以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図2はパチンコ機10における遊技機本体12の分解斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機本体12とを有している。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
外枠11は、矩形枠状をなしており、上下の枠が木製であり、左右の枠がアルミニウム等の金属によって形成されている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場に設置される。なお、外枠11を形成する材料は上記のものに限定されることはなく任意である。
外枠11の一側部に遊技機本体12が回動可能に支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具21が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具22が設けられている。これら上側支持用金具21及び下側支持用金具22により支持機構が構成され、当該支持機構によって外枠11に対して遊技機本体12が回動可能に支持されている。
また、遊技機本体12には、図2に示すように、その回動先端部に施錠装置23が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖状態とした場合には施錠装置23の鉤部材24が外枠11の右枠部の内側面に設けられた鉤受け部にて受けられ、遊技機本体12の開放が阻止される。一方、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠25に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、外枠11の鉤受け部にて鉤部材24が受けられた状態が解除され、遊技機本体12の外枠11からの開放が可能となる。なお、施錠装置23は、後述する内枠13と前扉枠14との施錠を行う機能も有している。
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。図3は内枠13の正面図である。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース31を主体に構成されている。樹脂ベース31の中央部には略楕円形状の窓孔32が形成されている。樹脂ベース31には遊技盤33が着脱可能に取り付けられている。遊技盤33は合板よりなり、遊技盤33の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース31の窓孔32を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤33の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤33には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口34,可変入賞装置35,作動口36,スルーゲート37及び可変表示ユニット38等がそれぞれ設けられている。一般入賞口34は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口34、可変入賞装置35及び作動口36に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口39が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口39を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘40が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット38には、作動口36への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット38には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の上部には、第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44が設けられている。また、センターフレーム42の下部及び上部にはそれぞれ保留ランプ部45,46が設けられている。下側の保留ランプ部45は図柄表示装置41及び第1特定ランプ部43に対応しており、遊技球が作動口36を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部46は第2特定ランプ部44に対応しており、遊技球がスルーゲート37を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部43では、作動口36への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部44では、遊技球のスルーゲート37の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口36に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。なお、これら第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44の制御は、後述する主制御装置により行われる。
可変入賞装置35は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置35の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置35が繰り返し開放されるものが一般的である。なお、可変入賞装置35の駆動制御は、後述する主制御装置により行われる。
遊技盤33には、内レール部47と外レール部48とが取り付けられており、これら内レール部47と外レール部48とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構50から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構50は、図3に示すように、樹脂ベース31における窓孔32の下方に取り付けられている。遊技球発射機構50は、電磁式のソレノイド51と、発射レール52と、球送り機構53とからなり、ソレノイド51への電気的な信号の入力により当該ソレノイド51の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構53によって発射レール52上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1等に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部55が形成されている。窓部55は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス56が嵌め込まれている。窓部55の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。また、左上及び右上の位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部が設けられている。
