JP2012211740A - 乾燥方法および乾燥装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乾燥室から被乾燥物を取り出す際に、高温空気が流出するのを防止すること。
【解決手段】熱風発生機(30)が乾燥室(23)との間で熱風を循環させて、乾燥室(23)内の被乾燥物を乾燥させる熱風循環路(21)を備えている。熱風発生機(30)によって熱風を循環させて、乾燥室(23)に収容された被乾燥物を加熱する加熱工程と、続いて、乾燥室(23)の下流側に設けられたファン(35)で乾燥室(23)側の空気を吸い込みながら、乾燥室(23)の開閉扉(25)を開いて被乾燥物を取り出す取出工程とを備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、熱風循環式の乾燥方法および乾燥装置に関するものである。
熱風を循環させて被乾燥物を乾燥させる乾燥装置が、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1の乾燥装置は、熱風を発生させて送風する熱風発生機と、被乾燥物が収容される乾燥槽を備えている。この乾燥装置では、熱風発生機と乾燥槽との間で熱風が循環されて、乾燥槽内の被乾燥物が乾燥される。
特開2003−185341号公報
ところで、上述した特許文献1のような熱風発生機と乾燥槽との間で熱風を循環させる乾燥装置では、乾燥完了後に乾燥槽から被乾燥物を取り出す際、乾燥槽から高温の空気が流出してしまい作業者に不快感を与えるという問題があった。つまり、乾燥完了直後の乾燥槽では高温空気が残存しているため、その高温空気が被乾燥物の取り出しの際に流出してしまう。これにより、作業性が悪化していた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱風発生機が乾燥室との間で熱風を循環させる乾燥方法および乾燥装置において、乾燥室からの高温空気の流出を防止して、作業性を向上させることにある。
第1の発明は、熱風発生機(30)が乾燥室(23)との間で熱風を循環させて、上記乾燥室(23)内の被乾燥物を乾燥させる方法を対象としている。そして、本発明の方法は、上記熱風発生機(30)によって熱風を循環させて、上記乾燥室(23)に収容された被乾燥物を加熱する加熱工程と、続いて、上記乾燥室(23)の下流側に設けられたファン(35)で上記乾燥室(23)側の空気を吸い込みながら、上記乾燥室(23)の開閉扉(25)を開いて上記被乾燥物を取り出す取出工程とを備えている。
上記第1の発明では、加熱工程において、熱風発生機(30)から熱風が送風されて、乾燥室(23)内の被乾燥物が乾燥される。そして、被乾燥物の乾燥が完了すると、取出工程において乾燥室(23)の開閉扉(25)を開いて該乾燥室(23)から被乾燥物を取り出す。その際、乾燥室(23)に滞留している高温の空気は、乾燥室(23)の下流側に設けられたファン(35)によって吸い込まれる。これにより、乾燥室(23)の高温空気は、開閉扉(25)が開放された箇所から流出することなく、乾燥室(23)から下流側の通路へ流れていく。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記取出工程では、上記熱風発生機(30)による熱風の循環が上記加熱工程から継続して行われる。
上記第2の発明では、加熱工程が終了して取出工程に移行しても、熱風発生機(30)による熱風の循環が継続して行われる。そのため、乾燥室(23)の温度が低下せずに高温の状態で維持される。これによって、次の加熱工程に移行するまでの時間、または次の加熱工程に要する時間が短くなる。このように取出工程においても熱風の循環が行われると、被乾燥物を取り出す際に高温空気が一層流出しやすくなるが、この場合でも、ファン(35)によって高温空気が吸い込まれるので、乾燥室(23)から高温空気は流出しない。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記加熱工程では、上記ファン(35)が上記熱風発生機(30)の熱風の風量と同等の風量で上記乾燥室(23)側の空気を吸い込み、上記取出工程では、上記ファン(35)が上記熱風発生機(30)の熱風の風量よりも大きい風量で上記乾燥室(23)側の空気を吸い込む。
上記第3の発明の加熱工程では、ファン(35)によって乾燥室(23)の空気が吸い込まれるため、乾燥室(23)において熱風の流速が低下するのを防止できる。乾燥室(23)では、熱風が被乾燥物を流通するところ、被乾燥物が抵抗となって熱風の流速が低下するため、乾燥効率が低下してしまう。ところが、本発明の加熱工程では、上述したように乾燥室(23)における熱風の流速低下が防止されるので、乾燥効率が向上する。ここで、ファン(35)の風量が熱風発生機(30)の風量よりも大きくなると、乾燥室(23)の圧力が低くなり、乾燥室(23)を通過する熱風の温度が低下してしまう。ところが、本発明の加熱工程では、ファン(35)の風量が熱風発生機(30)の風量と同等であるため、乾燥室(23)における熱風の温度低下が防止される。
