JP2012214420A - 粉体固形化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定の化学構造を有する油性成分を配合することにより、優れた使用感および耐落下衝撃性を奏する粉体固形化粧料を提供すること。
【解決方法】粉体とヒドロキシ脂肪酸エステルと溶媒とを混合してスラリー状にし、そのスラリーを型に充填した後に溶媒を除去して得られる粉体固形化粧料。
【選択図】なし

Description

本発明は粉体固形化粧料に関する。より詳細には、特定の油性成分を含む耐落下衝撃性に優れた粉体固形化粧料に関する。
粉体固形化粧料は、粉体が有する光学的効果により皮膚のシミや色むらなどを隠蔽したり、肌に色彩を施すことにより肌色を変えて見せたり、陰影を付けて肌に立体感を出すことにより魅力的な容貌を作り出すために用いられる化粧料である。
通常、粉体固形化粧料の製法には、粉体と油性成分とを混合し、型に充填してプレスして成型する乾式製法と、粉体と油性成分とを溶媒に混合してスラリー状にし、得られたスラリーを型に充填し、軽くプレスしてから溶媒を除去して成型する湿式製法がある。
これらのうち、湿式製法により製造した粉体固形化粧料は、使用時ののびのよさやウェット感など使用感に優れる反面、落下時などの衝撃などに弱く固形化粧料が割れ易いという問題点があった。
このような耐落下衝撃性と使用感とを付与することを課題として、特許文献1には、粉体を主成分とする化粧料基剤と水中に乳化した油性成分とを一定の比率で混合して得られる固形粉末化粧料が開示されている。
また、特許文献2には、一般的な油性成分に加えてリン脂質および高級アルコールを混合して得られる固形粉体化粧料が開示されている。
しかしながら、粉体固形化粧料に配合される油性成分が有する特定の化学構造に着目してこれらの課題を十分に解決する発明は存在しなかった。
特開2009−242282号公報 特開2009−242283号公報
本発明は、かかる事情の下になされたものであり、特定の化学構造を有する油性成分を配合することにより、優れた耐落下衝撃性および使用感を奏する粉体固形化粧料を提供することを課題とする。
本発明者は、種々の油性成分を配合して湿式製法により調製される粉体固形化粧料が奏する効果について鋭意検討した結果、ヒドロキシ脂肪酸基を有する油性成分を配合することによりかかる課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1] 粉体とヒドロキシ脂肪酸基を有する油性成分と溶媒とを混合してスラリー状にし、そのスラリーを型に充填した後に溶媒を除去して得られる粉体固形化粧料;
[2] ヒドロキシ脂肪酸基を有する油性成分がヒドロキシ脂肪酸エステルである前記[1]記載の粉体固形化粧料;
[3] ヒドロキシ脂肪酸エステルが12−ヒドロキシ脂肪酸のエステルである前記[2]記載の粉体固形化粧料;
[4] ヒドロキシ脂肪酸エステルが、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロールおよびジペンタエリスリトールよりなる群から選択される1種または2種以上の化合物と12−ヒドロキシ脂肪酸とのエステルである前記[2]または[3]記載の粉体固形化粧料;
[5] 溶媒が水、エタノールまたは80%(v/v)エタノール水溶液である前記[1]ないし[4]のいずれか1に記載の粉体固形化粧料
を提供する。
本発明によれば、特定の化学構造を有する油性成分を選択して配合することにより耐落下衝撃性に優れ、かつ使用感にも優れた粉体固形化粧料を提供することができる。
本発明は、粉体とヒドロキシ脂肪酸基を有する油性成分と溶媒とを混合してスラリー状にし、そのスラリーを型に充填した後に溶媒を除去して得られる粉体固形化粧料を提供する。
通常、粉体固形化粧料は粉体、油性成分やその他の任意の配合成分から構成されるが、湿式製法においては粉体と油性成分とを溶媒中で混錬してから成型し、その後に溶媒を揮発・乾燥させることにより製造される。
本発明の粉体固形化粧料は、このような湿式製法によって製造される化粧料であり、配合する油性成分としてヒドロキシ脂肪酸基を有する油性成分を選択して配合することにより優れた耐落下衝撃性および使用感を発揮するものである。
本発明の粉体固形化粧料に使用する粉体としては、化粧料配合成分として顔料に分類されるものも含まれ、形状や粒子径、粒子構造によって特に限定されることはなく、球状、板状、針状の粉体、微粒子、多孔質、無孔質等のものも含まれ、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等、通常化粧品に使用されるものであれば特に制限されず、いずれのものも含まれる。
