JP2012215077A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】密閉容器内が高圧となるように、スクロール圧縮要素から密閉容器内上部の吐出室へ圧縮された高圧冷媒ガスが吐出される内部高圧型のスクロール圧縮機であり、この吐出室の空間を利用してオイル分離部を設け、ここでオイルが分離された冷媒ガスの一部が、上支持フレームに設けた連通路を経て吐出管へ流れる冷媒ガス経路よりも短距離でもって吐出管へ直接導く構成によって、モータの回転数が高くなった状態でも、オイルが吐出管から送出されることを抑制できるようにする。
【解決手段】電動要素の回転軸に対して連通路の反対側に吐出管が配置され、吐出ポートから吐出される冷媒ガス中のオイルを分離するオイル分離部が吐出室内に設けられ、オイル分離部にてオイルが分離された後の冷媒ガスを吐出管へ導く冷媒ガス補助通路が、回転軸に対して連通路の反対側に形成されたこと。
【選択図】図1

Description

本発明は、縦型の密閉容器内に電動要素とこの電動要素によって駆動されるスクロール圧縮要素とを収容し、密閉容器を貫通する吸入管よりスクロール圧縮要素の吸入部へ吸い込んだ冷媒をスクロール圧縮要素にて圧縮し、この圧縮した冷媒ガスは密閉容器内へ吐出された後、吐出管にて密閉容器外へ吐出するスクロール圧縮機に関する。
縦型の密閉容器内に電動要素とこの電動要素によって駆動されるスクロール圧縮要素とを収容し、密閉容器を貫通する吸入管よりスクロール圧縮要素の吸入部へ吸い込んだ冷媒をスクロール圧縮要素にて圧縮し、この圧縮した冷媒ガスは密閉容器内へ吐出された後、吐出管にて密閉容器外へ吐出するスクロール圧縮機がある。
この種のスクロール圧縮機は、冷凍回路の冷媒圧縮機能部として作用するように接続されている。その一例として、スクロール圧縮機で圧縮した冷媒は、吐出管から送出されて凝縮器で凝縮し、膨張部で膨張した後、蒸発器で蒸発することによって所定領域を冷却した後、吸入管よりスクロール圧縮要素の吸入部へ吸い込まれて圧縮され、再び吐出管から吐出されて上記循環を繰り返すように構成される。
このような冷凍回路に適用される場合、冷却される所定領域の温度が、冷却したい設定温度との差が大きい状態では冷却能力をアップするために、電動要素を構成するモータの回転数を高くしてスクロール圧縮要素で圧縮され吐出される冷媒ガスの吐出量を多くし、また、冷却される所定領域の温度が設定温度に近づくにしたがってモータの回転数を低くして、スクロール圧縮要素で圧縮され吐出される冷媒の吐出量を少なくする制御が行われる。
この制御の一つの方式として、冷却される所定領域の温度と設定温度とを比較しつつ、モータの回転数を高い状態から低い状態まで連続的に可変するように、モータの回転数を周波数制御するインバータ制御方式がある。また、他の方式としては、冷却される所定領域の温度と設定温度とを比較しつつ、モータの回転数を高い状態から低い状態まで段階的に可変するステップ制御方式がある。
いずれの制御方式においても、モータの回転に伴ってモータ軸の下端部に設けたオイルポンプが回転し、密閉容器内の底部のオイル溜めにあるオイルがスクロール圧縮要素へ供給され、このオイルによってスクロール圧縮要素が潤滑される構成である。このため、モータの回転数が高くなるにしたがって、スクロール圧縮要素で圧縮されて密閉容器内へ吐出される冷媒ガスの吐出量が多くなると共に、スクロール圧縮要素へのオイルの供給量も増加し、スクロール圧縮要素から吐出される冷媒ガスに混入しているオイルの吐出量も増加する。このオイルが吐出管から送出された場合、このオイルが冷凍回路の低温部(例えば蒸発器)に溜り、冷凍能力の低下を招くと共に、スクロール圧縮機内のオイル不足を招き、スクロール圧縮要素の潤滑不足を招くようになることが懸念される。
このため、従来からこのオイルが吐出管から送出されることを抑制するためにいろいろな技術が講じられている。その一つとして、上記のようなスクロール圧縮機は、縦型の密閉容器内に電動機(モータから成る電動要素)とこの電動機で駆動されるスクロール圧縮要素を収納し、密閉容器を構成するエンドキャップに取り付けられた吸込管より吸い込んだ冷媒を、スクロール圧縮要素にて圧縮し、円筒形の容器本体に取り付けられた吐出管より吐出する構成とされている(特許文献1参照)。
この特許文献1のような内部高圧型のスクロール圧縮機は、モータから成る電動要素の回転軸を軸支するための軸受部を有する上支持フレームを設けると共に、スクロール圧縮要素を、鏡板の表面に渦巻き状のラップが立設された固定スクロールと、この固定スクロールに対して電動要素の回転軸により旋回運動され、鏡板の一方の面に渦巻き状のラップが立設された揺動スクロールとから構成し、両ラップを互いに噛み合わせて形成される複数の圧縮空間を、外側から内側に向かって次第に縮小させることにより、外周部の圧縮空間に連通された吸込管より吸い込んだガスを圧縮して中心部より固定スクロール側の密閉容器内に吐出し、上支持フレームに設けた連通路を介して電動要素側に導くと共に、密閉容器に取り付けられた吐出管より吐出するように構成され、この特許文献1の場合は、上支持フレームから電動要素側に延在して軸受部の周囲を囲繞する遮蔽板54と、連通路の出口に設けられ、吐出ガスを遮蔽板方向に案内するガイド部材44を備える。
特開2009−228434号公報
この特許文献1の構成では、特に遮蔽板54との関係を考慮したガイド部材44を設けて、吐出管より冷媒ガスと共にオイルの吐出が少なくなるように構成しているが、本発明は、このような方法とは別の構成でもって、吐出管より冷媒ガスと共にオイルの吐出が少なくなるようにする技術を提供するものである。