また、本発明の取出工程では、ファン(35)の風量が熱風発生機(30)の風量よりも大きいため、乾燥室(23)に高温空気が滞留することなく確実に下流側の通路へ流れていく。そのため、被乾燥物を取り出す際、乾燥室(23)から高温空気が流出するのを確実に防止できる。
第4の発明は、上記第1乃至第3の何れか1の発明において、上記熱風発生機(30)による熱風の循環では、熱風が上記乾燥室(23)を下方から上方へ向かって流通する。
上記第4の発明では、熱風が乾燥室(23)に滞留せずに下流側へ流れやすくなる。つまり、熱風は、比重が比較的小さいため、上方へ向かって流れやすい。そのため、被乾燥物を取り出す際、高温空気が乾燥室(23)の例えば側方から流出しにくくなる。
第5の発明は、開閉扉(25)を有する乾燥室(23)と、熱風を送風する熱風発生機(30)とが接続されて、該熱風発生機(30)および上記乾燥室(23)の間で熱風が循環する熱風循環路(21)を備えた乾燥装置を対象としている。そして、本発明の乾燥装置は、上記熱風循環路(21)における上記乾燥室(23)の下流側に、吸い込み側が上記乾燥室(23)側となるように接続されたファン(35)と、上記乾燥室(23)の開閉扉(25)が閉鎖された状態で、上記熱風発生機(30)によって熱風を循環させて上記乾燥室(23)内の被乾燥物を乾燥させる乾燥動作を実行すると共に、該乾燥動作中に上記熱風循環路(21)における上記被乾燥物よりも下流側の空気温度が所定値まで上昇すると、上記乾燥室(23)の開閉扉(25)の開放を許可し上記ファン(35)を運転するファン動作を実行する制御部(39)とを備えているものである。
上記第5の発明では、熱風発生機(30)から熱風が送風されて、乾燥室(23)内の被乾燥物が乾燥される。そして、被乾燥物よりも下流側の空気温度(即ち、被乾燥物を流通した後の空気の温度)が所定値まで上昇すると、被乾燥物の乾燥が完了したとして、乾燥室(23)における開閉扉(25)の開放が許可され、ファン(35)が運転される。ファン(35)が運転されると、乾燥室(23)に滞留する高温空気がファン(35)によって吸い込まれる。そのため、開閉扉(25)を開放して被乾燥物を取り出す際、乾燥室(23)の高温空気は開閉扉(25)が開放された箇所から流出することはない。
第6の発明は、上記第5の発明において、上記制御部(39)によるファン動作では、継続して上記熱風発生機(30)によって熱風を循環させる。
上記第6の発明では、被乾燥物を取り出す際にも熱風発生機(30)による熱風の循環が継続して行われる。そのため、乾燥室(23)の温度が低下せずに高温の状態で維持される。これによって、次の乾燥動作に移行するまでの時間、または次の乾燥動作に要する時間が短くなる。このように被乾燥物の取り出し時にも熱風の循環を行うと、開閉扉(25)が開放された箇所から高温空気が一層流出しやすくなるが、この場合でも、ファン(35)によって高温空気が吸い込まれるので、乾燥室(23)から高温空気は流出しない。
第7の発明は、上記第6の発明において、上記制御部(39)による乾燥動作では、上記熱風発生機(30)の熱風の風量と同等の風量で上記ファン(35)を運転し、上記制御部(39)によるファン動作では、上記熱風発生機(30)の熱風の風量よりも大きい風量で上記ファン(35)を運転する。
上記第7の発明の乾燥動作では、ファン(35)によって乾燥室(23)の空気が吸い込まれるため、乾燥室(23)において熱風の流速が低下するのを防止できる。乾燥室(23)では、熱風が被乾燥物を流通するところ、被乾燥物が抵抗となって熱風の流速が低下するため、乾燥効率が低下してしまう。ところが、本発明の乾燥動作では、上述したように乾燥室(23)における熱風の流速低下が防止されるので、乾燥効率が向上する。ここで、ファン(35)の風量が熱風発生機(30)の風量よりも大きくなると、乾燥室(23)の圧力が低くなり、乾燥室(23)を通過する熱風の温度が低下してしまう。ところが、本発明の加熱工程では、ファン(35)の風量が熱風発生機(30)の風量と同等であるため、乾燥室(23)における熱風の温度低下が防止される。
また、本発明では、開閉扉(25)の開放許可時には、ファン(35)の風量が熱風発生機(30)の風量よりも大きいため、乾燥室(23)に高温空気が滞留することなく確実に下流側の通路へ流れていく。そのため、被乾燥物を取り出す際、乾燥室(23)から高温空気が流出するのを確実に防止できる。
