JP2006171030A - ベルト形状部材、担持体及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電子写真式画像形成装置の、電子写真感光体、中間転写ベルト、定着ベルト等として用いられ、その裏面の軸方向両端部の円周方向に貼付され、複数個で構成されている寄り止め形状部材2を備えているベルト形状部材1において、前記寄り止め形状部材2の繋ぎ目の間隔が、それに張力を与えるローラ3に巻き付けられている長さが最小となる前記ローラ3の外径をΦAとした場合、次の関係式、すなわち、
πA*巻き付け角度/360°>寄り止め形状部材2の繋ぎ目の間隔
を満足する。
【選択図】 図1
Description
特許文献1のベルト寄り止め構造では、張架される搬送ベルトの内周面に多数個のガイド部材からなる寄り止めガイド部材が配列されている。このガイド部材は搬送ベルトに固定されているが搬送ベルトが延びてもガイド部材は搬送ベルトに追従し、応力が遮断され搬送ベルト側に悪影響を与えない。これにより、平面性、位置精度が保持され画像品質の向上が図れる。
図12は寄り止め形状部材2がベルト形状部材1の裏面の両端部の円周方向に貼付され、複数個で構成されている状態を説明する概略図である。図13はベルト形状部材1に寄り止め形状部材2を貼付したとき、未接着部12が発生したときの状態を説明する概略図である。
図14は従来技術の寄り止め形状部材2における繋ぎ目形状の第1の例を説明する概略図である。図15は従来技術の繋ぎ目形状の第2の例を説明する概略図である。図16は従来技術の繋ぎ目形状の第3の例を説明する概略図である。
図17は従来技術の繋ぎ目形状で発生する、細長い部分の第1の例を説明する概略図である。図18は従来技術の繋ぎ目形状で発生する、細長い部分の第2の例を説明する概略図である。図19は従来技術の繋ぎ目形状で発生する、細長い部分の第3の例を説明する概略図である。
上述したように、このベルト形状部材1の片寄りを規制するため、ベルト形状部材1の裏側面の幅方向両端部に沿って帯状の寄り止め形状部材2を貼付し、この寄り止め形状部材2によってローラとの間の軸方向の位置関係を規制することにより、ベルト形状部材1の片寄りを防止することが行われている。
一般には、ベルト形状部材1の内面側軸方向両端部にそれぞれ各1本の寄り止め形状部材2を貼付する。この場合、寄り止め形状部材2の長手方向(周方向)の両端部付近に、繋ぎ目が発生する。
問題は繋ぎ目(寄り止め形状部材同士の周方向間隔)が広くなり過ぎたり、重なる現象が発生することである。これは寄り止め形状部材2の温度、湿度による伸び縮み、貼付時の力による伸び、長手方向寸法の加工バラツキ等が原因である。また、ベルト形状部材2の周長の加工バラツキ、温度、湿度による伸び縮み等も原因である。
繋ぎ目が広くなり過ぎた場合、回転時にローラが繋ぎ目部分に引っ掛かり、ベルト形状部材1が安定して回転しない。重なった場合には、図13のような状態になる。即ち、ベルト形状部材1と寄り止め形状部材2の間で未接着部分12が発生する。
このような状態で寄り止め形状部材2に力が加わると、ベルト形状部材1から寄り止め形状部材2が剥がれやすくなる。剥がれた場合にはベルト形状部材1の幅方向の位置制御ができなくなる。
これらの問題を解決するために、従来技術として一般的に3つの方法が知られている。第1は、一本の輪形状の寄り止め形状部材をベルト形状部材の裏面端縁に全周に沿って固定する方法である。しかし、加工、貼付時の力、温度、湿度等による寸法バラツキが発生することで、ベルト形状部材1の内周長と寄り止め形状部材2の外周長の寸法差が大きくなる。
これによって貼付作業性が悪くなり、場合によっては貼付部分の変形、剥がれという問題が発生してしまう。また、寄り止め形状部材2の外周長が短い場合、ハンドリング性、貼付作業性が悪くなる。
第2はベルト形状部材1の内周長に対し、寄り止め形状部材2を長めにしておき、貼付時に繋ぎ目付近で寄り止め形状部材2を切断する方法がある。しかし、作業の手間がかかり、コストアップになる。
第3は繋ぎ目の形状を工夫することで繋ぎ目部でのローラの引っ掛かりを少なくし、ベルト形状部材1の安定した回転を得る方法として、繋ぎ目部を斜めもしくは凹凸形状等で組み合わせる方法が知られている。
しかし、いずれの場合も、寄り止め形状部材2の温度、湿度による伸び縮み、貼付時の圧力、引っ張り力による伸び、長手方向寸法の加工バラツキ、ベルト形状部材1の周長の加工バラツキ、温度、湿度による変化等によって発生する繋ぎ目部の間隔を制御することはできない。
