JP2012216986A - 補聴器調整装置、補聴器調整方法、および補聴器調整用プログラム - Google Patents

補聴器調整装置、補聴器調整方法、および補聴器調整用プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】補聴器使用者が試聴および評価を実施する回数を減らしつつ、補聴器使用者の聞こえ方を反映させた補聴処理パラメータを効率よく求める。
【解決手段】補聴器調整装置1は、比較部22aと、設定部22bと、を有する。比較部22aは、補聴器5の使用者Tの聴力レベルデータとフィッティング理論とに基づく補聴処理により得られた音に対して使用者Tによって与えられた使用者評価と、顧客A〜Cのそれぞれに対応して予め取得され、顧客A〜Cの聴力レベルデータとフィッティング理論とに基づく補聴処理により得られた音に対して顧客A〜Cによって与えられた参照評価と、を比較する。設定部22bは、使用者Tに提供される補聴処理を規定する使用者パラメータの値を、予め取得されたパラメータであって、顧客A〜Cのうち使用者評価と類似する参照評価を与えた顧客Aに適合する補聴処理を規定する参照パラメータの値と同一の値に設定する。
【選択図】図8

Description

本発明は、補聴器の調整を行うための、補聴器調整装置、補聴器調整方法および補聴器調整用プログラムに関する。
従来から、補聴器の使用設定を行うためにフィッティングが実施されている。フィッティングでは、補聴器の補聴処理に関する特性(補聴特性)が、補聴器使用者の聴力に合わせて設定される。つまり、先ずは使用者の聴力が、可聴周波数帯の低音から、高音にわたって測定される。次に、測定により得られた聴力レベルデータを基に、補聴特性が調整される。具体的には、補聴器で実行される補聴処理を決定する補聴処理パラメータの値が設定される。
しかしながら、補聴器の調整作業は、補聴器調整者が熟練者であったとしても、長時間かかってしまうことが多い。
すなわち、音の聞こえ方に対する感覚は、個人ごとに異なっており、また、測定環境(例えば、季候、測定空間の大きさ等)、測定が実施される時間帯、補聴器使用者の体調などによっても大きく影響される。それらが原因となり、調整に時間を要する場合がある。具体的には、調整がある程度進行すると、補聴器調整者は、徐々に補聴処理パラメータが補聴器使用者に適した最終的な値に追い込まれていると判断する。
一方で、外的もしくは内的な要因により、調整を開始した時点と比較して、使用者にとっては音の聞こえ方が変化している場合がある。例えば、使用者は現在試聴している音よりも、既に試聴した音の方が良かったと判断することがある。そのため、調整作業が逆戻りしてしまうこともしばしば発生し、同じ作業が繰り返される結果として、調整時間が長くなる傾向にある。
そこで、従来から、対話型遺伝的アルゴリズム(genetic algorithm(GA))を利用することで、このような主観的な聞こえに対する評価の揺らぎを考慮し、半自動的に調整値を求めようとする取り組みが検討されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2001−175637号公報
GAを用いた従来方法では、過大音や過小音が出力されない範囲でランダムに与えられた補聴処理パラメータの初期値集合が用いられる。初期値集合に含まれるそれぞれの補聴処理パラメータについて、補聴器使用者により試聴および、評価が実行され、高評価の補聴処理パラメータが抽出される。抽出された補聴処理パラメータに対して、GAの基本操作である「選択」、「交差」、「突然変異」を用いることにより、新しい補聴処理パラメータ集合が生成される。そして、新しい補聴処理パラメータについて、補聴器使用者により試聴および、評価が実行され、高評価の補聴処理パラメータが抽出される。抽出された補聴処理パラメータは、GAの基本操作により次の新しい補聴処理パラメータを作り出すための基礎となる。
このように、GAを用いた補聴器調整方法では、補聴処理パラメータの集合に対して試聴、評価、GA操作といった一連の操作を何度も繰り返すことで、使用者にとって準最適な補聴処理パラメータが求められる。つまり、GAを用いた補聴器調整方法では、補聴器使用者の判断の揺らぎをある程度考慮しながら、試聴の対象となる補聴処理パラメータを絞り込もうとする。
しかしながら、GAによる絞り込みが成功しない場合には、補聴器の調整が終了するまでに、試聴および評価が、数十回、またある場合には数百回と繰り返される。その結果、GAを用いた調整方法では、補聴処理パラメータを半自動的に求めることができる代わりに、補聴器の調整に膨大な時間がかかってしまう。
本発明は、上記課題に鑑み、補聴器使用者が試聴および評価を実施する回数を減らしつつ、補聴器使用者の聞こえ方を反映させた補聴処理パラメータを効率よく求めることを目的とする。
ここに開示される補聴器調整装置は、比較部と、設定部と、を有している。
比較部は、補聴器の使用者の聴力レベルデータと所定の手法とに基づく補聴処理により得られた音に対して使用者によって与えられた第1評価と、複数の参照使用者のそれぞれに対応して予め取得され、参照使用者の聴力レベルデータと所定の手法とに基づく補聴処理により得られた音に対して参照使用者によって与えられた第2評価と、を比較する。設定部は、使用者に提供される補聴処理を規定する第1パラメータの値を、予め取得されたパラメータであって、複数の参照使用者のうち第1評価と一致または類似する第2評価を与えた参照使用者に適合する補聴処理を規定する第2パラメータの値と同一の値に設定する。
また、ここに開示される補聴器調整方法は、複数の参照使用者のそれぞれに対応してデータ収容部に予め記憶され、参照使用者の聴力レベルデータと所定の手法とに基づく補聴処理により得られた音に対して参照使用者によって与えられた第2評価を表す第2評価情報をデータ収容部から取得することを含む。また、この補聴器調整方法は、データ収容部から取得された第2評価情報と、使用者の聴力レベルデータと所定の手法とに基づく補聴処理により得られた音に対して使用者によって与えられた第1評価を表す第1評価情報と、を比較することを含む。さらに、この補聴器調整方法は、使用者に提供される補聴処理を規定する第1パラメータの値を、予めデータ収容部に記憶されたパラメータであって、複数の参照使用者のうち第1評価と一致または類似する第2評価を与えた参照使用者に適合する補聴処理を規定する第2パラメータの値と同一の値に設定することを含む。
この補聴器調整装置および補聴器調整方法では、共通する所定の手法に基づく補聴処理により得られた音を、補聴器の使用者および複数の参照使用者が評価する。ここで、使用者の与えた第1評価と参照使用者の与えた第2評価が類似する場合には、補聴処理に関する使用者の個人的な好みは、補聴処理に関する参照使用者の個人的な好みと類似していると判断できる。したがって、使用者に提供される補聴処理を規定する第1パラメータの値が、使用者の与えた第1評価と同一または類似する第2評価を与えた参照使用者に適合する補聴処理を規定する第2パラメータの値と同一の値に設定されることにより、第1パラメータには、補聴処理に関する使用者の主観的な好みが反映される。
これにより、使用者が使用者の補聴レベルデータおよび所定の手法に基づく補聴処理により得られた音を評価するだけで、補聴処理に関する使用者の主観的な好みを、第1パラメータに反映させることができる。したがって、使用者の主観的な好みを探るために補聴処理パラメータの調整を余分に繰り返す必要がなくなる。
このように、補聴器使用者に合わせて補聴器が調整される場合に、補聴器使用者が試聴および評価を実施する回数を減らしつつ、補聴器使用者の聞こえ方を反映させた補聴処理パラメータを効率よく求めることができる。
本発明の一実施形態に係る補聴器調整装置1の構成を示す図。 図1の補聴器調整装置1の制御ブロック。 フィッティング理論DB9に記憶されたフィッティング理論を示す概念図。 顧客DB10に記憶されたデータの一例を示す概念図。 図1の補聴器調整装置1における補聴器調整のフローを示す図。 図1の補聴器調整装置1の画面表示の一例を示す図。 図1の補聴器調整装置1の画面表示の一例を示す図。 推奨パラメータ特定部22における処理を示す概念図。 図1の補聴器調整装置1の画面表示の一例を示す図。
<構成>
図を用いて、本実施形態に係る補聴器調整装置1の構成を説明する。
なお、以下では、フィッティングの対象である使用者T(使用者の一例)と区別するために、顧客DB10(後述)に関連するデータが記録された使用者を参照使用者と呼ぶ。
図1に示すように、本実施形態に係る補聴器調整装置1は、入力部2と、表示部3と、音出力部4と、を備えている。この補聴器調整装置1と補聴器5とは、接続ボックス6、配線7、および配線8を介して接続されている。なお、補聴器5は、使用者Tの左耳、右耳別に用意されるが、この図1ではその内の一つとして右耳用を示している。
入力部2(入力部の一例)は、例えば、キーボードやマウスであり、調整者Sからの入力操作を受け付ける。調整者Sは、入力部2を介して、補聴処理パラメータの変更等の操作を行う。調整者Sによって入力された補聴処理パラメータなどの調整値は、補聴器5に接続ボックス6などを介して送信され、補聴器5の設定が行われる。
表示部3は、例えば、液晶モニタであり、補聴器5の調整に必要な情報が表示される。
音出力部4は、例えば、スピーカであり、補聴器5の調整に用いられる音源を出力する。
