JP2012218615A - 車両用ドア - Google Patents

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Abstract

【課題】 アウタパネル2とインナパネル3とが異種材で構成された車両用ドアにおいて、その端部における電食の抑制、並びに接着剤5のはみ出しを確実に防止することによる生産性の向上を課題とする。
【解決手段】 インナパネル3とアウタパネル2のドア外面を形成するアウタパネル本体部22との間に上下方向に長い幅狭の接着剤溜り8を設けることによって、アウタパネル2とインナパネル3との間での電食を抑制し、かつ接着剤5のはみ出しを防止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、アウタパネルとインナパネルとを備えてなる車両用ドアに関するものである。
自動車による環境負荷を低減する方法としては、駆動源であるエンジンを低燃費化すること、モータとエンジンとを併用すること、および電気自動車とすることなどが考えられるが、車両の軽量化も燃費低減、ひいては環境負荷低減への寄与度が大きい。そこで、車体鋼板材料の高張力化による薄板化、軽合金材であるアルミニウム合金材の適用や、樹脂材料の適用などが検討されている。
一方、自動車は高い安全性能が求められるところ、フレームなどの骨格部品は鋼材で、パネル部品はアルミニウム合金材や樹脂材、またはインナとアウタとの組み合わせからなる部品、例えば、ドア、ボンネット、トランクリッドなどのクロージャ部品では鋼材とアルミニウム合金材または樹脂材とを組み合わせることが考えられ、インナパネルとアウタパネルとが互いに異なる材料で構成される場合がある。
このうち、車両用ドアにおいてアウタパネルとインナパネルとを異種金属材で構成する場合、ドア下端部には雨水や洗車時の水が一時的に溜まることに起因して電池回路が形成される。そうして、電気的に接続する二種類の材料のうち、腐食電位が卑なる材料が用いられたパネルがプラス側となり、プラス側の材料の表面がイオン化して腐食しやすくなる、すなわち、電食を起こしやすくなることが知られている。そこで、異種金属の材料からなる部材を組み付ける場合には、異種金属同士の接触による電食を防止するために、互いに絶縁させて電気的に接続させないようにし、電食が起こりにくい構造とする配慮が望まれる。
例えば、特許文献1では、図3に示されるように、車外側に配設されるアウタパネル102と、車内側に配設されるインナパネル103とを有し、アウタパネル102にヘミング加工を施すことでインナパネル103の周縁部131を結合する折返し部121を備えた車両のドア構造において、折返し部121に隣接して形成され、アウタパネル102とインナパネル103との間隙に接着剤105が充填される溜り形状部108が設けられる構造が記載されている。具体的には、溜り形状部108は、アウタパネル102と、インナパネル103に形成され、周縁部131から連続して形成されるとともに車外に対して離反した方向に延出される第一離反部136から構成されている。そして、インナパネル103は、第一離反部136から連続して形成されるとともに略鉛直方向に漸近させて形成される第二離反部137をさらに有する。
また、異種金属を用いるとは記載されていないが、特許文献2では、アウタパネルにヘミング加工を施すことでインナパネルの周縁部を結合するヘミング加工部を備えた車両のドア構造において、ヘミング加工部よりも上方部のインナパネルを車室内側に突出させ、またはアウタパネルを車室外側に突出させて、アウタパネルとインナパネルとの間に車両前後方向に延出した閉断面部を形成し、該閉断面部内に発泡性シール材を充填したドア構造が開示されている。
特開2009−35178号公報 実開昭60−136218号公報
電食対策として有効な方法は、例えば、軽合金材と鋼板材との間に接着剤をシール材として介在させることである。しかし、通常、接着剤には比較的高粘性な非水溶性有機化合物が用いられており、このような接着剤を電食が発生しやすい部分に全面にわたって塗布してアウタパネルをヘミング加工すると、接着剤の一部がはみ出してしまい、この状態で、水洗(シャワー)工程に入るとはみ出した接着剤はその水圧で飛び散る。この飛び散りは外観を損ねるばかりでなく、これを拭き取るにしても比較的高粘性であること、非水溶性であることなどから生産性が大きく低下する。また、ヘミング加工用治具や装置の一部にもはみ出した接着剤が付着するので、次第にヘミング加工の精度が低下する問題も生じる。
