JP2012218204A - 加水分解耐性を有するガスバリアフィルムの製造方法及び加水分解耐性を有するガスバリアフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材となるプラスチックフィルムの表面に対し、不活性ガス導入下において、気圧気圧0.1Pa〜10Paという環境下にて予めプラズマ処理を施すプラズマ処理工程と、前記プラズマ処理工程を実施した後に、その表面にシラノール基を有する鱗片状シリカを主剤に対して添加した第1高分子樹脂層、ガスバリア層、シラノール基を有する鱗片状シリカを主剤に対して添加した第2高分子樹脂層、をこの順に積層してなる備えてなる製造方法、及び該方法により得られるガスバリアフィルムとした。
【選択図】 なし
Description
(A) ガスバリア性を有する層を積層してなるガスバリア層積層工程と、
(B) シラノール基を有する鱗片状シリカを主剤に対して添加した第1高分子樹脂を積層してなる第1高分子樹脂積層工程と、
(C) シラノール基を有する鱗片状シリカを主剤に対して添加した第2高分子樹脂を積層してなる第2高分子樹脂積層工程と、
の各工程を、以下の条件に沿って実行してなること、を特徴とする。
(条件1) (A)を必ず1回実行する。
(条件2) 同じ工程を繰り返し実行しない。
(条件3) (B)又は(C)の何れかを実行しなくとも良い。
(条件4) (A)〜(C)の何れかの工程を1回実行するごとに1回工程を実行したと捉えて、全体で2回以上の工程を実行する。
本願発明に係る耐加水分解性を有するガスバリアフィルムの製造方法に関して、第1の実施の形態として説明する。
まず基材となるプラスチックフィルムの表面に対し不活性ガス導入下においてプラズマ処理を実施するのであるが、この際の気圧は本実施の形態においては気圧0.1Pa以上10Pa以下であるものとする。即ち本実施の形態におけるプラズマ処理とは、不活性ガス導入下における真空プラズマ処理である。(以下、単に「真空プラズマ処理」とも記す。)
この第1高分子樹脂としては特段限定されるものではないが、最も好適であるのは、シランカップリング剤である。そしてより好適であると言えるのは、エポキシ系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、メタクリル系シランカップリング剤、ウレイド系シランカップリング剤、であり、本実施の形態においてはエポキシ系シランカップリング剤を第1高分子樹脂として用いることとする。
従来のガスバリアフィルムでは基材フィルム表面に直接金属又は金属酸化物による層を積層していたところ、得られたものを実際に使用するに際して、また積層後更に加工処理を施している最中に基材フィルムと金属層との層間密着力が充分でないために剥離してしまい、その結果好適なガスバリアフィルムが製造できない、また使用中にガスバリア性が低下してしまう、といった問題が生じていた。
表面が未処理(プレーン)な状態のPETフィルム表面に何らかの積層を行おうとしても、積層物が「滑らか」な表面を有するPETフィルム表面に定着せず、いわば「ハジキ」と呼ばれる現象が生じ、所望のレベルの密着性を確保した積層が行えない。
次に、先に述べた第1の実施の形態に係るガスバリアフィルムの製造方法において、全工程を終了後、更にガスバリア層の表面に第2高分子樹脂を積層する第2高分子樹脂積層工程を実行してなる、ガスバリアフィルムの製造方法につき、第2の実施の形態として説明する。
先に述べた第1の実施の形態に係る耐加水分解性を有するガスバリアフィルムの製造方法において、第1高分子樹脂を積層する第1高分子樹脂積層工程を実行しせず、しかしガスバリア層の表面に前述の第2高分子樹脂層を積層する第2高分子樹脂積層工程を実行してなる耐加水分解性を有するガスバリアフィルムの製造方法を第3の実施の形態として簡単に述べておく。
最後に、これまで説明してきた各要素を更に組み合わせた構成を得るための耐加水分解性を有するガスバリアフィルムの製造方法を第4の実施の形態として説明する。
まず基材となるプラスチックフィルムの表面に対し、不活性ガス導入下において、気圧0.1Pa以上10Pa以下という環境下にて予めプラズマ処理を施すプラズマ処理工程を最初に実行した後に、
(A) ガスバリア性を有する層を積層してなるガスバリア層積層工程と、
