JP2012213835A - 切削工具、加工装置および切削工具を用いた加工方法 - Google Patents

切削工具、加工装置および切削工具を用いた加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易に、かつ精度良く軸方向に沿って山部と谷部が交互に形成されるように加工することが可能な切削工具、加工装置および切削工具を用いた加工方法を提供することを目的とする。
【解決手段】断面が半円の凹状部分に対して、軸方向に沿って山部と谷部が交互に形成されるように加工する切削工具1において、谷部に対応した形状であって、谷部の内周径よりも小さい直径を有する一つまたは二つの大径部5,7と、山部に対応した形状であって、大径部よりも小さい直径を有する二つまたは三つの小径部4,6,8と、軸方向に対して所定のねじれ角を有する刃が大径部および小径部に形成されたカッター部10とを備え、大径部と小径部が切削工具1の軸方向に沿って交互に配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、断面が半円の凹状部分に対して、軸方向に沿って山部と谷部が交互に配置されるように加工する切削工具、加工装置および切削工具を用いた加工方法に関するものである。
金属材料を切削して雌ねじを形成する方法としては、特許文献1のようなねじ切りフライス加工や、特許文献2のようなタップを用いたねじ立て加工が知られている。ねじ切りフライス加工は、タップの場合と比べてねじ穴の径ごとに工具を用意する必要がなく、ねじの断面形状が一致すれば一つの工具でねじ切りが可能である。
特開平7−285025号公報 特開2008−272856号公報
ところで、雌ねじとは異なり、図18に示すように、金属部材の半円筒形状の凹状部分に対して、凹凸が繰り返された溝26を形成することがある。溝26には、内面において、軸方向に沿って山部24と谷部23が交互に形成される。
この溝26は、図15〜図17に示すような、例えばタービン動翼の止翼をロータに固定するマクギニスピース41,42の表面形状に対応している。マクギニスピース41,42は、外周面において軸方向に沿って山部44と谷部43が交互に配置されている。マクギニスピース41,42は、二つの部材を組み合わせることで、棒状部材となる。
このようなマクギニスピース41,42に対応した図18に示す溝26を止翼21に形成するため、関連技術として、図19に示す切削工具61を使用していた。切削工具61は、図19に示すように、柄部62と、柄部62の一端側に形成され被削材を切削するカッター部64と、複数の大径部65と、複数の小径部66と、一つの大径部67と、切り屑を排出する排出溝部69を有する。大径部65と小径部66は、軸方向に沿って交互に配置される。大径部65は、図18に示す止翼21の翼根部27に形成された溝26のうち谷部23に対応し、谷部23による内周径と大径部65の直径とが同一径であり、小径部66は、山部24に対応し、山部24による内周径と小径部66の直径とが同一径である。また、切削工具61の先端に設けられた大径部67は、図18に示す溝26のうち底部25に対応する。
このような切削工具61を使用して溝26を止翼21の翼根部27に形成する方法について、以下に説明する。まず、加工前の止翼21をバイスに固定し、例えば超硬スローアウェイ工具によって、止翼21の翼根部27の表面に半円筒形状の凹状部分を形成する。そして、図20および図21に示すように、半円筒形状の凹状部分の内面全面に対して、切削工具61を押し当てつつ、図21中の矢印Cのように切削工具61を軸回転させながら、谷部23と山部24からなる溝26が形成されるように切削していく。この際、溝26を形成するためには、都度計測して寸法確認や位置調整をしながら手作業によって切削加工していた。図20は、止翼21の縦断面図であり、図21は、止翼21を翼根部27の底面から見た側面図である。
しかし、切削工具61による加工では、(1)表面が滑らかに仕上がらない、(2)切削時に切削工具61が逃げるため加工部分に芯ずれが発生する、(3)切削工具61が折損する、(4)切削工具61の再研磨をすると工具径が小さくなり使用できなくなる、といった問題が生じた。