なお、補聴器5は、左耳および右耳のいずれか一方でもよい。また、以下では右耳用の補聴器5を例に実施形態を説明するが、補聴器5が左耳用であっても、本実施形態と同様の方法により調整を行うことができる。
図2は補聴器調整装置1の制御ブロックを示している。
補聴器調整装置1は、制御部11と、調整値メモリ12と、音源DB(data base)21と、推奨パラメータ特定部22と、フィッティング理論DB9と、顧客DB10と、読み込み部20と、書き込み部13と、を有している。
補聴器調整装置1の制御ブロックの各部は、調整者Sによるスライダー37(図6を参照)等の操作により実行される調整作業に対応して動作する。
制御部11は、例えば、プロセッサであり、補聴器調整装置1において処理の中心を担っている。制御部11は、補聴器調整装置1の各機能ブロックの機能を制御する。
調整値メモリ12は、補聴処理を規定するための調整値(例えば、補聴処理パラメータ)を記憶する。調整値メモリ12は、例えば、フラッシュメモリによって実現される。調整者Sにより入力部2を通じて調整値が入力もしくは変更されると、入力もしくは変更された調整値は、制御部11を介して調整値メモリ12に蓄えられるとともに、表示部3で表示される。
また、調整者Sにより補聴器5への調整値の書き込み指示が入力されると、書き込み部13により、接続ボックス6および補聴器5の入力部14を介して、補聴器5の補聴処理パラメータ保持部15に調整値が書き込まれる。ここで、補聴処理パラメータ保持部15は、使用者Tの聴力に応じて決定されるゲイン、コンプレッション、TK(threshold knee point)のような、補聴処理パラメータを記憶するものである。
補聴器5は、補聴処理部17と、入力部14と、補聴処理パラメータ保持部15と、本体マイク16と、レシーバ18と、出力部19と、を有している。
補聴器5は、補聴処理パラメータ保持部15に格納された補聴処理パラメータに基づいて、本体マイク16より取得された音を補聴処理部17で処理し、レシーバ18より出力することで、使用者Tの聴力に合わせた音を提供する。つまり、補聴処理部17は補聴処理を実行する。
ここで、補聴器5は、アンプ16aと、A/D(analog/digital converter)16bと、アンプ18aと、D/A(digital/analog converter)18b、とを有している。
アンプ16aは、本体マイク16から出力されたアナログ音声信号を増幅する。A/D16bは、アンプ16aから出力されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。
また、D/A18bは、補聴処理部17から出力されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換する。アンプ18aは、D/A18bから出力されたアナログ音声信号を増幅する。
次に、補聴器調整装置1の有するフィッティング理論DB9は、本実施形態に係る補聴器調整方法に直接に関わるブロック構成である。フィッティング理論DB9は、複数のフィッティング理論を格納している。フィッティング理論DB9は、例えば、フラッシュメモリにより実現される。
ここで、フィッティング理論とは、補聴器5の使用者の聴力レベルデータに基づいて補聴処理パラメータを算出する手法を意味している。つまり、フィッティング理論は、補聴器5の使用者の聴力レベルデータを入力とし、補聴処理パラメータを出力とする、所定の規則に基づいた情報処理の手続である。また、フィッティング理論は、補聴処理パラメータを算出するためのアルゴリズムであるともいえる。したがって、フィッティング理論は、プロセッサなどの演算装置に読み込まれて実行されるプログラムによって表現することができる。本実施形態では、フィッティング理論は、制御部11が読み込み可能なプログラムとして、フィッティング理論DB9に電子的に記録されている。
図3は、フィッティング理論DB9に記憶されたフィッティング理論を示す概念図である。
図3に示すように、本実施形態に係る補聴器調整装置1では、5種類のフィッティング理論が用意されている。つまり、理論1〜5(所定の手法の一例)は、それぞれ、異なるフィッティング理論を表している。各フィッティング理論は、図3に示すように、フィッティング理論DB9に確保された記憶領域にそれぞれ記憶されている。これらのフィッティング理論としては、例えば、NAL−NL1(National Acoustic Laboratories - non-linear 1)、NAL−NL2、DSL(Desired Sensation Level) i/o、 DSL v5、POGO(prescription of Gain/Output)、FIG6、を利用することができる。
フィッティング理論は、それぞれ特有の着眼点に基づいて構築されている。例えば、あるフィッティング理論は、可聴周波数帯において補聴器の使用者の感じるラウドネスが健聴者の感じるラウドネスと同様になることを重視して構築される。一方で、語音明瞭性を重視してフィッティング理論が構築される場合もある。したがって、複数のフィッティング理論を採用することにより、使用者Tに多様な補聴処理を提供することができる。
調整者Sが入力部2を介して本実施形態に係る調整方法の開始を指示すると、フィッティング理論DB9に格納されたフィッティング理論が制御部11により読み出される。そして、制御部11は、調整値メモリ12に蓄えられた使用者Tの聴力レベルデータを入力として、フィッティング理論DB9に格納された複数のフィッティング理論に基づいて、それぞれのフィッティング理論について、使用者Tの聴力レベルに合わせた初期調整パラメータを算出する。ここで、初期調整パラメータとは、補聴処理パラメータの初期値である。具体的には、初期調整パラメータとは、調整者Sにより使用者Tとの対話形式での調整が実行される前の状態での、補聴処理パラメータを意味している。
算出された各初期調整パラメータは、順次、補聴器5に送信され、補聴器5の補聴処理パラメータ保持部15に書き込まれる。そして、それぞれの初期調整パラメータについて、使用者Tは、聞こえの評価を実施する。つまり、初期調整パラメータは、制御部11により書き込み部13、接続ボックス6、補聴器5の入力部14を通じて補聴器5に書き込まれ、順次、使用者Tにより評価が行われる。
なお、制御部11において算出された初期調整パラメータは、調整値メモリ12に一時的に格納されてもよい。この場合には、調整値メモリ12に格納された初期調整パラメータは、制御部11により読み出されて、書き込み部13および入力部14を介して補聴器5に送信され、補聴処理部17によって補聴処理パラメータ保持部15に書き込まれる。
ここで、使用者Tが音源を評価できるように、音源DB21に格納された評価用音声が音出力部4を通じて使用者Tに提供され、使用者Tにより、評価が入力部2を介して補聴器調整装置1に入力される。評価用音声は音源DB21にPC(personal computer)で再生可能な形式(たとえばwavファイル)で格納されている。このように、音源とは、音源DB21に保存されている状態では、例えば、電子データであり、音出力部4から出力された状態では音声である。
なお、評価とは、補聴器5から出力される音声についての使用者Tの主観的な判断である。使用者Tの評価の対象となる「聞こえ」は、例えば、ラウドネスおよび語音明瞭性を含む概念である。
調整値メモリ12には、フィッティング理論に基づいて補聴処理された音に対して使用者Tが与えた評価を表す評価情報が、一時的に格納される。具体的には、理論1〜5のそれぞれに基づいて補聴処理された音に与えられた評価(第1評価の一例)は、制御部11により、調整値メモリ12に記録可能な評価情報(第1評価情報の一例)に変換される。評価情報は、対応するフィッティング理論と関連付けられた状態で、調整値メモリ12に一時的に記憶される。
推奨パラメータ特定部22は、補聴処理に関する使用者Tの主観的な好みが反映された補聴処理パラメータを特定する。具体的には、推奨パラメータ特定部22は、比較部22aと、設定部22bと、を有している。
後述するように、すべての初期調整パラメータに対する使用者Tによる評価が入力部2より取得されると、推奨パラメータ特定部22は、評価結果に基づいて、使用者Tに相応しい補聴処理パラメータを特定する。推奨パラメータ特定部22が特定した補聴処理パラメータを、以下では、推奨パラメータと呼ぶ。推奨パラメータ特定部22は、推奨パラメータの特定に際し、顧客DB10に個別の情報が格納された参照使用者(例えば、過去の顧客)が補聴器5の調整の過程で報告した評価結果を利用する。
顧客DB10(データ収容部の一例)は、既に完了した補聴器5の調整に関するデータを格納している。顧客DB10は、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリによって実現される。顧客DB10に格納されているデータは、推奨パラメータ特定部22による推奨パラメータの特定に必要となる、参照使用者の聴力レベルデータ、各種フィッティング理論に基づいて補聴処理が施された音源に対して参照使用者が与えた評価結果、および補聴器5の最終的な調整結果から構成されている。なお、本実施形態では、顧客DB10には、複数の使用者に関するデータが記録されている。
ここで、最終的な調整結果とは、参照使用者に適合する補聴処理を規定する補聴処理パラメータであり、補聴器5に最終的に設定された補聴処理パラメータを意味している。そして、参照使用者に適合する補聴処理とは、参照使用者にとって良好な状態に補聴器5が調整された段階で、補聴器5が提供する補聴処理を意味している。
