JP2012211030A - 酸化チタン構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】比表面積が高く、溶液中への分散性がよく、且つ、乾燥・加熱時の収縮が小さく、金属残留量も少ない酸化チタン構造体及びその簡易な製造方法を提供する。
【解決手段】幅が8〜50nm、長さが0.5μm以上、比表面積が30〜300m/gであり、且つ、Ti/Oの重量比が1.0以上1.5未満である、酸化チタン構造体。当該酸化チタン構造体は、KOHを5mol/L以上含み、且つ、全アルカリ成分の濃度に対する水酸化カリウムの濃度が30〜100mol%であるアルカリ水溶液中で160℃より高い温度で、少なくともチタンと酸素を含有する材料をアルカリ処理することにより得られる。
【選択図】図2

Description

本発明は、色素増感太陽電池、光触媒、センサー、樹脂強化材、金属イオン担持体等に用いられる酸化チタン構造体及びその製造方法に関する。
酸化チタンは、色素増感太陽電池、光触媒等に用いられている。特に、色素を修飾した酸化チタン等を活性電極に用いた色素増感太陽電池(例えば、特許文献1参照)は、安価で容易に製造できる太陽電池として注目を集めている。しかし、酸化チタンは、塗膜の強度が弱い。また、色素増感太陽電池に用いる場合には、活性表面積を大きくするために比表面積を大きくすることが試みられているが、酸化チタンの平均粒子径を小さくして比表面積を大きくすると、界面抵抗が大きくなってしまう。
一方、中空状で大きいアスペクト比を有し、比表面積が大きい酸化チタンナノチューブも知られている(特許文献2及び3)。
特公平8−15097号公報 特許第3983533号 特許第3513738号
しかし、従来の酸化チタンナノチューブは、
(1)凝集しやすく、1本1本が独立した形での単離が困難である
(2)分散性が悪いため、塗布、印刷等に使用するための均一な溶液及びペーストの作製が困難である
(3)耐熱性に劣るため、焼成時に高アスペクト比の形状及びチューブ形状を維持できない
(4)当該酸化チタンナノチューブからなる塗膜を形成しても、焼成時に該酸化チタンナノチューブの収縮が大きいため、塗膜が割れることが多い
等の問題点があった。
本発明は、比表面積が高く、溶液中への分散性がよく、且つ、乾燥・加熱時の収縮が小さく、金属残留量も少ない酸化チタン構造体及びその簡易な製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を鑑み、鋭意検討した結果、本発明者らは、酸化チタン等の、チタン及び酸素を含む材料を、KOHを特定量含むアルカリ水溶液中且つ高温でアルカリ処理することで、上記課題を解決した酸化チタン構造体が得られることを見出し、さらに研究を重ね、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.幅が8〜50nm、長さが0.5μm以上、比表面積が30〜300m/gであり、且つ、Ti/Oの重量比が1.0以上1.5未満である、酸化チタン構造体。
項2.幅が8nm以上20nm未満である、項1に記載の酸化チタン構造体。
項3.比表面積が、45〜300m/gである、項1又は2に記載の酸化チタン構造体。
項4.アスペクト比が100以上である、項1〜3のいずれかに記載の酸化チタン構造体。
項5.チタン以外の金属含有量が総重量の10重量%未満である、項1〜4のいずれかに記載の酸化チタン構造体。
項6.カリウム含有量が総重量の10重量%未満である、項1〜5のいずれかに記載の酸化チタン構造体。
項7.項1〜6のいずれかに記載の酸化チタン構造体の製造方法であって、
(1)水酸化カリウム(KOH)を5mol/L以上含み、且つ、全アルカリ成分の濃度に対する水酸化カリウムの濃度が30〜100mol%であるアルカリ水溶液中で160℃より高い温度で、少なくともチタンと酸素を含有する材料をアルカリ処理する工程
を備える、製造方法。
項8.前記少なくともチタンと酸素を含有する材料が、酸化チタンである項7に記載の製造方法。
項9.少なくともチタンと酸素を含有する材料中の前記酸化チタンが、アナターゼ型の酸化チタンを含む項8に記載の製造方法。
項10.少なくともチタンと酸素を含有する材料中の前記酸化チタンの平均粒子径が30nm以下である、項8又は9に記載の製造方法。
項11.前記工程(1)が、少なくともチタンと酸素を含有する材料の水分散液に、水酸化カリウムを含むアルカリ金属水酸化物を投入し、160℃より高い温度に加熱する工程である、項7〜10のいずれかに記載の製造方法。
項12.さらに、
(2)工程(1)で得られた酸化チタン構造体を、pH4以下の酸性溶液で洗浄する工程
を備える、項7〜11のいずれかに記載の製造方法。
項13.前記酸性溶液が、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、フッ酸、酢酸、クエン酸、ギ酸及びシュウ酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶液である、項12に記載の製造方法。
項14.さらに、
(3)工程(2)で得られた酸化チタン構造体を、150℃以上で熱処理を行う工程
を備える、項12又は13に記載の製造方法。
項15.前記工程(3)が、工程(2)で得られた酸化チタン構造体を、液相中で、150〜400℃で熱処理を行う工程である、項14に記載の製造方法。
項16.前記工程(3)が、工程(2)で得られた酸化チタン構造体を、気相又は真空中で、400〜900℃で熱処理を行う工程である、項14に記載の製造方法。
項17.項1〜6のいずれかに記載の酸化チタン構造体、又は項7〜16のいずれかに記載の製造方法により得られる酸化チタン構造体を含む、多孔質酸化チタン薄膜。
項18.さらに、平均粒子径が5〜100nmの酸化チタン微粒子を含む、項17に記載の多孔質酸化チタン薄膜。
項19.導電性基板上に、色素が担持された項17又は18に記載の多孔質酸化チタン薄膜が形成されている電極。
項20.項19に記載の電極を備える、色素増感太陽電池。
項21.項1〜6のいずれかに記載の酸化チタン構造体、又は項7〜16のいずれかに記載の製造方法により得られる酸化チタン構造体を含む光触媒。
本発明によれば、比表面積が高く、溶液中への分散性がよく、且つ、乾燥・加熱時の収縮が小さく、金属残留量も少ない酸化チタン構造体及びその簡易な製造方法を提供できる。
