JP2012215704A - 光学フィルム、偏光板、及び画像表示装置 - Google Patents

光学フィルム、偏光板、及び画像表示装置 Download PDF

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裕介 古木
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Abstract

【課題】液晶性化合物を配向させた光学異方性層を有する光学フィルムにおいて、フィルム強度が高く、薄膜で、液晶性化合物の配向性の良い光学フィルムを提供すること。
【解決手段】少なくとも2種のディスコティック液晶性化合物と、多官能重合性モノマーとを含む組成物から形成された光学異方性層を有する光学フィルムであって、
前記2種のディスコティック液晶性化合物が前記光学異方性層において層平面に対して実質的に垂直に配向し、
前記光学異方性層の厚さが0.5〜1.6μmであり、
前記光学フィルムの波長550nmにおける面内レターデーションReが80〜200nmである、光学フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、実質的に1/4波長の位相差を有す光学フィルムに関する。更にそれを用いた偏光板及び液晶表示装置に関する。
λ/4板は、非常に多くの用途を有しており、既に反射型液晶ディスプレイ(LCD)、半透過型LCD、輝度向上膜、光ディスク用ピックアップやPS変換素子に使用されている。それらに現在使用されている大部分のλ/4板は、ポリマーフィルムを延伸することで光学異方性を発現させた位相差板である。ポリマーフィルムの光学的向きは、一般にシート状あるいはロール状フィルムの縦方向又は横方向に相当するものであり、シートあるいはロールの斜め方向に光軸や遅相軸を有するポリマーフィルムは、製造が非常に困難である。位相差板を使用する場合の多くは、偏光板の透過軸に対して、平行でも直交でもない角度に配置される。また、2枚以上の位相差板と偏光板を各々が平行でも直交でもない角度に配置される場合も多い。一般に、偏光板の透過軸はロール状フィルムに対して直交方向であるため、位相差板と偏光板を貼り合わせるためには、それぞれのフィルムを所定の角度にカットして、得られるチップを貼り合わせる必要がある。チップの貼り合わせで位相差板と偏光板の積層体を製造しようとすると、粘着剤の塗布工程や、チップカットあるいはチップの貼り合わせ工程が必要となり、処理が煩雑であって、軸ズレによる品質低下が起きやすく、歩留まりが低下し、コストが増大し、汚染による劣化も起きやすい。また、ポリマーフィルムでは、三次元方向の屈折率異方性の発現が、延伸倍率、温度、延伸速度、ポリマーの分子量のような様々な条件に影響を受ける。そのため、ポリマーフィルムの光学異方性を精密に制御することも難しい。
このような問題が解決できる位相差板として、ポリマーフィルム上に、ディスコティック液晶性化合物や棒状液晶性化合物を含有する塗布液を塗布し、該液晶性化合物を所定の方向に配向させることで光学異方性を発現させた光学異方性層を有する位相差板が挙げられる(例えば、特許文献1、2)。かかる位相差板は、液晶性化合物の配向方向を調整することができるので、フィルムの縦方向又は横方向に平行でも直交でもない任意の方向に遅相軸を有する位相差板とすることができる。
一方、λ/4のレターデーションに限らず、液晶表示装置の視野角特性やコントラスト比の改善のため、レターデーション値を調整した様々な光学補償フィルムが提案されており、例えば、特許文献3や4には、光学異方性層のレターデーションやその波長分散性調整のため、光学異方性層に2種以上のディスコティック液晶性化合物を用いることが提案されている。また、ディスコティック液晶分子の円盤面がフィルム面に対して実質的に垂直になるように配向固定化された位相差板が開示されている(例えば、特許文献5、6及び7)。
特開2001−4837号公報 特開2004−53841号公報 特開2007−102205号公報 特開2007−156459号公報 特開2000−56310号公報 特開2000−104073号公報 特開2000−105316号公報
近年、ディスプレイは薄型・軽量化が進み、ディスプレイに用いられる位相差板、光学補償フィルムなどの光学フィルムも薄膜化が求められている。しかしながら、液晶性化合物を配向させた光学異方性層を有する光学フィルムの場合、光学異方性層を薄膜化すると、液晶性化合物の配向に軸ズレ等が生じて均一な配向が得られない等の問題があった。
更に、λ/4板など光学フィルムは、液晶ディスプレイに限らず、有機EL、タッチパネル、3D表示装置等で最前面に使用される構成も提案されてきており、その用途は広がってきている。これら種々の表示装置の最前面での使用に耐えうるフィルム強度も求められている。しかし、光学異方性層を薄膜化した場合に、フィルム強度、特に、引掻き強度が低下する懸念がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、液晶性化合物を配向させた光学異方性層を有する光学フィルムにおいて、フィルム強度が高く、薄膜で、液晶性化合物の配向性の良い光学フィルムを提供することを課題とする。更に、これら光学フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置を提供することを課題とする。
上記目的は以下の手段により達成することができる。
[1]
少なくとも2種のディスコティック液晶性化合物と、多官能重合性モノマーとを含む組成物から形成された光学異方性層を有する光学フィルムであって、
前記2種のディスコティック液晶性化合物が前記光学異方性層において層平面に対して実質的に垂直に配向し、
前記光学異方性層の厚さが0.50〜1.65μmであり、
前記光学フィルムの波長550nmにおける面内レターデーションReが80〜200nmである、光学フィルム。
[2]
前記2種のディスコティック液晶性化合物の混合比が、質量比で1:99〜25:75である、[1]に記載の光学フィルム。
[3]
前記2種のディスコティック液晶性化合物の一方が、トリフェニレン骨格を有するディスコティック液晶性化合物Aである、[1]又は[2]に記載の光学フィルム。
[4]
前記2種のディスコティック液晶性化合物の他方が、下記一般式(I)で表されるディスコティック液晶性化合物Bである、[3]に記載の光学フィルム。
Figure 2012215704
式中、Y11、Y12及びY13は、それぞれ独立に置換されていてもよいメチン基又は窒素原子を表し;
、L及びLは、それぞれ独立に単結合又は二価の連結基を表し;
、H及びHは、それぞれ独立に下記一般式(I−A)又は一般式(I−B)を表し:
、R及びRは、それぞれ独立に下記一般式(I−R)を表す。
Figure 2012215704

(一般式(I−A)中、YA及びYAは、それぞれ独立にメチン基又は窒素原子を表し;XAは、酸素原子、硫黄原子、メチレン基又はイミノ基を表し;*は上記一般式(I)におけるL〜L側と結合する位置を表し;**は上記一般式(I)におけるR〜R側と結合する位置を表す。)
Figure 2012215704
(一般式(I−B)中、YB及びYBは、それぞれ独立にメチン基又は窒素原子を表し;
XBは、酸素原子、硫黄原子、メチレン基又はイミノ基を表し;*は上記一般式(I)におけるL〜L側と結合する位置を表し;**は上記一般式(I)におけるR〜R側と結合する位置を表す。)
一般式(I−R)
*−(−L21−Qn1−L22−L23−Q
(一般式(I−R)中、*は一般式(I)におけるH〜H側と結合する位置を表し;
21は単結合又は二価の連結基を表し;Qは少なくとも1種類の環状構造を有する二価の基を表し;n1は、0〜4の整数を表し、L22は、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−S−、*−NR−、**−CH−、**−CH=CH−又は**−C≡C−を表し、ここで、Rは炭素原子数1〜7のアルキル基又は水素原子であり、**はQ側と結合する位置を表し;L22は、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−S−、*−N(R101)−、**−CH−、**−CH=CH−又は**−C≡C−を表し、R101は炭素数1〜5のアルキル基を表し、**はQ側と結合する位置を表し;L23は、−O−、−S−、−C(=O)−、−NH−、−CH−、−CH=CH−及び−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表し;Qは重合性基又は水素原子を表す。)
[5]
前記一般式(I−R)におけるn1が1〜3の整数である、[4]に記載の光学フィルム。
[6]
前記ディスコティック液晶性化合物A及びBの混合比(化合物A):(化合物B)が、質量比で1:99〜20:80である、[5]に記載の光学フィルム。
[7]
前記ディスコティック液晶性化合物A及びBの混合比(化合物A):(化合物B)が、質量比で1:99〜10:90である、[6]に記載の光学フィルム。
[8]
前記光学異方性層を形成する組成物中の前記多官能重合性モノマーの含有量が、該組成物の全固形分に対して2〜6質量%である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[9]
前記光学異方性層を形成する組成物が下記一般式(II)で表されるピリジニウム化合物を含有する、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
Figure 2012215704
式中、L23及びL24はそれぞれ独立に二価の連結基であり;
22は水素原子、又はアミノ基であり;
Xはアニオンであり;
22及びY23はそれぞれ独立に、5又は6員環を部分構造として有する2価の連結基であり;
21はフェニル基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシカルボニル基、及びアリールカルボニルオキシ基からなる群より選ばれる一価の基であり;
pは1〜10の数であり;
mは1又は2である。
[10]
更に、ハードコート層を有する、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[11]
更に、反射防止層を有する、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[12]
[1]〜[11]のいずれか一項に記載の光学フィルムを含む偏光板。
[13]
[1]〜[11]のいずれか一項に記載の光学フィルム又は[12]に記載の偏光板を有する、画像表示装置。
本発明によれば、液晶性化合物を配向させた光学異方性層を有する光学フィルムであって、フィルム強度が高く、薄膜で、液晶性化合物の配向性の良い光学フィルムを提供することができる。また、更にフィルム強度の高い光学フィルムを提供することができ、これら光学フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本実施形態の説明において、「平行」あるいは「直交」とは、厳密な角度±5°未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との誤差は、4°未満であることが好ましく、3°未満であることがより好ましい。
また、角度について、「+」は時計周り方向を意味し、「−」は反時計周り方向を意味するものとする。
また、「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味し、更に屈折率の測定波長は、特別な記述がない限り、可視光域(λ=550nm)での値である。
また、本実施形態の説明において「偏光板」とは、特別な記述がない限り、長尺の偏光板、及び表示装置に組み込まれる大きさに裁断された偏光板の両者を含む意味で用いている。なお、ここでいう「裁断」には「打ち抜き」及び「切り出し」等も含むものとする。また、本実施形態の説明では、「偏光膜」と「偏光板」とを区別して用いるが、「偏光板」は「偏光膜」の少なくとも片面に該偏光膜を保護する透明保護膜を有する積層体のことを意味するものとする。
また、本実施形態の説明において「分子対称軸」とは、分子が回転対称軸を有する場合は、当該対称軸を指すが、厳密な意味で、分子が回転対称性であることを要求するものではない。一般的に、ディスコティック液晶性化合物において、分子対称軸は、円盤面の中心を貫く円盤面に対して垂直な軸と一致し、棒状液晶性化合物において、分子対称軸は、分子の長軸と一致する。
また、本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は、各々、波長λにおける面内のレターデーション、及び厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH、又はWR(王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、又は測定値をプログラム等で変換して測定することができる。測定されるフィルムが、1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)が算出される。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50°まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH、又はWRが算出する。なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値、及び入力された膜厚値を基に、以下の式(A)、及び式(III)よりRthを算出することもできる。
式(A):
Figure 2012215704
なお、上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。また、式(A)におけるnxは、面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは、面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzは、nx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。
式(III): Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
測定されるフィルムが、1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法により、Rth(λ)は算出される。Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として、フィルム法線方向に対して−50°から+50°まで10°ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。また、上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについては、アッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
以下、本発明の光学フィルム、偏光板、画像表示装置について詳細に説明する。
[光学フィルム]
本発明の光学フィルムは、少なくとも2種のディスコティック液晶性化合物を含む組成物から形成された光学異方性層を有し、該2種のディスコティック液晶性化合物が光学異方性層において層平面に対して実質的に垂直に配向し、光学異方性層の厚さが0.5〜1.6μmであり、光学フィルムの波長550nmにおける面内レターデーションReが80〜200nmである。
