JP2012214274A - ローラ機構 - Google Patents

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行彦 石橋
Akihito Okamoto
明史 岡本
Tomonao Shimada
朋尚 島田
Yasuhiro Aoki
康弘 青木
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Abstract

【課題】紙送り装置において、紙葉類の搬送を安定させ、かつ搬送中に紙葉類が傷つくことを防止する。
【解決手段】複数の駆動ローラ11と、各駆動ローラ11に対向するように配置される複数の従動ローラ12を設ける。複数の駆動ローラ11は、1本の駆動シャフト13に取り付ける。複数の従動ローラ12は、1本の従動シャフト14に取り付ける。紙葉類Pをこれら駆動及び従動ローラ11、12によって搬送する。駆動及び従動ローラ11、12は内部に空洞がある中空ローラである。従動ローラ12は、駆動ローラ11よりも径方向における弾性率が低い。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばラベルシート等の紙葉類を搬送するためのローラ機構に関する。
駆動ローラと、駆動ローラに対向するように配置された従動ローラとを備え、駆動及び従動ローラにラベルシート等の各種紙葉類を挟み込んで搬送するローラ機構が知られている。従来、この種のローラ機構では、駆動ローラが、円筒形の樹脂ローラ又はゴムローラにシャフトが通されたいわゆるソリッドローラで構成されるとともに、従動ローラは、ベアリングや、ソリッドローラで構成されることが一般的である。ここで、従動ローラは、1本のシャフトに複数取り付けられるとともに、駆動ローラに向けて従動ローラを付勢させて、紙葉類を挟み込むためのニップ力を付与するばね部材がシャフトに取り付けられることがある(例えば、特許文献1参照)。
実公平4−50272号公報
しかし、上記従動ローラの構成によれば、シャフトの撓みによって紙葉類に作用される荷重がローラ毎にばらつき、紙葉類を安定的に搬送させるのが難しくなることがある。例えば、ばねに近い従動ローラからは相対的に大きな荷重が紙葉類に作用されるが、ばねから遠い従動ローラからは小さな荷重しか作用されず、紙が斜行してしまうことがある。
また、ソリッドローラやベアリングは殆ど変形しないので、紙葉類と従動ローラとの接触面積が小さくなるとともに、各ローラから紙葉類に作用される荷重が、紙葉類の表面状態や搬送状態等に応じて変化しにくくなる。そのため、紙葉類に凹凸が有る場合や、搬送状態が変化した場合には、紙葉類を安定的に搬送させるのがさらに難しくなることがある。さらに、接触面積が小さく、局所的に大きな荷重が紙葉類に作用されやすく、また、ローラの始動時や停止時に、紙葉類のローラに対する微小の滑りが局所的に生じることがあるので、紙葉類に傷等が付きやすくなる。加えて、ばね部材を取り付けるために、紙送り機構の構造が比較的複雑になるおそれもある。
なお、ローラ毎の荷重のばらつきをなくすためには、各シャフトに1つのローラが取り付けられるように、シャフトが分割され、各々のシャフトが別個のばね部材により付勢されることも考えられる。しかしこのような構成では、部品点数がさらに増えて、紙送り機構の構造がさらに複雑になるおそれがある。
そこで、本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で紙葉類を安定的に搬送することを可能にするとともに、搬送中に紙葉類に傷を付けにくいローラ機構を提供することを目的とする。
本発明に係るローラ機構は、駆動ローラと、駆動ローラに対向するように配置される、1本の従動シャフトに取り付けられた複数の従動ローラとを備え、これら駆動及び従動ローラによって紙葉類を挟み込んで搬送するローラ機構において、従動ローラそれぞれは、従動シャフトの外周側に配置される筒状部を含み、従動シャフトと筒状部の間に空間があることにより弾力性を有するローラ本体を備えることを特徴とする。
複数の従動ローラは、従動シャフトに対して各々独立に回転可能であったほうが良い。この場合、従動ローラは、内部に従動シャフトが通され、従動シャフトに対して摺動して回転可能な支持体を備えるとともに、ローラ本体は、この支持体に取り付けられることが好ましい。
ローラ本体は、例えば、上記筒状部と、筒状部の両端に連設され、内部に従動シャフトが通されるリング状の両側壁とを有する。この場合、ローラ機構は例えば、従動シャフトに設けられる支持体を備え、その支持体の外周面に一対の環状溝が設けられる。そして、両側壁の内周縁部が一対の環状溝それぞれに嵌合されることにより、ローラ本体が支持体に取り付けられる。
1本の駆動シャフトに取り付けられた駆動ローラは、複数であっても良く、この場合、各駆動ローラは、例えば各従動ローラに対向するように配置される。
駆動ローラそれぞれは、駆動シャフトの外周側に配置される筒状部を含み、その筒状部と駆動シャフトの間に空間があるローラ本体を備えるものであっても良い。この場合、駆動ローラのローラ本体は、筒状部の両端に連設され、内部に駆動シャフトが通されるリング状の両側壁を有することが好ましい。
