JP2012218014A - 溶削火口及び溶削方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハンドスカーフィングによる疵の除去に際し、作業の手間を減らし、かつ過剰溶削を抑制する。
【解決手段】本発明は、吹管の先端に装着され使用される溶削火口(11)であって、先端面に、溶削火口の径方向に沿って、前記先端面を横断するよう延びるスリット状の溶削酸素ガス噴出口(13e)が形成されていることを特徴とする。この溶削酸素ガス噴出口は、溶削火口の軸線回りに回転可能とされていることが望ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハンドスカーフィング吹管に装着され、鋼片や鋼塊の表面に形成された疵を除去する溶削火口及びこの溶削火口を用いた溶削方法に関する。
鋼片や鋼塊の表面に存在する割れ、表層介在物、ピンホール等の疵を除去して品質を向上させる目的で、鋼片や鋼塊の表面に酸素と燃料との混合ガスからなる火炎を吹き付けて、疵を溶削し除去する手法が用いられている。
熱間材の場合には、ホットスカーフィングマシンや砥石研削装置を用いて疵を除去する方法があるが、現状では、これらの方法では疵を完全に除去できない。従って、二次加工として、ハンドスカーフィングにより疵を部分的に除去している(特許文献1、段落0002参照)。
また、ホットスカーフィングマシンや砥石研削装置の溶削規格に合わない鋼片や鋼塊の表面における疵の除去に際しても、上記ハンドスカーフィングが用いられる。
特開平8−90225号公報
ハンドスカーフィングでは、ハンドスカーフィング吹管の先端に装着された溶削火口から、酸素と燃料との混合ガスからなる火炎を吹き付けて疵を除去する。従来の溶削火口は、図10に示すように、円筒状をなす溶削火口1の先端中央部に開口する円形の溶削酸素ガス噴出口2と、溶削酸素ガス噴出口2の周囲に、溶削火口1の周方向に沿って等間隔で開口する複数の予熱混合ガス噴出口3とを備えている。
この溶削火口1では、溶削の主体となる、溶削酸素ガス噴出口2から噴射される酸素に由来する火炎の形状が、溶削酸素ガス噴出口2の形状に応じ、溶削火口1とほぼ同軸をなす円筒状となる。また、溶削に際しては、溶削火口1を被削材の表面に対し25度〜35度程度傾斜させて火炎を吹き付ける。
従来の溶削火口1による溶削では、火炎が円筒状であるため、溶削火口1を傾斜させて溶削すると、被削材の表面に、火炎の吹き付け方向に沿って窪んだ、楕円状の溶削面が形成される。この場合、溶削面の幅(上記楕円の短径)や深さは略一定となる。一般的なハンドスカーフィング用の溶削火口1の場合、溶削面の幅は50mm〜65mm程度、溶削面の深さは15mm〜16mm程度である。
ところで、鋼片や鋼塊の表面に形成された疵の深さや長さ、あるいは広さ等は一様ではない。
そのため、深さが16mm以上の深い疵を除去する場合には、疵の深さまで複数回の溶削を繰り返す必要がある。その結果、溶削に手間を要し、かつ疵の周囲を必要以上に幅広く溶削するため過剰溶削となる。一方、例えば幅が20mm〜30mm程度の狭い疵や、深さが10mm以下の浅い疵を除去する場合にも、幅50mm〜65mm、深さ15mm〜16mmにわたり溶削せざるを得ないため過剰溶削となる。
また、広範囲の溶削に際しては、幅方向に沿って何回も溶削を繰り返す必要があり、その結果、被削材の表面に、楕円状に窪む溶削面が幅方向に沿って並列して形成される。この場合、隣接する溶削面の間には、約110度の角度で屹立する尾根状の凸部が形成されるが、この凸部は、次工程における圧延折れ疵の原因となり、製品の品質に悪影響を及ぼす、従って、凸部を平坦にするため、更に二次加工を行なう必要が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ハンドスカーフィングによる疵の除去に際し、作業の手間を減らし、かつ過剰溶削を抑制可能な溶削火口及び溶削方法の提供を目的としている。
本発明は、吹管の先端に装着され使用される溶削火口であって、先端面に、この先端面を横断する方向に延びるスリット状の溶削酸素ガス噴出口が形成されていることを特徴とする。
この場合、記溶削酸素ガス噴出口が、前記溶削火口の軸線回りに回転可能とされていることが望ましい。