本発明の光学フィルムにおいて、光学異方性層は少なくとも2種の液晶性化合物と、多官能重合性モノマーとを含有する組成物から形成され、該液晶性化合物が層平面に対して実質的に垂直に配向することによって発現された光学異方性を示す層である。
少なくとも2種のディスコティック液晶性化合物を混合させ、実質的に垂直に配向させ、かつ、多官能重合性モノマーを用いることで、フィルム強度を低下させることなく、光学異方性層の薄膜化させることができる。
光学異方性層の厚さは0.50〜1.65μmである。好ましくは0.60〜1.30μmであり、より好ましくは0.70〜1.20μmである。
本発明の光学フィルムの面内レターデーション(Re(550))は80〜200nmであり、110〜165nmであることがより好ましく、120〜145nmであることが更に好ましい。
厚み方向のレターデーション(Rth(550))は−400〜260nmであることが好ましく、−200〜160nmがより好ましく、−90〜80nmが更に好ましい。
Re(450)/Re(550)が1.18以下で、Re(650)/Re(550)が0.93以上が好ましい。以上のような範囲にすることで、光の波長依存性や入射角度依存性が小さい、λ/4板として機能する光学フィルムを得ることができる。
[液晶性化合物]
光学異方性層に用いられるディスコティック液晶性化合物の種類については特に制限されない。例えば、低分子液晶性化合物を液晶状態において配向後、光架橋や熱架橋によって配向を固定化して光学異方性層を形成してもよいし、高分子液晶性化合物を液晶状態において配向後、冷却することによって配向を固定化して光学異方性層を形成してもよい。
なお、本発明では、光学異方性層は、液晶性化合物が重合等によって配向が固定されて形成された層であり、層となった後はもはや液晶性を示す必要はない。重合性液晶性化合物は、多官能性重合性液晶でもよいし、単官能性重合性液晶性化合物でもよい。
前記光学異方性層において、液晶性化合物の分子は、実質的に垂直配向の配向状態で固定化されている。具体的には、ディスコティック液晶性化合物が光学異方性層の層平面(フィルム面)に対して実質的に垂直である。ディスコティック液晶性化合物が層平面に対して実質的に垂直とは、フィルム面とディスコティック液晶性化合物の円盤面とのなす角度の平均値が70°〜90°の範囲内であることを意味する。前記なす角度は、80°〜90°がより好ましく、85°〜90°が更に好ましい。
光学異方性層は、少なくとも2種のディスコティック液晶性化合物と、所望により、後述する重合開始剤や配向制御剤や他の添加剤を含む組成物を、支持体上に塗布することで形成することができる。支持体上に配向膜を形成し、該配向膜表面に前記塗布液を塗布して形成するのが好ましい。
[ディスコティック液晶性化合物]
ディスコティック液晶性化合物は、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載されている。ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。
光学異方性層を形成する組成物におけるディスコティック液晶性化合物の含有量は、全固形分中、70〜100質量%が好ましく、80〜99.5質量%がより好ましく、85〜98質量%が更に好ましく、90〜95質量%が特に好ましい。
ディスコティック晶性化合物の軸ズレがなく配向性の良い光学異方性層を得る上で、光学異方性層を形成する組成物における2種のディスコティック液晶性化合物の混合比は一方の液晶性化合物が他方の液晶性化合物より少ない方が好ましく、その場合、質量比で1:99〜25:75であることが好ましく、1:99〜20:80であることがより好ましく、1:99〜10:90であることがより好ましい。
ディスコティック液晶性化合物は、重合により固定可能なように、重合性基を有するのが好ましい。例えば、ディスコティック液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させた構造が考えられるが、但し、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる場合がある。そこで、円盤状コアと重合性基との間に連結基を有する構造が好ましい。
なお、液晶性化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、30〜300℃が好ましく、30〜170℃が更に好ましい。
重合性基を有するディスコティック液晶性化合物としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
D(−L−P)
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、nは1〜12の整数である。前記式中の円盤状コア(D)、二価の連結基(L)及び重合性基(P)の好ましい具体例は、それぞれ、特開2001−4837号公報に記載の(D1)〜(D15)、(L1)〜(L25)、(P1)〜(P18)であり、同公報に記載の内容を好ましく用いることができる。
(ディスコティック液晶性化合物A)
ディスコティック晶性化合物の配向性の良い光学異方性層を得る上で、2種のディスコティック液晶性化合物のうち一方は、トリフェニレン骨格を有するディスコティック液晶性化合物Aであることが好ましい。
トリフェニレン骨格を有するディスコティック液晶性化合物としては、下記式(A)で表されるものが挙げられる。
一般式(A)
Figure 2012215704
式(A)中、R50は、置換基を有しいてもよいアルキル基である。
50が現すアルキル基は、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましい。炭素数としては1〜6がより好ましい。また、該アルキル基末端に重合性基を有しているのが好ましい。重合性基としては、後述する一般式(I)におけるQとして挙げたものが挙げられ、その好ましい範囲もQと同じである。
一般式(A)で表される化合物としては、Rが下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2012215704
本発明に用いる2種のディスコティック液晶性化合物として、ディスコティック液晶性化合物Aを2種用いてもよいが、ディスコティック液晶性化合物Aと他のディスコティック液晶性化合物を併用することが好ましい。
ディスコティック液晶性化合物Aと他のディスコティック液晶性化合物を併用する場合、光学異方性層を形成する組成物におけるディスコティック液晶性化合物Aの含有量は特に制限されないが、光学異方性層の薄膜化の観点からは、全固形分中、0.5〜50質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、1〜10質量%が更に好ましい。
(ディスコティック液晶性化合物B)
ディスコティック晶性化合物の配向性の良い光学異方性層を得る上で、2種のディスコティック液晶性化合物のうち一方は、下記一般式(I)で表されるディスコティック液晶性化合物Bであることも好ましい。
下記一般式(I)で表わされるディスコティック液晶性化合物は、面内レターデーションの波長分散性が低く、高い面内レターデーションを発現可能であり、また特殊な配向膜や添加剤を使用しなくても配向性の良い垂直配向を達成できるので、光学異方性層の形成に利用するのが好ましい。更に該液晶性化合物を含有する塗布液は、その粘度が比較的低くなる傾向があり、塗布性が良好である点でも好ましい。
一般式(I)
Figure 2012215704
式中、Y11、Y12及びY13は、それぞれ独立に置換されていてもよいメチン基又は窒素原子を表し;
、L及びLは、それぞれ独立に単結合又は二価の連結基を表し;
、H及びHは、それぞれ独立に下記一般式(I−A)又は一般式(I−B)を表し:
、R及びRは、それぞれ独立に下記一般式(I−R)を表す。
Figure 2012215704
(一般式(I−A)中、YA及びYAは、それぞれ独立にメチン基又は窒素原子を表し;
XAは、酸素原子、硫黄原子、メチレン基又はイミノ基を表し;*は上記一般式(I)におけるL〜L側と結合する位置を表し;**は上記一般式(I)におけるR〜R側と結合する位置を表す。)
Figure 2012215704
(一般式(I−B)中、YB及びYBは、それぞれ独立にメチン基又は窒素原子を表し;
XBは、酸素原子、硫黄原子、メチレン基又はイミノ基を表し;*は上記一般式(I)におけるL〜L側と結合する位置を表し;**は上記一般式(I)におけるR〜R側と結合する位置を表す。)
一般式(I−R)
*−(−L21−Qn1−L22−L23−Q
(一般式(I−R)中、*は一般式(I)におけるH〜H側と結合する位置を表し;
21は単結合又は二価の連結基を表し;Qは少なくとも1種類の環状構造を有する二価の基を表し;n1は、0〜4の整数を表し、L22は、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−S−、*−N(R)−、**−CH−、**−CH=CH−又は**−C≡C−を表し、ここで、**はQ側と結合する位置を表し;L22は、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−S−、*−N(R101)−、**−CH−、**−CH=CH−又は**−C≡C−を表し、R101は、炭素数1〜5のアルキル基を表し、**はQ側と結合する位置を表し;L23は、−O−、−S−、−C(=O)−、−NH−、−CH−、−CH=CH−及び−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表し;Qは重合性基又は水素原子を表す。)
一般式(I)について説明する。
式中、Y11、Y12及びY13は、それぞれ独立に置換されていてもよいメチン又は窒素原子を表す。
11、Y12及びY13がメチンの場合、メチンの水素原子は置換基で置き換わってもよい。メチンが有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子及びシアノ基を好ましい例として挙げることができる。これらの置換基の中では、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基が更に好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜12アルコキシカルボニル基、炭素数2〜12アシルオキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基がより好ましい。
11、Y12及びY13は、化合物の合成の容易さ及びコストの点において、いずれもメチンであることがより好ましく、メチンは無置換であることが更に好ましい。
、L及びLは、それぞれ独立に単結合又は二価の連結基を表す。
、L及びLが二価の連結基の場合、それぞれ独立に、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR−、−CH=CH−、−C≡C−、二価の環状基及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。Rは炭素原子数1〜7のアルキル基又は水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基又は水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基又は水素原子であることが更に好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
、L及びLにおける二価の環状基とは、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の連結基(以下、環状基と呼ぶことがある)である。環状基は5員環、6員環、又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることが更に好ましく、6員環であることが最も好ましい。環状基に含まれる環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、及び複素環のいずれでもよい。芳香族環としては、ベンゼン環及びナフタレン環が好ましい例として挙げられる。脂肪族環としては、シクロヘキサン環が好ましい例として挙げられる。複素環としては、ピリジン環及びピリミジン環が好ましい例として挙げられる。環状基は、芳香族環及び複素環がより好ましい。なお、本発明における2価の環状基は、環状構造のみ(但し、置換基を含む)からなる2価の連結基であることがより好ましい(以下、同じ)。
、L及びLで表される二価の環状基のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレン基が好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイル基及びナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイル基が好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。
、L及びLで表される二価の環状基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数が2〜16アルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル基で置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。
、L及びLとしては、単結合、*−O−CO−、*−CO−O−、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−二価の環状基−、*−O−CO−二価の環状基−、*−CO−O−二価の環状基−、*−CH=CH−二価の環状基−、*−C≡C−二価の環状基−、*−二価の環状基−O−CO−、*−二価の環状基−CO−O−、*−二価の環状基−CH=CH−及び*−二価の環状基−C≡C−が好ましい。特に、単結合、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−CH=CH−二価の環状基−及び*−C≡C−二価の環状基−が好ましく、単結合が最も好ましい。ここで、*は一般式(I)中のY11、Y12及びY13を含む6員環側に結合する位置を表す。
、L及びLは全て同じ基であることが好ましい。
一般式(I)中、H、H及びHは、それぞれ独立に一般式(I−A)又は(I−B)で表される基を表す。
Figure 2012215704
一般式(I−A)中、YA及びYAは、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表し;XAは、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し;*は上記一般式(I)におけるL〜L側と結合する位置を表し;**は上記一般式(I)におけるR〜R側と結合する位置を表す。
一般式(I−A)中、YA及びYAがメチンの水素原子は置換基で置き換わってもよい。該メチンが有していてもよい置換基としては、前述のY11、Y12及びY13がメチンの場合に有してもよい置換基を挙げられる。YA及びYAは、化合物の合成の容易さ及びコストの点において、いずれもメチンであることがより好ましく、メチンは無置換であることが更に好ましい。
XAは、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
Figure 2012215704