実施例1の酸化チタン構造体(焼成前)のTEM写真である。1本1本独立した状態で存在し、容易に微細化し、溶媒への分散性がよい。 実施例1の酸化チタン構造体(焼成前)のTEM写真(高倍率)である。太さが12nmあり、比較例1及び2と比較して凝集しにくい。 実施例1(焼成前)、実施例2(焼成後)、比較例1(焼成前)、比較例2(焼成前)のサンプル(各100mg)である。なお、実施例1及び2は非常にかさ高いため溶媒への分散がしやすい。また、実施例1及び2は焼成してもやや凝結するものの同等のかさ高さである。比較例1及び2は真空乾燥した段階で凝集し、石のような塊となり、溶媒に分散できない。 実施例1の酸化チタン構造体を塩酸中で撹拌したものである。凝集が起こりにくいため超音波分散などを行うことなく、撹拌のみで溶液中に分散し、光が一部通過する半透明の溶液になる。 比較例1の酸化チタン構造体(焼成前)の形状を示すTEM写真(図1と同じ倍率)である。凝集していることがわかる。 比較例1の酸化チタン構造体(焼成前)の表面形状を示す電子顕微鏡(TEM、500000倍)写真である。チューブ状の構造体が観察される。 比較例1の酸化チタン構造体(焼成前)の表面形状を示す電子顕微鏡(SEM、10000倍)写真である。凝集していることがわかる。
1.酸化チタン構造体
本発明の酸化チタン構造体は、幅が8〜50nm、長さが0.5μm以上、比表面積が30〜300m/gのものであって、好ましくは板状の構造体である。また、Ti/Oの重量比が1.0以上1.5未満である。
本発明において、「酸化チタン」とは、最も一般的な酸化チタンである二酸化チタン(TiO)のみを指すものではなく、三酸化二チタン(Ti);一酸化チタン(TiO);Ti、Ti等に代表される二酸化チタンから酸素欠損した組成のもの等も含むものである。また、末端OH基に代表されるように一部酸化チタンの合成に起因するTi−O−Ti以外の基を含んでいても良い。換言すれば、H原子を有し、且つ、O/Tiのモル比が2より大きくてもよい。
本発明において、「板状」とは、幅(短辺)に対して長さ(長辺)が大きければよく、必ずしも直方体、円柱状のように、直線的である必要はなく、曲がっていてもよい。また、完全な平面を有している必要はなく、曲面であってもよい。断面は、円状、楕円状、四角形状等、特に制限はない。また、本発明の酸化チタン構造体には、多少の凹凸を有していてもよい。ただし、筒状(チューブ状)のものは除く。なお、本明細書において、酸化チタン構造体の断面が円状、楕円状等の場合における幅(短辺)とは、平均外径を指す。
<形状>
本発明の酸化チタン構造体の幅は、酸化チタン構造体が互いに絡み合わないため凝集しにくく単離も容易である点から、8nm以上、好ましくは10nm以上である。一方、光触媒等表面で反応を行う用途、色素増感太陽電池で表面に色素を担持させる目的のある場合等に好適に用いるためには、比表面積を高くするのが好ましいことから、本発明の酸化チタン構造体の幅は、50nm以下、好ましくは40nm以下、より好ましくは20nm以下である。ただし、導電、光拡散等を目的とする場合は太い方が好ましく、50nm以上のものを含んでいてもよい。
酸化チタン構造体の長さは、導電性に優れ、塗膜を形成した場合又は樹脂に混合した場合に強度が向上する点から、0.5μm以上、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上である。また、塗布した場合の膜性を良好にするために、本発明の酸化チタン構造体の長さは、100μm以下程度が好ましく、20μm以下程度がより好ましい。
酸化チタン構造体のアスペクト比(幅に対する長さの比、長さ/幅)は、高導電性、高強度等、高アスペクト比に起因する物性を得る観点から、10以上が好ましく、30以上がより好ましく、100以上がさらに好ましい。また、塗布した場合の膜性を良好にするために、酸化チタン構造体のアスペクト比は、10000以下程度が好ましく、5000以下程度がより好ましい。
酸化チタン構造体の形状(アスペクト比、幅及び長さ)は、例えば、電子顕微鏡(SEM又はTEM)観察等により測定することができ、断面は例えば、FIB(Focused Ion Beam)により加工を行った後にTEMで観察することができる。
本発明の酸化チタン構造体は、色素増感太陽電池に使用する場合には色素を多量に担持し、入射した光を効率よく吸収でき、光触媒に使用する場合には充分な光触媒能を得られる点から、比表面積は30m/g以上、好ましくは45m/g以上、より好ましくは50m/g以上である。一方、色素の担持量を多くすることができ、活性な表面積を増やすという観点では大きい方が好ましいが、凝集、加熱時の収縮等を防ぐ観点から、300m/g以下、好ましくは260m/g以下である。比表面積は、BET法等により測定できる。
従来の酸化チタンナノチューブ(アルカリ水溶液と酸化チタンとの接触温度が低いもの)は、500〜900℃程度の高温領域では形状が崩壊し、粒子状となってしまうため、比表面積及びアスペクト比を維持できないが、本発明の酸化チタン構造体は、500〜900℃程度の高温領域でも、比表面積及びアスペクト比をある程度維持することができる。
つまり、本発明の酸化チタン構造体は、合成時に単離しやすく、凝集しにくく、熱処理後においても、高比表面積とアスペクト比を有し、活性と溶液中への分散性を両立するものである。
<組成>
上述したように、本発明の酸化チタン構造体は、Ti/Oの重量比が1.0以上1.5未満、好ましくは1.19〜1.46である。
ただし、本発明の酸化チタン構造体中のチタン以外の金属の含有量は、色素増感太陽電池に使用する場合は、活性を確保する点から、総重量の10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。この酸化チタン構造体中のチタン以外の金属の含有量は、水熱合成法を採用する場合の水酸化ナトリウム中のナトリウム、水酸化カリウム中のカリウムを意図するものである。特に、ナトリウムは、洗浄等により容易に含有量を低減することができるが、カリウムは、洗浄するだけでは含有量を低減することが困難である。そのため、本発明の酸化チタン構造体は、特にカリウム含有量が低減されていることが好ましい。なお、耐熱性を必要とする場合は、カリウム等金属をある程度含有するほうが好ましいことがあるため、重金属含有量は、目的等に応じて適宜設定すればよい。チタン以外の金属の含有量は、イオンクロマトグラフ法、ICP発光分光分析法等により測定できる。
<結晶構造>
本発明の酸化チタン構造体の具体的な結晶構造は、特に制限されるわけではないが、色素増感太陽電池、光触媒等に使用する場合には、アナターゼ型、ブルッカイト型、TiO−B型のうち少なくとも1種を含むことが好ましく、アナターゼ型及び/又はTiO−B型を含むことがより好ましく、少なくともアナターゼ型を含むことがさらに好ましい。酸化チタン構造体の結晶構造は、例えば、X線回折、電子線回折、ラマン分光分析等により測定することができる。
