手段1:手段1の遊技機は、
制御基板を収容する基板ケースがベース部材を介して装着されるように構成された遊技機であって、
ベース部材を遊技機に対して取り付け固定するための取付手段を有し、ベース部材に取り付けた基板ケースにて取付手段の着脱操作する部分を被覆するように構成したことを特徴とする。
手段1に記載の遊技機は、ベース部材を遊技機に取り付けるための取付手段が基板ケースによって着脱操作できないように被覆されているので、ベース部材に基板ケースを取り付けた状態では、ベース部材を遊技機から取り外すことができない構成になっている。したがって、基板ケースをベース部材ごと遊技機から取り外して不正行為を行なうことを防止できる。ここで、「取付手段」とは、ネジやピンのようにベース部材と別体に構成されたものに限定されず、ベース部材と一体に構成されたもの(例えばナイラッチなど)も含む概念である。
手段2:手段1に記載の遊技機において、
前記ベース部材が前記基板ケースを取り付けるための取付領域を有し、該取付領域内に前記取付手段を配設したことを特徴とする。
手段2に記載の遊技機は、前記ベース部材が前記基板ケースを取り付けるための取付領域を有し、この取付領域内に取付手段を配設してある場合に対応したものである。つまり、取付領域内に取付手段を配設してある場合は、取付手段が基板ケースの底部又は側部によって被覆される。このように、基板ケースの底部又は側部で取付手段を被覆すると、基板ケースの構造を取付手段の被覆のために複雑にすることなく手段1と同様の効果を享受できる。
手段3:手段1に記載の遊技機において、
前記ベース部材が前記基板ケースを取り付けるための取付領域を有し、該取付領域外に取付手段を配設する一方、前記基板ケースが制御基板を収容するケース本体部を有し、該ケース本体部から前記取付手段の配設部位と整合するように延在させた被覆部にて前記取付手段を被覆したことを特徴とする。
手段3に記載の遊技機は、前記ベース部材が前記基板ケースを取り付けるための取付領域を有し、この取付領域外に取付手段を配設してある場合に対応したものである。つまり、前記ベース部材の取付姿勢によっては、取付領域内に取付手段を配設すると、前記ベース部材が不安定になる場合がある。かかる場合は、取付領域外に配設した取付手段を被覆部にて被覆することで、前記ベース部材の安定性を確保しつつ手段1と同様の効果を享受できる。
手段4:手段3に記載の遊技機において、
前記基板ケースが前記ベース部材に対してスライドさせて組み付けられると共に、前記被覆部が前記ベース部材に対する前記基板ケースのスライド方向に関してほぼ平行な線を基準に折れ曲がった断面略L字形状とされ、前記被覆部にて前記取付手段の解除方向と側方を被覆するように構成したことを特徴とする。
手段4に記載の遊技機は、前記被覆部にて取付手段の解除方向だけを遮蔽するのではなく、取付手段の側方も遮蔽したものである。つまり、ケース本体部から延び出た被覆部の基端部分にて取付手段の解除方向を遮蔽し、前記ベース部材に対する前記基板ケースのスライド方向に関してほぼ平行な線を基準に折れ曲がった被覆部の先端部分にて取付手段の側方を遮蔽してある。これにより、基板ケースをベース部材に装着した状態では、手や工具で取付手段に触れて操作することが困難になるので、基板ケースをベース部材ごと取り外すことを防止できる。ここで、「断面略L字形状」とは、直角に折れ曲がった形状に限定されず、所定の曲率をもって湾曲した形状も含まれる。
手段5:手段4に記載の遊技機において、
前記取付手段の配設部位の周辺部に、前記ベース部材に対する前記基板ケースのスライド方向に互いに対向する一対の被覆片を設け、ベース部材に設けた一対の被覆片と基板ケースに設けた断面略L字形状の被覆部によって取付手段の三方を囲むように構成したことを特徴とする。
手段5に記載の遊技機は、前記被覆部にて取付手段の一側方、詳しくは前記ベース部材に対する前記基板ケースのスライド方向に関してほぼ直交する側を遮蔽し、かつ、一対の被覆片にて取付手段の前記ベース部材に対する前記基板ケースのスライド方向両側を遮蔽して、取付手段の三方を囲んである。したがって、基板ケースをベース部材に装着した状態では、手や工具で取付手段に触れて操作することができず、基板ケースをベース部材ごと取り外すことを防止できる。
手段6:手段3に記載の遊技機において、
前記ベース部材に取付手段を収容する凹部を設け、前記凹部の周辺部に密着させた被覆部にて前記取付手段を被覆したことを特徴とする。
手段6に記載の遊技機は、凹部にて取付手段の着脱操作する部分の周りを取り囲み、凹部の周辺部に被覆部を密着させて取付手段を被覆してあるので、基板ケースをベース部材に装着した状態では、手や工具で取付手段に触れて操作することができず、基板ケースをベース部材ごと取り外すことを防止できる。
手段7:手段1〜6のいずれかに記載の遊技機において、
前記基板ケースがベース部材と不可逆的に連結されていることを特徴とする。
手段7に記載の遊技機は、基板ケースをベース部材に不可逆的に連結し、基板ケースとベース部材の連結部を破壊しない限りベース部材から基板ケースを取り外すことができない構成とされる。つまり、前記連結部を破壊しない限り遊技機から基板ケース単体で取り外すことは勿論のこと基板ケースをベース部材ごと取り外すこともできない構成とされ、基板ケースを単体で若しくはベース部材ごと遊技機から取り外したか否かが前記連結部を見れば判断できるようになっている。
手段8:手段7に記載の遊技機において、
前記基板ケースが、前記ベース部材側に配置される基板ボックスと、前記基板ボックスに被せるボックスカバーとからなる二つ割り構成とされ、前記ボックスカバーに複数のカバー側連結部を設けると共に前記ベース部材にカバー側連結部と整合する複数のベース側連結部を設け、前記カバー側連結部と前記ベース側連結部を連結部材にて不可逆的に連結したものであることを特徴とする。
手段8に記載の遊技機は、基板ケースのカバー側連結部とベース部材のベース側連結部とを不可逆的に連結し、当該連結部を破壊しない限りベース部材から基板ケースを取り外すことができない構成とされる。つまり、前記連結部を破壊しない限り遊技機から基板ケース単体で取り外すことは勿論のこと基板ケースをベース部材ごと取り外すこともできない構成とされ、基板ケースを単体で若しくはベース部材ごと遊技機から取り外したか否かが前記連結部を見れば判断できるようになっている。
手段9:手段1〜8のいずれかに記載の遊技機において、
前記基板ケースと前記ベース部材を一度剥がすと剥がす前の元の状態に復元できない封印シールにて封印したことを特徴とする。
手段9に記載の遊技機は、基板ケースとベース部材のパーティングライン上に貼り付けた封印シールを剥がしたり切断したりしない限りベース部材から基板ケースを取り外すことができない構成とされる。つまり、前記封印シールを剥がしたり切断したりしない限り遊技機から基板ケース単体で取り外すことは勿論のこと基板ケースをベース部材ごと取り外すこともできない構成とされ、基板ケースを単体で若しくはベース部材ごと遊技機から取り外したか否かが前記封印シールを見れば判断できるようになっている。
手段10:手段3〜9のいずれかに記載の遊技機において、
遊技機が遊技球を遊技媒体として使用し、かつ、複数の回胴を有する回胴ユニットを備えた球式回胴遊技機であって、該回胴ユニットが球式回胴遊技機の背面側に出っ張っており、前記ベース部材が取付領域の側方に立設した側壁を有し、かつ、該側壁の開放端部に配設された取付手段にて前記回胴ユニットの側方に立てた状態で取り付けられており、前記ケース本体部から前記ベース部材の側壁とほぼ平行に延在させた被覆部にて前記取付手段を被覆したことを特徴とする。
手段10に記載の遊技機は、回胴ユニットが背面側に出っ張っており、回胴ユニットの側方にベース部材を立てた状態で取り付けることで、省スペース化を図っている。つまり、球式回胴遊技機は、既存のパチンコ機の島設備に配置されるため、奥行きの寸法が制限される。そのため、ベース部材を回胴ユニットの側方に立てた状態で配置すると、球式回胴遊技機の奥行きを小さく抑えることができる。このようなベース部材の場合、前記ベース部材の取付領域の側方に側壁を立設すると共に該側壁に取付手段を配設すると、取付手段の配設部位によっては、前記ベース部材が不安定になる場合がある。かかる場合は、前記ベース部材の側壁の開放端部に配設した取付手段を被覆部にて被覆することで、前記ベース部材の安定性を確保しつつ手段1と同様の効果を享受できる。
手段11:手段3〜10のいずれかに記載の遊技機において、
前記基板ケースが透明樹脂からなっており、ケース本体部の周囲に形成されたフランジから被覆部を延設し、被覆部にてケース本体部に収容された制御基板が隠れないように構成したことを特徴とする。
手段11に記載の遊技機は、ケース本体部の周囲のフランジから被覆部を延設し、被覆部にて制御基板の表側全体を隠さないようにしてあるので、基板ケースの外側から制御基板の表側全体を視認しやすく、制御基板に対する不正行為を容易に発見することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る遊技機の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、便宜上、球式回胴遊技機を挙げて説明するが、本発明は、メダルを遊技媒体として使用する回胴式遊技機(いわゆるスロットマシン)や弾球遊技機(パチンコ機、アレンジボール機、雀球遊技機など)にも適用することができる。
図1は本実施形態の球式回胴遊技機10の正面図であり、図2は球式回胴遊技機10の正面側斜視図であり、図3は外枠11に対してドアブロック12を開けた状態を示す斜視図であり、図4は前面ブロック20に対して払出ブロック30及び遊技ブロック40を開けた状態を示す斜視図である。
図1乃至図3に示すように、この球式回胴遊技機10は、当該球式回胴遊技機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持されたドアブロック12とを備えている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は、軽量化を図るために、樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。ドアブロック12は、外枠11に対してヒンジ13,13によって開閉可能に取り付けられ、その開閉軸線は球式回胴遊技機10の正面からみて左側で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にしてドアブロック12が前方側に十分に開放できるようになっている。
ドアブロック12は、図4に示すように、球式回胴遊技機10の前面を構成する前面ブロック20と、前面ブロック20に対して後方側へ開閉可能に取着された払出ブロック30と、前面ブロック20に対して後方側へ開閉可能に取着され、前面ブロック20及び払出ブロック30にて被包される遊技ブロック40とからなる。
(前面ブロックの構成)
図5は前面ブロック20の分解斜視図である。図5に示すように、前面ブロック20は、前面パネル100、前面ブロック枠200、回胴表示パネル22、パネル押え枠24、上皿ユニット300、および、セレクタ400(遊技球投入装置)を備える。
前面パネル100は、図1、図2及び図5に示すように、遊技ブロック40の前面に設けられた遊技領域を露出するための窓孔102を有し、窓孔102を囲むようにして上効果LEDカバー部104、上スピーカ部106,106、右中効果LEDカバー部108、左中効果LEDカバー部110、中央パネル部112が配設されている。
上効果LEDカバー部104、右中効果LEDカバー部108及び左中効果LEDカバー部110は、それぞれ前面パネル100の裏側から取り付けられた図示しない発光ダイオード(LED)等の発光装置を覆っている。前記発光装置は、遊技の進行に伴い点灯したり、点滅したりして遊技の視覚的演出を行なうものである。
上スピーカ部106,106は、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりして遊技の聴覚的演出を行なうものである。
中央パネル部112は、無色透明のガラスで構成され、所定の入賞条件及び当該入賞条件を満たした場合に払い出される遊技球の個数(賞球数)や遊技方法などが記載された図示しない情報掲載パネルを露出するための部位である。前記情報掲載パネルの表示内容を見やすくするために、中央パネル部112の内側には蛍光灯41k(図27参照)が設置される。中央パネル部112の左側方には1ベットボタン114(図1参照)が配設されている。中央パネル部112の右側方には汎用ボタン116,118(図1,2参照)が配設されている。汎用ボタン116,118は例えば遊技モードの切替えや液晶画面における表示モードの切替えなど、遊技機の機種ごとにその用途を適宜設定可能なボタンである。中央パネル部112の汎用ボタン116等よりもさらに右側方には、前面ブロック開閉用のドアキーシリンダ202の前面(鍵穴)を露出させるキーシリンダ挿通孔120を設けてある。また、中央パネル部112の下方には、前方側へ突出した操作パネル部122が配設されている。