本発明は、密閉容器内が高圧となるように、スクロール圧縮要素から密閉容器内上部の吐出室へ圧縮された高圧冷媒ガスが吐出される内部高圧型のスクロール圧縮機であり、この吐出室の空間を利用してオイル分離部を設け、ここでオイルが分離された冷媒ガスの一部が、上記のように上支持フレームに設けた連通路を経て吐出管へ流れる冷媒ガス経路よりも短距離でもって吐出管へ直接導く構成とする。これによって、モータの回転数が高くなった状態でも、オイルが吐出管から送出されることを抑制できるようにするものである。
本発明のオイル分離部は、簡単構成のものでよく、スクロール圧縮要素の上方の密閉容器内上部の空間を利用してオイル分離部を設けることができ、オイルを分離したガス冷媒の一部を吐出管へ直接導く構成によって、オイルが吐出管から送出されることが抑制できるものとなる。
また、本発明では、特許文献1のガイド部材44を設けた構成においては、更に良好なオイル分離効果が得られ、またガイド部材44を設けない構成であっても、良好なオイル分離効果が得られるものである。
第1発明は、縦型の密閉容器内に、電動要素と、前記電動要素によって駆動されるスクロール圧縮要素と、前記電動要素の回転軸を回転可能に支持する軸受け部を備えた支持フレームとを備え、前記スクロール圧縮要素が前記電動要素よりも上位に配置される関係に収容されて、前記支持フレームによって前記密閉容器内が上位の吐出室と下位の電動要素室とに区画され、前記スクロール圧縮要素は、鏡板の下表面に渦巻き状のラップが立設された固定スクロールと、前記固定スクロールの下側にあって鏡板の上表面に渦巻き状のラップが立設され前記回転軸の回転に伴って旋回運動する揺動スクロールとを備え、前記固定スクロールのラップと前記揺動スクロールのラップとの相互の噛み合わせにて圧縮空間が形成され、前記回転軸の回転に伴う前記揺動スクロールの旋回運動により、前記圧縮空間が外側から内側に向かって次第に縮小されることにより、前記圧縮空間の外周部に連通した吸入管から吸い込んだ冷媒ガスを前記圧縮空間にて圧縮しつつ中心部に形成した吐出ポートから前記吐出室に吐出し、この吐出された冷媒ガスを前記支持フレームに形成した連通路を通って前記電動要素室に導くと共に、前記電動要素室に連通するように前記密閉容器に接続した吐出管にて前記密閉容器外に吐出するスクロール圧縮機において、
前記回転軸に対して前記連通路の反対側に前記吐出管が配置され、前記吐出ポートから吐出される冷媒ガス中のオイルを分離するオイル分離部が前記吐出室内に設けられ、前記オイル分離部にてオイルが分離された後の冷媒ガスを前記吐出管へ導く冷媒ガス補助通路が、前記回転軸に対して前記連通路の反対側に形成されたことを特徴とする。
第2発明は、第1発明において、冷媒ガス補助通路は、前記支持フレームを上下方向に貫通し前記吐出管の上方近傍に開口したことを特徴とする。
第3発明は、第1発明または第2発明において、前記オイル分離部は、前記吐出ポートから上方へ吐出される冷媒ガスの流れが側方へ偏向されて側面の出口から前記吐出室へ流出するカバーを備え、前記オイル分離部にてオイルが分離された後の冷媒ガスが、前記カバーの上壁の上側または前記出口を外れた側壁に対応して開口した誘導パイプを介して前記冷媒ガス補助通路へ流入する構成であることを特徴とする。
第4発明は、第1発明または第2発明において、前記吐出室に設けたオイル分離部は、前記吐出ポートから吐出される冷媒ガスが衝突しつつ通過する多孔状オイル分離部材が前記吐出ポートを覆うように設けられ、且つ前記冷媒ガス補助通路の上端開口よりも低い位置にオイル収集部を形成した構成であり、前記吐出ポートから吐出される冷媒ガスが前記多孔状オイル分離部材を通過する間に、冷媒ガスとオイルの質量差により冷媒ガス中のオイルが分離され、オイルが分離された冷媒ガスは前記冷媒ガス補助通路の上端開口から流入し、前記オイル収集部のオイルは前記連通路を経由または経由せずに前記密閉容器内底部のオイル溜めへ導くことを特徴とする。
第5発明は、第1発明または第2発明において、前記吐出室に設けたオイル分離部は、前記吐出ポートから上方へ吐出される冷媒ガスの流れが側方へ偏向されて側面の出口から前記吐出室へ流出するカバーを備えると共に、前記冷媒ガス補助通路の上端開口よりも低い位置にオイル収集部を形成した構成であり、前記カバーにてオイルが分離された後の冷媒ガスが前記冷媒ガス補助通路の上端開口から流入し、前記オイル収集部のオイルは前記連通路を経由または経由せずに前記密閉容器内底部のオイル溜めへ導かれることを特徴とする。
第6発明は、第1発明乃至第5発明において、前記連通路の横断断面積に対する前記冷媒ガス補助通路の横断断面積が、10%〜30%の範囲であることを特徴とする。
第1発明では、吐出管は回転軸に対して連通路の反対側で密閉容器内へ開口する配置であり、回転軸に対して連通路の反対側に、固定スクロールの上方の吐出室と電動要素室とを連通する冷媒ガス補助通路が存在することにより、オイル分離部によってオイルが分離された冷媒ガスは、連通路を経由して吐出管へ至る冷媒ガスよりも短距離で吐出管へ至る。このため、オイルが分離された冷媒ガスは冷媒ガス補助通路を通して速やかに吐出管へ導入されるものとなる。また、冷媒ガス補助通路が存在しない従来構成に比して、冷媒ガス補助通路を流れる冷媒ガス量分によって、連通路を流れる冷媒ガスの速度が遅く、連通路を流れる冷媒ガス量も減少する。このため、連通路を流れる冷媒ガスは吐出管へ至る流路中の各部に衝突し、その衝突により冷媒ガスとオイルの質量の差によって質量の重いオイルの流出速度が遅くなり、混入したオイルの分離作用が向上することとなり、吐出管から吐出される冷媒ガス中のオイル量を従来よりも十分抑制することができる。