前扉枠14における窓部55の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部57と下側膨出部58とが上下に並設されている。上側膨出部57内側には上方に開口した上皿57aが設けられており、下側膨出部58内側には同じく上方に開口した下皿58aが設けられている。上皿57aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿58aは、上皿57a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部58の右方には、手前側へ突出するようにしてハンドル装置59が設けられている。ハンドル装置59が操作されることにより、遊技球発射機構から遊技球が発射される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。図5は内枠13の背面図、図6は裏パックユニット15の正面図である。
図5に示すように、内枠13(遊技盤33)の背面には、主制御装置ユニット61及び音声ランプ制御装置ユニット65が搭載されている。
主制御装置ユニット61は、合成樹脂製の取付台を有し、取付台に主制御装置63が搭載されている。主制御装置63は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備している。なお、主制御装置63の具体的な構成については、後に詳細に説明する。
音声ランプ制御装置ユニット65は、音声ランプ制御装置66と、取付台とを具備する構成となっており、取付台上に音声ランプ制御装置66が装着されている。音声ランプ制御装置66は、主制御装置63からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス68に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図6に示すように、裏パック71を備えており、当該裏パック71に対して、払出機構部72及び制御装置集合ユニット73が取り付けられている。裏パック71は透明性を有する合成樹脂により形成されており、払出機構部72などが取り付けられるベース部74と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部75とを有する。
ベース部74には、その右上部に外部端子板76が設けられている。外部端子板76には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技場側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。ベース部74には、保護カバー部75を迂回するようにして払出機構部72が配設されている。すなわち、裏パック71の最上部には上方に開口したタンク77が設けられており、タンク77には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク77の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置78が設けられている。払出装置78より払い出された遊技球は、当該払出装置78の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿57a又は下皿58aに排出される。
払出機構部72には、裏パック基板79が設置されている。裏パック基板79には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部74の下端部には、制御装置集合ユニット73が取り付けられている。制御装置集合ユニット73は、横長形状をなす取付台81を有し、取付台81に払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とが搭載されている。これら払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とは、払出制御装置82がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置82は、基板ボックス84内に払出装置78を制御する払出制御基板が収容されて構成されている。電源及び発射制御装置83は、基板ボックス85内に電源及び発射制御基板が収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置59の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
次に、主制御装置63の構成を図7〜図9に基づいて詳細に説明する。図7は主制御装置63の斜視図、図8は主制御装置63の正面図、図9は主制御装置63の分解斜視図である。
主制御装置63は、図9に示すように、主制御基板91と基板ボックス92とを備えており、当該基板ボックス92の内部空間に主制御基板91が収容されてなる。
主制御基板91は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM等を備えている。本実施の形態では、CPU、ROM及びRAMがCPUチップ93に1チップ化されている。また、詳細な説明は省略するが、入出力ドライバ用ICチップ94及びラッチ用ICチップ95が搭載されている。また、図示は省略するが、主制御基板91には、コンデンサや抵抗などの各種素子や、複数のコネクタが搭載されている。
主制御基板91においてCPUチップ93などの各種素子は全て同一の板面上に搭載されており、その逆側の板面にて半田付けされている。つまり、主制御基板91は、一方の板面が素子搭載面96となっており、他方の板面が半田面となっている。なお、半田面とは、素子搭載面96に搭載される各種素子の半田付け部分が設けられる面であるが、当該半田面に対して回路パターンが形成されていてもよい。
基板ボックス92は、複数のボックス構成体として、表側構成体(ボックスカバー)101と裏側構成体(ボックスベース)102とを備えている。これら表側構成体101及び裏側構成体102は、基板ボックス92内に収容された主制御基板91の素子搭載面96及び半田面を基板ボックス92外から視認可能なように透明性を有する材料により形成されている。具体的には、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、形成材料はこれに限定されることなく、アクリル樹脂等であってもよい。
表側構成体101及び裏側構成体102が組み合わされることにより、図7及び図8に示すように、基板ボックス92は四角箱状(略直方体形状)に形成されており、所定の内部空間を有している。詳細には、表側構成体101は、図9に示すように、当該表側構成体101の周縁を規定する表側周縁部103と、当該表側周縁部103から一方に膨出するようにして形成された膨出部104とが一体形成されてなる。これら表側周縁部103と膨出部104とにより、表側構成体101は膨出部104の膨出側とは反対側に開放された略直方体形状をなしている。
表側構成体101にはその背面側から主制御基板91がネジ固定されている(着脱可能な状態で固定されている)。なお、表側構成体101への主制御基板91のネジ固定は、主制御基板91の半田面側から行われており、主制御基板91の素子搭載面96に搭載された各種素子は、主制御基板91と表側構成体101との間の領域内に収容されている。
主制御基板91が一体化された表側構成体101に対して、裏側構成体102が固定されている。裏側構成体102は、図9に示すように、正面視で四角形状、具体的には長方形状をなす略板状に形成されており、平面状に形成された平面部105と、当該平面部105の周縁を囲むようにして形成された裏側周縁部106とが一体形成されてなる。