操作パネル部122には、図面左側から順に、後述する回胴L,M,R(図27参照)の回転を開始させるための始動レバー124と、左回胴Lの回転を停止させるための左回胴停止ボタン126Lと、中回胴Mの回転を停止させるための中回胴停止ボタン126Mと、右回胴Rの回転を停止させるための右回胴停止ボタン126Rと、上皿302から下皿128へ遊技球を流す操作をするための上皿球抜きレバー386を露出させるための小窓孔130とを設けてある。始動レバー124は、遊技者がゲームを開始するときに手で押下して操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。所定数の遊技球がベットされているときにこの始動レバー124が操作されると、各回胴L,M,Rが一斉に回転し始める。始動レバー124の基端部上方には、各回胴L,M,Rの回転準備が整った状態、つまり所定数の遊技球がセレクタ400にて取り込まれ、始動レバー124の操作受付可能な状態を報知するための始動レバーLED132を埋設してある。また、各回胴停止ボタン126L,126M,126Rの周囲には、各回胴停止ボタン126L,126M,126Rの操作受付可能な状態を報知するための回胴停止ボタンLED134L,134M,134Rを埋設してある。各回胴停止ボタンLED134L,134M,134Rは、それぞれ対応する回胴L,M,Rが等速回転しているときに点灯し、対応する回胴L,M,Rの回転が停止すると消灯する。操作パネル部122の下方には、遊技球を貯留するための下皿128が配設されている。
下皿128の奥面には、前面ブロック枠200に設けた下スピーカ204を覆う下スピーカカバー部136と、上皿302から下皿128へ流れてくる遊技球の出口となり、かつ、後述する払出装置33(図17参照)から直接遊技球が払いだされてくることもある下皿払出口138とを設けてある。また、下皿128の前面下部には、下皿128から下皿128の下方に配置した図示しない遊技球収容ケース(いわゆるドル箱)に遊技球を落とす操作をするための下皿球抜きレバー140を設けてある。つまり、図2に示すように、下皿128の底面には開口部142を設けてあり、通常は開口部142を閉塞板144にて閉じてある。下皿球抜きレバー140にて閉塞板144をスライド操作することで、開口部142を開口させて下皿128から遊技球を落下させる構成になっている。また、下皿128の左側方には灰皿146を設けてある。操作パネル部122及び下皿128の両側には、それぞれ左下効果LEDカバー部148及び右下効果LEDカバー部150を設けてある。左下効果LEDカバー部148及び右下効果LEDカバー部150は、それぞれ前面パネル100の裏側から取り付けられた図示しない発光ダイオード等の発光装置を覆うものである。なお、前面パネル100は、合成樹脂製、例えばABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂で構成してある。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
前面ブロック枠200は、図5に示すように、前面パネル100よりも若干小さい矩形状の枠体で、前面パネル100の裏側にネジ止めされる。前面ブロック枠200の下部には下スピーカカバー部136にて覆われる聴覚的演出用の下スピーカ204を取り付けてある。上下にスピーカ部106,204を設けることで臨場感あふれる聴覚的演出を行なうことができる。また、前面ブロック枠200の左側部には回転軸206を設け、右側部にはドア開閉機構208を設けてある。図中の符号202はドア開閉機構208を構成するキーシリンダである。ドアキーシリンダ202に図示しない鍵を挿入して右側へ回転させると、外枠11に対して係止する係止爪210,210が下方向に回動し、外枠11に対する係止が解除される。逆に、ドアキーシリンダ202に図示しない鍵を挿入して左側へ回転させると、払出ブロック30に対して係止する係止爪212,212が下方向に回動し、払出ブロック30に対する係止が解除される。なお、図中の符号214は、下皿払出口138に連なる誘導通路である。
回胴表示パネル22は、無色透明のガラス板で、前面パネル100の窓孔102の形状に対応した形状の略台形状とされる。また、回胴表示パネル22は、遊技機設置島内を通行中の人がつまづいて衝突するなどしても割れないように十分な強度をもって形成されている。
表示パネル押え枠24は、前面パネル100との間に回胴表示パネル22を介在させて前面ブロック枠200にネジ止めされる。表示パネル押え枠24は、回胴表示パネル22の形状に対応した略台形状とされ、所定の奥行きをもって形成される。つまり、前面パネル100の窓孔102が中央パネル部112よりも前方に張り出しており、この張り出し長さに対応した奥行きをもって形成される。
上皿ユニット300は、遊技球を貯留する上皿302を有する部材で、中央パネル部112と操作パネル部122の間の開口部152を閉塞するように、操作パネル部122の裏側に取り付けられる。上皿302は、所望の深さでかつ図示上左側から右側へと下る傾斜をもって形成される。上皿ユニット300の前壁上面部には、左側部にマックスベットボタン304を、右側部に球貸出ボタン306及びカード返却ボタン308を配設してある。マックスベットボタン304にはマックスベットボタンLED(図示略)を埋設してある。前記マックスベットボタンLEDは、遊技球のベット可能な状態を遊技者に報知するためのものである。
図6乃至図8を参照して上皿ユニット300についてさらに詳しく説明する。なお、図6は上皿ユニット300の拡大斜視図で、図7(A)は上皿ユニット300の平面図で、図7(B)は上皿ユニット300の底面図で、図8は上皿ユニット300の分解斜視図である。但し、図8では図6及び図7(A)に示すフード部310の図示を省略している。
図6及び図7に示すように、上皿ユニット300の奥面左端部には、上皿払出口312を設けてある。本実施形態では、一度に払い出される賞球数がパチンコ機に比べて球式回胴遊技機10の方が多く、大量の賞球を瞬時に払い出すという観点から、従来の球式回胴遊技機やパチンコ機(以下、これらをまとめて「従来の遊技機」と称する。)の払出口よりも上皿払出口312の横幅を大きく設定してある。この実施形態では、上皿払出口312の奥方の横幅H1が遊技球4個を並べた幅(約44mm)以上でかつ遊技球5個を並べた幅(約55mm)以下とされる。上皿払出口312は、奥側から前方側へ拡開したテーパー状をなし、その前側の横幅H2は、概ね遊技球7個を並べた幅(約77mm)とされる。
また、上皿ユニット300は前後方向の略中央部よりも後方側を覆うフード部310を有する。このフード部310は、上皿302の奥壁の上部を構成すると共に、中央パネル部112の底面部を構成する部位でもある。つまり、本実施形態では、上皿302の奥壁が中央パネル部112よりも奥まって配置される。外枠11を基準とした上皿302の前方への突出長さを従来の遊技機と同程度に設定しても、上皿302の奥行きが大きくなっている分だけ、従来の遊技機よりも大量の遊技球を上皿302に貯留できる構成になっている。
図8に示すように、上皿ユニット300は、上皿ユニット本体320と、上皿ユニット本体320にネジ止めされるフード部310(図6及び図7(A)参照)と、球貸出ボタン306と、カード返却ボタン308と、内側カバー330と、外側カバー340と、CR操作表示部350と、上皿球止め部360と、上皿球抜き操作部380とから構成される。
上皿ユニット本体320は、上記の如く上皿302を有する部材で、上皿302の下流側部分には、複数(例えば3つ)に分岐した遊技球案内路322a,322b,322cを設けてある。遊技球案内路322a,322b,322cは、遊技球を整列状態にしてセレクタ400へ順次案内する部位である。遊技球案内路322a,322b,322cの前方側には、下側からCR操作表示部350を介して上皿球抜き操作部380を装着するための取付部323を設けてある。取付部323の表側には、左側から順に、矩形状の窓孔324と、円形状の窓孔325と、中央部に貫通孔326,327を有する一対の凹部328,329とを設けてある。矩形状の窓孔324は、CR操作表示部350の複数(例えば3つ)の7セグLEDからなる度数表示部352を露出させるためのものである。円形状の窓孔325は、球貸出ボタンLED354を露出させるためのものである。一対の凹部328,329は、球貸出ボタン306及びカード返却ボタン308を装着する部位である。
内側カバー330と外側カバー340は、それぞれ球貸出ボタン306及びカード返却ボタン308を露出させるための一対の孔332,334,342,344を有する。内側カバー330は、一対の孔332,334の周縁部にて各ボタン306,308のフランジ306a,308aを押えることで、各ボタン306,308を凹部328,329に取り付けるためのものである。外側カバー340は、各ボタン306,308の押し代を規制するためのもので、各ボタン306,308の先端部が一対の孔342,344から若干突出するように構成されている。各ボタン306,308の押し代を規制することで、CR操作表示部350の球貸出スイッチ356及びカード返却スイッチ358の破損を防止できる。
CR操作表示部350は、上記の度数表示部352、球貸出ボタンLED354、球貸出スイッチ356及びカード返却スイッチ358を備える。度数表示部352は、球式回胴遊技機10に隣接して配置される図示しないCRユニットにカードを挿入することで当該カードの残額に相当する度数を表示する部位である。例えば当該カードの残額の1/100の値を度数として表示する。球貸出ボタンLED354は、遊技球の貸し出しを行なえる状態であることを遊技者に報知する部位である。すなわち、前記CRユニットに挿入されたカードに残額があるときは、球貸出ボタンLED354を点灯させて、遊技球の貸し出しを行なえる状態であると報知し、前記CRユニットに挿入されたカードに残額がないときや前記CRユニットにカードが挿入されていないときは、球貸出ボタンLED354を消灯させて、遊技球の貸し出しを行なえない状態であると報知する。また、遊技球の貸し出しを行なっているときには、球貸出ボタンLED354を点滅させて、遊技球の貸し出しを行なっていることを報知する。球貸出スイッチ356は、球貸出ボタン306を押すことで、遊技球を貸し出すためのものである。カード返却スイッチ358は、カード返却ボタン308を押すことで、前記CRユニットからカードを返却するためのものである。
上皿球止め部360は、遊技球案内路322a,322b,322cの下側に取り付けられ、遊技球案内路322a,322b,322cからセレクタ400へと連なる球通路402a,402b,402c(図10,11参照)の入口を開閉するものである。詳しくは、セレクタ400の故障等によりセレクタ400を取り替える必要が生じたときに、球通路402a,402b,402cを閉鎖して上皿302から遊技球が毀れ落ちないようにするためのものである。
図9は上皿球止め部360の分解斜視図である。また、図10及び図11は上皿球止め部360及びセレクタ400を後方側から見た縦断面図であって、図10は球通路402a,402b,402cの入口を開いた状態を、図11は球通路402a,402b,402cの入口を閉じた状態をそれぞれ示している。図9に示すように、上皿球止め部360は、ケーシング361と、軸部材362と、開閉部材363とからなっている。
ケーシング361は、上方が開口した中空直方体状の箱であり、その両側部には、上皿ユニット本体320にネジ止めするためのフランジ364,365を設けてある。ケーシング361の前壁部366には、軸部材362の先端を回転自在に支持する先受け部367を設けてあり、後壁部368には軸部材362の基端側を受ける基受け部369を設けてある。また、ケーシング361の内底面には、軸部材362の中間部を受ける中受け部370,371を設けてある。なお、図中の符号372は後壁部368から後方側へ突出したストッパである。ストッパ372は、軸部材362の回転を規制する部位である。
軸部材362は、ケーシング361に対して開閉部材363をスライドさせるためのものである。軸部材362の基端部には、ケーシング361の背面側に配設される操作ハンドル373を設けてある。操作ハンドル373の前面側には、ストッパ372にて係止される円弧状の突出部374を設けてある。ケーシング361の内部に格納される軸部材362の先端側部分には、周方向に概ね90度の間隔を隔てて押圧部375a,375bを設けてある。押圧部375a,375bは舌片状に形成され、それぞれ軸部材362の半径方向に突出している。
開閉部材363は、球通路402a,402b,402cを閉じるための閉塞部376,376,376を有する。この実施形態では、上皿302の下流側部分に3本の遊技球案内路322a,322b,322cを設けてあるので、遊技球案内路322a,322b,322cの本数と同じ3つの閉塞部376,376,376を設けてある。開閉部材363は、ケーシング361に対してスライド自在に嵌着される本体部377と、本体部377の下側に軸部材362を跨ぐように設けられた一対の被押圧部378a,378bと、本体部377から一側方へ突出した3本のアーム379,379,379とを有し、各アーム379,379,379の先端に上向きに突出した閉塞部376,376,376を設けてある。