そのため、止翼21の翼根部27に溝26を形成するには、熟練者による作業が必要であった。さらに、二つの溝26を形成する時間が例えば約8時間かかるなど多大な時間がかかり、溝26の形成が止翼21の製造工程におけるボトルネックとなっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、断面が半円の凹状部分に対して、簡易に、かつ精度良く軸方向に沿って山部と谷部が交互に配置されるように加工することが可能な切削工具、加工装置および切削工具を用いた加工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の切削工具、加工装置および切削工具を用いた加工方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る切削工具は、断面が半円の凹状部分に対して、軸方向に沿って山部と谷部が交互に形成されるように加工する切削工具において、谷部に対応した形状であって、谷部の内周径よりも小さい直径を有する一つまたは二つの大径部と、山部に対応した形状であって、大径部よりも小さい直径を有する二つまたは三つの小径部と、軸方向に対して所定のねじれ角を有する刃が大径部および小径部に形成されたカッター部とを備え、大径部と小径部が軸方向に沿って交互に配置される。
本発明によれば、一つまたは二つの大径部と、二つまたは三つの小径部と、カッター部を有する切削工具によって、断面が半円の凹状部分に、山部と谷部が交互に配置されるように加工される。その結果、断面が半円の凹状部分の内壁が蛇腹状に形成される。ここで、山部とは、切削工具の小径部によって形成される部分であって、蛇腹状の内壁のうち凹状部分の内側に向かって突起した部分である。また、谷部とは、切削工具の大径部によって形成される部分であって、蛇腹状の内壁のうち凹状部分の外側に向かってくぼんだ部分である。大径部が一つまたは二つであることから、大径部および小径部が多数ある切削工具に比べて、刃長が短く切削抵抗が小さい。その結果、加工時において切削工具が逃げを起こしづらくなり、加工部分の位置ずれや芯ずれが発生しにくくなる。また、加工時の切削音を小さくすることができる。
また、大径部の直径が、谷部によって形成される内周径よりも小さいことから、切削工具は、該切削工具の軸方向に対して平行な軸を有する円周軌道に沿って移動し且つ、該切削工具の軸線周りに回転して、上記凹状部分を加工する。加工によって形成される谷部による内周径と、切削工具の大径部の直径とが同一径である場合に比べて、被加工対象物と切削工具が当接している面積が少なくなり、摩擦が小さく切削抵抗が小さい。その結果、加工時において切削工具が逃げを起こしづらくなり、加工部分の位置ずれや芯ずれが発生しにくくなる。また、再研磨が可能となるため、大径部および小径部が摩耗しても再研磨をすることで再度使用することができる。
切削工具によって加工された凹状部分は、例えばタービン動翼の止翼をロータに固定する固定金具の表面形状に対応している。固定金具は、棒状部材であり、外周面において軸方向に沿って山部と谷部が交互に配置されている。なお、この固定金具は、マクギニスピースと呼ばれることもある。
上記発明において、大径部および小径部と同一軸を有し、大径部および小径部を支持する支持部をさらに備え、加工時において、支持部の外周面が山部の最内周面から0.5mm以上2mm以下離れるように、支持部の直径が設定されてもよい。
本発明によれば、加工時において、支持部の外周面が、凹状部分に形成される山部の最内周面から0.5mm以上2mm以下離れるため、支持部が凹状部分の山部に接触することがない。また、支持部が可能な限り太く設定されていることから、支持部の強度を確保でき、切削工具の折損を防止できる。
また、本発明に係る加工装置は、上記切削工具を備え、切削工具は、当該切削工具の軸方向に対して平行な軸の円周軌道に沿って移動し且つ、軸線周りに回転する。
