JP2012213077A - デジタル信号処理装置およびデジタル信号処理方法 - Google Patents

デジタル信号処理装置およびデジタル信号処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】棚型特性(または階段特性)を有するIIR型フィルタを複数段直列接続して構成されるフィルタを含み、周波数値およびゲイン値の組からなる複数組の設定値を設定して、これらの設定値を通過する任意の周波数応答特性を実現するデジタル信号処理装置およびデジタル信号処理方法を提供する。
【解決手段】デジタル信号処理装置1は、フィルタ設定部6が、フィルタ部の実現周波数応答特性Hを算出し、希望周波数応答特性Dと実現周波数応答特性Hとの誤差Eを算出する誤差算出部63を有し、周波数値fnにおける希望周波数応答特性Dの傾きを算出して対応するIIR型フィルタSnの次数Mを選択し、かつ、誤差算出部63からの出力を受けて誤差Eを小さくするように補正値Tnを算出し、補正値Tnを用いてデジタルフィルタ部4の複数のIIR型フィルタSnのゲイン値gnを補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、音声信号に所定の周波数応答特性を与えるデジタル信号処理装置およびデジタル信号処理方法に関し、特に、棚型特性(または階段特性)を有するIIR型フィルタ(Shelving Filter、シェルビングフィルタ)を複数段直列接続して構成されるフィルタを含み、周波数値およびゲイン値の組からなる複数組の設定値を設定して、これらの設定値を通過する任意の周波数応答特性を実現するデジタル信号処理装置およびデジタル信号処理方法に関する。
音声信号を再生するAVレシーバー等の映像音響機器、あるいは、パーソナルコンピューター等の電子計算機では、希望する周波数値およびゲイン値を複数組入力して音声信号に所定の周波数応答特性を与えるイコライザーを実現するデジタル信号処理装置またはデジタル信号処理方法を含むものがある。所定の周波数応答特性を与えるイコライザーとしては、代表的には周波数が固定されるグラフィックイコライザーがあり、また、周波数が可変できるパラメトリックイコライザーがある。これらのイコライザーは、複数のバンドパスフィルタ(あるいはピーキングフィルタ)を含む場合が多い。
ただし、従来のバンドパスフィルタを用いるパラメトリックイコライザーでは、任意の周波数値およびゲイン値の組からなる設定値を複数組自由に設定して、所望の周波数応答特性を有するイコライザーを実現しようとしても、個々のバンドパスフィルタが相互に影響しあって、これらの設定値を通過する周波数応答特性を実現できない場合がある。つまり、所定の帯域を通過させるバンドパスフィルタを複数用いる構成では、通過周波数帯域が隣接するフィルタ同士の間で重畳する帯域が存在するので、周波数応答特性がある1点で任意の周波数値およびゲイン値を通過したとしても、他の点では任意の周波数値およびゲイン値からずれてしまう場合がある。
例えば、従来には、他のバンドからの漏れゲインが影響する場合にも適正に目標特性が得られるようにゲイン調整を行うように、入力信号の所定複数の周波数バンドごとにゲインを可変設定するように構成されたゲイン設定手段と、上記周波数バンドごとに目標のゲインが得られるようにするにあたり、少なくとも互いに隣接する周波数バンドについて、一方の周波数バンドに目標のゲイン値が設定された場合の他方の周波数バンドへの漏れゲイン値を得ると共に、更新処理として、上記一方の周波数バンドから上記他方の周波数バンドへの漏れゲイン値に基づき上記他方の周波数バンドに設定されるべきゲイン値を更新する処理と、この更新されたゲイン値が設定された場合における上記他方の周波数バンドからの漏れゲイン値に基づき上記一方の周波数バンドに設定されるべきゲイン値を更新する処理とを交互に繰り返し行った結果に基づき、上記ゲイン設定手段により各周波数バンドごとに設定されるべきゲイン値を調整するゲイン調整手段と、を備えることを特徴とする信号処理装置がある(特許文献1)。
また、従来には、バンドパスフィルタに代えて棚型特性(または階段特性)を有するシェルビングフィルタを複数直列に接続して、任意の周波数値およびゲイン値の組からなる複数の設定値を通過する周波数応答特性を実現するイコライザーがある(特許文献2)。