軸部材362の突出部374をケーシング361のストッパ372に接当させた状態では、図10に示すように、一方の押圧部375aが略水平方向を向いて開閉部材363の一方の被押圧部378aを押圧する。このとき、他方の押圧部375bは略鉛直方向下向きに維持される。図10の状態から操作ハンドル373を球式回胴遊技機10の背面から見て時計回りに回転させると、図11に示すように、他方の押圧部375bが略水平方向を向いて開閉部材363の他方の被押圧部378bを押圧し、開閉部材363が球通路402a,402b,402c側へスライドする。これにより閉塞部376が球通路402a,402b,402cの入口の大きさを狭めて遊技球を通せなくする。図11の状態から操作ハンドル373を反時計回りに回転させると、図10に示すように、遊技球が球通路402a,402b,402cに流入可能な状態に戻る。
図11の如く球通路402a,402b,402cの入口を狭めた状態にすると、図12に示すように、遊技球案内路322a(322b,322c)に遊技球を貯留した状態でセレクタ400を取り外すことができる。
図8の上皿球抜き操作部380は、操作パネル部122の小窓孔130から球式回胴遊技機10の前面に露出される上皿球抜きレバー386を有し、このレバー操作により上皿302から下皿128へと遊技球を流すためのものである。図10及び図11に示すように、セレクタ400は、上皿302から下皿128へと遊技球を案内する案内通路404a,404b,404cと、ベットボタン114,304の操作により上皿302から遊技球を回収して球式回胴遊技機10の外部へ排出する排出通路406a,406b,406cとを有する。上皿球抜き操作部380は、図10及び図11に示す返却シャッタ420を動かして、球通路402a,402b,402cと案内通路404a,404b,404cとを連通又は遮断させるためのものである。
図13及び図14は上皿球抜き操作部380及びセレクタ400の一部横断面図であって、図13は球通路402a,402b,402cと案内通路404a,404b,404cとを遮断した状態を、図14は球通路402a,402b,402cと案内通路404a,404b,404cとを連通させた状態をそれぞれ示している。
図13及び図14に示すように、上皿球抜き操作部380は、CR操作表示部350を介して上皿ユニット本体320の下側に取り付けられるベース部381と、ベース部381に立設した支軸382,383を中心に回動する回動片384及び押圧片385と、ベース部381の前面に沿ってスライドする上皿球抜きレバー386とを有する。回動片384の基部384aには上皿球抜きレバー386に枢着される連結部384bを設けてある。また、回動片384の基部384aは、コイルバネ387を介してベース部381に連結される。回動片384の先端部には二又状の把持部384cを設けてある。把持部384cは、押圧片385の基部385aに設けた凸部385bを摺動自在に把持する部位である。押圧片385の先端部には、返却シャッタ420を押圧する押圧部385cを設けてある。なお、図13及び図14において、セレクタ400の中空突出部408には、返却シャッタ420を押圧片385側へ押圧するコイルバネ430(図15参照)を格納してある。また、返却シャッタ420は、図15に示すように、遊技球案内路322a,322b,322cに対応した個数の窓孔422a,422b,422cを有し、各窓孔422a,422b,422cの側方に球通路402a,402b,402cと案内通路404a,404b,404cを遮断する遮断壁424a,424b,424cを有する。また、各窓孔422a,422b,422cの下部には球通路402a,402b,402c側へ延在する舌片426a,426b,426cを設けてある。各舌片426a,426b,426cは、球通路402a,402b,402cから各窓孔422a,422b,422cに遊技球を案内する部位である。
図13の状態は、上皿球抜きレバー386を操作していない状態である。つまり、コイルバネ387にて回動片384が反時計回りに引っ張られると共に、回動片384にて押圧片385が時計回りに引っ張られて、押圧部385cが返却シャッタ420の片端部から離れている状態である。この状態では、返却シャッタ420の遮断壁424a,424b,424cにて球通路402a,402b,402cと案内通路404a,404b,404cとが遮断され、球通路402a,402b,402cから案内通路404a,404b,404cへ遊技球が通過不可となる。図13の状態から上皿球抜きレバー386を摘んで図の下向き(実際には球式回胴遊技機10の正面から見て右側から左側)に動かすと、図14に示すように、上皿球抜きレバー386に随伴して回動片384が時計回りに回転すると共に、回動片384にて押圧片385が反時計回りに回転させられ、押圧部385cが返却シャッタ420を押圧する。返却シャッタ420が押圧部385cにて押圧されると、返却シャッタ420の各窓孔422a,422b,422cを介して球通路402a,402b,402cと案内通路404a,404b,404cとが連通し、球通路402a,402b,402cから案内通路404a,404b,404cへ遊技球が通過可能となる。図14の状態で上皿球抜きレバー386から手を離すと、コイルバネ430にて返却シャッタ420が前方側へ押圧され、図13の状態に戻る。
図15はセレクタ400の分解斜視図で、図16はセレクタ400の背面側から見た斜視図である。セレクタ400は、上皿球止め部360の斜め下方に取り付けられ、遊技者によるベットボタン114,304の操作に基づき上皿302に貯留された遊技球を所定数ずつ取り込む装置である。そして、所定数(例えば15個)の遊技球が取り込まれる毎にその都度の遊技(ゲーム)の開始条件が成立し、遊技開始の準備が整えられるようになっている。このとき、遊技球は所定数ずつ取り込まれた後、排出通路406a,406b,406cを介して球式回胴遊技機10の外部に排出される。
セレクタ400は、図15及び図16に示すように、複数(例えば3つ)の遊技球投入部410a,410b,410cと、上記した返却シャッタ420及びコイルバネ430と、返却スイッチ基板440と、中空突出部408を有し、かつ、コイルバネ430及び返却スイッチ基板440を被覆するバネ・基板カバー450と、セレクタ中継端子板462を中継端子板カバー464で被覆したセレクタ中継装置460とを有する。このセレクタ400は、複数の遊技球投入部410a,410b,410cを併設することで、遊技球の投入を迅速に行なえるようになっている。なお、各遊技球投入部410a,410b,410cは互いにほぼ同じ構造になっており、説明が重複するので、ここでは、最背面側の遊技球投入部410aについてのみ説明する。
遊技球投入部410aは、図15に示すように、ケーシング411aとカバー412aからなる樹脂製の筐体を有し、この筐体の内部に、投入フリッカ413aと、投入ソレノイド414aと、通過センサ415aと、カウントセンサ416aとを備える。ケーシング411aの外表面は、隣接する遊技球投入部410bのカバー412bに対する取付面になっており、カバー412aの外表面は、バネ・基板カバー450に対する取付面になっている。また、ケーシング411a,411b,411cとカバー412a,412b,412cを組み付けると、図16に示すように、その上部に球通路402a,402b,402cを構成する樋状部417a,417b,417cが形成される。つまり、球通路402a,402b,402cは、図10及び図11に示すように、樋状部417a,417b,417cの上部を上皿ユニット本体320の底部320aにて覆うことで構成される。球通路402a,402b,402cの下流側には、斜め下方へ延びる案内通路404a,404b,404cとほぼ鉛直下向きに延びる排出通路406a,406b,406cとの分岐部がある。
投入フリッカ413aは、図10及び図11に示すように、排出通路406aを開閉するための部材である。投入フリッカ413aは、基端側部分413a1と先端側部分413a2が支軸413a3にて回転可能に連結されている。投入フリッカ413aの基端側部分413a1及び先端側部分413a2は、それぞれケーシング411aの支軸411a1,411a2にて回転可能に支持される。投入フリッカ413aの基端部には、投入ソレノイド414aの舌片414a1を把持する把持部413a4を設けてある。また、投入フリッカ413aの先端部には、排出通路406aを開閉するための開閉部413a5を設けてある。なお、図13及び図14における符号413b5,413c5は、それぞれ遊技球投入部410b,410cの投入フリッカの開閉部である。
投入ソレノイド414aは、図10及び図11に示すように、ベットボタン114,304の操作により通電されて作動し、ピストン414a2を上方へ縮まらせるものである。ピストン414a2の先端には、つまみ部414a3を装着してある。つまみ部414a3はピストン414a2の半径方向に延びる上記舌片414a1を有する。また、ピストン414a2には、コイルバネ414a4を外装してある。コイルバネ414a4は、投入ソレノイド414aの本体部分414a5とつまみ部414a3とを離間させる方向に付勢している。つまり、投入ソレノイド414aへの通電を切ったときに、コイルバネ414a4の付勢力により、ピストン414a2が下方へ伸びるようになっている。
ベットボタン114,304を押すと投入ソレノイド414aに通電され、ピストン414a2が縮まって投入フリッカ413aの基端側部分413a1を図示上反時計回りに回転させる。これと同時に投入フリッカ413aの先端側部分413a2は図示上時計回りに回転して排出通路406aを開き、球通路402aに待機している遊技球が自然落下可能な状態となる。逆に、投入ソレノイド414aの通電を切ると、コイルバネ414a4の付勢力によりピストン41a2が伸びて投入フリッカ413aの基端側部分413a1を図示上時計回りに回転させる。これと同時に投入フリッカ413aの先端側部分413a2は図示上反時計回りに回転して開閉部413a5にて排出通路406aを閉じ、遊技球が自然落下不可能な状態となる。
通過センサ415aは、排出通路406aであって投入フリッカ413aの開閉部413a5のすぐ下流側に配置され、遊技球が正常に取り込まれたか否かを検知するためのものである。通過センサ415aは、投入フリッカ413aの先端側部分413a2を取り囲むように横断面略コ字形状とされ、投入フリッカ413aよりも前面側又は背面側のいずれか一方側に発光素子を設け、他方側に受光素子を設けた構成とされる。また、発光素子及び受光素子はそれぞれ上下一対でかつ遊技球1個分の径よりも短い間隔で設けてある。上側の素子415a1にて遊技球を検知したのち上側及び下側の素子415a1,415a2にて同時に遊技球を検知し、次いで下側の素子415a2のみ遊技球を検知することが所定時間内に行われたときは、遊技球が正規に取り込まれたと判定される。逆に、上側の素子415a1にて遊技球を検知したのち所定時間経過しても下側の素子415a2が遊技球を検知しないときや、下側の素子415a2にて遊技球を検知したのち上側及び下側の素子415a1,415a2にて同時に遊技球を検知し、次いで上側の素子415a1のみ遊技球を検知したときは、遊技球が不正な手段にて投入されたと判定し、球式回胴遊技機10にエラーが発生した旨を報知すると共に遊技が禁止されるようになっている。故に、例えば、遊技球に紐等を付けてあたかも遊技球が取り込まれたようにするなどの不正行為が防止できるようになっている。
カウントセンサ416aは、遊技球投入部410aにて投入された遊技球を計数するためのものである。より詳しくは、通過センサ415aにてエラーが発生せずに取り込まれた遊技球を計数するものである。カウントセンサ416aにて検知した遊技球の個数が所定値(例えば5個、10個又は15個)に達すると、投入ソレノイド414aの通電が切られ、投入フリッカ413aにて排出通路406aを閉鎖する構成になっている。
また、セレクタ400は、複数の遊技球投入部410a,410b,410cを組み付けると共に各遊技球投入部410a,410b,410cに返却シャッタ420を挿入し、最背面側のカバー412aに取着した返却スイッチ基板440をバネ・基板カバー450にて被覆した構成とされる。
上記の如く、上皿球抜きレバー386を操作すると、返却シャッタ420がスライドし、上皿302から案内通路404a,404b,404cを経て下皿128へ遊技球が流れる。このとき、返却シャッタ420が返却スイッチ基板440にて検知され、この検知結果に基づき、ベットボタン114,304の操作受付を不能にする状態が発生する。このとき、図示しないベットボタンLEDは消灯して、ベットボタン114,304の操作受付が不能な状態であると遊技者に報知する。
また、セレクタ400は、複数の遊技球投入部410a,410b,410cを組み付けると共にその一側部に取り付けたセレクタ中継端子板462を中継端子板カバー464にて被覆した構成とされる。セレクタ中継端子板462は、通過センサ415aやカウントセンサ416aの検出結果をデジタル信号に変換して後述する主制御装置700に送信するものである。
(払出ブロックの構成)
図4に示すように、払出ブロック30は、前面ブロック20に対して開閉自在に取り付けられている。払出ブロック30の開閉軸線は球式回胴遊技機10の正面からみて左側で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして払出ブロック30が後方側に十分に開放できるようになっている。
