JP2004041777A - パチンコ遊技機における制御基板収納ボックス - Google Patents

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Mitsusaku Isomura
磯村 光作
Takamichi Suzaku
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Abstract

【課題】パチンコ遊技機本体の裏面や遊技盤裏面に設けられる制御基板の不正使用を防止するためこの制御基板が収納される制御基板収納ボックスを不正に開閉できないようにした構造を提供すること。
【解決手段】カバー部材202の挿入ピン差込部208のピン穴からケース部材204に取り付けられる挿入ピン固定台210の挿通嵌合孔228へ向かって、頭付挿入ピンを挿入し、頭付挿入ピンの溝部250を挿通嵌合孔228の係止片により抜脱不能に係止する。挿入ピンには予めスプリング246を挿通しておき、スプリング246の賦勢力によりカバー部材202とケース部材204とをぐらつきなく固定する。
【選択図】図12B

Description

 本発明は、パチンコ遊技機における制御基板収納ボックスに関し、さらに詳しくは、パチンコ遊技機本体の裏面や遊技盤裏面に設けられる制御基板が収納される制御基板収納ボックスに関するものである。
 近年、この種のパチンコ遊技機における制御基板収納ボックスにおいては、パチンコ遊技機の遊技盤面で発生したセーフ球を検出して特別図柄表示装置を駆動制御し、特別図柄の表示態様を設定切り替え制御し、入賞の種別に対応して所定個数の賞球の払出し等を行う主基板等が機構板に取付けられている。この主基板にはカバー部材が被着され、封印証により無断開封が禁止されている。この封印証としては、レーザーマーカーにより所定の印を形成するタイプのものも知られている。
 あるいはまた、逆ネジを用いてネジ止めするタイプのものも知られている。この逆ネジタイプのものは、カバー部材を不正に開けようとして逆ネジを回すと、逆ネジの先端部、すなわち外部に出ているネジの部分が取れるようになっており、カバー部材を開けることができないようになっている。
 しかしながら、このような従来のパチンコ遊技機における制御基板収納ボックスのように封印証による無断開封の禁止では、痕跡を残さないで簡単に封印証を取り外すことができるため、制御回路基板収納ケースを開けて、裏ROMを取り付ける等して人為的な操作を施すことにより、大量の賞球を遊技者に払出させたり、逆に、賞球を遊技者に払出させないようにするために、フィーバー状態が殆ど起こらないようにして遊技者に損をさせたりするといったことが実際に可能であった。
 したがって、遊技者の不正行為により大量の賞球が払出されれば、パチンコ業者が大きな損害を被ることになる。一方、パチンコ業者側の不正行為により賞球がまったく払出されなくなってしまえば、遊技者は、自分の金銭を浪費するばかりになり、勝つことができなくなる。そのため、長い時間遊技を楽しむことをしなくなったり、遊技場に通う頻度が減ってしまうといった傾向がある。
 さらに、パチンコ業者が、ある特定の台だけに大量の賞球が払出されるように封印証を破って操作をし、その台については、内部の者に客を装って遊技させて、一般の遊技者の射幸心を煽る一方で、別の台については殆ど賞球が払出されないように封印証を破ってケースを開けて操作をすれば、遊技者にいつかは勝てるという望みを抱かせつつ、実際には、全く勝てる見込みのない台へ遊技者を頻繁に通わせて損をさせることもできる。このように不正使用がなされると、遊技産業の健全な経済活動が阻害されることになる。
 また、上述した逆回転防止用ねじによれば、特殊工具を用いれば、ねじを壊すことなく、ねじを回すことができるようになるため、やはり上述と同様に痕跡を残すことなくケースを開けて不正使用をすることが可能になる。
 本発明の解決しようとする課題は、パチンコ遊技機本体の裏面や遊技盤裏面に設けられる制御基板が収納される制御基板収納ボックスを痕跡を残すことなく開けることができないようにして、パチンコ遊技機の不正使用を未然に防止するパチンコ遊技機における制御基板収納ボックスを提供することにある。
 この課題を解決するために本発明に係るパチンコ遊技機における制御基板収納ボックスは、該制御基板が収納されるケース体と該ケース体に被着されるカバー体とからなるものであって、前記ケース体とカバー体とを開放不能に封止する封止手段が、前記ケース体とカバー体のいずれか一方より他方に向けて挿入される挿入ピン部材と、該挿入ピン部材を抜脱不能に係止するピン係止部材とにより構成されていることを要旨とするものである。
 本発明の請求項2に記載の発明は、前記挿入ピン部材には、溝部が形成され、前記ピン係止部材には、該挿入ピン部材の溝部が係止される嵌合孔が形成され、かつ、その周囲に放射状の切込みリングが膨出状に形成されていることを要旨とするものである。
 本発明の請求項3に記載の発明は、前記挿入ピン部材のピン周囲に屈曲開閉部材が設けられ、該ピン部材の頭部に球体を添当し、該球体を前記ケース体とカバー体のいずれか一方に打ち込むことにより前記屈曲開閉部材が他方の係合凹部内に抜脱不能に開傘されるように構成されていることを要旨とするものである。
 さらに本発明の請求項4に記載の発明は、制御基板が収納されるケース体と該ケース体に被着されるカバー体とからなる制御基板収納ボックスにおいて、前記ケース体とカバー体のいずれか一方より他方に向けて挿入ピン部材を挿入し、前記ケース体とカバー体のいずれか他方のピン挿入孔内には周囲に複数の爪が形成されたピン係止部材が保留され、前記挿入ピン部材が前記ピン係止部材に抜脱不能に係止されていることを要旨とするものである。
 さらにまた本発明の請求項5に記載の発明は、前記挿入ピン部材を前記ケース体とカバー体のいずれか一方より他方に向けて挿入した状態で該挿入ピン部材のピン胴部に抜脱防止のための大径リング部材を介設してなることを要旨とするものである。
 上記構成を有する請求項1に記載のパチンコ遊技機における制御基板収納ボックスによれば、制御基板を、ケース体とカバー体とからなる収納ボックス内に収納した後、挿入ピン部材を該収納ボックスのケース体とカバー体のいずれか一方より他方に向けて挿入することにより、この挿入ピン部材がピン係止部材により抜脱不能に係止される。したがって、パチンコ遊技機を不正使用しようとする者が制御基板収納ボックスを開けて制御基板に仕掛けを施そうとしても、ケース体とカバー体とは、封止手段により開放不能にされているため痕跡を残すことなく開けることができず、不正使用が未然に防止されることになる。