表側構成体101に対してその裏面側から裏側構成体102を固定することにより、表側構成体101の表側周縁部103と裏側構成体102の裏側周縁部106とが重なり、膨出部104の裏面側への開放部分が裏側構成体102の平面部105により閉塞される。この場合、主制御基板91の半田面は、裏側構成体102により覆われている。つまり、主制御基板91の素子搭載面96はその全体が表側構成体101と対向しており、主制御基板91の半田面はその全体が裏側構成体102と対向している。上記構成の主制御装置63は、図5に示すように、表側構成体101の表面がパチンコ機10後方を向くようにして搭載されている。
次に、表側構成体101と裏側構成体102との固定に関する構成について詳細に説明する。両構成体101,102の固定に関する構成としては、両構成体101,102の相互の位置ずれを特定の規制方向のみに規制する規制手段と、当該規制方向への位置ずれを防止するように両構成体101,102を相互に固定する固定手段と、を備えている。
先ず、規制手段について詳細に説明する。なお、以下の規制手段の説明では、図9だけでなく図10も適宜参照する。図10(a)は主制御装置63の一部を拡大して示す側面図、図10(b)は図10(a)のA―A線断面図である。
図9に示すように、規制手段として、表側構成体101には、フック部(係止部又は表側規制部)111が一体形成されている。フック部111は複数設けられており、これらフック部111は表側周縁部103の対向する各長辺部(具体的には、上縁部及び下縁部)において当該長辺部の延びる方向に沿って等間隔で形成されている。この場合、フック部111は、上下にそれぞれ6個ずつ形成されているが、複数であればその数は任意である。各フック部111は、全て同一形状となるように形成されているとともに、全て同一のサイズに形成されている。
フック部111の形状について詳細に説明する。表側構成体101の表側周縁部103は、当該表側周縁部103に沿って矩形枠状に形成された枠部112を備えている。枠部112は表側周縁部103において膨出部104に連続するベース部110から裏側構成体102側に起立させて形成されている。この場合、枠部112におけるベース部110からの突出寸法(高さ寸法)は、主制御基板91の厚み寸法と同一となっている。なお、枠部112におけるベース部110からの突出寸法を、主制御基板91の厚み寸法よりも大きくしてもよい。
枠部112において一の長辺部を構成する上枠部(一の枠部)113に複数のフック部111が形成されているとともに、当該上枠部113と対向した位置にて一の長辺部を構成する下枠部(他の枠部)114にも複数のフック部111が形成されている。この場合、各フック部111の内側の面は形成元の枠部112における内側の面と同一平面上に位置しているとともに、各フック部111の外側の面は形成元の枠部112における外側の面と同一平面上に位置している。
フック部111は枠部112を基端として形成されており、自由端側が表側構成体101の一方の短辺部側、具体的には、右縁に向けて延びるように途中位置で折り曲げて形成されている。つまり、フック部111は枠部112から裏側構成体102に向けて起立した起立部115と、起立部115から表側構成体101の側縁に向けて延びる延出部116とが一体形成されてなる。
延出部116は起立部115の高さ寸法分、枠部112から離間されており、延出部116と枠部112との間には係止用溝117が形成されている。当該係止用溝117は延出部116に沿って形成されており、延出部116の自由端側において開放されている。
フック部111に対応させて裏側構成体102には、係止受け(裏側規制部)121が一体形成されている。係止受け121の形状について詳細に説明する。裏側構成体102の裏側周縁部106には、表側構成体101の上枠部113と対応する辺部に当該辺部の全体に沿って一連の上側周壁部122が一体形成されているとともに、表側構成体101の下枠部114と対応する辺部に当該辺部の全体に沿って一連の下側周壁部123が一体形成されている。これら上側周壁部122及び下側周壁部123は表側構成体101に向けて起立している。上側周壁部122及び下側周壁部123はそれぞれ、裏側構成体102の周面(上面及び下面)を構成しているとともに、基板ボックス92の周面(上面及び下面)を構成している。
裏側周縁部106には、上側周壁部122及び下側周壁部123にそれぞれ一体形成された上側台座部124及び下側台座部125を備えている。ここで、上側台座部124及び下側台座部125は共に同一の構成を有しており、さらに規制手段について基板ボックス92の上側と下側とで基本的に構成は同一となっているため、下側の構成を例にとって以下説明する。
下側台座部125は、図9に示すように、下側周壁部123の内側の壁面から裏側構成体102の平面部105側に突出させて形成されており、下側周壁部123及び平面部105の両方に対して一体化されている。下側台座部125は下側周壁部123の長さ方向(長手方向)の全体又は略全体に亘って形成されている。
下側台座部125は、表側構成体101に向けて起立している。但し、その高さ寸法(基板ボックス92の厚み方向の寸法)は、下側周壁部123の高さ寸法よりも小さく設定されている。この点、裏側構成体102は、その長辺側の縁部において下側周壁部123と下側台座部125とにより段差状となっていると言える。
下側台座部125には、フック部111と1対1で対応させて係止受け121が形成されている。つまり、係止受け121は、上下にそれぞれ6個ずつ形成されている。但し、フック部111と1対1で対応しているのであれば、その具体的な数は任意である。各係止受け121は全て同一の形状及び大きさを有している。
係止受け121は、下側台座部125をその高さ方向、すなわち裏側構成体102の厚み方向に貫通するスリットとして構成されている。詳細には、係止受け121は、裏側構成体102において上記のとおり周面を構成する下側周壁部123と、下側台座部125において平面部105との境界部分を構成する内側壁部126と、これら下側周壁部123及び内側壁部126を連結するようにして形成された連結壁部127とにより周囲が規定されており、裏側構成体102の厚み方向(基板ボックス92の厚み方向)に貫通している。
ちなみに、連結壁部127は、隣り合う係止受け121を区画する機能も有しているとともに、下側台座部125において表側構成体101(表側構成体101の枠部112)と対向する対向面を構成している。また、内側壁部126は係止受け121側からの基板ボックス92内への侵入経路を遮断するように形成されているとともに、内側壁部126は基板ボックス92の内部空間の周面を構成している。
係止受け121の幅寸法、すなわち下側周壁部123と内側壁部126との間の距離は、フック部111の厚み寸法と同一又はそれよりも若干大きく設定されている。また、係止受け121の長さ寸法、すなわち対向する連結壁部127間の距離は、延出部116の長さ寸法よりも大きく設定されている。
係止受け121は、図10(a)に示すように、一方の連結壁部127側において、スリット状の当該係止受け121を閉塞する受け部128を備えている。この受け部128が形成された側の連結壁部127は、一の係止受け121における両連結壁部127のうち、フック部111の自由端側に対応した側となっている。