なお、本実施形態では、顧客が誰であるのかを具体的に特定できるようなデータは顧客DB10には記録されていない。顧客を具体的に特定できるデータを顧客DB10に記録することも可能ではあるが、その場合には、補聴器調整装置1に保護手段を設けることにより、顧客の個人情報の流出が防止される。
ここで、以下の説明で用いる用語を定義する。
個々の参照使用者の聴力レベルデータを参照聴力データと呼ぶ。また、個々の参照使用者に合わせて調整された補聴処理パラメータを参照パラメータと呼ぶ。さらに、フィッティング理論の適用により算出された初期調整パラメータに基づいて補聴処理が施された音源に対して、個々の参照使用者が与えた評価を、参照評価(第2評価の一例)と呼ぶ。つまり、参照評価とは、個々の参照使用者の参照聴力データと理論1〜5とに基づく補聴処理により得られた音に、参照使用者自身が与えた評価である。そして、参照評価を表す情報を参照評価情報(第2評価情報の一例)と呼ぶ。
また、顧客DB10に格納され、個々の参照使用者に対応するデータを、以下では参照データ(個別データの一例)と呼ぶ。参照データは、互いに関連付けられた、参照聴力データと、参照パラメータと、参照評価情報と、により構成される。
一方で、使用者Tの聴力レベルデータを、以下では、使用者聴力データと呼ぶ。また、使用者Tに提供される補聴処理を規定する補聴処理パラメータを、以下では、使用者パラメータ(第1パラメータの一例)と呼ぶ。
なお、使用者パラメータは、使用者Tに合わせて補聴器5の調整が終了した段階で、補聴器5の補聴処理パラメータ保持部15に記憶されている補聴処理パラメータを表すために用いられる。加えて、使用者パラメータは、使用者Tに合わせて補聴器5を調整する過程の途中段階において、調整値メモリ12もしくは補聴処理パラメータ保持部15に記憶されている補聴処理パラメータを意味する場合がある。
また、フィッティング理論の適用により算出された初期調整パラメータに基づいて補聴処理が施された音源に対して、使用者Tが与えた評価を、使用者評価(第1評価の一例)と呼ぶ。つまり、使用者評価とは、使用者Tの使用者聴力データと理論1〜5とに基づく補聴処理により得られた音に使用者Tが与えた評価である。そして、使用者評価を表す情報を使用者評価情報(第1評価情報の一例)と呼ぶ。
次に、図を用いて、参照データについてより具体的に説明する。
図4は、顧客DB10に記憶された参照データの一例を示す概念図である。
図4には、参照使用者の評価結果(つまり、参照評価)、参照使用者の聴力レベルデータ(つまり、参照聴力データ)、および調整における最終結果(つまり、参照パラメータ)が示されている。なお、図4では、右耳に合わせた調整における最終結果のみが示されている。また、図4では、最終結果が出力特性として図示されている。
具体的には、図4には、顧客A(参照使用者の一例)の参照パラメータに対応する音圧レベル31と、顧客B(参照使用者の一例)の参照パラメータに対応する音圧レベル32と、顧客C(参照使用者の一例)の参照パラメータに対応する音圧レベル33と、顧客D(参照使用者の一例)の参照パラメータに対応する音圧レベル34と、が図示されている。
本実施形態では、使用者Tおよび参照使用者の与えた評価は3段階に分類される。例えば、図4に示されるように、顧客Aが理論1に対応する補聴処理に基づいて補聴器5が出力した音声を良好だと評価した場合には、顧客Aは理論1に対してG(Good)の評価を与えたと記録される。また、例えば、顧客Aが理論2に対応する補聴処理に基づいて補聴器5が出力した音声を概ね良好だと評価した場合には、顧客Aは理論2に対してS(So-So)の評価を与えたと記録される。さらに、例えば、顧客Aが理論4に対応する補聴処理に基づいて補聴器5が出力した音声を良くないと評価した場合には、顧客Aは理論4に対してN(Not good)との評価を与えたと記録される。
なお、本実施形態では、使用者Tまたは参照使用者が与える評価が3段階のランクにより表現されているが、評価が分類および記録できれば、どのような表現が用いられてもよい。例えば、1〜5の5段階評価が採用されてもよい。
前述の推奨パラメータ特定部22は、顧客DB10を参照することにより、使用者Tと同様または類似の聴力レベルを有し、さらに各種初期調整パラメータに対応する評価が使用者Tと同様の傾向を示す参照使用者の最終的な調整結果を、使用者Tに対する推奨パラメータとして同定する。そして、同定された推奨パラメータは表示部3に提示される。推奨パラメータを特定するための処理の詳細については、後述する。
<フィッティング>
以下、使用者Tを対象とした補聴器5の調整を例にして、フィッティングにおける補聴器調整装置1の動作について、図を用いて説明をする。
図5は、本実施形態に係る補聴器調整装置1における補聴器調整のフローを示す。
《ステップS101》
ステップS101では、使用者Tの聴力レベル(具体的には、HTLなど)が測定される。測定された使用者Tの聴力レベルデータ(つまり、使用者聴力データ)は、調整値メモリ12に格納される。ここで、前もって取得されていた使用者Tの聴力レベルデータが、予め調整値メモリ12に格納されていてもよい。なお、聴力レベルデータの測定時には、表示部3には測定用の測定画面が表示される。
《ステップS102》
ステップS102では、補聴器調整装置1の表示部3の画面が調整画面300に遷移する。具体的には、制御部11は、測定画面の代わりに、表示部3に調整画面300を表示させる。
図6は、表示部3に表示された調整画面300を示している。
調整画面300には、スライダー37と、調整グラフ35と、推奨パラメータ計算ボタン36と、が表示される。図6に示すように、調整画面300の上部に調整グラフ35が配置され、調整画面300の下部に各種補聴処理パラメータ(具体的には、ゲイン、コンプレッション、およびTK)を調整するためのスライダー37が配置され、さらに、調整画面300の右上に推奨パラメータ計算ボタン36が配置される。
スライダー37は、調整者Sにより指定された補聴処理パラメータの大きさを表している。調整者Sは、入力部2を操作することにより、スライダー37のつまみを上下に移動させることができる。そして、調整者Sは、スライダー37の位置を指定することにより、補聴処理パラメータの大きさを指定する。
調整グラフ35には、指定された補聴処理パラメータに基づいて補聴処理が実行された場合の出力特性が表示される。
推奨パラメータ計算ボタン36は、推奨パラメータを計算する処理を補聴器調整装置1に実行させるために用いられる。調整者Sは、入力部2を介して、表示部3に表示された推奨パラメータ計算ボタン36を押下することができる。
ここで、本実施形態に係る調整方法に依らずに調整者Sが補聴器5を調整する場合について説明する。調整者Sは、入力部2を介してスライダー37を操作することにより、使用者Tの聴力に合った増幅値を、音の周波数帯ごとに設定する。つまり、補聴処理パラメータを周波数帯ごとに設定する。通常、調整者Sは、何らかの初期値に微調整を施すことにより、補聴処理パラメータを設定する。例えば、補聴処理パラメータの初期値として、事前に設定したファーストフィットの処方を用いて算出されたパラメータが用いられる。ここでのファーストフィットの処方とは、例えば、予め定められたフィッティング理論に基づいている。したがって、この場合には、補聴処理パラメータの初期値の決定においては、使用者Tの聴力レベルデータのみが考慮され、それ以外の主観的な好みは考慮されない。
一方で、本実施形態に係る補聴器調整方法では、補聴処理に関する使用者Tの主観的な好みに基づいて、補聴処理パラメータの初期値が決定される。
《ステップS103》
ステップS103では、使用者Tに提供される補聴処理を規定する補聴処理パラメータ(つまり、使用者パラメータ)を記憶するための記憶領域が、調整値メモリ12に確保される。具体的には、制御部11は、使用者Tの聴力レベルの測定が終了したことを検出すると、使用者パラメータを格納するための記憶領域を調整値メモリ12に確保する。
《ステップS104》
ステップS104では、理論1〜Mを適用して初期調整パラメータが算出される。ここで、Mは使用者Tの評価の対象となるフィッティング理論の個数を表す1以上の整数であり、本実施形態では、M=5である。
ステップS104において、調整者Sにより推奨パラメータ計算ボタン36が押下されると、初期調整パラメータの算出が開始される。制御部11は、推奨パラメータ計算ボタン36の押下げ操作を検出すると、初期調整パラメータの算出に必要なデータを取得する。つまり、制御部11は、調整値メモリ12から使用者Tの聴力レベルデータ(つまり、使用者聴力データ)を取得し、フィッティング理論DB9から理論1〜5に対応するプログラムデータを取得する。制御部11は、取得したプログラムデータに基づいた処理を実行し、使用者聴力データに基づいて初期調整パラメータを算出する。
また、ステップS104では、制御部11は、調整画面400を表示部3に表示させる(図7を参照)。調整画面400については、後述する。
ここで、フィッティング理論DB9に格納されたフィッティング理論(本実施形態では、理論1〜5)のそれぞれに対応する初期調整パラメータが算出される。したがって、本実施形態では、5セットの初期調整パラメータが制御部11により算出される。算出された初期調整パラメータは、使用者パラメータとして、調整値メモリ12に一時的に格納される。