駆動ローラの径方向における弾性率は、従動ローラよりも高いことが好ましい。この場合、例えば、駆動ローラの側壁の厚さが、従動ローラの側壁よりも厚くされる。また、例えば、駆動ローラの筒状部の厚さが、従動ローラの筒状部よりも厚くされる。また、例えば、駆動ローラのローラ本体の硬度が、従動ローラのローラ本体の硬度よりも高くされる。
駆動ローラの筒状部の外周面は、平滑な平面であっても良いが、なし地面であっても良い。また、駆動ローラの筒状部の外周面は、断面矩形の歯部及び谷部が、周方向に交互に並べられて歯形形状を呈しても良い。筒状部の外周面が歯形形状の場合、例えば、歯部と、谷部の周方向における長さ比は、1.5:1〜1:1.5であるとともに、断面矩形の歯部は、歯高さに対する周方向における長さの比が、2〜2.5である。
本発明では、簡単な構造で紙葉類を安定的に搬送し、かつ、搬送中に紙葉類に傷を付けにくいローラ機構を提供することが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係るローラ機構を模式的に示す斜視図である。 第1の実施形態に係る従動ローラを示し、図6、7の左側から見た側面図である。 第1の実施形態に係る支持体の構造を示す断面図である。 第1の実施形態に係るローラ本体の構造を示す断面図である。 第1の実施形態に係る支持体の上面図であるが、模式的にローラ本体の内周縁部を斜線で示すものである。 図2のVI−VI線に沿う断面図である。 図2のVII−VII線に沿う断面図である。 第1の実施形態に係る駆動ローラを示し、図9、10の左側から見た側面図である。 図8のIX−IX線に沿う断面図である。 図8のX−X線に沿う断面図である。 第1の実施形態に係るローラ本体の変形例を示す部分断面図である。 第1の実施形態に係る支持体の変形例を示す平面図である。 第2の実施形態に係る駆動ローラを示す側面図である。 第3の実施形態に係るローラ機構を示す斜視図である。 鉛直押付試験の試験方法を示す模式図である。 鉛直押付試験の結果を示すグラフである。 紙送り試験機を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照にしつつ説明する。
まず、本発明の第1の実施形態に係るローラ機構について図1〜10を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るローラ機構を示す。本実施形態に係るローラ機構10は、複数の駆動ローラ11と、複数の従動ローラ12を備え、紙葉類Pを搬送するための紙送り装置に設けられるものである。複数の駆動ローラ11は、互いに同一直径を有し、かつ1本の駆動シャフト13に間隔を置いて取り付けられる。同様に、複数の従動ローラ12は、互いに同一直径を有し、かつ1本の従動シャフト14に間隔を置いて取り付けられる。各駆動及び従動ローラ11、12は、後述する空洞29により、シャフトとローラの筒状部の間に空間がある中空ローラである。
従動シャフト14は、駆動シャフト13の上方に配置され、これらシャフト13、14は互いに平行である。各従動ローラ12は、外周面が各駆動ローラ11の外周面に対向するように配置される。そして、従動ローラ12は、駆動ローラ11に向かって押し付けられて配置され、従動ローラ12は押し潰されるように変形する。
駆動シャフト13は、不図示の駆動源に接続される。各駆動ローラ11は、駆動シャフト13に対して回転しないように固定され、駆動源によって駆動シャフト13が回転させられると、それに伴って全ての駆動ローラ11が回転する。
一方、従動シャフト14は、その両端が軸受け(不図示)に固定されて自身は回転することができないが、各従動ローラ12は、従動シャフト14に固定されておらず、従動シャフト14に対して、各々独立に摺動回転することができる。各従動ローラ12は、駆動ローラ11が図1に示すように反時計回りに回転されると、それに追従して時計回りに回転する。各従動ローラ12の間には、従動シャフト14に固定されるカラー(不図示)が設けられ、従動ローラ12が軸方向に移動しないようにされる。
紙葉類Pは、ローラ11、12間に挟み込まれて、これらローラ11、12の回転により、回転方向に沿う矢印A方向に搬送される。紙葉類Pとしては、特に限定されないが、感熱紙ラベル等のラベルが、帯状の台紙の上に複数貼着されてなるラベルシート等が挙げられる。ラベルシートは、例えば台紙側が駆動ローラ11に、ラベル側が従動ローラ12に接触するようにして搬送される。なお、紙葉類Pは、通常、別の搬送手段(不図示)によってローラ11、12間まで搬送され、その後、ローラ11、12によって矢印A方向にさらに搬送されるものである。
次に、図2〜7を用いて従動ローラの構造についてさらに詳細に説明する。図2に示すように、従動ローラ12は、支持体20の外周側に、ローラ本体30が取り付けられて構成される。
図2、3から明らかなように、支持体20は、軸方向に貫通するシャフト孔22を有し、そのシャフト孔22に従動シャフト14が通される。支持体20は、従動シャフト14に対して摺動して回転可能である。支持体20の軸方向における両端部は、両端部の間の部分より外径が一回り大きく形成され、外側に張り出す鍔部23、23として形成される。支持体20は、例えば硬質樹脂、金属等によって形成され、例えばポリアセタール等の摩擦係数が低い樹脂が望ましい。