また、特許文献1では、図3に示されるように、アウタパネル102とインナパネル103とが上下方向にそれぞれ延びる構造とされており、折返し部121よりも上部において、アウタパネル102とインナパネル103との間にはみ出した接着剤105が溜り形状部108に溜まる構造とされていたが、この溜り形状部108は上方に向かうに従って車幅方向に広くなる。すなわち、両パネル間を高さ方向(上下方向)において十分にシールできず、両パネルにおいて接着剤5の接着面積が小さくなる。その結果、接着強度が小さくなり、また両パネルの電食を抑制できないおそれがある。
さらに、特許文献1の車両用ドアに、インナパネル103下端部とヘミング加工されたアウタパネル102上端部とをシールするシーラ106を塗布すると、塗布面には折返し部121と車室内側に延びる第一離反部136との段差のためにシーラの表面が平坦にならずいびつな形状になる。また、特許文献2の車両用ドアにも同様にシーラを塗布すると、同様の段差に起因してシーラがいびつな形状になる。その結果、シーラの見映えが悪くなる。
本発明は、インナパネルとアウタパネルとが異種材で構成された車両用ドアにおいて、その端部における電食の抑制、並びに接着剤のはみ出しを確実に防止することによる生産性の向上を課題とする。また、本発明の別の課題は、インナパネルの下端部とヘミング加工されたアウタパネルの上端部とをシールするシーラの見映えの向上を図ることにある。
本発明は上記課題を解決するために、インナパネルとアウタパネルのドア外面を形成するアウタパネルの本体部との間に上下方向に長い(深い)幅狭の接着剤溜りを設けることによって、アウタパネルとインナパネル(以下、両パネルという)との間での電食を抑制し、かつ接着剤のはみ出しを防止するようにしたものである。
請求項1の発明は、アウタパネルとインナパネルとが異種材で構成された車両用ドアであって、アウタパネルの下端部がインナパネルの下端部を覆うように車室内側に折り返すヘミング加工が施されるとともに、該折返し部位においてアウタパネルとインナパネルとの間には接着剤が設けられており、インナパネルは、アウタパネルの車室内側に折り返された折返し部で覆われた下端部に続いて、アウタパネルのドア外面を形成する本体部から離反する方向に傾斜して上方へ延びるインナパネル第一傾斜部と、該インナパネル第一傾斜部に続いてアウタパネルの本体部に向かって傾斜して上方へ延びるインナパネル第二傾斜部とを備え、アウタパネルの本体部に対向するインナパネル第一傾斜部とインナパネル第二傾斜部とが成す角度が鈍角であり、インナパネル第一傾斜部およびインナパネル第二傾斜部と、アウタパネルの本体部とで形成される隙間が接着剤溜りとされたものである。
接着剤溜りを形成するインナパネル第一傾斜部とインナパネル第二傾斜部とが成す角度が鈍角であるため、アウタパネルの本体部とインナパネル第一傾斜部とが成す角度、およびアウタパネルの本体部とインナパネル第二傾斜部とが成す角度が鋭角となるので、接着剤溜りは幅狭で上下方向に延びた形になる。したがって、インナパネルの下端部とアウタパネルの本体部との間からはみ出した接着剤を、接着剤溜りに受け入れて、両パネルの間を高さ方向において十分にシールでき、その結果、両パネルの接着強度の強化を図るとともに、両パネルの電食を抑制することができる。さらに、接着剤溜りを形成することによって、接着剤の塗布ムラにかかわらず、接着剤溜りからの接着剤のはみ出しを防止することができる。
また、アウタパネルの車室内側に折り返された折返し部は、インナパネルから離反する方向に傾斜して上方に延びるアウタパネル第一傾斜部と、該アウタパネル第一傾斜部に続いてインナパネル側に向かって傾斜して上方に延びるアウタパネル第二傾斜部とを備え、インナパネルに対向するアウタパネル第一傾斜部とアウタパネル第二傾斜部とが成す角度が鈍角であることが好ましい。
上記接着剤溜り(以下、外側接着剤溜りという)と同様に、アウタパネルの第一傾斜部および第二傾斜部と、インナパネルの下端部とで形成される隙間(以下、内側接着剤溜りという)は幅狭で上下方向に延びた形状になるので、インナパネルの下端からインナパネルとアウタパネルの折返し部との間にはみ出した接着剤を、内側接着剤溜りに受け入れられる。よって、内側接着剤溜りにおいて両パネルの間を高さ方向において十分にシールでき、その結果、折返し部上端からの接着剤のはみ出しを防止しつつ、両パネルの接着強度の強化を図るとともに、両パネルの電食を抑制することができる。