また、払出ブロック30は、ドア開閉機構208にて前面ブロック20とロックされる。詳しくは、ドア開閉機構208の係止爪212,212が払出ブロック30の係合部31a,31aに係止しており、図示しないドアキーをドアキーシリンダ202に差し込んで左に回転させることで係止爪212,212の係止を解除する構成とされる。また、払出ブロック30は、ワンタッチ式の止め具31b(図3,4参照)を有し、この止め具31bによっても前面ブロック20と連結される。
図17は払出ブロック30の背面図である。同図に示すように、払出ブロック30は、払出ブロック本体31に、貸出用及び賞球用としての遊技球を貯留する遊技球タンク32と、遊技球を払い出す払出装置33と、遊技球タンク32から払出装置33へと遊技球を案内するタンクレール34及びケースレール35と、払出中継端子板36と、遊技球の払出動作を制御する払出制御装置37と、遊技球の電源を制御する電源制御装置38と、球式回胴遊技機10を前記CRユニットに接続するためのCRユニット接続端子板39とを取り付けた構成とされる。
払出ブロック本体31は、その中央に後方側へ張り出して遊技ブロック40を被包する保護カバー部31cを有する。この保護カバー部31cを取り囲むように、遊技球タンク32、タンクレール34、ケースレール35、払出装置33、払出中継端子板36、CRユニット接続端子板39、払出制御装置37、および、電源制御装置38が装着されている。
図18は払出ブロック30から払出制御装置37及び電源制御装置38を取り外した状態を示す背面図で、図19は払出ブロック30を正面側から見た斜視図である。図18の破線は遊技球タンク32からの遊技球のフローを示しており、同図に示すように、払出ブロック本体31は、払出装置33から遊技球を上皿302へ案内する上皿誘導通路31dと、払出装置33から遊技球を下皿128へ案内する下皿誘導通路31eと、払出装置33から遊技球を球式回胴遊技機10の外部へ排出する排出通路31fを有する。下皿誘導通路31eは、上皿誘導通路31dが遊技球で溢れたときに、払出装置33から遊技球が導入される。また、図19に示すように、上皿誘導通路31dは、払出ブロック30の前面側で開口した出口部31d1を有し、この出口部31d1が上皿ユニット300の上皿払出口312に連なっている。同様に、下皿誘導通路31eは、払出ブロック30の前面側で開口した出口部31e1を有し、この出口部31e1が前面ブロック20の下皿払出口138に連なっている。
なお、図19において、符号31gは払出ブロック本体31の正面側から見て左側端部に設けられた回転軸部である。回転軸部31gは上下一対で設けてある。各回転軸部31gは、払出ブロック本体31からブラケット31hが略水平方向に延び出しており、このブラケット31hから下方に突出している。前面ブロック20には、この回転軸部31gを落とし込む環状の軸受部(図示略)を設けてあり、前面ブロック20と払出ブロック30の着脱が容易な構成となっている。
遊技球タンク32は、上方に開口した横長の箱型容器で、遊技機設置島内の遊技球循環設備から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク32の底部は緩やかに傾斜している。遊技球タンク32の底部の下流側端部はタンクレール34へ遊技球を送るために開口している。
タンクレール34は、図17及び図18に示すように、遊技球タンク32の下方に取り付けられ、例えば横方向4列の樋状通路(図示略)を有する。前記樋状通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜している。タンクレール34には、遊技球が積み重なって流れないように整流する4つの振り子34a,34b(図22参照)が2行2列で取り付けられている。振り子34a,34bの下流側には、タンクレール34からケースレール35へ遊技球が流れるのを阻止するための球止めレバー34cを取り付けてある。
ケースレール35は、図17及び図18に示すように、タンクレール34の下流側に縦向きに配置されている。ケースレール35は、遊技球が勢いよく流れないように波状のうねりをもって左右に湾曲した球通路35aを有し、その上部には、球切れ検出装置35bを組み付けてある。球切れ検出装置35bは、ケースレール35の内部に遊技球が十分にないこと、つまりケースレール35よりも上流側で球詰りが発生してケースレール35に遊技球が十分に補給されていないことを検出するものである。この球切れ検出装置35bの検出結果に基づき、球詰りエラーが報知される。なお、ケースレール35は、タンクレール34の前記樋状通路の個数に対応して前後方向に複数(例えば4つ)連結させた状態で配設してある(図22参照)。
図20及び図21は球切れ検出装置35bの構成を示すケースレール35の要部縦断面図であって、図20はケースレール35に十分な個数の遊技球がある状態を、図21はケースレール35に十分な個数の遊技球がない状態をそれぞれ示している。
図20及び図21に示すように、球切れ検出装置35bは、スイッチ片35b1と球切れ検出スイッチ基板35b2とで構成される。スイッチ片35b1は、支軸35cにてケースレール35に回転自在に取り付けられ、支軸35cから半径方向下方に延びてケースレール35内の球通路35aを閉塞可能な板状の揺動部35b11を有する。また、スイッチ片35b1は、支軸35cよりも上方でかつ支軸35cよりも一方側に偏った偏心部35b12を有し、さらに偏心部35b12から一方側に突出したスイッチ部35b13を有する。球切れ検出スイッチ基板35b2は、スイッチ片35b1の一方側に設置され、スイッチ片35b1の回転に追従してスイッチ部35b13を検出できる構成となっている。
図20に示すように、ケースレール35内に十分に遊技球がある場合は、揺動部35b11が遊技球によって押されてほぼ鉛直下向きになり、球通路35aの側壁となる。この場合には、スイッチ部35b13が球切れ検出スイッチ基板35b2から離間して検出されない。一方、ケースレール35の上流側で球詰りが発生している場合、ケースレール35には遊技球が補給されずに遊技球の払い出しのみが行なわれ、図21に示すように、ケースレール35内の遊技球が不足するようになる。図21の場合、偏心部35b12とスイッチ部35b13の自重でスイッチ片35b1が回転し、揺動部35b11にて球通路35aが閉塞される。このとき、スイッチ部35b13が球切れ検出スイッチ基板35b2にて検出され、この検出結果に基づき球切れエラーが報知される。ケースレール35の上流側での球詰りを解消すると、遊技球がケースレール35に流れ込み、揺動部35b11が押圧されて球切れスイッチ基板35b2によってスイッチ部35b13が検出されない正常な状態に戻る。
図22は払出ブロック30から払出装置33及び払出装置33の下方に配設される払出中継端子板36の取付台36a,36bを取り外した状態を示す分解斜視図である。払出装置33は、所定の入賞条件を満たすことで、或いは図示しないCRユニットにカードを挿入した状態で球貸出ボタン306を押すことで、所定数の遊技球を払い出すためのものである。この実施形態では、パチンコ機の最大の賞球数が15球であるのに対し、球式回胴遊技機10の最大の賞球数は75球であり、パチンコ機に比べて球式回胴遊技機10の最大の賞球数が多いという観点から、パチンコ機よりも払出装置33を多く設け、賞球の払い出しを迅速に行なえるようにしている。つまり、パチンコ機は2つの払出装置33を備えていれば遊技を迅速に進行できたが、球式回胴遊技機10の場合は賞球数が多くかつ賞球が全て払い出されなければ次のゲームを開始できないという制約があるので、本実施形態では、4つの払出装置33を前後方向に併設して賞球の払い出しの迅速化を図り、遊技を遅滞なく進行できるようにしてある。
なお、図22に示す取付台36a,36bは、2つ割りの構成とされ、背面側から見て左側に上皿誘導通路31d及び下皿誘導通路31eに連なる球通路36a1,36b1を有し、右側に排出通路31fに連なる球通路36a2,36b2を有する。一方の球通路36a1,36b1の上部は、それぞれ上皿誘導通路31d側にやや傾いて下皿誘導通路31eよりも上皿誘導通路31dに遊技球を導きやすくなっている。また、一方の球通路36a1,36b1の下部は、上皿誘導通路31d及び下皿誘導通路31eを跨ぐように、テーパー状に末広がりとなっている。他方の球通路36a2,36b2は、背面側から前面側に合流するよう構成されている。
図23は払出装置33の構成を示す縦断面図である。同図に示すように、払出装置33は、ケーシング33aと図示しないカバーからなる樹脂製の筐体を有し、この筐体の内部に、払出フリッカ33bと、払出ソレノイド33cとを備える。ケーシング33aの内部には球通路33dが形成され、下流側には、ほぼ鉛直下向きに延びる払出通路33eと、斜め下方へ延びる排出通路33fとの分岐部がある。この分岐部には、切替片33gが配設されており、通常は切替片33gをほぼ鉛直上向きに維持して遊技球が払出通路33eを通るようになっている。
払出フリッカ33bは、図23に示すように、球通路33dを開閉するための部材である。払出フリッカ33bは、基端側部分33b1と先端側部分33b2が支軸33b3にて回転可能に連結されている。払出フリッカ33bの基端側部分33b1及び先端側部分33b2は、それぞれケーシング33aの支軸33a1,33a2にて回転可能に支持される。払出フリッカ33bの基端部には、払出ソレノイド33cの舌片33c1を把持する把持部33b4を設けてある。また、払出フリッカ33bの先端部には、球通路33dを開閉するための開閉部33b5を設けてある。
払出ソレノイド33cは、所定の入賞条件を満たすことにより、或いは図示しないCRユニットにカードを挿入した状態で球貸出ボタン306を押すことにより通電されて作動し、ピストン33c2を上方へ縮まらせるものである。ピストン33c2の先端には、つまみ部33c3を装着してある。つまみ部33c3はピストン33c2の半径方向に延びる上記舌片33c1を有する。また、ピストン33c2には、コイルバネ33c4を外装してある。コイルバネ33c4は、払出ソレノイド33cの本体部分33c5とつまみ部33c3とを離間させる方向に付勢している。つまり、払出ソレノイド33cへの通電を切ったときに、コイルバネ33c4の付勢力により、ピストン33c2が下方へ伸びるようになっている。
図23に示すように、球通路33dが払出フリッカ33bの開閉部33b5にて閉鎖された状態で、所定の入賞条件が成立したり、或いは度数表示部352に残度数がある状態で球貸出ボタン306が押されたりすると、払出ソレノイド33cに通電される。そうすると、図24に示すように、ピストン33c2が縮まって払出フリッカ33bの基端側部分33b1を図示上反時計回りに回転させる。これと同時に払出フリッカ33bの先端側部分33b2は図示上時計回りに回転して球通路33dを開き、遊技球が自然落下可能な状態となる。逆に、払出ソレノイド33cの通電を切ると、コイルバネ33c4の付勢力によりピストン33c2が伸びて払出フリッカ33bの基端側部分33b1を図示上時計回りに回転させる。これと同時に払出フリッカ33bの先端側部分33b2は図示上反時計回りに回転して球通路33dを閉じ、遊技球が自然落下不可能な状態、つまり図23に示す状態に戻る。
また、払出装置33には、横断面略コ字形状のカウントセンサ33hを装着してある。カウントセンサ33hは、払出フリッカ33bの開閉部33b5のすぐ下流側に配置され、球通路33dを落下する遊技球を計数するためのものである。カウントセンサ33hにて検知した遊技球の個数が所定値(例えば35個、75個、125個又は250個)に達すると、払出ソレノイド33cの通電が切られ、払出フリッカ33bにて球通路33dを閉鎖する構成になっている。
また、払出ソレノイド33cの下方には、つまみ部33c3を上下動させるための略L字形状の押圧片33iを設けてある。押圧片33iは、ケーシング33aの支軸33a3に回転自在に取り付けられており、先端部33i1にてつまみ部33c3を上方へ押圧するものである。
ケーシング33aの外部には、図17,18,22に示すように、略扇形状の操作レバー33jを配設してある。図23及び図24において、符号33a4は操作レバー33jの回転軸である。操作レバー33jには、切替片33gの中間部に設けた突起部33g1と、押圧片33iの基端部に設けた突起部33i2とを連結してある。つまり、操作レバー33jを回転操作すると、切替片33gと押圧片33iが連動する構成になっている。操作レバー33jを図示上反時計回りに操作すると、図25に示すように、切替片33gにて払出通路33eが閉鎖されると共に球通路33dと排出通路33fが連通する。一方で、押圧片33iにて払出ソレノイド33cのつまみ部33c3が押し上げられ、払出フリッカ33bが球通路33dを開く。タンクレール34に設けた球止めレバー34cにて遊技球が流れるのを阻止しつつ操作レバー33jを上記の如く操作すると、球止めレバー34cから下流側の遊技球が球式回胴遊技機10の外部に排出される。払出装置33やケースレール34が故障した場合には、上記のように球止めレバー34cから下流側の遊技球を球式回胴遊技機10の外部に排出した状態で払出装置33やケースレール34を取り替えることができる。
図17に戻り、払出制御装置37、電源制御装置38及びCRユニット接続端子板39について説明する。払出制御装置37は、賞球や貸出球の払い出しを制御するもので、周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む払出制御基板37aを具備している。
