に含まれる、前記測定対象の表面に投光された測定光束による像の位置に基づいて、前記表面の形状を算出する形状算出部と、
    前記形状算出部から得られた情報に基づき前記表面の傾斜方向を示す傾斜情報を算出する傾斜情報算出部と、
    算出された前記傾斜情報に基づいて、前記測定画像の撮像条件または前記投光部の投光条件を設定し、前記撮像部又は前記投光部を制御する制御部と
    を有し、
    前記形状算出部は、前記制御部で設定された前記撮像条件で撮像された前記測定画像に基づいて、前記表面の形状を算出する
    形状測定装置。
  2. 前記制御部は、
    算出された前記傾斜情報に基づいて、前記測定画像を検出する露出時間幅を前記撮像条件として設定し、
    前記形状算出部は、
    設定された前記露出時間幅に応じて撮像された前記測定画像に含まれる前記測定光束による像の位置に基づいて、前記表面の形状を算出する
    請求項1に記載の形状測定装置。
  3. 前記制御部は、
    算出された前記傾斜情報に基づいて、前記測定光束の明るさを前記投光部の投光条件として設定し、
    前記形状算出部は、
    前記制御部で設定された前記測定光束の明るさを有する前記測定光束による像の位置に基づいて、前記表面の形状を測定する
    請求項1または請求項2に記載の形状測定装置。
  4. 前記測定対象と前記撮像部との相対位置を変える移動部
    を備え、
    前記制御部は、
    算出された前記傾斜情報に基づいて、前記測定対象の測定間隔を前記撮像条件として設定し、前記移動部の移動制御とともに前記撮像部の撮影タイミングを制御する
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の形状測定装置。
  5. 前記測定対象と前記撮像部との相対位置を変える移動部
    を備え、
    前記移動部により前記撮像部で撮像される測定対象の表面の位置が変わる毎に、前記傾斜情報算出部により、前回までの前記形状算出部による形状算出結果に基づき、前記表面の傾斜方向を示す傾斜情報を算出し、
    前記制御部は、前記傾斜情報算出部で取得された傾斜情報を基に、前記撮像部の撮影条件及び前記投光部の投光条件を制御し、
    前記撮像部は、前記制御部で設定された撮影条件又は投光条件で、今回の測定される表面の測定画像を取得し、
    前記形状算出部は、前記今回の測定される表面の形状データを、前記今回の測定画像に基づき、算出する
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の形状測定装置。
  6. 前記測定対象の形状を示す形状情報に基づいて、前記傾斜情報算出部が算出する前記傾斜情報の中から前記制御部が前記撮像条件の設定の基にする前記傾斜情報を選択する選択部
    を備え、
    前記制御部は、
    算出された前記傾斜情報の中から前記選択部が選択した前記傾斜情報に基づいて、前記撮像部が撮像する前記測定画像の撮像条件を設定する
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の形状測定装置。
  7. 前記傾斜情報算出部が算出する前記傾斜情報の中から前記選択部が選択しなかった前記傾斜情報を、前記制御部が前記撮像条件の設定の基にしない情報として識別する識別部
    を備える請求項6に記載の形状測定装置。
  8. 構造物の形状に関する構造物設計情報を作製する設計装置と、
    前記構造物設計情報に基づいて前記構造物を作製する成形装置と、
    作成された前記構造物の形状を、測定画像に基づいて測定する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の形状測定装置と、
    前記測定によって得られた形状情報と、前記構造物設計情報とを比較する検査装置と、
    を含む構造物製造システム。
  9. 測定光束を測定対象に投光する投光ステップと、
    前記測定光束が投光された前記測定対象の表面を撮像する撮像ステップと、
    撮像された測定画像に含まれる前記測定光束の当該測定画像内の位置に基づいて、前記表面の形状を算出する形状算出ステップと、
    前記形状算出ステップで得られた前記表面の形状から、前記表面の傾斜方向を示す傾斜情報を算出する傾斜算出ステップと、
    算出された前記傾斜情報に基づいて、前記撮像ステップにおいて測定画像を撮像させる撮像条件または前記投光する測定光束の投光条件を設定して、前記設定された撮影条件または投光条件となるように制御する制御ステップとを有し、
    前記形状算出ステップは、設定された前記撮像条件または投光条件で撮像された前記測定画像に基づいて、前記表面の形状を算出する形状測定方法。
  10. 構造物の形状に関する構造物設計情報を作製することと、
    前記構造物設計情報に基づいて前記構造物を作製することと、
    作成された前記構造物の形状を、請求項9に記載の形状測定方法を用いて生成した測定画像に基づいて測定することと、
    前記測定によって得られた形状情報と、前記構造物設計情報とを比較することと、
    を含む構造物製造方法。
  11. 形状測定装置のコンピュータに、
    測定光束を測定対象に投光する投光ステップと、
    前記測定光束が投光された前記測定対象の表面を測定画像として撮像する撮像ステップと、
    撮像された前記測定画像に含まれる前記測定光束の当該測定画像内の位置に基づいて、前記表面の形状を算出する形状算出ステップと、
    前記形状算出ステップで得られた前記表面の形状から、前記表面の傾斜方向を示す傾斜情報を算出する算出ステップと、
    算出された前記傾斜情報に基づいて、前記撮像ステップにおいて測定画像を撮像させる撮像条件または前記測定対象に投光される前記測定光束の投光条件を設定して、前記設定された撮影条件または投光条件となるように制御する制御ステップとを有し、
    前記形状算出ステップは、設定された前記撮像条件または前記投光条件で撮像された前記測定画像に基づいて、前記表面の形状を算出すること
    を実行させるための形状測定プログラム。
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