具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成金雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、無水ケイ酸等の白色体質粉体、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、等の光輝性粉体、ポリアクリル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等のコポリマー樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、赤色201号、赤色202号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色104号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウムまたはアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体等が含まれる。
また、前記した粉体は、必要に応じて、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、水素添加レシチン、コラーゲン等を用いて、公知の方法により表面処理を施したものであってもよい。
この粉体は、1種または2種以上を粉体固形化粧料の全量に対して約70〜95質量%、好ましくは約75〜90質量%、最も好ましくは約80〜90質量%配合することができる。粉体の配合量が約70質量%未満である場合や約95質量%を超える場合は、粉体固形化粧料の耐落下衝撃性や使用感が悪くなるため好ましくない。
また、本発明の粉体固形化粧料に使用するヒドロキシ脂肪酸基を有する油性成分としては、ヒドロキシ脂肪酸基を有する化合物であれば特に限定されないが、通常は炭素原子数8〜34個、好ましくは10〜26個、より好ましくは12〜24個、最も好ましくは16〜20個のヒドロキシ脂肪酸基を有する化合物であり、さらに好ましくは12−ヒドロキシ脂肪酸基を有するエステル化合物であり、例えば、β−シトステロールやスチグマステロール、カンペステロールのようなステロール骨格を有するフィトステロールと12−ヒドロキシステアリン酸とのモノエステルであるヒドロキシステアリン酸フィトステリルや、ジペンタエリスリトールの全てのヒドロキシル基に12−ヒドロキシステアリン酸がエステル結合したヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリットや、ジペンタエリトリトールの一部のヒドロキシル基に12−ヒドロキシステアリン酸がエステル結合したジペンタエリトリット脂肪酸エステルなどが含まれる。このようなエステル化合物の例としては、日清オイリオグループ株式会社から「サラコス FH」なる商品名で販売されているヒドロキシステアリン酸フィトステリルや「コスモール 168M」なる商品名で販売されているヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリットなどが挙げられる。
これらのヒドロキシ脂肪酸基を有する油性成分は、1種または2種以上を粉体固形化粧料の全量に対して約0.5〜7.0質量%、好ましくは約1.0〜5.0質量%、最も好ましくは約1.5〜3.5質量%配合することができる。ヒドロキシ脂肪酸基を有する油性成分の配合量が約0.5質量%未満である場合や約7.0質量%を超える場合は、調製される粉体固形化粧料の耐落下衝撃性や使用感が悪くなるため好ましくない。
さらに、本発明の粉体固形化粧料の製造に使用する溶媒は、前記した粉体およびヒドロキシ脂肪酸基を有する油性成分を均一に混合できて化粧料を成型した後に比較的容易に除去し得るものであれば特に限定されるものではないが、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類およびその水溶液、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、パラフィン、イソパラファイン、シリコーン等が挙げられ、用いる粉末成分および油性成分の特性に応じて、1種または2種以上を混合して用いることができる。好ましくは80%(v/v)エタノール水溶液である。
この溶媒は、粉体および油性成分を均一に混合し得る量を用いて本発明の粉体固体化粧料を製造することができるが、成型後に除去することを考慮すると、可能な限り少量を用いる方が好ましい。
また、本発明の粉体固形化粧料には、所望により、本発明の効果を損なわない範囲内で前記した粉体およびヒドロキシ脂肪酸の他に、仕上化粧品に一般的に配合される下記のような成分を配合することができる。