各鍔部23には、軸方向に貫通する貫通孔26が複数(本実施形態では4つ)設けられている。複数の貫通孔26は、図2に示すように、それぞれ断面円弧を呈し、従動シャフト14を中心とする同一の円周上において間隔をおいて配置される。なお、貫通孔26、26の間の各間隔は、図2に示すように、周方向において後述する分岐溝25と一致する位置に配置される。
図3に示すように、各貫通孔26は、一方の開口が、支持体20の軸方向における端面20A、20A(すなわち、鍔部23の外側の側面)に、他方の開口が鍔部23の内側の側面23A、23Aに開口する。各貫通孔26は、ローラ本体30外部と、後述する空洞29を連通する。
各鍔部23(すなわち、支持体20)の外周面には、周方向に沿って設けられた環状溝24が形成される。各環状溝24は、図3に示すように、径方向内側に向かうにしたがって幅が短くなる断面略半円形の溝である。また、各鍔部23の外周面には、図5に示すように、環状溝24から分岐する分岐溝25が複数(本実施形態では4つ)設けられる。
分岐溝25は、環状溝24から軸方向外側に、軸方向に沿って端面20Aまで延出し端面20Aで開口する。また、分岐溝25は、図2に示すように、横長の断面略矩形である。一方の鍔部23に設けられた各分岐溝25の位置は、周方向において、他方の鍔部23に設けられた各分岐溝25の位置に一致する。
図4に示すように、ローラ本体30は、筒状部31、接続部32、32及び側壁33、33によって一体に構成される。筒状部31は、略円筒形状を呈し、その外周面によって紙葉類を搬送させる。筒状部31の外周面は、平滑な円周面である。側壁33、33それぞれは、内部に従動シャフト14が通される略円環の平面リング状に形成され、その外周縁部が、断面円弧を呈する接続部32を介して筒状部31の軸方向における端部に連設される。
各側壁33、33は、支持体に取り付けられた状態で、軸方向に略垂直である。すなわち、各側壁33、33は、接続角度α(図6参照)が90°となるように筒状部31に連設される。但し、接続角度αは、90°より大きくても良いし、小さくても良い。
図4に示すように、各側壁33の内周縁部35は、軸方向に膨らみ肉厚に形成され、側壁33のその他の部分よりも厚くなる。具体的には、内周縁部35は、側壁33から軸方向内側に膨らみ、断面略円形状に形成される。なお、本実施形態では、側壁33の厚さT2は、内周縁部35の略断面円形の半径や、筒状部31の厚さT4よりもさらに小さくなる。また、内周縁部35は全周にわたって肉厚である。
図5に示すように、各内周縁部35には、周方向において等間隔に軸方向外側に突出する突出部36が複数(本実施形態では4つ)設けられる。突出部36は、各内周縁部35に複数設けられ、一方の内周縁部35に設けられた各突出部36の位置は、周方向において、他方の内周縁部35に設けられた各突出部36の位置に一致する。突出部36は、図2から明らかなように断面略半円形を呈し、径方向内側に向かうに従って幅が短くなるものである。
従動ローラ12のローラ本体30及び後述する駆動ローラ11のローラ本体50を構成するエラストマーとしては、例えば、ミラブルウレタン、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、シリコンゴム(VMQ)、クロロプレンゴム(CR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、クロルスルフォン化ポリエチレンゴム(CSM)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、ブチルゴム(IIR)、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)、またはこれらの混合物等のゴムが使用される。
図6に示すように、ローラ本体30は、筒状部31が支持体20の外周側に配置されるとともに、両側壁33、33の内周縁部35、35が、環状溝24、24それぞれに嵌合されて、支持体20に取り付けられる。支持体20に取り付けられたローラ本体30は、筒状部31と支持体20の外周面との間に、全周にわたって空洞29が形成され、その空洞29があることにより高い弾力性を有する。また、図5、7に示すように、各突出部36は各分岐溝25に嵌合され、これにより、ローラ本体30の支持体20に対する周方向への回転が防止される。
本実施形態では、断面略円形の内周縁部35の直径は、断面半円形の環状溝24の直径に略等しく、内周縁部35は、その一部(内周側部分)の外周面が、環状溝24の内周面に密着する。また、環状溝24は略断面半円形であるため、内周縁部35のその他の部分(外周側部分)は、環状溝24の外側にはみ出ている。一方、突出部36の直径は、分岐溝25の周方向における長さに略等しいとともに、分岐溝25の深さは突出部36の半径より大きい。また、突出部36の突出長さは、分岐溝25の軸方向における長さより短い。そのため、突出部36は、分岐溝25の両側面及び底面に接触し、かつ分岐溝25内部に収まるようにして分岐溝25に嵌合する。