第2発明では、冷媒ガス補助通路は、支持フレームを上下方向に貫通し吐出管の上方近傍に開口したことにより、冷媒ガス補助通路の形成がし易く、また、オイル分離部にてオイルが分離された後の冷媒ガスは、冷媒ガス補助通路から直ちに吐出管へ吸い込まれるため、スクロール圧縮機から吐出管へ吐出される冷媒ガス中のオイル量を十分抑制できるものとなる。
第3発明では、オイル分離部において、吐出ポートから上方へ吐出される冷媒ガスがカバーから側方へ流出するため、カバー内での衝突により冷媒ガスとオイルの質量の差によって質量の重いオイルの流出速度が遅くなり、オイルの分離作用が向上することとなる。このオイル分離部にてオイルが分離された後の冷媒ガスは、上壁の上側等に開口した誘導パイプを介して冷媒ガス補助通路へ流入することにより、簡単な構成によって、吐出管から吐出される冷媒ガス中のオイル量を従来よりも十分抑制することができる。
第4発明では、多孔状オイル分離部材に、吐出ポートから吐出される冷媒ガスが衝突しつつ通過する間に、冷媒よりも質量の大なるオイルの流出速度が冷媒ガスの流出速度よりも遅くなることにより、冷媒ガス中のオイルが分離されるため、多孔状オイル分離部材を通過して冷媒ガス補助通路へ入る冷媒ガスはオイルが分離された状態で吐出管から速やかに吐出される。一方、分離されたオイルは連通路へ流れるが、連通路を下降する冷媒ガスが吐出管へ至る間の流路中で各部に衝突し、その衝突により吐出管へ至る速度が低下することにより生じるオイル分離作用が向上することとなり、第1発明または第2発明の効果を十分発揮し得るものとなる。
第5発明では、カバーにてオイルが分離された後の冷媒ガスは、冷媒ガス補助通路の上端開口から流入し、分離されたオイルはオイル収集部から連通路を経由または経由せずに密閉容器内底部のオイル溜めへ導かれるため、オイルが分離された状態の冷媒ガスを吐出管へ直接導くことができ、吐出室から電動要素室へ流れる冷媒ガスの大半は連通路を流れることとなる。この状態を確保することにより、吐出管から吐出される冷媒ガス中のオイル量を従来よりも十分抑制することができる。
第6発明では、連通路の横断断面積に対する冷媒ガス補助通路の横断断面積が、10%〜30%の範囲であれば、オイル分離部によってオイルが分離された冷媒ガスの適量が、連通路を経由して吐出管へ至る冷媒ガスよりも短距離でもって吐出管へ導入されるため、吐出管から吐出される冷媒ガス中のオイルを従来よりも少ない状態とすることに適するものとなる。
本発明に係るスクロール圧縮機の縦断側面図である。 本発明に係るスクロール圧縮機の上支持フレームの下方からの斜視図である。 本発明に係るスクロール圧縮機のオイル分離部の部分の分解斜視図である。 本発明に係るスクロール圧縮機のオイル分離部の部分の縦断側面図である。 本発明に係る他の形態のオイル分離部を備えたスクロール圧縮機の上部縦断側面図である。 本発明に係るオイル収集部のオイルを下方へ誘導する構成部の縦断側面図である。
本発明のスクロール圧縮機は、縦型の密閉容器内に、電動要素と、前記電動要素によって駆動されるスクロール圧縮要素と、前記電動要素の回転軸を回転可能に支持する軸受け部を備えた支持フレームとを備え、前記スクロール圧縮要素が前記電動要素よりも上位に配置される関係に収容されて、前記支持フレームによって前記密閉容器内が上位の吐出室と下位の電動要素室とに区画され、前記スクロール圧縮要素は、鏡板の下表面に渦巻き状のラップが立設された固定スクロールと、前記固定スクロールの下側にあって鏡板の上表面に渦巻き状のラップが立設され前記回転軸の回転に伴って旋回運動する揺動スクロールとを備え、前記固定スクロールのラップと前記揺動スクロールのラップとの相互の噛み合わせにて圧縮空間が形成され、前記回転軸の回転に伴う前記揺動スクロールの旋回運動により、前記圧縮空間が外側から内側に向かって次第に縮小されることにより、前記圧縮空間の外周部に連通した吸入管から吸い込んだ冷媒ガスを前記圧縮空間にて圧縮しつつ中心部に形成した吐出ポートから前記吐出室に吐出し、この吐出された冷媒ガスを前記支持フレームに形成した連通路を通って前記電動要素室に導くと共に、前記電動要素室に連通するように前記密閉容器に接続した吐出管にて前記密閉容器外に吐出するスクロール圧縮機において、
前記回転軸に対して前記連通路の反対側に前記吐出管が配置され、前記吐出ポートから吐出される冷媒ガス中のオイルを分離するオイル分離部が前記吐出室内に設けられ、前記オイル分離部にてオイルが分離された後の冷媒ガスを前記吐出管へ導く冷媒ガス補助通路が、前記回転軸に対して前記連通路の反対側に形成された構成であり、以下にその実施例を図に基づき説明する。
本発明に係るスクロール圧縮機100は、密閉容器1内が高圧となるように、スクロール圧縮要素2から密閉容器1内へ圧縮された高圧冷媒ガスが吐出される内部高圧型のスクロール圧縮機であり、図1に示すように、縦型の密閉容器1内に、電動機(モータ)で構成した電動要素3と、電動要素3によって駆動されるスクロール圧縮要素2と、電動要素3の回転軸3Bを回転可能に支持する軸受け部9を備えた支持フレーム(上支持フレームという)4とを備え、スクロール圧縮要素2が電動要素3よりも上位に配置される関係に収容されている。
密閉容器1は、上下方向に沿って延びる円筒状の容器本体1Aと、この容器本体1Aの上下両端にそれぞれ溶接固定された椀状のエンドキャップ1B及びボトムキャップ1Cとから構成されている。密閉容器1内の上側には冷媒を圧縮するスクロール圧縮要素2が配置され、その下側にはスクロール圧縮要素2を駆動する電動要素3が配置されている。また、密閉容器1の底部には、スクロール圧縮要素2等を潤滑するオイル(潤滑油)が貯留されるオイル溜め16が形成されている。