また、寄り止め形状部材2の形状が細長い部分(幅が狭く細長い部分)13(図17、図18、図19に示すような形状を意味する)が発生する。すると、この細長い部分13とベルト形状部材1の接着部分は接着面積が少なくなり、接着力の低下から寄り止め形状部材2の細長い部分13が剥がれ易くなる。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、簡便な方法でベルト形状部材に寄り止め形状部材を貼付でき、貼付作業性の良い寄り止め形状部材の担持体を提供するベルト形状部材を提供することにある。
また、寄り止め形状部材2の繋ぎ目部の間隔を制御することで、寄り止め形状部材の繋ぎ目部でのローラとの引っ掛かりを無くし、これにより、寄り止め形状部材の剥れを防止するともに、ベルト形状部材の回転ムラを無くすことで、良好な画像を有する画像形成装置を提供することにある。
πA*巻き付け角度/360°>寄り止め形状部材間の周方向間隔
を満足するように構成したことを特徴とする。
請求項2の発明は、保護紙、粘着材、寄り止め形状部材、弱粘着材、保護紙の順に積層されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2において、前記弱粘着材側の前記保護紙が温度、湿度、貼付時の力等によって伸縮しない構成を有していることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2又は3において、前記寄り止め形状部材の材質が、この寄り止め形状部材を備えるユニット内で受ける力によって、このユニット内で曲率が一番小さくなる部分において、その一番小さい曲率以下に変形する剛度を有することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項2、3又は4において、前記寄り止め形状部材がエッジ除去部を有することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4又は5に記載の寄り止め形状部材の担持体を構成する寄り止め形状部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載のベルト形状部材である。
請求項7の発明は、請求項1又は6に記載のベルト形状部材を備えたことを特徴とする電子写真式の画像形成装置である。
また、ベルト形状部材に貼付する前の寄り止め形状部材は、一括して寄り止形状部材をベルト形状部材に貼付することが可能になるため、貼付時間が短くなる。さらに、寄り止め形状部材の繋ぎ目の間隔の寸法精度が良くなる。
図1のように、ローラ3の外径に巻き付け角度δでベルト形状部材1が巻き付けられている部分の長さよりも、寄り止め形状部材2の繋ぎ目の間隔(周方向間隔)Lが短ければ、ベルト形状部材1が回転中に常にローラ3の端部(端面)に何れか2つの寄り止め形状部材2が接触していることになる。このような状態であれば、ベルト形状部材1の回転数は一定である。
一方、図2のように、ローラ3の外径に巻き付け角度δでベルト形状部材1が巻き付けられている部分の長さよりも、寄り止め形状部材2の繋ぎ目の間隔Lが長ければ、ベルト形状部材1が回転中にローラ3と寄り止め形状部材2が接触しない場合が発生する。このような状態が発生すると、ベルト形状部材1は軸方向にずれ、ローラ3に乗り上げることになり、ベルト形状部材1は安定して回転しなくなる。
ベルト形状部材1がローラ3に巻き付けられている部分の長さLは下記の式で求められる。
L=πA*δ/360°
ここで、πは円周率、Aはローラ3の直径、δはベルト形状部材1がローラ3に巻き付いている角度(°)である。
つまり、『πA*巻き付け角度/360°>寄り止め形状部材2の繋ぎ目部の間隔(寄り止め形状部材間の周方向間隔L)』の関係式が成立すれば、常にローラ3端部に寄り止め形状部材2が接触していることになり、ベルト形状部材1の軸方向の位置制御が可能になる。その結果、ベルト形状部材1の安定した回転が得られることになる。
本発明の対象は、とくに電子写真複写機等の、電子写真感光体、中間転写ベルト、定着ベルト等として用いられ、図1に示すようにその裏面の軸方向(幅方向)両端部の円周方向に貼付され、複数個で構成されている寄り止め形状部材2、及びこの寄り止め形状部材2を具備するベルト形状部材1である。
なお、評価ユニット10は図示しない駆動部から駆動ローラ8に駆動力を与え、ベルト形状部材1を回転させる。なお、評価ユニット10を使用する以下の説明でとくに記載が無ければ、下記の共通条件で評価を行った。
<共通条件>
・ベルト形状部材1
材質 PVDF
厚さ 0.5mm
内周長 900mm