例えば、シェルビングフィルタを並列接続するローパスフィルタおよびハイパスフィルタで構成するものとして、n−1個の周波数限界点によって区分された隣接するn個の周波数範囲を有するデジタル信号用の等化装置において、等化装置は縦続接続されたn−1個のフィルタ回路と、制御ユニットとを具備し、前記縦続接続されたn−1個のフィルタ回路のそれぞれは前記n−1個の周波数限界点のそれぞれ1つに対応して設けられており、各フィルタ回路は、そのフィルタ回路に対応する周波数限界点を周波数限界とする1個のデジタルローパスフィルタと1個のデジタルハイパスフィルタとの並列回路により構成され、それらのデジタルローパスフィルタおよびデジタルハイパスフィルタはそれぞれ相補的な伝達関数を有しており、それらデジタルローパスフィルタおよびデジタルハイパスフィルタの通過帯域の利得はそれらの出力を加重する手段によって調節可能に構成され、各フィルタ回路はさらに加重する手段を介して並列に出力されるデジタルローパスフィルタの出力とデジタルハイパスフィルタの出力とを結合してそのフィルタ回路の出力として出力する結合段を備えており、前記制御ユニットは前記縦続接続されたn−1個のフィルタ回路のそれぞれに設けられている前記デジタルローパスフィルタとデジタルハイパスフィルタの出力の加重量を制御するように構成され、各周波数限界点の両側の隣接する2つの周波数範囲においては周波数の増加された周波数範囲のほうが振幅を増加させるときには、前記制御ユニットによってその周波数限界点に対応するフィルタ回路のデジタルハイパスフィルタからの出力信号がデジタルローパスフィルタからの出力信号よりも大きな加重を割当てられ、各周波数限界点の両側の隣接する2つの周波数範囲においては周波数の増加された周波数範囲のほうが振幅を減少させるときには、前記制御ユニットによってその周波数限界点に対応するフィルタ回路のデジタルローパスフィルタからの出力信号がデジタルハイパスフィルタからの出力信号よりも大きな加重を割当てられるように構成されている等化装置がある(特許文献3)。
特開2007−166195号公報 (第1図〜第10図) 国際公開第2009/112825号パンフレット(第1図〜第11図) 特許第4259626号公報 (第1図〜第10図)
特許文献2のシェルビングフィルタを複数直列に接続するイコライザーでは、従来のバンドパスフィルタ、または、ピーキングフィルタの場合よりも任意の周波数値およびゲイン値の組からなる複数の設定値を通過する周波数応答特性を実現しやすいという利点がある。ただし、特許文献2のイコライザーの設計方法では、直列に接続する全てのシェルビングフィルタをそれぞれ決定してから、実現する周波数応答特性と希望する周波数応答特性との誤差を測定し、これを補正することになっており、イコライザーを実現するデジタル信号処理装置としては実装が容易でない、という問題がある。また、デジタル信号処理でシェルビングフィルタを実現する場合に、特に次数Mが2以上の高次のIIRフィルタ(再帰形フィルタ、巡回形フィルタ)を用いるときに棚型特性のカットオフ周波数を指定する演算手法を採用すると、IIRフィルタの次数Mを適切に決定するのが難しいという問題がある。
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、棚型特性(または階段特性)を有するIIR型フィルタを複数段直列接続して構成されるフィルタを含み、周波数値およびゲイン値の組からなる複数組の設定値を設定して、これらの設定値を通過する任意の周波数応答特性を実現するデジタル信号処理装置およびデジタル信号処理方法を提供することにある。
本発明のデジタル信号処理装置は、音声信号に所定の周波数応答特性を与えるデジタル信号処理装置であって、音声信号を入力する入力部と、音声信号を出力する出力部と、入力部と出力部との間に接続されて、カットオフ周波数fcnおよびゲインgnを示す棚型特性Hnを有するM次(M:1以上の整数)のIIR型フィルタSnを複数N段(N:2以上の整数)直列接続して構成されるフィルタ部と、周波数値Fnおよびゲイン値Gnの組からなる複数(N+1)組の設定値(Fn、Gn)を設定してフィルタ部の希望周波数応答特性Dを設定する希望特性設定部と、希望特性設定部の設定値(Fn、Gn)に対応してカットオフ周波数fcnおよびゲインgnを定め、フィルタ部のそれぞれのIIR型フィルタSnを設定するフィルタ設定部と、を有し、フィルタ設定部が、フィルタ部の実現周波数応答特性Hを算出し、希望周波数応答特性Dと実現周波数応答特性Hとの誤差Eを算出する誤差算出部を有し、周波数値fnにおける希望周波数応答特性Dの傾きを算出して対応するIIR型フィルタSnの次数Mを選択し、かつ、誤差算出部からの出力を受けて誤差Eを小さくするように補正値Tnを算出し、補正値Tnを用いてデジタルフィルタ部の複数のIIR型フィルタSnのゲイン値gnを補正する。
好ましくは、本発明のデジタル信号処理装置は、フィルタ設定部が、隣接する2つの設定値(Fn、Gn)および(Fn+1、Gn+1)の間の周波数値Fnにおける希望周波数応答特性Dの傾きを、単位を(dB/Octave)とする値D’として算出し、対応するIIR型フィルタSnの一次微分値の絶対値の最大値h’が値D’に最も近くなるように次数Mを選択する。
好ましくは、本発明のデジタル信号処理装置は、フィルタ設定部が、誤差算出部からの出力を受けてフィルタ部の複数のIIR型フィルタSnのゲインgnを設定値のゲイン値Gnから補正値Tnで増減させる場合に、対応するIIR型フィルタの前後で周波数値が隣接する2つのIIR型フィルタのゲイン値(gn−1およびgn+1)を係数として固定し、IIR型フィルタのゲインgnを自由変数とするニュートン法により補正値Tnを修正する値ΔTnを求める。