例えば、植物油、合成油や固形油、半固形油等性状や起源を問わず、種々の炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、ヒドロキシ脂肪酸エステル以外のエステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等を使用することができる。具体的には、ワセリン、パラフィンワックス、セレシン、ワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー等の炭化水素類、モクロウ、コメヌカロウ等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、12−ヒドロキシ脂肪酸エステル以外のコレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類;プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール類;ポリエチレンワックス等のポリマー;天然ビタミンEやd−δ−トコフェロール等のトコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエンやブチルヒドロキシアニソール等の酸化防止剤;非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤、例えば、グリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、レシチン等の界面活性剤;ベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等の紫外線吸収剤;タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等の保湿剤;ビタミン類、消炎剤、生薬等の美容成分;パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,2−ペンタンジオール等の防腐剤が挙げられる。
本発明の粉体固形化粧料は、ファンデーション、アイカラー、リップスティック、
チークカラー、おしろいなどの商品として製造することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、別段記載しない限り、%は質量%を表す。
実施例1
ファンデーション油性成分の検討−1
液状油性成分
ファンデーション中、オイルベースが使用感(官能によるしっとり感)、品質(耐落下衝撃性および硬度)に与える影響を調べた。溶媒として、水、80%(v/v)エタノール水溶液およびイソパラフィンを用いて検討した。
1. 各種オイルベースを調製し、オイルベース5%およびシリコーンベース2.0%を配合し、下記の製造条件でファンデーションを調製し、使用感および品質の評価を行った。
2. 処方
Figure 2012214420
3. 溶媒
調製したファンデーションは、水100%、80%(v/v)エタノール水溶液またはイソパラフィン(IP ソルソルベント 1620MU)と混合してペースト状にし、下記の条件で型に充填した。
充填条件
一次プレス:予備プレス時間10秒、プレス圧30kg
二次プレス:プレス時間4秒、プレス圧100kg
一次プレス及び二次プレスは一定減圧環境下で行った。
5. 乾燥温度
型に充填したファンデーションを30℃にて9時間乾燥した。
6. 液状油性成分の検討
検討するオイルベースのスクリーニングに用いた液状油性成分を表2に示す。
Figure 2012214420
7. 評価方法
(1)硬度 50φ丸皿の中央および、周囲4点の計5点にてテクロック製ゴム硬度計を用いて測定した。
(2)耐落下衝撃性 指定のまな板の上に、コンパクトケースに入れずに50cmの高さよりカケが生じるまで繰り返し落下させた。
変化なしを◎、わずかなヒビを○、カケやワレが生じるを×として判断した。
(3)しっとり感 しっとり感低い1〜高い3までの3段階で、n=2にて評価。平均値を記載している。
その結果を表3に示す。
8. 結果
Figure 2012214420
Figure 2012214420
1.溶媒による差について(水100%、80%(v/v)エタノール水溶液、イソパラフィン)
(1)表面硬度・耐落下衝撃性
水<エタノール水溶液<イソパラフィンの順に表面硬度が高くなった。FRAGRANCE JOURNAL(2006)6.34-39によれば、未処理のタルクに水とイソパラフィンを加えて棒状に成型した場合の折れ荷重は、水を用いた場合にイソパラフィンを用いた場合の約2倍高い折れ荷重になるとのことであり、本実験の結果とは逆転している。
これは、粉体表面と溶媒との極性によって表面硬度が変化すると考えられ、溶媒によって処方骨格を大きく変化させる必要があることが再確認している。
また、耐落下衝撃性は表面硬度に伴い変化した。
(2)使用感
溶媒として水または80%(v/v)エタノール水溶液を使用した場合の官能傾向は、表4のようになった。
Figure 2012214420

(3)考察
ファンデーションのしっとり感と、液状油性成分の極性について表5にまとめた。
水および80%(v/v)エタノール水溶液はともに粉体のスラリー化および官能面から適当であることが示された。