 またこの場合に、前記挿入ピン部材には、溝部が形成され、前記ピン係止部材には、該挿入ピン部材の溝部が係止される嵌合孔が形成され、かつ、その周囲に放射状の切込みリングが膨出状に形成されておれば、挿入ピン部材がピン係止部材の嵌合孔に挿入し易く、かつ、挿入後には挿入ピン部材の溝部分がピン係止部材の嵌合孔により係止され、容易には抜脱できない状態が得られる。
 上記構成を有する請求項3に記載の制御基板収納ボックスによれば、挿入ピン部材の頭部に球体を添当し、該球体をケース体とカバー体のいずれか一方より他方に向けて打ち込むと、該挿入ピン部材の屈曲開閉部材が他方の係合凹部内に抜脱不能に開傘され、カバー体とケース体が確実に封止されることになる。
 上記構成を有する請求項4に記載の制御基板収納ボックスによれば、挿入ピン部材をケース体又はカバー体側から挿入し、その時に他方のピン挿入孔内には、ピン係止部材が複数の爪によって係留されているので挿入ピン部材がピン係止部材に係止されると抜脱不能な状態が得られる。この場合に請求項2に記載の発明のように、挿入ピンには溝、ピン係止部材には内周縁に放射状切込みを有する嵌合孔を形成しておくとよい。
 上記構成を有する請求項5に記載の制御基板収納ボックスによれば、制御基板は、前記ケース体とカバー体のいずれか一方より他方に向けて挿入ピン部材を挿入した段階で、この挿入ピン部材に大径リング部材を挿入することによりパチンコ遊技機の組立工程の途中における挿入ピン部材の抜け落ちが回避される。
 以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。図1は、本実施例に係るパチンコ遊技機の正面図、図2はその外観斜視図を示したものである。パチンコ遊技機10は、パチンコ機本体側部を構成する外枠11と、パチンコ機前面部のベースとなる内枠12とを備え、その内枠12の額縁状に形成された開口内周縁には金枠13が嵌められると共に、その金枠13には遊技盤14の前面を覆うガラス扉15が開閉可能に設けられる。
 そしてガラス扉15の下方位置には、打球発射装置に供給される遊技球を貯留するための受け皿(上受け皿)16が取り付けられ、更にその下方には、賞品球の排出時に上受け皿16から溢れた球を貯留するための球受け皿(下受け皿)17が設けられている。尚、上受け皿16に設けられる球抜けボタン18の操作により上受け皿16内の遊技球が下受け皿17に向けて抜き落とされる。
 下受け皿17の図中右側位置には、遊技球を遊技盤14面に向けて弾発発射する発射レバー20が設けられ、この発射レバー20には遊技球を一球毎に発射する為の単発スイッチ21が備えられる。発射レバー20の回動操作する量に応じて遊技球を遊技盤14面に向けて弾発発射する程度が調整されるとともに、所定回動位置の検出により発射電源が投入されるようになっている。
 前記内枠12の上辺縁から図中右側辺縁には、合成樹脂製のレンズ体で構成される枠トップ飾り23が設けられ、この枠トップ飾り23の内部には、枠飾りランプ24,24…や前記ガラス扉15開閉用の鍵穴25の周囲を飾る鍵飾りランプ26が設けられている。
 パチンコ遊技機10の一側には、プリペイドカードによる玉貸機(以下、「プリペイドカードユニット」と称する)30が設置される。このプリペイドカードユニット30は、1台の遊技機に1台づつ設置される。このプリペイドカードユニット30の設置に対応してパチンコ遊技機10の前記上受け皿16には、プリペイドカードによる遊技球の貸出し操作を行う為の球貸し操作部31が設けられ、この球貸し操作部31には、プリペイドカードによる球貸出しを操作する球貸出しボタン32、その球貸出しの可能状態を示す球貸出しボタンランプ33、プリペイドカードを排出させるカード返却ボタン34、プリペイドカードの残高表示、及びエラー表示を行う度数表示部35等が備えられている。
 プリペイドカードの使用に際しては、プリペイドカードユニット30に備えられるカード利用可表示ランプ36の点灯中にカード挿入口37にプリペイドカードを挿入し、金額設定ボタン38を操作することにより、貸出し金額(100円、200円、300円、500円等)を選択することができる。前記上受け皿16に備えられる球貸し操作部31の球貸出しボタン32を操作することにより、予め選択された金額の遊技球が貸出されることになる。
 前記内枠12の前面に設けられる遊技盤14は、遊技板に装着された金属製の内レール41、打球槌により打球発射位置より弾発発射された遊技球を盤面に向けて誘導する為の外レール42、打球位置及び発射レールより転動し遊技盤面に至った球の跳ね返り作用により再び打球が発射レールや打球位置に戻ることを防止するファール止43、打球位置より転動してきた過大な飛送力を有する球を遊技板右上部において衝撃を吸収しつつ停止阻止し遊技板面下に向けて落下させる返しゴム48等によりその周囲が構成され、その内側に遊技領域が形成される。
 図3は、その遊技盤面を拡大して示したものである。遊技盤14の遊技領域の中央やや上方には特別図柄表示装置50が設けられ、その中央部に3つの特別図柄表示部(図中左から順に左図柄表示部50A、中図柄表示部50B、右図柄表示部50Cが設けられる。また、特別図柄表示装置50の直下位置には第1種始動入賞口51が設けられ、更にその下方位置に第1種特別電動役物52及び普通電動役物(第1種始動入賞口)53が設けられる。第1種特別電動役物52は、通常は閉じている大入賞口54と、その大入賞口54が開放されたときに遊技球の入賞が可能な特定領域入賞口55とを備える。前記第1種始動入賞口51及び普通電動役物(第1種始動入賞口)53の賞球の個数は4個まで記憶され、その個数分が特別図柄表示装置50の左右に設けられる特別図柄用記憶表示LED56a〜56dにより点灯表示されるようになっている。
 特別図柄表示装置50の直上位置には7セグデジタル表示の普通図柄表示装置60が設けられる。この普通図柄表示装置60の図柄は、遊技盤14面の特別図柄表示装置50の左右両側に遊技球が通過可能なゲート61a、61bが備えられ、遊技球がこのゲート61a、61bを通過すると変動を開始する。このゲート61a,61bを通過する遊技球の個数は4個まで記憶され、その個数分が普通図柄表示装置50のそばに設けられる普通図柄用記憶表示LED62a〜62dにより点灯表示されるようになっている。