アナターゼ型、ブルッカイト型、TiO−B型を多く得る場合は、本発明の酸化チタン構造体を、湿式なら例えば150℃以上、乾式なら例えば400℃以上の熱処理を行ってもよい。ただし、高温にするとルチル型が発生することがあるため、800℃以下が好ましい。
<その他>
本発明の酸化チタン構造体は、より大きな電流が得られる点から、10MPa下での粉体抵抗は3×10Ω・m以下が好ましく、1×10Ω・m以下がより好ましい。下限値は特に制限されないが、0.001Ω・m程度である。粉体抵抗は、小さいほうが好ましいが、カリウム含有量と相関があり、用途によってカリウム含有量の許容範囲と求められる導電性を考慮しながら調整することも可能である。なお、酸化チタン構造体の粉体抵抗の測定方法は、特に限定されないが、例えば、10MPaの圧力で厚さ0.3mmの平板状に加工し、ペレット間に電圧1Vを印加して流れる電流値を測ることにより測定することができる。
2.酸化チタン構造体の製造方法
<工程(1)>
本発明の酸化チタン構造体の製造方法は、
(1)水酸化カリウム(KOH)を5mol/L以上含み、且つ、全アルカリ成分の濃度に対する水酸化カリウムの濃度が30〜100mol%であるアルカリ水溶液中で160℃より高い温度で、少なくともチタンと酸素を含有する材料をアルカリ処理する工程
を備える。
工程(1)では、これに限定されるわけではないが、少なくともチタンと酸素を含有する材料と、5mol/L以上のKOHとを含むアルカリ水溶液(ただし、全アルカリ水酸化物の濃度に対する水酸化カリウムの濃度が30〜100mol%)を、160℃より高い温度に加熱すればよい。
具体的には、少なくともチタンと酸素を含有する材料の分散液(例えば水分散液等)(特に酸化チタンの水分散液)に、KOHを含むアルカリ金属水酸化物を、上記の濃度になるように投入し、160℃より高い温度に加熱すればよい。また、具体的な方法はこれに限られることはなく、5mol/L以上のKOHを含み、全アルカリ成分の濃度に対するKOHの濃度が30〜100mol%であるアルカリ水溶液中に、少なくともチタンと酸素を含有する材料(特に酸化チタン)又はその分散液(特に酸化チタンの水分散液)を投入し、160℃より高い温度に加熱してもよい。
アルカリ水溶液中のKOHの濃度は、比表面積が高く、アスペクト比が大きい酸化チタン構造体を得るという観点から、5mol/L以上、好ましくは5〜25mol/L、より好ましくは7〜20mol/Lである。
アルカリ水溶液としては、アルカリ成分としてKOHのみを含む水溶液であってもよいが、2種類以上のアルカリ成分(KOH及び他のアルカリ成分)を含む水溶液であってもよい。ただし、上述した本発明の酸化チタン構造体を得る観点から、全アルカリ成分に対するKOHの濃度は、30〜100mol%、好ましくは50〜100mol%、より好ましくは60〜100mol%である。なお、アルカリ成分としてKOH以外のアルカリ成分を含む場合は、例えば、NaOH、LiOH等をKOHと併用させればよい。また、全アルカリ成分濃度は7〜30mol/Lが好ましく、9〜25mol/Lがより好ましい。
使用するチタンと酸素を含有する材料としては、特に制限はない。具体的には、公知又は市販の酸化チタン微粒子をそのまま使用してもよいし、水酸化チタンを使用してもよい。また、水との接触によって水酸化チタンを生じるハロゲン化チタン、チタンアルコキシド等を用いても良い。
チタンと酸素を含有する材料として酸化チタンを用いる場合は、アナターゼ型酸化チタンを含むことが好ましい。
また、酸化チタンの平均粒子径は、表面がアルカリ水溶液に速やかに溶解し、より低温、より短時間で本発明の酸化チタン構造体を製造できる点から、30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましい。なお、該酸化チタンの平均粒子径の下限値は、特に制限はないが、通常1nm程度である。酸化チタンの平均粒子径は、例えば、電子顕微鏡(SEM又はTEM)観察等により測定することができる。
KOHを含むアルカリ水溶液中に投入する、チタンと酸素を含有する材料の量は、特に制限されないが、反応液の流動性と生産性とのバランスを取る観点から、0.01〜1mol/L程度、好ましくは0.05〜0.5mol/Lとすればよい。
工程(1)の処理温度は、160℃より高い温度である。接触温度の上限値は、特に制限はなく、水の臨界点である374℃以上で反応させてもよい。しかし、製造装置及び使用エネルギーの観点から、好ましくは、180〜370℃程度、より好ましくは200〜300℃程度とすればよい。接触温度が低すぎると本発明の酸化チタン構造体を製造することはできず、径が8nm未満の細い構造体を多く含むため、
(1)生成物が凝集して塊状になりやすい
(2)ろ過により単離することが困難である
(3)構造中にカリウム等の金属成分が残りやすく、除去するのが困難である
等の問題点がある。
つまり、低温(160℃以下)で処理した場合、高アスペクト比、高比表面積でありながら、分散性が高く、単離が容易で、金属分の除去も容易である酸化チタン構造体は得られない。
特許文献2及び3では、高アスペクト比の構造体が得られないと同時に、酸化チタン構造体同士が絡み合って凝集しやすいため、溶媒への分散性に欠けるものである。
前記のアルカリ処理の時間は、特に制限はなく、1〜24時間程度とすればよい。
本発明では、使用するチタンと酸素を含有する材料の平均粒子径、処理温度及び処理時間の好ましい範囲には相関関係があり、平均粒子径が大きめの酸化チタンを使用する場合には、処理温度を高めとすることが好ましい。例えば、平均粒子径7nmの酸化チタンを用いる場合は、処理時間を6時間以上、処理温度が160℃以上とすればよいが、平均粒子径25nmの酸化チタンを用いる場合には、処理時間を10時間以上、処理温度を185℃以上とすることが好ましい。
<工程(2)>
本発明の酸化チタン構造体の製造方法においては、上記の工程(1)の後、さらに、
(2)工程(1)で得られた酸化チタン構造体を、pH4以下の酸性溶液で洗浄する工程
を備えることが好ましい。
具体的には、工程(1)で得られた酸化チタン構造体を、酸性溶液中に添加すればよい。