また、前記溶削火口が、前記溶削酸素ガス噴出口が形成されたノズルと、このノズルの基端部に支持されるヘッドと、このヘッドの先端側にて前記ノズルの周囲を覆う外管とを備え、前記ノズルを前記ヘッド及び前記外管に対し前記軸線回りに相対回転させることにより、前記溶削酸素ガス噴出口が前記軸線回りに回転可能とされていることが望ましい。
また、前記溶削酸素ガス噴出口に連なる流路の先端部が、先端側に向かうに従い漸次拡径する扇状をなしていることが望ましい。
また、本発明は、吹管の先端に装着された溶削火口を用いた被削材表面の溶削方法であって、前記溶削火口の先端面に、この先端面を横断するよう延びるスリット状の溶削酸素ガス噴出口が形成され、この溶削酸素ガス噴出口の前記先端面における延設方向を、溶削作業時における前記溶削火口の先端側から見た場合に前記被削材表面に対し垂直として溶削を行なうことを特徴とする。
また、本発明は、吹管の先端に装着された溶削火口を用いた被削材表面の溶削方法であって、前記溶削火口の先端面に、前記溶削火口の径方向に沿って、前記先端面を横断するよう延びるスリット状の溶削酸素ガス噴出口が形成され、この溶削酸素ガス噴出口の前記先端面における延設方向を、溶削作業時における前記溶削火口の先端側から見た場合に前記被削材表面に対し平行として溶削を行なうことを特徴とする。
本発明によれば、ハンドスカーフィングによる疵の除去に際し、作業の手間を減らし、かつ過剰溶削を抑制可能となる。
(a)は、本発明に係る溶削火口の一部断面図、(b)は、(a)の矢印Iに沿った正面図である。 (a)は、本発明に係る溶削火口の一部断面図、(b)は、(a)の矢印IIに沿った正面図である。 本発明に係る溶削火口の基端部の拡大断面図である。 (a)は、本発明に係る溶削火口に用いられる冶具の側面図、(b)は、(a)の矢印IVに沿った正面図である。 本発明に係る溶削火口をハンドスカーフィング吹管に装着した状態を示す断面図である。 (a)は、本発明に係る溶削火口の使用状況を示す正面図、(b)は、(a)のVI−VI線に沿った断面図である。 (a)は、本発明に係る溶削火口の使用状況を示す正面図、(b)は、(a)のVII−VII線に沿った断面図である。 本発明の効果を示す被削材の断面図である。 本発明の効果を示す被削材の断面図である。 (a)は、従来の溶削火口を例示する一部断面図、(b)は、(a)の矢印Xに沿った正面図である。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態について説明する。
本発明の第一実施例に係る溶削火口を図1ないし図3に示す。溶削火口11は、円筒状の外管12と、外管12内に挿通された円筒状のノズル部13と、外管12の基端部にて外管12の周囲を覆う円筒状の締付ナット14と、外管12の先端部にて外管12の周囲を覆う円筒状の保護リング15と、ノズル部13の基端部にてノズル部13の周囲を覆う円筒状のヘッド16とを備える。また、これら外管12、ノズル部13、締付ナット14、保護リング15及びヘッド16は、いずれも溶削火口11の軸線Aと同軸をなしている。
外管12の基端部には、その外径を周方向に沿って拡げてなるフランジ部12aが形成され、フランジ部12aには、外管12の外周面に摺動可能に支持された締付ナット14の基端面が、先端側から当接可能となっている。締付ナット14の基端側の外周面には雄ネジ部14aが形成され、締付ナット14の先端側の外周面には六角ナット部14bが形成される。また、外管12の先端部には、保護リング15が先端側から螺合される。
ノズル部13の基端部には、ヘッド16が同軸をなすよう支持される。ノズル部13の基端面とヘッド16の基端面とは同一平面上に位置し、かつヘッド16の基端部には、その内径をノズル部13の外径と略同一としてなる段部16aが形成される。
また、段部16aの先端側において、ノズル部13の外周面とヘッド16の内周面との間には、ノズル部13及びヘッド16と同軸をなす円筒状の隙間が形成される。この隙間は、ノズル部13の外径を周方向に沿って拡げてなるフランジ部13aにより、基端側から、図3において符号C1及びC2で示す2つの部分に分けられる。フランジ部13aの先端側には基端側を向く段部13bが形成され、その結果、フランジ部13aと段部13bとの間には、ノズル部13の周方向に沿って凹部13cが形成される。また、ヘッド16のうち、凹部13cの更に先端側に位置する部分の内周面には、雌ネジ部16bが形成される。