 普通図柄表示装置60のすぐ上には天入賞口64が設けられており、又、その左右両側には左袖入賞口65a及び右袖入賞口65bが設けられ、更に、前記第1種特別電動役物52の左右両側には左落し入賞口66a及び右落し入賞口66bが設けられている。更に又、遊技盤14面には、打球槌により弾発発射された遊技球の落下してくる方向を無作為に変更させたり、打球の流下速度及び方向を変化させる風車67、67や障害釘68、68…、あるいは遊技の演出効果を高めるためある一定の契機により点灯(点滅)を行うランプ風車69、69、サイドランプ70、70等が設けられている。そして遊技盤14の最下部には、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球(アウト球)を回収し、集合処理するアウト口71が設けられている。
 尚、遊技盤14の遊技領域の外側には、入賞の発生により払い出される賞球数を表示する賞球数表示部72、賞球の払出し動作時に点灯(点滅)表示駆動される球払出しLED73、タンクやタンクレール上の遊技球が所定量以下になったとき点灯(点滅)し、その旨表示する球切れLED74等が設けられる。
 図4は、パチンコ遊技機の裏面図、図5はその外観斜視図である。パチンコ遊技機10の裏面に設けられる機構板76面の上方位置に、遊技場の島から供給される遊技球を一時貯留する賞球タンク77が設けられると共に、その賞球タンク77に連設されてタンクレール78が設けられ、このタンクレール78の賞球流下下端部分に同じく機構板76面に設けられる賞球払出機構部80が連設されている。
 このタンクレール78には、前記賞球タンク77やタンクレール78上の遊技球の補給状態により作動される補給スイッチ81が設けられ、又、賞球払出機構部80の直前において賞球の欠乏を検出し払出し機構の空動作を防止する為の空切り防止スイッチ82が設けられている。さらに賞球払出機構により払出された賞球がパチンコ遊技機内で充満した場合にこれを検出する満タンスイッチ83あるいは機内で充満した遊技球により係動され満タンスイッチ83を押動する満タンストッパ84等も備えられている。
 また機構板76には遊技盤14面の各入賞口に入った入賞球(セーブ球)を一球毎に球切りして検出するセーフ球排出機構部85が設けられ、このセーフ球排出機構部85により検出されたセーフ球はこの後機外へ排出されるようになっている。パチンコ遊技機10の遊技板裏面は中央カバー86により覆われており、各入賞口に入ったセーフ球はこの中央カバー86が覆設される機構板76下部に形成されたセーフ球誘導路112(図6参照)で集められてセーフ球排出機構部85へ導出されるようになっている。
 そして各種の制御基板がこの機構板76には取付けられている。例えば、プリペイドカードに係わる情報をパチンコ遊技機10の外部において処理するプリペイドカードユニット30と遊技機本体とを電気的に接続するCR外部接続端子基板87を含む外部接続端子97、発生したセーフ球の種別に応じて所定個数の賞球を前記賞球払出機構部80に払出し動作させる回路が装着されたCR賞球払出制御基板88、該CR賞球払出制御基板88とプリペイドカードユニット30及び球貸し操作基板、度数表示基板(図2の球貸し操作部31に収容されている)との間に設けられ、プリペイドカードユニット30に挿入されたプリペイドカードの情報と、パチンコ遊技機10の前面に設けられた球貸し操作部31への球貸し要求信号と球貸し状態を表示する度数表示情報と、球貸し情報に基づいてCR賞球払出制御部を司令制御する情報との授受を行うカードインターフェイス基板89が設けられている。
 また前記CR外部接続端子基板87、カードインターフェイス基板89、CR賞球払出制御基板88相互間においてカードデータ処理に係わる信号を中継するCR中継基板90、パチンコ遊技機10の遊技盤14面で発生したセーフ球を検出して特別図柄表示装置50を駆動制御し、その特別図柄の表示態様を設定切り替え制御し、入賞の種別に対応して所定個数の賞球の払出し等を行う主基板91等がこの機構板76に取付けられている。そしてこれら独立してそれぞれ組み付けられた各種基板がパチンコ遊技機に組み付けられた後、コネクタ配線により互いに脱着可能に電気接続されている。パチンコ遊技機10の外部のプリペイドカードユニット30と遊技機本体との間の情報の入出力は、カードインターフェイス接続部92を介して行われる。
 前記CR賞球払出制御基板88は、賞球の不足欠乏、及び供給状態、排出状態の異常を検出し、払出し動作の停止と、表示動作も合わせて行われるもので、ここにはCR賞球払出制御基板88や賞球払出機構部80等の賞球払出制御機構において遊技球の不足、球詰まり、回路操作異常、ソフトエラー等の異常が発生した場合にその旨を表示するエラー表示部93、あるいはエラー状態が解除された場合に前記エラー表示部93を初期状態に復帰リセットさせるエラー表示リセットボタン94が設けられている。
 また前記主基板91には、特定図柄表示装置50に於いて発生する当たりの出現状態(確率)を3個のLEDにて表示する設定表示LED95、あるいは前記当たりの出現確率を所定条件下のみ切替え可能に設定する為の確率モード設定スイッチ96が設けられている。
 パチンコ遊技機10で発生した各種情報は機構板76の上部片隅に設けられる外部接続端子97を介して遊技機外部の遊技場管理装置へ出力される。特別図柄表示装置50の図柄若しくは入賞装置の始動回数、所定図柄の確定により発生する大当たりの発生回数、遊技者に特別な利益状態を継続させる継続情報、当該パチンコ遊技機における当たりの出現確率、不正検出信号等の各種情報がこの外部接続端子92を介して入出力されることになる。
 更に機構板76の裏面下方隅寄り位置には、前記上受け皿16に供給された遊技球を遊技盤14面に向けて弾発発射するための打球発射装置100が備えられている。この打球発射装置100は、打球発射モータ101のほか、発射装置制御回路、打球槌、弾発力調整手段等により構成される。タッチ感度調整ボリューム102は、遊技者の打球発射操作ハンドルへの接触を検出して打球発射モータ101の電源を投入するタッチスイッチ回路の検出感度を調整する為に設けられ、又、遊技球発射調整ダイヤル103は、遊技盤14面へ向けての遊技球弾発力、飛走距離をパチンコ遊技機の裏面側で調整設定する為に設けられている。