さらに、シーラをアウタパネルの折返し部とインナパネルとに跨るように塗布する場合に、シーラをその表面に段差を生じることなく平坦な形状に塗布することが容易になり、見映えを向上させることができる。なぜなら、インナパネルから離反する方向に傾斜して上方に延びるアウタパネル第一傾斜部と、該アウタパネル第一傾斜部に続いてインナパネル側に向かって傾斜して上方に延びるアウタパネル第二傾斜部とを備えることにより、アウタパネル第二傾斜部とインナパネル第二傾斜部との段差は小さく、あるいは段差を零にすることができるからである。
また、アウタパネルの折返し部と、インナパネル第一傾斜部と、インナパネル第二傾斜部とに跨るようにシーラが塗布されているものが好ましい。このようにシーラを塗布しても、表面に段差を生じることなくシーラを塗布することが容易であり、シーラの見映えを良くすることができる。
接着剤にはビーズが含有され、アウタパネルの本体部とインナパネルとの対向面間にビーズが介在しているのが好ましい。ビーズを含有した接着剤を用いることにより、ヘミング加工時にアウタパネルとインナパネルとの両パネルにビーズを食い込ませ、それによって、両パネルがずれないように相互に機械的に固定でき、塗装工程での両パネルの熱変形を抑制することができる。
アウタパネルは軽合金材で形成され、インナパネルは鋼材で形成されているのが好ましい。
接着剤溜りの接着剤よりも上方のインナパネルに排水孔が形成されているのが好ましい。排水孔から接着剤が見えないように形成することによって、見映えの向上を図ることができる。
本発明では、インナパネルとアウタパネルのドア外面を形成するアウタパネルの本体部との間隙を接着剤溜りとして接着剤を溜めており、インナパネル第一傾斜部およびインナパネル第二傾斜部を備えることにより接着剤溜りは幅が狭く上下方向に延びた形状になるので、インナパネルの下端部とアウタパネルの本体部との対向面間からはみ出した接着剤によって、両パネルの間を高さ方向において十分にシールでき、両パネルの接着強度の強化を図るとともに、両パネルの電食を抑制することができる。また、接着剤溜りに接着剤を溜めることによって、接着剤のはみ出しを防止することができる。
本発明に係る車両用ドアの断面図である。 図1のA部の拡大図である。 従来の車両用ドアの下端部の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は車両用ドアのドア厚さ方向の断面図である。図1に示されるように、ドアパネル1は、車両の車外側に配設されるアウタパネル2と、車内側に配設されるインナパネル3とを備えており、アウタパネル2とインナパネル3とは異種金属材で形成されている。インナパネル3には、アウタパネル2およびインナパネル3の両パネルの間から水抜きをする排水孔4が形成されている。
図2は図1の車両用ドアの下端部であるA部の拡大図である。アウタパネル2の下端部には、ヘミング加工を施すことによって、インナパネル3の下端部を覆うように車室内側に折り返された折返し部21が設けられている。そして、両パネルの間には接着剤5が充填され、さらに、折返し部21の上端部にシーラ6が塗布されている。
アウタパネル2は、アルミニウム合金で形成されており、ドア外面を形成するアウタパネル本体部22と、上述のヘミング加工による折返し部21とを有する。折返し部21は、アウタパネル2の下端のコーナー部に続いて、インナパネル3の下端部に沿って立ち上がった立上り部21aと、立上り部21aに続いてインナパネル3の下端部内面から離反する方向に傾斜して上方に延設されたアウタパネル第一傾斜部21bと、アウタパネル第一傾斜部21bに続いてインナパネル3の下端部内面に向かって傾斜して上方に延設されたアウタパネル第二傾斜部21cとからなる。