また、好ましくは、本発明のデジタル信号処理装置は、フィルタ設定部が、誤差算出部からの出力を受けてフィルタ部の複数のIIR型フィルタSnのゲインgnを設定値のゲイン値Gnから補正値Tnで増減させた後に、一次微分値の絶対値の最大値h’が値D’に最も近くなるように次数Mを再び選択する。
本発明のデジタル信号処理方法は、音声信号に所定の周波数応答特性を与えるデジタル信号処理方法であって、カットオフ周波数fcnおよびゲインgnを示す棚型特性Hnを有するIIR型フィルタSnを複数N段(N:2以上の整数)直列接続してフィルタ部を構成するステップと、フィルタ部に音声信号を入力するステップと、フィルタ部から音声信号を出力するステップと、フィルタ部の希望特性設定部において、周波数値Fnおよびゲイン値Gnの組からなる複数(N+1)組の設定値(Fn、Gn)を設定してフィルタ部の希望周波数応答特性Dを設定するステップと、フィルタ部のフィルタ設定部において、希望特性設定部の設定値(Fn、Gn)に対応してカットオフ周波数fcnおよびゲインgnを定め、フィルタ部のそれぞれのIIR型フィルタSnを設定するステップと、を含み、フィルタ設定部において、希望周波数応答特性Dと実現周波数応答特性Hとの誤差Eを算出するステップと、周波数値fnにおける希望周波数応答特性Dの傾きを算出して対応するIIR型フィルタSnの次数M(M:1以上の整数)を選択するステップと、誤差Eを小さくするように補正値Tnを算出し、補正値Tnを用いてデジタルフィルタ部の複数のIIR型フィルタSnのゲイン値gnを補正するステップと、を含む。
また、本発明のデジタル信号処理方法は、フィルタ設定部において、隣接する2つの設定値(Fn、Gn)および(Fn+1、Gn+1)の間の周波数値Fnにおける希望周波数応答特性Dの傾きを、単位を(dB/Octave)とする値D’として算出し、対応するIIR型フィルタSnの一次微分値の絶対値の最大値h’が値D’に最も近くなるように次数Mを選択するステップと、誤差Eを受けてフィルタ部の複数のIIR型フィルタSnのゲインgnを設定値のゲイン値Gnから補正値Tnにより増減させる場合に、対応するIIR型フィルタの前後で周波数値が隣接する2つのIIR型フィルタのゲイン値(gn−1およびgn+1)を係数として固定し、IIR型フィルタのゲインgnを自由変数とするニュートン法により補正値Tnを修正する値ΔTnを求めるステップと、を含む。
好ましくは、本発明のデジタル信号処理方法は、フィルタ設定部において、誤差算出部からの出力を受けてフィルタ部の複数のIIR型フィルタSnのゲインgnを設定値のゲイン値Gnから補正値Tnにより増減させた後に、一次微分値の絶対値の最大値h’が値D’に最も近くなるように次数Mを再び選択するステップを含む。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明のデジタル信号処理装置およびデジタル信号処理方法は、入力される音声信号に所定の周波数応答特性を与えて出力するように、カットオフ周波数fcnおよびゲインgnを示す棚型特性Hnを有するM次(M:1以上の整数)のIIR型フィルタSnを複数N段(N:2以上の整数)直列接続してフィルタ部を構成する。このフィルタ部は、周波数値Fnおよびゲイン値Gnの組からなる複数(N+1)組の設定値(Fn、Gn)を設定してフィルタの希望周波数応答特性Dを設定する希望特性設定部と、希望特性設定部の設定値(Fn、Gn)に対応してカットオフ周波数fcnおよびゲインgnを定め、フィルタ部のそれぞれのIIR型フィルタSnを設定するフィルタ設定部と、を有する。
ユーザーが複数(N+1)組の設定値(Fn、Gn)を設定してフィルタの希望周波数応答特性Dを設定すると、デジタル信号処理装置ならびにデジタル信号処理方法は、フィルタ部の実現周波数応答特性Hを算出し、希望周波数応答特性Dと実現周波数応答特性Hとの誤差Eを算出する誤差算出部を有し、周波数値fnにおける希望周波数応答特性Dの傾きを算出して対応するIIR型フィルタSnの次数Mを選択することにより、誤差Eを小さくするようにフィルタ部を設定することができる。フィルタ設定部は、誤差算出部からの出力を受けて誤差Eを小さくするように補正値Tnを算出し、補正値Tnを用いてデジタルフィルタ部の複数のIIR型フィルタSnのゲイン値gnを補正する。
具体的には、フィルタ設定部では、隣接する2つの設定値(Fn、Gn)および(Fn+1、Gn+1)の間の周波数値Fnにおける希望周波数応答特性Dの傾きを、単位を(dB/Octave)とする値D’として算出し、対応するIIR型フィルタSnの一次微分値の絶対値の最大値h’が値D’に最も近くなるように次数Mを選択する。周波数値Fnと周波数値Fn+1との間におけるIIR型フィルタSnの実現周波数特性Hが希望周波数応答特性Dにほぼ一致する特性が得られるからである。したがって、IIR型フィルタの次数Mを明確に決定できて、棚型特性Hnを有する高次のIIR型フィルタSnを複数N段直列接続してフィルタ部を構成するのにあたって、希望の複数の設定値を通過する周波数応答特性を実現することができる。