 打球発射装置100に近接して発射装置制御基板104が設けられ、これには打球発射モータ101の駆動制御回路及びタッチスイッチ回路が含まれている。打球発射モータ101の駆動制御回路では、モータの回転速度、トルク、特に1分間に発射する打球間隔、速度等が設定されている。尚、このパチンコ遊技機10は電源プラグ106を介してAC100V電源に接続されている。また前記外部接続端子97より引き出されたリード線107は、コネクタ108及び電源プラグ109を介してAC24V電源に接続されている。
 図6は、遊技盤14の裏面に設けられるセーフ球の流出経路を示したものである。図示されるように、普通電動役物(第1種始動入賞口)53、天入賞口64、左袖入賞口65a、左落し入賞口66aに入賞したセーフ球は、傾斜板状のセーフ球集合路(セーフ球集合板)111上に落下し、その傾斜下端位置に設けられる、同じ傾斜板状のセーフ球誘導路(セーフ球誘導板)112を介して前述のセーフ球排出機構部85へ誘導される。また第1種始動入賞口51、大入賞口54、特定入賞口55、右袖入賞口65b、右落し入賞口66bに入賞したセーフ球は直接セーフ球誘導路112上に落下し、セーフ球排出機構部85へ誘導される。
 前記第1種始動入賞口51、及び普通電動役物(第1種始動入賞口)53に入ったセーフ球の流出経路には、それぞれそれらの入賞を感知する第1種始動用検出スイッチ113a、113bが設けられる。また前記大入賞口54に入ったセーフ球の流出経路には、その大入賞口54内への入賞球数を計数(カウント)するカウント用スイッチ114が設けられ、前記特定入賞口55に入ったセーフ球の流出経路には、その特定入賞口55にセーフ球が入ったことを感知する特定入賞検出用スイッチ115が設けられている。さらに前記ゲート61a、61bを通過する遊技球の通過経路には、遊技球がゲート61a、61bを通過したことを感知するゲート用スイッチ116a、116bがそれぞれ設けられている。
 そして前記第1種始動用検出スイッチ113a、113bからの検出信号により前記第1種始動入賞口51、53に遊技球の入賞があったことが検知されると、前述したように特別図柄表示装置50が駆動される。また第1種特別電動役物52の作動中に前記カウント用スイッチ114からの検出信号により前記大入賞口54の1回毎の開放状態で10個のセーフ球の入賞があったことが検知されると、その大入賞口54は閉じられる。
 さらにその大入賞口54の開放状態の間に前記特定入賞検出用スイッチ115からの検出信号により特定入賞口55に遊技球の入賞があったことが検知されれば、前記第1種特別電動役物52の作動は繰り返されることになる。またゲート用スイッチ116a、116bからの検出信号があれば、前述したように普通図柄表示装置60が駆動されることになる。遊技盤14裏面には普通電動役物(第1種始動入賞口53)を開閉動作させる普通電動役物開放用ソレイノイド119や大入賞口64を開閉動作させる大入賞口開放用ソレノイド120も設けられている。
 一方、前記天入賞口64及び左右袖入賞口65a、65bの各入賞口に入ったセーフ球の流路には5個払出用検出スイッチ117a、117bが設けられ、これらの検出スイッチ117a、117bからの検知信号に基づいて前述の賞球払出機構部80より所定個数(5個づつ)の賞球が払出される。また前記第1種始動入賞口51、あるいは普通電動役物53に設けられる前述の第1種始動用検出スイッチ113a、113bからの検出信号によっても同様に賞球払出機構部80より5個の賞球が払出されるようになっている。
 また前記大入賞口54に設けられるカウント用スイッチ114、あるいは特定入賞口55に設けられる特定入賞検出用スイッチ115からの検出信号があれば、賞球払出機構部80より15個の賞球が払出される。尚、前記左右落し入賞口66a、66bに入ったセーフ球の流路には入賞検出スイッチは設けられていないが、セーフ球払出機構部85に設けられるセーフ球検出スイッチによりトータルのセーフ球個数がカウントされるので、その個数差分だけ10個づつの賞球が払出されることになっている。
 図7は、遊技機本体の裏面に設けられる前述の主基板91が収納される制御基板収納ボックスの取付構造を示したものである。図示されるように、前記遊技板の裏面には、天入賞口64や左袖入賞口65aに入ったセーフ球をセーフ球集合板111上に落下集合させるための第1のセーフ球集合樋181と、第1種始動入賞口51や右袖入賞口65bに入ったセーフ球をセーフ球誘導板112上に落下集合させるための第2セーフ球集合樋182とが設けられ、両セーフ球集合樋181、182の間に位置して遊技板の中央には、第1種特別電動役物52の大入賞口54を遊技機の裏面から覗き視できるように覗き窓183が開設されている。
 そして遊技盤裏面の前記第1及び第2のセーフ球集合樋181、182寄り位置に、前記主基板91を収納した制御基板収納ボックス200が取り付けられる。この制御基板収納ボックス200は、透明なプラスチック樹脂、例えばポリカーボネート製の方形箱型形状のカバー部材202と同じく透明なプラスチック樹脂製の方形箱型形状のケース部材204とから構成されている。左右ブラケット184a、184bは、遊技盤の裏面にピン185止めされ、この左右両ブラケット184a、184bにケース部材204をピン187止めすることによりこの主基板91は前記覗き窓183への覗き視を妨げないようにある一定の空間を設けて立体的に組付けられている。
 しかしてケース部材204の左右両側面には長手の挿入ピン固定台取付部206が設けられ、またカバー部材202には、これに対応して左右両側面に複数個づつの挿入ピン差込部208が設けられ、ケース部材204に主基板91を収納した状態でカバー部材202を被着し、カバー部材202の挿入ピン差込部208側からケース部材204の挿入ピン固定台210側へ挿入ピンを挿入することによりケース部材204とカバー部材202とを一体的に組み付けしている。