電源制御装置38は、各種制御装置等で要する所定の電源電圧を生成し出力するものである。また、電源制御装置38には、電源スイッチ38aのほか、RAM消去用のリセットスイッチ38b、打止切替スイッチ38c、および、設定変更キーシリンダ38dが設けられている。電源スイッチ38aは、オンされるとCPUを始めとする各部に電源を供給する。リセットスイッチ38bはこれを押しながら同時に電源スイッチ38aをオンするとRAMの内容がリセットされ、電源スイッチ38aがオンされている状態で押されるとエラー状態がリセットされる。打止切替スイッチ38cは、ビッグボーナスの終了時点で遊技を一時停止するか否かを切り替えるためのものである。設定変更キーシリンダ38dは、設定変更装置を構成するものである。前記設定変更装置は、球式回胴遊技機10の出球率が予め複数段階(例えば6段階)に定められており、出球率をいずれかの段階に設定するものである。設定変更の手順は次の通りである。まず、電源スイッチ38aをオフにした状態で、設定変更キーシリンダ38dに図示しない設定変更キーを挿入して時計回りに90度回転させる。この状態で、電源スイッチ38aをオンにすると、後述する遊技ブロック40の前面の7セグLED表示部41g(図27参照)に現在の出球率(設定)が数値「1」〜「6」のいずれかで表示される。次いで、リセットスイッチ38bを押していくと、7セグLED表示部41gに表示される数字が変化して1ずつ増加していく(但し、「6」の場合には「1」に戻る。)。7セグLED表示部41gに「1」〜「6」のいずれかの数字を表示させた状態で、始動レバー124を押下すると、出球率(設定)が確定される。
CRユニット接続端子板39は、球式回胴遊技機10の前面の球貸出ボタン306及び図示しないCRユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置37に出力するものである。なお、CRユニットを介さずに球貸し装置等から上皿302に遊技球が直接貸し出される現金機では、CRユニット接続端子板39は不要である。
上記払出制御装置37及び電源制御装置38は、透明樹脂材料等よりなる基板ケースにそれぞれ制御基板を収容した構成とされる。
(遊技ブロックの構成)
図4に示すように、遊技ブロック40は、前面ブロック20に対して開閉自在に取り付けられている。遊技ブロック40の開閉軸線は払出ブロック30の開閉軸線と同じで、払出ブロック30と同様に、落とし込み構造にて開閉自在に取り付けてある。また、遊技ブロック40は、ワンタッチ式の止め具40aを有し、この止め具40aによって払出ブロック30と連結固定される。なお、払出ブロック30側には、止め具40aを引っ掛けるための止め金具31iを固着してある。つまり、遊技ブロック40は、払出ブロック30と一体になって前面ブロック20に対して開閉され、払出ブロック30との連結を解除してから払出ブロック30に対して前方側へ回動する構成とされる。遊技ブロック40は、球式回胴遊技機10の中核をなす主要なブロックで、このような遊技ブロック40を上記の如く着脱容易な構成とすることで、遊技ブロック40の取り替えが可能となる。遊技ブロック40を取り替えることで、全く別の遊技性をもった遊技機に変えることができ、遊技機の新台入替えの低コスト化を図ることができる。
図26は遊技ブロック40の分解斜視図である。同図に示すように、遊技ブロック40は、前面パネル100の窓孔102から露出される遊技パネル41を有する。遊技パネル41は、上下一対の窓孔41a,41bを有する。上側の窓孔41aは、遊技パネル41の裏側に取り付けられる液晶表示装置42の表示画面を露出させるためのもので、下側の窓孔41bは、同じく遊技パネル41の裏側に取り付けられる回胴ユニット43を露出させるためのものである。遊技パネル41の裏側には、そのほぼ全周に渡ってリブ41cが形成されており、リブ41cで囲まれた範囲内に回胴ユニット43等が収まるようになっている。また、遊技パネル41の裏側には、回胴ユニット43の一側方に主ベース部材710を介して主制御装置700が取り付けられ、液晶表示装置42の後方に副ベース部材46を介して副制御装置47が取り付けられる。主制御装置700は、遊技パネル41と直交するように縦長状に配置される。このような配置としたのは、ある程度の奥行きをもって形成される回胴ユニット43の側方位置を主制御装置700の取付位置として有効に利用して省スペース化を図るためである。また、副制御装置47は、液晶表示装置42の後方でかつ回胴ユニット43の上方に傾斜させた状態で配置される。つまり、回胴ユニット43の上部後方側が傾斜しており、この傾斜に沿って副制御装置47を斜めに配置することでも省スペース化が図られる。遊技ブロック40の背面側には、その周囲を
図27は遊技ブロック40の正面図である。なお、図27では便宜上回胴ユニット43から複数(例えば21個)の図柄を一列に付した、図28に示す帯状の図柄シール43L,43M,43Rを取り外した状態を示している。
図27に示すように、遊技パネル41の下側の窓孔41bからは、回胴ユニット43の3つの回胴L,M,Rが露出している。詳しくは、各回胴L,M,Rに貼り付けられる図柄シール43L,43M,43Rの図柄のうちそれぞれ3つずつ下側の窓孔41bから露出される。図では各図柄シール43L,43M,43Rの図柄を見やすくするように配置された、左右一対の9組のLED43L1,43M1,43R1が3行3列で露出している。
遊技パネル41の下側の窓孔41bの左側方には、有効ライン表示部41cを設けてある。有効ライン表示部41cは、中央に1ベット表示部41c1が配置され、その上下に2ベット表示部41c2,41c2が配置され、最上段と最下段に3ベット表示部41c3,41c3が配置されており、遊技球のベット数に応じて所望のベット表示部41c1〜41c3を点灯させる。具体的には、ベット数が0球〜4球であれば全て消灯状態のままで、ベット数が5球〜9球であれば1ベット表示部41c1のみが点灯し、10球〜14球であれば1ベット表示部41c1及び2ベット表示部41c2,41c2が点灯し、15球であれば全てのベット表示部41c1〜41c3が点灯する。つまり、1ベットボタン114を押すと、上皿302に貯留された遊技球が最大5個までセレクタ400に取り込まれ、遊技球が5個取り込まれた時点で1ベット表示部41c1が点灯する。さらに1ベットボタン114を押すと、同様に遊技球が5個取り込まれた時点で2ベット表示部41c2,41c2が点灯する。さらにまた1ベットボタン114を押すと、同様に遊技球が5個取り込まれた時点で3ベット表示部41c3,41c3が点灯する。なお、マックスベットボタン304を押すと、上皿302に貯留された遊技球が最大15個までセレクタ400に取り込まれ、遊技球が5個取り込まれる度に1ベット表示部41c1、2ベット表示部41c2,41c2、3ベット表示部41c3,41c3が順次点灯していく。1ベット表示部41c1のみが点灯しているときは、有効ラインが上中下三段のうちの中段一列で、1ベット表示部41c1及び2ベット表示部41c2,41c2が点灯しているときは、有効ラインが上中下段三列で、全てのベット表示部41c1〜41c3が点灯しているときは、有効ラインが上中下段三列と対角ライン二列の合わせて五列となる。
遊技パネル41の上側の窓孔41aの両側には、電動役物41d,41eが配設されている。また、下側の窓孔41bの右側方には、上から順に、電動役物41f、7セグLED表示部41g、LED表示部41hが配設されている。これらの電動役物41d,41e,41fは、遊技上の演出やビッグボーナス又はレギュラーボーナスの確定報知などに使用される。7セグLED表示部41gは、遊技球のベット数や払出数、エラーコード、ボーナス中の総払出数、設定変更時の6段階の設定などを表示する部位である。LED表示部41hには、4つのLEDが配設されている。そのうち3つのLEDはベット数表示部41h1を構成する。ベット数表示部41h1は、セレクタ400に投入された遊技球数に対応する個数のLEDを点灯させてベット数を1〜3の範囲内で表示するものである。残る1つのLEDは、再遊技表示部41h2である。再遊技表示部41h2は、図28に示す図柄シール43L,43M,43Rの図柄のうち略扇形の枠に「再」と表示したリプレイ図柄が有効ライン上に揃ったときに点灯し、次のゲームを遊技球のベットなしで遊技できることを報知するものである。なお、リプレイ図柄が有効ライン上に揃ったのち所定時間経過後に始動レバー124を押下すると回胴L,M,Rの回転に伴って、再遊技表示部41h2は消灯する。
また、下側の窓孔41bの下方には、中央パネル部112から露出される前記情報掲載パネル(図示略)が取り付けられる。前記情報掲載パネルの片端には、証紙41iと型式名シール41jが貼付される。また、前記情報掲載パネルの内側には、破線で示すように、前記情報掲載パネルを後方側から照らすための蛍光灯41kが配設される。
液晶表示装置42は、通常遊技中の小役当選の報知演出や遊技状態が通常遊技状態からボーナス状態に遷移することを示唆するための示唆演出、ビッグボーナス又はレギュラーボーナス中の演出、ボーナス中の小役ゲーム数やJACゲーム数の表示、特定の遊技状態(例えば、リプレイが当選しやすいRT状態)であることを報知する演出、回胴停止ボタン126L,126M,126Rの押下のタイミングや押下順を報知する演出などを行なうためのものである。
図29は回胴ユニット43の一部分解斜視図である。回胴ユニット43は、3つの回胴(いわゆるリール)L,M,Rを有し、各回胴L,M,Rを回胴ユニット枠43aに収納したものである。各回胴L,M,Rは、同様の構成とされるため、ここでは右回胴Rを例に挙げて説明する。
右回胴Rは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材43R2の外周面に21個の図柄(識別要素)が等間隔で描かれた図柄シール43Rを巻き付けたものであり、円筒骨格部材43R2を円盤状の補強板43R3を介して右回胴用ステッピングモータ43R4の回転軸43R5に取り付けてある。
右回胴用ステッピングモータ43R4は、回胴ユニット枠43aの内部に垂設されるモータプレート43R6にネジ止めされており、このモータプレート43R6には発光素子と受光素子とが一対となった回胴位置検出センサ43R7が設置されている。回胴位置検出センサ43R7を構成する一対のフォトセンサ(図示はしない)は、所定の間隔を保持してセンサ筐体内に配される。
円筒骨格部材43R2の5つの車輻43R8のうちの1つには、軸方向に延び出したセンサカットバン43R9を取り付けてある。このセンサカットバン43R9は、回胴位置検出センサ43R7の両素子の間隙を通過できるように位置合わせがなされている。そして、右回胴Rが1回転するごとにセンサカットバン43R9の先端部の通過を回胴位置検出センサ43R7が検出し、検出の都度主制御装置700に検出信号を出力する。主制御装置700はこの検出信号に基づいて右回胴Rの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。なお、各回胴L,M,Rに巻かれる図柄シール43L,43M,43Rは、それぞれに描かれた図柄の順序や発生頻度が異なったものが使用される。
ステッピングモータ43R4は、504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)により右回胴Rが1周するように設定されており、この励磁パルスによって回転位置が制御される。すなわち、右回胴Rが1周すると21図柄が順々に遊技パネル41の下側の窓孔41bから露出するため、ある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、回胴位置検出センサ43R7の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が窓孔41bから露出しているかを認識したり、任意の図柄を窓孔41bから露出させたりする制御を行なうことができる。
図30はステッピングモータ43R4の動作原理を示す接続図である。ステッピングモータ43R4として、この実施形態では、1−2相励磁方式を採用したハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータを使用している。ステッピングモータ43R4はハイブリッド型や2相に限らず、4相あるいは5相のステッピングモータなど、種々のステッピングモータを使用することができる。
ハイブリッド型のステッピングモータ43R4は周知のように中央に配置されたロータ(回転子)60と、このロータ60の周囲に配された第1ポール601〜第4ポール604から構成される。
ロータ60は、N極に着磁された前側ロータ60aと、S極に着磁された奥側ロータ60bとで構成され、前側ロータ60aの周囲に設けられた歯(小歯)と歯の間に、奥側ロータ60bの周囲に設けられた歯が位置するように1/2ピッチだけ相対的にずらされた状態で回転軸43R5に取り付けられている。そして、前側ロータ60aと奥側ロータ60bとの間には筒状磁石(図示はしない)が取着されている。