また、フィルタ設定部は、誤差算出部からの出力を受けてフィルタ部の複数のIIR型フィルタSnのゲインgnを設定値のゲイン値Gnから補正値Tnを修正する値ΔTnにより増減させる場合に、対応するIIR型フィルタの前後で周波数値が隣接する2つのIIR型フィルタのゲイン値(gn−1およびgn+1)を係数として固定し、IIR型フィルタのゲインgnを自由変数とするニュートン法により補正値Tnを修正する値ΔTnを求め、一次微分値の絶対値の最大値h’が値D’に最も近くなるように次数Mを再び選択する。したがって、IIR型フィルタのゲインgnと次数Mとをより適切な値に設定することができ、カットオフ周波数値fcが隣接するIIR型フィルタ同士が相互に影響する場合でも、設定値を通過する任意の周波数応答特性を実現することができ、フィルタの演算負荷をより小さくすることができる。
本発明のデジタル信号処理装置およびデジタル信号処理方法は、棚型特性(または階段特性)を有するIIR型フィルタを複数段直列接続して構成されるフィルタであっても、周波数値およびゲイン値の組からなる複数組の設定値を設定して、これらの設定値を通過する任意の周波数応答特性を実現できる。
本発明の好ましい実施形態によるデジタル信号処理装置1を説明するブロック図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるデジタル信号処理装置1のフィルタ部4において、直列接続する複数の棚型フィルタの動作を説明する図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるデジタル信号処理方法において、IIR型フィルタの次数Mを決定するステップを説明する図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるデジタル信号処理装置1のフィルタ部4において、隣接するIIR型フィルタで発生する誤差を説明するグラフである。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるデジタル信号処理装置1のフィルタ部4において、隣接するIIR型フィルタで発生する誤差を説明するグラフである。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるデジタル信号処理方法において、IIR型フィルタの次数Mおよびフィルタの係数を決定するステップを説明するフローチャートである。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるデジタル信号処理方法において、IIR型フィルタの次数Mを決定するステップを説明するグラフである。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるデジタル信号処理方法において、ゲイン補正を加えない段階での実現周波数応答特性Hを説明するグラフである。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるデジタル信号処理装置1のフィルタ部4における実現周波数応答特性Hを説明するグラフである。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるデジタル信号処理装置1のフィルタ部4における直列接続するそれぞれのIIR型フィルタSnの次数Mのリストである。(実施例1)
以下、本発明の好ましい実施形態によるデジタル信号処理装置およびデジタル信号処理方法について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるデジタル信号処理装置1を説明するブロック図である。例えば、デジタル信号処理装置1は、(図示しない)パーソナルコンピューター等の電子計算機であって、音声信号を含むコンテンツファイルを再生する際に、希望する周波数値およびゲイン値を、ユーザーがGUIを使って複数組入力し、音声信号に所定の周波数応答特性を与えるイコライザープログラムを含む。イコライザープログラムは、パーソナルコンピューターの(図示しない)中央演算回路(CPU)またはデジタル・シグナル・プロセッサー(DSP)で実行され、棚型特性を有する複数のIIR型フィルタを直列接続してフィルタ部4を構成するデジタル信号処理方法を含む。なお、図および説明を分かりやすくするために、(図示しない)パーソナルコンピューターの全体構成と、デジタル信号処理装置1の説明に不要な一部の構成の図示を省略している。
デジタル信号処理装置1は、音声信号を入力する入力部2と、音声信号を出力する出力部3と、入力部と出力部との間に接続されるフィルタ部4と、フィルタ部4の希望周波数応答特性Dを設定する希望特性設定部5と、フィルタ部4のそれぞれのIIR型フィルタSnを設定するフィルタ設定部6と、を有する。入力部2は、音声信号がデジタル信号である場合にはDIR回路を、アナログ信号である場合にはA/D回路を含んでいてもよい。また、出力部3は、フィルタ部4から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A回路を含んでいてもよい。