密閉容器1内には上支持フレーム(支持フレーム)4が設けられており、この上支持フレーム4によって密閉容器1内が、スクロール圧縮要素2から冷媒ガスが吐出される吐出室5と、電動要素3が配置された電動要素室6とに区画されている。これによって、この吐出室5は上支持フレーム4のエンドキャップ1B側(上側)に形成され、電動要素室6は上支持フレーム4のボトムキャップ1C側(下側)に形成される。具体的には吐出室5は、スクロール圧縮要素2とエンドキャップ1Bとの間に形成されている。
図2に示すように、上支持フレーム4の周縁部には、電動要素3側に突出する複数(実施例では4箇所)の台座部4Aが形成されており、各台座部4Aを溶接にて密閉容器1の容器本体1Aに固定している。また、上支持フレーム4の後述する軸受部9近傍に対応する位置の容器本体1Aには、金属管にて構成された吐出管30が溶接固定されており、この吐出管30は容器本体1A内に所定寸法横方向に延在し、上支持フレーム4の下側の電動要素室6内の上部に連通状態に開口している。
スクロール圧縮要素2は、上支持フレーム4に固定された固定スクロール7と、この固定スクロール7に対して後述するように自転せずに旋回運動される揺動スクロール8とから構成されている。固定スクロール7は、円板状の鏡板7Aと、これに直立しインボリュート曲線或いはこれに近似の曲線に形成されたラップ7Bとから構成され、その中心部に吐出ポート10、外周部に吸込口11を備えている。
この吸込口11には、密閉容器1のエンドキャップ1Bを貫通して吸込管11Aが略垂直に縦方向から接続されており、この吸込管11Aは、エンドキャップ1Bの中心線に対して一側方に偏って位置している。また、吐出ポート10が連通している吐出室5は、スクロール圧縮要素2(固定スクロール7と揺動スクロール8)と密閉容器1内面(エンドキャップ1B及び容器本体1Aの内面)間の隙間を通り、上支持フレーム4の側面に形成した連通路13を通って電動要素室6内に連通している。
揺動スクロール8は、円板状の鏡板8Aと、これに直立し、固定スクロール7のラップ7Bと同一形状に形成されたラップ8Bと、鏡板8Aのラップ8Bと反対面には、中心にボス孔を備えたボス14が突出形成されている。そして、上支持フレーム4の中央部には連続して下方に延在する軸受部9が形成されており、この軸受部9に回転軸3Bの上部3Pが支承されている。
固定スクロール7と揺動スクロール8を互いに噛み合わせた状態で、固定スクロール7と揺動スクロール8との間に形成された密閉空間に三日月状の圧縮空間(圧縮室)7Pが形成される。
回転軸3Bの下部にはオイルポンプ15が設けられている。このオイルポンプ15は回転軸3Bの回転によって密閉容器1内底部(ボトムキャップ1C)内に構成されたオイル溜め16に溜まったオイルを吸い上げ、回転軸3B内に形成されたオイル通路17を経てスクロール圧縮機100の摺動部(回転軸3Bと軸受部9間、後述する偏心軸3Pとボス14間、揺動スクロール8と上支持フレーム4間等)にオイルを供給する。
電動要素3は、コイルを備えて密閉容器1の容器本体1Aの内面に固定(例えば、焼き嵌め)された固定子31と、固定子31内で回転する磁石を内蔵した回転子32とから電動機(モータ)を構成している。この回転子32の中心に、回転軸3Bが嵌合されている。そして、回転軸3Bの下部(回転子32のボトムキャップ1C側)は、副軸受となる下支持フレーム18に軸支されている。この下支持フレーム18は四方に延びる取り付け脚18A間が空間であり、下支持フレーム18は、電動要素3の下側においてこの4本の取り付け脚18Aが密閉容器1の本体1Aに溶接により固定されている。また、上記したスクロール圧縮機100の摺動部から流出したオイルや、電動要素室6内の冷媒ガスから分離されたオイルが、この取り付け脚18A間の空間を通って下方のオイル溜め16に戻る。密閉容器1の容器本体1Aには、電動要素3への通電用端子22が気密状態に取り付けられている。23はオイル溜め16に溜まったオイルの油面が大きく変動することを抑制するための油面安定化用仕切り板であり、下支持フレーム18の下面にネジ止めされ、網状構成などによって上方の電動要素室6内からオイル溜め16に戻るオイルの通過は許容する。
電動要素3を構成する回転軸3Bの上部先端には、回転軸3Bの軸芯と所定寸法軸芯がずれた偏心軸(ピン)3Pが設けられており、この偏心軸3Pが揺動スクロール8のボス14のボス孔内に回転可能に挿入されている。また、固定スクロール7は、上支持フレーム4に複数本のボルト(図示せず)によって固定されており、揺動スクロール8はオルダムリング12A及びオルダムキーよりなるオルダム機構12によって上支持フレーム4に支承されている。これにより、揺動スクロール8は、固定スクロール7に対して、自転せずに旋回運動を行うように構成されている。
即ち、揺動スクロール8は、回転軸3Bの軸芯に対して偏心した偏心軸3Pにより、回転軸3Bの軸芯に対して偏心して挿入されたボス14が駆動され、オルダム機構12により、固定スクロール7に対して自転しないように円軌道上を公転する。そして、回転軸3Bの回転によって生じるこの公転により、固定スクロール7と揺動スクロール8は、ラップ7Bとラップ8B間に形成された三日月状の複数の圧縮空間7Pを外方から内方へ向かって次第に縮小させる。これによって、冷媒ガスは吸込管12から外周部の圧縮空間7Pへ吸い込まれ、吸い込まれた冷媒ガスは、圧縮空間7Pを外方から内方へ向かって次第に圧縮されて高圧ガスとなり、吐出ポート10から吐出室5に吐出されることとなる。吐出室5に吐出された冷媒ガスは、スクロール圧縮要素2(固定スクロール7と揺動スクロール8)と密閉容器1内面(エンドキャップ1B及び容器本体1Aの内面)間の隙間を通り、上支持フレーム4の側面に形成した連通路13を通って電動要素室6内に移動し、吐出管30から吐出される。