また、ファンデーションのしっとり感と液状油性成分の極性との関係について下記表5にまとめたデータを考察すると、極性の低い炭化水素オイルは肌上にとどまる(または粉体内に吸収されにくい)ためしっとりとした感触になる。この現象は乾式でも同様である。今回のスクリーニングにおいても、流動パラフィンやオレフィンオリゴマーが良好な結果であり、中でもやや粘性の高いオレフィンオリゴマーが良好な油性成分であった。
一方、エステル結合が多い極性油でも同様にしっとりとした感触が感じられた。これは、実際に肌がしっとりとするというよりも、塗布面のなめらかさがしっとりとした感触につながっているためであると考えられた。
溶媒として80%(v/v)エタノール水溶液を用い、しっとりとした感触が得られる炭化水素油、エステル油を併用して処方検討を進めた。炭化水素油としては、流動パラフィンよりもやや粘性の高いオレフィンオリゴマーを使用し、各種エステルの組み合わせ評価をしたところ、炭化水素油の粘性のためか低粘性のエステル油性成分を併用するのが適していた。
実施例2
ファンデーション油性成分の検討−2
ペースト状油性成分
ファンデーション中、オイルベースが使用感(官能によるしっとり感)および品質(耐落下衝撃性、硬度)に与える影響を調べた。溶媒として、水および80%(v/v)エタノール水溶液を用いて検討した。
1. 各種オイルベースを調製し、オイルベース5.1%およびシリコーンベース2.0%を配合し、下記の製造条件でファンデーションを調製し、使用感および品質の評価を行った。
2. 処方
Figure 2012214420
3. 溶媒
調製したファンデーションは、水100%または80%(v/v)エタノール水溶液と混合してペースト状にし、下記の条件で型に充填した。
充填条件
一次プレス:予備プレス時間10秒、プレス圧30kg
二次プレス:プレス時間4秒、プレス圧100kg
一次プレス及び二次プレスは一定減圧環境下で行った。
5. 乾燥温度
型に充填したファンデーションを30℃にて9間乾燥した。
6. ペースト状油性成分の検討
検討するオイルベースのスクリーニングに用いたペースト状油性成分を結果とともに表6に示す。
7. 評価方法
(1)硬度 50φ丸皿の中央および、周囲4点の計5点にて測定した。
(2)耐落下衝撃性 指定のまな板の上に、コンパクトケースに入れずに50cmの高さよりカケが生じるまで繰り返し落下させた。
(3)しっとり感 しっとり感低い1〜高い3までの3段階で、n=2にて評価。平均値を記載している。
8. 結果
Figure 2012214420
Figure 2012214420
油性成分を処方中に1.5%配合することで、サンプルNo.5、8および10にて、耐落下衝撃性の向上としっとり感が向上することがわかった。
溶媒として80%(v/v)エタノール水溶液を使用した場合に、油性成分として炭化水素油やエステル油を配合したファンデーションはしっとりとした感触が得られることが判明した。炭化水素油としては、流動パラフィンよりもやや粘性の高いオレフィンオリゴマーを使用し、各種エステルの組み合わせ評価をしたところ、炭化水素油の粘性のためか低粘性のエステル油を併用するのが適していた。
実施例3
アイカラー油性成分の検討−1
液状油性成分
アイカラー中、オイルベースが使用感(トレ、パール感および官能によるしっとり感)および品質(耐落下衝撃性および硬度)に与える影響を調べる。溶媒として、水および80%(v/v)エタノール水溶液を用いて検討した。
1. 各種オイルベースを調製し、オイルベースを7%を配合し、下記の製造条件でアイカラーを調製し、使用感および品質の評価を行った。
2. 処方
Figure 2012214420
3. 溶媒
調製したアイカラーは、水100%または80%(v/v)エタノール水溶液と混合してペースト状にし、下記の条件で型に充填した。
充填条件
予備プレス:充填時間30秒、充填圧0.2Mpa・s
二次プレス:プレス時間4秒、プレス圧160kg
予備プレス、二次プレス共に一定減圧環境下で行った。
5. 乾燥温度
型に充填したファンデーションを30℃にて9時間以上乾燥した。
6. 液状油性成分の検討
検討するオイルベースのスクリーニングに用いた液状油性成分を表8に示す。
選択した基準は、炭化水素系の無極性油、エステル系の極性油で粘性の違いなどである。これらの液状油性成分ごとのオイルベースを用いてバルクを調製し、評価した。
Figure 2012214420
7. 評価方法
ファンデーション油性成分の検討で用いた評価方法と同様の方法で評価を行った。
(1)硬度 50φ丸皿の中央および、周囲4点の計5点にてテクロック製ゴム硬度計を用いて測定した。
(2)耐落下衝撃性 指定のまな板の上に、コンパクトケースに入れずに50cmの高さよりカケが生じるまで繰り返し落下させた。
変化なしを○、ヒビ、カケやワレが生じるを×として判断した。
(3)しっとり感 しっとり感低い1〜高い3までの3段階で、n=2にて評価。平均値を記載している。
その結果を表9に示す。