受け部128は、係止受け121において表側構成体101側の端部に形成されている。また、受け部128は、スリット状の係止受け121の全体を閉塞しているのではなく、一部のみを閉塞している。そして、係止受け121において受け部128が形成されていない側の連結壁部127から受け部128までの距離は、フック部111の延出部116が延びる方向の長さ寸法よりも大きくなっている。これにより、上記のように受け部128が形成された構成において、裏側構成体102の表側からフック部111を係止受け121内に挿入可能となっている。受け部128は、上記フック部111の係止用溝117内に入り込み可能な厚み寸法に設定されている。
なお、係止受け121は、受け部128とは逆側の連結壁部127側において、スリット状の当該係止受け121を閉塞する閉塞部129を備えている。但し、閉塞部129は係止受け121において受け部128が形成された側とは反対側の端部に形成されている。また、閉塞部129は、スリット状の係止受け121の全体を閉塞しているのではなく、一部のみを閉塞している。
表側構成体101と裏側構成体102とが一体化された状態では、図10(a)及び図10(b)に示すように、係止受け121内にフック部111が挿入されおてり、図10(a)に示すように、フック部111の係止用溝117内に係止受け121の受け部128が入り込んでいる。そして、受け部128は、枠部112に当接しているとともに、フック部111の延出部116に当接している。
この場合、表側構成体101と裏側構成体102とを、係止用溝117に対する受け部128の入り込み方向に移動させて分離させようとしても、表側構成体101の起立部115に受け部128が当接することで規制される。また、表側構成体101と裏側構成体102とを基板ボックス92の厚み方向に分離させようとしても、フック部111と受け部128との当接により規制される。また、図10(b)に示すように、フック部111は係止受け121を構成する下側周壁部123及び内側壁部126の両方に挟まれた状態となっている。したがって、表側構成体101と裏側構成体102とを上下方向に移動させて分離させようとしても、フック部111が下側周壁部123又は内側壁部126のいずれかに当接することで規制される。つまり、フック部111及び係止受け121により、表側構成体101と裏側構成体とを分離させる際の方向が、係止用溝117から受け部128を抜き取る方向、すなわち基板ボックス92の一方の短辺側に規制されている。
特に、フック部111と係止受け121との組み合わせは、基板ボックス92の両長辺部においてそれぞれ複数組設けられており、さらにはこれらの組み合わせは、各長辺部においてその長さ方向の略全体に亘って分散させた位置にて行われている。したがって、上記規制は強固に行われている。
図10(b)に示すように、係止受け121内にフック部111が挿入され、且つ係止用溝117内に受け部128が入り込んだ規制状態では、表側構成体101の下枠部114が裏側構成体102の下側台座部125と基板ボックス92の厚み方向に重なり合っている。この場合、下側台座部125の全体に亘って下枠部114が重なり合っており、これら下側台座部125と下枠部114とにより基板ボックス92の長辺部において当該基板ボックス92の内部空間の周面の一部が構成されている。
下枠部114は、上記のとおり表側周縁部103のベース部110から裏側構成体102側に起立させて設けられている。また、下側台座部125は上記のとおりスリット状の係止受け121を構成する部位であり、それに伴って下枠部114よりも肉厚に形成されている。さらには、下枠部114は、下側台座部125上において下側周壁部123と接するように当該下側周壁部123側に偏倚した位置に配置されている。したがって、図10(b)に示すように、下枠部114へと続くベース部110と下側台座部125との間には所定の隙間が形成されており、当該隙間には主制御基板91の周縁部の一部が入り込んでいる。
裏側構成体102の下側周壁部123は、上記のとおり下側台座部125よりも表側構成体101側に突出しており、当該突出した部位が下枠部114の外側の側面に対して外方から重なり合っている。また、下側周壁部123はその起立した先端側の端面が表側周縁部103におけるベース部110の表面と面一となっている。つまり、下側周壁部123は表側周縁部103における一長辺部の外側周面の全体と重なり合っている。当該構成であることにより、表側構成体101と裏側構成体102との長辺部における境界は、図8に示すように、線状となっている。
また、当該境界は、図10(b)に示すように、表側周縁部103のベース部110よりも外側にある。当該境界を通じて基板ボックス92の内部空間にリード線などの不正用治具を挿入しようとしても、上記のとおり下枠部114と下側台座部125とがその全体に亘って重なり合っているため、それが阻止される。さらには、上記のとおりフック部111と係止受け121とによる規制は強固に行われているため、下枠部114と下側台座部125とを離間させようとしてもそれが強固に阻止される。
ここで、上記のようにフック部111と係止受け121とが設けられていることにより、基板ボックス92の小型化を図りながら、表側構成体101と裏側構成体102との分離方向の規制が強固に行われている。当該構成について、図11を用いて、基板ボックス92の体格が大きくなってしまう構成と比較しながら説明する。図11(a)は本パチンコ機10における基板ボックス92の規制箇所を示す断面図であり、図11(b)は比較対象の基板ボックス131の規制箇所を示す断面図である。
本パチンコ機10の基板ボックス92では上記のとおりフック部111と係止受け121とが設けられていることにより、図11(a)に示すように、基板ボックス92の内部空間の縁部から基板ボックス92の周面までの距離はX1となっている。
これに対して、比較対象の基板ボックス131では、図11(b)に示すように、フック部132と係止受け133とが、上記基板ボックス92とは逆の関係で、表側構成体134及び裏側構成体135に形成されている。つまり、裏側構成体135にフック部132が形成されており、表側構成体134に係止受け133が形成されている。また、上記基板ボックス92ではフック部111が設けられた表側構成体101の縁部において基板ボックス92における内部空間の周面の一部を構成していたが、本基板ボックス131ではフック部132が設けられた裏側構成体135の縁部は内部空間の周面の一部を構成していない。したがって、基板ボックス131の内部空間の縁部から基板ボックス131の周面までの距離はX2となっており、上記基板ボックス92における対応箇所の距離X1よりもX3だけ長くなっている。
以上より、本パチンコ機10における基板ボックス92によれば、基板ボックス92の小型化を図りながら、表側構成体101と裏側構成体102との分離方向の規制が強固に行われている。パチンコ機10では、図柄表示装置41の表示画面の大型化やパチンコ機10の多機能化を行うことが好ましい。しかしながら、表示画面の大型化やパチンコ機10の多機能化を図ろうとすると、パチンコ機10の背面側において電気機器を搭載するスペースに制限が生じてしまう。これに対して、上記のとおり基板ボックス92の小型化を図ることで、表示画面の大型化やパチンコ機10の多機能化を良好に実現することができる。
次に、上記規制手段による表側構成体101と裏側構成体102との組み付け作業について図12を用いて説明する。図12(a)〜(c)は表側構成体101と裏側構成体102との組み付け作業を説明するための説明図である。