従動ローラ12のローラ本体30は、その筒状部31、接続部32及び側壁33が薄いシート状であって、かつ、弾性材料であるエラストマーから形成されるとともに、内部に空洞29があることにより高い弾力性を有する。また、従動ローラ12は、ローラ本体30の弾力性により、空洞29内部の空気を貫通孔26を介して外部に容易に送出入することが可能である。そのため、ローラ本体30は、外部からの押圧状態に応じて容易に変形し、その径方向における弾性率が低くなる。例えば、従動ローラ12は、ローラ本体30の筒状部31の外周面が径方向内側に押し付けられ、鉛直反力が2Nとなったときの押付代(押付長さ)が、0.3mm以上であり、好ましくは0.8mm以上である。
次に、駆動ローラ11の構造について図8〜10を用いて説明する。駆動ローラ11は、従動ローラ12と同様に、空洞59が形成されるように、ローラ本体50が支持体40に取り付けられて構成される中空ローラである。以下、駆動ローラ11について、従動ローラ12との相違点を中心に説明するが、特に記載しない構成については従動ローラと同様である。
駆動ローラ11のローラ本体50は、従動ローラ12と同様に、両側壁53、53と、接続部52、52と、筒状部51とを有し、両側壁53、53の内周縁部55、55が、支持体40の環状溝44に嵌合されて、支持体40に取り付けられる。また、内周縁部55には、突出部56が複数設けられ、突出部56が、環状溝44から分岐する分岐溝45それぞれに嵌合され、これにより、ローラ本体50の支持体40に対する回転が防止される。
駆動ローラ11の支持体40は、従動ローラ12の支持体20と同様に、駆動シャフト13が通されるシャフト孔42が設けられる。ただし、駆動シャフト13やシャフト孔42は、支持体40が駆動シャフト13に対して回転しないように、円柱の一部がカットされた形状を呈する。
また、突出部56は、内周縁部55と同様に、図8から明らかなように、断面略円形を呈するとともに、その突出部56が嵌合される分岐溝45は断面略半円である。そのため、突出部56は、内周縁部55と同様に、その一部(内周側部分)が、分岐溝45の内周面に密着するとともに、その他の部分(外周側部分)が分岐溝45からはみ出ている。さらに、突出部56は各内周縁部55において2つ設けられ、それに対応して分岐溝45も各環状溝44に2つ設けられる。なお、駆動ローラ11では、ローラ外部と空洞59を連通する貫通孔が省略されるが、従動ローラ12と同様に、貫通孔が設けられても良い。
駆動ローラ11における側壁53の厚さT1は、断面略円形の内周縁部55の半径よりも大きく、さらに、従動ローラ12の側壁の厚さT2(図4参照)より厚くなる。また、筒状部61の厚さT3は、側壁53の厚さT1よりもさらに厚く、従動ローラ12の筒状部31の厚さT4(図4参照)よりも厚くなる。また、駆動ローラ11のローラ本体50は、従動ローラ12のローラ本体30を構成するエラストマーより硬度が高いエラストマーで形成される。なお、硬度とは、JIS K 6253に基づいて測定されたタイプAデュロメータ硬さである。
このような構成により駆動ローラ11は、空洞59を有することにより弾力性を有するが、その径方向における弾性率は従動ローラ12よりも高くなる。例えば、駆動ローラ11は、ローラ本体50の筒状部51の外周面が径方向内側に押し付けられ鉛直反力が2Nとなったときの押付代が、0.3mm未満となる。
以上のように、従動ローラ12は、駆動ローラ11よりも弾力性の高い中空ローラであるため、駆動ローラ11に押し付けられることにより、比較的大きく変形し、紙葉類Pに対する接触面積を大きくすることができるとともに、紙葉類Pに追従して変形しやすくなる。また、駆動ローラ11は、弾性率が高く、押付時にローラが変形しにくく見かけの直径変動も少ないため、適切な搬送力を紙葉類Pに付与してその送り量を安定させやすくなる。一方で、駆動ローラ11は、弾力性の高い中空ローラであるから、紙葉類Pに追従して微小量変形することも可能である。
そのため、本実施形態では、紙葉類Pは、高い搬送力で搬送されつつ、例えば凹凸があっても安定的に搬送されることが可能になる。また、紙葉類Pに局所的な力が作用されたり、紙葉類Pがローラ11、12に対して滑ったりすることが防止され、紙葉類Pに傷が付きにくくなる。
さらに、本実施形態では、各従動ローラ12は、従動シャフト14に対して独立に回転可能である。そのため、例えばローラ始動時或いは停止時に、紙葉類Pの動きに横方向(ローラの軸方向)で微小のずれが生じても、従動ローラ11はそのずれに追従して回転するので、紙葉類Pはより安定的に搬送されるとともに、始動時ないし停止時に傷が付きにくくなる。
また、従動ローラ12では、支持体20と従動シャフト14の間で摺動するため、摩擦熱が発生することがあるが、そのような摩擦熱は、従動シャフト14を取り巻き、かつ空気を送出入させる貫通孔26によって効率的に放熱される。
なお、本実施形態では、駆動ローラ11の径方向における弾性率が、従動ローラ12よりも高くなれば、駆動ローラ11の硬度は、従動ローラ12より低くても良いし、側壁53や筒状部51の厚さT1、T3も、従動ローラ12の側壁33や筒状部31の厚さT2、T4よりも小さくなっても良い。