第8の発明は、上記第5乃至第7の何れか1の発明において、上記熱風循環路(21)は、熱風が上記乾燥室(23)を下方から上方へ向かって流通するように構成されている。
上記第8の発明では、熱風が乾燥室(23)に滞留せずに下流側へ流れやすくなる。つまり、熱風は、比重が比較的小さいため、上方へ向かって流れやすい。そのため、被乾燥物を取り出す際、高温空気が乾燥室(23)の例えば側方から流出しにくくなる。
以上説明したように、第1および第5の発明によれば、乾燥室(23)の開閉扉(25)を開放する際に、乾燥室(23)の下流側から乾燥室(23)内の高温空気を吸い込むようにしたため、開閉扉(25)を開放しても乾燥室(23)から高温空気が流出するのを防止することができる。これによって、作業者へ不快感を与えずにすみ、作業性を向上させることができる。
第2および第6の発明によれば、開閉扉(25)を開放して被乾燥物を取り出す際にも継続して熱風を循環させるようにしたので、次の加熱工程(乾燥動作)に移行するまでの時間、または次の加熱工程(乾燥動作)に要する時間を短くすることができる。そして、このように継続して熱風の循環を行った場合でも、開閉扉(25)の解放時に高温空気が乾燥室(23)から流出するのを防止することが可能である。つまり、本発明によれば、作業者へ不快感を与えることなく、乾燥に要する作業時間を短縮することができる。
第3および第7の発明によれば、加熱工程(乾燥動作)において、熱風発生機(30)の熱風の風量と同等の風量でファン(35)を運転するようにしたため、乾燥室(23)において熱風の温度を低下させることなく熱風の流速を高めることができる。これによって、乾燥効率を向上させることができ、その結果、乾燥に要する作業時間を短縮することが可能である。また、開閉扉(25)の開放時には、ファン(35)の風量を熱風発生機(30)の風量よりも大きくするようにしたので、乾燥室(23)から高温空気が流出するのを確実に防止することができる。
第4および第8の発明によれば、乾燥室(23)に対して熱風を下方から上方へ向かっ流通させるようにしたため、熱風が乾燥室(23)に滞留せずに下流側へ流れやすくなる。そのため、開閉扉(25)の開放時に乾燥室(23)から高温空気が流出するのを一層防止することができる。
図1は、実施形態の冷媒回路の構成を示す配管系統図であって、(A)は第1動作中の動作を示すものであり、(B)は第2動作中の動作を示すものである。 図2は、吸着熱交換器の概略斜視図である。 図3は、吸着熱交換器の吸着層の形成工程図である。 図4は、実施形態の乾燥装置を示す概略構成図である。 図5は、実施形態の吸着熱交換器の乾燥工程図である。 図6は、乾燥装置の開閉扉を開放した状態を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
本実施形態の乾燥装置(20)および乾燥方法は、室内の調湿を行う調湿装置(10)に搭載される吸着熱交換器(51,52)の乾燥処理に係るものである。調湿装置(10)は、除湿した空気を室内へ供給する除湿運転と、加湿した空気を室内へ供給する加湿運転とが可能に構成されている。
〈調湿装置の構成〉
調湿装置(10)は、冷媒回路(50)を備えている。図1に示すように、この冷媒回路(50)は、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が設けられた閉回路である。この冷媒回路(50)は、充填された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。
冷媒回路(50)において、圧縮機(53)は、その吐出側が四方切換弁(54)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(54)の第2のポートにそれぞれ接続されている。第1吸着熱交換器(51)の一端は、四方切換弁(54)の第3のポートに接続されている。第1吸着熱交換器(51)の他端は、電動膨張弁(55)を介して第2吸着熱交換器(52)の一端に接続されている。第2吸着熱交換器(52)の他端は、四方切換弁(54)の第4のポートに接続されている。
四方切換弁(54)は、第1のポートと第3のポートが連通して第2のポートと第4のポートが連通する第1状態(図1(A)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが連通して第2のポートと第3のポートが連通する第2状態(図1(B)に示す状態)とに切り換え可能となっている。
〈吸着熱交換器の構成〉
