JP2012210847A - 船舶用舵取装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】舵軸回転検出器50Aで舵角検出値から舵角変位速度を演算すると共に、舵角指令値と舵角検出値との偏差を求め、判定器で、偏差が舵角指令値の有意差に達しているかどうか、及び舵角変位速度が最大舵角変位速度の有意差に達していないかの判定が行なわれる。これら2つの条件を満たしているとき、舵軸14は停止状態にあると判定し、そうでないとき、舵軸14は回転を開始したと判定する。ステップランプ変換器34では、舵軸停止状態の判定で、主ポンプ46の吐出流量を補助ポンプから主ポンプに補充可能な作動油より小さい最低吐出流量、若しくはキャビテーションが発生しない最低吐出流量に設定し、舵軸回転開始の判定で、主ポンプ46の吐出流量が最大定格流量まで増加するように設定する。
【選択図】図1
Description
この状態を図3(a)中の曲線Bで説明すると、図7に記載のステップランプ変換器174で設定された主ポンプ124の吐出流量は、ランプ状に増加している。これに対応して、図3(b)の主ポンプ124の吐出側主油路の圧力Bが急激に増加する一方、図3(c)の主ポンプ124の吸入側油路の圧力Bは、大気圧以下の負圧となっている。
これを回避するために補助ポンプにより主油路に作動油を補充することができるが、舵の回転時、主ポンプは最大定格流量になっているため、補助ポンプの供給流量では追い付かず、吸入側主油路に負圧が発生するケースがある。そのため、舵取装置の油圧系統では、如何なる場合においても、負圧発生を回避する手段を講じる必要がある。
このように、2つのパラメータを設定して舵軸回転の有無を判定しているため、舵軸回転有無の誤検出を防ぎ、舵軸の回転有無を正確に判定できる。
これによって、操舵指令にもかかわらず、舵が停止状態のままであるときでも、主ポンプの吸入側油路の負圧形成を回避できる。そのため、キャビテーションの発生を有効に防止できる。また、キャビテーションの発生防止を既設の装置構成に変更を加えず、制御装置の構成を変えるだけで可能となり、既設の舵取装置でも大きな改造を要せず、低コストで実現できる。
このように、2つのパラメータを設定して舵軸回転の有無を判定しているため、舵軸回転有無の誤検出を防ぎ、舵軸の回転有無を正確に判定できる。
本発明方法及び装置の第1実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。本実施形態の舵取装置の構成は、図6に示す従来の舵取装置と同一であり、そのため、本実施形態に係る舵取装置の構成の図示及びその説明を省略する。本実施形態の舵取装置は、従来の舵取装置と油圧系統の制御装置の構成が異なる。図1は本実施形態に係る舵取装置の油圧系統の制御装置を示す。
また、本実施形態では、主ポンプ46の吐出流量を最低吐出流量から最大定格流量までランプ状に増加させたが、これをステップ状に増加させてもよい。
次に、本発明方法及び装置の第2実施形態を図4及び図5に基づいて説明する。本実施形態に係る舵取装置10の構成は、図6に示される舵取装置100と同一である。図4は、本実施形態に係る舵取装置の油圧系統の制御装置を示す。本実施形態の油圧系統の制御装置20Bは、チラー16の回動加速度(即ち、舵角変位加速度)を検出する舵角変位加速度センサ52を設けている。また、舵軸回転検出器50Bは、第2実施形態の舵軸回転検出器50Aと構成が異なっている。その他の油圧系統の制御装置20Bの構成は、第1実施形態と同一であり、同一部分の説明を省略する。なお、同一機器には同一の符号を付している。
12,102 舵板
14,104 舵軸
16,106 チラー
20A、20B、160 制御装置
22,162 舵輪
24,164 操舵スタンド
26,36、166,176 比較器
28,32,38,168、172,178 増幅器
30,30’、170,170’ コントローラ
34,174 ステップランプ変換器
40,180 舵角リミットスィッチ
42、182 回転角発信器
44,184 舵角検出器
46,124 主ポンプ
48,136 トルクモータ
50A、50B 舵軸回転検出器
502 ローパスフィルタ
504 微分演算器
506,512 絶対値算出器
508,514 判定器
510 比較器
