JP2012210692A - トルクリミッタの組み付け冶具 - Google Patents

トルクリミッタの組み付け冶具 Download PDF

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Abstract

【課題】組み付け作業の作業工程数を低減させることができるトルクリミッタの組み付け冶具を提供する。
【解決手段】組み付け冶具100は、係合プレート4、摩擦体5、及び皿バネ9がトルクリミッタ1のドラム2内に配置された状態で、摩擦体5に向けて回転軸の軸線方向に相対移動することで、摩擦体5の内周に設けられた内歯スプライン11a,11bの位相を合わせる位相合わせ部110と、係合プレート4に向けて軸線方向に相対移動することで、ドラム2内に配置された係合プレート4、摩擦体5、及び皿バネ9に対し、皿バネ9の押圧力に抗する押し付け荷重を軸線方向に付加する押し付け部120と、スナップリング10と当接しながらドラム2に向けて軸線方向に相対移動することで、スナップリング10をドラム2内に取り付ける取り付け部130とを回転軸の径方向内側から順に備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、トルクリミッタの組み付け冶具に関する。
従来、径方向外側にてドラムに連結され、回転軸まわりに回転可能であり軸線方向に並設された環状の複数の第1プレートと、径方向内側にてハブに連結され、前記複数の第1プレートの間に対向して配設された環状の複数の第2プレートとを備え、押圧力を付加して第1プレートと第2プレートとを摩擦係合させるトルクリミッタが知られている。このようなトルクリミッタでは、例えば特許文献1に開示されるように、複数の第2プレートの位相を揃える工程や、構成要素同士を組み付ける工程などを順次実施して、当該トルクリミッタの組み付けが行われる。
特開平06−277958号公報
特許文献1に開示される従来のトルクリミッタの組み付け作業においては、上述のようにプレートの位相合わせを行う工程や構成要素同士の組み付け工程など、組み付け作業が細分化され、この細分化された各工程で別々の冶具を用いる必要があった。このため、従来のトルクリミッタの組み付け作業では、作業工数が増大する虞がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、組み付け作業の作業工程数を低減させることができるトルクリミッタの組み付け冶具を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、径方向外側にて当該トルクリミッタのドラムに連結され、回転軸まわりに回転可能であり軸線方向に並設された環状の複数の第1プレートと、径方向内側にて当該トルクリミッタのハブに連結され、前記複数の第1プレートの間に対向して配設された環状の複数の第2プレートと、前記第1プレートにより前記第2プレートを押圧するための軸線方向の押圧力を付加する押圧部材と、前記押圧部材とは軸線方向の反対方向から前記第1プレート及び前記第2プレートを挟み込み、押圧力方向への移動を係止する環状の係止部材と、を備えるトルクリミッタを組み付けるための組み付け冶具であって、前記第1プレート、前記第2プレート、及び前記押圧部材が前記ドラム内に配置された状態で、前記複数の第2プレートに向けて前記軸線方向に相対移動することで、前記複数の第2プレートの内周に設けられた内歯スプラインの位相を合わせる位相合わせ部と、前記第1プレートに向けて前記軸線方向に相対移動することで、前記ドラム内に配置された前記第1プレート、前記第2プレート、及び前記押圧部材に対し、前記押圧部材の押圧力に抗する押し付け荷重を軸線方向に付加する押し付け部と、前記係止部材と当接しながら前記ドラムに向けて前記軸線方向に相対移動することで、前記係止部材を前記ドラム内に取り付ける取り付け部とを前記回転軸の径方向内側から順に備えることを特徴とする。
また、上記のトルクリミッタの組み付け冶具において、前記位相合わせ部は、前記第2プレートの前記内歯スプラインと接触可能な回転軸の径方向位置に配置され、前記内歯スプラインとの対向面上に、前記内歯スプラインとの接触時に前記内歯スプラインを回転軸まわりの回転方向に押し分ける押し分け部を備え、前記第2プレートの前記内歯スプラインは、前記位相合わせ部との対向面上に、前記押し分け部との接触時に前記押し分け部から受ける力の方向を回転方向に変換する力方向変換部を備えることが好ましい。
