JP2005126196A - ベルト駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 無端ベルト2の内周面に当接する駆動ローラ4、従動ローラ5、6を備え、無端ベルト2には内周面の片側に蛇行防止ガイド3を設け、それぞれのローラに、蛇行防止ガイド3の幅方向の移動を規制するガイド溝部7c、8cを備える蛇行防止ガイドプーリ7、ベルトガイドプーリ8を設ける。
【選択図】 図1
Description
このようなベルト駆動装置は、ローラの製作誤差により外径がばらついたり、取付誤差により取付の平行度が狂ったりして、ベルトが蛇行する問題があった。特に画像形成システムでは、このようなベルトの蛇行が画質に影響するため、ベルトの蛇行を規制しているものである。
例えば、特許文献1には、ベルト状電子写真感光体の裏面の両側縁に寄り止めガイドを形成した装置が記載されている。図4は、この構成を説明するための部分斜視図である。
図4に示したベルト駆動装置100は、無端ベルト12の内周面に1本の駆動ローラ14と3本の従動ローラ15を当接させ、駆動モータ9により駆動ローラ14を回転させて無端ベルト12を回転駆動するものである。無端ベルト12の内周面の両端縁には、断面矩形状の寄り止めガイド13A、13Bが周方向に連続して設けられている。そして、駆動ローラ14、従動ローラ15のローラ部14b、15bの両端にそれぞれ形成されたガイド面14c、15cが、寄り止めガイド13A、13Bの幅方向内側に近接して配置されている。そして、無端ベルト12が幅方向に移動しても、その端部がガイド面14c、15cに突き当てられて移動が規制され、蛇行が防止されるものである。
特許文献1に記載の技術では、図4に示したように、無端ベルト12の厚さに比べて厚い寄り止めガイド13A、13Bが無端ベルト12の両端縁に設けられるので、無端ベルト12の腰が強くなり、無端ベルト12のみの場合に比べて屈曲特性が著しく劣っていた。そのため、駆動ローラ14、従動ローラ15をある程度以上小径化するとローラ表面の曲率に追従できず、巻き掛け角が小さくなり摩擦搬送力が低下してスリップが生じる結果、速度ムラや搬送不良を起こしやすいという問題があった。また、一時的に小径に屈曲できる場合でも、寄り止めガイドにかかる繰り返し応力により寿命が短くなってしまうという問題があった。
その結果、特に電子写真式の画像形成システムなどの一部としてこのようなベルト駆動装置を用いる場合、駆動ローラなどの径はφ20mm以上としていた。そのため、高画質を維持しつつ小型化するということができないという問題があった。
特に、画像形成ユニットを転写搬送ユニット上に複数(例えば4つ)配置して色重ねを行う、いわゆるタンデム方式などのカラー画像形成システムなどでは、転写搬送ユニットの駆動ローラの偏心による走行ムラをキャンセルするために、各転写位置のスパンを転写搬送ユニットの駆動ローラ周長の整数倍(通常は、1倍、すなわち周長そのもの)としている。そのため、駆動ローラ径が画像形成ユニットの配置間隔を左右している。したがって、駆動ローラ径が小径化できないために装置が小型化できないという問題があった。
この発明によれば、複数のローラの少なくとも1本に、ガイド溝がついたガイドプーリ部が設けられるので、ガイド溝の幅方向両側の内側面により無端ベルトの幅方向の移動が規制され、無端ベルトの蛇行が防止される。その際、寄り止めガイドは、無端ベルトの幅方向のいずれか一端の近傍に設けられるので、両端に設けられた場合に比べて無端ベルトの腰を弱くすることができ、無端ベルトの屈曲特性を向上することができる。
なお、本明細書で言う屈曲とは、ローラに当接してローラ径と等しい円弧状湾曲部を形成して屈曲するという意味である。また、屈曲特性とは、そのような円弧状湾曲部を形成するために必要な諸特性であり、例えば曲げ荷重、ベルト張力や繰り返し曲げ強度などの特性である。