表側構成体101と裏側構成体102とを相互に固定する場合、図12(a)の状態から図12(b)の状態となるように、先ず裏側構成体102の裏側からフック部111を係止受け121内に挿入する。この場合、フック部111の自由端が、挿入された係止受け121内の受け部128側を向いている。また、この状態では、表側構成体101と裏側構成体102とは完全に重なり合っておらず、左右方向にずれた状態となっている。
その後、表側構成体101又は裏側構成体102の少なくとも一方を、両構成体101,102が完全に重なり合う方向にスライド移動させることにより、図12(c)に示すように、フック部111の係止用溝117内に係止受け121の受け部128が入り込む。これにより、係止用溝117に対する受け部128の抜け方向にのみ移動可能なように表側構成体101及び裏側構成体102の移動方向が規制される。そして、当該状態において固定手段による固定を行うことで、規制手段により規制された移動方向への移動も行うことが不可となり、表側構成体101及び裏側構成体102が相互に固定される。
次に、固定手段について説明する。
図8及び図9に示すように、表側構成体101において一方の短辺部には、表側結合領域141が一体形成されている。表側結合領域141は、当該短辺部において膨出部104から側方に延出させて形成されている。表側結合領域141には複数(具体的には、5個)の表側結合部142が設けられている。各表側結合部142には基板ボックス92の厚み方向に貫通する貫通孔部143が形成されている。また、各表側結合部142は連結部144を介して膨出部104と連結されているとともに、隣り合う表側結合部142と連結されている。この場合、連結部144の周囲には、ニッパやカッタ等の工具を差込可能な空間が確保されており、表側結合部142を破壊するよりも上記工具により切断し易くなっている。
表側結合領域141に対応させて、裏側構成体102の裏側周縁部106には裏側結合領域151が設けられている(図13等参照)。ここで、本基板ボックス92では、裏側結合領域151が特徴的な構成となっている。そこで以下に、裏側結合領域151の特徴的な構成を重点的に説明しつつ、上記結合に関する構成を説明する。
先ず、裏側結合領域151の構成を、図9に加え図13〜図15を用いて説明する。図13は裏側結合領域151の断面図、図14は裏側結合領域151を構成する受け部材153の一部破断領域を含む斜視図、図15(a)は裏側結合領域151を構成するカバー部材154の正面図、図15(b)はカバー部材154の側面図である。
裏側結合領域151は、図9及び図13に示すように、裏側構成体102の裏側周縁部106に一体形成された結合領域形成部152と、当該結合領域形成部152に組み付けられる受け部材(受け金具)153及びカバー部材154と、を備えている。
結合領域形成部152は、裏側構成体102の裏側周縁部106における一方の短辺部において、全体又は略全体に亘って形成されている。結合領域形成部152には、図13に示すように、表側構成体101側に向けて開放された溝部155が形成されている。溝部155は、結合領域形成部152の全体に亘って形成されている。
結合領域形成部152には、溝部155内に挿入された状態で受け部材153が固定されている。受け部材153は、少なくとも裏側構成体102の壁部よりも高強度な(硬質な)金属板を図14に示すように、複数箇所で折り曲げることにより形成されており、結合領域形成部152の溝部155と同一又は略同一の長さ寸法を有している。なお、受け部材153を、金属板を折り曲げることにより形成するのではなく、複数の金属板を溶接することにより形成してもよい。
受け部材153は、溝部155の周面に沿うようにして凹み空間161を有するように形成された受けベース部162と、当該受けベース部162に対して一体形成された引っ掛け板部163と、を備えている。この場合、受けベース部162は相互に対向する対向板部164,165と、これら対向板部164,165を一端において連結する連結板部166と、を備えており、これら各板部164,165,166により、凹み空間161が形成されている。また、引っ掛け板部163も板状であり、一部の板部は内側の対向板部164と対向している。
受け部材153は、受けベース部162の外周面が溝部155の内周面と重なるように、結合領域形成部152に設置されている。この場合、引っ掛け板部163は、結合領域形成部152において溝部155を形成する壁部のうち内側溝壁部156に引っ掛けられた状態となっている。また、図9及び図14に示すように、受けベース部162の対向板部164,165のうち、外側の対向板部165には係止用凹部167が複数箇所に形成されており、これに対応させて、図9に示すように、結合領域形成部152において溝部155を区画する壁部のうち外側溝壁部157には、係止部158が一体形成されている。係止部158は係止用凹部167に1対1で対応させて複数箇所に形成されている。
受け部材153を結合領域形成部152に設置した状態では、係止用凹部167が係止部158により係止され、結合領域形成部152に対して受け部材153が固定されている。受け部材153が結合領域形成部152に固定された状態においては、受けベース部162における凹み空間161は表側構成体101に向けて開放されており、受けベース部162は溝部155内の略全体に亘って位置している。
つまり、図8に示すように、受け部材153は基板ボックス92における一の短辺部の略全体に亘って位置している。換言すれば、受け部材153は基板ボックス92の複数の周面部のうち少なくとも所定の周面部におけるコーナー部分間の全体又は略全体に亘って位置するように設けられている。さらに換言すれば、基板ボックス92は正面視で多角形状(四角形状)に形成されており、受け部材153は所定の一辺部の当該辺部が延びる方向の全体又は略全体に亘って位置するように設けられている。
受け部材153の対向板部164,165のうち、内側の対向板部164には、図13に示すように、凹み空間161側に突出するように係止片168が設けられている。係止片168は、図14の破断部分に示すように、内側の対向板部164を切除しない範囲で切断を行い、切断によって板バネ状となった箇所を凹み空間161側に曲げることにより形成されている。この場合、係止片168の自由端は、受けベース部162の連結板部166側、すなわち凹み空間161の奥側を向いている。係止片168は、等間隔で複数形成されており、この数は表側結合領域141に形成された表側結合部142の数と同数となっているとともに、表側結合部142の位置に対応させて形成されている。
上記のように受け部材153が固定された結合領域形成部152に対してカバー部材154が設置されている。カバー部材154は、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、形成材料はこれに限定されることはなく、アクリル樹脂等であってもよい。カバー部材154は、結合領域形成部152と同一又は略同一の長さ寸法を有しており、結合領域形成部152及び受け部材153の全体又は略全体を覆う機能を有しているとともに、受け部材153が固定された結合領域形成部152を表側結合部142と同数の裏側結合部176に区画するための機能を有している。
具体的には、カバー部材154は、図13に示すように、第1カバー板部172と、当該第1カバー板部172に対して直交する第2カバー板部173と、を有するカバーベース部171を備えている。カバー部材154を結合領域形成部152に設置した場合には、第1カバー板部172は結合領域形成部152の対向する溝壁部156,157及び結合領域形成部152に固定された受け部材153に対して、受け部材153の凹み空間161の開放側から重なり合っており、第2カバー板部173は結合領域形成部152における外側溝壁部157の外側周面の全体に対して外方から重なり合っている。