8. 結果
Figure 2012214420


Figure 2012214420
今回用いた処方系の場合、エタノールを溶媒に用いた方が、ブラシへの取り易さ、耐落下衝撃性、使用感とも良好であった。粘性の少ない液状油の方が、耐落下衝撃性はあまり強くないが、ブラシへの取り易さおよび使用感は良好な結果となった。耐落下衝撃性については、低粘性に比べ高粘性のものについて上昇する傾向にあった。特に2−オクチルドデカノール、トリイソステアリン酸グリセリル、セスキイソステアリン酸ソルビタンで耐落下衝撃性の顕著な上昇がみられた。
実施例4
アイカラー油性成分の検討−2
ペースト状油性成分
アイカラー中、ペースト油が使用感(官能によるしっとり感およびパール感)および品質(耐落下衝撃性および硬度)に与える影響を調べた。溶媒として、水および80%(v/v)エタノール水溶液を用いて検討した。
1. 表10に示したオイルベース処方を調製し、アイカラーベース処方に7%配合し、下記の製造条件でアイカラーを調製し、使用感および品質の評価を行った。アイカラーベース処方は表7に示したものと同一とした。
2. 処方
Figure 2012214420
3. 溶媒
調製したアイカラーは、水100%または80%(v/v)水溶液と混合してペースト状にし、下記の条件で型に充填した。
4. 充填条件
液状油性成分の検討と同じ条件
5. 乾燥温度
型に充填したアイカラーを30℃にて9時間乾燥した。
6. ペースト状油性成分の検討
検討したオイルベースのスクリーニングに用いたペースト状油性成分を表11に示す。
Figure 2012214420
7. 評価方法
実施例3の液状油性成分の検討に用いたものと同じ方法により評価した。
その結果を表12に示す。
Figure 2012214420

Figure 2012214420
ペースト状油性物を配合したアイカラーについても、80%(v/v)エタノール水溶液を用いて充填した場合よりも、水を用いて充填した場合の方が硬度が低くなり、耐落下衝撃性も弱い傾向にあった。また、しっとり感も低い結果となった。
これらの中で、ブラシへの取り易さ、パール感、しっとり感の良好なペースト油は、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル/ベヘニル/イソステアリル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)であった。また、ワセリン、シア脂、ベジタブルトリグリセリド、オレイン酸フィトステリルなどを用いた場合はなめらかさがあった。
また、耐落下衝撃性に有効であったのは、ヒドロキシステアリン酸フィトステリル(サラコスFH)およびヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル(コスモール168M)であった。
ペースト状油性物を配合したアイカラーの場合も、80%(v/v)エタノール水溶液を溶媒に使用した場合の方が、ブラシへの取り易さ、落下、使用感とも良好であった。しかしながら、単にペースト状の油性成分を高配合するだけでは耐落下衝撃性は高まらなかった。
このことは、単に油性成分の粘性や物理的な状態だけで耐落下衝撃性が改善されることがないことを示している。
化学構造上、良好な評価結果が示されたペースト状油性成分に共通していたのはヒドロキシアルキル基を有していることであり、この構造が粉体固形化粧料に優れた使用感および耐落下衝撃性を付与することが判明した。
本発明の粉体固形化粧料は、ファンデーション、アイカラー、チークカラー、おしろいなどの化粧料として利用することができる。
本発明は、特定の化学構造を有する油性成分を選択して配合することにより耐落下衝撃性に優れ、かつ使用感にも優れた粉体固形化粧料に関するものである。

Claims (5)

  1. 粉体とヒドロキシ脂肪酸基を有する油性成分と溶媒とを混合してスラリー状にし、そのスラリーを型に充填した後に溶媒を除去して得られる粉体固形化粧料。
  2. ヒドロキシ脂肪酸基を有する油性成分がヒドロキシ脂肪酸エステルである請求項1記載の粉体固形化粧料。
  3. ヒドロキシ脂肪酸エステルが12−ヒドロキシ脂肪酸のエステルである請求項2記載の粉体固形化粧料。
  4. ヒドロキシ脂肪酸エステルが、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロールおよびジペンタエリスリトールよりなる群から選択される1種または2種以上の化合物と12−ヒドロキシ脂肪酸とのエステルである請求項2または3記載の粉体固形化粧料。
  5. 溶媒が水、エタノールまたは80%(v/v)エタノール水溶液である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の粉体固形化粧料。
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