一方、電動要素3を構成する固定子31は、密閉容器1(容器本体1A)内面に固定されると共に、固定子31の周縁部には、容器本体1Aの内壁と所定の隙間19(空間)が構成されている。この隙間19は、固定子31の周囲4箇所に略等間隔で形成され、隙間19以外の固定子31の周囲が容器本体1Aの内壁に固定されている。そして、電動要素室6は、固定子31と密閉容器1内面との間の隙間19(通路)を介して下部のオイル溜め16に連通している。また、電動要素室6の空間上部は密閉容器1を貫通して軸受部9の近傍で開口する吐出管30に連通している。
また、上支持フレーム4の下面には、上支持フレーム4から電動要素3側に延在して軸受部9の周囲を囲繞する遮蔽板20が設けられている。この遮蔽板20は、軸受部9と所定の間隔を存してその外側に設けられた下方に開口した形態である。詳しくは図1に示すように、遮蔽板20は、固定子31の上部コイルエンド31Aの内側で、回転子32の上方に対応する領域と同じ、若しくは、この領域よりも外側に対応している。なお、回転子3Bの上面にはバランサ32Bが設けられ、遮蔽板20の内側に対応している。また、偏心軸3Pによって生じる偏芯バランスを取るために、回転軸3Bの上部にバランサ32Cが設けられている。密閉容器1には、密閉容器1を立設するための支持脚21が複数(実施例では、支持脚21が略120度間隔で合計3個)設けられている。
このように、上支持フレーム4から電動要素3側に延在して軸受部9の周囲を囲繞する遮蔽板20を備えているので、この遮蔽板20により、軸受部9から流出するオイルが、吐出管30から吐出されてしまう不都合を効果的に抑制することができる。
上記のように、回転軸3Bの回転によって揺動スクロール8が公転し、固定スクロール7のラップ7Bと揺動スクロール8のラップ8B間に形成された圧縮空間7Pの外周部(吸入部)へ冷媒ガスが吸込管11Aから吸込口11へ吸い込まれ、吸い込まれた冷媒ガスは、圧縮空間7Pを外方から内方へ向かって次第に圧縮されて高圧ガスとなり、吐出ポート10から吐出室5に吐出される。
吐出室5に吐出された冷媒ガスは、スクロール圧縮要素2(固定スクロール7と揺動スクロール8)と密閉容器1内面(エンドキャップ1B及び容器本体1Aの内面)間の隙間を通り、上支持フレーム4の側面に形成した連通路13を通って電動要素室6内に移動し、吐出管30へ向かう間に、反時計方向に回転する回転子32により遮蔽板20等に衝突して乱流となり、複数回の衝突によってオイルの分離効率が高まる。オイル分離された冷媒ガスは、電動要素室6内を通って吐出管30に至り、この吐出管30よりスクロール圧縮機1の外(密閉容器1の外)へ吐出される。この吐出管30から吐出された冷媒ガスは、凝縮器で凝縮し、膨張部で膨張した後、蒸発器で蒸発することによって所定領域を冷却した後、再び吸入管11Aよりスクロール圧縮要素2の吸込口11へ吸い込まれて圧縮され、再び吐出管30から吐出されて上記循環を繰り返すように動作する。
しかし、電動要素3の回転に伴って回転軸3Bの下端部に設けたオイルポンプ15が回転し、オイル溜め16にあるオイルがスクロール圧縮要素2へ供給され、このオイルによってスクロール圧縮要素2が潤滑されるが、電動要素3の回転数が高くなるにしたがって、スクロール圧縮要素2で圧縮されて密閉容器1内へ吐出される冷媒ガスの吐出量が多くなると共に、スクロール圧縮要素2へのオイルの供給量も増加し、吐出ポート10から吐出室5に吐出される冷媒ガスに混入したオイルの量も増加する。
この場合、この吐出された冷媒ガスは、上記のように連通路13を通って電動要素室6内に移動し、吐出管30へ向かう間に、回転子32の回転により遮蔽板20等に衝突して乱流となり、複数回の衝突によってオイルの分離作用が行なわれるが、電動要素3の回転数が高くなることにより、冷媒ガス中のオイル量が多くなる場合は、そのオイルの分離が不十分となり、オイルを多く含んだ冷媒ガスが吐出管30よりスクロール圧縮機1の外(密閉容器1の外)へ吐出されることは好ましくない。
このため、連通路13を通り電動要素室6内を経由して吐出管30へ向かう冷媒ガス全量について、その中のオイルをオイル分離部にて分離する方法が考えられるが、そのようにするためには、オイル分離部の構成が大掛かりとなり、オイル分離部を設けることによるスクロール圧縮機1の大型化等の構造変更が必要となる。また、このようなオイル分離部によって冷媒ガスの流路抵抗が大きくなり、吐出管30から吐出する冷媒循環量が減少するため、所期の冷凍能力を発揮するためにはスクロール圧縮機1の出力アップが必要となり、構造の変更の必要性や電力消費の大幅アップを招くようになる。
本発明は、このようにスクロール圧縮機1の構造の変更や電力消費の大幅アップを招くことがないようにするために、簡単な構成のオイル分離部を吐出室5に設け、吐出ポート10から吐出室5に吐出される冷媒ガスの一部分がオイルを分離された冷媒ガスとなるようにし、このオイルの分離された冷媒ガスを連通路13とは別個に形成した冷媒ガス補助通路40から吐出管30へ導くことにより、電動要素3の回転数が高くなった場合にも、吐出管30よりスクロール圧縮機1の外(密閉容器1の外)へ吐出されるオイル量を減少させることができるようにするものである。