なお、本実施形態では、フィッティング理論DB9に格納されたフィッティング理論の全てについて、制御部11により初期調整パラメータがあらかじめ算出され、調整値メモリ12に記憶されているが、初期調整パラメータは予め算出されていなくてもよい。例えば、理論2〜5については、カウンタが数え上げを行うステップS109(後述)と、初期調整パラメータを補聴器5に設定するステップS106(後述)と、の間に、補聴器5に設定される初期調整パラメータが制御部11により算出されてもよい。
以上のように、ステップS104では、使用者Tの聴力レベルデータに基づいて、各フィッティング理論を適用した初期調整パラメータが算出され、調整値メモリ12に格納される。
《ステップS105》
ステップS105では、制御部11により、繰り返しの処理を実施するための仮想的なカウンタが設定され、初期化される。以下では、カウンタが数え上げた回数をn(nは1以上M以下の整数であり、本実施形態では、nは1以上5以下の整数)と表現する。したがって、ステップS105では、nに「1」が割り当てられる。
《ステップS106》
ステップS106では、フィッティング理論の適用により算出された初期調整パラメータが補聴器5に設定される。具体的には、使用者Tの使用者聴力データと理論nとに基づいて算出された初期調整パラメータが補聴器5に設定される。例えば、ステップS105からステップS106に処理が進んだ場合には、理論1の適用により算出された初期調整パラメータが補聴器5に設定される。
前述のように、初期調整パラメータは、制御部11により調整値メモリ12から読み出され、書き込み部13、接続ボックス、配線7、および配線8を介して補聴器5に送信される。そして、初期調整パラメータは、入力部14を介して補聴器5に入力され、補聴処理部17により補聴処理パラメータ保持部15に書き込まれる。このようにして、補聴器5に理論nの適用により算出された初期調整パラメータが設定される。
《ステップS107》
ステップS107では、補聴器調整装置1により音源が使用者Tに提供され、提供された音源が使用者Tにより評価される。
前述のように、調整者Sにより選択された音源が、制御部11により音源DB21から読み出され、音出力部4から評価用音声として出力される。音出力部4から出力された音源は、本体マイク16を介して補聴器5に取り込まれる。補聴器5に取り込まれた音源には、増幅処理およびデジタル信号化処理が施された後、補聴処理部17により、補聴処理が施される。
ここで、音源に施される補聴処理は、補聴処理パラメータ保持部15に格納された初期調整パラメータに基づいて実行される。そして、補聴器5に設定される初期調整パラメータは、使用者Tの使用者聴力データと理論nとに基づいて、制御部11により算出される。したがって、補聴器5では、使用者Tの聴力レベルデータと理論nとに基づく補聴処理が実行される。
次に、補聴処理の施された音源は、増幅処理およびアナログ信号化処理が施された後、レシーバ18から音声として出力される。レシーバ18から出力された音声は、使用者Tにより試聴され、良否を評価される。使用者Tが音源に与えた評価は、使用者T(あるいは、調整者S)によって、入力部2を介して補聴器調整装置1の制御部11に入力される。
なお、使用者Tが音源に与えた評価は、補聴器5に設定されている初期調整パラメータに対する評価、もしくは、その初期調整パラメータを算出する際に用いられた理論nに対する評価であるとも言える。
さらに、ステップS107では、使用者Tが理論nに与えた評価が調整値メモリ12に一時的に格納される。具体的には、制御部11により、使用者Tが理論nに与えた評価を表す情報(つまり、使用者評価情報)が、調整値メモリ12に格納される。ここで、理論nに対応する使用者評価情報は、理論nと関連付けられた状態で、調整値メモリ12に格納される。
なお、調整値メモリ12に格納された使用者評価情報は、後述する処理において、調整値メモリ12から読み出されて、顧客DB10に格納される。
《ステップS108》
ステップS108では、カウンタが保持している回数nが、予め定められた整数値Mに等しいかどうかが判定される。前述のように、Mは使用者Tによる評価の対象となるフィッティング理論の個数であり、本実施形態ではM=5である。
なお、フィッティング理論DB9に格納されているフィッティング理論の個数と、Mと、は必ずしも一致しない。フィッティング理論DB9に格納されているフィッティング理論のうちの一部のみが使用者Tの評価の対象となる場合には、Mは、フィッティング理論DB9に格納されているフィッティング理論の個数よりも小さい。
ステップS108において回数nがMと等しい場合には、処理はステップS110に進み、回数nがMと等しくない場合には、処理はステップS109に進む。
《ステップS109》
ステップS109では、カウンタの保持している回数nに「1」が加算され、処理がステップS106に戻る。
上記のように、ステップS106〜S109では、制御部11が所定の動作を繰り返し、複数のフィッティング理論から得られた初期調整パラメータの全てに対する、使用者Tの評価結果を取得する。
ここで、図を用いて、ステップS106〜S109での処理についてさらに説明する。
図7は、表示部3に表示された調整画面400を示している。
調整画面400には、前述のスライダー37および調整グラフ35に加えて、領域41と、領域42と、ストップボタン46と、が表示される。
領域41には、使用者Tによる評価が行われるフィッティング理論のリストとその順番が表示され、評価の進捗状況および、すでに得られた評価結果が示されている。領域42には、使用者T(もしくは、調整者S)が各フィッティング理論に対する評価結果を補聴器調整装置1に入力するための入力ボタン42a〜42cが配置されている。ストップボタン46は、入力部2を介した調整者Sの押下操作を受け付ける。制御部11は、ストップボタン46が押下げられたことを検出すると、ステップS106〜S109における処理を中止させ、推奨パラメータを特定する処理を中止させる。
前述のように、まず制御部11が、調整値メモリ12から第1のフィッティング理論(理論1)の適用によって得られた初期調整パラメータを、書き込み部13、接続ボックス6、入力部14を介して補聴器5に伝達する。伝達された初期調整パラメータは、補聴処理部17により、補聴処理パラメータ保持部15に書き込まれる。その後、制御部11は、音源DB21に格納されている音源を、評価用音声として、音出力部4に出力させる。出力された評価用音声は、補聴器5の本体マイク16により取得され、補聴処理部17により補聴処理された後、使用者Tに対して提供される。
補聴器5から出力された音を聞いた使用者Tは、入力部2を介して領域42のボタン操作を行い、初期調整パラメータに対する評価結果(N,S,G)を補聴器調整装置1に入力する。使用者Tにより補聴器調整装置1に入力された評価結果は、一時的に調整値メモリ12に格納されるとともに、最終的には顧客DB10に格納される。この一連の評価処理が、フィッティング理論DB9に格納されたすべてのフィッティング理論に対して行われる。
《ステップS110》
ステップS110では、1次比較が実行される。つまり、使用者Tの聴力レベルデータ(つまり、使用者聴力データ)と参照使用者の聴力レベルデータ(つまり、参照聴力データ)とが比較される。
具体的には、推奨パラメータ特定部22の比較部22aは、使用者聴力データおよび参照聴力データを調整値メモリ12から取得する。ここで、参照聴力データは、制御部11により顧客DB10から読み出され、調整値メモリ12に格納されている。そして、参照聴力データは、比較部22aにより、使用者聴力データと比較され、使用者聴力データとの類似性に基づいて順位付けされる。つまり、使用者聴力データとよりよく類似する参照聴力データには、より上位の順位が付与される。なお、前述のように、参照聴力データは、既に補聴器5の調整を完了した参照使用者の聴力レベルを表すデータである。
なお、推奨パラメータ特定部22の比較部22aは、制御部11を介して、参照聴力データを顧客DB10から直接取得してもよい。
《ステップS111》
ステップS111では、過去に補聴器5の調整を完了した参照使用者の中から、使用者Tと類似した聴力レベルを有する使用者が選択され、上位グループとして抽出される。具体的には、推奨パラメータ特定部22の比較部22aにより、ステップS110において参照聴力データのそれぞれに付与された順位に基づいて、上位から順に複数の参照データが抽出される。
ここで、参照聴力データは、過去に補聴器5の調整を完了した参照使用者に合わせて調整された補聴処理パラメータ(つまり、参照パラメータ)、およびフィッティング理論に参照使用者が与えた評価を表す情報(つまり、参照評価情報)とともに、参照データを形成している。したがって、ステップS111で抽出される上位グループは、特定の参照使用者のグループ、もしくは特定の参照データのグループであると言える。
このように、ステップS110およびステップS111では、使用者Tに近い聴力レベルの参照使用者が顧客DB10から抽出される。使用者Tの聴力レベルデータに類似する聴力レベルデータを有する参照使用者を抽出するために、例えば、各周波数の聴力レベル値をベクトル表現し、ベクトル間距離を基準として参照使用者を順位付けする。そして、順位の上位を占める所定の人数の参照使用者を使用者Tの「近傍使用者」とするといった方法により、上位グループの抽出を実現できる。この時、1k〜3kHzの周波数帯での聴力レベルの近似性に重みを置き、会話帯域に重点を置くなどの工夫をしてもよい。