(B) 第1高分子樹脂を積層してなる第1高分子樹脂積層工程と、
(C) 第2高分子樹脂を積層してなる第2高分子樹脂積層工程と、
の各工程を、以下の条件に沿って実行する。
(条件2) 同じ工程を繰り返し実行しない。
(条件3) (B)又は(C)の何れかを実行しなくとも良い。
(条件4) (A)〜(C)の何れかの工程を1回実行するごとに1回工程を実行したと捉えて、全体で2回以上の工程を実行する。
尚、ここで用いる第1高分子樹脂及び第2高分子樹脂には前述の鱗片状シリカが含有されているものとする。そして鱗片状シリカを用いること等の説明については前記の通りであり、ここでの詳述は省略する。
本実施の形態に係る耐加水分解性を有するガスバリアフィルムの製造方法は、要するに真空プラズマ処理を施した基材フィルムの表面に、ガスバリア層、第1高分子樹脂層、第2高分子樹脂層、を積層するための各工程を実行する、ということである。そしてこれらの層は規則的に複数積層されていても良いし、ランダムに積層されていても良い。
基材フィルム/第1高分子樹脂層/ガスバリア層/第1高分子樹脂層/ガスバリア層/第2高分子樹脂層・・・
という形態も考えられ、また
基材フィルム/ガスバリア層/第1高分子樹脂層/ガスバリア層/第2高分子樹脂層・・・
という形態も考えられる。
「第1高分子樹脂層/ガスバリア層/第2高分子樹脂層」というユニットを「基材フィルム/ガスバリア層」のガスバリア層側に繰り返し積層することが考えられる。この場合、第1高分子樹脂層と第2高分子樹脂層とは異なった樹脂であることは自明のことである。
基材フィルム/第1高分子樹脂層/ガスバリア層/第1高分子樹脂層/ガスバリア層
という構成を得るものとする。
Claims (12)
- 少なくとも、
基材となるプラスチックフィルムの表面に対し、不活性ガス導入下において、気圧0.1Pa〜10Paという環境下にて予めプラズマ処理を施すプラズマ処理工程と、
前記プラズマ処理を施された基材表面に対し、シラノール基を有する鱗片状シリカを主剤に対して添加した第1高分子樹脂を積層してなる第1高分子樹脂積層工程と、
前記第1高分子樹脂積層工程を実施した後に、その表面にガスバリア性を有するガスバリア層を積層してなるガスバリア層積層工程と、
をこの順に実施してなること、
を特徴とする、耐加水分解性を有するガスバリアフィルムの製造方法。 - 少なくとも、
基材となるプラスチックフィルムの表面に対し、不活性ガス導入下において、気圧0.1Pa〜10Paという環境下にて予めプラズマ処理を施すプラズマ処理工程と、
前記プラズマ処理工程を実施した後に、その表面にガスバリア性を有するガスバリア層を積層してなるガスバリア層積層工程と、
前記ガスバリア層積層工程の後に、前記ガスバリア層の表面に、シラノール基を有する鱗片状シリカを主剤に対して添加した第2高分子樹脂を積層してなる第2高分子樹脂積層工程と、
をこの順に実施してなること、
を特徴とする、耐加水分解性を有するガスバリアフィルムの製造方法。 - 少なくとも、
基材となるプラスチックフィルムの表面に対し、不活性ガス導入下において、気圧0.1Pa〜10Paという環境下にて予めプラズマ処理を施すプラズマ処理工程と、
前記プラズマ処理を施された基材表面に対し、シラノール基を有する鱗片状シリカを主剤に対して添加した第1高分子樹脂を積層してなる第1高分子樹脂積層工程と、
前記第1高分子樹脂積層工程を実施した後に、その表面にガスバリア性を有するガスバリア層を積層してなるガスバリア層積層工程と、
前記ガスバリア層積層工程の後に、前記ガスバリア層の表面に、シラノール基を有する鱗片状シリカを主剤に対して添加した第2高分子樹脂を積層してなる第2高分子樹脂積層工程と、
をこの順に実施してなること、
を特徴とする、耐加水分解性を有するガスバリアフィルムの製造方法。 - 基材となるプラスチックフィルムの表面に対し、
不活性ガス導入下において、気圧0.1Pa〜10Paという環境下にて予めプラズマ処理を施すプラズマ処理工程を最初に実行した後に、
(A) ガスバリア性を有する層を積層してなるガスバリア層積層工程と、
(B) シラノール基を有する鱗片状シリカを主剤に対して添加した第1高分子樹脂を積層してなる第1高分子樹脂積層工程と、
(C) シラノール基を有する鱗片状シリカを主剤に対して添加した第2高分子樹脂を積層してなる第2高分子樹脂積層工程と、