なお、本実施形態では、駆動ローラ11の筒状部51の外周面は、平滑面であったが、微細な凹凸が付けられたなし地面とされても良い。本実施形態では、筒状部51の外周面をなし地面とすることにより、摩擦力を大きくして搬送力を高めやすくなる。また、紙葉類Pが削れて紙粉が発生しても、その紙粉はなし地の凹部に入り込み紙葉類Pの搬送を阻害しにくくなるので、搬送力の低下をより一層防止することができる。
なし地面の表面粗さ(Rz)は、摩擦力を効果的に大きくするために、10〜50μmであることが好ましく、15〜30μmであることがより好ましい。なお、表面粗さ(Rz)とは、JIS B0601:2001年に準じて測定した十点平均粗さである。
また、本実施形態では、駆動ローラの筒状部51の外周面は、図11に示すように、複数の歯部61と谷部62が周方向に沿って交互に並べられ、歯形形状にされても良い。歯部61は、軸方向において、筒状部51の両端部間にわたって設けられる。各歯部61及び谷部62は、周方向に長くなる断面略矩形であることが好ましい。また、周方向における各歯部の長さLと、各谷部の長さMの比(L:M)は、1.5:1〜1:1.5であることが好ましい。なお、長さL、Mは、歯部61の根元部分、谷部62の底面における長さである。本実施形態では、歯部61が断面略矩形を呈し、長さ比をこのような範囲とすることにより、搬送力を有効に大きくすることができる。
歯部61は、例えば9〜15°ピッチ(P)で周方向全周にわたって設けられるとともに、歯高さHは例えばおよそ0.3mm以上、より好ましくは0.3〜1mmとされる。また、歯高さHに対する長さLの比(L/H)は、1より大きく2.5以下とされることが好ましく、特に好ましくは2〜2.5である。本実施形態では、このように、歯高さHを比較的大きくすることにより歯部を撓みやすくして、歯部の紙葉類への接触面積を高めることができ、搬送力をより大きくすることができるとともに、L/Hを1より大きくすることにより歯部の強度も確保できる。
さらに、駆動ローラの支持体は、駆動ローラ毎に設けられたが、図12に示す支持体71のように、ローラ毎に設けられず、駆動シャフト13に1つのみ取り付けられていて良い。すなわち、支持体71の外周面には、1つのローラ本体が取り付けられるための一対の環状溝72、72が6組設けられる。各駆動ローラは、一対の内周縁部55、55(図9、10参照)が一対の環状溝72、72に嵌合されて、支持体71には6個の駆動ローラが取り付けられる。
また、支持体71は、鍔部が設けられず略円筒形状に形成される。そして、支持体71の外周面には、支持体71の軸方向に沿って、全ての環状溝72に交差しつつ、両端面71A、71A間を延在する連続溝73が設けられる。連続溝73は、環状溝72に交差することにより環状溝72から分岐した形状を呈し、各内周縁部55の突出部56(図8、10参照)が嵌合される溝となる。連続溝73は、各内周縁部55の2つの突出部56、56が嵌合できるように2本設けられる。
次に、図13を用いて、本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態において、第1の実施形態と異なるのは駆動ローラの構造のみである。以下、第2の実施形態における駆動ローラの構造について、第1の実施形態との相違点を説明する。
駆動ローラ76は、エラストマーから構成される円筒形状のローラ本体77が、その内部に配置される支持体78に取り付けられて構成される。支持体78は、軸方向に貫通するシャフト孔79が設けられ、第1の実施形態と同様に、シャフト孔79に通された駆動シャフト13は、支持体78に対して回転しないようにされる。また、ローラ本体77は、その内周面が支持体78の外周面に固定される。
駆動ローラ76は、以上の構成により、ローラ本体77と支持体78の間に空洞が形成されないソリッドローラである。また、ローラ本体77は、駆動シャフト13に対して回転しないように固定された構造となり、駆動シャフト13が回転されると、駆動シャフト13と一体となって回転する。支持体78は、第1の実施形態の支持体40と同様に、駆動ローラ76毎に設けられる。但し、駆動シャフト13に1つの支持体78のみが取り付けられ、1つの支持体78に、各駆動ローラ76を構成するローラ本体77が全て取り付けられても良い。
本実施形態でも、従動ローラは中空ローラであるため、第1の実施形態と同様に、紙葉表面の搬送を安定的にすることができるとともに、紙葉類に傷を付けにくくなる。また、駆動ローラがソリッドローラであるため、紙葉類に比較的大きな搬送力を付与しやすくなる。
図14は、第3の実施形態に係るローラ構造を示す斜視図である。以下、第3の実施形態について、第2の実施形態との相違点を説明する。第2の実施形態では、駆動ローラは、従動ローラに対応して複数設けられたが、本実施形態では、駆動ローラ81は1つのみ設けられる。第2の実施形態と同様に、駆動ローラ81は、ソリッドローラであって支持体83の外周面に固定されたローラ本体82を備えるとともに、支持体83は、その内部に通された駆動シャフト13に対して回転しないように、駆動シャフト13に取り付けられる。