 カバー部材202及びケース部材204の取付構造について図8〜図11を参照して説明する。まず図8は、制御基板収納ボックス200を構成するカバー部材202とケース部材204及びこれらに収納される主基板91の分解斜視図である。ケース部材204の内側一側板面、左右両側寄り位置には、主基板91を支承するリブ212a,212bが形成され、またその一側板の上縁中央位置には、この主基板91を両リブとで挟持する爪214が設けられる。またケース部材204の対向する側板側、両端寄り位置には、主基板91をネジ止めするためのボス216a,216bが形成され、これに対応して主基板91の一側縁両端寄り位置には、ネジ挿通孔218a,218bが穿設形成されている。そしてネジ220a,220bを夫々ネジ挿通孔218a,218bに挿通し、ボス216a,216bに螺着することにより主基板91がケース部材204内に収容固定される。
 ケース部材204の左右両側壁面には長方ボックス形状の挿入ピン固定台取付部206が形成されている。この挿入ピン固定台取付部206の内側、長手方向両端寄り部位には挿入ピン固定台210の両端部をネジ222a,222bでネジ止めすることにより固定するためのボス224a,224bが形成されている。挿入ピン固定台210は、ステンレスバネ材により長手方向の両側縁を屈曲した断面コ字状に形成し、その長手方向両端寄り位置には、前記ボス224a,224bに対応してネジ挿通孔226a,226bが穿設形成され、更に両ネジ挿通孔226a,226b間に位置して前記挿入ピン差込部208a〜208dに対応した位置に頭付挿入ピン236の挿通嵌合孔228a〜228dが同じく穿設形成されている。各ピン挿通嵌合孔228a〜228dは、図10に示したように、その内周縁に複数からなる放射状の切込み230が設けられ、またこの挿入ピン固定台210の下面側に稍々凹窪んだ膨出状に形成されている。
 一方、前記カバー部材202は、ケース部材204に被着された時に前記主基板固定用のネジ220a,220bを覆い隠すネジカバー片232がその一側左右両端寄り位置に夫々設けられると共に、左右の両側壁面に設けられる前述の挿入ピン差込部208a〜208dの両側に位置して前記挿入ピン固定台210を固定するためのネジ222a,222bを覆い隠すネジカバー片234a,234bが設けられている。そして前記各挿入ピン差込部208a〜208dは、図9にその平面が、図11にその断面が示されるように、頭付挿入ピン236の頭部238が挿入可能な大径筒部240とこの頭部238が係止され、ピン本体部242のみが挿通可能な小径筒部244とにより構成されている。
 カバー部材202、ケース部材204及び主基板91の組み付けに際しては、図8及び図11に示した頭付挿入ピン236は、予め挿入ピン差込部208a〜208dにスプリング246を取り付けた状態で、挿入ピン差込部208a〜208dに挿入される。そして、挿入ピン差込部208a〜208dから脱落しないようにE型止め輪248が嵌められる。頭付挿入ピン236の頭部238とE型止め輪248は、いずれも小径筒部244の上端面で係止され、制御基板収納ボックス200の組立作業中における頭付挿入ピン236の脱落が防止される。
 図12Aは、その脱落が防止された状態、すなわちスプリング246が取り付けられた頭付挿入ピン236を挿入ピン差込部208aに挿入してE型止め輪248を嵌めた状態を示したものである。この図に示したようにスプリング246を設けた頭付挿入ピン236は、E形止め輪248がその溝部250のやや上部に嵌められている。これにより上述したようにスプリング246とE形止め輪248とが小径筒部244に係止されるため、頭付挿入ピン236は、挿入ピン差込部208aからの脱落が防止される。
 図12Bは、頭付挿入ピン236の頭部238をドライバー等により打ちつけて、ピン本体部242の先端部寄り位置に周設形成された溝部250が挿通嵌合孔228aに係止された状態を示したものである。この図に示したように溝部250は、挿通嵌合孔228aに係止されるものであるが、この溝部250の径は挿通嵌合孔228aの径と同一(若干の誤差は許容される)の大きさに形成されている。
 すなわち、挿通嵌合孔228aは、頭付挿入ピン236が挿入されるときに、そのピン本体部242が挿通できる程度の径に開くが、これは、挿通嵌合孔228aの内周縁に複数からなる放射状の切込み230が設けられて、各切込み片231(図10参照)の開閉が若干効くからである。またこの挿入ピン固定台210を形成するステンレスバネ材の材料特性にもよるものである。また溝部250が挿通嵌合孔228aに係止された後は、挿通方向に対して逆方向に抜けることがないが、これは、挿通嵌合孔228aが図10に示したように挿入ピン固定台210の下面側に稍々凹窪んだ膨出状に形成されているからである。
 さらにこの頭付挿入ピン236は、図12Bに示されるように頭部238と小径筒部244との間に介挿されたスプリング246により、挿通方向に対して逆方向へ付勢されている。この付勢により挿通嵌合孔228a、挿入ピン差込部208a及び頭部238の各部に適度な力がかかる。これにより、挿入ピン差込部208aと挿入ピン固定台210とがぐらつきがない状態で頭付挿入ピン236により確実に固定される。挿入ピン差込部208b〜208d及びこれに対応する挿通嵌合孔228b〜228dについても同様に頭付挿入ピン236がドライバー等により打ち付けられて挿入され、溝部250が挿通嵌合孔228b〜228dにより係止され、これによりカバー部材202がケース部材204に確実に取り付けられることになる。
 しかしてケース部材204の左右両側面には長手の挿入ピン固定台取付部206が設けられ、またカバー部材202には、これに対応して左右両側面に複数個づつの挿入ピン差込部208a〜208dが設けられ、ケース部材204に主基板91を収納した状態でカバー部材202を被着し、カバー部材202の挿入ピン差込部208a〜208d側からケース部材204の挿入ピン固定台210側へ頭付挿入ピン236を挿通することによりケース部材204とカバー部材202とを一体的に組み付けしている。
 以上説明したカバー部材202、ケース部材204及び主基板91の組立取付は、頭付挿入ピン236を用いて次のようにしてなされる。まず図8に示したリブ212a,212bと爪214の間に主基板91を挟持させ、ネジ220a,220bを夫々ネジ挿通孔218a,218bに挿通し、ボス216a,216bに螺着することにより主基板91をケース部材204内に収容固定させる。このときにネジ220a,220bは、ボス216a,216bを貫通するため、その貫通した部分を遊技盤の裏面の左右ブラケット184a,184bに螺着させ、ケース部材204を遊技盤の裏面に取り付ける。