例えば、使用者Tの使用者聴力データを、ベクトルの成分表示を用いて、(T250,T500,T1K,T2K,T4K)と表現する。ここで、T250、T500、T1K、T2K、T4Kは、それぞれ、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、4kHz、の周波数帯での使用者Tの聴力レベルを表す数値である。同様に、顧客DB10に含まれる参照使用者の一人の参照聴力データを、(C250,C500,C1K,C2K,C4K)と表現する。この場合に、使用者聴力データと参照聴力データとのベクトル間距離は、(T250−C250)×(T250−C250)+(T500−C500)×(T500−C500)+(T1K−C1K)×(T1K−C1K)+(T2K−C2K)×(T2K−C2K)+(T4K−C4K)×(T4K−C4K)と計算される。
また、1k〜3kHzの周波数帯での聴力レベルの近似性を重視する場合には、例えば、上記のベクトル間距離の代わりに、(T250−C250)×(T250−C250)+(T500−C500)×(T500−C500)+W1×(T1K−C1K)×(T1K−C1K)+W2×(T2K−C2K)×(T2K−C2K)+(T4K−C4K)×(T4K−C4K)を、指標として定義することができる。ここで、重みW1、W2は、適切に定められた正の定数である。
《ステップS112》
ステップS112では、2次比較が実行される。つまり、推奨パラメータ特定部22の比較部22aにより、上位グループ中に含まれる参照使用者がフィッティング理論に与えた評価(つまり、参照評価)の得点が計算される。
具体的には、使用者Tがフィッティング理論に与えた評価(つまり、使用者評価)と参照評価とが比較され、両者の類似性に応じて、参照評価に点数が付与される。ここで、評価の対象となっているフィッティング理論が複数である場合には、使用者評価と参照評価との比較は、異なる複数のフィッティング理論のそれぞれについて実行される。そして、フィッティング理論ごとに、参照評価に点数が付与される。このように、上位グループに含まれる参照使用者ごとに、さらに、評価の対象となっているフィッティング理論ごとに、参照評価に対して点数が付与される。
なお、推奨パラメータ特定部22の比較部22aでの処理に関して言えば、使用者評価と参照評価を比較するとは、使用者評価情報と参照評価情報とを比較することを意味している。より詳細には、推奨パラメータ特定部22の比較部22aにより、使用者Tの使用者評価情報および参照使用者の参照評価情報が調整値メモリ12から取得される。ここで、参照使用者の参照評価情報は、制御部11により、顧客DB10から読み出され、調整値メモリ12に格納されている。そして、取得された使用者評価情報と参照評価情報との類似性に基づいて、参照使用者の参照評価に点数が付与される。なお、推奨パラメータ特定部22の比較部22aは、制御部11を介して、参照評価情報を顧客DB10から直接取得してもよい。
さらに、上位グループに含まれる個々の参照使用者の得点が算出される。具体的には、フィッティング理論ごとに付与された点数が合計される。合計は、上位グループに含まれる参照使用者のそれぞれについて実行される。合計により得られた点数が、上位グループに含まれる個々の参照使用者の得点である。このように算出された得点は、上位グループに含まれる参照使用者の参照評価と使用者Tが与えた使用者評価との類似の程度を示している。つまり、高い得点を付与された参照評価を与えた参照使用者は、補聴処理に対する主観的な好みに関して、使用者Tとよく似ていると言える。
なお、参照使用者の参照評価の得点は、その参照評価を与えた参照使用者の得点であるともいえる。
上位グループに含まれる参照使用者の参照評価の得点は、調整値メモリ12に一時的に格納される。このとき、参照評価の得点は、参照評価を与えた参照使用者の参照データと互いに関連付けられた状態で、調整値メモリ12に格納される。
《ステップS113》
ステップS113では、参照使用者のうちの最も高い得点を有する一人が、上位グループから抽出される。具体的には、推奨パラメータ特定部22の比較部22aにより、上位グループに含まれる参照使用者の得点が比較され、最も高い得点を有する参照使用者が特定される。
このように、ステップS112およびステップ113では、ステップS111において抽出された、聴力レベルが使用者Tの聴力レベルに近い参照使用者の集団(つまり、上位グループ)の中から、初期調整パラメータに対する評価が使用者Tと最も似た個人が抽出される。
ここで、図を用いて、ステップS110〜ステップS113における処理を説明する。
図8は、推奨パラメータ特定部22における処理を説明するための概念図である。
図8に示すように、ステップS110〜ステップS113では、調整値メモリ12には、使用者評価情報、使用者聴力データ、参照評価情報、参照評価の得点、参照聴力データ、が一時的に格納される。また、ステップS114(後述)では、顧客Aの参照パラメータが、調整値メモリ12に一時的に格納される。図8では、説明のために、顧客Aの参照パラメータが、顧客Aの参照パラメータに基づく音圧レベル31により図示されている。
なお、図8には、参考のために、顧客Bの参照パラメータに基づく音圧レベル32および顧客Cの参照パラメータに基づく音圧レベル33が図示されている。しかしながら、顧客Bおよび顧客Cの参照パラメータは、顧客DB10から調整値メモリ12に読み出されなくてもよい。このことを示すために、図8では、音圧レベル32および音圧レベル33が破線で囲われている。
図8に示すように、ステップS110では、顧客DB10から参照使用者の参照聴力データが読み出され、使用者Tの使用者聴力データと比較される。
さらに、本実施形態では、推奨パラメータ特定部22の比較部22aにより、フィッティング理論ごとに、参照使用者の参照評価に点数が付与される。具体的には、参照使用者の参照評価が使用者Tの使用者評価と同じ場合には、参照評価に+3点が付与される。また、参照使用者の参照評価が「Not good」または「Good」であり、使用者Tの使用者評価が「So−so」である場合、もしくは、参照使用者の参照評価が「So−so」であり、使用者Tの使用者評価が「Not good」または「Good」である場合には、参照評価に+1点が付与される。また、参照使用者の参照評価と使用者Tの使用者評価とが正反対の場合には、参照評価に−1点が付与される。
なお、参照使用者の参照評価が「Not good」であり、使用者Tの使用者評価が「Good」である場合、もしくは、参照使用者の参照評価が「Good」であり、使用者Tの使用者評価が「Not good」である場合が、参照使用者の参照評価が使用者Tの使用者評価と正反対である場合に該当する。
このような得点付けを行うことで、フィッティング理論に対して使用者Tと最も似た評価を与えた参照使用者が抽出される。
図8に示した具体例では、ステップS111において、使用者Tに近い聴力レベルを有する顧客A、顧客B、顧客Cが抽出された状態であるとする。つまり、上位グループに含まれる参照使用者は、顧客A〜Cの3人である。ここでは説明を簡単にするために、上位グループを構成する参照使用者の人数は3人のみとしたが、上位グループに含まれる参照使用者は3人には限定されない。例えば、上位グループを構成する参照使用者の人数を数十人とするなど、特定の上位L(Lは1以上の整数)人を抽出して上位グループを形成しても構わない。
前述のように、ステップS112では、使用者Tの与えた使用者評価と顧客A〜Cのそれぞれが与えた参照評価との比較に基づいて、各初期調整パラメータに対する参照評価に点数が付与される。具体的には、使用者Tの与えた使用者評価と顧客A〜Cのそれぞれが与えた参照評価との近さ(つまり、類似性)を示す得点は、以下のように算出される。
RA = SA1+SA2+SA3+SA4+SA5 ・・・ (1)
SA1 = 3 ・・・ (1a)
SA2 = 3 ・・・ (1b)
SA3 = 1 ・・・ (1c)
SA4 = 3 ・・・ (1d)
SA5 = 3 ・・・ (1e)
RB = SB1+SB2+SB3+SB4+SB5 ・・・ (2)
SB1 = −1 ・・・ (2a)
SB2 = 1 ・・・ (2b)
SB3 = 1 ・・・ (2c)
SB4 = −1 ・・・ (2d)
SB5 = −1 ・・・ (2e)
RC = SC1+SC2+SC3+SC4+SC5 ・・・ (3)
SC1 = 1 ・・・ (3a)
SC2 = 3 ・・・ (3b)
SC3 = 3 ・・・ (3c)
SC4 = 1 ・・・ (3d)
SC5 = 3 ・・・ (3e)
ここで、式(1)において、RAは顧客Aの得点を表している。また、SA1〜5は、それぞれ、理論1〜5に対応しており、顧客Aの参照評価に対して付与された点数を表している。式(1a)〜(1e)は、図8に示した具体例での、SA1〜5の値を表している。式(1)および式(1a)〜(1e)により、この例では、顧客Aの得点RAは13点である。
同様に、式(2)において、RBは顧客Bの得点を表しており、SB1〜5は、それぞれ、理論1〜5に対応しており、顧客Bの参照評価に対して付与された点数を表している。式(2a)〜(2e)は、図8に示した具体例での、SB1〜5の値を表している。式(2)および式(2a)〜(2e)により、この例では、顧客Bの得点RBは−1点である。