一般式(I−B)中、YB及びYBは、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表し;XBは、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し;*は上記一般式(I)におけるL〜L側と結合する位置を表し;**は上記一般式(I)におけるR〜R側と結合する位置を表す。
一般式(I−B)中、YB及びYBがメチンの水素原子は置換基で置き換わってもよい。該メチンが有していてもよい置換基としては、前述のY11、Y12及びY13がメチンの場合に有してもよい置換基を挙げられる。YB及びYBは、化合物の合成の容易さ及びコストの点において、いずれもメチンであることがより好ましく、メチンは無置換であることが更に好ましい。
XBは、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
一般式(I)中、H、H及びHは、一般式(I−A)であることが好ましい。また、H、H及びHは全て同じ基であることが好ましい。
一般式(I)中、R、R及びRは、それぞれ独立に下記一般式(I−R)を表す。R、R及びRは全て同じ基であることが好ましい。
一般式(I−R)
*−(−L21−Qn1−L22−L23−Q
一般式(I−R)中、*は、一般式(I)におけるH〜H側と結合する位置を表す。
21は単結合又は二価の連結基を表す。L21が二価の連結基の場合、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR−、−CH=CH−及び−C≡C−並びにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。Rは炭素原子数1〜7のアルキル基又は水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基又は水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基又は水素原子であることが更に好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
21は単結合、***−O−CO−、***−CO−O−、***−CH=CH−及び***−C≡C−(ここで、***は一般式(I−R)中の*側を表す)のいずれかが好ましく、単結合がより好ましい。
は少なくとも1種類の環状構造を有する二価の基(環状基)を表す。このような環状基としては、5員環、6員環、又は7員環を有する環状基が好ましく、5員環又は6員環を有する環状基がより好ましい。上記環状基に含まれる環状構造は、縮合環であっても良い。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、及び複素環のいずれでもよい。芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環が好ましい例として挙げられる。脂肪族環としては、シクロヘキサン環が好ましい例として挙げられる。複素環としては、ピリジン環及びピリミジン環が好ましい例として挙げられる。
また、Qが表す環状基としては、前述の一般式(I−A)及び(I−B)で表される基が挙げられる(ここで、一般式(I−A)及び(I−B)中、*はL21側と結合する位置を表し、**はL22側と結合する位置を表す)。
上記Qのうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレン基が好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−1,6−ジイル基、ナフタレン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイルナフタレン−2,7−ジイル基が好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイル基が好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。これらの中でも、特に、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基及び1,4−シクロへキシレン基が好ましい。
は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基及び炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基が更に好ましい。
n1は、0〜4の整数を表す。n1としては、ディスコティック液晶性化合物Bを用いて形成した光学異方性層の薄膜化の観点から、1〜3の整数が好ましく、1若しくは2が更に好ましく、2が特に好ましい。
n1が2以上の場合、複数あるL21及びQは互いに同じでも異なってもよいが、L21は互いに同じであることが好ましく、Qは互いに異なることが好ましい。
好ましい組み合わせとしては、L21が全て単結合であり、少なくとも1つのQが6員環を有する環状基であり、少なくとも他の1つのQが一般式(I−A)及び(I−B)で表される基である。この場合、6員環を有する環状基となるQは、一般式(I−A)及び(I−B)で表される基となるQより、一般式(I)におけるH〜H側にあることが好ましい。また、一般式(I−A)及び(I−B)で表される基となるQは、一般式(I−B)で表される基であることが好ましい。
22は、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−S−、**−NH−、**−SO−、**−CH−、**−CH=CH−又は**−C≡C−を表し、**はQ側と結合する位置を表す。
22は、好ましくは、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−CH−、**−CH=CH−、**−C≡C−であり、より好ましくは、**−O−、**−O−CO−、**−O−CO−O−、**−CH−である。L22が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置換されていてもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
23は、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO−、−NH−、−CH−、−CH=CH−及び−C≡C−並びにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。ここで、−NH−、−CH−、−CH=CH−の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。これらの置換基に置換されることにより、本発明の液晶性化合物から液晶性組成物を調製する際に、使用する溶媒に対する溶解性を向上させることができる。
23は、−O−、−C(=O)−、−CH−、−CH=CH−及び−C≡C−並びにこれらの組み合わせからなる群より選ばれることが好ましい。L23は、炭素原子を1〜20個含有することが好ましく、炭素原子を2〜14個を含有することがより好ましい。更に、L23は、−CH−を1〜16個含有することが好ましく、−CH−を2〜12個含有することが更に好ましい。
は重合性基又は水素原子を表す。本発明の液晶性化合物を光学補償フィルムのような位相差の大きさが熱により変化しないものが好ましい光学フィルム等に用いる場合には、Qは重合性基であることが好ましい。重合反応は、付加重合(開環重合を含む)又は縮合重合であることが好ましい。すなわち、重合性基は、付加重合反応又は縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例を示す。
Figure 2012215704
更に、重合性基は付加重合反応が可能な官能基であることが特に好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基又は開環重合性基が好ましい。
重合性エチレン性不飽和基の例としては、下記の式(M−1)〜(M−6)が挙げられる。
Figure 2012215704
式(M−3)、(M−4)中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、水素原子又はメチル基が好ましい。
上記式(M−1)〜(M−6)の中、(M−1)又は(M−2)が好ましく、(M−1)がより好ましい。
開環重合性基は、環状エーテル基が好ましく、エポキシ基又はオキセタニル基がより好ましい。
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、特開2009−97002号公報の[0038]〜[0069]記載の化合物や、特開2010−244038号公報の[0061]〜[0077]に記載の化合物、更に以下の化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2012215704
本発明に用いる2種のディスコティック液晶性化合物として、ディスコティック液晶性化合物Bは2種用いてもよいが、ディスコティック液晶性化合物Bと他のディスコティック液晶性化合物を併用することが好ましい。
ディスコティック液晶性化合物Bと他のディスコティック液晶性化合物を併用する場合、光学異方性層を形成する組成物におけるディスコティック液晶性化合物Aの含有量は特に制限されないが、光学異方性層の薄膜化の観点からは、全固形分中、50〜99.5質量%が好ましく、75〜99質量%がより好ましく、90〜99質量%が更に好ましい。
光学異方性層の薄膜化の観点からは、ディスコティック液晶性化合物Aとディスコティック液晶性化合物Bを併用することが好ましい。光学異方性層を形成する組成物におけるディスコティック液晶性化合物A及びBの混合比(化合物A):(化合物B)は、質量比で1:99〜20:80であることが好ましく、1:99〜10:90であることがより好ましい。含有量は特に制限されないが、光学異方性層の薄膜化の観点からは、全固形分中、50〜99.5質量%が好ましく、75〜99質量%がより好ましく、90〜99質量%が更に好ましい。
[垂直配向促進剤]
光学異方性層を形成する際に、液晶性化合物の分子を均一に垂直配向させるためには、配向膜界面側及び空気界面側において液晶性化合物を垂直に配向制御可能な配向制御剤を用いるのが好ましい。この目的のために、配向膜に、排除体積効果、静電気的効果又は表面エネルギー効果によって液晶性化合物を垂直に配向させる作用を及ぼす化合物を、液晶性化合物とともに含有する組成物を用いて光学異方性層を形成するのが好ましい。また、空気界面側の配向制御に関しては液晶性化合物の配向時に空気界面に偏在し、その排除体積効果、静電気的効果、又は表面エネルギー効果によって液晶性化合物を垂直に配向させる作用を及ぼす化合物を、液晶性化合物とともに含有する組成物を用いて光学異方性層を形成するのが好ましい。このような配向膜界面側で液晶性化合物の分子を垂直に配向させるのを促進する化合物(配向膜界面側垂直配向剤)としては、ピリジニウム誘導体が好適に用いられる。空気界面側で液晶性化合物の分子を垂直に配向させるのを促進する化合物(空気界面側垂直配向剤)としては、該化合物が空気界面側に偏在するのを促進する、フルオロ脂肪族基と、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SOH)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)}及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の親水性基とを含む化合物が好適に用いられる。また、これらの化合物を配合することによって、例えば、液晶性組成物を塗布液として調製した場合に、該塗布液の塗布性が改善され、ムラ、ハジキの発生が抑制される。以下に垂直配向剤に関して詳細に説明する。
[配向膜界面側垂直配向剤]
本発明に使用可能な配向膜界面側垂直配向剤としては、下記式(II)で表されるピリジニウム誘導体(ピリジニウム塩)が好適に用いられる。該ピリジニウム誘導体の少なくとも1種を前記液晶性組成物に添加することによって、ディスコティック液晶性化合物の分子を配向膜近傍で実質的に垂直に配向させることができる。
Figure 2012215704
式中、L23及びL24はそれぞれ独立に二価の連結基であり;
22は水素原子、又はアミノ基であり;
Xはアニオンであり;
22及びY23はそれぞれ独立に、5又は6員環を部分構造として有する2価の連結基であり;
21はフェニル基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシカルボニル基、及びアリールカルボニルオキシ基からなる群より選ばれる一価の基であり;
pは1〜10の数であり;
mは1又は2である。
一般式(II)について説明する。
23及びL24はそれぞれ二価の連結基を表す。
23は、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−O−AL−O−、−O−AL−O−CO−、−O−AL−CO−O−、−CO−O−AL−O−、−CO−O−AL−O−CO−、−CO−O−AL−CO−O−、−O−CO−AL−O−、−O−CO−AL−O−CO−又は−O−CO−AL−CO−O−であるのが好ましく、ALは、炭素原子数が1〜10のアルキレン基である。L23は、単結合、−O−、−O−AL−O−、−O−AL−O−CO−、−O−AL−CO−O−、−CO−O−AL−O−、−CO−O−AL−O−CO−、−CO−O−AL−CO−O−、−O−CO−AL−O−、−O−CO−AL−O−CO−又は−O−CO−AL−CO−O−が好ましく、単結合又は−O−が更に好ましく、−O−が最も好ましい。
24は、Lは、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−又は−N=N−であるのが好ましく、−O−CO−又は−CO−O−がより好ましい。mが2以上のとき、複数のL24が交互に、−O−CO−及び−CO−O−であるのが更に好ましい。
22は水素原子、無置換アミノ基、又は炭素原子数が1〜25の置換アミノ基である。
22が、ジアルキル置換アミノ基である場合、2つのアルキル基が互いに結合して含窒素複素環を形成してもよい。このとき形成される含窒素複素環は、5員環又は6員環が好ましい。R23は水素原子、無置換アミノ基、又は炭素原子数が2〜12のジアルキル置換アミノ基であるのが更に好ましく、水素原子、無置換アミノ基、又は炭素原子数が2〜8のジアルキル置換アミノ基であるのがより更に好ましい。R23が無置換アミノ基及び置換アミノ基である場合、ピリジニウム環の4位が置換されていることが好ましい。
Xはアニオンである。
Xは、一価のアニオンであることが好ましい。アニオンの例には、アニオンの例には、ハロゲン陰イオン(例え、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなど)、スルホネートイオン(例えば、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、メチル硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン、1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオンなど)、硫酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロほう酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、ギ酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、リン酸イオン(例えば、ヘキサフルオロリン酸イオン)、水酸イオンなどが挙げられる。Xは、好ましくは、ハロゲン陰イオン、スルホネートイオン、水酸イオンである。