本発明によれば、切削工具は、該切削工具の軸方向に対して平行な軸を有する円周軌道に沿って移動し且つ、軸線周りに回転して、凹状部分を加工する。大径部の直径が、谷部によって形成される内周径よりも小さい場合、加工によって凹状部分に形成される谷部による内周径と、切削工具の大径部の直径とが同一径であるに比べて、被加工対象物と切削工具が当接している面積が少なくなり、摩擦が小さく切削抵抗が小さい。その結果、加工時において切削工具が逃げを起こしづらくなり、加工部分の位置ずれや芯ずれが発生しにくくなる。また、再研磨が可能となるため、大径部および小径部が摩耗しても再研磨をすることで再度使用することができる。
また、本発明に係る切削工具を用いた加工方法は、一つまたは二つの大径部と、大径部よりも小さい直径を有する小径部と、切削工具の軸方向に対して所定のねじれ角を有する刃が大径部および小径部に形成されたカッター部とを備え、大径部と小径部が軸方向に沿って交互に形成された切削工具を用いた加工方法であって、切削工具は、該切削工具の軸方向に対して平行な軸の円周軌道に沿って移動し且つ、軸線周りに回転しながら、断面が半円の凹状部分を切削するステップと、二つの大径部間の間隔を1ピッチとしたとき、凹状部分と切削工具とを軸方向へ1ピッチごと相対移動させるステップとを含む。
本発明によれば、切削工具が軸方向に対して平行な軸の円周軌道に沿って移動しながら軸線周りに回転することによって、断面が半円の凹状部分が切削される。凹状部分には、切削工具の大径部に対応して谷部が形成され、切削工具の小径部に対応して山部が形成される。そして、二つの大径部間の間隔を1ピッチとしたとき、切削工具は凹状部分に対して1ピッチごと軸方向へ相対移動する。したがって、凹状部分には、山部と谷部が軸方向に1ピッチずつ形成されていき、繰り返されることで、軸方向に沿って山部と谷部が交互に配置されるように加工される。
また、大径部が一つまたは二つであることから、大径部および小径部が多数ある切削工具に比べて、刃長が短く切削抵抗が小さい。その結果、加工時において切削工具が逃げを起こしづらくなり、加工部分の位置ずれや芯ずれが発生しにくくなる。また、加工時の切削音を小さくすることができる。
さらに、大径部が二つである場合、例えば1番目の大径部による谷部の形成の後、1ピッチ分軸方向に切削工具が移動すると、2番目の大径部が1番目の大径部によって形成された谷部をさらに切削することになる。その結果、大径部が二つあることによって、1パスで荒削りと仕上げ削りを行うことができる。一方、大径部が一つである場合は、一つの山部を形成するために荒削りと仕上げ削りで2パス必要である。そのため、大径部が二つであれば効率良く凹状部分を加工できる。
上記発明において、大径部の形状が異なる別の切削工具を用いて、別の切削工具は、別の切削工具の軸方向に対して平行な軸の円周軌道に沿って移動し且つ、軸線周りに回転しながら、凹状部分を切削するステップをさらに含んでもよい。
本発明によれば、凹状部分において、軸方向に沿って山部と谷部が交互に配置されるように加工された部分とは別に、別の切削工具の大径部に対応した形状を有する谷部が形成される。たとえば、凹状部分の端部に軸方向に長い谷部を形成したい場合に、軸方向に長い大径部を有する別の切削工具を用いることで、凹状部分に所望の形状を形成できる。
断面が半円の凹状部分に対して、簡易に、かつ精度良く軸方向に沿って山部と谷部が交互に配置されるように加工することができる。
本発明の一実施形態に係る切削工具を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る切削工具を示す端面図である。 本発明の一実施形態の変更例に係る切削工具を示す側面図である。 切削工具によって止翼の翼根部を加工している状態を示す概略図である。 切削工具によって止翼の翼根部を加工している状態を示す概略図である。 切削工具によって止翼の翼根部を加工している状態を示す概略図である。 切削工具と止翼の翼根部に形成された溝との関係を示す概略図である。 止翼を示す縦断面図である。 止翼を示す部分斜視図である。 止翼を示す縦断面図である。 