図2に示すように、第1吸着熱交換器(51)及び第2吸着熱交換器(52)は、熱交換器本体(40)の表面に吸着剤を含む吸着層を形成したものである。熱交換器本体(40)は、クロスフィン型のフィン・アンド・チューブ型の熱交換器で構成されている。これら熱交換器本体(40)は、アルミニウム製のフィン(57)と、このフィン(57)を貫通する銅製の伝熱管(58)とを備えている。複数のフィン(57)は、細長の長方形板状に形成され、伝熱管(58)の伸長方向に一定の間隔で平行に配列されている。
各フィン(57)のピッチは、1.2mm以上2.2mm以下の範囲が好適であり、更には1.4mm以上1.6mm以下の範囲が好適である。また、伝熱管(58)の直径は、7.0mm以上9.5mm以下の範囲が好適である。また、伝熱管(58)についてのフィン(57)の幅方向の列数は、2列から4列までの範囲が好適である。また、伝熱管(58)についてのフィン(57)の長手方向の段数は、10段から20段までの範囲が好適である。更に、フィン(57)は、長方形板状のいわゆるプレートフィンで構成されているが、このフィン(57)は、その幅方向の断面形状においてゆるやかな波形状になった、いわゆるワッフルフィンで構成されていても良い。
〈調湿装置の運転動作〉
上述した調湿装置(10)の運転動作について説明する。本実施形態の調湿装置(10)では、除湿運転と加湿運転とが行われる。除湿運転中や加湿運転中の調湿装置(10)は、取り込んだ室外空気(OA)を調湿してから供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)を排出空気(EA)として室外へ排出する。つまり、除湿運転中や加湿運転中の調湿装置(10)は、室内の換気を行っている。また、調湿装置(10)は、除湿運転中と加湿運転中の何れにおいても、第1動作と第2動作を所定の時間間隔(例えば3分間隔)で交互に繰り返す。
調湿装置(10)は、除湿運転中であれば第1空気として室外空気(OA)を、第2空気として室内空気(RA)をそれぞれ取り込む。また、調湿装置(10)は、加湿運転中であれば第1空気として室内空気(RA)を、第2空気として室外空気(OA)をそれぞれ取り込む。
先ず、第1動作について説明する。第1動作中には、第1吸着熱交換器(51)へ第2空気が、第2吸着熱交換器(52)へ第1空気がそれぞれ送り込まれる。この第1動作では、第1吸着熱交換器(51)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(52)についての吸着動作とが行われる。
図1(A)に示すように、第1動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第1状態に設定される。圧縮機(53)を運転すると、冷媒回路(50)内で冷媒が循環する。具体的に、圧縮機(53)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(51)で放熱して凝縮する。第1吸着熱交換器(51)で凝縮した冷媒は、電動膨張弁(55)を通過する際に減圧され、その後に第2吸着熱交換器(52)で吸熱して蒸発する。第2吸着熱交換器(52)で蒸発した冷媒は、圧縮機(53)へ吸入されて圧縮され、再び圧縮機(53)から吐出される。
このように、第1動作中の冷媒回路(50)では、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器となり、第2吸着熱交換器(52)が蒸発器となる。第1吸着熱交換器(51)では、フィン(57)表面の吸着剤が伝熱管(58)内の冷媒によって加熱され、加熱された吸着剤から脱離した水分が第2空気に付与される。一方、第2吸着熱交換器(52)では、フィン(57)表面の吸着剤に第1空気中の水分が吸着され、発生した吸着熱が伝熱管(58)内の冷媒に吸熱される。
そして、除湿運転中であれば、第2吸着熱交換器(52)で除湿された第1空気が室内へ供給され、第1吸着熱交換器(51)から脱離した水分が第2空気と共に室外へ排出される。一方、加湿運転中であれば、第1吸着熱交換器(51)で加湿された第2空気が室内へ供給され、第2吸着熱交換器(52)に水分を奪われた第1空気が室外へ排出される。
次に、第2動作について説明する。第2動作中には、第1吸着熱交換器(51)へ第1空気が、第2吸着熱交換器(52)へ第2空気がそれぞれ送り込まれる。この第2動作では、第2吸着熱交換器(52)についての再生動作と、第1吸着熱交換器(51)についての吸着動作とが行われる。