この発明によれば、回転駆動を行わない従動ローラにガイドプーリ部を設けるので、駆動ローラに比べて無端ベルトとの摩擦力を低減することができ、それにより、幅方向のベルト寄り力が低下する結果、ベルト蛇行の修正が容易となる。
この発明によれば、無端ベルトの一端がガイドプーリ部の外周面から飛び出すことがないので、ガイドプーリ部の外周面から飛び出すことによりその角により繰り返し折り曲げられ、そこからベルトが割れたり、ベルト蛇行の修正が困難になったりするといったことを防止することができる。
この発明によれば、小型化に適する装置とすることができる。特に、画像形成システムの小型化に適する装置とすることができる。
ここで、寄り止めガイドの厚さとは、製作誤差などによるばらつきを除外した平均的な厚さをいう。
特に、本発明のベルト駆動装置を画像形成システムに用いる場合には、高画質・小型の画像形成システムを得ることができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態に係るベルト駆動装置の概略構成を説明するための斜視部分説明図である。図2は、図1のA視方向の正面説明図である。図3は、図2のB−B断面図、C−C断面図、D−D断面図である。
ベルト駆動装置1は、無端ベルトを回転駆動できるようにしたものであって、ベルト蛇行を防止して高精度なベルト駆動を可能とするものである。そして、ベルトコンベアなどのベルト搬送装置や、プリンタなどの画像形成システムの一部として利用できる構成を備えている。画像形成システムの一部として用いられる例としては、例えば印字用紙を搬送する紙搬送ユニット、特に電子写真方式の画像形成システムでは、潜像を形成しトナー像を担持する感光体ベルトユニット、トナー像を転写保持する中間転写ユニット、転写紙を搬送する紙搬送ベルト、トナー像を転写紙に転写するとともに定着部まで搬送する転写搬送ユニットなどがある。
ベルト駆動装置1の概略構成は、図1に示したように、無端ベルト2が、互いに平行に配置された駆動ローラ4(ローラ)、従動ローラ5、5(ローラ)、および従動ローラ6(ローラ)に巻き掛けられ、大略台形状の軌道を描いて、図2の矢印方向に回転駆動可能とされるものである。その際、駆動ローラ4、従動ローラ6が台形の長い底辺をなす位置に配置され、従動ローラ5、5が、短い底辺をなす位置に配置される。これにより、駆動ローラ4、従動ローラ6の巻き掛け角が相対的に大きい構成とされる。したがって、駆動ローラ4、従動ローラ6の間のベルト面が張り側となり安定した搬送平面を形成できるようになっている。
無端ベルト2の軸方向の幅は、例えば画像形成システムでは、転写紙の最大通紙幅よりも広い幅とされる。無端ベルト2の基体材質は、合成樹脂フィルム、合成ゴムシート、金属シート、人工または天然繊維で織られた布、不織布あるいはそれらの複合体などが採用できる。合成樹脂シートの例としては、例えば、比較的硬質のポリカーボネート(PC)樹脂シートや、比較的軟質のポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂シートなどを採用することができる。
また無端ベルト2の外周面、内周面には適宜コーティングなどが施されていてもよい。
蛇行防止ガイド3の断面形状は、厚さt、幅W0とされる(図3(a)参照)。これら寸法は、無端ベルト2の材質、厚さに応じて、無端ベルト2が、後述する駆動ローラ4、従動ローラ5、6のローラ外径に沿って滑らかに屈曲できるような寸法とされる。
また蛇行防止ガイド3の材質は、例えば繰り返し曲げを受けた場合にも耐久性に優れ、柔軟性を有するポリウレタン樹脂などを採用することができる。
無端ベルト2が滑らかに屈曲できるようにするためには、蛇行防止ガイド3の厚さtを、例えば、0.8mm以上1.2mm以下とすることが好ましい。0.8mmよりも薄いと、ガイド溝部8cとの係止幅が少なすぎて溝を乗り越えやすくなり、確実な位置規制が難しくなる。また1.2mmよりも厚いと、φ15mm以下の曲率直径では湾曲させにくくなる。