22及びY23はそれぞれ、5又は6員環を部分構造として有する2価の連結基である。
前記5又は6員環が置換基を有していてもよい。好ましくは、Y22及びY23のうち少なくとも1つは、置換基を有する5又は6員環を部分構造として有する2価の連結基である。Y22及びY23は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい6員環を部分構造として有する2価の連結基であるのが好ましい。6員環は、脂肪族環、芳香族環(ベンゼン環)及び複素環を含む。6員脂肪族環の例は、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環及びシクロヘキサジエン環を含む。6員複素環の例は、ピラン環、ジオキサン環、ジチアン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環及びトリアジン環を含む。6員環に、他の6員環又は5員環が縮合していてもよい。
置換基の例は、ハロゲン原子、シアノ、炭素原子数が1〜12のアルキル基及び炭素原子数が1〜12のアルコキシ基を含む。アルキル基及びアルコキシ基は、炭素原子数が2〜12のアシル基又は炭素原子数が2〜12のアシルオキシ基で置換されていてもよい。置換基は、炭素原子数が1〜12(より好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜3)のアルキル基であるのが好ましい。置換基は2以上であってもよく、例えば、Y22及びY23がフェニレン基である場合は、1〜4の炭素原子数が1〜12(より好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜3)のアルキル基で置換されていてもよい。
なお、mは1又は2であり、2であるのが好ましい。mが2のとき、複数のY23及びL24は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
21は、ハロゲン置換フェニル、ニトロ置換フェニル、シアノ置換フェニル、炭素原子数が1〜25のアルキル基で置換されたフェニル、炭素原子数が1〜25のアルコキシ基で置換されたフェニル、炭素原子数が1〜25のアルキル基、炭素原子数が2〜25のアルキニル基、炭素原子数が1〜25のアルコキシ基、炭素原子数が1〜25のアルコキシカルボニル基、炭素原子数が7〜26のアリールオキシカルボニル基及び炭素原子数が7〜26のアリールカルボニルオキシ基からなる群より選ばれる一価の基である。
mが2の場合、Z21は、シアノ、炭素原子数が1〜25のアルキル基又は炭素原子数が1〜25のアルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数4〜20のアルコキシ基であるのが更に好ましい。
mが1の場合、Z21は、炭素原子数が7〜25のアルキル基、炭素原子数が7〜25のアルコキシ基、炭素原子数が7〜25のアシル置換アルキル基、炭素原子数が7〜25のアシル置換アルコキシ基、炭素原子数が7〜12のアシルオキシ置換アルキル基又は炭素原子数が7〜25のアシルオキシ置換アルコキシ基であることが好ましい。
アシル基は−CO−R、アシルオキシ基は−O−CO−Rで表され、Rは脂肪族基(アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基)又は芳香族基(アリール基、置換アリール基)である。Rは、脂肪族基であることが好ましく、アルキル基又はアルケニル基であることが更に好ましい。
pは、1〜10の整数である。pは、1又は2であることが特に好ましい。C2pは、分岐構造を有していてもよい鎖状アルキレン基を意味する。C2pは、直鎖状アルキレン基(−(CH−)であることが好ましい。
前記式(II)で表される化合物の中でも、下記式(II’)で表される化合物が好ましい。
Figure 2012215704
式(II’)中、式(II)と同一の符号は同一の意義であり、好ましい範囲も同様である。L25はL24と同義であり、好ましい範囲も同様である。L24及びL25は、−O−CO−又は−CO−O−であるのが好ましく、L24が−O−CO−で、かつL25が−CO−O−であるのが好ましい。
23、R24及びR25はそれぞれ、炭素原子数が1〜12(より好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜3)のアルキル基である。n23は0〜4、n24は1〜4、及びn25は0〜4を表す。n23及びn25が0で、n24が1〜4(より好ましくは1〜3)であるのが好ましい。
一般式(II)で表される化合物の具体例としては、特開2006−113500号公報明細書中[0058]〜[0061]に記載の化合物が挙げられる。
その他にも一般式(II)で表される化合物の具体例としては下記化合物が挙げられる。但し、下記式中、アニオン(X)は省略した。
Figure 2012215704
Figure 2012215704
以下に、一般式(II’)で表される化合物の具体例を示す。但し、下記式中、アニオン(X)は省略した。
Figure 2012215704
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Figure 2012215704
Figure 2012215704
式(II)のピリジニウム誘導体は、一般にピリジン環をアルキル化(メンシュトキン反応)して得られる。
光学異方性層を形成するための組成物中における前記ピリジニウム誘導体の含有量の好ましい範囲は、全固形分中、0.005〜8質量%であるのが好ましく、0.01〜5質量%であるのがより好ましい。
[空気界面側垂直配向剤]
本発明における空気界面側垂直配向剤としては、下記フッ素系ポリマー(II)又は一般式(III)で表される含フッ素化合物が好適に用いられる。
まずフッ素系ポリマー(式(II)を部分構造として含む)について説明する。空気界面側垂直配向剤としては、フッ素系ポリマーが、フルオロ脂肪族基含有モノマーより誘導される繰り返し単位と下記式(II)で表される繰り返し単位とを含む共重合体であることが好ましい。
Figure 2012215704
式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し;Lは下記の連結基群から選ばれる2価の連結基又は下記の連結基群から選ばれる2つ以上を組み合わせて形成される2価の連結基を表し、
(連結基群)
単結合、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す)、−S−、−SO−、−P(=O)(OR)−(Rはアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す)、アルキレン基及びアリーレン基;
Qはカルボキシル基(−COOH)若しくはその塩、スルホ基(−SOH)若しくはその塩、又はホスホノキシ{−OP(=O)(OH)}若しくはその塩を表す。
本発明に使用可能なフッ素系ポリマーは、フルオロ脂肪族基と、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SOH)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)}及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の親水性基とを含有することを特徴とする。ポリマーの種類としては、「改訂 高分子合成の化学」(大津隆行著、発行:株式会社化学同人、1968)1〜4ページに記載があり、例えば、ポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリイミド類、ポリウレタン類、ポリカーボネート類、ポリスルホン類、ポリカーボナート類、ポリエーテル類、ポリアセタール類、ポリケトン類、ポリフェニレンオキシド類、ポリフェニレンスルフィド類、ポリアリレート類、PTFE類、ポリビニリデンフロライド類、セルロース誘導体などが挙げられる。前記フッ素系ポリマーは、ポリオレフィン類であることが好ましい。
前記フッ素系ポリマーは、フルオロ脂肪族基を側鎖に有するポリマーである。前記フルオロ脂肪族基は、炭素数1〜12であるのが好ましく、6〜10であるのがより好ましい。脂肪族基は、鎖状であっても環状であってもよく、鎖状である場合は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。中でも、直鎖状の炭素数6〜10のフルオロ脂肪族基が好ましい。フッ素原子による置換の程度については特に制限はないが、脂肪族基中の50%以上の水素原子がフッ素原子に置換されているのが好ましく、60%以上が置換されているのがより好ましい。フルオロ脂肪族基は、エステル結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、エーテル結合、チオエーテル結合、芳香族環などを介してポリマー主鎖と結合した側鎖に含まれる。
フッ素系ポリマーとして本発明に好ましく用いられるフルオロ脂肪族基含有共重合体の具体例として、特開2006−113500公報の段落[0110]〜[0114]に記載の化合物等が挙げられるが、本発明はそれら具体例によってなんら制限されるものではない。
本発明に用いる前記フッ素系ポリマーの質量平均分子量は1,000,000以下であるのが好ましく、500,000以下であるのがより好ましく、100,000以下であり、10000以上であるのが更に好ましい。この範囲にすることで、溶解性を満足しつつ液晶性化合物の配向制御に有効である。質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて、ポリスチレン(PS)換算の値として測定可能である。
光学異方性層を形成するための組成物中における前記フッ素系ポリマーの含有量の好ましい範囲は、その用途によって異なるが、光学異方性層の形成に用いる場合は、組成物(塗布液である場合は溶媒を除いた組成物)中、0.005〜8質量%であるのが好ましく、0.01〜5質量%であるのがより好ましく、0.05〜3質量%であるのが更に好ましい。前記フッ素系ポリマーの添加量が0.005質量%以上であると効果が十分であり、また8質量%以下であると、塗膜の乾燥が十分に行われ、光学フィルムとしての性能(例えばレターデーションの均一性等)に優れる。
下記式(III)で表される含フッ素化合物。
(III) (R−L−(W)
式中、Rはアルキル基、末端にCF基を有するアルキル基、又は末端にCFH基を有するアルキル基を表し、mは1以上の整数を表す。複数個のRは同一でも異なっていてもよいが、少なくとも一つは末端にCF基又はCFH基を有するアルキル基を表す。Lは(m+n)価の連結基を表し、Wはカルボキシル基(−COOH)若しくはその塩、スルホ基(−SOH)若しくはその塩、又はホスホノキシ{−OP(=O)(OH)}若しくはその塩を表し、nは1以上の整数を表す。
本発明に使用可能な式(III)にて表される含フッ素化合物の具体例として、特開2006−113500公報の段落[0136]〜[0140]に記載の化合物等が挙げられるが、本発明はそれら具体例によってなんら制限されるものではない。
光学異方性層を形成するための組成物中における前記含フッ素化合物の含有量の好ましい範囲は、全固形分中、0.005〜8質量%であるのが好ましく、0.01〜5質量%であるのがより好ましく、0.05〜3質量%であるのが更に好ましい。
[重合性開始剤]
配向(実質的に垂直配向)させた液晶性化合物は、配向状態を維持して固定することが好ましい。固定化は、液晶性化合物に導入した重合性基の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、光学異方性層を形成するための組成物の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることが更に好ましい。
ディスコティック液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm〜50J/cmであることが好ましく、100〜800mJ/cmであることが更に好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
[光学異方性層の他の添加剤]
光学異方性層を形成するための組成物には、前述のディスコティック液晶性化合物と共に、可塑剤、界面活性剤、多官能重合性モノマー等を併用して、膜の均一性、強度、液晶性化合物の配向性等を向上させることができる。これらの素材は液晶性化合物と相溶性を有し、配向を阻害しないことが好ましい。
(多官能重合性モノマー)
本発明の光学異方性層を形成するための組成物には、多官能重合性モノマーを含有する。多官能重合性モノマーを含有させることで、フィルム強度を向上させることができる。
多官能重合性モノマーは重合性不飽和基を2つ以上有する多官能モノマーであることが好ましく、重合性不飽和基を3つ以上有する多官能モノマーであることが更に好ましい。
不飽和二重結合を有する化合物としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の重合性官能基を有する化合物が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基及び−C(O)OCH=CHが好ましい。特に好ましくは下記の1分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物を用いることができる。
多官能重合性モノマーの具体例としては、アルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類、エポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
中でも、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましい。例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−クロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート系化合物類は市販されているものを用いることもでき、新中村化学工業(株)製NKエステル、日本化薬(株)製KAYARAD、大阪有機化学工業(株)製ビスコート等を挙げることができる。
(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート系化合物類は市販されているものを用いることもでき、新中村化学工業(株)製NKエステル、日本化薬(株)製KAYARAD、大阪有機化学工業(株)製ビスコート等を挙げることができる。
光学異方性層を形成するための組成物中における多官能重合性モノマーの含有量は、ディスコティック液晶性化合物の配向を阻害することなく、薄膜化したフィルムの強度を向上させる観点から、全固形分に対して、1〜6質量%であることが好ましく、2〜5質量%がより好ましい。
(他の添加剤)
光学異方性層を形成するための組成物に用いることのできる界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特にフッ素系化合物が好ましい。具体的には、例えば特開2001−330725号公報の段落番号[0028]〜[0056]記載の化合物、特開2005−62673号公報の段落番号[0069]〜[0126]記載の化合物が挙げられる。