第1カバー板部172には、図15(a)に示すように、その長さ方向に等間隔で複数の貫通孔部174が形成されている。当該貫通孔部174が形成されていることにより、受け部材153の凹み空間161は第1カバー部材154により完全に閉塞されておらず、貫通孔部174の位置にて表側構成体101側に向けて開放されている。
貫通孔部174は、受け部材153の係止片168と1対1で対応しており、図13に示すように、一の貫通孔部174と基板ボックス92の厚み方向に並ぶ位置に一の係止片168が位置している。また、貫通孔部174は、表側結合部142と1対1で対応している。
第1カバー板部172の表面側には、図15(a),(b)に示すように、当該第1カバー板部172の表面側において各貫通孔部174が形成された領域を個別に区画するようにして区画壁部175が一体形成されている。そして、区画壁部175により区画された各領域によって裏側結合部176が構成されている。各裏側結合部176は、表側構成体101に向けて開放されているとともに、裏側構成体102において裏側結合領域151が形成された側の短辺部と対向する短辺部に向けて開放されている。各裏側結合部176は対応する表側結合部142を収容可能な大きさを有しており、各裏側結合部176に対応する各表側結合部142が収容された状態では、各表側結合部142の貫通孔部143と各裏側結合部176の貫通孔部174とが連通された状態となる。
なお、図15(b)に示すように、第1カバー板部172の裏面側には、複数箇所に位置決め用突起177が形成されており、カバー部材154を設置する場合にはこれら位置決め用突起177が受け部材153の凹み空間161内に入り込むようにすることで、設置箇所の位置決めを容易に行うことができる。また、当該突起177が受け部材153の凹み空間161内に入り込むことで、カバー部材154をその設置箇所から離脱させる際の離脱方向が凹み空間161が開放されている方向、すなわち裏側構成体102から表側構成体101に向けた方向に規制される。
次に、裏側結合領域151を形成する上での作業の流れを、図16を用いて説明する。図16(a)〜(c)は裏側結合領域151を形成する上での作業を説明するための説明図である。
図16(a)に示す裏側構成体102の結合領域形成部152に対して、図16(b)に示すように受け部材153を設置する。当該設置は、受け部材153の受けベース部162が結合領域形成部152の溝部155内に入り込むように、且つ受け部材153の引っ掛け板部163が結合領域形成部152の内側溝壁部156に引っ掛けられた状態となるように行われる。
図16(b)に示すように、受け部材153の受けベース部162が結合領域形成部152の溝部155の内周面と重なった状態となることで、受けベース部162の係止用凹部167が結合領域形成部152の係止部158により係止された状態となる。なお、係止部158はその先端が溝部155内に突出しているが、当該係止部158は受けベース部162の溝部155への入り込みに際して当該入り込みを阻害しない位置へと弾性変形可能に形成されている。
その後、図16(c)に示すように、受け部材153が設置された結合領域形成部152にカバー部材154を設置する。この際、カバー部材154に位置決め用突起177が形成されていることにより、カバー部材154の設置を良好に行うことができる。また、カバー部材154を設置した場合には、当該カバー部材154により係止部158が外側から覆われる。さらに、溝部155の開放箇所における、係止部158と係止用凹部167との係止箇所を露出させる部位もカバー部材154により覆われる。これにより、係止部158と係止用凹部167との係止状態を不正に解除しようとしても、当該行為が行いづらくなる。
カバー部材154を設置することで裏側結合領域151の形成が完了する。この場合に、カバー部材154を結合領域形成部152や受け部材153に固定する固定具は不具備となっており、カバー部材154はこれら結合領域形成部152や受け部材153に固定されていない。
次に、表側結合部142と裏側結合部176との結合について、図17を用いて説明する。図17は基板ボックス92における表側結合部142と裏側結合部176との結合箇所を示す断面図である。
各裏側結合部176に対して対応する各表側結合部142が収容された状態では、上記のとおり、各表側結合部142の貫通孔部143と第1カバー板部172に形成された対応する貫通孔部174とが連通された状態となっている。これら連通された貫通孔部143,174に対して、図17に示すように、表側結合部142側から、金属製の結合具(固定具)181が挿入されていることで、表側結合部142と裏側結合部176とが結合(固定)されている。
つまり、結合具181には係止孔部181aが形成されており、結合具181を挿入することで当該係止孔部181a内に係止片168が入り込む。この場合、係止片168は上記のとおり板バネとしての機能を有しているとともに、自由端が凹み空間161の奥側に向けられているため、結合具181の挿入方向の移動は規制しないが、係止孔部181a内に係止片168が入り込んだ後は結合具181の抜き取り方向の移動は規制する。これにより、表側結合部142と裏側結合部176とが結合され、表側構成体101と裏側構成体102とが固定される。
なお、結合具181は、裏側構成体102の壁部よりも高強度となるように金属により形成されているが、裏側構成体102の壁部よりも高強度であれば、金属製に限定されることはなく合成樹脂製であってもよく、合成樹脂材料にガラス繊維などの補強剤を分散させた材料により形成してもよく、合成樹脂材料により形成したものに対してメッキなどの表面処理を施すことにより形成してもよい。
ここで、上記のとおりカバー部材154は結合領域形成部152に対して非固定状態で設けられていたが、設置箇所からのカバー部材154の離脱方向が突起177により、裏側構成体102から表側構成体101に向けた方向に規制されているため、裏側結合部176に対して表側結合部142が重ね合わせられた状態となることで、カバー部材154を離脱させる方向への移動が規制される。そして、表側結合部142と裏側結合部176とが結合されることで、カバー部材154は表側結合部142と結合領域形成部152とにより挟持され遊びのない状態で固定される。
また、図17に示すように、カバー部材154には、第1カバー板部172から基板ボックス92の内部空間に入り込むようにして受け板部185が一体形成されている。受け板部185は、図15(b)に示すように、カバー部材154の長さ方向の概ね全体に亘って位置するように、複数箇所に設けられており、図17に示すように、第1カバー板部172から裏側構成体102側に向けて延びる基端部186と、当該基端部186から基板ボックス92の内部空間の中央側に向けて延びる先端部187と、を備えている。受け板部185の先端部187は、結合領域形成部152にカバー部材154を設置した状態で、裏側構成体102において結合領域形成部152に隣接させて形成された支持台部188に接している。また、受け板部185の先端部187は、裏側構成体102に表側構成体101を組み合わせた状態で、表側構成体101の枠部112及び表側構成体101に一体化された主制御基板91の周縁部が乗り上げた状態となる。つまり、受け板部185の先端部187は、裏側構成体102の支持台部188と、表側構成体101の枠部112及び主制御基板91の周縁部と、により挟持されている。これにより、カバー部材154の固定がより安定した状態で行われている。