インナパネル3は、鋼材で形成されており、アウタパネル本体部22と折返し部21とに挟み込まれているインナパネル下端部31と、インナパネル下端部31に続くインナパネル第一傾斜部32と、インナパネル第一傾斜部32に続くインナパネル第二傾斜部33と、インナパネル第二傾斜部33に続く湾曲部34とを有する。インナパネル第一傾斜部32は、アウタパネル第二傾斜部21cの上端よりも上方において、インナパネル下端部31から上方に向かってアウタパネル本体部22から離反する方向に傾斜して延出されている。インナパネル第二傾斜部33は、アウタパネル第二傾斜部21cと略同一平面状となるように、インナパネル第一傾斜部32から上方に向かってアウタパネル本体部22側に傾斜して延出されている。湾曲部34は、インナパネル第二傾斜部33から上方に向かってアウタパネル本体部22から離反する方向に湾曲して車室内側へ延びている。以上により、外側接着剤溜り8は、アウタパネル本体部22とインナパネル3との間に形成されており、また、内側接着剤溜り7は、折返し部21とインナパネル3との間に形成されている。
外側接着剤溜り8は、アウタパネル本体部22と、インナパネル第一傾斜部32およびインナパネル第二傾斜部33とで形成される隙間である。外側接着剤溜り8は、図2に示されるように、アウタパネル本体部22のインナ面(車室内側表面)をC4、インナパネル第一傾斜部32のアウタ面(車室外側表面)をC5、インナパネル第二傾斜部33のアウタ面をC6とすると、インナ面C4、アウタ面C5、およびアウタ面C6で形成される三角形B2(図面には符号なし)において、アウタ面C5とアウタ面C6とが成す角度θ1は鈍角となるように形成されている。
内側接着剤溜り7は、インナパネル下端部31と、アウタパネル第一傾斜部21bおよびアウタパネル第二傾斜部21cとで形成される隙間である。また、内側接着剤溜り7は、図2に示されるように、インナパネル下端部31のインナ面をC1、アウタパネル第一傾斜部21bのアウタ面をC2、アウタパネル第二傾斜部21cのアウタ面をC3とすると、インナ面C1、アウタ面C2、およびアウタ面C3で形成される三角形B1(図面には符号なし)において、アウタ面C2とアウタ面C3とが成す角度は鈍角となるように形成されている。
外側接着剤溜り8において、インナパネル第一傾斜部32の上端(インナパネル第二傾斜部33の下端)とアウタパネル本体部22との間隔D1は、インナパネル下端部31とアウタパネル本体部22との対向面間の間隔D2と比較すると広くなっており、外側接着剤溜り8は上記対向面間からはみ出した接着剤5を収容することができる。内側接着剤溜り7においても、アウタパネル第一傾斜部21bの上端(アウタパネル第二傾斜部21cの下端)とインナパネル下端部31との間隔が、アウタパネル2の立上り部21aとインナパネル下端部31との対向面間の間隔D2と比較すると広くなっている。以下、インナパネル下端部31とアウタパネル本体部22との対向面間およびアウタパネル2の立上り部21aとインナパネル下端部31との対向面間を間隔D2の対向面間という。
また、三角形B2は角度θ1が鈍角である鈍角三角形であり、インナ面C4とアウタ面C5とが成す角度、およびインナ面C4とアウタ面C6とが成す角度は鋭角となる。その結果、アウタパネル本体部22とインナパネル第一傾斜部32のみで接着剤溜りを形成した場合と比べると、インナパネル第二傾斜部33を備えることにより、外側接着剤溜り8は幅が狭く上下方向に延びたものになる。これは、三角形B1も鈍角三角形となる内側接着剤溜り7についても同様である。よって、間隔D2の対向面間からはみ出した接着剤5を接着剤溜り7、8に余すことなく収容し、その接着剤5によって、両パネル間を高さ方向(上下方向)において十分にシールできる。十分にシールすることによって、両パネルにおいて接着剤5の接着面積が広がるので、両パネルの接着強度の強化を図ることができる。
ところで、対向面間の間隔が非常に狭い(約0.3mm未満)と、パネルのスプリングバック等によってその間隔が開いた際に、接着剤5内に空洞が樹枝状に広がる現象が起こり易く、塗装工程における焼付乾燥時に接着剤5が固化する際に、対向面間の接着剤5に樹枝状の空洞がある状態で接着剤5が固化され、対向面間全体にわたって接着剤5が塗布された状態とはならず、空洞部分から水が浸入するおそれがある。間隔D2は非常に狭いので、間隔D2の対向面間には上述のように空洞部分が形成され、その空洞部分から水が浸入することによって、スチールより腐食電位が卑なる合金であるアルミニウム合金で形成されたアウタパネル2には異種金属同士の接触による電食が起こるおそれがある。そこで、間隔D2の対向面間の上部に形成された接着剤溜り7、8に接着剤5を溜め、両パネル間を高さ方向において十分にシールすることによって、間隔D2の対向面間に形成された上記空洞部分に水が浸入しないようにすることができ、アウタパネル2に電食が起こるのを抑制することができる。なお、シーラ6を後述のように塗布することによって、水が内側接着剤溜り7に浸入するのを防止することができるため、より一層アウタパネル2に電食が起こりにくい構造とすることができる。