この場合の厚さは製作誤差のばらつきを除外した平均的な厚さを意味する。
その概略構成は、軸部4a、ローラ部4bおよびベルトガイドプーリ8(ガイドプーリ部)からなる。
軸部4aは、金属や合成樹脂などで形成された回転軸であり、不図示の軸受により回転自在に支持されている。そして、一端側が駆動モータ9と不図示のカップリングにより結合される。駆動モータ9は、ベルト駆動装置1に組み込まれてもよいし、ベルト駆動装置1の外部に設けられていてもよい。またいずれの場合でも、軸部4aと、カップリングにより直結されるのではなく、ギヤ、ベルトなどの駆動伝達機構を介して結合されていてもよい。
ガイド溝部8cは、幅W2(ただし、W2>W0)で深さがt以上の溝断面が周方向に形成されている。
プーリ外周面8aは、無端ベルト2の内周面に対して滑らかに当接し、無端ベルト2に対する摩擦係数が、ローラ部4表面の摩擦係数以下とされる。そして、蛇行防止ガイド3がガイド溝部8cの幅W2内において幅方向に移動した場合でも、蛇行防止ガイド3の両側で無端ベルト2を支持できる幅を備えている。そのため、ベルト端部2Aがプーリ外周面8aからはみ出さないような構成とされている。
一方、ローラ部4bが適宜の幅を備えることにより、無端ベルト2の他方のベルト端部2Bは、ローラ部4bからはみ出さない構成とされている。
従動ローラ5の構成は、図3(b)に示したように、駆動ローラ4の軸部4a、ローラ部4bに代えて、軸部5a、ローラ部5aを設けたものである。
軸部5aは、金属や合成樹脂などで形成された回転軸であり、不図示の軸受により回転自在に支持される。そして、そのうちの少なくとも1本には、無端ベルト2に所定のベルト張力を与えるために不図示の付勢手段が設けられている。付勢手段は、例えば、軸受をばね部材で無端ベルト2の外周側に押圧する構成などが採用できる。
ローラ部5bは、軸部5aと同軸に形成された直径dの円柱状ローラ部材である。ただし、従動ローラ5は無端ベルト2を回転駆動するものではないので、無端ベルト2に対する表面の摩擦係数を低くして、無端ベルト2が容易にスリップできる構成することができる。無端ベルト2の走行の妨げとならない場合は、ローラ部4bと同様な材質としてもよい。
また、例えば画像形成システムの転写搬送ユニットや中間転写ユニットなどに用いられる場合は、高圧電源に接続して、トナー像を転写するための転写ローラを兼ねるような構成とすることもできる。
軸部6aは、金属や合成樹脂などで形成された回転軸であり、不図示の軸受により回転自在に支持される。
ローラ部6bは、軸部6aと同軸に形成された直径dの円柱状ローラ部材である。そして、無端ベルト2が軸方向に滑らかに移動できるように、無端ベルト2に対して摩擦係数の低い表面が形成される。
蛇行防止ガイドプーリ7は、ベルトガイドプーリ8のプーリ外周面8a、つば部8b、ガイド溝部8cに代えて、それぞれプーリ外周面7a、つば部7b、ガイド溝部7c(ガイド溝)を備える。これらは、ガイド溝部7cがガイド溝部8cの幅W2のところ、幅W1(ただし、W0<W1≦W2)を有する以外は、ベルトガイドプーリ8と同様の構成とされる。
一般に、内周面を摩擦力により回転駆動するベルト駆動装置では、種々の原因でベルト走行時にベルト蛇行を起こす。これらの原因は、例えば、無端ベルト2の内径偏差、駆動ローラ4、従動ローラ5、6設置時の平行度誤差、それぞれのローラ径の幅方向における製作誤差、ベルト張力偏差など多岐にわたる。
本実施形態のベルト駆動装置1では、ベルト端部2Aの近傍の内周面に蛇行防止ガイド3を設け、それをガイド溝部7c、8cにより幅方向に位置規制する。そのため、蛇行したとしても、蛇行の幅を、蛇行防止ガイド3の幅W0とガイド溝部7cの幅W1との差(W0−W1)の範囲に抑えることができる。
したがって、少なくともガイド溝部7cにより所望の蛇行量を規制できるようにして、ガイド溝部8cは比較的広くしておくことが好ましい。そうすれば、ガイド溝部7cに対するガイド溝部8cのベルト幅方向の配置位置がばらついても、蛇行防止ガイド3の干渉を起こさないようにできるので、ガイド溝部7c、8cの相互の配置精度が緩めることができ、組立性を向上することができるという利点がある。