また、上記のトルクリミッタの組み付け冶具において、前記押し分け部は、前記内歯スプラインとの対向面から一定距離をとり、前記回転軸の径方向に沿って延在する先鋭端部と、この先鋭端部を対称とする2つのテーパ面とを有し、前記力方向変換部は、前記位相合わせ部との対向面から一定距離をとり、第2プレートの径方向に沿って延在する先鋭端部と、この先鋭端部を対称に第2プレートの周方向の両側に延在する2つのテーパ面とを有することが好ましい。
また、上記のトルクリミッタの組み付け冶具において、前記ドラムの開口部端面の内周面側にテーパ面が形成されており、前記取り付け部は、環状の前記係止部材の一面の外周が前記テーパ面と当接した状態で、前記係止部材に対して前記押し付け荷重を軸線方向に付加することが好ましい。
また、上記のトルクリミッタの組み付け冶具において、前記ドラムの前記テーパ面と当接する前記係止部材の一面の外周にテーパ面が設けられることが好ましい。
本発明に係るトルクリミッタの組み付け冶具では、位相合わせ部、押し付け部、取り付け部は共に、軸線方向に移動することで機能が発揮される。また、この組み付け冶具は、位相合わせ部、押し付け部、取り付け部を前記回転軸の径方向内側から順に備える構成である。このような構成により、第1プレート、第2プレート、及び押圧部材がトルクリミッタのドラム内に配置された状態で、当該冶具を押圧部材の押圧力に抗する押し付け荷重の方向に移動させた場合、位相合わせ部、押し付け部、取り付け部を一体として第1プレート、第2プレート、及びドラムに向けて軸線方向を相対移動させることができ、それぞれの機能を発揮させることができる。したがって、本発明に係るトルクリミッタの組み付け冶具は、当該冶具を一方向に移動させるだけで、内歯スプラインの位相合わせ工程、第1プレート、第2プレート、及び押圧部材への押圧工程、係止部材の取り付け工程という3つの工程を完了することが可能であり、トルクリミッタの組み付け作業の作業工程数を低減させることができるという効果を奏する。
図1は、本発明の一実施形態に係る組み付け冶具が適用されるトルクリミッタの概略構成を示す図である。 図2は、図1の摩擦体を軸線方向のスナップリング側からみた図である。 図3は、本実施形態に係るトルクリミッタの組み付け冶具の構成を示す概略図である。
以下に、本発明に係るトルクリミッタの組み付け冶具の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
まず、組み付け冶具の説明の前に、この組み付け冶具によって組み付けられるトルクリミッタについて図1を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る組み付け冶具が適用されるトルクリミッタの概略構成を示す図であり、図2は、図1の摩擦体を軸線方向のスナップリング側からみた図である。図1に示すトルクリミッタ1は、例えばハイブリッド車両のトランスアスクル内に内蔵される、湿式または乾式の摩擦材を使用するタイプのトルクリミッタである。
図1に示すように、トルクリミッタ1は、ドラム2とハブ3とを備える。ドラム2及びハブ3は、図1では図示しない下方にある同一の回転軸まわりに配置されている。また、ドラム2は、入力軸(図示せず)と一体回転可能に連結されて、ハブ3は、出力軸(図示せず)と一体回転可能に連結されている。つまり、入力軸、ドラム2、ハブ3、及び出力軸は、同一の回転軸上で回転することができるよう構成されている。
ドラム2は、回転軸まわりに配置される円盤部2aと、円盤部2aの外周側から立設させた筒部2bとを有する。入力軸は円盤部2aの内周側にスプライン嵌合や溶接により連結される。ハブ3は、筒状の部材であって、ドラム2の筒部2bより回転軸に近い位置に、その外周面3aがドラム2の筒部2bの内周面と対向するよう配置されている。
ドラム2には、その筒部2bの内周面2cよりも径方向の内側で且つハブ3の外周面3aに向けて延在する、複数の環状の係合プレート(第1プレート)4が、回転軸の軸線方向に並設されている。図1に示す例では、3つの係合プレート4a,4b,4cが(図1の左方から順に)配設されている。それぞれの係合プレート4a,4b,4cは、筒部2bの内周面2cに連結された環状のフランジの如きものであり、ドラム2と一体になって回転軸まわりに回転可能である。係合プレート4a,4b,4cは、例えば、その外周に外歯スプラインを備え、ドラム2の筒部2bの内周面2cに設けられたスプライン溝に挿入されることで、回転方向の移動を規制され、ドラム2に連結される。