このための具体的な構成の一つについて説明する。図1及び図2に示すように、回転軸3Bに対して連通路13が存在する領域の反対側の領域に吐出管30が配置される。この配置は、回転軸3Bに対して、連通路13が存在する領域(図1及び図2の右側)の反対側の領域(図1及び図2の左側)に吐出管30が配置される関係であり、回転軸3Bを中心として連通路13と吐出管30が180度の位相を持つ角度配置でなくてもよく、連通路13に対して吐出管30が遠方位置となる関係であればよい。このため、台座部4Aとの位置関係も考慮して、連通路13と吐出管30が120度〜180度の位相を持つ角度配置であってもよい。この場合、連通路13は一つのみならず、二つまたは三つの連通路13が並列に形成された場合であっても、吐出管30との角度配置がこの範囲であればよい。
また、上支持フレーム4には、回転軸3Bに対して連通路13の反対側の領域に、吐出室5と電動要素室6とを連通する冷媒ガス補助通路40が縦方向に形成されている。冷媒ガス補助通路40の上端は吐出室5に連通し、冷媒ガス補助通路40の下端は、吐出管30の電動要素室6への開口部30Aの近傍位置に開口しており、後述のように冷媒ガス補助通路40から下降する冷媒ガスが電動要素室6へ流入するも、直ちに吐出管30へ流入する配置関係である。図示のものは、吐出管30の電動要素室6へ進入した開口部30Aの真上または真上近傍に開口するように位置している。
吐出管30の開口部30Aと冷媒ガス補助通路40の下端開口40Aとの位置関係は、吐出管30の電動要素室6へ進入した開口部30Aの真上、または回転軸3Bを中心として開口部30Aに対して左右に30度の範囲であれば、冷媒ガス補助通路40から下降する冷媒ガスを速やかに吐出管30へ流入させることができる。
図示の構成では、回転軸3Bに対して連通路13の反対側の領域では、固定スクロール7と上支持フレーム4とが結合された部分が容器本体1Aに密着しているため、冷媒ガス補助通路40は、固定スクロール7と上支持フレーム4とを直線的に上下方向に貫通して形成されている。
また、吐出ポート10から吐出される冷媒ガス中のオイルを分離するオイル分離部45を吐出室5内に設けている。オイル分離部45は、吐出ポート10から吐出される冷媒ガスの全量について、その中のオイルを分離するのではなく、その一部がオイル分離される簡単な構成である。そのための一つの構成として、図3及び図4に示すように、吐出ポート10を覆うように固定スクロール7の上面にネジ46にてカバー47が取り付けられている。このカバー47は、上壁47Aと側壁47Bを備え、吐出ポート10から上方へ吐出される冷媒ガスの流れが側方へ偏向されて、側壁47Bに形成した側面に開口した出口48から吐出室5へ流出する構成である。出口48は一つ形成した形態、または対向するように二つ形成した形態でもよく、また複数の孔で形成した形態でもよい。
なお、カバー47内には、スクロール圧縮機1の運転中に吐出ポート10から吐出される冷媒ガスの圧力によって、図4の実線位置へ上昇して吐出ポート10を開き、スクロール圧縮機1の停止中または吐出室5の圧力上昇時などに、図4の点線位置へ下降して吐出ポート10を閉じるように動作する逆流防止弁49を設けている。このような逆流防止弁49の上下動を達成するために、逆流防止弁49は円板状であり、カバー47の側壁47Bの内側面がこの円板の周面が上下摺動可能な上下に延びた円弧をなす。また、カバー47の上壁47Aには、逆流防止弁49の下降動作を達成するために、上壁47Aの中央部に孔47Cを形成している。
また、図1、図3及び図4に示すように、冷媒ガス補助通路40の上端は、出口48を外れた側壁47Bの外面に対応して開口した誘導パイプ50を接続している。この誘導パイプ50は、図4に二点鎖線で示すように、カバー47の上壁47Aの上側に近接または当接した位置に開口50Aするように配置してもよい。この場合、上壁47Aの中央部に開口50Aが位置すれば好ましい。
このように、オイル分離部45は、カバー47と、これに対して配置された誘導パイプ50との組み合わせ構成である。これによって、スクロール圧縮機1の運転中に吐出ポート10から吐出される冷媒ガスの圧力によって、逆流防止弁49は図4の実線位置へ上昇して吐出ポート10を開き、吐出ポート10から吐出される冷媒ガスは、カバー47内の上壁(上壁47Aまたは逆流防止弁49)に衝突した後、側方へ偏向されてカバー47の出口48から吐出室5へ吐出される。冷媒ガスは、このようなカバー47内への衝突によって乱流となり、冷媒の質量に対してオイルの質量が重いため、この質量差によってオイルが分離される。
このようなオイルの分離作用によって、特に、カバー47の上壁47Aの上側、または出口48を外れた側壁47Bの外面部は、出口48を外れた位置であるため、その部分の冷媒ガスは、オイルが分離された直後であるためオイルの混入割合が少ない。このため、この部分の冷媒ガスは、この部分に開口50Aした誘導パイプ50へ吸い込まれ、冷媒ガス補助通路40を下降して吐出管30の電動要素室6への開口部30Aの近傍位置に流出し、開口部30Aから吐出管30へ吸い込まれて凝縮器などの冷凍回路へ循環する。
一方、カバー47の出口48から吐出室5へ吐出された冷媒ガスの大半、即ち、誘導パイプ50へ吸い込まれない冷媒ガスは連通路13へ流れ、上記のように各部へ衝突しつつ吐出管30へ吸い込まれて凝縮器などの冷凍回路へ循環する。また、オイル分離部45で分離されたオイルは、固定スクロール7の外面を流れて連通路13を流れ、冷媒ガスと共に電動要素室6へ入る。