ロータを示す縦断面図である。 止翼およびロータを示す縦断面図である。 ロータに取り付けられた止翼を示す縦断面図である。 ロータに取り付けられた止翼および動翼を示す上面図である。 マクギニスピースを示す側面図である。 マクギニスピースを示す上面図である。 マクギニスピースを示す側面図である。 止翼の翼根部に形成された溝を示す上面図である。 関連技術の切削工具を示す側面図である。 切削工具によって止翼の翼根部を加工している状態を示す概略図である。 切削工具によって止翼の翼根部を加工している状態を示す概略図である。 図1の切削工具の大径部を一つとした場合の他の一実施形態を示す側面図である。
以下に、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
マクギニスピース41,42は、図15および図17に示すように、半円筒状の二つの部材を組み合わせることで、円筒状の棒状部材となる。マクギニスピース41,42は、円周面において軸方向に沿って谷部43と山部44が交互に配置されている。マクギニスピース41は、マクギニスピース42と異なり、頭部45が設けられ、図16に示すように、組み合わされたマクギニスピース41,42を回転させるための六角穴47が頭部45に形成される。
次に、マクギニスピース41,42の使用方法について説明する。
止翼21は、蒸気タービンのロータ31において、図14に示すように、ロータ31へ複数の動翼51を固定するために使用される。マクギニスピース41,42は、止翼21をロータ31へ固定するために使用される。
動翼51は、シュラウド部、プロファイル部、ルート部からなり、Tルートタイプの動翼51は、ルート部の形状がT形形状である。止翼21以外の複数の動翼51は、ロータ31に形成された翼溝33内へ、順にロータ31の表面方向に沿ってスライドされながら挿入される。図14は、動翼51が翼溝33へ挿入された状態を示している。翼溝33は、動翼51のルート部に合わせて、溝長手方向に対して垂直方向に切断した断面がT形であり、底部の面積が開口部の面積に比べて広い。そのため、動翼51はロータ31の半径方向外側へ抜けることはない。
止翼21は、全ての動翼51が挿入された後、ロータ31の半径方向に沿って挿入される。そして、止翼21は、マクギニスピース41,42によってロータ31に固定される。図10の縦断面図に示すように、止翼21は翼根部27に溝26が形成される。また、図11の縦断面図に示すように、翼溝33は止翼21が挿入される部分の側面に溝34が形成される。溝26,34は、マクギニスピース41,42の円周面に設けられた谷部43と山部44に対応する凹凸が形成されている。
そして、図12に示すように、マクギニスピース41が止翼21の翼根部27に形成された溝26に嵌められ、マクギニスピース42が翼溝33の溝34に嵌められる。マクギニスピース41とマクギニスピース42は、組み合わされて互いに接触する面は平滑であるため、マクギニスピース41が嵌められた止翼21を、マクギニスピース42が嵌められた翼溝33へ挿入可能である。止翼21を翼溝33へ挿入した結果、図13および図14に示すように、止翼21が二つの動翼51間に隙間なく収容され、複数の動翼51が翼溝33内でスライドすることを防止できる。
そして、マクギニスピース41,42を、図14の矢印に示すように、90°回転させる。この結果、マクギニスピース41とマクギニスピース42間の接触面と、止翼21の翼根部27の外周面とロータ31の翼溝33の内周面の間の接触面が互いに直交関係にある。また、マクギニスピース41,42は、溝26,34に嵌め合わされている。したがって、止翼21は、ロータ31の半径方向に抜けることはない。
次に、本発明の一実施形態に係る切削工具1について説明する。
切削工具1は、図18に示すようなマクギニスピース41,42に対応した溝26を翼根部27に形成するために使用される。溝26には、内面において、軸方向に沿って山部24と谷部23が交互に配置される。その結果、断面が半円の凹状部分の溝26の内壁が蛇腹状に形成される。ここで、山部24とは、切削工具1の小径部4,6,8によって形成される部分であって、蛇腹状の内壁のうち凹状部分の内側に向かって突起した部分である。また、谷部23とは、切削工具1の大径部5,7によって形成される部分であって、蛇腹状の内壁のうち凹状部分の外側に向かってくぼんだ部分である。