第1ポール601と第3ポール603には、図31に示すように、励磁コイルL1とL3がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL1の巻き終わり端と励磁コイルL3の巻き始め端とが結線されて、ここに所定の直流電源+B(例えば+24ボルト)が印加される。同じく、第2ポール602と第4ポール604にも、励磁コイルL2とL4がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL2の巻き終わり端と励磁コイルL4の巻き始め端とが結線されて、ここに上述した直流電源+Bが印加される。
ここで、上述したように第1の励磁コイルL1に励磁信号を印加して、第1ポール601をS極に励磁すると共に、第3ポール603をN極に励磁する相をA相とし、これとは逆に第3の励磁コイルL3に励磁信号を印加して、第1ポール601をN極に励磁すると共に、第3ポール603をS極に励磁する相をA−相とし、さらに第2の励磁コイルL2に励磁信号を印加して、第2ポール602をS極に励磁すると共に、第4ポール604をN極に励磁する相をB相とし、第4の励磁コイルL4に励磁信号を印加して、第2ポール602をN極に励磁すると共に、第4ポール604をS極に励磁する相をB−相と称する。
そして、1相励磁駆動方式の場合には、A相、B相、A−相およびB−相に対して順次励磁信号を印加することでロータ60を図示上時計回りに回転駆動することができる。
つまり、例えばまずA相に通電すると、S極になった第1ポール601の突起と前側ロータ60aの歯、N極になった第3ポール603の突起と奥側ロータ60bの歯とがそれぞれ吸引力により引き合い、次にB相に通電すると、S極になった第2ポール602の突起と前側ロータ60aの歯、N極になった第4ポール604の突起と奥側ロータ60bの歯とがそれぞれ吸引力により引き合い、次にA−相に通電すると、N極になった第1ポール601の突起と奥側ロータ60bの歯、S極になった第3ポール603の突起と前側ロータ60aの歯とがそれぞれ吸引力により引き合い、次にB−相に通電すると、N極になった第2ポール602の突起と奥側ロータ60bの歯、S極になった第4ポール604の突起と前側ロータ60aの歯とがそれぞれ吸引力により引き合う。この順序で励磁することにより、ロータ60は図30において時計回りに回転する(1相励磁駆動)。
これに対して、この実施形態では、1相励磁と2相励磁とを交互に行う1−2相励磁駆動を採用している。1−2相励磁駆動では以下の(1)〜(8)の励磁シーケンス(励磁順序)に従って励磁が行われる。
すなわち、1相のみの励磁が1相励磁であり、2相を同時に励磁するのが2相励磁であるから、図31にも示すように1−2相励磁駆動は、
(1)A相に通電し(1相励磁)、
(2)A相とB相の両方に通電し(2相励磁)、以下同様に
(3)B相に通電し、
(4)B相とA−相の両方に通電し、
(5)A−相に通電し、
(6)A−相とB−相の両方に通電し、
(7)B−相に通電し、
(8)B−相とA相の両方に通電し、
その後(8)から(1)に戻るような駆動方式である。この1−2相励磁駆動を採用することにより、1ステップあたりの角度変化は、1相励磁駆動の1ステップあたり約0.714°となる。
ステッピングモータ43R4に対する駆動信号(駆動信号用データ)は、励磁データとしてモータドライバ70に与えられる。この励磁データは主制御基板701のRAM45a3に格納されており、CPU45a1(図32参照)からの指令に基づいて入出力ポート45a4に、適切な励磁データが出力されることになる。この励磁データによってステッピングモータ43R4に対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁信号(電流)が通電される。
主制御装置700は、球式回胴遊技機10の主たる制御を司るもので、具体的には、始動レバー124からの信号を受信して成立役(ビッグボーナス、レギュラーボーナス、小役、リプレイ)の抽選を行ない、当該抽選結果に基づき副制御装置47及び払出制御装置37に指令信号を発するものである。主制御装置700の構成は、図32に示すように、主たる制御を司るCPU45a1、遊技プログラムを記憶したROM45a2、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM45a3、各種機器との連絡をとる入出力ポート45a4、各種抽選の際に用いられる乱数発生回路45a5、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路45a6等を含む主制御基板701と、この主制御基板701を収容する透明樹脂材料等よりなる主基板ケース720(730,740、図26参照)とからなる。
ここで、主制御装置700の主基板ケース720について説明する。主基板ケース720は、図26に示すように、基板ボックス730とボックスカバー740からなり、遊技の主要な制御を司る主制御基板701を収容するものである。主制御基板701は、不正な改造の標的となりやすいため、主基板ケース720は封止機構にて不可逆的に封止され、一度開封すると、開封したことが容易に判別できる構成となっている。封止機構は、ボックスカバー740に設けた複数(例えば4つ)のカバー側連結部748a〜748dと、これら複数のカバー側連結部748a〜748dと整合するよう主ベース部材710に設けた複数(例えば4つ)の台側連結部44aと、カバー側連結部748a〜748dと台側連結部44aとを不可逆的に連結する図示しない封止ピンとで構成される。封止機構による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期にかつ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封止機構のうち一対の連結部44a,748a〜748dを使用することにより主基板ケース720の封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板701の不具合などにより主基板ケース720を開封する場合には、封印に供されている連結部44a,748a〜748dを破壊する。その後、再度封印処理する場合は、封印に使用されていない他の一対の連結部44a,748a〜748dを前記封止ピンにて連結する。破壊された連結部44a,748a〜748dの個数により主基板ケース720の開封を行った旨の履歴が残され、主基板ケース720を見ることで不正な開封が行われた旨を容易に発見できる構成とされる。
なお、主制御装置700のほか払出制御装置37も不正行為の対象となりやすく、この実施形態では、払出制御装置37の基板ケースについても主制御装置700の主基板ケース720と同様の封止機構を設けてある。ここでは、説明が重複するので、払出制御装置37の基板ケースに関する説明を省略する。
副制御装置47は、主制御装置700から発せられる指令信号に基づき、遊技演出用の各種LEDカバー部104,108,110,148,150にて被覆される図示しない発光装置(LED)の点灯・点滅や上下スピーカ106,204から発せられる効果音、液晶表示装置42にて表示される表示態様などの制御を行なうものである。副制御装置47の構成は、主制御装置700と同様、上記の各種LED、上下スピーカ106,204及び液晶表示装置42の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、入出力ポート等を含む副制御基板47aと、この副制御基板47aを収容する透明樹脂材料等よりなる副基板ケース47b(47b1,47b2)とからなる。
なお、この実施形態では、副制御装置47の副基板ケース47bに封止機構を設けていないが、副制御装置47の副基板ケース47bに封止機構を設けてもよい。
(球式回胴遊技機の制御系)
次に、上記の如く構成された球式回胴遊技機10の制御系について簡単に説明する。
図32は球式回胴遊技機10の制御系を示すブロック図である。同図に示すように、主制御基板701は、演算処理手段であるCPU45a1を中心とするマイクロコンピュータとして構成された制御手段として機能し、処理プログラムを記憶するROM(あるいはフラッシュメモリ)45a2、一時的にデータを記憶する作業用(ワーキング用)のRAM45a3、入出力ポート45a4などが内部バスを介してこのCPU45a1に接続されている。
主制御基板701の入出力ポート45a4には、リセットスイッチ38bからのリセット信号、設定キースイッチ38d1からのオンオフ信号、ベットボタン114,304からのベット信号、セレクタ400に取り込まれた遊技球を検出するカウントセンサ416a,416b,416c及び通過センサ415a,415b,415cからの遊技球検出信号、始動レバー124からのスタート指令信号、左、中、右回胴停止ボタン126L,126M,126Rからの停止指令信号、回胴位置検出センサ43L7,43M7,43R7からの検出信号、払出装置33から払い出される遊技球を検出するカウントセンサ33hからの検出信号、ケースレール35内の遊技球を検出する球切れ検出装置35bからの遊技球検出信号などが入力される。
また、主制御基板701の入出力ポート45a4からは、ベットボタン114,304からのベット信号に基づく投入ソレノイド414a,414b,414cの駆動信号、カウントセンサ416a,416b,416cの計数値に基づく投入ソレノイド414a,414b,414cの駆動停止信号、始動レバー124からのスタート指令信号に基づく回胴用ステッピングモータ43L4,43M4,43R4の駆動信号、回胴停止ボタン126L,126M,126Rからの停止指令信号に基づく回胴用ステッピングモータ43L4,43M4,43R4の駆動停止信号、回胴位置検出センサ43L7,43M7,43R7からの検出信号に基づく払出ソレノイド33cの駆動信号、カウントセンサ33hの計数値に基づく払出ソレノイド33cの駆動停止信号などが出力される。また、液晶表示装置42にて表示される演出内容やスピーカ106,204から発せられる効果音、上LEDカバー部104等で被覆された各種発光装置(LED)の点灯・点滅などを制御する制御信号が副制御基板47aに出力される。
上述したCPU45a1は、このCPU45a1によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM45a2と、このROM45a2内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのワーキング用のRAM45a3の他に、図示はしないが周知のように割り込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路など球式回胴遊技機10において必要な各種の処理回路が内蔵されている。
ROM45a2とRAM45a3によってメインメモリが構成され、各種の処理を実行するための処理プログラム(出力制御情報生成用処理プログラムを含む)は、処理プログラムの一部として上述したROM45a2に記憶されている。
RAM45a3内は、機能的には複数の作業エリア(メモリエリア)が確保されている。周知のようにCPU45a1内に設けられたプログラムカウンタの値を保存するためのスタックメモリ(スタックメモリ用のエリア)の他に、この例では停電フラグを記憶する停電フラグメモリ45a31、スタックポインタを保存するスタックポインタ保存用メモリ45a32、RAM45a3に保存されているデータのチェックサムに関連した補正値を保存するチェックサム補正値用メモリ45a33、さらには復電時に使用される復電コマンドバッファ45a34や復電コマンドカウンタ45a35などのメモリエリアが確保されている。
RAM45a3内にセットされたスタックポインタ保存用メモリ45a32は、球式回胴遊技機10の電源切断時にCPU45a1内のスタックポインタの値を退避させて保存しておくためのメモリである。スタックポインタの値は停電処理の初期において、スタックポインタ保存用メモリ45a32にセーブされる。復電処理の始めにスタックポインタに対する復帰処理が行われ、スタックポインタ保存用メモリ45a32に保存されている値がCPU45a1内のスタックポインタに取り込まれる。スタックポインタの内容はバックアップされているRAM45a3内に設けられたスタックポインタ保存用メモリ45a32内に退避させて保存されている。
RAM45a3内のチェックサム補正値用メモリ45a33は、停電処理時にRAM45a3内のデータから算出したチェックサムを、「0(ゼロ)」とするための補正値を記憶させておくメモリである。
復電コマンドバッファ45a34は、電源復旧時(停電の復旧時又は電源再投入時)に主制御基板701から副制御基板47aに送信される復電処理用のコマンド(復電コマンド)を一時的に記憶するバッファである。復電コマンドは復電処理の実行を副制御基板47aに知らせるためのコマンドとして使用される。復電コマンドはRAM45a3に記憶されている一般のコマンドに優先して副制御基板47aに送信される。
復電コマンドカウンタ45a35は、復電コマンドバッファ45a34に記憶されている復電コマンドのバイト数を記憶するカウンタである。復電コマンドは2バイト構成であって、他のコマンド(スピーカ駆動用コマンドなど)と同じくバイト単位で副制御基板47aに送信される。
RAM45a3には後述するように電源制御装置38内に設けられた電源制御基板からバックアップ電圧が供給され、球式回胴遊技機10の電源が切断された後でもデータが消失しないようになされている。
入出力ポート45a4には、副制御基板47aなどのI/O装置の他に、ホール管理装置(図示はしない)などに情報を送信できる外部集中端子板や、前記電源制御基板に設けられた停電監視回路38f、さらには投入ソレノイド414a,414b,414cや払出制御基板37aなどが接続されている。