図3に示すように、段部16aとフランジ部13aとの間に位置する隙間C1には、基端側からいずれも環状をなすスプリング17及びセンターリングガイド18が、ノズル部13と同軸をなすよう配設される。また、凹部13c内には、基端側からいずれも環状をなすバックアップリング19、O−リング20及びバックアップリング19が、ノズル部13と同軸をなすようそれぞれ配設され、O−リング20により、ノズル部13(凹部13c)の外周面とヘッド16の内周面との間が気密的にシールされる。そして、外周面に雄ネジ部21aが形成された円筒状のノズル押さえ21を先端側から空間S2に挿入し、かつノズル押さえ21の先端縁に形成されたフランジ部21bがヘッド16の先端面16cに当接するまで雄ネジ部21aと雌ネジ部16bとを螺合させることにより、ノズル部13の基端部に、ヘッド16が同軸をなすよう支持される。ここで、ノズル部13とヘッド16とは、O−リング20による両者間のシール性を維持したまま、軸線A回りに相対回転可能とされるとともに、スプリング17の作用により、ヘッド16がノズル部13に対し基端側に付勢される。
ノズル部13及びヘッド16は、基端側から外管12内に挿入され、ヘッド16の先端面16cとフランジ部12aとを当接させることにより、ノズル部13及びヘッド16が、管12及びノズル部13の先端が同一平面をなすよう、外管12に対し位置決めされる。この時、ヘッド16の先端側において、外管12の内周面とノズル部13の外周面との間には、外管12及びノズル部13と同軸をなす円筒状の隙間C3が形成される。
また、ヘッド16には、その外周面を基端側に向かうに従い漸次縮径させてなるテーパ面16dが形成される。テーパ面16dには、基端側から、テーパ面16dの一部を、その周方向に沿って径方向内方に窪ませてなる凹部16e,16fがそれぞれ形成される。ここで、テーパ面16dの形状及びテーパ面16dにおける凹部16e,16fの位置は、後述するように溶削火口11をハンドスカーフィング吹管の先端に装着した際に、テーパ面16dがハンドスカーフィング吹管の先端開口に密着し、かつ凹部16e,16fがハンドスカーフィング吹管の先端開口に形成された予熱酸素ガス供給口及び予熱燃料ガス供給口に対向するよう、それぞれ設定される。
また、ヘッド16の先端面16cのうち、隙間C3と対向する部分には、基端側に向け、複数の流路16gが、ヘッド16の周方向に沿って等間隔で形成される。そして、この流路16gと、テーパ面16dに形成された凹部16e,16fとが、ヘッド16に、その周方向に沿って等間隔で形成された複数の管路16h、16iにより、それぞれ連結される。
一方、ノズル部13の中央部には、ノズル部13をその軸線方向に沿って貫通する流路13dが、後述するように溶削火口11をハンドスカーフィング吹管の先端に装着した際に、その基端がハンドスカーフィング吹管の先端開口に形成された溶削酸素ガス供給口に対向するように形成される。
更に、本実施形態の溶削火口11では、流路13dの先端部が、先端側に向かうに従い漸次拡径する扇状をなしている。すなわち、図1に示すように、流路13dは、先端側に向かうに従い、溶削火口11の径方向に沿った特定の方向(線分Lで示す方向)に沿って、所定の角度Qで漸次拡径し、その結果、ノズル部13の先端面に、上記特定の方向に沿って、ノズル部13の先端面を横断するよう延びるスリット状の溶削酸素ガス噴出口13eが形成される。また、溶削酸素ガス噴出口13eの延設方向と直交する方向に沿った幅Wは、略一定となっている。
本実施形態の場合、上記角度Q(上記延設方向に沿った端部における流路13dの内周面(図1において符号13fで示す面)と軸線Aとのなす角)は、3度〜5度に設定される。また、溶削酸素ガス噴出口13eの、上記延設方向と直交する方向に沿った幅Wは、5mm〜7mmに設定される。
また、ノズル部13の先端部の外径は、外管12の先端部の内径と略同一とされ、隙間C3の先端は、図2に示すように、ノズル部13の先端部にノズル部13の長手方向に沿って形成された複数の流路13gの基端に連通する。これら複数の流路13gの先端は、図1に示すように、ノズル部13の先端面において、溶削酸素ガス噴出口13eの幅W方向両端側に、溶削酸素ガス噴出口13eの延設方向に沿って配列された複数の予熱混合ガス噴出口13hを形成する。また、これら複数の流路13gの一部は、溶削酸素ガス噴出口13eの延設方向に沿った両端側において、火口本体12の先端面とノズル部13の先端面との間に開口する複数の(図では4個の)予熱混合ガス噴出口13iを形成する。