なお、アルミニウム合金の剛性は鋼材の剛性より低いので、アウタパネル2の張り剛性を向上させるために、アウタパネル2の板厚はインナパネル3の板厚よりも厚くなるように形成されている。
そして、排水孔4は、車室内側に反り返った湾曲部34の下端よりも上方に形成されている。よって、接着剤5により排水孔4が塞がれることはないため、排水孔4からスムーズに水を抜くことができる。また、外側接着剤溜り8よりも上方の湾曲部34に排水孔4が形成されており、排水孔4から外側接着剤溜り8に溜まっている接着剤5が容易に見えないので外観的にも見映えがよい。
さらに、シーラ6がアウタパネル第二傾斜部21cの上端部を覆うように塗布されている。具体的には、シーラ6は、アウタパネル第二傾斜部21cの上端部と、インナパネル第一傾斜部32およびインナパネル第二傾斜部33とに跨るように塗布されている。アウタパネル第二傾斜部21cの車室内側表面とインナパネル第二傾斜部33の車室内側表面とは略同一平面上にあり、両表面の間に段差がないので、シーラ6を平坦な形状に塗布することができ、シーラ6の見映えを良くすることができる。
ドアパネル1は、アウタパネル2とインナパネル3を用いて以下のように形成されている。あらかじめアウタパネル2の周縁に沿ってその内側に接着剤5を塗布し、次いで、アウタパネル2にインナパネル3を重ねてセットした後、インナパネル下端部31を覆うようにヘミング加工用型にてアウタパネル2の下端部を車室内側に折り曲げて、インナパネル下端部31に折り重ねている。ここで、接着剤5の塗布量は、塗布ムラにかかわらず、アウタパネル2とインナパネル3との対向面を金属同士が接触しないように確実に覆うことができる程度の量である。これによって、接着剤5はアウタパネル2とインナパネル3との対向面間で押し広げられて、その間隙に充填された状態になる。そうして、インナパネル下端部31とアウタパネルの立上り部21aとの対向面間からはみ出した接着剤5は、折返し部21とインナパネル3との間に形成された内側接着剤溜り7に入り、また、アウタパネル本体部22とインナパネル下端部31との対向面間からはみ出した接着剤5は、アウタパネル本体部22とインナパネル3との間に形成された外側接着剤溜り8に入る。その後、ドアパネル1に、脱脂、水洗、化成処理等の前処理が施され、次いで、下塗り塗装としての電着塗装が施される。電着塗装塗膜の焼付乾燥時の熱により接着剤5は焼付硬化されることによって、接着力が発現される。なお、アウタパネル第一傾斜部21bとアウタパネル第二傾斜部21cとはヘミング加工する前、具体的にはアウタパネル2のプレス成形時に設けておくと良い。
また、接着剤5には、球体状のガラスビーズを混入させている。ガラスビーズを混入させた接着剤5を両パネルの対向面間に施して、ヘミング加工時にガラスビーズを両パネルに食い込ませる。そうすることにより、両パネルがずれないように機械的に固定されているので、塗装工程において両パネルが加熱されたときに、熱膨張率の異なるアウタパネル2とインナパネル3との対向面間において、接着剤5が固化して接着力を発現する前に剪断方向の力によるずれが生じるのを防止することができる。
ガラスビーズは、ヘミング加工時にガラスビーズが破壊されることなく両パネルに食い込むことができるよう十分な硬さを有するのが好ましい。また、ガラスビーズは、両パネルに食い込むようにするため、インナパネル下端部31とアウタパネル本体部22との対向面間の間隔D2よりも大きな粒径を有し、かつ、食い込ませたガラスビーズに起因する隆起が両パネルの表面上に生じない程度に小さな粒径を有するのが好ましく、具体的には粒径が0.25mm程度のものが好適である。また、ガラスビーズによって対向面全体で両パネルがずれないように機械的に固定するためには、両パネルの対向面間に相当量のガラスビーズが介在すること、すなわち、接着剤全体に対して相当量のガラスビーズを含有するのが好ましく、具体的には、ガラスビーズの含有量が接着剤全体に対して5重量%程度とするのが好適である。