一方、ハブ3には、その外周面3aよりも径方向の外側で且つドラム2の筒部2bの内周面2cに向けて延在させた環状の摩擦体(第2プレート)5が、係合プレート4の間に係合プレート4と対向するよう配設される。図1に示す例では、3つの係合プレート4a,4b,4cに合わせて2つの摩擦体5a,5bが、回転軸の軸線方向に沿って(図1の左方から順に)並設され、摩擦体5aが係合プレート4a,4bの間に、また摩擦体5bが係合プレート4b,4cの間に配置されている。それぞれの摩擦体5a,5bは、ハブ3と一体になって回転軸まわりに回転可能である。
回転軸の軸線方向でドラム2側に位置する(つまり円盤部2a側に配設された)摩擦体5aは、ハブ3に連結された環状プレート6aと、この環状プレート6aの両面に固設された環状の摩擦材7a,8aとを有する。これと同様に、摩擦体5bについても、ハブ3に連結された環状プレート6bと、この環状プレート6bの両面に固設された環状の摩擦材7b,8bとを有する。摩擦体5aの両面の摩擦材7a,8aは、係合プレート4a,4bに挟まれており、摩擦体5bの両面の摩擦材7b,8bは、係合プレート4b,4cに挟まれている。摩擦体5a,5bは、それぞれの環状プレート6a,6bの内周に内歯スプライン11a,11bを備え、ハブ3の外周面3aに設けられたスプライン溝12a,12bに挿入されることで、回転方向の移動を規制され、ハブ3に連結される。
なお、係合プレート4a,4b,4cと、摩擦体5a,5bの環状プレート6a,6bは、熱伝導性の高い鉄系材料等の金属により形成されることが好ましい。
また、このトルクリミッタ1は、係合プレート4aを摩擦材7aに押し付け、係合プレート4bを摩擦材8a,7bに押し付け、係合プレート4cを摩擦材8bに押し付けるべく、これらに対して回転軸の軸線方向へ押圧力を付加する環状の皿バネ(押圧部材)9と、その押圧力を受け止める環状のスナップリング(係止部材)10とを備える。
皿バネ9は、ドラム2の円盤部2aと、この円盤部2aに対向する係合プレート4aとの間に配置され、係合プレート4aに対して円盤部2a側から軸線方向の押圧力を付加するものである。組み付け後のトルクリミッタ1においては、停止中(静的状態)であると動作中(動的状態)であるとに拘わらず、皿バネ9の弾発力を係合プレート4aと円盤部2aとに作用させる。なお、軸線方向の押圧力を付加することができる押圧部材として、皿バネ9は安価のため好適であるが、押圧力を付加できさえすれば皿バネ9以外のものを用いてもよい。
一方、スナップリング10は、係合プレート4a,4b,4cからみて皿バネ9とは軸線方向の反対側(図1では係号プレートの右方)から、係合プレート4a,4b,4c及び摩擦体5a,5bを皿バネ9と挟み込むよう配置され、係合プレート4cが押圧力の方向へ移動するのを係止するものである。スナップリング10は、ドラム2の筒部2bの内周面に設けられた溝2dに嵌合されて軸線方向の位置を固定され、組み付け後のトルクリミッタ1においては、停止中(静的状態)であると動作中(動的状態)であるとに拘わらず、そのスナップリング10の一方の環状の平面10a(以降、スナップリング10の一面10aともいう)を係合プレート4cの環状の平面に当接させる。
このトルクリミッタ1には、過負荷の際に入力軸側と出力軸側との連結を切り離す限界トルク(トルク容量ともいう)が設定されている。この限界トルクは、摩擦材7a,8a,7b,8bの摩擦係数、摩擦材7a,8a,7b,8bと係合プレート4a,4b,4cとの接触面積、皿バネ9による摩擦材7a,8a,7b,8bと係合プレート4a,4b,4cとの間の押圧力等により決まる。
例えば入力軸からトルクが入力されると、ドラム2が係合プレート4a,4b,4cと共に回転する。その際、入力トルクが限界トルク以下であれば、皿バネ9による押圧力によって摩擦係合された摩擦体5a,5bと係合プレート4a,4b,4cとが一体となって回転する。従って、その際には、入力軸と出力軸とが連結され、一体になって回転する。一方、入力トルクが限界トルクを超えていれば、摩擦体5a,5bと係合プレート4a,4b,4cとが滑りながら回転するので、入力軸と出力軸とは、その連結が切り離されて滑りながら回転する。