本実施形態では、複数の従動ローラ12は、1つの駆動ローラ81の外周面に当接し、駆動ローラ81の回転に追従して回転する。紙葉類Pは、1つの駆動ローラ81と、複数の従動ローラ12の間に挟み込まれて、これらローラの回転により、矢印A方向に搬送される。
本実施形態でも、第1及び第2の実施形態と同様に、従動ローラが中空ローラであるため、紙葉類Pを安定的に搬送することができるとともに、紙葉類Pに傷を付けにくくなる。また、駆動ローラがソリッドローラであるため、紙葉類に比較的大きな搬送力を付与しやすくなる。
なお、第1ないし第3の実施形態では、駆動ローラのローラ本体を支持する支持体40、71、78、83は、駆動シャフト13と別部材とされず、駆動シャフト82と一体となって1つの部材とされていても良い。
また、内周縁部や環状溝は、上記した構造に限定されず、内周縁部が環状溝に嵌って固定されるものであれば、如何なる形状を有していても良く、互いに一致した形状でなくても良い。例えば、環状溝は断面四角形であっても良い。突出部や分岐溝も同様である。また、ローラ本体において、突出部は、内周縁部から軸方向内側に突出されたものであっても良いし、軸方向の内側及び外側の両方に突出しても良い。また、突出部は、径方向内側に突出されても良い。
さらに、ローラ本体の支持体に対する回り止めは、突出部ではなく、内周縁部に形成された凹部でも良い。この場合、環状溝には、その凹部に対応した凸部が設けられる。また、突出部や凹部等の回り止めが設けられなくても良い。さらに、上記各実施形態では、ローラ本体に編布が埋設されても良いし、筒状部に心線が埋設されても良い。
なお、上記各実施形態における従動ローラの外周面は、駆動ローラと同様に、なし地表面とされても良いし、歯形にされても良い。外周面がなし地面となることにより、従動ローラでも紙粉による搬送力の低下が防止できる。さらに、従動ローラ12では、支持体20にベアリングをはめ込み、シャフトに固定し、ベアリングにより摺動させる構成としても良い。
次に、本発明についてさらに具体的に実施例を用いて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例では、第1の実施形態に対応した駆動ローラAとして、図8〜10に示す中空ローラを用意した。駆動ローラAのローラ本体は、その内径(内周縁部の内径)が6.5mm、外径(筒状部の外径)が16mm、突出部を除いた軸方向における長さが10mmで、硬度70のミラブルウレタンゴムから形成されたものであった。第2の実施形態に対応した駆動ローラBとして、図13に示すソリッドローラを用意した。駆動ローラBのローラ本体は、内径が12mm、外径が20mm、軸方向における長さが7.2mmの円筒状のものであって、ミラブルウレタンゴムから形成され、硬度が60のものであった。また、第3の実施形態に対応した駆動ローラCとして、図14に示す駆動ローラを用意した。駆動ローラCのローラ本体は、その内径が8mm、外径が16mm、軸方向における長さが110mmで、硬度65のエチレンプロピレンゴムから形成されたものであった。
第1〜3の実施形態に対応した従動ローラAとして、図2〜7に示す中空ローラを用意した。従動ローラAのローラ本体は、内径(内周縁部の内径)が9.5mm、外径(筒状部の外径)が20mm、突出部を除いたローラ本体の軸方向における長さが10.4mmであるとともに、ミラブルウレタンゴムから形成され、硬度が60のものであった。また、比較例の従動ローラBとして、円筒形のローラ本体を有するソリッドローラを用意した。従動ローラBのローラ本体は、その内径が5mm、外径が14mm、軸方向における長さ7mmのものであって、ポリアセタールから形成された樹脂製ローラであった。
[鉛直押付試験]
23℃、50%RH雰囲気下で、島津製作所製のオートグラフ(型番:AG−2000B)を使用して、鉛直押付試験を実施した。本試験では、図15に示すように、シャフト100に取り付けたサンプルローラ101を支持部材102で支持するとともに、速度10mm/分で、鋼材SS400から成る直径100mm、厚さ25mmの円板上の載荷板103を、サンプルローラ101の外周面に上方から押し付け、そのときの押付代(ローラの径方向における押付長さ)に対する鉛直反力を測定した。本試験では、駆動ローラA、B、従動ローラCをサンプルローラ101として実施した。測定結果を図16のグラフに示す。
図16の結果から明らかなように、鉛直反力が2Nとなったときの押付代は、駆動ローラ1、2では、それぞれ0.08mm、0.14mmと非常に小さくなった。それに対して、従動ローラ1では、0.97mmとなり、中空の従動ローラは、駆動ローラに比べて径方向における弾性率が低いことが理解できる。
本発明の第3の実施形態のローラ構造に対応した実施例1として、図14に示す1個の駆動ローラと、6個の従動ローラから成るローラ構造を用意した。実施例1のローラ構造では、駆動ローラとしては駆動ローラCを、従動ローラとして従動ローラAを使用した。従動ローラAは、従動シャフトに対して、それぞれ独立に回転可能するとともに、従動シャフトの両端を軸受けに固定した。また、本発明の比較例1として、従動ローラとして従動ローラBを使用した点以外、実施例1と同様の構造を有するローラ構造を用意した。
[圧力分布確認試験]