前記電源制御基板には主制御基板701を始めとして球式回胴遊技機10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部38eや、上述した停電監視回路38fなどが搭載されている。
停電監視回路38fは電源の切断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ38aによる電源切断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路38fは、電源部38eから出力される直流24ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば22ボルト未満まで低下したときに電源が切断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU45a1と入出力ポート45a4のそれぞれに供給され、CPU45a1ではこの停電信号を認識することで、停電時処理が実行される。
電源部38eからは出力電圧が22ボルト未満まで低下した場合でも、主制御基板701などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間として、主制御基板701による停電時処理を実行するのに十分な時間が確保されている。
また、主制御基板701は、電源部38eから安定化駆動電圧が供給されるのと同時にリセットスイッチ38bからリセット信号が送信されると、RAM45a3に書き込まれた情報を消去し、電源部38eから安定化駆動電圧が供給されている状態でリセットスイッチ38bからリセット信号が送信されると、エラー状態をリセットする。
さらに、電源オフ時に設定キースイッチ38d1をオンにしてから電源オンにした状態、つまり電源オフ時に設定変更キーシリンダ38dに設定キーを差し込んで回転させてから電源オンにした状態にすると、球式回胴遊技機10の出球率を変更可能な状態が発生する。この状態で、リセットスイッチ38bからリセット信号が送信されると、球式回胴遊技機10のボーナス確率や小役確率を変更し、当該変更結果を設定値「1」〜「6」の数字で7セグLED表示部41g(図27参照)に出力する。そして、7セグLED表示部41gに「1」〜「6」のいずれかの数字を表示させた状態で、始動レバー124から設定確定信号を受信すると、球式回胴遊技機10の出球率(設定)を確定する。
次に、球式回胴遊技機10の遊技中の制御について簡単に説明する。
主制御基板701は、遊技球がベットされていない状態で、ベットボタン114,304からベット信号を受信すると、投入ソレノイド414a,414b,414cに通電して作動させ、セレクタ400に所定数の遊技球を取り込ませる。セレクタ400の通過センサ415a,415b,415c及びカウントセンサ416a,416b,416cの遊技球検出信号がセレクタ中継端子板462にてデンタル信号に変換されてから主制御基板701に送信されると、主制御基板701は、遊技球の投入処理信号を副制御基板47aへ送信する。副制御基板47aは、遊技球の投入処理信号を受信すると、回胴L,M,Rの有効ラインを有効ライン表示部41cの点灯によって表示させると共に遊技球のベット数をベット数表示部41h1の点灯によって表示させ、さらに遊技球投入の効果音をスピーカ106,204から発生させる。次いで、主制御基板701は、セレクタ400の通過センサ415a,415b,415c及びカウントセンサ416a,416b,416cからの遊技球検出信号をカウントし所定数に達すると、投入ソレノイド414a,414b,414cへの通電を停止してセレクタ400による遊技球の取り込みを停止すると共に、始動レバーLED132を発光させる制御信号を副制御基板47aに送信する。
主制御基板701は、始動レバーLED132が点灯した状態で、始動レバー124からの指令信号を受信すると、モータドライバ70へ回胴用ステッピングモータ43L4,43M4,43R4の始動信号を送信すると共に始動レバーLED132の消灯信号を副制御基板47aに送信し、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、小役又はリプレイのフラグを成立させるか否かの抽選を実行する。フラグの抽選方式としては、乱数抽選方式を採用している。つまり、始動レバー124からの指令信号を受信すると、主制御基板701は、乱数発生回路45a5にて乱数テーブルを生成し、当該乱数テーブルにてビッグボーナス、レギュラーボーナス、小役又はリプレイの当選か否かを区別している。なお、本実施形態では、1回のゲームでボーナスと小役の両方のフラグを成立させことができる複合方式を採用しているが、一回のゲームでボーナス又は小役のいずれか一方のフラグしか成立させることができない単独方式を採用することもできる。
始動レバー124を押下したのち各回胴L,M,Rが定速回転になると、主制御基板701は、回胴停止ボタンLED134L,134M,134Rを発光させる制御信号を副制御基板47aへ送信する。そして、回胴停止ボタン126L,126M,126Rからの停止信号を受信すると、上記の抽選結果を踏まえて各回胴L,M,Rの停止制御を行なう。各回胴L,M,Rの停止制御は最大4コマのスベリが許容されている。そのため、図28に示すように、ベル図柄とリプレイ図柄は、それぞれ4コマ以内の間隔で配されており、それぞれのフラグが成立すると、必ず有効ライン上に揃うよう制御される。これに対し、チェリー図柄、スイカ図柄、ビッグボーナス図柄(図28の左図柄シール43Lの上から2つ目の「7」図柄と、左図柄シール43Lの上から7つ目のキャラクタ図柄)、および、レギュラーボーナス図柄(図28の左図柄シール43Lの上から4つ目の図柄)は、5コマ以上の間隔を隔てて配されているため(但し、左回胴Lのチェリー図柄を挟んだレギュラーボーナス図柄を除く。)、それぞれのフラグが成立しても、所望のタイミングで回胴停止ボタン126L,126M,126Rを押さなければ有効ライン上に揃わないようになっている。
フラグの抽選にて何らかのフラグが成立した場合、当該フラグが主制御基板701に一時的に記憶される。そして、主制御基板701は、フラグ成立信号を副制御基板47aへ送信する。副制御基板47aは、フラグ成立信号を受信すると、予め複数記憶されている演出の中から抽選で何らかの演出(演出なしを含む。)を選択し、液晶表示装置42、スピーカ106,204、上LEDカバー部104等で被覆された遊技演出用の前記発光装置で演出を発生させる。当該演出は、3つの回胴L,M,Rの回転開始時、3つの回胴L,M,Rのうち1つを停止させたとき、3つの回胴L,M,Rのうち2つを停止させたとき、或いは3つの回胴L,M,Rを停止させたときのいずれかで発生する。
フラグの抽選にて何らかの小役のフラグが成立した場合、回胴L,M,Rが停止したのち、主制御基板701は、回胴位置検出センサ43L7,43M7,43R7の検出信号を受信して有効ライン上に所望の小役図柄が揃ったか否かを認識し、揃っている場合には払出制御基板37aに遊技球の払出信号を送信すると共に副制御基板47aに当該小役入賞の制御信号を送信する。払出制御基板37aは、主制御基板701から払出信号を受信すると、払出ソレノイド33cに通電して払出装置33を作動させ、所定数の遊技球を払い出させる。払出装置33のカウントセンサ33hの遊技球検出信号は、払出中継端子板36にてデジタル信号に変換されて主制御基板701に送信される。主制御基板701は、払出装置33のカウントセンサ33hの遊技球検出信号を受信して遊技球の払出数を計数し所定数に達すると、払出制御基板37aへ払出停止信号を送信し、払出ソレノイド33cの駆動を停止させる。副制御基板47aは、小役入賞の制御信号を受信すると、遊技演出用の前記発光装置を点灯させると共に払出装置33の払出動作と同時に遊技球払い出しの効果音をスピーカ106,204から発生させる。一方、有効ライン上に所望の小役図柄が揃わなかった場合には主制御基板701から払出制御基板37aへの払出制御信号や副制御基板47aへの小役入賞の制御信号が送信されない。当該小役の成立ゲームの終了後(遊技球の払い出しが行なわれる場合にあっては払出終了後)に主制御基板701に記憶された小役のフラグは消去される。
フラグの抽選にてリプレイのフラグが成立した場合、主制御基板701は、回胴位置検出センサ43L7,43M7,43R7の検出信号を受信して有効ライン上にリプレイ図柄が揃うよう回胴L,M,Rの停止制御を行なう。回胴L,M,Rが停止したのち、主制御基板701は、リプレイ入賞の効果音をスピーカ106,204から発生させるべく副制御基板47aに制御信号を送信すると共に、次のゲームを無償で行なえるよう準備する。つまり、主制御基板701は、セレクタ400にて遊技球を取り込むことなく投入処理信号を副制御基板47aへ送信し、上記の如く、回胴L,M,Rの有効ラインを有効ライン表示部41cの点灯によって表示させると共に遊技球のベット数を7セグLED表示部41gの点灯によって表示させ、さらに遊技球の投入の効果音をスピーカ106,204から発生させてから、始動レバーLED132を発光させて次のゲームの開始準備ができたことを遊技者に報知する。当該リプレイの成立ゲームの終了後に主制御基板701に記憶されたリプレイのフラグは消去される。
フラグの抽選にてビッグボーナス又はレギュラーボーナスのフラグが成立した場合、当該フラグが主制御基板701に一時的に記憶される。ボーナスのフラグは、ボーナス図柄が有効ライン上に揃うまで主制御基板701に記憶される。主制御基板701は、ボーナス図柄が有効ライン上に揃うと、遊技者に有利なビッグボーナスゲーム又はレギュラーボーナスゲームを発生させる。
以下に、ビッグボーナスゲーム及びレギュラーボーナスゲームとして、いわゆる5号機の方式を採用した場合について説明するが、4号機以前の方式を採用することもできる。
ビッグボーナスゲームとしては、小役ゲームとJACゲームを交互に繰り返し、所定数(例えば2325個など)の遊技球を払い出すと終了するタイプや、小役ゲーム又はJACゲームのいずれかで所定数(例えば2325個など)の遊技球が払い出されると終了するタイプなどがあり、いずれのタイプを採用しても構わない。ここで、小役ゲームとは、15球掛けで行なわれ、小役の抽選確率を向上させた、遊技者にとって有利なゲームをいう。また、JACゲームとは、5球掛けで行なわれ、中段ラインにJAC図柄(例えばリプレイ図柄など)が揃いやすくなるゲームをいい、JAC図柄が中段ラインに揃うことを条件に所定数(例えば75球など)の遊技球が払い出される。小役ゲームとJACゲームを交互に繰り返すタイプにあっては、小役ゲーム中にJACゲーム突入図柄(例えばリプレイ図柄など)が有効ライン上に揃うことを条件にJACゲームに突入する。また、JACゲームは、所定数(例えば12回など)のゲームを終えるか、或いは所定数(例えば6回や8回)の入賞を条件に終了する。
レギュラーボーナスゲームとしては、1回のJACゲームを終えると終了するタイプや、小役ゲーム又はJACゲームのいずれかで所定数(例えば450個、600個など)の遊技球が払い出されると終了するタイプなどがあり、いずれのタイプを採用しても構わない。
ビッグボーナスゲーム又はレギュラーボーナスゲームの終了後はRT状態に突入する。RT状態とは、リプレイのフラグが極めて当選しやすい状態をいい、所定回数(例えば、0回、30回、60回、100回、1000回など)のゲームを終えるまで、或いは次回のボーナスフラグ成立ゲームまで継続する。これらの振り分けは、揃えたビッグボーナス図柄やボーナスの種類で決めることができる。つまり、ビッグボーナス図柄は、ビッグボーナスのフラグ成立時にRT状態継続回数抽選が主制御基板701にて行なわれ、当該抽選結果に基づき「7」図柄又はキャラクタ図柄のいずれか一方しか揃わないように制御される。
以上、球式回胴遊技機10の構成について説明したが、以下、本発明の特徴部分について詳しく説明する。なお、以下の説明では本発明を主制御基板701を収容する主基板ケース720に適用した場合を例に挙げて説明するが、本発明は他の制御基板(例えば、副制御基板47a、払出制御基板37a、電源制御基板など)を収容する基板ケースにも適用可能である。つまり、本実施形態では、ベース部材710,46を介して球式回胴遊技機10に装着される基板ケースが主基板ケース720と副基板ケース47bになっているが、払出制御基板ケースや電源制御基板ケースなど他の基板ケースもベース部材を介して球式回胴遊技機10に装着してもよく、その場合には払出制御基板ケースや電源制御基板ケースなどの他の基板ケースにも本発明を適用することができる。
図33は遊技ブロック40の背面側から見た斜視図で、図34は主制御装置700の分解斜視図である。各図に示すように、この球式回胴遊技機10は、主制御基板701を収容する主基板ケース720が主ベース部材710を介して遊技パネル41の背面に装着されるように構成されている。