幅 300mm
・寄り止め形状部材2
材質 ウレタンゴム
厚さ 3mm
幅 5mm
・駆動ローラ8(ゴムローラ)
材質 EPDMゴム
外径 30mm
長さ 287mm(ベルト形状部材1が接触する部分の長さ)
回転数 60rpm
・従動ローラ9(金属ローラ)
材質 SUS430
外径 30mm
長さ 287mm(ベルト形状部材1が接触する部分の長さ)
一方、常に接触する条件から寄り止め形状部材2の隙間の間隔Lを10%長い状態(例えば、図2)にして、100時間の稼動を行なった。結果として寄り止め形状部材2がローラ3に乗り上げる現象が5回発生した。
図5は貼付前の寄り止め形状部材の担持体Aの構成を説明する概略図である。寄り止め形状部材2の貼付作業性(貼付時間)、貼付精度(寄り止め形状部材2の隙間の間隔の寸法)を確認する。寄り止め形状部材2の担持体Aは図の上方から保護紙4、弱粘着材6、寄り止め形状部材2、粘着材5、保護紙4から構成されている。
本発明の寄り止め形状部材2の貼付作業方法は、まず、貼付前の寄り止め形状部材2の担持体Aを用意する。これは図5に示すような形態で、円周方向長さ(左右方向長さ)20mm、寄り止め形状部材2間の繋ぎ目部の間隔5mmであり、数量36個の寄り止め形状部材2を含んでいる。
ここで、本発明を用いない貼付作業方法では、貼付前の形態が、円周方向長さ20mmに切断した36個の寄り止め形状部材である寄り止め形状部材2を使用し、手で1個ずつ寄り止め形状部材2をベルト形状部材1に貼付した。
かかる2つの貼付作業方法における作業時間及び寄り止め形状部材2の繋ぎ目部の間隔のバラツキ量の測定結果を表1に示す。
<表1>
表1から明らかなように、本発明の方法の方が、短時間に精度良く貼付することができることが分かる。
その伸縮に関する物性値は下記の通りである。
引っ張り強さ:22kg/mm2
引っ張り伸び:120%
湿気膨潤率:1.2×10-5/%
熱膨潤率:1.5×10-5/K
貼付作業条件としては下記の3条件とした。
a)23℃、55%の環境下で、弱粘着材6側の保護紙4に3Nの張力を加える。
b)25℃、80%の環境下で、弱粘着材6側の保護紙4に3Nの張力を加える。
c)25℃、80%の環境下で、弱粘着材6側の保護紙4に6Nの張力を加える。
図5に示すような形態で、円周方向長さ20mm、寄り止め形状部材2の繋ぎ目部の間隔5mmであり、数量36個の寄り止め形状部材2を含んでいる。これを貼付するために、粘着材5側の保護紙4を剥がし、図6のように、ベルト形状部材1に寄り止め形状部材2を押し付けながら、36個の寄り止め形状部材2を順次貼付した。
本発明の寄り止め形状部材2担持体Aの場合、ベルト形状部材1に貼付後の寄り止め形状部材2の繋ぎ目部の間隔は4.9〜5.1mmのバラツキであった。つまり、貼付前の寸法とほぼ同じ寸法であることが分かる。
つまり、保護紙4が温度、湿度、張力等によって伸び縮みしないことで、ベルト形状部材1に貼付後の寄り止め形状部材2の繋ぎ目の間隔の寸法精度を確保することができる。これによって、寄り止め形状部材2の繋ぎ目部の隙間が広くなり過ぎたり、重なりが発生することがなく、ベルト形状部材1の安定した回転が得られる。
また、図5に示すような寄り止め形状部材の担持体は、円周方向長さ20mm、寄り止め形状部材2の繋ぎ目部の間隔5mmであり、数量36個の寄り止め形状部材2を含んでいる。この担持体を貼付するために、粘着材5側の保護紙4を剥がし、図6のようにベルト形状部材1に寄り止め形状部材2を押し付けながら、36個の寄り止め形状部材2を順次貼付した。
この場合に、寄り止め形状部材2のゴム硬度は、50度と70度を使用した。いずれも、JIS−Aゴム硬度計での値である。結果として、図7及び図8のようにローラ3の周面の曲率によって曲げられ、70度の場合にはベルト形状部材の端部に曲率の小さな曲がり11が発生する。50度ではこのような曲率の小さな曲がり11は発生しない。
かかるゴム硬度の寄り止め形状部材を上述したゴム硬度評価ユニット10で100時間ランニングした結果、ゴム硬度70度の場合には寄り止め形状部材2の剥がれが5ヶ所発生した。
また、剥がれが発生した時点からランニング終了時点までベルト形状部材1は安定して回転しなかった。さらに、ベルト形状部材1の表面にはひび割れが10箇所確認された。50度の場合ではいずれの問題も発生しなかった。
本発明のように、寄り止め形状部材2がベルト形状部材1の曲率以下に変形する剛度を有していれば、寄り止め形状部材2の剥がれ、及びベルト形状部材1のひび割れを防止することが可能になる。