そして、特に本実施形態のトルクリミッタ1では、摩擦体5a,5bの内歯スプライン11a,11bにおいて、ドラム2の円盤部2aとは対向しない反対側の面13a,13bに、それぞれ凸形状の突起(力方向変換部)14a,14bが設けられている。図1,2に示すように、摩擦体5aの内歯スプライン11aに設けられた突起14aは、内歯スプラインの面13aから軸線方向に一定距離をとり、摩擦体5の径方向に沿って延在する先鋭端部15aと、この先鋭端部15aを対称に摩擦体5aの周方向の両側に延在する2つのテーパ面16a,17aとを有する。この突起14aは、径方向内側から視ると、先鋭端部15aを頂点とし、テーパ面16a,17aを2つの等辺とする二等辺三角形状となる。同様に、摩擦体5bの内歯スプライン11bに設けられた突起14bは、内歯スプラインの面13bから軸線方向に一定距離をとり、摩擦体5の径方向に沿って延在する先鋭端部15bと、この先鋭端部15bを対称に摩擦体5bの周方向の両側に延在する2つのテーパ面16b,17bとを有する。この突起14bも、径方向内側から視ると、先鋭端部15bを頂点とし、テーパ面16b,17bを2つの等辺とする二等辺三角形状となる。(なお、突起14a,14bの形状については後述する図3も参照されたい。)
また、図1に示すように、ドラム2の筒部2bの開口部(円盤部2aとは反対側の端部)の端面には、筒部2bの内周面2c側に向けてテーパ面2eが形成されている。同様に、スナップリング10の係合プレート4cと当接する平面10aの外周にも、テーパ面10bが形成されている。
内歯スプライン11a,11bの突起14a,14b、ドラム2のテーパ面2e、及びスナップリング10のテーパ面10bは、後述するように、トルクリミッタ1の組み付け作業に利用される。
次に、図3を参照して、トルクリミッタ1の組み付けを行うために用いられる、本実施形態に係るトルクリミッタ1の組み付け冶具100について説明する。図3は、本実施形態に係るトルクリミッタ1の組み付け冶具100の構成を示す概略図である。図3に示すように、組み付け冶具100は、位相合わせ部110、押し付け部120、および取り付け部130が回転軸まわりに同心円状に配置され、回転軸の径方向内側からこの順に一体的に構成されるものである。また、位相合わせ部110、押し付け部120、および取り付け部130は、この順番に軸線方向でより突出するよう構成されることが好ましい。
位相合わせ部110は、係合プレート4a,4b,4c、摩擦体5a,5b、及び皿バネ9がトルクリミッタ1のドラム2内に配置された状態で、複数の摩擦体5a,5bに向けて軸線方向に相対移動することで、複数の摩擦体5a,5bの内周に断続的に設けられた内歯スプライン11a,11bの位相を合わせるものである。
位相合わせ部110は、摩擦体5a,5bの内歯スプライン11a,11bと接触可能な回転軸の径方向位置R1に配置される。そして、内歯スプライン11a,11bとの対向面111上に、内歯スプライン11a,11bとの接触時に内歯スプライン11a,11bを回転軸まわりの回転方向に押し分けるための突起(押し分け部)112を備える。この突起112は、内歯スプライン11a,11bとの対向面111から一定距離をとり、回転軸の径方向に沿って延在する先鋭端部113と、この先鋭端部113を対称とする2つのテーパ面114,115とを有する。つまり、この突起112は、径方向内側から視ると、先鋭端部113を頂点とし、テーパ面114,115を2つの等辺とする二等辺三角形状となる。このような位置合わせ部110は、回転軸まわりの周方向に沿って1個または複数個が設けられ、それぞれが内歯スプライン11a,11bの間隙を同時に通過できるよう配置されている。
なお、上述した摩擦体5a,5bの内歯スプライン11a,11bの突起14a,14bは、位相合わせ部110と対向する面13a,13b(以降、位相合わせ部110との対向面13a,13bともいう)上に設けられ、位相合わせ部110の突起112との接触時にこの突起112から受ける力の方向を回転方向に変換する力方向変換部として機能する。また、位相合わせ部110の突起112のテーパ面114,115が先鋭端部113においてなす角度と、内歯スプライン11a,11bの突起14a,14bのテーパ面16a,17a,16b,17bが先鋭端部15a,15bにおいてなす角度は、突起112が突起14a,14bを押し分け可能に設定されればよく、例えば鋭角であることが好ましい。