図35は、主ベース部材710の拡大斜視図である。同図に示すように、主ベース部材710は、主基板ケース720を取り付けるための平板状の取付領域711を有し、取付領域711の前側、後ろ側、下側に、それぞれ前側壁712、後ろ側壁713、下側壁714を有する。前側壁712及び下側壁714は、取付領域711側(表側)に主基板ケース720の厚みと同程度の奥行きがあり、かつ、反取付領域側(裏側)に若干の奥行きをもって形成されている。後ろ側壁713は、取付領域711側(表側)に主基板ケース720の厚みより奥行きが狭くなるよう突出している。具体的には、主基板ケース720を構成する後述の基板ボックス730の厚みと同程度の奥行きがあり、主基板ケース720を構成する後述のボックスカバー740のフランジ742と対向するようになっている。前側壁712には、主ベース部材710を遊技ブロック40の背面側に取り付けるためのネジ702,702,…(取付手段:図33参照)を挿し通すネジ孔715a〜715fを複数設けてある。この実施形態では、前側壁712の取付領域711側の端部と反取付領域側の2列に3個ずつ合計6個のネジ孔715a〜715fを設けることで、主ベース部材710を遊技パネル41に装着したときの安定性を向上させている。また、前側壁712の内面側には、主基板ケース720を引っ掛けるための係止部716a〜716eを複数(例えば5個)設けてある。同様に、後ろ側壁713の内面側には、主基板ケース720を引っ掛けるための係止部717a〜717cを複数(例えば3個)設けてある。また、下側壁714の上方には、主基板ケース720をネジ止めするためのネジ孔718と、主基板ケース720を不可逆的に連結するための複数(例えば4つ)のベース側連結部719a〜719dを設けてある。
主基板ケース720は、図34に示すように、主ベース部材710側に配置される基板ボックス730と、基板ボックス730に被せるボックスカバー740とからなる二つ割り構成とされる。
図36は、基板ボックス730の拡大斜視図である。同図に示すように、基板ボックス730は、片面側が開口した箱状とされ、その前後側部には、ボックスカバー740を引っ掛けるための係止部731a〜731hを設けてある。基板ボックス730の背面には、主ベース部材710の係止部717a〜717cに引っ掛けるための係合部732a〜732cを設けてある。また、基板ボックス730の下部には、ワンウェイネジのネジ孔733と、固定用ネジのネジ孔734と、破断トルクネジのネジ孔735を設けてある。固定用ネジのネジ孔734と破断トルクネジのネジ孔735の間には、ベース側連結部719a〜719dを露出するように切欠き部736を設けてある。
図37は、ボックスカバー740の拡大斜視図である。同図に示すように、ボックスカバー740は、主制御基板701を収容するために外側に出っ張ったケース本体部741を有し、ケース本体部741の周囲にフランジ742を有する。フランジ742の前後部には、基板ボックス730の係止部731a〜731hを引っ掛けるための係合部743a〜743h(一部図示略)を設けてある。また、フランジ742の前部には、主ベース部材710の係止部716a〜716eに引っ掛けるための係合部744a〜744eを設けてある。フランジ742の下部には、ワンウェイネジのネジ孔745と、固定用ネジのネジ孔746と、破断トルクネジのネジ孔747を設けてある。固定用ネジのネジ孔746と破断トルクネジのネジ孔747の間には、ベース側連結部719a〜719dと整合するように複数のカバー側連結部748a〜748dを設けてある。また、ボックスカバー740には、フランジ742の前部に主ベース部材710を遊技ブロック40の背面側に取り付けるためのネジ702,702を遮蔽する被覆部749a,749bを設けてある。この実施形態では、主ベース部材710の前側壁712の開放端側に配される3つのネジ702のうち上下2つのネジ702を遮蔽するように2つの被覆部749a,749bを設けてある。被覆部749a,749bは、ケース本体部741と所定の間隔を隔てて主ベース部材710の前側壁712とほぼ平行に延在するよう構成される。上側の被覆部749aは、係合部744bの根元部分から舌片状に突出形成されて、前側壁712の基端側から開放端側へ向かって延び出している。下側の被覆部749bは、ネジ孔745,746を囲うように形成された壁部750と連続して形成されている。つまり、ボックスカバー740は、ケース本体部741から前側壁712に設けたネジ孔715a,715cと整合するように延在させた被覆部749a,749bにてネジ702,702の頭部(取付手段の着脱操作する部分)を着脱操作できないように被覆する構成になっている。これにより、主基板ケース720をベース部材710に取り付けた状態では、主基板ケース720をベース部材710ごと遊技ブロック40から取り外せなくなる。
次に上記の如く構成された主ベース部材710及び主基板ケース720の取付手順について説明する。
まず、主ベース部材710を遊技パネル41の背面にネジ止めする。詳しくは、主ベース部材710の前側壁712に3行2列で配設された6つのネジ孔715a〜715fにネジ702,702,…を差し込んでネジ止めされる。
次に、主基板ケース720を組み立てる。主基板ケース720は、基板ボックス730に主制御基板701を収容した状態で、ボックスカバー740を係止部731a〜731hに引っ掛けて組み付け、3つのネジ孔745(733),746(734),747(735)のそれぞれに、図示しないワンウェイネジ、固定用ネジ、破断トルクネジを螺合させて組み立てられる。主基板ケース720を組み立てたのち、主基板ケース720の上隅部に第1の封印シール751(図33参照)が貼り付けられる。
主基板ケース720を組み立てたのち、主ベース部材710の係止部716a〜716e,717a〜717cに主基板ケース720の係合部744a〜744e,732a〜732cを落とし込んで組み付けた状態で、4つのカバー側連結部748a〜748dのうちのひとつと、当該カバー側連結部748a〜748dのいずれかに整合するベース側連結部719a〜719dのいずれかに図示しない連結部材を差し込む。前記連結部材は、金属製の円筒状の部材で、その側部に弾性変形可能な爪部を設けてある。前記連結部材をカバー側連結部748a〜748dのいずれかに差し込むときは前記爪部が内側に引っ込み、前記連結部材を差し込んだあとは前記爪部が元の状態に復帰してカバー側連結部748a〜748dのいずれかの奥端に引っ掛かる。このとき、前記連結部材の先端が、ベース側連結部719a〜719dのいずれかに挿入されるので、主ベース部材710に対して主基板ケース720を持ち上げることができないようになっている。つまり、前記連結部材が挿入されたカバー側連結部748a〜748dのいずれかを破壊しない限り主ベース部材710から主基板ケース720を取り外せないようになっている。なお、主ベース部材710に主基板ケース720を取り付けたあとは、主基板ケース720と主ベース部材710の下隅部に第2の封印シール752(図33参照)が貼り付けられる。第1及び第2の封印シール751,752はともに、一度剥がすと剥がす前の元の状態に復元できないものである。具体的には、一度剥がすと再貼付できない構成や、剥がしたことが容易に判別できる構成とされる。
このように、遊技ブロック40に対して主ベース部材710及び主基板ケース720を取り付けると、図33に示すように、主基板ケース720の被覆部749a,749bが主ベース部材710のネジ孔715a,715cに差し込んだネジ702,702の着脱方向に微小間隔を隔てて配置され、ネジ702,702を着脱操作できないように遮蔽する。ネジ702,702と被覆部749a,749bの間隔は、ドライバなどの工具や手でネジ702,702を操作することができないように、概ね3〜5mm程度の微小な間隔になっている。また、遊技パネル41の背面側の周囲に立設したリブ41cによってもネジ702,702の側方が遮蔽され、ドライバなどの工具や手でネジ702,702を操作しにくくなっている。これにより、主基板ケース720を取り付けた状態では、主ベース部材710を遊技ブロック40から取り外すことができなくなり、球式回胴遊技機10の不正な改造を防止することができる。
一方、主制御基板701を検査するために主基板ケース710を開封する際には、封印に使用されているカバー側連結部748a〜748dのいずれかを切断して当該カバー側連結部748a〜748dのいずれかとこれに挿入された前記連結部材を取り除く。そうすると、主基板ケース720を開封することができる。検査後に、再度封印する際には、残ったカバー側連結部748a〜748dのいずれかに前記連結部材を挿入する。破壊されたカバー側連結部748a〜748dの個数と検査履歴を照合することで、主基板ケース720の不正な開封が行なわれたか否かが判別できる。
また、回胴ユニット43は背面側に出っ張っており、主制御装置700を遊技ブロック40に対して寝かせた状態で取り付けると、つまり、主制御装置700を副制御装置47と重ねて取り付けると、背面側への出っ張りが大きくなる。このような出っ張りが大きくならないように、本実施形態では、主制御装置700を回胴ユニット43の側方で遊技ブロック40に対して立てた状態で取り付けてある。こうすることで、球式回胴遊技機10の奥行きを抑制することができる。
以上、本発明の一実施形態につき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、被覆部749a,749bを主ベース部材710の前側壁712と略平行な板状に形成してあるが、図38及び図39に示すように、被覆部749a,749bを断面略L字形状に形成してもよい。詳しくは、主基板ケース720が主ベース部材710に対して前側壁712の幅方向にスライドさせて組み付けられ、被覆部749a,749bが主ベース部材710の前側壁712の基端側から開放端側へ向かって主ベース部材710の前側壁とほぼ平行に形成されると共に該前側壁712の開放端側で前側壁712に向かって延在するように、断面略L字形状に形成されている。このように、被覆部749a,749bにてネジ孔(715a,715c)に対するネジ(702,702)の解除方向だけでなく、前側壁712の開放端側も遮蔽することで、主基板ケース720を主ベース部材710に装着した状態では、手や工具でネジ(702,702)に触れて操作することが困難になるので、主基板ケース720を主ベース部材710ごと取り外すことを防止できる。なお、図では、被覆部749a,749bをほぼ直角に折れ曲がったL字形状としているが、被覆部749a,749bは、所定の曲率をもって湾曲した断面円弧状や断面楕円弧状などの略L字形状であってもよい。
また、上記実施形態では、主ベース部材710のネジ孔715a,715cの周辺部にネジ702,702を遮蔽するようなものを何も形成していないが、図40及び図41に示すように、各ネジ孔715a,715cの周辺部に主ベース部材710に対する主基板ケース720のスライド方向に互いに対向する二対の被覆片715a1,715c1を設け、主ベース部材710に設けた二対の被覆片715a1,715c1と主基板ケース720に設けたL字形状の被覆部749a,749bによって各ネジ702,702の三方を取り囲むようにしてもよい。このように、被覆部749a,749bにてネジ孔715a,715cよりも前側壁712の開放端側を遮蔽し、かつ、二対の被覆片715a1,715c1にてネジ孔715a,715cの主ベース部材710に対する主基板ケース720のスライド方向両側を遮蔽して、ネジ702,702の三方を取り囲むことで、主基板ケース720を主ベース部材710に装着した状態では、手や工具でネジ702,702に触れて操作することがより一層困難になり、主基板ケース720を主ベース部材710ごと取り外すことを防止できる。
また、上記実施形態では、ボックスカバー740の被覆部749a,749bと主ベース部材710の前側壁712との間に所定の間隔をあけてあるが、当該間隔をなくして被覆部749a,749bにてネジ孔715a,715cを閉塞するようにしてもよい。詳しくは、図42に示すように、ネジ孔715a,715cがネジ702,702の頭部を収容するように段状の凹部とされ、被覆部749a,749bをネジ孔715a,715cの周辺部に密着させてネジ孔715a,715cを閉塞する。このように、段状に形成したネジ孔715a,715cにてネジ702,702の頭部の四方が囲まれ、ネジ孔715a,715cの周辺部に被覆部749a,749bを密着させて閉塞することで、主基板ケース720を主ベース部材710に装着した状態では、手や工具でネジ702,702に触れて操作することが全くできなくなり、主基板ケース720を主ベース部材710ごと取り外すことを防止できる。
また、上記実施形態では、主ベース部材710に対する主基板ケース720の取付領域外である前側壁712にネジ孔715a,715cを設けてあるが、例えば図43に示すように、取付領域711内にネジ孔715gを設けてもよい。同図の場合、ネジ孔715gは、主基板ケース720を構成する基板ボックス730の底部にて遮蔽され、主基板ケース720を主ベース部材710に装着した状態では、手や工具でネジに触れて操作することが全くできなくなり、主基板ケース720を主ベース部材710ごと取り外すことを防止できる。なお、同図の場合は、主ベース部材710が遊技パネル41の背面ではなく回胴ユニット43の側面にネジ止めされる。
また、上記実施形態では、主ベース部材710を球式回胴遊技機10に取り付けるための取付手段としてネジ702を挙げて説明しているが、取付手段はネジ702のようにベース部材710と別体に構成されたものに限定されず、例えばナイラッチなどのベース部材710と一体に構成されるものを採用することもできる。