同様に、式(3)において、RCは顧客Cの得点を表しており、SC1〜5は、それぞれ、理論1〜5に対応しており、顧客Cの参照評価に対して付与された点数を表している。式(3a)〜(3e)は、図8に示した具体例での、SC1〜5の値を表している。式(3)および式(3a)〜(3e)により、この例では、顧客Cの得点RCは11点である。
上記の結果から、推奨パラメータ特定部22の比較部22aは、顧客Aの参照評価が使用者Tの使用者評価に一番近いと判定する。
なお、上記に説明したのは具体例の一つであり、評価結果の類似性を判定するための方法は、上記に説明した方法には限られない。
例えば、使用者Tの使用者評価と参照使用者の参照評価とが一致した場合に、参照評価に点数「1」を付与し、一致しない場合には点数「0」を付与してもよい。つまり、評価の対象となっている理論1〜Mのうち、使用者Tの使用者評価と参照使用者の参照評価とが一致するフィッティング理論の個数を数え上げることにより、参照使用者の参照評価の得点が算出されてもよい。例えば、図8に示すような評価結果が得られた場合には、SA1=1、SA2=1、SA3=0、SA4=1、SA5=1となるので、RA=4である。一方で、SB1=SB2=SB3=SB4=SB5=0であるので、RB=0となる。
また、上記では参照評価に基づいて参照使用者の得点が算出されていたが、参照使用者の得点に聴力レベルの類似性が反映されても構わない。例えば、全く同じ参照評価を与えた複数の参照使用者が存在した場合には、聴力レベルの類似性がより高い参照使用者に、より高い得点が付与されてもよい。
また、評価の対象であるファーストフィットの数を増やしても構わない。ここでのファーストフィットとは、初期調整パラメータを算出する処理を意味している。そして、初期調整パラメータは、制御部11により、フィッティング理論ごとに算出される。したがって、ファーストフィットの数を増やすためには、例えば、評価の対象となるフィッティング理論の個数(つまり、M)を増やせばよい。
《ステップS114》
ステップS114では、使用者Tの推奨パラメータが特定される。具体的には、推奨パラメータ特定部22の設定部22bにより、特定の参照使用者に合わせて調整された補聴処理パラメータ(つまり、参照パラメータ)が顧客DB10から抽出され、推奨パラメータとして指定される。ここで、特定の参照使用者とは、ステップS113において最も高い得点を有していると判定された使用者であり、本実施形態では顧客Aである。また、推奨パラメータ特定部22の設定部22bによって顧客DB10から抽出される参照パラメータは、顧客Aに合わせて補聴器5が調整された際に、補聴器5に最終的に設定された補聴処理パラメータである。そして、特定された参照パラメータが、使用者Tの推奨パラメータとして指定される。
より詳細には、ステップS114では、推奨パラメータ特定部22の設定部22bは、制御部11を介して、顧客DB10に格納された参照データを取得し、調整値メモリ12に格納する。そのとき、最も高い得点を付与された参照使用者の参照データが顧客DB10から取得される。そして、取得された参照データに含まれる参照パラメータが、推奨パラメータに指定される。
このように、ステップS113では、顧客Aに合わせて補聴器5を調整した際に得られた最終結果(つまり、参照パラメータ)が、使用者Tの推奨パラメータとして選択され、採用される。
また、ステップS114では、推奨パラメータ特定部22の設定部22bは、推奨パラメータを使用者Tの暫定的な補聴処理パラメータとして設定する。具体的には、推奨パラメータ特定部22の設定部22bは、制御部11を介して、調整値メモリ12に格納されている使用者パラメータの値を、推奨パラメータの値と同一の値に設定する。つまり、設定部22bは、使用者Tに提供するための補聴処理を規定する使用者パラメータの値を、暫定的に、顧客Aに適合する補聴処理を規定する参照パラメータと同一の値に設定する。言い換えれば、推奨パラメータは、対話型のフィッティングにより補聴器5を調整するための、補聴処理パラメータの初期値であると言える。
さらに、ステップS114では、制御部11は、表示部3に調整画面500を表示させる。
図9は、調整画面500を示している。
図9に示すように、調整画面500には、推奨パラメータに基づいて、スライダー37および調整グラフ35が表示される。調整画面500では、スライダー37および調整グラフ35の状態は、顧客Aに合わせて補聴器5を調整した際に得られた最終結果と実質的に同じ状態である。つまり、調整画面500において調整グラフ35に表示される音圧レベルは、顧客Aの参照パラメータに対応する音圧レベル31と同一である。このように、使用者Tに対する推奨パラメータとして顧客Aの最終結果が図9のごとく表示される。なお、調整グラフ35に表示された3本の曲線は、例えば、上から90,60,40dBSPLの場合の出力値(音圧レベル)を示している。
《ステップS115》
ステップS115では、使用者Tは使用者パラメータにさらに微調整が必要か否かを判断する。
具体的には、ステップS114で特定された推奨パラメータに基づいて補聴処理された音を、使用者Tが試聴する。さらに、使用者Tは試聴した音が良好かどうかを判定する。
使用者Tが試聴した音を良好だと判定した場合には、推奨パラメータは使用者Tにとって最適または準最適な補聴処理パラメータだと言える。また、使用者パラメータの値は推奨パラメータの値と同一の値に設定されているので、使用者パラメータは使用者Tによって最適または準最適な補聴処理パラメータだと言える。したがって、使用者Tが試聴した音を良好だと判定した場合には、使用者パラメータのさらなる調整は不要であるので、フィッティングのフローはステップS117に進む。ステップS117では、補聴器5の調整が終了する。
このように、ファーストフィットのみで補聴器5の調整が終了する場合がある。なお、ここでのファーストフィットとは、推奨パラメータを特定するための一連の処理および動作を意味している。
一方で、推奨パラメータに基づいて補聴処理された音に対して、使用者Tが満足できないと感じる場合がある。この場合には、使用者Tは使用者パラメータにさらに調整が必要だと判断する。そして、フィッティングのフローはステップS116に進む。
《ステップS116》
ステップS116では、調整者Sは使用者Tに合わせて使用者パラメータを調整する。具体的には、調整者Sは、推奨パラメータを使用者パラメータの初期値として、使用者Tに合わせて使用者パラメータを微調整する。
ここで、ステップS116での調整は、対話形式の手法により実行される。つまり、補聴処理パラメータが補聴器5に設定されるプロセスと、使用者Tが音源を試聴し評価を与えるプロセスと、使用者Tの評価に基づいて調整者Sが補聴処理パラメータを調整するプロセスと、が繰り返される。調整者Sが補聴処理パラメータを調整する際には、入力部2は、調整者Sの操作を受け付ける。使用者Tにとって良好な状態に補聴器5が調整された段階で、補聴器5の調整が終了する。
このように、本実施形態に係る補聴器調整方法では、使用者パラメータの微調整は必ず実行されるわけではない。使用者パラメータの微調整は、使用者Tの判断に基づいて、必要に応じて実行される。
《ステップS117》
ステップS117では、使用者Tに関するデータが顧客DB10に格納される。具体的には、理論1〜5のそれぞれに対応する使用者評価情報と、使用者Tの使用者聴力データと、使用者Tに合わせて調整された補聴処理パラメータ(つまり、使用者パラメータ)と、が顧客DB10に格納される。より詳細には、調整を終了させる指示が調整者Sから入力部2を介して制御部11に入力されると、制御部11は、調整を終了させる処理を実行する。つまり、制御部11は、補聴器5に最終的に設定された補聴処理パラメータと、使用者Tの使用者聴力データと、使用者Tがフィッティング理論に与えた評価を表す使用者評価情報と、を互いに関連付けられた状態で、顧客DB10に格納する。これらのデータは調整値メモリ12から制御部11により読み出され、顧客DB10に格納される。
なお、使用者Tに合わせて補聴器5を調整した際に得られた上記の情報は、参照データとして顧客DB10に格納される。したがって、使用者Tに関する情報は、本実施形態に係る補聴器調整方法を用いて他の使用者に合わせて補聴器5を調整する際に利用可能である。
以上のように、補聴器5の調整が実行される。
このように、本実施形態に係る補聴器調整方法に基づいて推奨パラメータを算出することにより、補聴処理パラメータ(具体的には、使用者パラメータ)の初期値をより適切に設定することができる。単に各フィッティング理論を適用してファーストフィットを実行するだけでは、補聴処理パラメータに使用者Tの主観的な好みを反映させることは困難である。つまり、ファーストフィットの実行後に、対話形式の調整により、使用者Tの好みを探る必要がある。したがって、従来の補聴器調整方法を用いた場合、補聴処理パラメータの調整と使用者Tによる試聴とが、余分に実行される必要がある。
一方で、本実施形態に係る補聴器調整方法によれば、探し当てることが困難であった各人の音に対する好みが加味された補聴処理パラメータを、比較的容易に求めることができる。つまり、本実施形態では、高々数個(本実施形態では、5個)のフィッティング理論を適用して実行されたファーストフィットにより、初期調整パラメータが算出される。そして、使用者Tは、それら数個の初期調整パラメータに基づいて補聴処理された音源を評価する。したがって、使用者Tによる聞こえの評価が数回(本実施形態では、5回)行われるだけで、使用者Tの好みが反映された補聴処理パラメータ(つまり、推奨パラメータ)を求めることが出来る。そして、得られた推奨パラメータを、使用者パラメータの初期値に設定することができる。