次に、表側結合部142と裏側結合部176とを結合状態とする場合の作業の流れを、図18を用いて説明する。図18(a)〜(c)は表側結合部142と裏側結合部176とを結合状態とする場合の作業の流れを説明するための説明図である。
図18(a)は示すように結合領域形成部152に受け部材153及びカバー部材154が設置されて裏側結合領域151が形成された状態の裏側構成体102に対して表側構成体101を組み合わせることにより、図18(b)に示すように、表側結合部142の貫通孔部143と、対応する裏側結合部176の貫通孔部174とが連通された状態となる。この場合、フック部111及び係止受け121からなる規制手段により規制された状態とすることで、自ずと表側結合部142が裏側結合領域151の各裏側結合部176に対して、対応する各表側結合部142が収容された状態となり、上記のとおり各貫通孔部143,174が連通された状態となる。
その後、図18(c)に示すように、連通された貫通孔部143,174に対して、表側結合部142側から結合具181を挿入することで、その結合具181が挿入された表側結合部142及び裏側結合部176の組み合わせが結合状態となり、表側構成体101と裏側構成体102とが固定される。この場合に、表側結合部142と裏側結合部176との組み合わせは複数組(具体的には、5組)設けられているが、これら組み合わせのうち少なくとも1組に対して結合具181を挿入することで、表側構成体101と裏側構成体102との固定は行われる。
次に、表側結合部142と裏側結合部176とを結合状態とした状態において、表側構成体101及び裏側構成体102の固定状態を解除する場合の作業の流れを、図19を用いて説明する。図19(a)〜(c)は表側構成体101と裏側構成体102との固定状態を解除する場合の作業の流れを説明するための説明図である。
表側構成体101と裏側構成体102との固定状態の解除に際しては、図19(a)に示すように、結合状態となっている表側結合部142と膨出部104との間の連結部144を切断するとともに、結合状態となっている表側結合部142と結合状態となっていない表側結合部142との間の連結部144をニッパやカッタ等の工具により切断する。これにより、表側構成体101と裏側構成体102との分離が、表側結合部142及び裏側結合部176の結合により阻害されなくなる。
この場合に、連結部144は表側結合部142に対して設けられており、裏側結合領域151は破壊されない。したがって、結合状態となっている表側結合部142は裏側結合領域151側に残る。また、このように結合状態となっている表側結合部142が残ることで、当該表側結合部142と裏側結合部176との結合を通じて、カバー部材154が結合領域形成部152に固定された状態は維持される。
その後、図19(b)に示すように、フック部111及び係止受け121からなる規制手段により規制された方向に表側構成体101又は裏側構成体102の少なくとも一方をスライド移動させることにより、フック部111と係止受け121との係止状態が解除される。その後、図19(c)に示すように、表側構成体101と裏側構成体102とを基板ボックス92の厚み方向に分離させることで、これら構成体101,102が完全に分離された状態となる。
この場合、上記連結部144が切断されていることにより、当該連結部144の切断箇所を確認することで表側構成体101と裏側構成体102とが分離されたか否かを確認することが可能となる。また、表側結合部142と裏側結合部176との組み合わせは上記のとおり複数組設けられているため、一度の固定に際して一部の組み合わせのみを結合するようにすることで、再度、表側構成体101と裏側構成体102とを固定状態とすることが可能となる。但し、一度の固定に際して表側結合部142と裏側結合部176との全ての組み合わせに対して結合処理を行うようにしてもよい。
次に、基板ボックス92に設けられた他の固定構造について簡略に説明する。
図8に示すように、基板ボックス92において表側結合領域141及び裏側結合領域151が設けられた側とは反対側の短辺部には、貼付板部191が設けられている。当該貼付板部191は、表側構成体101に形成された貼付板部と、裏側構成体102に形成された貼付板部とが重ね合わされることにより構成されている。貼付板部191には、両者の境界を跨ぐようにして封印シール192が貼り付けられている。封印シール192は、貼り付けた後に剥がすと粘着剤層が貼付板部191側に残り、再貼付不可となるものである。
なお、基板ボックス92において貼付板部191が設けられた短辺部には、当該貼付板部191を挟むようにして固定部193が設けられており、当該固定部193に対してネジ固定が行われていることで表側構成体101と裏側構成体102とが固定されている。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図20のブロック図に基づいて説明する。図20では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置63に設けられた主制御基板91には、主制御回路202と停電監視回路203とが内蔵されている。主制御回路202には、CPUチップ93が搭載されている。CPUチップ93には、当該CPUチップ93により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM205と、そのROM205内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM206と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
CPUチップ93には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPUチップ93の入力側には、主制御基板91に設けられた停電監視回路203、払出制御装置82に設けられた払出制御基板211及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路203には電源及び発射制御装置83に設けられた電源及び発射制御基板215が接続されており、CPUチップ93には停電監視回路203を介して電力が供給される。
一方、CPUチップ93の出力側には、停電監視回路203、払出制御基板211及び中継端子板219が接続されている。払出制御基板211には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板219を介して主制御回路202から音声ランプ制御装置66に設けられた音声ランプ制御基板221に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路203は、主制御回路202と電源及び発射制御基板215とを中継し、また電源及び発射制御基板215から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御基板211は、払出装置78により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU212は、そのCPU212により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM213と、ワークメモリ等として使用されるRAM214とを備えている。
払出制御基板211のCPU212には、入出力ポートが設けられている。CPU212の入力側には、主制御回路202、電源及び発射制御基板215、及び裏パック基板79が接続されている。また、CPU212の出力側には、主制御回路202及び裏パック基板79が接続されている。