実施例1、比較例1のローラ構造を用いて圧力分布確認試験を実施した。圧力分布確認試験では、図17に示すように、ローラ構造10の上流側に、SUS製の載置台110を配置した紙送り試験機を用いた。本試験では、載置台110の上に載せた、タクタイルセンサシステムのセンサシート111(ニッタ株式会社製、商品名.I-SCAN100)を、駆動ローラ121と複数の従動ローラ122で挟み込み、そのときのセンサシート111の従動ローラ122側の押付圧力分布を確認し、以下の評価基準で評価した。
〈圧力分布〉
○:従動ローラ間の押付圧力にばらつきがなく、略同一であった。
×:従動ローラ間の押付圧力にばらつきがあった。
〈接触面積〉
○:各従動ローラにおける押し付け範囲が比較的広範囲で、従動ローラの接触面積が広かった。
×:各従動ローラにおける押し付け範囲が狭く、従動ローラの接触面積が狭かった。
なお、本試験機において、従動シャフト114の両端は、上下に動かしてネジにより固定可能なものであり、実施例1では、従動ローラ122をセンサシート111に押付代1.0mmで押し付けた状態で、従動シャフト114の両端を固定した。比較例1では、従動シャフト114の両端を上方から重りで押さえ付けた。このとき、従動シャフト114と従動ローラ122の自重と、従動シャフト114の両端を押さえ付ける重りの和(押付荷重)を330gfとし、シャフトの両端に負荷される押付荷重のバランスを1:1とした。
[搬送性能試験1]
実施例1、比較例1のローラ構造を用いて、さらに搬送性能試験1を実施した。搬送性能試験1では、まず、上記紙送り試験機、及び幅10mm、長さ270mmの短冊状の3Sコート紙を6枚用意した。3Sコート紙は、台紙の上にラベルが貼付されたものである。次いで、3Sコート紙各々を、紙送り試験機の載置台111の上に載せて、各従動ローラ114に対応した位置に配置し、各コート紙の各端部を各従動ローラ114と駆動ローラ121で挟み込んだ。このとき、コート紙の台紙側を駆動ローラ121側に、ラベル側を従動ローラ114側に配置した。次いで、駆動ローラ121を回転させて、3Sコート紙各々をその長手方向に搬送した。このとき、搬送速度300mm/分、搬送距離は250mmであった。また、圧力分布確認試験と同様に、実施例1では従動ローラ122を駆動ローラ121に向かって1.0mm押し付けた状態で、比較例1では押付荷重330gfとした状態で、3Sコート紙を搬送した。本試験では、3Sコート紙が搬送方向に沿って互いにずれが生じたか否かを確認した。本試験は10回繰り返し、その結果を表1に示す。
[搬送性能試験2]
搬送性能試験2では、従動ローラ122の押付量をローラ毎に変化させた点を除いて搬送性能試験1と同様に実施した。すなわち、実施例1では、従動シャフト114の最も一端側に配置された従動ローラ122が押付代0.5mmで、最も他端側に配置された従動ローラ122が押付代1.0mmで駆動ローラ121に向かって押し付けるように、従動シャフト114の両端を互いに上下にずらして固定した。さらに、実施例1では、従動シャフト114の最も一端側に配置された従動ローラ122が押付代1.0mmで、最も他端側に配置された従動ローラ122が押付代1.5mmで駆動ローラ81に向かって押し付けを行った状態でも、同様に搬送性能試験を実施した。一方、比較例1では、従動シャフト114の両端に負荷される押付荷重のバランスが1:3となるようにして実施した。
Figure 2012214274
表1の結果から明らかなように、弾性率が低い中空ローラを従動ローラとして使用した実施例1では、全ての従動ローラが、広い接触面積で搬送物に接触し、かつ駆動ローラに向かって均一な押付力で押し付け可能であるため、安定した搬送力で紙葉類を搬送することが可能となった。それに対して、比較例1では、従動ローラが弾性率が高いソリッドローラであったため、均一な押付力で押し付けを行うことができず、また、接触面積も狭かったため、安定した紙葉類の搬送を行うことができなかった。
[なし地表面評価]
次に、駆動ローラAのローラ本体に使用したゴムを用いて、2mm厚さ、幅10mmのゴム材1〜6を用意した。ゴム材1は表面を平滑面に、ゴム材2〜6は表面をなし地面とし、かつ、互いの表面粗さ(Rz)が異なるようにしたものであった。ゴム材1〜6は、直径12mmの丸鋼に巻き付けて、両面テープによって丸鋼に接着し、摩擦力測定用のサンプルとした。このサンプルについて、ヘイドン摩擦試験機(新東科学社製、商品名.HEIDON-14D)を用いて、3Sコート紙の台紙側を媒体とし、押付荷重55gfで最大静止摩擦力、動摩擦力を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2012214274

以上の結果から明らかなように、駆動中空ローラの外周面をなし地とする場合、その表面粗さ(Rz)を15〜30μm程度とすると、搬送性能を特に良好にすることができることが理解できる。
[歯形形状評価]
次に、ローラ本体の外周面を図11に示すような歯形形状とした点を除いて、駆動ローラAと同様の構造を有する駆動ローラD〜Hを用いて搬送力を確認した。なお、駆動ローラD〜Hの歯形形状は表3に示す通りであった。搬送力の確認は、上記した紙送り試験機において、従動ローラ122として従動ローラBを、駆動ローラ121として駆動ローラD〜Hそれぞれを用いて行った。