 次いで、ネジ222a,222bを夫々ネジ挿通孔226a,226bに挿通し、ボス224a,224bに螺着することにより挿入ピン固定台210を挿入ピン固定台取付部206に取付固定させる。このときにネジ222a,222bは、ボス224a,224bを貫通するため、その貫通した部分を遊技盤の裏面の左右ブラケット184a,184bに螺着させ、ケース部材204の遊技盤裏面への取付をさらに確実なものとする。
 次ぎに、カバー部材202のケース部材204への被着であるが、これに先だって予め、頭付挿入ピン236にスプリング246を挿通しておき、その状態で、頭付挿入ピン236を挿入ピン差込部208a〜208dに挿通させる。そして溝部250のやや頭部側寄り位置にE型止め輪248を被嵌させておく。これにより、組み付け作業中における頭付挿入ピン236の挿入ピン差込部208aからの脱落が防止される。
 そしてカバー部材202を主基板91の上側から覆って挿入ピン差込部208a〜208dを夫々挿通嵌合孔228a〜228dに合わせ、頭付挿入ピン236の頭部238をドライバーで打ち付けて溝部250に挿通嵌合孔228a〜228dを夫々係止させる。
 そうすると、ネジ220a,220bがネジカバー片232によって覆われる他、ネジ222a,222bがネジカバー片234a,234bによって覆われることになり、ネジ止め部分が外部から覆い隠されることになる。したがって、不正行為を目的として主基板91を取り出そうとしても、これらのネジカバー片232あるいはネジカバー片234をニッパ等を用いて切り離さなければ、不正行為を為すことができない。また、不正行為が為された場合にあっても、ニッパ等を用いて各部材に傷を付けて開けた痕跡が残るため、直ちにその行為に対処すること、例えばそのようなパチンコ遊技機の使用を中止する等の対処が可能になる。
 次に本発明の第二の実施例について図13A〜図13Dを参照して説明する。上記第一の実施例では、頭付挿入ピンに溝部を形成して係止部分を構成し、スプリングの付勢力によりカバー部材とケース部材とが確実に固定されるようにしたものであるが、この第二の実施例は、頭付挿入ピンに溝部を形成せずに、屈曲開閉片を設けるようにしたものである。
 図13Aは、この第二の実施例に係る頭付挿入ピンの外観斜視図を示したものである。図示されるように、頭付挿入ピン252のピン本体部254には、その本体に沿って細長い四本の屈曲開閉片256を備えた屈曲開閉部材258が被嵌されている。この屈曲開閉片256には、谷型屈曲部260及び山型屈曲部262が形成されている。屈曲開閉部材258の長手方向の長さは、ピン本体部254の長さに較べて稍々短めに形成されるとともに、その径は、後述する挿入ピン受口(図13C参照)の径よりも大きめに形成されている。また頭部264の径は、後述する挿入ピン抜出口及び挿入ピン固定口の径(図13C参照)よりも大きめに形成されている。
 図13Bは、この頭付挿入ピン252が用いられるカバー部材266とケース部材268の外観を概略的に示したものである。この図に示したように、頭付挿入ピン252が挿入される挿入ピン差込部270は、カバー部材266の左右の両側壁面に稍々間隔を空けてそれぞれ二箇所に設けられると共に、挿入された頭付挿入ピン252を固定する挿入ピン固定部272は、挿入ピン差込部270に対応してケース部材268の左右の両側壁面に設けられる。挿入ピン差込部270は、挿入ピン固定部272に較べて若干小さめに形成されている。
 図13Cは、頭付挿入ピン252を挿入ピン差込部270から挿入ピン固定部272に向けて挿入した状態を示したものである。この図に示したように挿入ピン差込部270は、その挿入ピン差込口274の径が頭部264の径と同じ大きさで形成され、その挿入ピン抜出口276の径が屈曲開閉部材258の径と同じ大きさで形成され、その内部は空洞状に形成されている。そして頭付挿入ピン252を屈曲開閉部材258により係止させる際には、ボール278が挿入ピン差込口274の上に載置される。このボール278の径は挿入ピン差込口274の径より大きいものが使用される。また挿入ピン差込部270の空洞は、頭部264とボール278とが丁度収納される大きさに形成されている。
 一方、挿入ピン固定部272は、その挿入ピン固定口280の径が屈曲開閉部材258の径、すなわち上述した挿入ピン抜出口276の径と同じ大きさで形成され、その挿入ピン受口282の径がピン本体部254の径と略同一の大きさで形成されている。したがって、挿入ピン固定口280の径は、挿入ピン受口282の径よりも屈曲開閉部材258が被着される分だけ若干大きめに形成される。そして挿入ピン固定部272の内部は空洞状に形成され、この空洞内で屈曲開閉片256が屈曲する。
 図13Dは、ボール278を挿入ピン差込口274から挿入ピン差込部270の空洞に圧入した状態を示したものである。カバー部材及びケース部材は、プラスチック樹脂等により形成されるため、挿入ピン差込口274がボール278の径より小さくても、このボール278を適当な力で付勢することで、挿入ピン差込口274は、通り抜けるボール278の径に応じて開閉する。このようにして挿入ピン差込部270の内部へボール278が圧入されると、その付勢力が頭付挿入ピン252に伝達され、該頭付挿入ピン252は、その勢いで挿入方向へさらに挿入される。
 このときに屈曲開閉片256の先端が挿入ピン受口282の上端で係止されるため、その反動で屈曲開閉片256の谷型屈曲部260が谷型に屈曲するとともに、山型屈曲部262が山型に屈曲し、これにより屈曲開閉部材258が空洞内で開くことになる。そして、山型屈曲部262が挿入ピン固定部272内の壁面に当接した状態となる。これにより、頭付挿入ピン252は、屈曲開閉部材258の先端で確実に固定される。特に、横方向(挿入方向に対して垂直な方向)へのぐらつきが回避されている。
 また縦方向(挿入方向)については、挿入ピン差込口274から挿入ピン受口282の先端までの長さがボール278と頭付挿入ピン252との長さを加えた長さに丁度等しく、かつ、ボール278の径が挿入ピン差込口274の径よりも大きいことから、隙間無い状態でボール278と頭付挿入ピン252とが取り付けられている。したがって、縦方向にも頭付挿入ピン252がぐらつくことは、回避されている。