このように、オイル分離部45によってオイルが分離された直後のオイルの混入割合が少ない冷媒ガスは、冷媒ガス補助通路40へ流れるため、連通路13を経由して吐出管30へ至る冷媒ガスよりも短距離で吐出管30へ至る。このため、オイルが分離された冷媒ガスは冷媒ガス補助通路40を通して速やかに吐出管30へ導入されるものとなる。また、冷媒ガス補助通路40が存在しない構成に比して、冷媒ガス補助通路40を流れる冷媒ガス量分によって、連通路13を流れる冷媒ガスの速度が遅く、連通路13を流れる冷媒ガス量も減少する。このため、連通路13を流れる冷媒ガスは、吐出管30へ至る流路中の各部に衝突する間に、その衝突により冷媒ガスとオイルの質量の差によって質量の重いオイルの流出速度が遅くなり、混入したオイルの分離作用が向上することとなり、吐出管30から吐出される冷媒ガス中のオイル量を従来よりも十分抑制することができる。
上記の構成において、連通路13の横断断面積を100%とした場合、冷媒ガス補助通路40の横断断面積が15%の場合において良好な効果を得ることができたが、連通路13の横断断面積を100%とした場合、冷媒ガス補助通路40の横断断面積が10%〜30%の範囲であれば、所期の目的・効果を達成できるものである。この場合、連通路13は一つのみならず、二つまたは三つの連通路13が並列に形成され、その合計の横断断面積を100%とした場合であっても同様である。
図5には、吐出室5に設けるオイル分離部45の他の形態を示している。これにおいて、オイル分離部45は、吐出ポート10から吐出される冷媒ガスが衝突しつつ通過する多孔状オイル分離部材55が吐出ポート10を覆うように設けられ、且つ冷媒ガス補助通路40の上端開口よりも低い位置にオイル収集部52を形成している。
吐出ポート10の部分では、吐出ポート10の上方に、図3及び図4に示すものと同様に、逆流防止弁49を内側に備えたカバー47が取り付けられ、このカバー47を前周囲で取り囲むように、ステンレス製金網で形成した円筒状等の多孔状オイル分離部材55が、固定スクロール7の上面にネジ等によって取り付けられている。
また、冷媒ガス補助通路40の上端開口部では、冷媒ガス補助通路40を実質的に上方へ延長するための誘導パイプ51が接続されており、この誘導パイプ51の上端開口51Aよりも低い位置、即ち、冷媒ガス補助通路40の上端開口51Aより低い位置にオイル収集部52を形成している。このオイル収集部52のオイルは連通路13へ流れる構成である。また、オイル収集部52のオイルは、連通路を経由せずに密閉容器内底部のオイル溜め16へ導くように、例えば、図6に示すように、固定スクロール7と支持フレーム4を貫通するように孔54を形成し、この孔54に冷媒ガス補助通路40を形成する誘導パイプ51を挿入し、孔54に密着するように誘導パイプ51の外周にオイル誘導用螺旋体53を巻き、冷媒ガスは誘導パイプ51内から吐出管30へ誘導する。一方、オイル収集部52のオイルはオイル誘導用螺旋体53に沿って下方へ誘導しつつオイル溜め16へ流下させる。
このように、オイル分離部45は、多孔状オイル分離部材55と、冷媒ガス補助通路40とその周辺のオイル収集部52との組み合わせ構成である。これによって、スクロール圧縮機100の運転中に吐出ポート10から吐出される冷媒ガスの圧力によって、逆流防止弁49は図4の実線位置へ上昇して吐出ポート10を開き、吐出ポート10から吐出される冷媒ガスは、カバー47内の上壁(上壁47Aまたは逆流防止弁49)に衝突した後、側方へ偏向されてカバー47の出口48から吐出室5へ吐出される。吐出ポート10から吐出される冷媒ガスは、このようにカバー47内の流れによって乱流となり、カバー47への衝突によってオイルの分離作用が行なわれる。このカバー47の出口48から出た冷媒ガスは、更に多孔状オイル分離部材55を通過する間に、冷媒ガス中の質量の大なるオイルの流出速度が、質量の小なる冷媒ガスの流出速度よりも遅くなることにより、冷媒ガス中のオイルが分離される。そして、オイルが分離された冷媒ガスは冷媒ガス補助通路40の上端開口51Aから流入し、オイル収集部52のオイルは連通路13へ流れる。
このように、オイル分離部45によってオイルが分離された冷媒ガスは、冷媒ガス補助通路40へ流れるため、連通路13を経由して吐出管30へ至る冷媒ガスよりも短距離で吐出管30へ至る。このため、オイルが分離された冷媒ガスは冷媒ガス補助通路40を通して速やかに吐出管30へ導入されるものとなる。また、冷媒ガス補助通路40が存在しない構成に比して、冷媒ガス補助通路40を流れる冷媒ガス量分によって、連通路13を流れる冷媒ガスの速度が遅く、連通路13を流れる冷媒ガス量も減少する。このため、連通路13を流れる冷媒ガスは、吐出管30へ至る流路中の各部に衝突する間に、その衝突により冷媒ガスとオイルの質量の差によって質量の重いオイルの流出速度が遅くなり、混入したオイルの分離作用が向上することとなり、吐出管30から吐出される冷媒ガス中のオイル量を従来よりも十分抑制することができる。
本発明は、上記のように、密閉容器1内が高圧となるように、スクロール圧縮要素2から密閉容器1内上部の吐出室5へ圧縮された高圧冷媒ガスが吐出される内部高圧型のスクロール圧縮機1であり、この吐出室5の空間を利用してオイル分離部45を設け、ここでオイルが分離された冷媒ガスの一部が、上記のように上支持フレーム4に設けた連通路13を経て吐出管30へ流れる冷媒ガス経路よりも短距離でもって、冷媒ガス補助通路40を通して吐出管30へ直接導く構成である。この技術思想を備えるならば、オイル分離部45の構成は上記のものに限定されない。なお、連通路13は一つのみならず、二つまたは三つの連通路13が並列に形成された場合であっても同様である。