光学異方性層を形成するための組成物においては、液晶性化合物とともに、組成物を増粘できることポリマーを用いることができる。ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0178]記載のものが挙げられる。液晶性化合物の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、液晶性分子に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましい。
[溶剤]
光学異方性層を形成するための組成物に使用することのできる溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド及びケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
[塗布方法]
光学異方性層は前記組成物を支持体などの上に直接又は他の層を介して塗布することにより形成することができる。塗布液(組成物)の塗布は、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。中でも、ワイヤーバーコーティング法を利用して塗布するのが好ましく、ワイヤーバーの回転数は下記式を満たすことが好ましい。
0.6<(W×(R+2r)×π)/V<1.4
[W:ワイヤーバーの回転数(rpm)、R:バーの芯の直径(m)、r:ワイヤーの直径(m)、V:支持体の搬送速度(m/min)](W×(R+2r)×π)/Vの範囲は、0.7〜1.3であることがより好ましく、0.8〜1.2であることが更に好ましい。
光学異方性層の形成にはダイコーティング法も好ましく用いられ、特に、スライドコーター又はスロットダイコーターを利用した塗布方法も好ましい。
塗布液の塗布後、ディスコティック液晶性化合物の配向熟成(配向性向上)のため、加熱乾燥することが好ましい。加熱温度としては100〜150℃が好ましく、105〜145℃がより好ましく、105〜125℃が特に好ましい。
[配向膜]
本発明では、配向膜の表面に前記組成物を塗布して、液晶性化合物の分子を配向させて光学異方性層を形成するのが好ましい。配向膜は液晶性化合物の配向方向を規定する機能を有するため、本発明の好ましい態様を実現する上で利用するのが好ましい。しかし、液晶性化合物を配向後にその配向状態を固定してしまえば、配向膜はその役割を果たしているために、本発明の構成要素としては必ずしも必須のものではない。即ち、配向状態が固定された配向膜上の光学異方性層のみを偏光層や支持体上に転写して本発明の偏光板を作製することも可能である。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で設けることができる。更に、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
配向膜は、ポリマーのラビング処理により形成することが好ましい。
ポリマーの例には、例えば特開平8−338913号公報の[0022]記載のメタクリレート系共重合体、スチレン系共重合体、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリカーボネート等が含まれる。シランカップリング剤をポリマーとして用いることができる。水溶性ポリマー(例、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール)が好ましく、ゼラチン、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールが更に好ましく、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールが最も好ましい。
ポリビニルアルコールの鹸化度は、70〜100%が好ましく、80〜100%が更に好ましい。ポリビニルアルコールの重合度は100〜5000であることが好ましい。
前記配向膜において、架橋性官能基(例、二重結合)を有する側鎖を主鎖に結合させるか、あるいは、液晶性分子を配向させる機能を有する架橋性官能基を側鎖に導入することが好ましい。配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができ、これらの組み合わせを複数使用することができる。
架橋性官能基を有する側鎖を配向膜ポリマーの主鎖に結合させるか、あるいは、液晶性分子を配向させる機能を有する側鎖に架橋性官能基を導入すると、配向膜のポリマーと光学異方性層に含まれる多官能モノマーとを共重合させることができる。その結果、多官能モノマーと多官能モノマーとの間だけではなく、配向膜ポリマーと配向膜ポリマーとの間、そして多官能モノマーと配向膜ポリマーとの間も共有結合で強固に結合される。従って、架橋性官能基を配向膜ポリマーに導入することで、光学補償シートの強度を著しく改善することができる。
配向膜ポリマーの架橋性官能基は、多官能モノマーと同様に、重合性基を含むことが好ましい。具体的には、例えば特開2000−155216号公報の[0080]〜[0100]記載のもの等が挙げられる。
配向膜ポリマーは、上記の架橋性官能基とは別に、架橋剤を用いて架橋させることもできる。架橋剤としては、アルデヒド、N−メチロール化合物、ジオキサン誘導体、カルボキシル基を活性化することにより作用する化合物、活性ビニル化合物、活性ハロゲン化合物、イソオキサゾール及びジアルデヒド澱粉が含まれる。二種類以上の架橋剤を併用してもよい。具体的には、例えば特開2002−62426号公報の[0023]〜[0024]記載の化合物等が挙げられる。反応活性の高いアルデヒド、特にグルタルアルデヒドが好ましい。
架橋剤の添加量は、ポリマーに対して0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%が更に好ましい。配向膜に残存する未反応の架橋剤の量は、1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることが更に好ましい。このように調節することで、配向膜を液晶表示装置に長期使用、或は高温高湿の雰囲気下に長期間放置しても、レチキュレーション発生のない充分な耐久性が得られる。
配向膜は、基本的に、配向膜形成材料である上記ポリマー、架橋剤及び添加剤を含む溶液を透明支持体上に塗布した後、加熱乾燥(架橋させ)し、ラビング処理することにより形成することができる。架橋反応は、前記のように、透明支持体上に塗布した後、任意の時期に行なってよい。ポリビニルアルコールのような水溶性ポリマーを配向膜形成材料として用いる場合には、塗布液は消泡作用のある有機溶媒(例、メタノール)と水の混合溶媒とすることが好ましい。その比率は質量比で水:メタノールが0:100〜99:1が好ましく、0:100〜91:9であることが更に好ましい。これにより、泡の発生が抑えられ、配向膜、更には光学異方層の層表面の欠陥が著しく減少する。
配向膜形成時に利用する塗布方法は、スピンコーティング法、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、ロッドコーティング法又はロールコーティング法が好ましい。特にロッドコーティング法が好ましい。また、乾燥後の膜厚は0.1乃至10μmが好ましい。
加熱乾燥は、20℃〜110℃で行なうことができる。充分な架橋を形成するためには60℃〜100℃が好ましく、特に80℃〜100℃が好ましい。乾燥時間は1分〜36時間で行なうことができるが、好ましくは1分〜30分である。pHも、使用する架橋剤に最適な値に設定することが好ましく、グルタルアルデヒドを使用した場合は、pH4.5〜5.5が好ましい。
配向膜は、透明支持体上に設けられることが好ましい。配向膜は、上記のようにポリマー層を架橋したのち、表面をラビング処理することにより得ることができる。
前記ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を適用することができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより、配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さ及び太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
配向膜のラビング処理面に前記組成物を塗布して、液晶性化合物の分子を配向させる。その後、必要に応じて、配向膜ポリマーと光学異方性層に含まれる多官能モノマーとを反応させるか、あるいは、架橋剤を用いて配向膜ポリマーを架橋させることで、前記光学異方性層を形成することができる。
配向膜の膜厚は、0.1〜10μmの範囲にあることが好ましい。
[支持体]
本発明の光学フィルムは、液晶性化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層を支持するポリマーフィルムからなる支持体を有していてもよい。光学異方性が小さいポリマーフィルムを用いてもよいし、延伸処理などにより光学異方性を発現させたポリマーフィルムを用いてもよい。支持体は光透過率が80%以上であることが好ましい。
支持体の面内のレターデーション(Re(550))は0〜30nmであることが好ましく、0〜20nmであることが更に好ましく、0〜10nmであることが最も好ましい。また、該支持体の厚さ方向のレターデーション(Rth(550))は−1000nm〜300nmであることが好ましく、−500nm〜200nmであることが好ましく、−300nm〜150nmであることが最も好ましい。支持体の光学異方性は、その上に設けられる光学異方性層との組み合わせによって選択することが好ましく、その組み合わせによって光学フィルムのNz値を制御することができる。
ポリマーの例には、セルロースアシレートフィルム(例えば、セルローストリアセテートフィルム(屈折率1.48)、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム)、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルムポリオレフィン、脂環式構造を有するポリマー(ノルボルネン系樹脂(アートン:商品名、JSR社製、非晶質ポリオレフィン(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン社製))、などが挙げられる。このうちトリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、脂環式構造を有するポリマーが好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
ポリマーフィルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。透明支持体の厚さは通常25μm〜1000μm程度のものを用いることができるが、好ましくは25μm〜250μmであり、30μm〜90μmであることがより好ましい。透明支持体とその上に設けられる層(接着層、垂直配向膜あるいは位相差層)との接着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。また、透明支持体や長尺の透明支持体には、搬送工程でのすべり性を付与したり、巻き取った後の裏面と表面の貼り付きを防止するために、平均粒径が10〜100nm程度の無機粒子を固形分重量比で5%〜40%混合したポリマー層を支持体の片側に塗布や支持体との共流延によって形成したものを用いることが好ましい。
なお、上記では、支持体上に光学異方性層を設けた積層体構造である光学フィルムを説明したが、本発明はこの態様に限定されるものではなく、光学異方性層は、液晶性化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層のみからなっていてもよい。
前記光学フィルムは長尺の状態で連続的に製造されることが好ましい。更に、長手方向に対して遅相軸が平行でも直交でもない方向にあることが好ましい。すなわち、光学フィルムに含まれる光学異方性層の少なくとも一層の遅相軸と、フィルムの長辺とのなす角度は、5〜85°であることが好ましい。ディスコティック液晶性化合物から形成される光学異方性層の遅相軸の角度はラビングの角度で調整できる。長尺状フィルムの長手方向に対して光学異方性層の遅相軸を平行でも直交でもない角度にすることで、後述する円偏光板又は楕円偏光板の製造において、長尺状の偏光膜とロールトゥロールによる貼り合せが可能になり、貼り合せの軸角度の精度が高く、生産性の高い円偏光板や楕円偏光板の製造が可能になる。
(光学フィルムの層構成)
本発明の光学フィルムは、目的に応じて必要な機能層を単独又は複数層設けてもよい。好ましい態様としては、光学異方性層の上にハードコート層が積層された態様、光学異方性層の上に反射防止層が積層された態様、光学異方性層の上にハードコート層が積層され、その上に更に反射防止層が積層された態様、等が挙げられる。該反射防止層は、光学干渉によって反射率が減少するように屈折率、膜厚、層の数、層順等を考慮して設計された,少なくとも一層以上の層からなる層である。
反射防止層は、最も単純な構成では、フィルムの最表面に低屈折率層のみを塗設した構成である。更に反射率を低下させるには、屈折率の高い高屈折率層と、屈折率の低い低屈折率層を組み合わせて反射防止層を構成することが好ましい。構成例としては、下側から順に、高屈折率層/低屈折率層の2層のものや、屈折率の異なる3層を、中屈折率層(下層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているもの等があり、更に多くの反射防止層を積層するものも提案されている。中でも、耐久性、光学特性、コストや生産性等から、ハードコート層上に、中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の順に有することが好ましく、例えば、特開平8−122504号公報、特開平8−110401号公報、特開平10−300902号公報、特開2002−243906号公報、特開2000−111706号公報等に記載の構成が挙げられる。また、各層に他の機能を付与させてもよく、例えば、防汚性の低屈折率層、帯電防止性の高屈折率層、帯電防止性のハードコート層としたもの(例、特開平10−206603号公報、特開2002−243906号公報等)等が挙げられる。
ハードコート層や反射防止層を有す本発明の光学フィルムの具体的な層構成の例を下記に示す。
・光学異方性層/ハードコート層、
・光学異方性層/低屈折率層、
・光学異方性層/防眩層/低屈折率層
・光学異方性層/ハードコート層/低屈折率層、
・光学異方性層/ハードコート層/防眩層/低屈折率層
・光学異方性層/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層
・光学異方性層/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
・光学異方性層/ハードコート層/防眩層/高屈折率層/低屈折率層
・光学異方性層/ハードコート層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
・光学異方性層/防眩層/高屈折率層/低屈折率層
・光学異方性層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
上記の各構成において、光学異方性層の上にハードコート層、防眩層、反射防止層等の機能層を直接形成することが好ましい。また、光学異方性層を含む光学フィルムと、別途、支持体上にハードコート層、防眩層、反射防止層等の層を設けた光学フィルムとを積層して製造してもよい。
本発明の光学フィルムの好ましい態様の一つは、光学異方性層側から順に、中屈折率層、高屈折率層、及び低屈折率層が積層された反射防止層を有する。
中屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.60〜1.65であり、中屈折率層の厚さが50.0nm〜70.0nmであり、高屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.70〜1.74であり、高屈折率層の厚さが90.0nm〜115.0nmであり、該低屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.33〜1.38であり、低屈折率層の厚さが85.0nm〜95.0nmであることが好ましい。
上記構成の中でも、反射防止層は以下に示す構成(1)又は構成(2)が、特に好ましい。
構成(1):中屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.60〜1.64であり、中屈折率層の厚さが55.0nm〜65.0nmであり、高屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.70〜1.74であり、高屈折率層の厚さが105.0nm〜115.0nmであり、低屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.33〜1.38であり、低屈折率層の厚さが85.0nm〜95.0nmを有する低屈折率層である反射防止層。
構成(2):中屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.60〜1.65であり、中屈折率層の厚さが55.0nm〜65.0nmであり、高屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.70〜1.74であり、高屈折率層の厚さが90.0nm〜100.0nmであり、低屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.33〜1.38であり、低屈折率層の厚さが85.0nm〜95.0nmである反射防止層。
各層の屈折率と厚みを上記範囲内とすることで反射色の変動をより小さくできる。構成(1)は反射色の変動を小さく抑えつつ、反射率を特に低くすることができる構成であり、特に好ましい。また、構成(2)は反射率の変動が構成(1)よりも更に小さく抑えられる構成であり、膜厚変動に対するロバスト性に優れるため、特に好ましい。
各層の屈折率の測定は、各層の塗布液を3〜5μmの厚みになるようにガラス板に塗布し、多波長アッベ屈折計DR−M2(アタゴ(株)製)にて測定することができる。本明細書では、「DR−M2,M4用干渉フィルター546(e)nm 部品番号:RE−3523」のフィルターを使用して測定した屈折率を波長550nmにおける屈折率として採用した。 各層の膜厚は光の干渉を利用した反射分光膜厚計“FE−3000”(大塚電子(株)製)や、TEM(透過型電子顕微鏡)による断面観察により測定することができる。反射分光膜厚計でも膜厚と同時に屈折率の測定も可能であるが、膜厚の測定精度を上げるために、別手段で測定した各層の屈折率を用いることが望ましい。各層の屈折率が測定できない場合は、TEMによる膜厚測定が望ましい。その場合は、10箇所以上測定し、平均した値を用いることが望ましい。
(ハードコート層)
本発明の光学フィルムには、フィルムの物理的強度を付与するために、ハードコート層を設けることができる。本発明においては、ハードコート層を設けなくてもよいが、ハードコート層を設けた方が鉛筆引掻き試験などの耐擦傷性面が強くなり、好ましい。
好ましくは、ハードコート層上に低屈折率層が設けられ、更に好ましくはハードコート層と低屈折率層の間に中屈折率層、高屈折率層が設けられ、反射防止フィルムを構成する。
ハードコート層は、二層以上の積層から構成されてもよい。
本発明におけるハードコート層の屈折率は、反射防止性のフィルムを得るための光学設計から、屈折率が1.48〜2.00の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.48〜1.70である。本発明では、ハードコート層の上に低屈折率層が少なくとも1層あるので、屈折率がこの範囲より小さ過ぎると反射防止性が低下し、大き過ぎると反射光の色味が強くなる傾向がある。
ハードコート層の膜厚は、フィルムに充分な耐久性、耐衝撃性を付与する観点から、通常0.5μm〜50μm程度とし、好ましくは1μm〜20μm、更に好ましくは5μm〜20μmである。
ハードコート層の強度は、鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることが更に好ましく、3H以上であることが最も好ましい。更に、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
ハードコート層は、電離放射線硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。例えば、電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーを含む塗布組成物を透明支持体上に塗布し、多官能モノマーや多官能オリゴマーを架橋反応、又は、重合反応させることにより形成することができる。電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。具体的には前記(重合性不飽和基を有する多官能モノマー)で挙げた化合物を好ましく用いることができる。
ハードコート層には、内部散乱性付与の目的で、平均粒径が1.0〜10.0μm、好ましくは1.5〜7.0μmのマット粒子、例えば無機化合物の粒子又は樹脂粒子を含有してもよい。
ハードコート層のバインダーには、ハードコート層の屈折率を制御する目的で、各種屈折率モノマー又は無機粒子、或いは両者を加えることができる。無機粒子には屈折率を制御する効果に加えて、架橋反応による硬化収縮を抑える効果もある。本発明では、ハードコート層形成後において、前記多官能モノマー及び/又は高屈折率モノマー等が重合して生成した重合体、その中に分散された無機粒子を含んでバインダーと称する。
(防眩層)
防眩層は、表面散乱による防眩性と、好ましくはフィルムの硬度、耐擦傷性を向上するためのハードコート性をフィルムに寄与する目的で形成される。
防眩層については特開2009−98658号公報の段落[0178]〜[0189]に記載されており、本発明においても同様である。
[高屈折率層及び中屈折率層]
高屈折率層の屈折率は、前記のように1.70〜1.74であることが好ましく、1.71〜1.73であることがより好ましい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整される。中屈折率層の屈折率は、1.60〜1.64であることが好ましく、1.61〜1.63であることが更に好ましい。
高屈折率層及び中屈折率層の形成方法は化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理蒸着法の一種である真空蒸着法やスパッタ法により、無機物酸化物の透明薄膜を用いることもできるが、オールウェット塗布による方法が好ましい。
上記中屈折率層は、上記高屈折率層と屈折率を異ならせた以外は同様の材料を用いて同様に調整できるので、以下、特に高屈折率層について説明する。
上記高屈折率層は、無機微粒子、3官能以上の重合性基を有する硬化性化合物(以下、「バインダー」と称する場合もある)、溶媒及び重合開始剤を含有する塗布組成物を塗布し、溶媒を乾燥させた後、加熱、電離放射線照射あるいは両手段の併用により硬化して形成されたものであるのが好ましい。硬化性化合物や開始剤を用いる場合は、塗布後に熱及び/又は電離放射線による重合反応により硬化性化合物を硬化させることで、耐傷性や密着性に優れる中屈折率層や高屈折率層が形成できる。
(無機微粒子)
上記無機微粒子としては、金属の酸化物を含有する無機微粒子が好ましく、Ti、Zr、In、Zn、Sn、Al及びSbから選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物を含有する無機微粒子がより好ましい。また、層(A)に導入する導電性高分子化合物によって発現される帯電防止性を補助するために、中屈折率層及び高屈折率層のうち少なくともいずれかが、導電性の無機微粒子を含有してもよい。
無機微粒子としては、屈折率の観点から、酸化ジルコニウムの微粒子が好ましい。また、導電性の観点からは、Sb、In、Snのうちの少なくとも1種類の金属の酸化物を主成分とする無機微粒子を用いることが好ましい。導電性の無機微粒子としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、リンドープ酸化錫(PTO)、アンチモン酸亜鉛(AZO)、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)、酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化レニウム、酸化銀、酸化ニッケル及び酸化銅からなる群から少なくとも一つ選択される金属酸化物が更に好ましい。
無機微粒子の量を変化させることで所定の屈折率に調整することができる。層中の無機微粒子の平均粒径は、酸化ジルコニウムを主成分として用いた場合、1〜120nmであることが好ましく、更に好ましくは1〜60nm、2〜40nmが更に好ましい。この範囲内で、ヘイズを抑え、分散安定性、表面の適度の凹凸による上層との密着性が良好となり、好ましい。
酸化ジルコニウムを主成分とする無機微粒子は、屈折率が1.90〜2.80であることが好ましく、2.00〜2.40であることが更に好ましく、2.00〜2.20であることが最も好ましい。
無機微粒子の添加量は、添加する層により異なり、中屈折率層では中屈折率層全体の固形分に対し、20〜60質量%が好ましく、25〜55質量%がより好ましく、30〜50質量%が更に好ましい。高屈折率層では高屈折率層全体の固形分に対し、40〜90質量%が好ましく、50〜85質量%がより好ましく、60〜80質量%が更に好ましい。
無機微粒子の粒子径は、光散乱法や電子顕微鏡写真により測定できる。無機微粒子の比表面積は、10〜400m/gであることが好ましく、20〜200m/gであることが更に好ましく、30〜150m/gであることが最も好ましい。
無機微粒子は、分散液中あるいは塗布液中で、分散安定化を図るために、あるいはバインダー成分との親和性、結合性を高めるために、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理、界面活性剤やカップリング剤等による化学的表面処理がなされていても良い。カップリング剤の使用が特に好ましい。カップリング剤としては、アルコキシメタル化合物(例、チタンカップリング剤、シランカップリング剤)が好ましく用いられる。なかでも、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有するシランカップリング剤による処理が特に有効である。無機微粒子の化学的表面処理剤、溶媒、触媒、及び分散物の安定剤は特開2006−17870号公報の[0058]〜[0083]に記載されている。
無機微粒子の分散は、分散機を用いて分散することができる。分散機の例には、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライター及びコロイドミルが含まれる。サンドグラインダーミル及び高速インペラーミルが特に好ましい。また、予備分散処理を実施してもよい。予備分散処理に用いる分散機の例には、ボールミル、三本ロールミル、ニーダー及びエクストルーダーが含まれる。
無機微粒子は、分散媒体中でなるべく微細化されていることが好ましく、質量平均径は10〜120nmである。好ましくは20〜100nmであり、更に好ましくは30〜90nm、特に好ましくは30〜80nmである。無機微粒子を200nm以下に微細化することで透明性を損なわない高屈折率層及び中屈折率層を形成できる。
(硬化性化合物)
硬化性化合物としては、重合性化合物が好ましく、重合性化合物としては電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーが好ましく用いられる。これらの化合物中の官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
光重合性官能基を有する光重合性多官能モノマーの具体例としては、前述の多官能重合性モノマーで述べた化合物を好適に用いる事ができる。
高屈折率層には、前記の成分(無機微粒子、硬化性化合物、重合開始剤、光増感剤など)以外に、界面活性剤、帯電防止剤、カップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、導電性の金属微粒子、などを添加することもできる。
本発明に用いる高屈折率層及び中屈折率層は、上記のようにして分散媒体中に無機微粒子を分散した分散液に、更にマトリックス形成に必要なバインダー前駆体である硬化性化合物(例えば、前述の電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーなど)、光重合開始剤等を加えて高屈折率層及び中屈折率層形成用の塗布組成物とし、透明支持体上に高屈折率層及び中屈折率層形成用の塗布組成物を塗布して、硬化性化合物の架橋反応又は重合反応により硬化させて形成することが好ましい。
更に、高屈折率層及び中屈折率層のバインダーを層の塗布と同時又は塗布後に、分散剤と架橋反応又は重合反応させることが好ましい。このようにして作製した高屈折率層及び中屈折率層のバインダーは、例えば、上記の好ましい分散剤と電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーとが、架橋又は重合反応し、バインダーに分散剤のアニオン性基が取りこまれた形となる。更に高屈折率層及び中屈折率層のバインダーは、アニオン性基が無機微粒子の分散状態を維持する機能を有し、架橋又は重合構造がバインダーに皮膜形成能を付与して、無機微粒子を含有する高屈折率層及び中屈折率層の物理強度、耐薬品性、耐候性を改良する。
高屈折率層の形成において、硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応は、酸素濃度が10体積%以下の雰囲気で実施することが好ましい。高屈折率層を酸素濃度が10体積%以下の雰囲気で形成することにより、高屈折率層の物理強度、耐薬品性、耐候性、更には、高屈折率層と高屈折率層と隣接する層との接着性を改良することができる。好ましくは酸素濃度が6体積%以下の雰囲気で硬化性樹脂の架橋反応、又は、重合反応により形成することであり、更に好ましくは酸素濃度が4体積%以下、特に好ましくは酸素濃度が2体積%以下、最も好ましくは1体積%以下である。
上述したように、中屈折率層は、高屈折率層と同様の材料を用いかつ同様にして得ることができる。
具体的には、中屈折率層、高屈折率層が前記膜厚と屈折率を満足するように微粒子の種類、樹脂の種類を選択すると共にその配合比率を決め、主な組成を決定することが一例として挙げられる。
上記全ての層を形成するための塗布組成物には、低屈折率層用組成物と同様の溶剤を用いることができる。
[低屈折率層]
本発明における低屈折率層は、屈折率が1.30〜1.47であることが好ましい。多層薄膜干渉型の反射防止フィルム(中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層)の場合の低屈折率層の屈折率は1.33〜1.38であることが望ましく、更に望ましくは1.35〜1.37が望ましい。上記範囲内とすることで反射率を抑え、膜強度を維持することができ、好ましい。低屈折率層の形成方法も化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理蒸着法の一種である真空蒸着法やスパッタ法により、無機物酸化物の透明薄膜を用いることもできるが、低屈折率層用組成物を用いてオールウェット塗布による方法を用いることが好ましい。
低屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることが更に好ましく、1%以下であることが最も好ましい。
低屈折率層まで形成した反射防止フィルムの強度は、500g荷重の鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることが更に好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、反射防止フィルムの防汚性能を改良するために、表面の水に対する接触角が95゜以上であることが好ましい。更に好ましくは102゜以上である。特に、接触角が105°以上であると、指紋に対する防汚性能が著しく良化するため、特に好ましい。また、水の接触角が102°以上で、かつ、表面自由エネルギーが25dyne/cm以下であることがより好ましく、23dyne/cm以下であることが特に好ましく、20dyne/cm以下であることが更に好ましい。最も好ましくは、水の接触角が105°以上で、かつ、表面自由エネルギーが20dyne/cm以下である。
(低屈折率層の形成)
低屈折率層は、重合性不飽和基を有する含フッ素防汚剤、重合性不飽和基を有する含フッ素共重合体、無機微粒子、その他所望により含有される任意成分を溶解あるいは分散させた塗布組成物を塗布と同時、又は塗布・乾燥後に電離放射線照射(例えば光照射、電子線ビーム照射等が挙げられる。)や加熱することによる架橋反応、又は、重合反応により硬化して、形成することが好ましい。
特に、低屈折率層が電離放射線硬化性の化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成される場合、架橋反応、又は、重合反応は酸素濃度が10体積%以下の雰囲気で実施することが好ましい。酸素濃度が1体積%以下の雰囲気で形成することにより、物理強度、耐薬品性に優れた最外層を得ることができる。
好ましくは酸素濃度が0.5体積%以下であり、更に好ましくは酸素濃度が0.1体積%以下、特に好ましくは酸素濃度が0.05体積%以下、最も好ましくは0.02体積%以下である。
酸素濃度を1体積%以下にする手法としては、大気(窒素濃度約79体積%、酸素濃度約21体積%)を別の気体で置換することが好ましく、特に好ましくは窒素で置換(窒素パージ)することである。
(紫外線吸収剤)
本発明の光学フィルムには、紫外線吸収剤を用いることができる。紫外線吸収剤は、支持体、光学異方性層、ハードコート層、反射防止層等のいずれの層に用いてもよい。
紫外線吸収剤としては、紫外線吸収性を発現できるもので、公知のものがいずれも使用できる。そのような紫外線吸収剤のうち、紫外線吸収性が高く、電子画像表示装置で用いられる紫外線吸収能(紫外線カット能)を得るためにベンゾトリアゾール系又はヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤が好ましい。また、紫外線の吸収幅を広くするために、最大吸収波長の異なる紫外線吸収剤を2種以上併用することができる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシメチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシヘキシル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチル−3′−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−シアノ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−tert−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−ニトロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−ter―ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、ベンゼンプロパン酸−3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1、1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−,C
7〜9−ブランチ直鎖アルキルエステル、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール等が挙げられる。
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2‘−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチルオキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アセトキシエトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ−5,5′−ジスルホベンゾフェノン・2ナトリウム塩等が挙げられる。
[偏光板]
本発明の偏光板は、本発明の光学フィルムと偏光膜とを有する。偏光膜としては、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜のいずれを用いてもよい。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。偏光膜の吸収軸は、フィルムの延伸方向に相当する。従って、縦方向(搬送方向)に延伸された偏光膜は長手方向に対して平行に吸収軸を有し、横方向(搬送方向と垂直方向)に延伸された偏光膜は長手方向に対して垂直に吸収軸を有す。
偏光膜は一般に保護膜を有する。本発明において、本発明の光学フィルムは、偏光膜の保護膜として機能させることができる。上記光学フィルムとは別に偏光膜の保護膜を積層する場合は、保護膜として光学的等方性が高いセルロースエステルフィルムを用いることが好ましい。
本発明の偏光板の好ましい製造方法は、上記光学フィルムと偏光膜とが、それぞれ長尺の状態で連続的に積層される工程を含む。該長尺の偏光板は用いられる画像表示装置の画面の大きさに合わせて裁断される。
偏光膜として直線偏光膜を用い、上記光学フィルムと組み合わせることで、円偏光板又は楕円偏光板として機能する偏光膜一体型の光学フィルムを高い生産性で製造できる。これら円偏光板や楕円偏光板は、液晶表示装置のコントラスト向上や視野角拡大のために用いられたり、有機EL表示装置の反射防止膜として使用できたり、コレステリック液晶フィルムと積層することで輝度向上膜として用いられたり、3D表示装置の視角改善フィルムとして用いられたり、多数の用途を有する。
本発明の偏光板は、偏光膜の一方の面に上記光学フィルムを積層し、偏光膜のもう一方の面には、光学異方性を有す光学補償フィルムを更に積層してもよい。視認者側から順に、本発明の光学フィルム、偏光膜、光学補償フィルム、液晶セル、と配置することで、あるいは、バックライト側から順に、本発明の光学フィルム、偏光膜、光学補償フィルム、液晶セル、と配置することで、該光学補償フィルムは、液晶表示装置のコントラストや視野角の補償フィルムとして機能させることができ、本発明の光学フィルムは、偏光膜の外側(視認者側又はバックライト側)に用いられるフィルムとして機能する。
[画像表示装置]
本発明の光学フィルム及び偏光板は、画像表示装置に用いることができる。
用いることのできる画像表示装置としては、特に制限はなく、CRTであってもフラットパネルディスプレイであってもよいが、フラットパネルディスプレイであることが好ましい。フラットパネルディスプレイとしては、PDP、LCD、有機ELなどが挙げられる。なかでも、液晶表示装置(LCD)が好ましい。
[液晶表示装置]
本発明に係る液晶表示装置は、前記偏光板を少なくとも有する限り、その構成については特に制限はない。反射型、半透過型、透過型液晶表示装置等いずれであってもよい。液晶表示装置は一般的に、偏光板、液晶セル、及び必要に応じて位相差板、反射層、光拡散層、バックライト、フロントライト、光制御フィルム、導光板、プリズムシート、カラーフィルター等の部材から構成される。本発明においては、光学フィルムが表示装置の外側及び/又はバックライト側に使用することが好ましい。また、本発明の偏光板の使用位置についても特に制限はなく、また、1カ所でも複数カ所でもよい。液晶セルとしては特に制限されず、電極を備える一対の透明基板で液晶層を狭持したもの等の一般的な液晶セルが使用できる。液晶セルを構成する前記透明基板としては、液晶層を構成する液晶性を示す材料を特定の配向方向に配向させるものであれば特に制限はない。具体的には、基板自体が液晶を配向させる性質を有していている透明基板、基板自体は配向能に欠けるが、液晶を配向させる性質を有する配向膜等をこれに設けた透明基板等がいずれも使用できる。また、液晶セルの電極は、公知のものが使用できる。通常、液晶層が接する透明基板の面上に設けることができ、配向膜を有する基板を使用する場合は、基板と配向膜との間に設けることができる。前記液晶層を形成する液晶性を示す材料としては、特に制限されず、各種の液晶セルを構成し得る通常の各種低分子液晶性化合物、高分子液晶性化合物及びこれらの混合物が挙げられる。また、これらに液晶性を損なわない範囲で色素やカイラル剤、非液晶性化合物等を添加することもできる。
前記液晶セルは、前記電極基板及び液晶層の他に、後述する各種の方式の液晶セルとするのに必要な各種の構成要素を備えていてもよい。前記液晶セルの方式としては、TN(Twisted Nematic)方式、STN(SuperTwisted Nematic)方式、ECB(Electrically Controlled Birefringence)方式、IPS(In−Plane Switching)方式、VA(Vertical Alignment)方式、MVA(Multidomain Vertical Alignment)方式、PVA(Patterned Vertical Alignment)方式、OCB(Optically Compensated Birefringence)方式、HAN(Hybrid Aligned Nematic)方式、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)方式、ハーフトーングレイスケール方式、ドメイン分割方式、あるいは強誘電性液晶、反強誘電性液晶を利用した表示方式等の各種の方式が挙げられる。また、液晶セルの駆動方式も特に制限はなく、STN−LCD等に用いられるパッシブマトリクス方式、並びにTFT(Thin Film Transistor)電極、TFD(Thin Film Diode)電極等の能動電極を用いるアクティブマトリクス方式、プラズマアドレス方式等のいずれの駆動方式であってもよい。カラーフィルターを使用しないフィールドシーケンシャル方式であってもよい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<支持体1(セルロースアセテートフィルムT1)の作製>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
酢化度60.7〜61.1%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 336質量部
メタノール(第2溶媒) 29質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
別のミキシングタンクに、下記のレターデーション上昇剤(A)16質量部、メチレンクロライド92質量部及びメタノール8質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。セルロースアセテート溶液474質量部にレターデーション上昇剤溶液25質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、6.0質量部であった。
Figure 2012215704
得られたドープを、バンド延伸機を用いて流延した。バンド上での膜面温度が40℃となってから、70℃の温風で1分乾燥し、バンドからフィルムを140℃の乾燥風で10分乾燥し、残留溶剤量が0.3質量%のセルロースアセテートフィルムT1(支持体1)を作製した。
得られた長尺状のセルロースアセテートフィルムT1の幅は1490mmであり、厚さは80μmであった。また、面内レターデーション(Re)は8nm、厚み方向のレターデーション(Rth)は78nmであった。
<支持体2>
支持体2としては、市販のセルロースアシレートフィルム「TD80UL」(富士フイルム社製)を用いた。
[比較例1]
<液晶性化合物を含む光学異方性層の形成>
(アルカリ鹸化処理)
セルロースアシレートフィルムT1を、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムの片面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14ml/mで塗布し、110℃に加熱した(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に、10秒間搬送した。続いて、同じくバーコーターを用いて、純水を3ml/m塗布した。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに10秒間搬送して乾燥し、アルカリ鹸化処理したセルロースアシレートフィルムを作製した。
(アルカリ溶液組成)
────────────────────────────────────
水酸化カリウム 4.7質量部
水 15.8質量部
イソプロパノール 63.7質量部
界面活性剤
SF−1:C1429O(CHCHO)20H 1.0質量部
プロピレングリコール 14.8質量部
────────────────────────────────────
(配向膜の形成)
上記のように鹸化処理した長尺状のセルロースアセテートフィルムに、下記の組成の配向膜塗布液を#14のワイヤーバーで連続的に塗布した。60℃の温風で60秒、更に100℃の温風で120秒乾燥した。
配向膜塗布液の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド 0.5質量部
光重合開始剤(イルガキュアー2959、チバ・ジャパン製) 0.3質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
変性ポリビニルアルコール
Figure 2012215704
(ディスコティック液晶性化合物を含む光学異方性層の形成)
上記作製した配向膜に連続的にラビング処理を施した。このとき、長尺状のフィルムの長手方向と搬送方向は平行であり、フィルム長手方向に対して、ラビングローラーの回転軸は時計回りに45°の方向とした。
下記の組成のディスコティック液晶化合物を含む塗布液Aを上記作製した配向膜上に#3.6のワイヤーバーで連続的に塗布した。フィルムの搬送速度(V)は20m/minとした。塗布液の溶媒の乾燥及びディスコティック液晶化合物の配向熟成のために、130℃の温風で90秒間加熱した。続いて、80℃にてUV照射を行い、液晶化合物の配向を固定化し光学異方性層を形成し、比較例1の光学フィルムを得た。