フィルタ部4は、CPUまたはDSPを含んで構成される。フィルタ部4は、棚型特性を有するN段のIIR型フィルタSnを直列接続して構成する。希望特性設定部5は、(図示しない)GUIを含み、周波数値Fnおよびゲイン値Gnの組からなる複数N+1組の設定値(Fn、Gn)を設定する設定部51と、フィルタ部の希望周波数応答特性Dを演算する演算部52と、を含む。ユーザーは、キー等を操作して画面上に所望の希望周波数応答特性Dを(図示しない)表示部に表示して、自由に設定することができる。
また、フィルタ設定部6は、希望特性設定部5の設定値(Fn、Gn)に対応して、それぞれのIIR型フィルタSnのカットオフ周波数fcnおよびゲインgnを定めて、フィルタ部4のそれぞれのIIR型フィルタSnを設定する設定部61と、フィルタ部4の実現周波数応答特性Hを算出する算出部62と、希望周波数応答特性Dと実現周波数応答特性Hとの誤差Eを算出する誤差算出部63を含む。フィルタ設定部6は、後述するように、誤差算出部63からの出力を受けて誤差Eを小さくするようにフィルタ部4を設定する。
図2は、デジタル信号処理装置1のフィルタ部4において、直列接続する複数の棚型フィルタの動作を説明する図である。図2では、図示するように、3組の設定値(Fn、Gn)、(Fn+1、Gn+1)、(Fn+2、Gn+2)を通過する希望周波数応答特性Dのフィルタを実現する場合に、それぞれgnおよびgn+1をゲインとして持つ2つの棚型フィルタSnおよびSn+1を直列に接続する。棚型フィルタSnの周波数特性はHnであって、カットオフ周波数fcnは、周波数値Fn+1およびFnのオクターブスケール上での中間の値であり、そのゲインはgnである。また、2つ目の棚型フィルタSn+1の周波数特性はHn+1であって、カットオフ周波数fcn+1は、周波数値Fn+1およびFn+2のオクターブスケール上での中間の値であり、そのゲインはgn+1である。棚型フィルタを直列接続する方法では、隣接する棚型フィルタ同士が干渉するのが、図示する周波数値Fn+1付近のみになるので、これら2つの棚型フィルタのゲインの積??(gn)*(gn+1)を、所望のゲイン(Gn+2)に等しく設定することで、実現周波数応答特性Hを希望周波数応答特性Dに近づけることができる。
図3は、デジタル信号処理装置1のフィルタ部4において、直列接続する複数のIIR型フィルタの次数Mを決定するステップを説明する図である。このデジタル信号処理では、各帯域に最適な棚型フィルタを構成するIIRフィルタのゲインとその次数Mを、周波数値fnにおける希望周波数応答特性Dの傾きを算出して設定する。具体的には、希望周波数応答特性Dの設定値(Fn、Gn)および(Fn+1、Gn+1)での間の傾きD’(dB/octave)を計算し、周波数値fnにおける希望周波数応答特性Dの傾きD’からこれに対応するIIR型フィルタSnの次数Mを選択することにより、周波数値Fnと周波数値Fn+1との間におけるIIR型フィルタSnの実現周波数特性Hを希望周波数応答特性Dにほぼ一致させることができる。
図4および図5は、デジタル信号処理装置1のフィルタ部4において、隣接するIIR型フィルタで発生する誤差を説明するグラフである。図4は、隣接する2つの棚型フィルタSn−1とSnとがそれぞれ正のゲインを有する場合であり、図5は、棚型フィルタSn−1が正のゲインを有し、これに隣接する棚型フィルタSnが負のゲインを有する場合である。図4(b)および図5(b)は、それぞれ図4(a)および図5(a)の一部を拡大した図である。このデジタル信号処理方法では、フィルタ設定部6は、誤差算出部63からの出力を受けて誤差Errorを小さくするようにデジタルフィルタ部4の複数のIIR型フィルタSnのゲイン値gnを補正値Tnにより増減させる。具体的には、ゲイン値gn−1およびgn+1を係数として固定し、ゲイン値gnのみを自由変数とするNewton法を用いてゲイン補正を行う。なお、後述するように、ゲインの変化量が一定値以下であれば次数をあげる処理を行う。
図6は、このデジタル信号処理方法において、IIR型フィルタの次数Mおよびフィルタの係数を決定するステップを説明するフローチャートである。N段の直列接続するIIR型フィルタの希望周波数応答特性D(通過点N+1点)の最初の通過点としてカウンターnを2に設定する(S1)。カウンターnは、その値nが直列接続する棚型フィルタの段数の順番の番号に対応する。また、ステップS1では、ユーザーが設定するN+1組の設定値(Fn、Tn)を受けて、補正値Tnを設定するゲイン値Gnで初期化する。次に、ゲイン補正に用いるNewton法を適用する回数iが所定値I(3〜5回程度が好ましい。)以下であるかどうかを判定し(S2)、所定I回数以下であれば(S2:Yes)IIR型フィルタの次数Mを計算して決定し(S3)、所定I回数に達すれば(S2:No)フィルタ係数を計算して(S9)処理を終了する。