 以上説明したカバー部材266、ケース部材268及び主基板91の組立取付は、頭付挿入ピン252を用いて次のようにしてなされる。まず主基板91をケース部材268に収容固定させる。次いで、カバー部材266をケース部材268に被着して、挿入ピン差込部270と挿入ピン固定部272とを夫々位置合わせし、頭付挿入ピン252を夫々挿入ピン差込部270から挿入ピン固定部272に向かって挿入する。次いで、夫々の挿入ピン差込口274にボール278を載置してから、挿入ピン差込部270の内部へこのボール278を圧入する。これにより、主基板91がカバー部材266とケース部材268とに収納固定されることになる。
 したがって、不正行為を目的として主基板91を取り出そうとしても、頭付挿入ピン252は、ボール278に遮られて外部から見えないため、挿入ピン差込口274を切断する等しなければ、不正行為を為すことができない。仮に、不正行為が為されても、各部材に傷を付けて開けた痕跡が残るため、不正行為に係るパチンコ遊技機の使用を中止する等の対処が可能になる。
 次に本発明の第三の実施例について図14A〜図14Cを参照して説明する。この第三の実施例は、複数の爪が形成された金属板を固定カップとして用いたものである。これらの図において、図14Aは、頭付挿入ピン284の取付部分の分解斜視図、図14Bは、固定カップ286に頭付挿入ピン284を係止する前の取付部分の断面構造を示したもの、図14Cは、固定カップ286に頭付挿入ピン284を係止した後の取付部分の断面構造を示したものである。
 これらの図に示したように、挿入ピン固定部288には金属板を用いてかしめ成形された固定カップ286が挿入されている。この固定カップ286の内外周面には、多くの爪片290が形成され、その底板部292には頭付挿入ピン284が挿通され、その溝部294を係止する挿通嵌合孔296が形成されている。挿入ピン固定部288は、プラスチック製樹脂等により形成されているため、固定カップ286が挿入されると、図14Bあるいは図14Cに示したように、この金属製の爪片290が挿入ピン固定部288の内周面に食い込む等する。これにより固定カップ286が係止されている。
 頭付挿入ピン284は、予め挿入ピン差込部298に挿通されその先端部寄り位置であって溝部294の稍々上方の部位にE型止め輪300が嵌められる。そして挿入ピン差込部298と挿入ピン固定部288とが位置合わせされた後、頭付挿入ピン284が挿入される(図14参照)。その状態でドライバー等により頭付挿入ピン284の頭部301が打ち付けられると、頭付挿入ピン284がその先端から挿通嵌合孔296へ挿通し、溝部294がその挿通嵌合孔296により係止される。
 この第三の実施例によれば、不正行為を目的として主基板91を取り出そうとしても、頭付挿入ピン284は、固定カップ286によりかしめ固定されることになる。したがって、不正行為を目的として主基板91を取り出そうとしても固定カップ286を変形させる、或は取り壊す等しなければ、不正行為を為すことができない。したがって、上述した実施例と同様にやはり、不正行為が為されても、各部材に傷を付けて開けた痕跡が残るため、不正行為に係るパチンコ遊技機の使用を中止する等の対処が可能になる。
 次に本発明の第四の実施例について図15A及び図15Bを参照して説明する。この第四の実施例は、上記した第一の実施例に取り付けられるE形止め輪に代えて予めピン本体部にローレット状リングを形成したものである。これらの図において、図15Aは、この頭付挿入ピン302を挿入ピン固定台304へ挿入する前の状態を拡大して示したものである。同図に示したローレット状リング306が形成された頭付挿入ピン302は、その頭部308に適当な圧力、例えばドライバー等でたたき込むことによって小径筒部310に挿入されている。
 このように頭付挿入ピン302が一旦小径筒部310に挿入されると、ローレット状リング306が形成された部分が小径筒部310の端部で係止され頭付挿入ピン302の挿入ピン差込部312からの抜けが防止される。具体的には、この頭付挿入ピン302は、次ぎのように構成される。すなわち、ピン本体部314の径をφ3±0〜0.05mmとした場合には、挿入ピン差込部312の小径筒部310の径がφ3±0.05〜0mm、ローレット状リング306の径がφ3.2±0.05〜0mmとされ、ローレット状リング306の長手方向の長さは、約2mmとされる。図15Bは、頭付挿入ピン302を挿入ピン固定台304へ挿入した後のピン止め部分を拡大して示したものであり、工場出荷時の状態を示している。図示されるように、溝部316が挿通嵌合孔318に係止されている。
 第四の実施例に係るカバー部材324、ケース部材326及び主基板91の組立取付は、頭付挿入ピン302を用いて次のようにしてなされる。すなわち、ローレット状リング306が設けられた頭付挿入ピン302にスプリング320を取り付けてドライバー等で頭部308を打ち付ける。そしてこのローレット状リング306が小径筒部310を貫通させる。
 一方、挿入ピン固定台304は、挿入ピン固定部322に予め取り付けておく。そして上述した頭付挿入ピン302の先端と、挿通嵌合孔318とを位置合わせして、そのままドライバー等で頭部308を打ちつける。これにより溝部316が挿通嵌合孔318に係止されることになる。
 以上説明した第四の実施例によれば、E型止め輪を取り付ける手間が除かれるほか、頭部308を打ち付ける作業によりローレット状リング306が小径筒部310に貫通させることができるとともに、そのまま作業を続けることにより溝部316が挿通嵌合孔318に係止されることになる。したがって作業工程が簡略化され、生産性が向上することになる。
 以上各種の実施例について説明したが、上記した第一〜第四の実施例によれば、いずれも制御基板に対して不正行為を施すには、カバー部材あるいはケース部材の一部に損傷をつけなければならない。したがって、予め不正行為が防止されることになる。また万が一、制御基板収納ボックスを開封する等の不正行為が行われてもその損傷により不正行為がなされたことがすぐに発覚することになる。そのため、不正防止策の一つとして有効に機能することになる。
 尚、本発明は上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記実施例においては、抜け防止のための部材としてE形止め輪やローレット部材を用いたがこれに限定されるものではない。また、上述した実施例1及び実施例3においては、いずれもE型止め輪を用いたがこれに代えてローレット部材を用いてもよいものである。