酸性溶液としては、アルカリ金属イオンとプロトンを交換できるプロトン酸の溶液が好ましい。具体的には、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、フッ酸、酢酸、クエン酸、ギ酸、シュウ酸等の一般的な無機酸又は有機酸の水溶液が挙げられ、塩酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等がより好ましい。これらの酸は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
本発明では、KOHを含むアルカリ水溶液を用いるため、工程(1)で得られる酸化チタン構造体中に、K等の金属が若干残存していることがあるが、この工程により、余剰のアルカリ成分、及び酸化チタン構造体中に含まれるチタン以外の金属を取り除くことができる。
ただし、酸性溶液を用いるため、この工程の後、酸化チタン構造体を水洗して酸と遊離した金属塩を除去することが好ましい。
酸性溶液で洗浄する時間は、1〜168時間程度とすればよく、充分にアルカリ金属を除去する必要がある場合は8時間以上がより望ましい。
<工程(3)>
本発明の酸化チタン構造体の製造方法においては、上記の工程(2)の後、さらに、
(3)工程(2)で得られた酸化チタン構造体を、150℃以上で熱処理を行う工程
を備えることが好ましい。
熱処理温度は、酸化チタン構造体に残存するTi−OH基の脱水反応を行わせることができる点から150℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましい。なお、熱処理温度の上限値は特に制限はないが、通常1000℃程度である。
熱処理は通常の気相又は真空中における焼成を行ってもよいが、液相中で行ってもよい。
気相中で熱処理する場合は、結晶性を向上するという観点から、400〜900℃が好ましい。なお、気相で熱処理する場合の雰囲気としては、特に制限はなく、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等とすればよい。
一方、液相中で行う場合は、低い処理温度で結晶性を上げることができるため、150〜400℃が好ましく、200〜400℃がより好ましい。
このようにして得られる酸化チタン構造体は、上記の「1.酸化チタン構造体」にて説明したような特性を有するものである。
3.多孔質酸化チタン薄膜
本発明の多孔質酸化チタン薄膜は、本発明の酸化チタン構造体を含むものであり、光触媒や色素増感太陽電池等に用いることができる。
なお、本発明の多孔質酸化チタン薄膜は、必ずしも本発明の酸化チタン構造体のみからなる必要はなく、例えば、平均粒子径が1〜100nmの酸化チタン微粒子;公知の酸化チタンナノチューブ;公知の酸化チタンナノロッド;公知の酸化チタンナノファイバー;酸化チタンナノ粒子のチューブ状集合体等の高アスペクト比を有する酸化チタン構造体等を含んでいてもよい。
特に、本発明の酸化チタン構造体と酸化チタン微粒子とを混合する場合には、本発明の多孔質酸化チタン薄膜の強度を向上させ、クラック等の不良を抑制できる。
なお、本発明の多孔質酸化チタン薄膜中に、本発明の酸化チタン構造体と他の成分とを含ませる場合には、本発明の多孔質酸化チタン薄膜は、「本発明の酸化チタン構造体と他の成分とを含む層からなるもの」であってもよいし、「他の成分を含む層と、本発明の酸化チタン構造体を含む層の2層からなるもの」であってもよい。もちろん、3層以上の構成を有していてもよい。
本発明の多孔質酸化チタン薄膜中に、本発明の酸化チタン構造体とその他の成分とを含ませる場合、本発明の酸化チタン構造体の含有量を加える目的や組み合わせるその他の成分の種類によって異なるが、導電性及び強度を向上させるために、本発明の酸化チタン構造体の含有量を、0.1〜95重量%程度、好ましくは1〜90重量%程度とすればよい。光の拡散効果を強くしたい場合は本発明の酸化チタン構造体の比率を大きくし(例えば5〜95重量%程度)、薄膜の透明性をできるだけ保持したい場合や、比表面積を大きくする必要がありかつ組み合わせるその他の成分の比表面積の方が大きい場合は、本発明の酸化チタン構造体の比率を少なめに(例えば0.5〜20重量%程度)すればよい。
本発明の多孔質酸化チタン薄膜の製造方法としては、特に制限されるわけではないが、例えば、本発明の酸化チタン構造体を含む薄膜形成用組成物を作製し、適当な基板上に当該薄膜形成用組成物を塗布及び乾燥させればよい。また、乾燥させた後、得られた薄膜に、必要に応じて加熱処理を施して焼成させてもよい。
基板としては、特に制限はなく、常温においてほぼ平滑な面を有するものであればよく、その面は平面あるいは曲面であってもよく、また応力によって変形するものであってもよい。使用できる基板の具体例としては、例えば、各種ガラス;PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等の透明樹脂、金属、セラミック等が挙げられる。
塗布方法は特に制限はなく、スクリーン印刷、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、スキージ法等の常法を採用すればよい。
また、乾燥条件及び焼成条件は特に制限はなく、乾燥温度を60〜250℃程度、焼成温度を250〜800℃程度とすればよい。塗布する樹脂組成物に分散剤、バインダ等を含む場合は、それらが蒸発又は分解する温度以上の焼成温度が好ましく、基板の耐熱温度以下で焼成を行うことが好ましい。
本発明の多孔質酸化チタン薄膜の作製に当たっては、得られる薄膜の膜厚が0.5〜50μm程度となるように塗布すればよい。
なお、本発明の多孔質酸化チタン薄膜を、酸化チタン微粒子を含む層と、本発明の酸化チタン構造体を含む層の2層を有するものとする場合には、例えば、酸化チタン微粒子を含む薄膜形成用組成物を基板上に塗布及び乾燥した後、酸化チタン微粒子を含む層の上に、本発明の酸化チタン構造体を含む薄膜形成用組成物を塗布及び乾燥すればよい。もちろん、3層以上からなる多孔質酸化チタン薄膜を形成する場合には、塗布及び乾燥工程を3回以上に分けて行えばよい。
4.電極
本発明の電極を形成する際には、上述の多孔質酸化チタン薄膜を、樹脂基板又はガラス基板の上に形成する。
樹脂基板としては、導電性の樹脂基板であれば特に制限されないが、例えば、ポリエチレンナフタレート樹脂基板(PEN樹脂基板)、ポリエチレンテレフタレート樹脂基板(PET樹脂基板)等のポリエステル;ポリアミド;ポリスルホン;ポリエーテルサルホン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリフェニレンサルファイド;ポリカーボネート;ポリイミド;ポリメチルメタクリレート;ポリスチレン;トリ酢酸セルロース;ポリメチルペンテン等が挙げられる。