また、図1及び図2における符号13jは、ノズル部13の基端部において、ノズル部13の外周面から隙間C3に向け周方向に沿って等間隔で突出する突起である。突起13jの先端は外管12の内周面に当接し、その結果、ノズル部13が、外管12内に、ノズル部13の先端部及び突起13jにより、軸線A回りに相対回転可能に支持される。
上記の通り、本実施形態の溶削火口11では、ノズル部13の先端面に、溶削火口11の径方向に沿った特定の方向に沿って、ノズル部13の先端面を横断するよう延びるスリット状の溶削酸素ガス噴出口13eが形成されるとともに、ノズル部13が、ヘッド16及び外管12に対し軸線A回りに相対回転可能とされている。従って、ノズル部13を、ヘッド16及び外管12に対し軸線A回りに相対回転させることにより、図1及び図2に示すように、溶削酸素ガス噴出口13eの延設方向を、ヘッド16及び外管12に対し変更することが可能である。
ノズル部13を、ヘッド16及び外管12に対し軸線A回りに相対回転させる場合には、例えば図4に示すような冶具30を用いる。この冶具30は、シャフト30aと、シャフト30aの手元に設けられたT字状のハンドル30bと、シャフト30aの先端に設けられたプレート30cとを備えている。
プレート30cは、溶削酸素ガス噴出口13dの内面形状に対応するよう、シャフト30aの長手方向と直交する特定の方向に沿って延び、かつ先端側に向け漸次縮径する板状の部材で、溶削酸素ガス噴出口13dに、ノズル部13の先端側からプレート30cを挿入することにより、プレート30cの表面を溶削酸素ガス噴出口13dの内面に密着させることができる。
そして、この状態で、ハンドル30bをシャフト30aの軸回りに回転させることにより、ノズル部13が、ヘッド16及び外管12に対し軸線A回りに相対回転し、溶削酸素ガス噴出口13eの延設方向が、ヘッド16及び外管12に対し変更される。
次に、上記構成を有する溶削火口11を用いた、ハンドスカーフィングによる疵の除去にゆいて説明する。
溶削火口11をハンドスカーフィング吹管40の先端に装着した状況を図5に示す。溶削火口11は、基端側からハンドスカーフィング吹管40の先端開口41に挿入される。そして、締付ナット14の雄ネジ部14aを先端開口41の先端部内周面に形成された雌ネジ部41aに螺合させ、締付ナット14の六角ナット部14b部を締め付けることにより、溶削火口11がハンドスカーフィング吹管40の先端に装着される。
溶削火口11のハンドスカーフィング吹管40への装着に伴い、ヘッド16のテーパ面16dが先端開口41の内周面に密着し、凹部16e,16fが、先端開口41に形成されたリング状の予熱酸素ガス供給口41b及び予熱燃料ガス供給口41cにそれぞれ対向する。また、流路13dの基端が、先端開口41に形成された溶削酸素ガス供給口41dに対向する。
溶削に際しては、ハンドスカーフィング吹管40に設けられた酸素供給流路42,43を介して予熱酸素ガス供給口41b及び溶削酸素ガス供給口41dに酸素を供給するとともに、ハンドスカーフィング吹管40に設けられた燃料ガス供給流路44を介して予熱燃料ガス供給口41cに燃料ガスを供給する。溶削酸素ガス供給口41dに供給された酸素は、流路13dを経て溶削酸素ガス噴出口13eから先端側に噴射される。
また、予熱酸素ガス供給口41bに供給された酸素は流路16hを介して流路16gに流入し、流路16g内にて、溶削酸素ガス供給口41dから流路16iを介して流路16gに流入した燃料ガスと混合される。この混合気は、流路16gから隙間C3及び流路13gを経て、予熱混合ガス噴出口13h,13iから先端側に噴射される。
そして、この状態で溶削酸素ガス噴出口13eから噴射される酸素及び予熱混合ガス噴出口13h,13iから噴射される混合気に点火することにより、溶削酸素ガス噴出口13eから噴射される酸素に由来する火炎と、それを取り囲む、予熱混合ガス噴出口13h,13iから噴射される混合気に由来する火炎とからなる火炎が形成される。ハンドスカーフィングに際しては、溶削火口11を被削材の表面に対し25度〜35度程度傾斜させて火炎を吹き付けることにより、被削材の表面に形成された疵を除去する。