また、本実施形態では、ガラスビーズを接着剤5に混入しているが、ガラスビーズに代えて、熱的に安定であり、かつ、両パネルを構成する材料の降伏強度より高い圧縮強度を有するビーズを接着剤5に混入してもよい。例えば、ガラスビーズに代えて、セラミック等の硬質無機材料、または硬質ステンレス鋼等の硬質金属材料によるビーズを接着剤5に混入してもよい。
上記実施形態では、アウタパネル2は、アルミニウム合金材で形成されており、インナパネル3は、鋼材で形成されているが、これに限定されるものではなく、アウタパネル2は他の軽金属材であってもよく、さらには、アウタパネル2とインナパネル3とは適宜変更可能であり、インナパネル3がアウタパネル2より腐食電位が卑なる金属や合金で形成されていてもよい。ただし、アウタパネル2とインナパネル3とが異種材となるように変更する必要がある。
また、上記実施形態は、車両用ドアに係るものであり、サイドドアやバックドアに本発明を適用することができる。
2 アウタパネル
3 インナパネル
5 接着剤
6 シーラ
8 外側接着剤溜り
21 折返し部
21b アウタパネル第一傾斜部
21c アウタパネル第二傾斜部
22 アウタパネル本体部
31 インナパネル下端部
32 インナパネル第一傾斜部
33 インナパネル第二傾斜部

Claims (7)

  1. アウタパネルとインナパネルとが異種材で構成された車両用ドアであって、
    上記アウタパネルの下端部が上記インナパネルの下端部を覆うように車室内側に折り返すヘミング加工が施されるとともに、該折返し部位において上記アウタパネルと上記インナパネルとの間には接着剤が設けられており、
    上記インナパネルは、上記アウタパネルの車室内側に折り返された折返し部で覆われた下端部に続いて、上記アウタパネルのドア外面を形成する本体部から離反する方向に傾斜して上方へ延びるインナパネル第一傾斜部と、該インナパネル第一傾斜部に続いて上記アウタパネルの本体部に向かって傾斜して上方へ延びるインナパネル第二傾斜部とを備え、
    上記アウタパネルの本体部に対向する上記インナパネル第一傾斜部と上記インナパネル第二傾斜部とが成す角度が鈍角であり、
    上記インナパネル第一傾斜部および上記インナパネル第二傾斜部と、上記アウタパネル本体部とで形成される隙間が接着剤溜りとされている
    ことを特徴とする車両用ドア。
  2. 請求項1に記載の車両用ドアにおいて、
    上記アウタパネルの車室内側に折り返された折返し部は、上記インナパネルから離反する方向に傾斜して上方に延びるアウタパネル第一傾斜部と、該アウタパネル第一傾斜部に続いて上記インナパネル側に向かって傾斜して上方に延びるアウタパネル第二傾斜部とを備え、
    上記インナパネルに対向する上記アウタパネル第一傾斜部と上記アウタパネル第二傾斜部とが成す角度が鈍角である
    ことを特徴とする車両用ドア。
  3. 請求項1または2に記載の車両用ドアにおいて、
    上記アウタパネルの折返し部と上記インナパネル第一傾斜部とに跨るようにシーラが塗布されている
    ことを特徴とする車両用ドア。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用ドアにおいて、
    上記アウタパネルの折返し部と上記インナパネル第一傾斜部と上記インナパネル第二傾斜部とに跨るようにシーラが塗布されている
    ことを特徴とする車両用ドア。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用ドアにおいて、
    上記接着剤にはビーズが含有され、上記アウタパネル本体部と上記インナパネルとの対向面間に上記ビーズが介在している
    ことを特徴とする車両用ドア。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用ドアにおいて、
    上記アウタパネルは軽合金材で形成され、上記インナパネルは鋼材で形成されている
    ことを特徴とする車両用ドア。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用ドアにおいて、
    上記接着剤溜りの接着剤よりも上方の上記インナパネルに排水孔が形成されている
    ことを特徴とする車両用ドア。
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