さらに、推奨パラメータに基づく補聴処理が補聴者Tに適合している場合には、推奨パラメータそのものを使用者Tの補聴処理パラメータとして用いることができる。
このように、本実施形態に係る補聴器調整方法によれば、従来数十回、数百回と調整を繰り返す必要のあった遺伝アルゴリズムによる方法と比較しても、飛躍的に短時間で使用者Tにとって準最適な補聴処理パラメータを算出することが出来る。
<作用効果>
ここで、本実施形態に係る補聴器調整装置1ならびに補聴器調整方法の作用効果を説明する。
(1)
補聴器調整装置1では、推奨パラメータ特定部22の比較部22aは、使用者Tの使用者聴力データと理論1〜5とに基づく補聴処理により得られた音に対して使用者Tによって与えられた使用者評価と、顧客A〜Cのそれぞれに対応して予め取得され、顧客A〜Cの参照聴力データと理論1〜5とに基づく補聴処理により得られた音に顧客A〜Cが与える参照評価と、を比較する。
そして、推奨パラメータ特定部22の設定部22bは、使用者Tに提供される補聴処理を規定する使用者パラメータの値を、予め取得されたパラメータであって、使用者Tの使用者評価と類似する参照評価を与えた顧客Aに適合する補聴処理を規定する参照パラメータの値と同一の値に設定する。
このように、補聴器調整装置1では、共通のフィッティング理論である理論1〜5に基づく補聴処理により得られた音を使用者Tおよび顧客Aが評価する。ここで、使用者Tの与えた使用者評価と顧客Aの与えた参照評価とが類似しているので、補聴処理に関する使用者Tの主観的な好みは、顧客Aの主観的な好みと類似しているといえる。したがって、使用者Tの使用者パラメータの値を顧客Aの参照パラメータの値と同一の値に設定することにより、使用者Tの使用者パラメータには、補聴処理に関する使用者Tの主観的な好みが反映される。
これにより、使用者Tが理論1〜5に基づく補聴処理により得られた音を評価するだけで、補聴処理に関する使用者Tの主観的な好みを使用者パラメータに反映させることができる。つまり、使用者Tの主観的な好みを探るために補聴処理パラメータの調整を余分に繰り返す必要がなくなる。
その結果、使用者Tに合わせて補聴器5を調整する際に要する手間を減らしつつ、使用者Tにとってより適切な補聴処理パラメータを設定することができる。
(2)
この補聴器調整装置1では、使用者Tおよび顧客Aの評価の対象となる音を得るための補聴処理は、複数のフィッティング理論である理論1〜5に基づいて規定される。
これにより、複数のフィッティング理論の適用により得られた補聴処理に基づいて、複数種類の評価用音声が使用者Tに提供される。つまり、フィッティング理論がひとつのみ適用された場合に比べて、補聴処理の選択肢が増えるので、使用者Tは自分の好みに合致した補聴処理を特定し易くなる。
その結果、使用者Tの主観的な好みが反映された補聴処理パラメータをより素早く見つけ出すことができる。
また、複数のフィッティング理論に対応する使用者評価と参照評価とが比較されるので、単一のフィッティング理論のみが適用される場合に比べて、類似性の判断の精度が向上する。
(3)
この補聴器調整装置1では、顧客DB10には、顧客Aの参照聴力データと、顧客Aの参照パラメータと、顧客Aの参照評価を表す参照評価情報と、がそれぞれ関連付けられて参照データとして蓄積される。また、推奨パラメータ特定部22の比較部22aは、顧客DB10から顧客Aの参照評価情報を取得する。さらに、推奨パラメータ特定部22の設定部22bは、顧客DB10から顧客Aの参照パラメータを取得する。
このように、顧客DB10には、参照評価情報だけではなく、参照評価情報と関連付けられた状態で参照パラメータが蓄積されている。
これにより、設定部22bは参照パラメータを容易に参照することができるので、補聴器調整装置1では、使用者Tにとって適切な参照パラメータをより素早く特定することが可能である。
(4)
この補聴器調整装置1では、推奨パラメータ特定部22の比較部22aは、顧客DB10から、使用者Tの使用者聴力データに一致または類似する参照聴力データを含む複数の参照データを選択し、上位グループを形成する。
さらに、推奨パラメータ特定部22の比較部22aは、上位グループの中から使用者Tの使用者評価に類似する参照評価を表す参照評価情報が含まれた、顧客Aの参照データを特定する。
このように、使用者Tの聴力レベルデータに基づいて上位グループが形成されるため、その上位グループ内の参照使用者の聴力レベルデータは使用者Tのそれと類似している。つまり、上位グループから抽出された顧客Aは、比較的客観的に測定される聴力レベルにおいて使用者Tと類似しているとともに、理論1〜5に基づくファーストフィットに対して使用者Tと類似の評価を与えている。このように、聴力レベルおよび評価結果に基づいた比較が実行されることにより、音の聞こえ方において顧客Aと使用者Tとが類似していることがより確実に判定される。結果として、顧客Aに適した補聴処理パラメータは、使用者Tにとって準最適な補聴処理パラメータであるといえる。
そのため、理論1〜5に基づくファーストフィットに対する評価が使用者Tと類似している参照使用者を上位グループから抽出し、抽出された参照使用者(顧客A)の補聴処理パラメータを参照するだけで、使用者Tの準最適な補聴処理パラメータを得ることができる。
(5)
この補聴器調整装置1では、入力部2は、使用者Tに適合した補聴処理を規定するように使用者パラメータを調整する操作を受け付ける。
ここで、使用者パラメータの値は、顧客Aの参照パラメータの値と同一の値に設定されているので、既にある程度使用者Tの主観的な好みを反映している。そして、調整者Sは、入力部2を介して、使用者パラメータをさらに調整することができる。
これにより、使用者パラメータの初期値が使用者Tの主観的な好みを反映せずに決定されている場合に比べて、使用者Tに適合した使用者パラメータが最終的に得られるまでにかかる時間を短縮することができる。
(6)
本実施形態に係る補聴器調整方法では、初期調整パラメータは使用者Tの聴力レベルデータと理論1〜5とに基づいて算出され、初期調整パラメータに基づく補聴処理は、コンプレッション処理およびTK処理を含んでいてもよい。
これにより、多様な補聴処理により得られた音が使用者Tに提供され、評価されるので、使用者Tの主観的な好みに相応しい補聴処理パラメータが見つかり易くなる。
(7)
本実施形態に係る補聴器調整方法では、例えば、NAL−NL1、NAL−NL2、DSL i/o、 DSL v5、POGO、FIG6、などのフィッティング理論が用いられる。これらのフィッティング理論は、各々異なる特徴を有する。各々のフィッティング理論では、使用者の聞こえに対して異なる着眼点から補聴処理パラメータが算出されるので、同一の聴力レベルデータを用いた場合であっても、フィッティング理論ごとに異なる初期調整パラメータが得られる。したがって、複数のフィッティング理論を適用することにより、多様な初期調整パラメータが得られる。そして、多様な初期調整パラメータに基づく補聴処理が施された音を使用者が評価するので、使用者の感覚に合った補聴処理が見つかり易くなる。
ここで、使用者による各初期調整パラメータに対する評価に着眼すると、それらの評価には、使用者の音の好みといった個人特性が反映されたパターンが表れる。一方で、使用者の音の好みは、共通の傾向を示す場合も多い。例えば、複数の使用者が類似の聴力を有している場合には、それらの使用者は音の好みに関して類似した傾向を有している場合がある。したがって、補聴器に対して既に調整を完了した使用者の幾人かは、これから同じ補聴器の調整を行おうとしている使用者と類似した個人特性を有している可能性が高い。
そこで、本実施形態に係る補聴器調整方法では、過去に調整を完了した顧客の中から、補聴器の調整を行おうとしている使用者と同様の個人特性を持つ個人が選び出される。つまり、評価パターンの類似性を基準に、多人数データベースの中から最適な個人が特定される。そして、特定された個人の最終的な調整結果(つまり、最終的に補聴器に設定された補聴処理パラメータ)が参照される。これにより、通常のファーストフィットだけでは見つけることが出来ない、個人特性を反映した調整結果(初期調整パラメータから微調整を行ったものに相当する)を簡単に見つけることが出来る。
前述のとおり、従来は、多量の試聴、評価を繰り返し、使用者にあった補聴処理パラメータを探索的に見つけ出す必要があった。しかしながら、本実施形態に係る補聴器調整方法によれば、高々数回の試聴および評価を行うだけで、使用者の個人特性を反映した補聴処理パラメータを見つけることが出来る。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
前述の実施形態では、ステップS112およびステップS113において、最高の得点が付与された顧客Aの最終結果(つまり、参照パラメータ)のみが抽出されていたが、複数の参照使用者の最終結果が抽出されてもよい。
例えば、高い得点が付与された上位P(Pは2以上の整数)人の参照パラメータを抽出し、それらP個の参照パラメータに基づいて補聴処理された音源を使用者Tに聞き比べてもらうことも出来る。このように、複数セットの推奨パラメータが特定されてもよい。この場合には、高い得点が付与された複数の参照使用者の参照パラメータが、顧客DB10から調整値メモリ12に読み出されてもよい(図8を参照)。