ここで、本実施形態の溶削火口11では、流路13dが、溶削火口11の径方向に沿った特定の方向に沿って所定の角度Qで拡径し、溶削酸素ガス噴出口13eが、ノズル部13の先端面を横断するよう延びるスリット状をなしている。その結果、溶削の主体となる、溶削酸素ガス噴出口13eから噴射される酸素に由来する火炎の形状が、溶削酸素ガス噴出口13eの形状に応じ、溶削火口11の径方向に沿った特定の方向に沿って、ノズル部13の先端面を横断するよう延び、かつ上記特定の方向に沿って角度Qに準じた角度で拡大する扇状となる。
しかも、ノズル部13を、ヘッド16及び外管12に対し軸線A回りに相対回転させることにより、溶削酸素ガス噴出口13eの延設方向を、ヘッド16及び外管12に対し変更することが可能である。
そこで、例えば図6に示すように、溶削酸素ガス噴出口13eの延設方向(図に線分Lで示す方向)を、溶削作業時における溶削火口11の先端側(図に矢印Frで示す方向)から見た場合に被削材50の表面51に対し垂直となるよう調整し、被削材50の表面51に、表面51と略直交する火炎F1を吹き付けることにより、図6に符号S1で示すような、狭く深い溶削が可能となる。
一方、例えば図7に示すように、溶削酸素ガス噴出口13eの上記延設方向を、溶削作業時における溶削火口11の先端側から見た場合に被削材50の表面51と平行となるよう調整し、被削材50の表面51に、表面51と略平行な火炎F2を吹き付けることにより、図7に符号S2で示すような、広く浅い溶削が可能となる。
すなわち、本発明によれば、深い疵を除去する場合であっても、従来の溶削火口に比して、相対的に少ない溶削回数で、目的とする深さまで溶削を行なうことが可能となる。また、幅の狭い疵を除去する場合であっても、疵の周囲を必要以上に幅広く溶削せずに済み、過剰溶削が防止される。また、浅い疵を除去する場合にも、疵の周囲を必要以上に深く溶削せずに済み、過剰溶削が防止される。
一方、本発明の溶削火口11を用いた場合であっても、広範囲の溶削に際しては、幅方向に沿って何回も溶削を繰り返すため、被削材の表面に、楕円状に窪む溶削面が幅方向に沿って並列して形成される。しかしながら、本発明の場合、広く浅い溶削が可能となるため、隣接する溶削面の間に形成される尾根状の凸部の角度は、従来の約110度に対し約140度と平坦に近くなる。その結果、この凸部が、次工程における圧延折れ疵の原因となりにくくなり、凸部を平坦にするための二次加工が不要となる。
しかも、ノズル部13を、ヘッド16及び外管12に対し軸線A回りに相対回転させ、被削材50の表面51に対する溶削酸素ガス噴出口13eの向きを変更することにより、同一の溶削火口11を用いて、図6に符号S1で示すような狭く深い溶削と、図7に符号S2で示すような広く浅い溶削とが実施可能となる。従って、溶削作業中、疵の状態に応じ、溶削酸素ガス噴出口13eの向きを適宜変更し、溶削を行なうことができる。
また、溶削酸素ガス噴出口13eの向きを変更する作業は、溶削火口11をハンドスカーフィング吹管40から外すことなく、冶具30により容易に行なうことができる。
よって、本発明によれば、ハンドスカーフィングによる疵の除去に際し、作業の手間を減らし、かつ過剰溶削を抑制することが可能となる。
以下、図面に基づき本発明の効果について説明する。
図8は、被削材50に形成された狭く深い疵Fを、本発明の溶削火口11と、図10に示すような従来の溶削火口1とを用いて除去した場合の、除去部分の断面を比較した図である。
本発明の溶削火口11を用いた場合、図6に示すように、溶削酸素ガス噴出口13eの延設方向を、溶削火口11の先端側から見た場合に被削材50の表面51に対し垂直となるよう調整して溶削を行うことにより、1回の溶削で、疵Fを除去することができた。この時、溶削により除去された部分R1の深さD1は約20mm、幅W1は約20mmであった。
一方、従来の溶削火口1を用いた場合、深さ20mmまで溶削して疵Fを除去するには、図に符号R2´、R2´´、及びR2で示すような3回の溶削が必要であった。また、溶削により除去された部分R2の幅W2は約60mmであった。