続いて、ステップS3において、IIR型フィルタの次数Mを計算して決定する処理を説明する。次数Mを計算する式を求めるには、図3に示すように、棚型フィルタのカットオフ周波数ωc(=2πfnc)における接線の傾きの値が、隣接する2つの設定値(Fn、Tn)および(Fn+1、Tn+1)での間の傾き(dB/octave)の値、つまり、 値((Tn+1)-Tn) /log2(2π(fn+1)/ 2πfn))に最も近くなる次数Mを選ぶようにする。カットオフ周波数ωc=1で正規化されたButterworth型のHigh Shelving Filterを式(1)に示す。なお、式(1)中のgは、2つの設定値(Fn、Tn)および(Fn+1、Tn+1)の間のゲイン差((Tn+1)−Tn)を真数(リニア)に換算した値である。
式(2)は、式(1)の二乗振幅特性を示す。さらに、式(3)は、式(2)の二乗振幅特性を対数(dB)に変換した式である。式(3)について、周波数を対数で換算するオクターブ上で微分すると式(4)となる。式(4)は、周波数領域における棚型フィルタの傾きの特性を示す。
周波数領域における棚型フィルタの傾きは、式(5)に示すように、ω^(2M)=1となる条件で絶対値が最大値となる。図7は、デジタル信号処理装置1のフィルタ部4において、直列接続する複数のIIR型フィルタの次数Mを決定するステップを説明する図である。具体的には、図7は、IIR型フィルタSnの次数Mを1次から25次に増加した場合に、式(5)においてIIRフィルタのゲインを横軸にして希望周波数応答特性Dの傾きの値を縦軸にプロットしたグラフである。次数Mが小さいほど縦軸の傾きの値が低いグラフになっており、棚型フィルタのゲインがある程度大きくなれば、棚型フィルタの傾きの値が次数Mにほぼ比例することがわかる。したがって、棚型フィルタの傾きの値を求めることで、IIRフィルタの次数Mを決定できる。
次に、式(5)を離散信号上に変換する。周波数領域における式(1)を離散信号上のカットオフ周波数ΩcのShelvingFilterに変換する場合は、式(6)を用いる。式(5)を離散信号へ変換するための式(7)を求めることができる。
式(7)を用いて、式(5)を変換すると式(8)となる。式(8)は、離散信号上での棚型フィルタの傾きを示すので、隣接する2つの設定値(Fn、Tn)および(Fn+1、Tn+1)による換算値をD’とすると、式(9)により次数Mを計算して決定することができる。IIR型フィルタの次数Mは整数になるので、最も近い整数を返す関数Round()を用いている。計算を簡単にするために周波数領域で計算しても構わないので、その場合、IIR型フィルタの次数Mは式(10)により計算して決定することができる。
次に、直列接続する棚型フィルタの段数の順番の番号に対応するカウンターnの値が、最大値であるN以下であるか否かを判定し(S4)、N以下であれば(S4:Yes)補正値Tnを修正する値ΔTnを計算して(S5)さらにカウンターnをインクリメントし(S6)、再びカウンターnを判定する(S4)。カウンターnが最大値であるNに達すれば(S4:No)、補正値TnをΔTnで修正して(S7)、ゲイン補正に用いるNewton法を適用する回数iをインクリメントし(S8)、所定I回数に達するまで繰り返す(S2)。
ここで、上記のステップS5において、Newton法を用いてゲインを補正する方法を説明する。図8は、ゲイン補正を加えない段階での実現周波数応答特性Hを説明するグラフである。つまり、図8のグラフは、ステップS3でIIR型フィルタの次数Mを式(10)を用いて計算して求めた上で初期設定したIIR型フィルタを用い、ゲイン補正を加えないで図8の点で図示する設定値を通過するべきイコライザーを構成したときの周波数特性を示すグラフである。図8のグラフからわかるように、ゲイン補正を加えない段階では、隣接する区間の傾きが大きく変化する箇所で誤差が生じている。
これは、図4および図5に図示するように、隣接するIIR型フィルタが相互に影響することにより誤差が発生するからであるので、Newton法を用いて誤差が少なくなるようにゲインを補正する。具体的には、IIR型フィルタのゲインの対数(dB)軸上での二乗振幅特性は、式(3)で求められているので、それぞれのIIR型フィルタの設定周波数値Fnにおけるゲインを計算する関数を求め、その関数をもとにNewton法を用いて、補正値Tnを修正する値ΔTnを計算し、ゲインを補正する。
図3に示すように、周波数値fnにおける誤差Error1に等しい換算値H0と、周波数値fn+1におけるゲイン値Tn+1と誤差Error2との差に等しい換算値H1と、を式(3)から計算し、設定周波数値Fnにおけるゲインを式(11)により求める。つまり、図4および図5に図示するように、周波数設定値FnおよびFn+1の間の棚型フィルタにおいて、設定周波数値FnにおけるゲインをH0とし、設定周波数値Fn+1におけるゲインをH1と定義する。なお、離散信号上でサンプリング周波数付近では計算精度に難があるので、式(6)のような換算式を用いて周波数領域に変換してから計算してもよい。また、式(11)において、gn−1、gn+1の変数は固定し、自由変数はgnのみとする。