 以上説明したように本発明のパチンコ遊技機における制御基板収納ボックスによれば、挿入ピン部材が前記ケース体とカバー体のいずれか一方より他方に向けて挿入されると、挿入ピン部材は、ピン係止部材により係止される。これにより、前記カバー体と前記ケース体は、封止手段すなわち前記挿入ピン部材とピン係止部材とにより封止されることになる。したがって、制御基板収納ボックスを開けて制御基板に不正を施そうとするには、痕跡を残すことなくカバー体を壊さなければならない。すなわち、カバー体が壊されない限りパチンコ遊技機の不正使用が未然に防止されることになる。そのため健全な遊技産業の発展に一層寄与し得るものとなる。
本発明の一実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 その外観斜視図である。 図1に示したパチンコ遊技機の遊技盤面の拡大正面図である。 図1に示したパチンコ遊技機の裏面図である。 その外観斜視図である。 遊技盤の裏面に設けられる入賞球(セーフ球)の流出経路を説明する図である。 本発明の一実施の形態に係る制御基板収納ボックスの取付構造を示した図である。 本発明の一実施の形態に係る制御基板収納ボックスの分解斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る制御基板収納ボックスのカバーの部分平面図である。 本発明の一実施の形態に係る制御基板収納ボックスの挿入ピン固定台の平面図及び側面図である。 本発明の一実施の形態に係る制御基板収納ボックスのピン差込部分の断面図である。 本発明の一実施の形態に係る制御基板収納ボックスのピン差込み前の部分断面図である。 本発明の一実施の形態に係る制御基板収納ボックスのピン差込み後の部分断面図である。 本発明の第二の実施の形態に係る制御基板収納ボックスに使用されるピンの外観斜視図である。 本発明の第二の実施の形態に係る制御基板収納ボックスの外観斜視図である。 本発明の第二の実施の形態に係る制御基板収納ボックスのピン差込み前の部分断面図である。 本発明の第二の実施の形態に係る制御基板収納ボックスのピン差込み後の部分断面図である。 本発明の第三の実施の形態に係る制御基板収納ボックスに使用されるピン取付部分の分解斜視図である。 本発明の第三の実施の形態に係る制御基板収納ボックスのピン差込み前の部分断面図である。 本発明の第三の実施の形態に係る制御基板収納ボックスのピン差込み後の部分断面図である。 本発明の第四の実施の形態に係る制御基板収納ボックスのピン差込み前の部分断面図である。 本発明の第四の実施の形態に係る制御基板収納ボックスのピン差込み後の部分断面図である。
符号の説明
200 制御基板収納ボックス
202,266,324 カバー部材
204,268,326 ケース部材
206 挿入ピン固定台取付部
208a〜208d,270,298,312 挿入ピン差込部
210,304 挿入ピン固定台
222a,222b ネジ
224a,224b ボス
226a,226b ネジ挿通孔
228a〜228d,296,318 挿通嵌合孔
230 切込み
231 切込み片
234a,234b ネジカバー片
236,252,284,302 頭付挿入ピン
238,264,301,308 頭部
240 大径筒部
242,254,314 ピン本体部
244,310 小径筒部
246,320 スプリング
248,300 E型止め輪
250,294,316 溝部
256 屈曲開閉片
258 屈曲開閉部材
260 谷型屈曲部
262 山型屈曲部
272,288,322 挿入ピン固定部
274 挿入ピン差込口
276 挿入ピン抜出口
278 ボール
280 挿入ピン固定口
282 挿入ピン受口
286 固定カップ
290 爪片
292 底板部
306 ローレット状リング

Claims (5)

  1.  制御基板が収納されるケース体と該ケース体に被着されるカバー体とからなる制御基板収納ボックスにおいて、前記ケース体とカバー体とを開放不能に封止する封止手段が、前記ケース体とカバー体のいずれか一方より他方に向けて挿入される挿入ピン部材と、該挿入ピン部材を抜脱不能に係止するピン係止部材とにより構成されていることを特徴とするパチンコ遊技機における制御基板収納ボックス。
  2.  前記挿入ピン部材には、溝部が形成され、前記ピン係止部材には、該挿入ピン部材の溝部が係止される嵌合孔が形成され、かつ、その周囲に放射状の切込みリングが膨出状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載されるパチンコ遊技機における制御基板収納ボックス。
  3.  前記挿入ピン部材のピン周囲に屈曲開閉部材が設けられ、該ピン部材の頭部に球体を添当し、該球体を前記ケース体とカバー体のいずれか一方に打ち込むことにより前記屈曲開閉部材が他方の係合凹部内に抜脱不能に開傘されるように構成されていることを特徴とするパチンコ遊技機における制御基板収納ボックス。
  4.  制御基板が収納されるケース体と該ケース体に被着されるカバー体とからなる制御基板収納ボックスにおいて、前記ケース体とカバー体のいずれか一方より他方に向けて挿入ピン部材を挿入し、前記ケース体とカバー体のいずれか他方のピン挿入孔内には周囲に複数の爪が形成されたピン係止部材が保留され、前記挿入ピン部材が前記ピン係止部材に抜脱不能に係止されていることを特徴とするパチンコ遊技機における制御基板収納ボックス。
  5.  前記挿入ピン部材を前記ケース体とカバー体のいずれか一方より他方に向けて挿入した状態で該挿入ピン部材のピン胴部に抜脱防止のための大径リング部材を介設してなることを特徴とする請求項1,2,4又は5のいずれか一項に記載されるパチンコ遊技機における制御基板収納ボックス。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007209505A (ja) * 2006-02-09 2007-08-23 Sanyo Product Co Ltd 遊技機
JP2009178489A (ja) * 2008-02-01 2009-08-13 Sanyo Product Co Ltd 遊技機
JP2012210542A (ja) * 2012-08-10 2012-11-01 Sanyo Product Co Ltd 遊技機

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