図1(B)に示すように、第2動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第2状態に設定される。圧縮機(53)を運転すると、冷媒回路(50)内で冷媒が循環する。具体的に、圧縮機(53)から吐出された冷媒は、第2吸着熱交換器(52)で放熱して凝縮する。第2吸着熱交換器(52)で凝縮した冷媒は、電動膨張弁(55)を通過する際に減圧され、その後に第1吸着熱交換器(51)で吸熱して蒸発する。第1吸着熱交換器(51)で蒸発した冷媒は、圧縮機(53)へ吸入されて圧縮され、再び圧縮機(53)から吐出される。
このように、冷媒回路(50)では、第2吸着熱交換器(52)が凝縮器となり、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器となる。第2吸着熱交換器(52)では、フィン(57)表面の吸着剤が伝熱管(58)内の冷媒によって加熱され、加熱された吸着剤から脱離した水分が第2空気に付与される。一方、第1吸着熱交換器(51)では、フィン(57)表面の吸着剤に第1空気中の水分が吸着され、発生した吸着熱が伝熱管(58)内の冷媒に吸熱される。
そして、除湿運転中であれば、第1吸着熱交換器(51)で除湿された第1空気が室内へ供給され、第2吸着熱交換器(52)から脱離した水分が第2空気と共に室外へ排出される。一方、加湿運転中であれば、第2吸着熱交換器(52)で加湿された第2空気が室内へ供給され、第1吸着熱交換器(51)に水分を奪われた第1空気が室外へ排出される。
〈吸着熱交換器の吸着層の形成方法〉
上述した吸着熱交換器(51,52)における吸着層の形成方法について、図3を参照しながら説明する。この吸着層の形成は、大きく分けて、塗布工程と飛散工程と乾燥工程の3つの工程によって行われる。
塗布工程では、熱交換器本体(40)の表面に原料液が塗布される。この原料液は、液状のバインダ中に粉末状の吸着剤が分散したスラリー状のものである。吸着剤としては、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、親水性又は吸水性の官能基を有する有機高分子ポリマ系材料、カルボキシル基又はスルホン酸基を有するイオン交換樹脂系材料、感温性高分子等の機能性高分子材料、セピオライト、イモゴライト、アロフェン及びカオリナイト等の粘土鉱物系材料等、水分の吸着に優れているものであれば特にこだわらないが、分散性や粘度等を考慮するとゼオライト、シリカゲル又はその混合物が好ましい。また、バインダとしては、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、又はエチレン酢酸ビニル共重合体等の有機系の水性エマルジョンが好適である。
次の飛散行程では、原料液が塗布された熱交換器本体(40)を空気中で回転させる。これにより、熱交換器本体(40)の各フィン(57)の隙間に滞った余分な原料液が遠心力によって飛散する。その結果、熱交換器本体(40)では、各フィン(57)の隙間における余分な原料液が排除され、各フィン(57)の表面全域に付着した原料液が均一化される。
次の乾燥工程では、本実施形態の乾燥装置(20)によって、熱交換器本体(40)に付着した原料液が乾燥固化され、吸着剤を含む吸着層が形成される。以上の塗布工程、飛散工程および乾燥工程を繰り返し行うことにより、熱交換器本体(40)の表面の吸着層が徐々に厚みを帯びていく。これらの各行程は、各フィン(57)の吸着層の平均厚さが0.2mm以上0.3mm以下の範囲となるまで繰り返し行われる。乾燥装置(20)および乾燥方法の詳細については後述する。
〈乾燥装置の構成〉
本実施形態の乾燥装置(20)の構成について図4を参照しながら説明する。乾燥装置(20)は、熱風循環路(21)と、該熱風循環路(21)に接続された乾燥室(23)および熱風発生機(30)とを備えている。熱風循環路(21)では、熱風発生機(30)と乾燥室(23)との間で熱風が循環する。
熱風発生機(30)は、ファン(31)とヒータ(32)を備えている。熱風発生機(30)では、ファン(31)によって取り込まれた空気がヒータ(32)で加熱されて熱風となる。つまり、熱風発生機(30)は熱風を送風する。
熱風循環路(21)は、上下方向に延びる処理通路(22)を有している。処理通路(22)には、上述した乾燥室(23)と、ファン室(24)とが形成されている。乾燥室(23)とファン室(24)とは、上下に並んで互いに連通している。ファン室(24)は、乾燥室(23)の下流側に形成されている。また、ファン室(24)の流路面積は、乾燥室(23)の流路面積よりも小さい。