の各工程を、以下の条件に沿って実行してなること、
を特徴とする、耐加水分解性を有するガスバリア性フィルムの製造方法。
(条件1) (A)を必ず1回実行する。
(条件2) 同じ工程を繰り返し実行しない。
(条件3) (B)又は(C)の何れかを実行しなくとも良い。
(条件4) (A)〜(C)の何れかの工程を1回実行するごとに1回工程を実行したと捉えて、全体で2回以上の工程を実行する。 - 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載した耐加水分解性を有するガスバリアフィルムの製造方法であって、
前記シラノール基を有する鱗片状シリカを添加した第1又は第2高分子樹脂層の断面視において、
前記シラノール基を有する鱗片状シリカが略水平方向に、かつ断面視厚み方向に互い違いになるよう層状に積み重なったように分散させてなることで、迷路効果が発揮されること、
を特徴とする、耐加水分解性を有するガスバリアフィルムの製造方法。 - 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の耐加水分解性を有するガスバリアフィルムの製造方法であって、
前記シラノール基を有する鱗片状シリカが、前記第1又は第2高分子樹脂層の主剤固形分濃度に対して0.01重量%以上1重量%以下の範囲にあること、
を特徴とする、耐加水分解性を有するガスバリアフィルムの製造方法。 - 請求項1、請求項3ないし請求項6の何れか1項に記載の耐加水分解性を有するガスバリアフィルムの製造方法であって、
前記第1高分子樹脂工程を実行した後に、前記第1高分子樹脂層の表面に対し前記プラズマ処理工程を再度実行してなること、
を特徴とする、耐加水分解性を有するガスバリアフィルムの製造方法。 - 請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の耐加水分解性を有するガスバリアフィルムの製造方法であって、
前記ガスバリア層を構成する物質が、珪素、チタン、スズ、亜鉛、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、の一群よりなる群の何れか1つ若しくはその酸化物、窒化物、又は化合物の何れか、又は前記一群の中の複数若しくはその酸化物、窒化物、又は化合物、であり、
前記ガスバリア層が、真空蒸着法により積層されてなるものであること、
を特徴とする、耐加水分解性を有するガスバリアフィルムの製造方法。 - 請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の耐加水分解性を有するガスバリアフィルムの製造方法であって、
前記ガスバリア層がSiOxで示される酸化珪素であり、なおかつそのxが1.0≦x≦2.0であること、
を特徴とする、耐加水分解性を有するガスバリアフィルムの製造方法。 - 請求項1ないし請求項9の何れか1項に記載のガスバリアフィルムの製造方法であって、
前記第1高分子樹脂又は前記第2高分子樹脂の何れか一方若しくは双方が、シランカップリング剤によるものであること、又はシランカップリング剤を主に配合してなる高分子樹脂であること、
を特徴とする、ガスバリアフィルムの製造方法。 - 請求項1ないし請求項10の何れか1項に記載の耐加水分解性を有するガスバリアフィルムの製造方法により製造されてなること、
を特徴とする、耐加水分解性を有するガスバリアフィルム。 - 請求項11に記載の耐加水分解性を有するガスバリアフィルムを用いてなること、
を特徴とする、太陽電池バックシート。
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JP2012218205A (ja) * | 2011-04-05 | 2012-11-12 | Oike Ind Co Ltd | ガスバリアフィルムの製造方法及びガスバリアフィルム |
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JP4658226B1 (ja) * | 2010-03-23 | 2011-03-23 | 尾池工業株式会社 | ガスバリアフィルムの製造方法及びガスバリアフィルム |
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