図5に示すような担持体は、円周方向長さ20mm、寄り止め形状部材2の繋ぎ目部の間隔5mmであり、数量36個の寄り止め形状部材2を含んでいる。これを貼付するために、粘着材5側の保護紙4を剥がし、図6のように、ベルト形状部材1に寄り止め形状部材2を押し付けながら、36個の寄り止め形状部材2を順次貼付した。
寄り止め形状部材2のエッジ部形状サンプルとしては、図10のエッジ除去部7aのような形状で、寸法はC3(以下C3形状)、エッジの除去無し(以下C無し形状)とした。それぞれのベルト形状部材2を上述した評価ユニット10で100時間ランニングした。
寄り止め形状部材2のエッジ部7(図9)が、図10の7a、図11の7bのように除去されているため、ベルト形状部材1の回転時に、寄り止め形状部材2のエッジ部7にローラ3が引っ掛かることがないため、ベルト形状部材1の安定した回転が得られる。
結果として、C3形状のものは寄り止め形状部材2がローラ3へ乗り上げることは無かった。一方、C無し形状のものはローラ3への乗り上げが5回発生した。エッジ部を除去することで安定した回転数が得られることがわかる。
上述した寄り止め形状部材2を貼付したベルト形状部材1を搭載して、図示しない画像形成装置を使用して100時間のランニングを行なった。結果として、常に良好な画像を得ることができた。
上記構成を備えたベルト形状部材は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に使用するエンドレスベルト(中間転写ベルト、搬送ベルト、転写ベルト等に適用することができる。
本発明によれば、上述したベルト形状部材1を搭載した転写ユニットまたは画像形成装置の構成によって、色ずれ等の問題の無い、良好な画像を提供することが可能になる。
Claims (7)
- 裏面の幅方向両端縁に沿って周方向に所定間隔を隔てて寄り止め形状部材を備えたベルト形状部材であって、ローラによってエンドレスに張設されて駆動されるものにおいて、
前記ローラの外径をAとした場合、ベルト形状部材がローラに接触する巻き付け角度と、寄り止め形状部材間の周方向間隔とが次の関係式、
πA*巻き付け角度/360°>寄り止め形状部材間の周方向間隔
を満足するように構成したことを特徴とするベルト形状部材。 - 保護紙、粘着材、寄り止め形状部材、弱粘着材、保護紙の順に積層されていることを特徴とする寄り止め形状部材の担持体。
- 前記弱粘着材側の前記保護紙が温度、湿度、貼付時の力等によって伸縮しない構成を有していることを特徴とする請求項2記載の寄り止め形状部材の担持体。
- 前記寄り止め形状部材の材質が、この寄り止め形状部材を備えるユニット内で受ける力によって、このユニット内で曲率が一番小さくなる部分において、その一番小さい曲率以下に変形する剛度を有することを特徴とする請求項2又は3記載の寄り止め形状部材の担持体。
- 前記寄り止め形状部材がエッジ除去部を有することを特徴とする請求項2、3又は4記載の寄り止め形状部材の担持体。
- 請求項4又は5に記載の寄り止め形状部材の担持体を構成する寄り止め形状部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載のベルト形状部材。
- 請求項1又は6に記載のベルト形状部材を備えたことを特徴とする電子写真式の画像形成装置。
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JP2004359181A JP2006171030A (ja) | 2004-12-10 | 2004-12-10 | ベルト形状部材、担持体及び画像形成装置 |
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Citations (2)
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JP2000267506A (ja) * | 1999-03-16 | 2000-09-29 | Konica Corp | 画像形成装置及び画像形成方法とそれに用いるベルト状感光体 |
JP2003095472A (ja) * | 2001-09-20 | 2003-04-03 | Ricoh Co Ltd | ベルト寄り止め構造 |
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2004
- 2004-12-10 JP JP2004359181A patent/JP2006171030A/ja active Pending
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