乾燥室(23)は、上述した飛散工程が終了した吸着熱交換器(51,52)(熱交換器本体(40))が収容される。乾燥室(23)の側方には、乾燥室(23)に吸着熱交換器(51,52)を出し入れするための開閉扉(25)が設けられている。つまり、乾燥室(23)では吸着熱交換器(51,52)が水平方向に出し入れされる。また、乾燥室(23)において、熱交換器本体(40)が収容される箇所の上流側および下流側にはそれぞれ整流板(33)が設けられている。さらに、乾燥室(23)には、吸着熱交換器(51,52)が収容される箇所の下流側に温度センサ(34)が設けられている。温度センサ(34)は、乾燥室(23)を流通する熱風の温度を検出するものであり、熱電対で構成されている。乾燥室(23)では、熱風が吸着熱交換器(51,52)を流通することによって、吸着熱交換器(51,52)に付着している原料液が乾燥される。また、乾燥室(23)では、整流板(33)によって、吸着熱交換器(51,52)を流通する熱風の流速が均一となる。
ファン室(24)には、熱風発生機(30)のファン(31)とは別のファン(35)が設けられている。このファン(35)は、吸い込み側が乾燥室(23)側に位置するように配置されて、乾燥室(23)側の空気を吸い込む。
このように、熱風循環路(21)では、乾燥室(23)の上流側に熱風発生機(30)が設けられ、乾燥室(23)の下流側にファン(35)が設けられている。つまり、熱風発生機(30)のファン(31)は乾燥室(23)の上流側ファンを構成し、ファン室(24)のファン(35)は乾燥室(23)の下流側ファンを構成している。また、熱風循環路(21)の処理通路(22)では、熱風が乾燥室(23)を下方から上方へ向かって流通する。
熱風循環路(21)において、熱風発生機(30)の上流側の通路には空気の導入口(26)が設けられている。また、熱風循環路(21)において、ファン室(24)の下流側の通路には空気の排気口(27)が設けられている。熱風循環路(21)では、ファン室(24)を通過した熱風の一部が排気口(27)から排気される一方、その排気量と略同量の空気が導入口(26)から導入される。また、熱風循環路(21)には、ファン室(24)の下流側の通路に開度調整可能なダンパー(36)が設けられている。
乾燥装置(20)は、制御部(39)を備えている。制御部(39)は、熱風発生機(30)の運転制御を行うと共に、ファン室(24)のファン(35)の運転制御を行う。この制御動作の詳細については、後述する。
〈吸着熱交換器の乾燥方法〉
上述した乾燥装置(20)による乾燥方法について、図5を参照しながら説明する。
先ず、制御部(39)によって熱風発生機(30)が運転される(ステップST1)。つまり、ファン(31)およびヒータ(32)が運転される。これにより、熱風発生機(30)から熱風が送風されて、熱風循環路(21)を循環する。なお、この状態では、乾燥室(23)の開閉扉(25)は閉鎖されており、乾燥室(23)に吸着熱交換器(51,52)は収容されていない。また、本実施形態では、一連の乾燥工程(ステップST1〜ステップST13)が行われる間、常に熱風発生機(30)が運転される。つまり、熱風循環路(21)では常に熱風発生機(30)による熱風が循環する。
そして、温度センサ(34)の検出温度が所定値以上(例えば、90℃以上)まで上昇すると(ステップST2)、作業者は、乾燥室(23)の開閉扉(25)を開放して吸着熱交換器(51,52)を乾燥室(23)に収容し、再び開閉扉(25)を閉鎖する(ステップST3,4,5)。このように、本実施形態では、ステップST1によって乾燥室(23)が予熱された後に、吸着熱交換器(51,52)が乾燥室(23)に収容される。つまり、本実施形態においてステップST1は予熱工程を構成する。
なお、乾燥室(23)には、扉開閉スイッチと、ワーク検出スイッチが設けられている。扉開閉スイッチは、開閉扉(25)が閉鎖されるとONとなり、開放されるとOFFとなる。ワーク検出スイッチは、乾燥室(23)に吸着熱交換器(51,52)が収容されるとONとなり、吸着熱交換器(51,52)が取り出されるとOFFとなる。これらのON/OFF信号は、制御部(39)へ入力される。
ワーク検出スイッチがONし、且つ、扉開閉スイッチがONすると、制御部(39)によってファン室(24)のファン(35)が運転される(ステップST6)。具体的に、ファン(35)は、低速運転され、風量が熱風発生機(30)のファン(31)の風量と同等である。吸着熱交換器(51,52)が乾燥室(23)に収容されたことで、温度センサ(34)の検出温度は一旦低下する。つまり、乾燥室(23)において、熱風は吸着熱交換器(51,52)を流通する際に吸熱されて温度が(例えば、80℃以下まで)低下する。このように、温度センサ(34)の検出温度が一旦低下した後、吸着熱交換器(51,52)に対して熱風による実質的な乾燥が開始される(ステップST8)。つまり、吸着熱交換器(51,52)においてフィン(57)に付着している原料液が乾燥し始める。原料液が乾燥するに伴って、温度センサ(34)の検出温度は徐々に上昇する。そして、温度センサ(34)の検出温度が上述した所定値(90℃)まで上昇すると、吸着熱交換器(51,52)において原料液の乾燥が完了したと判断される(ステップST9)。本実施形態において、ステップST6〜9は本発明に係る加熱工程(乾燥動作)を構成する。