ガラス基板としても特に制限はなく、公知又は市販のものを使用すればよく、無色又は有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等のいずれでもよい。
この樹脂基板又はガラス基板としては、板厚が0.05〜10mm程度のものを使用すればよい。
本発明では、多孔質酸化チタン薄膜は、樹脂基板又はガラス基板の表面上に直接形成されていてもよいが、透明導電膜を介して形成されていてもよい。
透明導電膜としては、例えば、スズドープ酸化インジウム膜(ITO膜)、フッ素ドープ酸化スズ膜(FTO膜)、アンチモンドープ酸化スズ膜(ATO膜)アルミニウムドープ酸化亜鉛膜(AZO膜)、ガリウムドープ酸化亜鉛膜(GZO膜)等が挙げられる。これらの透明導電膜を介することで、発生した電流を外部にとりだすことが容易となる。これらの透明導電膜の膜厚は、0.02〜10μm程度とするのが好ましい。
5.色素増感太陽電池
本発明の色素増感太陽電池は、本発明の電極の多孔質酸化チタン薄膜の上に対向電極(対極)を形成し、これら電極間を、ヨウ素及びヨウ化物又は臭素及び臭化物を含むアセトニトリル溶液、エチレンカーボネート溶液、又はプロピレンカーボネート溶液、及びそれらの混合溶液等の電解液で満たすことにより光電変換素子を作製し、当該光電変換素子をモジュール化するとともに、所定の電気配線を設けることによって得られる。
このように、本発明の電極を負極として用いることにより、発生した電子を速やかに負極側の導電ガラスに運ぶことができる。また、負極材料として酸化チタン微粒子を使用した場合と比較し、光を拡散しやすくし、光利用効率を向上させることができる。また、負極に適度な隙間を形成し、電解液の拡散を容易にすることができる。さらに、負極の多孔質酸化チタン薄膜の強度を向上させ、リーク電流等の要因となるクラックを防止することもできる。
対極は、導電性材料からなる単層構造でもよいし、導電層と基板とから構成されていてもよい。基板としては、特に限定されず、材質、厚さ、寸法、形状等は目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、無色又は有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等が用いられる他、樹脂でも良い。かかる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテン等が挙げられる。また、電荷輸送層上に直接導電性材料を塗布、メッキ又は蒸着(PVD、CVD)して対極を形成してもよい。
なお、本発明の電極を対極として用いることもできる。本発明の電極を対極として使用すれば、触媒の有効面積の拡大、電解液の拡散の促進、対極の触媒層の強度の向上等の効果が期待できる。
導電性材料としては、白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属や、炭素材料、導電性有機物等の比抵抗の小さな材料が用いられる。
また、対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いても良い。金属リードは白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属からなるのが好ましく、アルミニウム又は銀からなるのが特に好ましい。
本発明では、対極を形成する前に、本発明の電極の光吸収効率を向上すること等を目的として、多孔質酸化チタン薄膜に色素を担持(吸着、含有など)させることが好ましい。
色素は、可視域や近赤外域に吸収特性を有し、半導体層の光吸収効率を向上(増感)させる色素であれば特に限定されないが、金属錯体色素、有機色素、天然色素、半導体等が好ましい。また、多孔質酸化チタン薄膜への吸着性を付与するために、色素の分子中にカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、ホスホニル基、カルボキシルアルキル基、ヒドロキシアルキル基、スルホニルアルキル基、ホスホニルアルキル基等の官能基を有するものが好適に用いられる。
金属錯体色素としては、例えば、ルテニウム、オスミウム、鉄、コバルト、亜鉛、水銀の錯体(例えば、メリクルクロム等)や、金属フタロシアニン、クロロフィル等を用いることができる。また、有機色素としては、例えば、シアニン系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、金属フリーフタロシアニン系色素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。色素として用いることができる半導体としては、i型の光吸収係数が大きなアモルファス半導体や直接遷移型半導体、量子サイズ効果を示し、可視光を効率よく吸収する微粒子半導体が好ましい。通常、各種の半導体や金属錯体色素や有機色素の一種、又は光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二種類以上の色素を混合することができる。また、目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように、混合する色素とその割合を選ぶことができる。
色素を多孔質酸化チタン薄膜に吸着させる方法としては、例えば、溶媒に色素を溶解させた溶液を、多孔質酸化チタン薄膜上にスプレーコートやスピンコート等により塗布した後、乾燥する方法により形成することができる。この場合、適当な温度に基板を加熱しても良い。また、多孔質酸化チタン薄膜を溶液に浸漬して吸着させる方法を用いることもできる。浸漬する時間は色素が充分に吸着すれば特に制限されることはないが、好ましくは10分〜50時間、より好ましくは1〜30時間である。また、必要に応じて浸漬する際に溶媒や基板を加熱しても良い。溶液にする場合の色素の濃度としては、1〜1000mmol/L、好ましくは10〜500mmol/L程度である。
用いる溶媒は特に制限されるものではないが、水及び有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル等のニトリル類;ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ブタノン等のケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