また、オイル分離部45としては、図3及び図4に示すように、吐出ポート10の上方に逆流防止弁49を内側に備えたカバー47が取り付けられた構成、及び、図5に示すように、冷媒ガス補助通路40の上端開口51Aより低い位置にオイル収集部52を形成した構成との組み合わせとすることもできる。
本発明に係るスクロール圧縮機は、上記実施例に示した構成に限定されず、内部高圧タイプの種々の形態のものに適用できるものであり、本発明の技術範囲において種々の形態を包含するものである。
1・・・・・密閉容器
2・・・・・スクロール圧縮要素
3・・・・・電動要素
3B・・・・回転軸
4・・・・・支持フレーム(上支持フレーム)
5・・・・・吐出室
6・・・・・電動要素室
7・・・・・固定スクロール
7B・・・・ラップ
7P・・・・圧縮空間
8・・・・・揺動スクロール
8B・・・・ラップ
10・・・・吐出ポート
11・・・・吸込口
11A・・・吸込管
12・・・・オルダム機構
13・・・・連通路
15・・・・オイルポンプ
16・・・・オイル溜め
17・・・・オイル通路
20・・・・遮蔽板
30・・・・吐出管
30A・・・吐出管の開口部
40・・・・冷媒ガス補助通路
40A・・・開口
45 ・・・オイル分離部
47・・・・カバー
47A・・・上壁
47B・・・側壁
48・・・・出口
49・・・・逆流防止弁
50・・・・誘導パイプ
51・・・・誘導パイプ
52・・・・オイル収集部
100・・・スクロール圧縮機

Claims (6)

  1. 縦型の密閉容器内に、電動要素と、前記電動要素によって駆動されるスクロール圧縮要素と、前記電動要素の回転軸を回転可能に支持する軸受け部を備えた支持フレームとを備え、前記スクロール圧縮要素が前記電動要素よりも上位に配置される関係に収容されて、前記支持フレームによって前記密閉容器内が上位の吐出室と下位の電動要素室とに区画され、前記スクロール圧縮要素は、鏡板の下表面に渦巻き状のラップが立設された固定スクロールと、前記固定スクロールの下側にあって鏡板の上表面に渦巻き状のラップが立設され前記回転軸の回転に伴って旋回運動する揺動スクロールとを備え、前記固定スクロールのラップと前記揺動スクロールのラップとの相互の噛み合わせにて圧縮空間が形成され、前記回転軸の回転に伴う前記揺動スクロールの旋回運動により、前記圧縮空間が外側から内側に向かって次第に縮小されることにより、前記圧縮空間の外周部に連通した吸入管から吸い込んだ冷媒ガスを前記圧縮空間にて圧縮しつつ中心部に形成した吐出ポートから前記吐出室に吐出し、この吐出された冷媒ガスを前記支持フレームに形成した連通路を通って前記電動要素室に導くと共に、前記電動要素室に連通するように前記密閉容器に接続した吐出管にて前記密閉容器外に吐出するスクロール圧縮機において、
    前記回転軸に対して前記連通路の反対側に前記吐出管が配置され、前記吐出ポートから吐出される冷媒ガス中のオイルを分離するオイル分離部が前記吐出室内に設けられ、前記オイル分離部にてオイルが分離された後の冷媒ガスを前記吐出管へ導く冷媒ガス補助通路が、前記回転軸に対して前記連通路の反対側に形成されたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記冷媒ガス補助通路は、前記支持フレームを上下方向に貫通し前記吐出管の上方近傍に開口したことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記オイル分離部は、前記吐出ポートから上方へ吐出される冷媒ガスの流れが側方へ偏向されて側面の出口から前記吐出室へ流出するカバーを備え、前記オイル分離部にてオイルが分離された後の冷媒ガスが、前記カバーの上壁の上側または前記出口を外れた側壁に対応して開口した誘導パイプを介して前記冷媒ガス補助通路へ流入する構成であることを特徴とする請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記吐出室にオイル分離部を設け、前記オイル分離部は、前記吐出ポートから吐出される冷媒ガスが衝突しつつ通過する多孔状オイル分離部材が前記吐出ポートを覆うように設けられ、且つ前記冷媒ガス補助通路の上端開口よりも低い位置にオイル収集部を形成した構成であり、前記吐出ポートから吐出される冷媒ガスが前記多孔状オイル分離部材を通過する間に、冷媒ガスとオイルの質量差により冷媒ガス中のオイルが分離され、オイルが分離された冷媒ガスは前記冷媒ガス補助通路の上端開口から流入し、前記オイル収集部のオイルは前記連通路へ流れることを特徴とする請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記吐出室に設けたオイル分離部は、前記吐出ポートから上方へ吐出される冷媒ガスの流れが側方へ偏向されて側面の出口から前記吐出室へ流出するカバーを備え、且つ前記冷媒ガス補助通路の上端開口よりも低い位置にオイル収集部を形成した構成であり、前記カバーにてオイルが分離された後の冷媒ガスが前記冷媒ガス補助通路の上端開口から流入し、前記オイル収集部のオイルは前記連通路を経由または経由せずに前記密閉容器内底部のオイル溜めへ導かれることを特徴とする請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
  6. 前記連通路の横断断面積に対する前記冷媒ガス補助通路の横断断面積が、10%〜30%の範囲であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115076112A (zh) * 2021-03-10 2022-09-20 丹佛斯商用压缩机公司 具有离心油泵的涡旋压缩机

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