したがって、期待するゲインGnとの差は式(12)のように表される。Newton法を適用するために、自由変数はgnのみとして式(12)をdBで偏微分して式(13)を求める。
さらに式(13)を変形して式(14)を求める。式(14)により、ゲインを補正する補正値Tnを修正する値ΔTnは、式(14)により計算することができる。
このように上記のステップS5では、1つのnの場合で上記の計算を行なっているが、これを全てのnについて行なった後(S4:No)に式(16)にしたがって補正値Tnを値ΔTnに基づいて修正して更新する(S7)。
次に、続いてNewton法を適用する回数iをインクリメントし、上記の通り、ゲイン補正に用いるNewton法を適用する回数iが所定値I以下であるかどうかを判定し(S2)、所定I回数以下であれば(S2:Yes)IIR型フィルタの次数Mを再び計算して決定し(S3)、所定I回数に達すれば(S2:No)IIR型フィルタの各フィルタ係数を計算して(S9)処理を終了する。
なお、Newton法を適用して補正値Tnを更新した後(S2:Yes)は、更新された補正値Tnを用いて、IIR型フィルタの次数Mを再び計算する(S3)。この場合には、希望周波数特性との誤差Te(gn)を偏微分した値 (∂Te(gn)/∂dB)が所定値α(例えば、α=0.7)以下である、等の条件を満たすように、隣接する2つの棚型フィルタの次数Mを新しい補正値Tnを使用して再計算するのが望ましい。
図9は、フィルタ部4における実現周波数応答特性Hを説明するグラフである。つまり、図8に示したゲイン補正を加えない段階での実現周波数応答特性Hに対して、上記のステップS4以下の手順を踏んでゲイン補正を加えた場合の実現周波数応答特性Hを説明するグラフである。このデジタル信号処理装置1では、20点を通過する希望周波数応答特性Dを実現するようにN=19段の直列接続するIIR型フィルタSnにより、フィルタ部4を構成する。上記のデジタル信号処理方法により生成されたイコライザーでは、ゲイン補正を加えることで、隣接する2点間のゲイン差が大きい場合にも、これらの任意の20点を滑らかに通過するフィルタ特性を実現することができる。
また、図10は、N=19段の直列接続するそれぞれのIIR型フィルタSnの次数Mのリストである。上記のデジタル信号処理方法により生成されたイコライザーでは、次数6から8の間で変化しており、次数Mを小さく抑えることでフィルタ部4での演算量を小さくすることができる。
直列接続する棚型特性のフィルタに代えてピークフィルタを用いる場合、あるいは、棚型特性のフィルタに代えて帯域通過型(バンドパス)フィルタを用いる場合には、隣接する帯域への干渉により指定した特性からずれて、誤差が生じてしまうという問題がある。これらの比較例に対して、本実施例のデジタル信号処理方法では、直列接続する複数の棚型特性のフィルタよりフィルタ部を構成しており、かつ、直列接続するIIRフィルタを最初から順番に調整すればよいので、調整が容易で時間も掛からないという利点がある。つまり、このデジタル信号処理方法では、隣接する3つの棚型フィルタを調整せずに済み、フィルタ特性の設定が容易になる。
なお、本実施例では、IIR型フィルタの次数Mの初期値を1としたが、次数Mは、1以上の整数であればよく、初期値もM=4と他の値にしてもよい。また、上記の実施例では、最も低い帯域周波数に対応するn=1(1番目)の棚型特性のフィルタS1を決めて、順次カウンターnを大きくして次に低い帯域周波数に対応する棚型特性のフィルタS2を決めているが、このようにカウンターnを1つずつ増加する場合に限られない。最も高い帯域周波数に対応する棚型特性のフィルタから、順次に低い帯域周波数に対応する棚型特性のフィルタを決めていってもよい。また、中央の帯域付近のn番目の棚型特性のフィルタSnを決めて、低域側または高域側へそれぞれ隣接する帯域に順番に棚型特性のフィルタを決めていってもよい。
なお、本発明は上記実施例に限定されない。デジタル信号処理装置およびデジタル信号処理方法は、パーソナルコンピューター等の電子計算機だけでなく、任意の複数組の設定値を通過する任意の周波数応答特性を実現する映像音響機器にも適用が可能である。
1 デジタル信号処理装置
2 入力部
3 出力部
4 フィルタ部
5 希望特性設定部
6 フィルタ設定部

Claims (7)

  1. 音声信号に所定の周波数応答特性を与えるデジタル信号処理装置であって、
    該音声信号を入力する入力部と、該音声信号を出力する出力部と、
    該入力部と該出力部との間に接続されて、カットオフ周波数fcnおよびゲインgnを示す棚型特性Hnを有するM次(M:1以上の整数)のIIR型フィルタSnを複数N段(N:2以上の整数)直列接続して構成されるフィルタ部と、
    周波数値Fnおよびゲイン値Gnの組からなる複数(N+1)組の設定値(Fn、Gn)を設定して該フィルタ部の希望周波数応答特性Dを設定する希望特性設定部と、