色素間の凝集等の相互作用を低減するために、界面活性剤としての性質を持つ無色の化合物を色素吸着液に添加し、多孔質酸化チタン薄膜に共吸着させてもよい。このような無色の化合物の例としては、カルボキシル基やスルホ基を有するコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸等のステロイド化合物やスルホン酸塩類等が挙げられる。
未吸着の色素は、吸着工程後、速やかに洗浄により除去するのが好ましい。洗浄は湿式洗浄槽中でアセトニトリル、アルコール系溶媒等を用いて行うのが好ましい。
色素を吸着させた後、アミン類、4級アンモニウム塩、少なくとも1つのウレイド基を有するウレイド化合物、少なくとも1つのシリル基を有するシリル化合物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を用いて、多孔質酸化チタン薄膜の表面を処理してもよい。好ましいアミン類の例としては、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。好ましい4級アンモニウム塩の例としては、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド等が挙げられる。これらは有機溶媒に溶解して用いてもよく、液体の場合はそのまま用いてもよい。
6.他の用途
本発明の酸化チタン構造体は、色素増感太陽電池以外にも、光触媒、センサー、樹脂強化材、金属イオン担持体等に用いることができる。その際、上記の「3.多孔質酸化チタン薄膜」等と同様に、本発明の酸化チタン構造体を単独で用いてもよいし、本発明の酸化チタン構造体と酸化チタン微粒子等とを混合して用いてもよい。
本発明の酸化チタン構造体と酸化チタン微粒子等とを混合して用いれば、強度を向上させ、クラック等の不良を抑制することができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
実施例1
平均粒子径が7nmの酸化チタン微粒子(アナターゼ型酸化チタン:100重量%)0.32gを40gの蒸留水を加え撹拌した後、24.9gのKOH(純度90%)を加えさらに5分間撹拌した(酸化チタンの濃度:0.1mol/L、KOH水溶液の濃度:10mol/L)。この混合液をPTFEライニングしたSUS316製圧力容器に入れて250℃加熱炉中で12時間静置したところ、白色の沈殿が得られた。
この沈殿を粉砕し、500mlの蒸留水中で激しく撹拌した後、分離するという操作を3回繰り返した後、pH1の塩酸500g中で48時間撹拌したところ、塊がほぐれ、半透明の分散液が得られた。さらに得られた物質を500mlの蒸留水中で撹拌した後分離するという操作を5回繰り返し、得られた白色のケーキを150℃で12時間減圧乾燥したところ、0.3gの白色の物質が得られた。
この物質をTEMで観察したところ、図1〜2のように、平均幅12nm、平均長さ6μmの大きいアスペクト比(平均アスペクト比:約500)を有する構造体であることがわかった。この酸化チタン構造体は、1本1本独立した状態で存在し、容易に微細化し、溶媒への分散性に優れるものであった。また、太さが12nmあり、後述の比較例1及び2と比べて溶媒への分散性に優れるものである。
なお、この白色の物質は、非常にかさ高いため、図3に示すように、溶媒への分散がしやすいものであった。また、この白色の物質は、塩酸中で攪拌するだけで、図4に示すように、超音波分散等を行うことなく、容易に分散し、光が一部通過する半透明の溶液となった。
得られた酸化チタン構造体をBET法にて比表面積を測定したところ220m/gであり、WDX蛍光分析X線分析法を行ったところ、Ti/O重量比は1.19、チタン以外の金属含有量は、カリウムが0.5重量%(他は検出限界(0.1wt%)未満)であった。
得られた酸化チタン構造体を700℃で焼成したところ、アスペクト比は下がるものの形状は維持しており(平均幅20nm、平均長さ1μm、平均アスペクト比50)、耐熱性に優れることが見出された。また、X線結晶構造解析を行ったところ、アナターゼ型であることがわかった。
実施例2
平均粒子径が25nmの酸化チタン微粒子(アナターゼ型酸化チタン:約75重量%、ルチル型酸化チタン:約15重量%、それ以外の構造:約10重量%)0.32gを40gの蒸留水を加え撹拌した後、49.9gのKOH(純度90%)を加えさらに5分間撹拌した(酸化チタンの濃度:0.1mol/L、KOH水溶液の濃度:20mol/L)。この混合液をPTFEライニングしたSUS316製圧力容器に入れて250℃加熱炉中で12時間静置したところ、白色の塊状物質が得られた。
この物質を粉砕し、500mlの蒸留水中で激しく撹拌した後、分離するという操作を3回繰り返した後、pH1の塩酸500g中で48時間撹拌したところ、塊がほぐれ、半透明の分散液が得られた。さらに得られた物質を500mlの蒸留水中で撹拌した後分離するという操作を5回繰り返し、得られた白色のケーキを150℃で12時間減圧乾燥したところ、0.3gの白色の物質が得られた。
この物質をTEMで観察したところ、平均幅10nm、平均長さ6μmの大きいアスペクト比(平均アスペクト比:約600)を有する構造体であることがわかった。
得られた酸化チタン構造体をBET法にて比表面積を測定したところ240m/gであり、WDX蛍光分析X線分析法を行ったところ、Ti/O重量比は1.20、チタン以外の金属含有量はカリウムが0.4重量%(他は検出限界(0.1wt%)未満)であった。
得られた酸化チタン構造体を700℃で焼成したところ、実施例1と同様に高アスペクト比を有する形状を維持しており、耐熱性に優れることが見出された。また、X線結晶構造解析を行ったところ、アナターゼ型であることがわかった。なお、この焼成後に得られた白色の塊状物質は、図3に示すように、焼成後も同等のかさ高さを有するものであった。
実施例3
酸化チタン微粒子とKOHとの反応温度を200℃とすること以外は実施例1と同様にして、0.3gの白色の物質が得られた。
この物質をTEMで観察したところ、平均幅9nm、平均長さ4.5μmの大きいアスペクト比(平均アスペクト比:約500)を有する構造体であることがわかった。
得られた酸化チタン構造体をBET法にて比表面積を測定したところ260m/gであり、WDX蛍光分析X線分析法を行ったところ、Ti/O重量比は1.21、チタン以外の金属含有量はカリウムが0.9重量%(他は検出限界(0.1wt%)未満)であった。
得られた酸化チタン構造体を700℃で焼成したところ、実施例1と同様に高アスペクト比を有する形状を維持しており、耐熱性に優れることが見出された。また、X線結晶構造解析を行ったところ、アナターゼ型であることがわかった。
実施例4