上述したように、加熱工程ではファン室(24)のファン(35)が運転される。これにより、乾燥室(23)側の空気がファン(35)によって強制的に吸い込まれるため、乾燥室(23)において熱風の流速が低下するのを防止できる。乾燥室(23)では、熱風が吸着熱交換器(51,52)を流通するところ、吸着熱交換器(51,52)が抵抗となって熱風の流速が低下してしまう。特に、本実施形態の吸着熱交換器(51,52)は、上述したように各フィン(57)間が著しく狭いため、熱風の流通抵抗が非常に高くなる。熱風の流速が低下すると、乾燥効率が低下してしまう。ところが、本実施形態の加熱工程では、上述したようにファン(35)の運転によって乾燥室(23)における熱風の流速低下が防止される。したがって、乾燥効率が向上する。また、ファン(35)の風量が熱風発生機(30)のファン(31)の風量よりも大きくなると、乾燥室(23)の圧力が低くなり、乾燥室(23)を通過する熱風の温度が低下してしまう。熱風の温度が低下すると、乾燥能力が低下してしまう。ところが、本実施形態の加熱工程では、ファン(35)の風量が熱風発生機(30)のファン(31)の風量と同等であるため、乾燥室(23)における熱風の温度低下が防止される。したがって、乾燥能力の低下が防止される。
温度センサ(34)の検出温度が上述した所定値(90℃)まで上昇すると、作業者が乾燥室(23)の開閉扉(25)を開放する(ステップST10、図6)。ここで、開閉扉(25)が開放されると同時に、制御部(39)によってファン室(24)のファン(35)が高速運転に切り換えられる(ステップST11)。つまり、開閉扉(25)を開放すると扉開閉スイッチのOFF信号が制御部(39)へ入力され、ファン(35)が低速運転から高速運転に切り換えられる。続いて、作業者は、乾燥が完了した吸着熱交換器(51,52)を乾燥室(23)から取り出して、再び開閉扉(25)を閉鎖する(ステップST12,13)。なお、乾燥室(23)から吸着熱交換器(51,52)が取り出されるとワーク検出スイッチがOFFとなり、開閉扉(25)が閉鎖されると扉開閉スイッチがONとなる。本実施形態において、ステップST10〜13は本発明に係る取出工程を構成する。この取出工程では、上述した予熱工程および加熱工程から継続して、熱風発生機(30)による熱風の循環が行われる。
この取出工程においては、ファン室(24)のファン(35)が運転されるため、乾燥室(23)の高温空気がファン(35)によって積極的に吸い込まれる。そのため、吸着熱交換器(51,52)を取り出すために開閉扉(25)を開放しても、その開閉扉(25)が開放された箇所(乾燥室(23)の側方)から高温空気が流出することはない。特に、この取出工程においても熱風発生機(30)による熱風の循環が継続して行われているため、開閉扉(25)の開放時に高温空気が乾燥室(23)から流出しやすくなるが、この高温空気の流出が防止される。さらに、この取出工程では、ファン(35)が高速運転に切り換えられる。具体的に、ファン(35)の風量は、熱風発生機(30)のファン(31)の風量よりも大きくなる。これにより、乾燥室(23)の高温空気がファン(35)によって確実に吸い込まれるため、開閉扉(25)の開放時に乾燥室(23)から高温空気が流出するのを確実に防止することができる。
ステップST13が終了すると、次の吸着熱交換器(51,52)を乾燥させるため、ステップST2へ戻り、以降、同様のステップST3〜13が繰り返される。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、取出工程において、乾燥室(23)の開閉扉(25)を開放する際に、ファン(35)によって乾燥室(23)の下流側から乾燥室(23)内の高温空気を吸い込むようにした。そのため、開閉扉(25)を開放しても乾燥室(23)から高温空気が流出するのを防止することができる。これによって、乾燥が完了した吸着熱交換器(51,52)を乾燥室(23)から取り出す際に作業者へ不快感を与えずにすむ。よって、作業性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、加熱工程から取出工程に移行しても、継続して熱風発生機(30)による熱風の循環を行うようにした。そのため、乾燥室(23)の温度を高温の状態で維持することができる。これによって、次の加熱工程に移行するまでの時間、または次の加熱工程に要する時間を短縮することができる。その結果、短時間でより多くの吸着熱交換器(51,52)の乾燥処理を行うことが可能となる。