押し付け部120は、係合プレート4a,4b,4cに向けて軸線方向に相対移動することで、ドラム2内に配置された係合プレート4a,4b,4c、摩擦体5a,5b、及び皿バネ9に対し、皿バネ9の押圧力に抗する押し付け荷重を軸線方向に付加するものである。
この押し付け部120は、係合プレート4cと接触可能な回転軸の径方向位置R2に配置される環状部材であることが好ましい。押し付け部120は、係合プレート4cと当接した状態でドラム2の円盤部2aに向けて移動することで、係合プレート4a,4b,4c、摩擦体5a,5b、及び皿バネ9に対して押し付け荷重を付加することができる。
取り付け部130は、スナップリング10と当接しながらドラム2に向けて軸線方向に相対移動することで、スナップリング10をドラム2内に取り付けるものである。
この取り付け部130は、スナップリング10と接触可能な回転軸の径方向位置R3に配置される環状部材であることが好ましい。取り付け部130は、環状のスナップリング10の一面(スナップリング10の係合プレート4cと当接する平面10a)の外周(より詳細には、外周に設けられたテーパ面10b)が、ドラムの開口部端面のテーパ面2eと当接した状態で、スナップリング10に対して押し付け部120と同様の押し付け荷重を軸線方向に付加して、スナップリング10を係合プレート4cに近づくようテーパ面2e上を移動させ、ドラム2の溝2dに嵌め合わせる。
そして、この組み付け冶具100では、図3に示すように、係合プレート4a,4b,4c、摩擦体5a,5b、及び皿バネ9をドラム2内に配置した状態で、当該冶具100を皿バネ9の押圧力に抗する押し付け荷重の方向に移動させた場合には、まず位相合わせ部110が摩擦体5a,5bの内歯スプライン11a,11bの突起14a,14bと接触して内歯スプライン11a,11bの位相合わせを行い、その後に、押し付け部120が係合プレート4cと、また、取り付け部130がスナップリング10と当接して、共に押し付け荷重を付加できるように、位相合わせ部110、押し付け部120、および取り付け部130の軸線方向の相対位置が設定されている。
次に、本実施形態に係る組み付け冶具100によるトルクリミッタ1の作用効果について説明する。
このような本実施形態のトルクリミッタ1の組み付け冶具100では、位相合わせ部110が、摩擦体5a,5bに向けて軸線方向に相対移動することで、摩擦体5a,5bの内歯スプライン11a,11bの位相を合わせることができ、押し付け部120が、係合プレート4a,4b,4cに向けて軸線方向に相対移動することで、ドラム2内に配置された係合プレート4a,4b,4c、摩擦体5a,5b、及び皿バネ9へ押し付け荷重を軸線方向に付加することができ、また、取り付け部130が、スナップリング10と当接しながらドラム2に向けて軸線方向に相対移動することで、スナップリング10をドラム2内に取り付けることができる。つまり、位相合わせ部110、押し付け部120、取り付け部130は共に、軸線方向に移動することで機能が発揮される。
また、本実施形態の組み付け冶具100は、位相合わせ部110、押し付け部120、取り付け部130を回転軸の径方向内側から順に一体的に備える構成である。
このような構成により、係合プレート4a,4b,4c、摩擦体5a,5b、及び皿バネ9をドラム2内に配置した状態で、当該冶具100を皿バネ9の押圧力に抗する押し付け荷重の方向に移動させた場合、本実施形態の組み付け冶具100は、位相合わせ部110、押し付け部120、取り付け部130を一体として係合プレート4a,4b,4c、摩擦体5a,5b、及びドラム2に向けて軸線方向を相対移動させることができ、それぞれの機能を発揮させることができる。
したがって、本実施形態の組み付け冶具100は、当該冶具100を一方向に移動させるだけで、内歯スプライン11a,11bの位相合わせ工程、係合プレート4a,4b,4c、摩擦体5a,5b、及び皿バネ9への押圧工程、スナップリング10の取り付け工程という3つの工程を完了することが可能であり、トルクリミッタ1の組み付け作業の作業工程数を低減させることができる。