本発明の溶削火口11を用いることにより、従来の溶削火口1を用いた場合に比べ、図に格子で示す部分に相当する過剰溶削が不要となった。具体的には、溶削により除去された部分R1、R2の断面積は、R1が約216mmであるのに対し、R2では約628mmであり、断面積の比で約62%の溶削量が低減した。また、溶削回数の減少により、溶削火口1を用いた場合に比べ、溶削時間が約30%短縮した。
すなわち、本発明の溶削火口11を用いることにより、溶削火口1を用いた場合に比べ、溶削回数を減少させつつ、過剰溶削を抑制して歩留まりの良い溶削を行うことができた。
図9は、被削材50に形成された広く浅い疵(図示せず)を、本発明の溶削火口11と従来の溶削火口1とを用いて除去した場合の、除去部分の断面を比較した図である。
本発明の溶削火口11を用いた場合、図7に示すように、溶削酸素ガス噴出口13eの延設方向を、溶削火口11の先端側から見た場合に被削材50の表面51に対し平行となるよう調整し、図の左右方向に4回にわたり溶削を行った。この時、溶削により除去された部分R3の深さD2は約10mm、1回の溶削幅W3は約65mmであった。
一方、従来の溶削火口1を用いた場合も、1回の溶削幅を約65mmとして、図の左右方向に4回にわたり溶削を行った。この時、溶削により除去された部分R4の深さD3は約16mmであった。
本発明の溶削火口11を用いることにより、従来の溶削火口1を用いた場合に比べ、図に格子で示す部分に相当する過剰溶削が不要となった。具体的には、溶削により除去された部分R3、R4の断面積は、R3が約402mmであるのに対し、R4では約640mmであり、断面積の比で約25%の溶削量が低減した。
また、隣接する溶削面の間に形成される尾根状の凸部P1,P2の角度Q1,Q2は、従来(Q2)の約110度に対し、本発明の溶削火口11を用いた場合(Q1)では約140度と平坦に近くなる。その結果、この凸部P1が、次工程における圧延折れ疵の原因となりにくくなり、凸P1部を平坦にするための二次加工が不要となった。
すなわち、本発明の溶削火口11を用いることにより、溶削火口1を用いた場合に比べ、作業工程を減少させつつ、過剰溶削を抑制して歩留まりの良い溶削を行うことができた。
11…溶削火口、12…外管、13…ノズル部、16…ヘッド、13d…流路、13e…溶削酸素ガス噴出口、12…水配管、13…管路、30…冶具、40…ハンドスカーフィング吹管(吹管)、A…軸線

Claims (6)

  1. 吹管の先端に装着され使用される溶削火口であって、
    先端面に、この先端面を横断する方向に延びるスリット状の溶削酸素ガス噴出口が形成されていることを特徴とする溶削火口。
  2. 前記溶削酸素ガス噴出口が、前記溶削火口の軸線回りに回転可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の溶削火口。
  3. 前記溶削火口が、前記溶削酸素ガス噴出口が形成されたノズルと、このノズルの基端部に支持されるヘッドと、このヘッドの先端側にて前記ノズルの周囲を覆う外管とを備え、前記ノズルを前記ヘッド及び前記外管に対し前記軸線回りに相対回転させることにより、前記溶削酸素ガス噴出口が前記軸線回りに回転可能とされていることを特徴とする請求項2に記載の溶削火口。
  4. 前記溶削酸素ガス噴出口に連なる流路の先端部が、先端側に向かうに従い漸次拡径する扇状をなしていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の溶削火口。
  5. 吹管の先端に装着された溶削火口を用いた被削材表面の溶削方法であって、
    前記溶削火口の先端面に、この先端面を横断する方向に延びるスリット状の溶削酸素ガス噴出口が形成され、この溶削酸素ガス噴出口の前記先端面における延設方向を、溶削作業時における前記溶削火口の先端側から見た場合に前記被削材表面に対し垂直として溶削を行なうことを特徴とする溶削方法。
  6. 吹管の先端に装着された溶削火口を用いた被削材表面の溶削方法であって、
    前記溶削火口の先端面に、この先端面を横断するよう延びるスリット状の溶削酸素ガス噴出口が形成され、この溶削酸素ガス噴出口の前記先端面における延設方向を、溶削作業時における前記溶削火口の先端側から見た場合に前記被削材表面に対し平行として溶削を行なうことを特徴とする溶削方法。
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