一方、取出工程においても熱風の循環が継続して行われると、吸着熱交換器(51,52)を取り出す際に高温空気が一層流出しやすくなるが、この高温空気の流出をファン(35)の運転によって防止することができる。このように、本実施形態によれば、作業者へ不快感を与えることなく、乾燥に要する作業時間を短縮することができる。
また、本実施形態によれば、加熱工程(乾燥動作)において、熱風発生機(30)の熱風の風量と同等の風量でファン(35)を運転するようにしたため、乾燥室(23)において熱風の温度を低下させることなく熱風の流速を高めることができる。これによって、乾燥効率を向上させることができる。その結果、乾燥に要する作業時間を一層短縮することが可能となる。
また、本実施形態では、熱風循環路(21)の処理通路(22)において熱風が乾燥室(23)を下方から上方へ向かって流通するようにした。そのため、熱風が乾燥室(23)に滞留することなく下流側へ流れやすくなる。つまり、熱風は、比重が比較的小さいため、浮上しやすい。これにより、取出工程における開閉扉(25)の開放時に、乾燥室(23)から高温空気が流出するのを一層防止することができる。
以上説明したように、本発明は、熱風を循環させて被乾燥物を乾燥させる方法および装置について有用である。
20 乾燥装置
21 熱風循環路
23 乾燥室
25 開閉扉
30 熱風発生機
35 (ファン)
39 制御部

Claims (8)

  1. 熱風発生機(30)が乾燥室(23)との間で熱風を循環させて、上記乾燥室(23)内の被乾燥物を乾燥させる方法であって、
    上記熱風発生機(30)によって熱風を循環させて、上記乾燥室(23)に収容された被乾燥物を加熱する加熱工程と、
    続いて、上記乾燥室(23)の下流側に設けられたファン(35)で上記乾燥室(23)側の空気を吸い込みながら、上記乾燥室(23)の開閉扉(25)を開いて上記被乾燥物を取り出す取出工程とを備えている
    ことを特徴とする乾燥方法。
  2. 請求項1において、
    上記取出工程では、上記熱風発生機(30)による熱風の循環が上記加熱工程から継続して行われる
    ことを特徴とする乾燥方法。
  3. 請求項2において、
    上記加熱工程では、上記ファン(35)が上記熱風発生機(30)の熱風の風量と同等の風量で上記乾燥室(23)側の空気を吸い込み、
    上記取出工程では、上記ファン(35)が上記熱風発生機(30)の熱風の風量よりも大きい風量で上記乾燥室(23)側の空気を吸い込む
    ことを特徴とする乾燥方法。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項において、
    上記熱風発生機(30)による熱風の循環では、熱風が上記乾燥室(23)を下方から上方へ向かって流通する
    ことを特徴とする乾燥方法。
  5. 開閉扉(25)を有する乾燥室(23)と、熱風を送風する熱風発生機(30)とが接続されて、該熱風発生機(30)および上記乾燥室(23)の間で熱風が循環する熱風循環路(21)を備えた乾燥装置であって、
    上記熱風循環路(21)における上記乾燥室(23)の下流側に、吸い込み側が上記乾燥室(23)側となるように接続されたファン(35)と、
    上記乾燥室(23)の開閉扉(25)が閉鎖された状態で、上記熱風発生機(30)によって熱風を循環させて上記乾燥室(23)内の被乾燥物を乾燥させる乾燥動作を実行すると共に、該乾燥動作中に上記熱風循環路(21)における上記被乾燥物よりも下流側の空気温度が所定値まで上昇すると、上記乾燥室(23)の開閉扉(25)の開放を許可し上記ファン(35)を運転するファン動作を実行する制御部(39)とを備えている
    ことを特徴とする乾燥装置。
  6. 請求項5において、
    上記制御部(39)によるファン動作では、継続して上記熱風発生機(30)によって熱風を循環させる
    ことを特徴とする乾燥装置。
  7. 請求項6において、
    上記制御部(39)による乾燥動作では、上記熱風発生機(30)の熱風の風量と同等の風量で上記ファン(35)を運転し、
    上記制御部(39)によるファン動作では、上記熱風発生機(30)の熱風の風量よりも大きい風量で上記ファン(35)を運転する
    ことを特徴とする乾燥装置。
  8. 請求項5乃至7の何れか1項において、
    上記熱風循環路(21)は、熱風が上記乾燥室(23)を下方から上方へ向かって流通するように構成されている
    ことを特徴とする乾燥装置。
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