切削工具1は、図1に示すように、柄部2と、首部3と、首部3の一端側に設けられ、被削材を切削するカッター部10と、二つの大径部5,7と、三つの小径部4,6,8と、切り屑を排出する排出溝部9を有する。カッター部10は、軸方向に対して所定のねじれ角を有しており、ねじれ角が設けられない場合に比べて切削性が良い。カッター部10のねじれ角の角度は例えば10°、すくい角の角度は例えば10°である。なお、図2に切削工具1の端面図を示す。
大径部5,7と小径部4,6,8は、軸方向に沿って、切削工具1の先端側から小径部4,大径部5、小径部6、大径部7、小径部8の順番に同一軸上に配置される。大径部5,7は、止翼21の溝26のうち谷部23に対応した形状を有し、小径部4,6,8は、山部24に対応した形状を有する。大径部5,7の直径は、溝26の谷部23によって形成される内周径よりも小さい直径を有する。小径部4,6,8の直径は大径部5,7よりも小さい。
切削工具1は、図19で示したような大径部65と小径部66が多数ある関連技術の切削工具61と比べて、被削材を切削するための刃長が短く、切削時の切削抵抗が小さい。その結果、切削時において切削工具1が逃げを起こしづらくなり、切削部分の位置ずれや芯ずれが発生しにくくなる。また、加工時の切削音を小さくすることができる。また、切削工具1の再研磨が可能となるため、大径部5,7および小径部4,6,8が摩耗しても再研磨をすることで再度使用することができる。
首部3は、支持部の一例であり、大径部5,7および小径部4,6,8と同一軸を有し、大径部5,7および小径部4,6,8を支持する。首部3は、切削工具1を用いて溝26を形成する際に、溝26の山部24の最内周面に最も近接する首部3の外周面が、山部24の最内周面から0.5mm以上2mm以下離れるように、首部3の直径が設定されるが、より好ましくは0.5mm以上1mm以下である。
図7に示すとおり、首部3の長さLは溝26の軸方向長さLに依存する。首部3の長さLが長くなるほど、切削工具1の強度が低下する。また、加工対象物の止翼21が小型である場合、首部3が細くなってしまい強度が低下する。そのため、首部3の直径Dは、可能な限り太いほうが望ましい。したがって、上述の通り、溝26の山部24の最内周面から首部3の外周面までの距離Dに基づいて、首部3の直径Dを設定することで、首部3が溝部26の山部24に接触することがなく、さらに首部3を可能な限り太くできることから、首部3の強度を確保でき、切削工具1の折損を防止できる。
上述した切削工具1は、数値制御プログラムによって制御される加工装置(例えばマシニングセンター)に設置され、加工装置によって駆動される。切削工具1は、切削工具1の軸方向に対して平行に移動する軸送り、切削工具1の軸方向に対して平行な中心軸を有する円周上を移動する円周送り、切削工具1の軸を中心にして回転する軸回転といった動作をする。これらの動作を組み合わせることで、切削工具1は、止翼21の翼根部27を切削して、翼根部27に溝26のうち谷部23と山部24を形成できる。
次に、切削工具11について説明する。切削工具11は、切削工具1とは異なり、図18に示す溝26の底部25を形成するために使用される。底部25は、止翼21の翼根部27に形成される溝26内面の端部に形成され、マクギニスピース41の頭部45の形状に対応する。
切削工具11は、図3に示すように、柄部2と、首部3と、首部3の一端側に設けられ、被削材を切削するカッター部12と、一つの大径部13と、切り屑を排出する排出溝部9を有する。
大径部13は、止翼21の翼根部27に形成された溝26のうち底部25に対応した形状を有する。切削工具11も、切削工具1と同様に、加工装置に設置され、加工装置によって駆動される。切削工具11は、軸送り、円周送り、軸回転といった動作によって、止翼21の翼根部27を切削して、翼根部27に溝26のうち底部25を形成する。