40gの蒸留水と24.9gのKOH(純度90%)を加えて溶解し、さらにチタンイソプロポキシド1.14gを滴下したところ、白色の沈殿が生じ、そこからさらに15分間撹拌した(チタン分の濃度:0.1mol/L、KOH水溶液の濃度:10mol/L)。この混合液をPTFEライニングしたSUS316製圧力容器に入れて250℃加熱炉中で12時間静置したところ、白色の沈殿が得られた。
この沈殿を500mlの蒸留水中で激しく撹拌した後、分離するという操作を3回繰り返した後、pH1の塩酸500g中で48時間撹拌した。さらに得られた物質を500mlの蒸留水中で撹拌した後分離するという操作を5回繰り返し、得られた白色のケーキを150℃で12時間減圧乾燥したところ、0.3gの白色の物質が得られた。
この物質をTEMで観察したところ、平均幅10nm、平均長さ2μmの大きいアスペクト比(平均アスペクト比:約200)を有する構造体であることがわかった。
得られた酸化チタン構造体をBET法にて比表面積を測定したところ240m/gであり、WDX蛍光分析X線分析法を行ったところ、Ti/O重量比は1.2、チタン以外の金属含有量は、カリウムが0.7重量%(他は検出限界(0.1wt%)未満)であった。
得られた酸化チタン構造体を700℃で焼成したところ、実施例1と同様に高アスペクト比を有する形状を維持しており、耐熱性に優れることが見出された。また、X線結晶構造解析を行ったところ、アナターゼ型であることがわかった。
実施例5
平均粒子径が7nmの酸化チタン微粒子(アナターゼ型酸化チタン:100重量%)0.32gを40gの蒸留水を加え撹拌した後、24.9gのKOH(純度90%)と8.0gのNaOH(純度100%)を加えさらに5分間撹拌した(酸化チタンの濃度:0.1mol/L、KOH水溶液の濃度:10mol/L、NaOHの濃度5mol/L)。この混合液をPTFEライニングしたSUS316製圧力容器に入れて250℃加熱炉中で12時間静置したところ、白色の沈殿が得られた。
この沈殿を粉砕し、500mlの蒸留水中で激しく撹拌した後、分離するという操作を3回繰り返した後、pH1の塩酸500g中で48時間撹拌した。さらに得られた物質を500mlの蒸留水中で撹拌した後分離するという操作を5回繰り返し、得られた白色のケーキを150℃で12時間減圧乾燥したところ、0.3gの白色の物質が得られた。
この物質をTEMで観察したところ、平均幅19nm、平均長さ4μmの大きいアスペクト比(平均アスペクト比:約200)を有する構造体であることがわかった。
得られた酸化チタン構造体をBET法にて比表面積を測定したところ100m/gであり、WDX蛍光分析X線分析法を行ったところ、Ti/O重量比は1.3、チタン以外の金属含有量は、カリウムが0.4wt%(ナトリウム等の他の金属は検出限界(0.1wt%)未満)であった。
得られた酸化チタン構造体を700℃で焼成したところ、実施例1と同様に高アスペクト比を有する形状を維持しており、耐熱性に優れることが見出された。また、X線結晶構造解析を行ったところ、アナターゼ型であることがわかった。
比較例1
平均粒子径が7nmの酸化チタン微粒子(アナターゼ型酸化チタン:100重量%)0.32gを40gの蒸留水を加え撹拌した後、16gのNaOHを加えさらに5分間撹拌した(酸化チタンの濃度:0.1mol/L、NaOHの濃度:10mol/L)。この混合液を、還流管を付けたガラス製3ツ口フラスコに入れ、120℃のオイルバスに浸漬し、常圧で12時間静置し、反応を行ったところ、白色の沈殿が得られた。
この沈殿を粉砕し、500mlの蒸留水中で激しく撹拌した後、分離するという操作を3回繰り返した後、pH1の塩酸500g中で48時間撹拌した。さらに得られた物質を500mlの蒸留水中で撹拌した後分離するという操作を5回繰り返し、得られた白色のケーキを150℃で12時間減圧乾燥したところ、0.3gの白色の物質が得られたが、実施例1〜5とは異なり、図3に示すように、石のように硬く凝集していた。
この物質をTEM及びSEMで観察したところ、図5〜7に示すように、幅約5〜6nmのチタニアナノチューブであることがわかったが、凝集が激しく長さを観察することができなかった。
得られた酸化チタン構造体をBET法にて比表面積を測定したところ380m/gと高かった。しかし、700℃で焼成したところ、純粋なアナターゼ型であったが粒子状となっており、チューブ形状が残存していなかった。WDX蛍光分析X線分析法を行ったところ、Ti/O重量比は1.5、重金属含有量は、ナトリウムが検出限界(0.1wt%)未満であった。
比較例2
平均粒子径が7nmの酸化チタン微粒子(アナターゼ型酸化チタン:100重量%)0.32gを40gの蒸留水を加え撹拌した後、24.9gのKOH(純度90%)を加えさらに5分間撹拌した(酸化チタンの濃度:0.1mol/L、KOH水溶液の濃度:10mol/L)。この混合液を、還流管を付けたガラス製3ツ口フラスコに入れ、120℃のオイルバスに浸漬し、常圧で12時間静置し、反応を行ったところ、白色の沈殿が得られた。
この沈殿を500mlの蒸留水中で激しく撹拌した後、分離するという操作を3回繰り返した後、pH1の塩酸500g中で48時間撹拌した。さらに得られた物質を500mlの蒸留水中で撹拌した後分離するという操作を5回繰り返し、得られた白色のケーキを150℃で12時間減圧乾燥したところ、0.3gの白色の物質が得られたが、実施例1〜5とは異なり、図3に示すように、石のように硬く凝集していた。
この物質をTEMで観察したところ、平均幅5nmの大きいアスペクト比を有する平板状の構造体であることがわかったが凝集しており、長さを観察することができなかった。
得られた酸化チタン構造体をBET法にて比表面積を測定したところ420m/gであり、WDX蛍光分析X線分析法を行ったところ、Ti/O重量比は1.20、チタン以外の金属含有量は、カリウムが13.0重量%で、酸溶液で洗浄したにもかかわらずカリウムが多く残留していた。
また700℃で焼成したところ、強い凝集が見られ、X線結晶構造解析を行ったところ、アナターゼ型酸化チタンに加えてチタン酸カリウム由来のピークが多く見られた。
実験例1:色素増感太陽電池
<実施例1の酸化チタン構造体を添加した負極>
シート抵抗15Ω/sq.の導電性ガラス基板の上に、水熱反応により合成した酸化チタン(平均粒子径:15〜20nm)2.7g、実施例1で得られた酸化チタン構造体0.3g、エチルセルロース1.5g、α−テルピネオール12.2gを混合して作製した酸化チタンペーストをスクリーン印刷法により5mm角×厚み12μmに塗布し、125℃で乾燥し、薄膜を形成した。この薄膜を500℃空気中で1時間焼成し、多孔質の酸化チタン薄膜を得た。