このようにすることにより、ガイド溝部7cにより上流側で移動規制された状態で回転駆動されるので、下流側での蛇行発生を抑えることができるという利点がある。
また、装置の目的によっては、もっとも蛇行を防止したい位置の近傍のローラにガイド溝部7cを設けるようにしてもよい。この場合、従動ローラ5に設けてもよい。
また、ベルト端部2A、2Bが、蛇行防止ガイドプーリ7、ベルトガイドプーリ8、ローラ部6b、4b、5bからはみ出して走行すると、特に蛇行防止ガイドプーリ7、ベルトガイドプーリ8の幅方向端部のエッジにより、無端ベルト2が折り曲げられる場合がある。そのような場合、無端ベルト2が硬質の材質では折り曲げ部で割れが生じて寿命が短くなったり、軟質の材質でははみ出す方向にベルト寄りが加速されて蛇行の修正が困難になったりするという問題が生じる。
しかしながら、本実施形態では、ベルト端部2A、2Bがそれらからはみ出さない構成とされるので、長寿命で蛇行修正が容易となる装置とすることができるという利点がある。
そして、駆動ローラなどを小径化できるので、装置の小型化を図ることができるという利点がある。
特に、タンデム方式で色重ねを行うカラー画像形成システムの場合は、転写位置での色重ね誤差をキャンセルするため、各色の画像形成ユニットの間隔が転写搬送ユニットの駆動ローラ径の整数倍(通常は1倍)に設計され、実質的に転写搬送ユニットの駆動ローラ径で装置全体の大きさが決まるものである。
例えば4色の色重ねを行う場合、駆動ローラ径がΔdだけ縮小できると、各画像形成ユニットの間隔が長さ(π・Δd)だけ短縮できるので、合計ではその3倍の長さが短縮できる。例えば、φ20mmのローラをφ15mmとすれば、約47mmだけ、搬送長さを短縮できるものである。
この場合には、部品点数を低減することができるので低コストの装置とすることができる。
2 無端ベルト
2A ベルト端部(幅方向の一端)
2B ベルト端部
3 蛇行防止ガイド(寄り止めガイド)
4 駆動ローラ
5、6 従動ローラ
7 蛇行防止ガイドプーリ(ガイドプーリ部)
7a、8a プーリ外周面
7c、8c ガイド溝部(ガイド溝)
8 ベルトガイドプーリ(ガイドプーリ部)
9 駆動モータ
Claims (4)
- 平滑な内周面を有する無端ベルトと、
該無端ベルトを周方向に回転させるために前記内周面に配置された複数のローラとを備えるベルト駆動装置であって、
前記無端ベルトには、その幅方向のいずれか一端の近傍の内周面に、周方向に連続する突起状の寄り止めガイドが設けられ、
前記複数のローラの少なくとも1本には、前記無端ベルトに当接する外周面と、前記寄り止めガイドの幅方向の移動を規制するガイド溝とを備えるガイドプーリ部が設けられたことを特徴とするベルト駆動装置。 - 前記ガイドプーリ部が、前記複数のローラのうち、従動ローラに設けられたことを特徴とする請求項1に記載のベルト駆動装置。
- 前記ガイドプーリ部により、前記無端ベルトの一端が前記ガイドプーリ部の外周面から飛び出さないように移動規制されることを特徴とする請求項1または2に記載のベルト駆動装置。
- 前記複数のローラのうち少なくとも1本のローラの直径がφ15mm以下であって、前記寄り止めガイドの厚さが0.8mm以上1.2mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のベルト駆動装置。
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- 2003-10-23 JP JP2003363592A patent/JP2005126196A/ja active Pending
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