ここで、前述の実施形態では、使用者Tの使用者評価と参照使用者の参照評価との比較により、準最適な補聴処理パラメータが推奨パラメータとして使用者Tに提供された。しかしながら、推奨パラメータに基づいて補聴処理された音に対する使用者Tによる評価は、主観的になりがちである。つまり、他の音と聞き比べることができない状態では、唯一の推奨パラメータに基づいて補聴処理された音に対して、使用者Tは自身の主観的な好みに合ってないと判断する可能性もある。このような場合に、高得点が付与されたP個の参照パラメータに基づいて処理された音を使用者Tに聞き比べてもらうことにより、使用者T自身の納得度を向上させることが可能となる。
(B)
前述の実施形態では、顧客DB10は補聴器調整装置1に内蔵されていたが、補聴器調整装置1に内蔵されていない記録装置もしくは記録媒体に参照データが記録されていても構わない。
例えば、補聴器調整装置1が、参照データの記録された記録媒体を有するサーバと、有線もしくは無線通信を介して接続されていてもよい。この場合には、補聴器調整装置1からの要求に応じて、サーバから補聴器調整装置1に参照データが送信される。
また、前述の実施形態における各処理は、補聴器調整装置1に内蔵された演算装置により実行されていたが、これらの処理は補聴器調整装置1の外部に接続された装置により実行されてもよい。
例えば、所定のアプリケーションソフトがインストールされた汎用のPCが、外部の演算装置と通信を行うことにより、本実施形態に係る補聴器調整方法が実現されてもよい。この場合には、例えば、使用者Tの聴力レベルデータが外部の演算装置に送信され、外部の演算装置により、フィッティング理論に基づいて初期調整パラメータが算出される。また、使用者Tの使用者評価が外部の演算装置に送信され、参照使用者の参照評価と比較される。
(C)
前述の実施形態における各処理は、ハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェア(OS(Operating System)、ミドルウェア、あるいは、所定のライブラリとともに実現される場合を含む。)により実現されてもよい。さらに、前述の実施形態の各処理は、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現されても良い。ここで、ソフトウェアを構成するプログラムは、メモリーカードやCD−ROM等の記録装置または記録媒体、もしくは、インターネットなどの伝送媒体を介して供給することが考えられる。
なお、前述の実施形態での処理をハードウェアにより実現する場合、各処理を行うためのタイミング調整を行う必要があるのは言うまでもない。前述の実施形態においては、説明便宜のため、実際のハードウェア設計で生じる各種信号のタイミング調整の詳細については省略している。
また、前述の実施形態における処理方法の実行順序は、必ずしも、前述の実施形態の記載に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実行順序が入れ替えられても構わない。
(D)
前述の実施形態では、補聴器5と補聴器調整装置1とは接続ボックス6、配線7、および配線8を介して接続されていたが、補聴器5と補聴器調整装置1との接続方法は有線接続には限られない。
例えば、補聴器5と補聴器調整装置1とが、無線通信により接続されても構わない。
(E)
前述の実施形態では、過去の顧客のデータを例にして、参照データについて説明したが、顧客DB10に格納される参照データは、顧客から提供されるとは限らない。
例えば、モニタ調査を行い、モニタから提供されたデータを用いて作成されたDBを顧客DB10の代わりに用いてもよい。
(F)
前述の実施形態では、推奨パラメータ特定部22において、比較部22aと設定部22bとが設けられていたが、これらは別々に設けられていなくてもよい。
例えば、推奨パラメータ特定部22が、動作させる機能を切り替えることにより、比較部22aおよび設定部22bの機能を実現してもよい。
また、前述の実施形態では、制御部11と推奨パラメータ特定部22とが別個に設けられているが、これらの機能部は別個に設けられていなくてもよい。
例えば、制御部11が推奨パラメータ特定部22の機能を兼ね備えていてもよい。
本発明の補聴器調整装置は、補聴器使用者が試聴および評価を実施する回数を減らしつつ、補聴器使用者の聞こえ方を反映させた補聴処理パラメータが得られるという効果を奏することから、各種補聴器の調整を行う補聴器調整装置に対して広く適用可能である。
1 補聴器調整装置
2 入力部
3 表示部
4 音出力部
5 補聴器
6 接続ボックス
7,8 配線
9 フィッティング理論DB
10 顧客DB(データ収容部の一例)
11 制御部
12 調整値メモリ
13 書き込み部
14 入力部
15 補聴処理パラメータ保持部
16 本体マイク
17 補聴処理部
18 レシーバ
19 出力部
20 読み込み部
21 音源DB
22 推奨パラメータ特定部
22a 比較部
22b 設定部
T 使用者
S 調整者
A〜D 顧客(参照使用者の一例)

Claims (7)

  1. 補聴器の使用者の聴力レベルデータと所定の手法とに基づく補聴処理により得られた音に対して前記使用者によって与えられた第1評価と、複数の参照使用者のそれぞれに対応して予め取得され、前記参照使用者の聴力レベルデータと前記所定の手法とに基づく補聴処理により得られた音に対して前記参照使用者によって与えられた第2評価と、を比較する比較部と、
    前記使用者に提供される補聴処理を規定する第1パラメータの値を、予め取得されたパラメータであって、前記複数の参照使用者のうち前記第1評価と一致または類似する前記第2評価を与えた前記参照使用者に適合する補聴処理を規定する第2パラメータの値と同一の値に設定する設定部と、
    を備えた補聴器調整装置。
  2. 前記所定の手法は、複数のフィッティング理論であり、
    前記第1評価および前記第2評価は、それぞれ、前記複数のフィッティング理論に対応する複数の評価を含んでいる、
    請求項1に記載の補聴器調整装置。
  3. 各前記参照使用者の聴力レベルデータと、前記第2パラメータと、前記第2評価を表す第2評価情報と、が互いに関連付けられて個別データとして蓄積されるデータ収納部をさらに備え、
    前記比較部は、前記データ収納部から前記第2評価情報を取得し、
    前記設定部は、前記データ収納部から前記第2パラメータを取得する、
    請求項1または2に記載の補聴器調整装置。
  4. 前記比較部は、前記データ収納部から、前記使用者の聴力レベルデータに一致または類似する聴力レベルデータを含む複数の前記個別データを選択し、選択された前記複数の個別データの中から、前記使用者の前記第1評価を表す第1評価情報に一致または類似する前記第2評価情報が含まれた前記個別データを特定する、
    請求項3に記載の補聴器調整装置。
  5. 前記第1パラメータの値を前記使用者に適合する補聴処理を規定するように調整する操作を受け付ける入力部をさらに備えた、
    請求項1から4のいずれかに記載の補聴器調整装置。
  6. 使用者に合わせて補聴器を調整するための補聴器調整方法であって、
    複数の参照使用者のそれぞれに対応してデータ収容部に予め記憶され、前記参照使用者の聴力レベルデータと所定の手法とに基づく補聴処理により得られた音に対して前記参照使用者によって与えられた第2評価を表す第2評価情報を前記データ収容部から取得することと、
    前記データ収容部から取得された前記第2評価情報と、前記使用者の聴力レベルデータと前記所定の手法とに基づく補聴処理により得られた音に対して前記使用者によって与えられた第1評価を表す第1評価情報と、を比較することと、
    前記使用者に提供される補聴処理を規定する第1パラメータの値を、予め前記データ収容部に記憶されたパラメータであって、前記複数の参照使用者のうち前記第1評価と一致または類似する前記第2評価を与えた前記参照使用者に適合する補聴処理を規定する第2パラメータの値と同一の値に設定することと、
    を備えた補聴器調整方法。
  7. 使用者に合わせて補聴器を調整するための補聴器調整方法であって、
    複数の参照使用者のそれぞれに対応してデータ収容部に予め記憶され、前記参照使用者の聴力レベルデータと所定の手法とに基づく補聴処理により得られた音に対して前記参照使用者によって与えられた第2評価を表す第2評価情報を前記データ収容部から取得することと、
    前記データ収容部から取得された前記第2評価情報と、前記使用者の聴力レベルデータと前記所定の手法とに基づく補聴処理により得られた音に対して前記使用者によって与えられた第1評価を表す第1評価情報と、を比較することと、
    前記使用者に提供される補聴処理を規定する第1パラメータの値を、予め前記データ収容部に記憶されたパラメータであって、前記複数の参照使用者のうち前記第1評価と一致または類似する前記第2評価を与えた前記参照使用者に適合する補聴処理を規定する第2パラメータの値と同一の値に設定することと、
    を備えた補聴器調整方法をコンピュータに実行させる補聴器設定用プログラム。
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