52 舵角変位加速度センサ
108 フォーク
110a、110b 油圧シリンダ
112 ラム
120 油圧系統
122a、122b 主油路
126 補助ポンプ
128 駆動モータ
130 油圧式アクチュエータ
132,133a、133b、140,142,148,154 油路
134 油圧制御弁
138,158 油タンク
144 パイロットリリーフ弁
146 ブーストリリーフ弁
150a、150b 逆止弁
152 ブースト油路
D 補助ポンプ流量
S 舵軸回転開始点
Claims (7)
- 閉回路の油圧系統に設けられた双方向吐出式で可変容量型の主ポンプから舵軸を駆動する油圧シリンダに作動油を給排して舵軸を駆動し、
補助ポンプにより主ポンプの吐出方向及び吐出流量を制御する油圧式アクチュエータにパイロット油を給排すると共に、油圧系統に作動油を補充するようにした船舶用舵取装置において、
舵軸駆動指令が出された後、舵軸の回転開始有無を検出する舵軸回転検出工程と、
舵軸回転検出工程で舵軸の回転開始を検出するまでは、主ポンプの吐出流量を補助ポンプから主ポンプの吸入側油路に補充可能な作動油の流量、又はキャビテーションが発生しない最低吐出流量と同等以下に制御する負圧抑制工程と、
舵軸回転検出工程で舵軸の回転開始を検出した後、主ポンプの吐出流量を最大定格流量に制御する操舵工程と、からなることを特徴とする船舶用舵取装置の制御方法。 - 前記舵軸回転検出工程が、舵角検出値の変位から舵角変位速度を演算する第1ステップと、舵角検出値と舵角指令値との偏差が第1の閾値に達し、かつ第1ステップで演算した舵角変位速度が第2の閾値に達しないとき、舵軸が回転していないと判定し、そうでないとき舵軸が回転したと判定する第2ステップと、からなることを特徴とする請求項1に記載の船舶用舵取装置の制御方法。
- 前記舵軸回転検出工程が、舵軸の舵角変位加速度を検出する第1ステップと、舵角検出値と舵角指令値との偏差が第1の閾値に達し、かつ第1ステップで検出した舵角変位加速度が第2の閾値に達しないとき、舵軸が回転していないと判定し、そうでないとき舵軸が回転したと判定する第2ステップと、からなることを特徴とする請求項1に記載の船舶用舵取装置の制御方法。
- 前記舵軸操作工程で舵軸の回転開始を検出した後、主ポンプの吐出流量をステップ状又はランプ状に増加させて最大定格流量になるように制御することを特徴とする船舶用舵取装置の制御方法。
- 舵軸を駆動する油圧シリンダと、各油圧シリンダに作動油を給排する閉回路の油圧系統と、該油圧系統に設けられ各油圧シリンダに作動油を給排する双方向吐出式で可変容量型の主ポンプと、主ポンプの吐出方向及び吐出流量を調整する油圧式アクチュエータにパイロット油を給排すると共に、油圧系統に作動油を補充する補助ポンプとを備えた船舶用舵取装置において、
舵軸駆動指令が出された後、舵軸の回転開始有無を検出する舵軸回転検出装置と、
前記舵軸回転検出装置で舵軸の回転開始を検出するまでは、主ポンプの吐出流量を補助ポンプから主ポンプの吸入側油路に補充可能な作動油の流量、又はキャビテーションが発生しない最低吐出流量と同等以下の流量に制御すると共に、該舵軸回転検出装置で舵軸の回転開始を検出した後、主ポンプの吐出流量を最大定格流量に制御するコントローラと、を備えていることを特徴とする船舶用舵取装置。 - 前記舵軸回転検出装置は、舵角検出器と、該舵角検出器で検出した舵角検出値の変位から舵角変位速度を演算する舵角変位速度演算器と、舵角検出値と舵角指令値との偏差を求める比較器と、該偏差が第1の閾値に達し、かつ舵角変位速度演算器で演算した舵角変位速度が第2の閾値に達しないとき、舵軸が回転していないと判定し、そうでないとき舵軸が回転したと判定する判定器と、を備えていることを特徴とする請求項5に記載の船舶用舵取装置。
- 前記舵軸回転検出装置が、舵角検出器と、舵軸の舵角変位加速度を検出する舵角変位加速度検出器と、該舵角検出器で検出した舵角検出値と舵角指令値との偏差が第1の閾値に達し、かつ舵角変位加速度検出器で検出した舵角変位加速度が第2の閾値に達しないとき、舵軸が回転していないと判定し、そうでないとき舵軸が回転したと判定する判定器と、を備えていることを特徴とする請求項5に記載の船舶用舵取装置。
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