次に、切削工具1,11を用いた加工方法について説明する。
まず、加工前の止翼21をバイスに固定し、例えば超硬スローアウェイ工具によって、止翼21の翼根部27の表面に半円筒形状の凹状部分を形成する。そして、切削工具1を図6の矢印Aに示すように軸回転させながら、矢印Bに示すように円周送りをさせて、凹状部分に谷部23と山部24を形成していく。
切削工具1の大径部5,7の直径は、溝26の谷部23によって形成される内周径よりも小さい直径を有することから、図6の矢印Bに示すような円周送りをしながら切削する。円周送りの軌道は、切削工具1の軸とは異なり、切削工具1の軸方向に対して平行な軸を有する円である。
このとき、図20および図21で示したような、形成する溝26と切削工具61の大径部の直径とが同一径である関連技術に比べて、本実施形態は、被削材と切削工具1とが互いに当接している面積が少なくなり、摩擦が小さく切削抵抗が小さい。その結果、加工時において切削工具1が逃げを起こしづらくなり、切削部分の位置ずれや芯ずれが発生しにくくなる。また、切削工具1の再研磨が可能となるため、大径部5,7および小径部4,6,8が摩耗しても再研磨をすることで再度使用することができる。
次に、大径部5と大径部7との間の間隔を1ピッチとしたとき、切削工具1は凹状部分22に対して1ピッチごと軸方向へ相対移動する。すなわち、図4に示すように、まず1ピッチ目で、切削工具1の大径部5,7と小径部4,6が、凹状部分22を切削して、谷部23a,23bと、山部24a,24bを形成する。次に、切削工具1が相対的に1ピッチ分軸送りされ、図5に示すように、2ピッチ目で、切削工具1の小径部4で新たに山部24cを形成し、大径部5が新たに谷部23cを形成する。このとき、小径部6で、1ピッチ目で小径部4が形成した山部24bを仕上げ加工し、大径部7で、1ピッチ目で大径部5が形成した谷部23bを仕上げ加工し、小径部8で、1ピッチ目で小径部6が形成した山部24aを仕上げ加工する。
このように、凹状部分22には、山部24と谷部23が軸方向に1ピッチずつ形成されていき、繰り返されることで、軸方向に沿って山部24と谷部23が交互に配置されるように加工される。
そして、1番目の大径部5による谷部23の形成の後、1ピッチ分軸方向に切削工具1が移動すると、2番目の大径部7が1番目の大径部5によって形成された谷部23をさらに切削することになる。その結果、大径部が二つあることによって、1パスで荒削りと仕上げ削りを行うことができる。
最後に、底部25を切削するための切削工具11へ工具を交換し、切削工具11を用いて凹状部分22に対して底部25を形成する。これにより、図18に示すような溝26を止翼21に形成できる。
以上、本実施形態の切削工具1を用いて溝26を形成した結果、寸法精度は例えば図8および図9のようになった。例えば、図8に示すように、溝26の深さ方向の精度は、公差±0.02mm以内であり、対向する二つの溝26がほぼ平行となった。また、図9に示すように、溝26の幅方向の精度は、公差±0.02mm以内であり、溝26の長手方向は止翼21の長手方向に対して傾いておらず、ほぼ平行となった。したがって、刃長が短い二つの大径部5,7によって切削を行っていくことで、切削工具1の逃げによって溝26の芯のずれがほとんど発生しないことが確認できた。
また、1ピッチごとに切削を行っていくことで、切削音が小さくなり、切削抵抗が抑えられたことも確認できた。さらに、溝26の表面を目視で確認したところ、面粗度が向上していることが分かった。したがって、マクギニスピース41,42を溝26内でスムーズに回転させることができる。そして、関連技術の切削工具61による加工では、精度良く溝26を形成するために、熟練者による作業が必要であり、さらに多大な時間がかかったところ、本実施形態では、マシニングセンターを用いて、仕上げ加工に要する時間を短縮でき、例えば約8時間かかった作業を約4時間に短縮できた。また、作業者の熟練度によらずに精度良く溝26を形成することができた。