得られた酸化チタン薄膜をルテニウム色素(Rutenium535-bisTBA:SOLARONIX社製)/t−ブタノール・アセトニトリル(1:1)溶液(濃度:3.0×10−4mol/L)に20時間浸漬し、酸化チタンに色素を担持させ、負極とした。
この負極を、Ptスパッタを行った導電ガラス(ジオマテック(株)製)に厚み25μmで酸化チタン層を囲うような形に切り抜いたアイオノマー製フィルムを介して張り合わせ、中に0.1mol/Lのヨウ化リチウム、0.03mol/Lのヨウ素、0.5mol/Lの4−tert−ブチルピリジンをアセトニトリルに溶解させた電解液を封入した。
セルに疑似太陽光(1kW/m)を照射し、電流電圧特性を測定したところ、8.2%の光電変換効率を得た。
なお、実施例2〜5の酸化チタン構造体を用いて同様にした場合も、同様の結果が得られた。
<酸化チタン構造体なし>
シート抵抗15Ω/sq.の導電性ガラス基板の上に、水熱反応により合成した酸化チタン(平均粒子径:15〜20nm)3.0g、エチルセルロース1.5g、α−テルピネオール12.2gを混合して作製した酸化チタンペーストをスクリーン印刷法により5mm角×厚み12μmに塗布し、125℃で乾燥し、薄膜を形成した。この薄膜を500℃空気中で1時間焼成し、多孔質の酸化チタン薄膜を得た。
得られた酸化チタン薄膜をルテニウム色素(Rutenium535-bisTBA:SOLARONIX社製)/t−ブタノール・アセトニトリル(1:1)溶液(濃度:3.0×10−4mol/L)に20時間浸漬し、酸化チタンに色素を担持させ、負極とした。
この負極を、Ptスパッタを行った導電ガラス(ジオマテック(株)製)に厚み25μmで酸化チタン層を囲うような形に切り抜いたアイオノマー製フィルムを介して張り合わせ、中に0.1mol/Lのヨウ化リチウム、0.03mol/Lのヨウ素、0.5mol/Lの4−tert−ブチルピリジンをアセトニトリルに溶解させた電解液を封入した。
セルに疑似太陽光(1kW/m)を照射し、電流電圧特性を測定したところ、7.7%の光電変換効率を得た。
なお、比較例1及び2に関しては、実施例1〜5と同様の製法では溶媒に分散することができないため、評価のための均一なペーストを作製することすらできなかった。
このように、本発明の酸化チタン構造体は、高比表面積、溶媒への分散性、高耐熱性、高結晶性、低金属(チタン以外)残留量等、各種物性をバランスよく有しているため、色素増感太陽電池の負極に添加することにより変換効率を向上させることができる等、酸化チタン微粒子単体では達成できない性能を得ることができる。

Claims (21)

  1. 幅が8〜50nm、長さが0.5μm以上、比表面積が30〜300m/gであり、且つ、Ti/Oの重量比が1.0以上1.5未満である、酸化チタン構造体。
  2. 幅が8nm以上20nm未満である、請求項1に記載の酸化チタン構造体。
  3. 比表面積が、45〜300m/gである、請求項1又は2に記載の酸化チタン構造体。
  4. アスペクト比が100以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の酸化チタン構造体。
  5. チタン以外の金属含有量が総重量の10重量%未満である、請求項1〜4のいずれかに記載の酸化チタン構造体。
  6. カリウム含有量が総重量の10重量%未満である、請求項1〜5のいずれかに記載の酸化チタン構造体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の酸化チタン構造体の製造方法であって、
    (1)水酸化カリウム(KOH)を5mol/L以上含み、且つ、全アルカリ成分の濃度に対する水酸化カリウムの濃度が30〜100mol%であるアルカリ水溶液中で160℃より高い温度で、少なくともチタンと酸素を含有する材料をアルカリ処理する工程
    を備える、製造方法。
  8. 前記少なくともチタンと酸素を含有する材料が、酸化チタンである請求項7に記載の製造方法。
  9. 少なくともチタンと酸素を含有する材料中の前記酸化チタンが、アナターゼ型の酸化チタンを含む請求項8に記載の製造方法。
  10. 少なくともチタンと酸素を含有する材料中の前記酸化チタンの平均粒子径が30nm以下である、請求項8又は9に記載の製造方法。
  11. 前記工程(1)が、少なくともチタンと酸素を含有する材料の水分散液に、水酸化カリウムを含むアルカリ金属水酸化物を投入し、160℃より高い温度に加熱する工程である、請求項7〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. さらに、
    (2)工程(1)で得られた酸化チタン構造体を、pH4以下の酸性溶液で洗浄する工程
    を備える、請求項7〜11のいずれかに記載の製造方法。
  13. 前記酸性溶液が、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、フッ酸、酢酸、クエン酸、ギ酸及びシュウ酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶液である、請求項12に記載の製造方法。
  14. さらに、
    (3)工程(2)で得られた酸化チタン構造体を、150℃以上で熱処理を行う工程
    を備える、請求項12又は13に記載の製造方法。
  15. 前記工程(3)が、工程(2)で得られた酸化チタン構造体を、液相中で、150〜400℃で熱処理を行う工程である、請求項14に記載の製造方法。
  16. 前記工程(3)が、工程(2)で得られた酸化チタン構造体を、気相又は真空中で、400〜1000℃で熱処理を行う工程である、請求項14に記載の製造方法。
  17. 請求項1〜6のいずれかに記載の酸化チタン構造体、又は請求項7〜16のいずれかに記載の製造方法により得られる酸化チタン構造体を含む、多孔質酸化チタン薄膜。
  18. さらに、平均粒子径が1〜100nmの酸化チタン微粒子を含む、請求項17に記載の多孔質酸化チタン薄膜。
  19. 導電性基板上に、色素が担持された請求項17又は18に記載の多孔質酸化チタン薄膜が形成されている電極。
  20. 請求項19に記載の電極を備える、色素増感太陽電池。
  21. 請求項1〜6のいずれかに記載の酸化チタン構造体、又は請求項7〜16のいずれかに記載の製造方法により得られる酸化チタン構造体を含む光触媒。
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