光学異方性層塗布液(A)の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記のディスコティック液晶性化合物(DLC1) 91質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 5質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 3質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
下記のピリジニウム塩(配向剤1) 0.5質量部
下記のフッ素系ポリマー(FP1) 0.2質量部
下記のフッ素系ポリマー(FP2) 0.1質量部
溶剤(メチルエチルケトン)(MEK) 241質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Figure 2012215704
Figure 2012215704
Figure 2012215704
Figure 2012215704
上記フッ素系ポリマー(FP1)の構造式中の「25」、「25」、「50」、及びフッ素系ポリマー(FP2)の構造式中の「95」、「5」は、ポリマーの繰り返し単位のモル比を表す。
比較例1の光学フィルムの遅相軸の方向はラビングローラーの回転軸と平行であった。すなわち、支持体の長手方向に対して、遅相軸は時計回りに45°の方向であった。別途、セルロースアセテートフィルムを支持体に用いる代わりに、ガラスを基板として用いてディスコティック液晶化合物を含む層を形成して、Re(0)、Re(40)及びRe(−40)をKOBRA21 ADHを用いて測定したところ、それぞれ、125.3nm、116.4nm及び116.6nmであった。これらの結果からディスコティック液晶性分子の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、ディスコティック液晶がフィルム面に対して垂直に配向していることが確認できた。
[比較例2〜4]
表1に示すように、光学異方性層塗布液(A)の組成の成分を変更し(記載していない成分は変えず)、各塗布液を調製した。上記比較例1の光学フィルムの作製において、Re(0)をKOBRA21 ADHを用いて測定した値が125nmになるように、塗布液の塗布量を変更し、塗布液を塗布した後の加熱温度を表1に記載の温度とする以外は同様にして、比較例2〜4の光学フィルムを作製した。
作製した各光学フィルムの遅相軸の方向はラビングローラーの回転軸と直交していた。すなわち、支持体の長手方向に対して、遅相軸は時計回りに45°の方向であった。比較例1と同様にして、ディスコティック液晶性分子の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、ディスコティック液晶がフィルム面に対して垂直に配向していることを確認した。
比較例2で用いたディスコティック液晶性化合物DLC2の構造、比較例3及び4で用いたディスコティック液晶性化合物DLC3の構造を下記に示す。
Figure 2012215704
[実施例1]
上記比較例1の光学フィルムの作製において、Re(0)をKOBRA21 ADHを用いて測定した値が125nmになるように、下記ディスコティック液晶化合物を含む塗布液(B)の塗布量を変更し、ディスコティック液晶化合物を含む塗布液(B)を塗布した後の加熱温度を110℃にする以外は同様にして、実施例1の光学フィルムを作製した。
光学異方性層塗布液(B)の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ディスコティック液晶性化合物(DLC1) 1質量部
ディスコティック液晶性化合物(DLC3) 91質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 5質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 3質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
前記ピリジニウム塩(配向剤1) 0.5質量部
前記フッ素系ポリマー(FP1) 0.2質量部
前記フッ素系ポリマー(FP2) 0.1質量部
溶剤(メチルエチルケトン)(MEK) 241質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
作製した実施例1の光学フィルムの遅相軸の方向はラビングローラーの回転軸と直交していた。すなわち、支持体の長手方向に対して、遅相軸は時計回りに45°の方向であった。比較例1と同様にして、ディスコティック液晶性分子の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、ディスコティック液晶がフィルム面に対して垂直に配向していることを確認した。
[実施例2〜3、6〜18]
表1に示すように、光学異方性層塗布液(B)の組成の成分及び支持体を変更し(記載していない成分は変えず)、各塗布液を調製した。上記実施例1の光学フィルムの作製において、Re(0)をKOBRA21 ADHを用いて測定した値が125nmになるように、塗布液の塗布量を変更し、塗布液を塗布した後の加熱温度を表1に記載の温度とする以外は同様にして、実施例2〜3及び6〜18の光学フィルムを作製した。
作製した各光学フィルムの遅相軸の方向はラビングローラーの回転軸と直交していた。すなわち、支持体の長手方向に対して、遅相軸は時計回りに45°の方向であった。比較例1と同様にして、ディスコティック液晶性分子の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、ディスコティック液晶がフィルム面に対して垂直に配向していることを確認した。
表1中、DPHAは、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(日本化薬(株)製)である。また、配向剤2は下記構造のピリジニウム塩である。
Figure 2012215704
[実施例4]
下記の組成のディスコティック液晶化合物を含む塗布液(R)を、上記実施例1の光学フィルムで作製した配向膜を有する支持体1の配向膜上に#3.6のワイヤーバーで連続的に塗布した。フィルムの搬送速度(V)は20m/minとした。塗布液の溶媒の乾燥及びディスコティック液晶化合物の配向熟成のために、110℃の温風で90秒間加熱した。続いて、80℃にてUV照射を行い、液晶化合物の配向を固定化し光学異方性層を形成し、実施例4の光学フィルムを得た。
光学異方性層塗布液(R)の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ディスコティック液晶性化合物(DLC1) 5質量部
ディスコティック液晶性化合物(DLC3) 91質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 5質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 3質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
前記ピリジニウム塩(配向剤1) 0.5質量部
前記フッ素系ポリマー(FP1) 0.2質量部
前記フッ素系ポリマー(FP2) 0.1質量部
溶剤(メチルエチルケトン)(MEK) 393質量部
溶剤メタノール(MeOH) 48質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
作製した実施例4の光学フィルムの遅相軸の方向はラビングローラーの回転軸と直交していた。すなわち、支持体の長手方向に対して、遅相軸は時計回りに45°の方向であった。比較例1と同様にして、ディスコティック液晶性分子の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、ディスコティック液晶がフィルム面に対して垂直に配向していることを確認した。
[実施例5]
上記実施例4の光学フィルムの作製において、メタノールを同量のイソプロピルアルコール(IPA)に変更した以外は同様にして、実施例5の光学フィルムを作製した。
作製した実施例5の光学フィルムの遅相軸の方向はラビングローラーの回転軸と直交していた。すなわち、支持体の長手方向に対して、遅相軸は時計回りに45°の方向であった。比較例1と同様にして、ディスコティック液晶性分子の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、ディスコティック液晶がフィルム面に対して垂直に配向していることを確認した。
[評価]
上記のとおり作製した比較例1〜4、実施例1〜18の光学フィルム以下のとおり評価した。評価結果を表2に示す。
(膜厚)
光学異方性層の膜厚を、光学干渉膜厚計(FE−3000、大塚電子(株)製)を用いて測定した。
(引掻き強度)
連続荷重式引掻強度試験機(新東科学(株)製)Type18を用い、ダイヤモンド針(0.025mm径)で荷重を連続的に増やしながら、300mm/minの速度でフィルムの塗布表面(光学異方性層を設けた側の面)を引っ掻いて、塗布膜面に引っ掻き傷が付き始めた点での荷重値を引っ掻き耐性値として測定した。

引掻き強度はフィルム強度の指標であり、38g以上が好ましく、40g以上がより好ましく、これらの範囲であれば良好なフィルム強度を有していることを意味する。
(消光)
消光度による配向性の評価には、大塚電子株式会社製の消光度測定装置を使用した。この装置において、測定波長を550nmとし、パラニコル配置の2枚の偏光板の透過率を100%とした。そして、クロスニコルに配置した2枚の偏光板の間に上記で作製した光学フィルムを配置し、光学異方性層中のディスコティック液晶の配向性の評価を行った。消光度による配向性の評価では、消光度が低いほど配向性が高いことを意味する。好ましい消光度は0.0050以下である。
表2に示すように、本発明の光学フィルムは、薄膜で、液晶性化合物の配向性の良く、フィルム強度が高いことが分かる。
Figure 2012215704
Figure 2012215704

Claims (13)

  1. 少なくとも2種のディスコティック液晶性化合物と、多官能重合性モノマーとを含む組成物から形成された光学異方性層を有する光学フィルムであって、
    前記2種のディスコティック液晶性化合物が前記光学異方性層において層平面に対して実質的に垂直に配向し、
    前記光学異方性層の厚さが0.50〜1.65μmであり、
    前記光学フィルムの波長550nmにおける面内レターデーションReが80〜200nmである、光学フィルム。
  2. 前記2種のディスコティック液晶性化合物の混合比が、質量比で1:99〜25:75である、請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記2種のディスコティック液晶性化合物の一方が、トリフェニレン骨格を有するディスコティック液晶性化合物Aである、請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  4. 前記2種のディスコティック液晶性化合物の他方が、下記一般式(I)で表されるディスコティック液晶性化合物Bである、請求項3に記載の光学フィルム。
    Figure 2012215704
    式中、Y11、Y12及びY13は、それぞれ独立に置換されていてもよいメチン基又は窒素原子を表し;
    、L及びLは、それぞれ独立に単結合又は二価の連結基を表し;
    、H及びHは、それぞれ独立に下記一般式(I−A)又は一般式(I−B)を表し:
    、R及びRは、それぞれ独立に下記一般式(I−R)を表す。
    Figure 2012215704
    (一般式(I−A)中、YA及びYAは、それぞれ独立にメチン基又は窒素原子を表し;XAは、酸素原子、硫黄原子、メチレン基又はイミノ基を表し;*は上記一般式(I)におけるL〜L側と結合する位置を表し;**は上記一般式(I)におけるR〜R側と結合する位置を表す。)
    Figure 2012215704
    (一般式(I−B)中、YB及びYBは、それぞれ独立にメチン基又は窒素原子を表し;
    XBは、酸素原子、硫黄原子、メチレン基又はイミノ基を表し;*は上記一般式(I)におけるL〜L側と結合する位置を表し;**は上記一般式(I)におけるR〜R側と結合する位置を表す。)
    一般式(I−R)
    *−(−L21−Qn1−L22−L23−Q
    (一般式(I−R)中、*は一般式(I)におけるH〜H側と結合する位置を表し;
    21は単結合又は二価の連結基を表し;Qは少なくとも1種類の環状構造を有する二価の基を表し;n1は、0〜4の整数を表し、L22は、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−S−、*−NR−、**−CH−、**−CH=CH−又は**−C≡C−を表し、ここで、Rは炭素原子数1〜7のアルキル基又は水素原子であり、**はQ側と結合する位置を表し;L22は、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−S−、*−N(R101)−、**−CH−、**−CH=CH−又は**−C≡C−を表し、R101は炭素数1〜5のアルキル基を表し、**はQ側と結合する位置を表し;L23は、−O−、−S−、−C(=O)−、−NH−、−CH−、−CH=CH−及び−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表し;Qは重合性基又は水素原子を表す。)
  5. 前記一般式(I−R)におけるn1が1〜3の整数である、請求項4に記載の光学フィルム。
  6. 前記ディスコティック液晶性化合物A及びBの混合比(化合物A):(化合物B)が、質量比で1:99〜20:80である、請求項5に記載の光学フィルム。
  7. 前記ディスコティック液晶性化合物A及びBの混合比(化合物A):(化合物B)が、質量比で1:99〜10:90である、請求項6に記載の光学フィルム。
  8. 前記光学異方性層を形成する組成物中の前記多官能重合性モノマーの含有量が、該組成物の全固形分に対して2〜6質量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  9. 前記光学異方性層を形成する組成物が下記一般式(II)で表されるピリジニウム化合物を含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学フィルム。
    Figure 2012215704
    式中、L23及びL24はそれぞれ独立に二価の連結基であり;
    22は水素原子、又はアミノ基であり;
    Xはアニオンであり;
    22及びY23はそれぞれ独立に、5又は6員環を部分構造として有する2価の連結基であり;
    21はフェニル基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシカルボニル基、及びアリールカルボニルオキシ基からなる群より選ばれる一価の基であり;
    pは1〜10の数であり;
    mは1又は2である。
  10. 更に、ハードコート層を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  11. 更に、反射防止層を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の光学フィルムを含む、偏光板。
  13. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の光学フィルム又は請求項12に記載の偏光板を有する、画像表示装置。
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