    該希望特性設定部の該設定値(Fn、Gn)に対応して該カットオフ周波数fcnおよび該ゲインgnを定め、該フィルタ部のそれぞれのIIR型フィルタSnを設定するフィルタ設定部と、
    を有し、
    該フィルタ設定部が、該フィルタ部の実現周波数応答特性Hを算出し、該希望周波数応答特性Dと該実現周波数応答特性Hとの誤差Eを算出する誤差算出部を有し、該周波数値fnにおける該希望周波数応答特性Dの傾きを算出して対応する該IIR型フィルタSnの該次数Mを選択し、かつ、該誤差算出部からの出力を受けて該誤差Eを小さくするように補正値Tnを算出し、該補正値Tnを用いて該デジタルフィルタ部の複数の該IIR型フィルタSnの該ゲイン値gnを補正する、
    デジタル信号処理装置。
  2. 前記フィルタ設定部が、隣接する2つの前記設定値(Fn、Gn)および(Fn+1、Gn+1)の間の前記周波数値Fnにおける前記希望周波数応答特性Dの傾きを、単位を(dB/Octave)とする値D’として算出し、対応する前記IIR型フィルタSnの該一次微分値の絶対値の最大値h’が該値D’に最も近くなるように前記次数Mを選択する、
    請求項1に記載のデジタル信号処理装置。
  3. 前記フィルタ設定部が、前記誤差算出部からの出力を受けて前記フィルタ部の複数の前記IIR型フィルタSnの前記ゲインgnを前記設定値の前記ゲイン値Gnから前記補正値Tnで増減させる場合に、対応する該IIR型フィルタの前後で前記周波数値が隣接する2つの該IIR型フィルタの該ゲイン値(gn−1およびgn+1)を係数として固定し、該IIR型フィルタの該ゲインgnを自由変数とするニュートン法により該補正値Tnを修正する値ΔTnを求める、
    請求項2に記載のデジタル信号処理装置。
  4. 前記フィルタ設定部が、前記誤差算出部からの出力を受けて前記フィルタ部の複数の前記IIR型フィルタSnの前記ゲインgnを前記設定値の前記ゲイン値Gnから前記補正値Tnで増減させた後に、前記一次微分値の絶対値の最大値h’が前記値D’に最も近くなるように前記次数Mを再び選択する、
    請求項2または3に記載のデジタル信号処理装置。
  5. 音声信号に所定の周波数応答特性を与えるデジタル信号処理方法であって、
    カットオフ周波数fcnおよびゲインgnを示す棚型特性Hnを有するIIR型フィルタSnを複数N段(N:2以上の整数)直列接続してフィルタ部を構成するステップと、
    該フィルタ部に該音声信号を入力するステップと、該フィルタ部から該音声信号を出力するステップと、
    該フィルタ部の希望特性設定部において、周波数値Fnおよびゲイン値Gnの組からなる複数(N+1)組の設定値(Fn、Gn)を設定して該フィルタ部の希望周波数応答特性Dを設定するステップと、
    該フィルタ部のフィルタ設定部において、該希望特性設定部の該設定値(Fn、Gn)に対応して該カットオフ周波数fcnおよび該ゲインgnを定め、該フィルタ部のそれぞれのIIR型フィルタSnを設定するステップと、
    を含み、
    該フィルタ設定部において、該希望周波数応答特性Dと該実現周波数応答特性Hとの誤差Eを算出するステップと、該周波数値fnにおける該希望周波数応答特性Dの傾きを算出して対応する該IIR型フィルタSnの次数M(M:1以上の整数)を選択するステップと、該誤差Eを小さくするように補正値Tnを算出し、該補正値Tnを用いて該デジタルフィルタ部の複数の該IIR型フィルタSnの該ゲイン値gnを補正するステップと、を含む、
    デジタル信号処理方法。
  6. 前記フィルタ設定部において、隣接する2つの前記設定値(Fn、Gn)および(Fn+1、Gn+1)の間の前記周波数値Fnにおける前記希望周波数応答特性Dの傾きを、単位を(dB/Octave)とする値D’として算出し、対応する前記IIR型フィルタSnの該一次微分値の絶対値の最大値h’が該値D’に最も近くなるように前記次数Mを選択するステップと、
    前記誤差Eを受けて前記フィルタ部の複数の前記IIR型フィルタSnの前記ゲインgnを前記設定値の前記ゲイン値Gnから前記補正値Tnにより増減させる場合に、対応する該IIR型フィルタの前後で前記周波数値が隣接する2つの該IIR型フィルタの該ゲイン値(gn−1およびgn+1)を係数として固定し、該IIR型フィルタの該ゲインgnを自由変数とするニュートン法により前記補正値Tnを修正する値ΔTnを求めるステップと、
    を含む、請求項5に記載のデジタル信号処理方法。
  7. 前記フィルタ設定部において、前記誤差算出部からの出力を受けて前記フィルタ部の複数の前記IIR型フィルタSnの前記ゲインgnを前記設定値の前記ゲイン値Gnから前記補正値Tnにより増減させた後に、前記一次微分値の絶対値の最大値h’が前記値D’に最も近くなるように前記次数Mを再び選択するステップを含む、
    請求項6に記載のデジタル信号処理方法。
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