また、本実施形態のトルクリミッタ1の組み付け冶具100において、位相合わせ部110には、内歯スプライン11a,11bとの対向面111上に突起112が設けられ、また、内歯スプライン11a,11bにも、位相合わせ部110との対向面13a,13bに突起14a,14bが設けられる。この構成により、組み付け冶具100が押し付け荷重の方向へ移動して位相合わせ部110が内歯スプライン11a,11bと接触すると、位相合わせ部110の突起112が、内歯スプライン11a,11bの突起14a,14bと接触して、内歯スプライン11a,11bに対して組み付け冶具100の進行方向の力を付加する。一方、内歯スプライン11a,11bの突起14a,14bは、位相合わせ部110の突起112から受けた力を回転方向に変換する。この変換された力によって、内歯スプライン11a,11bを備える摩擦体5a,5bは回転し、内歯スプライン11a,11bが位相合わせ部110の進行方向から回転軸まわりの回転方向に押し分けられる。そして、位相合わせ部110の突起112がすべての摩擦体5a,5bと接触し、内歯スプライン11a,11bを押し分けて進行した後には、全ての摩擦体5a,5bは内歯スプライン11a,11bの回転軸まわりの位置を揃えることができる。このように、位相合わせ部110を一方向に移動させるだけで、複数の摩擦体5a,5bの内歯スプライン11a,11bの位相を合わせることができる。
また、本実施形態のトルクリミッタ1の組み付け冶具100において、位相合わせ部110の突起112は、内歯スプライン11a,11bとの対向面111から一定距離をとり、回転軸の径方向に沿って延在する先鋭端部113と、この先鋭端部113を対称とする2つのテーパ面114,115とを有する。一方、内歯スプライン11a,11bの突起14a,14bも、位相合わせ部110との対向面13a,13bから一定距離をとり、摩擦体5a,5bの径方向に沿って延在する先鋭端部15a,15bと、この先鋭端部15a,15bを対称に第2プレートの周方向の両側に延在する2つのテーパ面16a,17a,16b,17bとを有する。この構成により、位相合わせ部110の突起112と内歯スプライン11a,11bの突起14a,14bとが当接した際には、位相合わせ部110の突起112の先鋭端部113のみが、内歯スプライン11a,11bの突起14a,14bのテーパ面16a,17a,16b,17bの一方と接触するため、接触面積を小さくして効率よく力を伝えることができる。また、内歯スプライン11a,11bの突起14a,14bのテーパ面16a,17a,16b,17bは、位相合わせ部110の突起112の進行方向と直交していないので、位相合わせ部110の突起112と当接した際には、この突起112から受けた力を逃がすようこの力の方向を好適に回転方向に変換することができる。
また、本実施形態のトルクリミッタ1の組み付け冶具100において、ドラム2の開口部端面の内周面2c側にテーパ面2eが形成されており、取り付け冶具100の取り付け部130は、環状のスナップリング10の一面10aの外周がテーパ面2eと当接した状態で、スナップリング10に対して押し付け荷重を軸線方向に付加する。この構成により、取り付け部130がスナップリング10に対して押し付け荷重を軸線方向に付加すると、スナップリング10はテーパ面2eに沿ってその外径を小さくするよう弾性変形しながらドラム2の内周面2cに進入し、さらにドラム2の内周面2cに設けられた溝2dに達すると弾性変形を解除して溝2dと嵌合される。このように、取り付け部130により軸線方向に押し付け荷重を付加するだけで、スナップリング10を簡易に取り付けることができる。
さらに、ドラム2のテーパ面2eと当接するスナップリング10の一面10aの外周にもテーパ面10bが設けられているため、スナップリング10のテーパ面10bとドラム2のテーパ面2eとが当接することでスナップリング10とドラム2のテーパ面2eとの接触抵抗を減らし、取り付け部130の押圧によるスナップリング10のテーパ面2eに沿った進行を滑らかにすることができるので、スナップリング10の取り付けをより一層簡易に行うことができる。
以上、本発明について好適な実施形態を示して説明したが、本発明はこれらの実施形態により限定されるものではない。例えば、位相合わせ部110の突起112は、内歯スプライン11a,11bとの接触時に内歯スプライン11a,11bを回転軸まわりの回転方向に押し分けることさえできれば、上記実施形態とは異なる形状でもよい。同様に、内歯スプライン11a,11bの突起14a,14bも、位相合わせ部110の突起112から受ける力の方向を回転方向に変換することさえできれば、上記実施形態とは異なる形状でもよい。