さらに、切削工具1は、形状を溝26の形状に合わせていた関連技術の切削工具61と異なり、大径部5,7の直径は、溝26の谷部23によって形成される内周径よりも小さい直径を有する。そのため、切削工具61では、再研磨すると径が細くなり、所望の溝26を形成できなくなることから、再研磨できなかった。一方、本実施形態の切削工具1は、再研磨して工具を利用することができ、工具の長寿命化を図れる。また、関連技術の切削工具61では、溝26の長さや幅のサイズに合わせて工具を作成する必要があった。一方、本実施形態では、溝26の山部24、谷部23の形状が同じであれば、一つの切削工具1は、さまざまなサイズの溝26の形成に兼用することもできる。
なお、上記説明では、切削工具1が二つの大径部5,7を有する場合について説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、図22に示すように切削工具14の大径部16が一つの場合でも、刃長が短くなることから、切削抵抗が少なく切削性を向上させることができ、加工中の切削工具14の逃げを防止できる。なお、切削工具1の大径部5,7のように大径部が二つであれば荒削りと仕上げ削りを同時に進行できるため、効率良く凹状部分を加工できるが、図22に示すように、大径部16が一つである場合は、被加工対象物の山部24は小径部15,17で形成され、谷部23は大径部16にて形成される。そのため、一つの山部24および一つの谷部23を形成するために荒削りと仕上げ削りで2パス必要である。
1,11,14,61 切削工具
2,62 柄部
3 首部(支持部)
4,6,8,15,17,66 小径部
5,7,13,16,65,67 大径部
9,69 排出溝部
10,12,64 カッター部
21 止翼
23 谷部
24 山部
25 底部
26 溝
27 翼根部
31 ロータ
41,42 マクギニスピース
43 谷部
44 山部
45 頭部
51 動翼

Claims (5)

  1. 断面が半円の凹状部分に対して、軸方向に沿って山部と谷部が交互に形成されるように加工する切削工具において、
    前記谷部に対応した形状であって、前記谷部の内周径よりも小さい直径を有する一つまたは二つの大径部と、
    前記山部に対応した形状であって、前記大径部よりも小さい直径を有する二つまたは三つの小径部と、
    軸方向に対して所定のねじれ角を有する刃が前記大径部および前記小径部に形成されたカッター部と、
    を備え、
    前記大径部と前記小径部が軸方向に沿って交互に配置された切削工具。
  2. 前記大径部および前記小径部と同一軸を有し、前記大径部および前記小径部を支持する支持部をさらに備え、
    加工時において、前記支持部の外周面が前記山部の最内周面から0.5mm以上2mm以下離れるように、前記支持部の直径が設定される請求項1に記載の切削工具。
  3. 請求項1または2に記載の切削工具を備え、
    前記切削工具は、該切削工具の軸方向に対して平行な軸の円周軌道に沿って移動し且つ、軸線周りに回転する加工装置。
  4. 一つまたは二つの大径部と、前記大径部よりも小さい直径を有する小径部と、軸方向に対して所定のねじれ角を有する刃が前記大径部および前記小径部に形成されたカッター部とを備え、前記大径部と前記小径部が軸方向に沿って交互に形成された切削工具を用いた加工方法であって、
    前記切削工具は、該切削工具の軸方向に対して平行な軸の円周軌道に沿って移動し且つ、軸線周りに回転しながら、断面が半円の凹状部分を切削するステップと、
    二つの前記大径部間の間隔を1ピッチとしたとき、前記凹状部分と前記切削工具とを軸方向へ1ピッチごと相対移動させるステップと、
    を含む切削工具を用いた加工方法。
  5. 前記大径部の形状が異なる別の切削工具を用いて、前記別の切削工具は、該別の切削工具の軸方向に対して平行な軸の円周軌道に沿って移動し且つ、軸線周りに回転しながら、前記凹状部分を切削するステップをさらに含む請求項4に記載の切削工具を用いた加工方法。
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