本試験では、幅110mmの3Sコート紙を載置台110上に載置し、紙の長さ方向における一端側を駆動及び従動ローラ121、122で挟み、他端側をロードセル(不図示)に接続した。さらに、搬送性能試験1の比較例1と同様に、従動シャフト114に作用される押付荷重を330gfとした。そして、駆動ローラ121を0.3m/秒で回転させることにより、ロードセルに作用される力を搬送力として測定した。なお、3Sコート紙は、10秒間搬送させ、そのうちの2〜9秒間の動摩擦力の平均値を搬送力とした。
Figure 2012214274

※なお、駆動ローラFの歯部は、底辺の両端の角度が64°の等脚台形とした。
表3の結果から明らかなように、駆動ローラを歯形にする場合、断面形状を矩形とし、歯高さを比較的高めにし、かつ、歯部と谷部の周方向における長さを同じ程度にすることにより、高い搬送力が得られることが理解できる。これは、歯部が撓みやすくなり、接触面積が大きくなるためと考えられる。
10 ローラ機構
11 駆動ローラ
12 従動ローラ
13 駆動シャフト
14 従動シャフト
20、40、71、78、83 支持体
29、59 空洞
30、50、77、82 ローラ本体
31、51 筒状部
33、53 側壁

Claims (14)

  1. 駆動ローラと、前記駆動ローラに対向するように配置される、1本の従動シャフトに取り付けられた複数の従動ローラとを備え、これら駆動及び従動ローラによって紙葉類を挟み込んで搬送するローラ機構において、
    前記従動ローラそれぞれは、前記従動シャフトの外周側に配置される筒状部を含み、前記従動シャフトと前記筒状部の間に空間があることにより弾力性を有するローラ本体を備えることを特徴とするローラ機構。
  2. 前記複数の従動ローラは、前記従動シャフトに対して各々独立に回転可能であることを特徴とする請求項1に記載のローラ機構。
  3. 前記従動ローラは、内部に前記従動シャフトが通され、前記従動シャフトに対して摺動して回転可能な支持体を備え、
    前記ローラ本体は、前記支持体に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載のローラ機構。
  4. 前記駆動ローラの径方向における弾性率は、前記従動ローラよりも高いことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のローラ機構。
  5. 前記ローラ本体は、前記筒状部と、前記筒状部の両端に連設され、内部に前記従動シャフトが通されるリング状の両側壁とを有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のローラ機構。
  6. 前記従動シャフトに設けられる支持体を備えるとともに、前記支持体の外周面に一対の環状溝が設けられ、
    前記両側壁の内周縁部が前記一対の環状溝それぞれに嵌合されることにより、前記ローラ本体が支持体に取り付けられることを特徴とする請求項5に記載のローラ機構。
  7. 1本の駆動シャフトに取り付けられた前記駆動ローラが複数設けられるとともに、各駆動ローラは各従動ローラに対向するように配置されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のローラ機構。
  8. 前記駆動ローラそれぞれは、前記駆動シャフトの外周側に配置される筒状部を含み、前記駆動シャフトと筒状部の間に空間があるローラ本体を備えることを特徴とする請求項7に記載のローラ機構。
  9. 前記駆動ローラのローラ本体は、筒状部の両端に連設され、内部に前記駆動シャフトが通されるリング状の両側壁を有することを特徴とする請求項8に記載のローラ機構。
  10. 前記従動ローラのローラ本体は、筒状部と、筒状部の両端に連設され、内部に前記従動シャフトが通されるリング状の両側壁とを有し、
    前記駆動ローラの側壁の厚さは、前記従動ローラの側壁よりも厚いことを特徴とする請求項9に記載のローラ機構。
  11. 前記駆動ローラの筒状部の厚さは、前記従動ローラの筒状部よりも厚いことを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載のローラ機構。
  12. 前記駆動ローラのローラ本体の硬度は、前記従動ローラのローラ本体よりも高いことを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項に記載のローラ機構。
  13. 前記駆動ローラの筒状部の外周面は、なし地面であることを特徴とする請求項8ないし12のいずれか1項に記載のローラ機構。
  14. 前記駆動ローラの筒状部の外周面は、断面矩形の歯部及び谷部が、周方向に交互に並べられて歯形形状を呈するとともに、
    前記歯部と、谷部の周方向における長さ比は、1.5:1〜1:1.5であるとともに、
    断面矩形の歯部は、歯高さに対する周方向における長さの比が、2〜2.5であることを特徴とする請求項8ないし12のいずれか1項に記載のローラ機構。
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