1…トルクリミッタ
2…ドラム
2c…ドラムの内周面
2e…ドラムのテーパ面
4(4a,4b,4c)…係合プレート(第1プレート)
5(5a,5b)…摩擦体(第2プレート)
9…皿バネ(押圧部材)
10…スナップリング(係止部材)
10a…ドラムのテーパ面と当接するスナップリングの一面
10b…スナップリングのテーパ面
11a,11b…内歯スプライン
13a,13b…内歯スプラインにおける位相合わせ部との対向面
14a,14b…内歯スプラインの突起(力方向変換部)
15a,15b…内歯スプラインの突起の先鋭端部
16a,17a,16b,17b…内歯スプラインの突起のテーパ面
100…組み付け冶具
110…位相合わせ部
111…位相合わせ部における内歯スプラインとの対向面
112…位相合わせ部の突起(押し分け部)
113…位相合わせ部の突起の先鋭端部
114,115…位相合わせ部の突起のテーパ面
120…押し付け部
130…取り付け部
R1…位相合わせ部の径方向位置

Claims (5)

  1. 径方向外側にて当該トルクリミッタのドラムに連結され、回転軸まわりに回転可能であり軸線方向に並設された環状の複数の第1プレートと、径方向内側にて当該トルクリミッタのハブに連結され、前記複数の第1プレートの間に対向して配設された環状の複数の第2プレートと、前記第1プレートにより前記第2プレートを押圧するための軸線方向の押圧力を付加する押圧部材と、前記押圧部材とは軸線方向の反対方向から前記第1プレート及び前記第2プレートを挟み込み、押圧力方向への移動を係止する環状の係止部材とを備えるトルクリミッタを組み付けるための組み付け冶具であって、
    前記第1プレート、前記第2プレート、及び前記押圧部材が前記ドラム内に配置された状態で、前記複数の第2プレートに向けて前記軸線方向に相対移動することで、前記複数の第2プレートの内周に設けられた内歯スプラインの位相を合わせる位相合わせ部と、
    前記第1プレートに向けて前記軸線方向に相対移動することで、前記ドラム内に配置された前記第1プレート、前記第2プレート、及び前記押圧部材に対し、前記押圧部材の押圧力に抗する押し付け荷重を軸線方向に付加する押し付け部と、
    前記係止部材と当接しながら前記ドラムに向けて前記軸線方向に相対移動することで、前記係止部材を前記ドラム内に取り付ける取り付け部と、
    を前記回転軸の径方向内側から順に備えることを特徴とするトルクリミッタの組み付け冶具。
  2. 前記位相合わせ部は、前記第2プレートの前記内歯スプラインと接触可能な回転軸の径方向位置に配置され、前記内歯スプラインとの対向面上に、前記内歯スプラインとの接触時に前記内歯スプラインを回転軸まわりの回転方向に押し分ける押し分け部を備え、
    前記第2プレートの前記内歯スプラインは、前記位相合わせ部との対向面上に、前記押し分け部との接触時に前記押し分け部から受ける力の方向を回転方向に変換する力方向変換部を備える、請求項1に記載のトルクリミッタの組み付け冶具。
  3. 前記押し分け部は、前記内歯スプラインとの対向面から一定距離をとり、前記回転軸の径方向に沿って延在する先鋭端部と、この先鋭端部を対称とする2つのテーパ面とを有し、
    前記力方向変換部は、前記位相合わせ部との対向面から一定距離をとり、第2プレートの径方向に沿って延在する先鋭端部と、この先鋭端部を対称に第2プレートの周方向の両側に延在する2つのテーパ面とを有する
    ことを特徴とする、請求項2に記載のトルクリミッタの組み付け冶具。
  4. 前記ドラムの開口部端面の内周面側にテーパ面が形成されており、
    前記取り付け部は、環状の前記係止部材の一面の外周が前記テーパ面と当接した状態で、前記係止部材に対して前記押し付け荷重を軸線方向に付加する
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトルクリミッタの組み付け冶具。
  5. 前記ドラムの前記テーパ面と当接する前記係止部材の一面の外周にテーパ面が設けられることを特徴とする、請求項4に記載のトルクリミッタの組み付け冶具。
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