電源及び発射制御基板215は、電源部216と発射制御部217とを備えている。電源部216は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路202や払出制御基板211等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路202や払出制御基板211等に対して供給する。発射制御部217は、遊技球発射機構50の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構50は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板221は、表示制御装置225を制御するものである。演算装置であるCPU222は、そのCPU222により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM223と、ワークメモリ等として使用されるRAM224とを備えている。
音声ランプ制御基板221のCPU222には入出力ポートが設けられている。CPU222の入力側には中継端子板219に中継されて主制御回路202が接続されており、主制御回路202から出力される各種コマンドに基づいて、表示制御装置225を制御する。表示制御装置225は、音声ランプ制御基板221から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主制御装置63の基板ボックス92において、表側結合部142と裏側結合部176とを結合具181により結合することで、表側構成体101と裏側構成体102との分離が阻止される。この場合に、裏側構成体102において結合具181を係止する受け部材153は金属製であるため、受け部材153と結合具181との係止箇所を破壊して当該係止を解除しようとしてもそれが行いづらくなる。本構成において、受け部材153は、全ての裏側結合部176に亘って設けられている。これにより、各裏側結合部176のそれぞれに対して個別に受け部材153を設置する構成に比べ、基板ボックス92の形成作業を良好に行うことができる。また、各裏側結合部176のそれぞれに対して個別に受け部材を設置する構成に比べ、受け部材153に関して部材点数の削減を図ることが可能となる。
上記金属製の受け部材153は、基板ボックス92の所定の周面部におけるその長さ方向の略全体に亘って設けられているため、当該所定の周面部を破壊して基板ボックス92の内部空間へ通じる開口を不正に形成しようとする行為を阻止することが可能となる。また、固定手段を構成する受け部材153により当該不正行為の阻止を可能とする機能が果たされるため、受け部材153の多機能化が図られる。
受け部材153は、相互に対向する一対の対向板部164,165により幅方向が規定されて形成された一連の凹み空間161を備えているとともに、各裏側結合部176に対応した係止部158が凹み空間161内に形成されている。そして、結合具181との係止は凹み空間161内において行われる。つまり、結合具181の係止箇所は、金属製の受け部材153により規定された凹み空間161内において行われる。よって、当該係止箇所の周囲を破壊して、係止状態を解除しようとしてもそれが行いづらくなり、かかる不正行為を阻止することが可能となる。また、一連の凹み空間161内に複数の係止部158を設けるという比較的簡素な構成により、各裏側結合部176について、上記優れた効果を得ることができる。
また、凹み空間161を形成する一対の対向板部164,165が、基板ボックス92の所定の周面部における長さ方向の略全体に亘って位置するように設けられている。したがって、一の板部が設けられた構成に比べ、所定の周面部の強度が高められ、当該所定の周面部を破壊して基板ボックス92の内部空間へ通じる開口を不正に形成しようとする行為を阻止することが可能となる。
裏側構成体102には、受け部材153の凹み空間161の入口を複数の開口に区画し、複数の裏側結合部176を形成するカバー部材154が設けられている。これにより、金属製の受け部材153において凹み空間161の入口を複数の開口に区画する部位が設けられていなくても、当該区画する機能がカバー部材154により果たされる。これにより、受け部材153の形状をシンプルなものとすることが可能となる。特に、カバー部材154は合成樹脂製であるため、裏側結合部176において複雑な形状を有する部位については合成樹脂製のカバー部材154にて形成し、結合具181を係止する部位については金属製の受け部材153にて形成することができ、各裏側結合部176の一体的な形成を良好に行うことができる。
また、4個の裏側結合部176のそれぞれに対して個別に受け部材を設置する構成では、裏側構成体102の結合領域形成部152に設置する部材は少なくとも4個必要となるが、全ての裏側結合部176に亘って設けられた受け部材153と、当該受け部材153をカバーするカバー部材154とを設けた本パチンコ機10の構成では、結合領域形成部152に設置する部材は2個となる。つまり、裏側結合部176が3個以上設けられた構成においては、カバー部材154を裏側構成体102に対して別体で設けたとしても、各裏側結合部176のそれぞれに対して個別に受け部材を設置する従来の構成に比べ、部材点数の削減を図ることができる。また、これに伴って、裏側構成体102に裏側結合領域151を形成する上での作業工程数も、上記従来の構成に比べ少なくすることが可能となる。
また、カバー部材154を裏側構成体102に対して別体で設けるのではなく、カバー部材154の機能を裏側構成体102に対して一体形成する構成も考えられるが、この場合、裏側構成体102を成型するための金型の構造上、受け部材153の周辺をカバーして当該受け部材153への不正なアクセスを阻止する機能が低下することが懸念される。これに対して、カバー部材154を裏側構成体102に対して別体で設けることで、上記不正なアクセスを阻止する機能が高められ、さらには上記のとおり、従来の構成に比べ、裏側結合領域151を形成する上での部材点数及び作業工程数の削減が図られる。
カバー部材154に区画壁部175が形成されていることにより、裏側結合部176への対応する表側結合部142の配置が区画壁部175によりガイドされ、当該配置を良好に行うことができる。また、本構成によれば、凹み空間161の入口を複数の開口に区画する機能を有するカバー部材154においてガイド部としての機能が果たされるため、カバー部材154の多機能化が図られる。
受け部材153は完成後の裏側構成体102の結合領域形成部152に対して設置されている。例えば、裏側構成体102の形成に際して受け部材153をインサート成型する構成も考えられるが、この場合、金型の複雑化を招くこととなり好ましくない。これに対して、完成後の裏側構成体102に対して受け部材153を設置する構成とすることにより、このような不都合の発生が抑えられる。
また、結合領域形成部152に対する受け部材153の固定箇所はカバー部材154により覆われている。これにより、完成後の裏側構成体102に受け部材154を設置するようにした構成において、裏側構成体102に対する受け部材153の固定状態を不正に解除しようとする行為を行いづらくすることが可能となる。また、本構成によれば、凹み空間161の入口を複数の開口に区画する機能を有するカバー部材154において、結合領域形成部152に対する受け部材153の固定箇所を覆う機能が果たされるため、カバー部材154の多機能化が図られる。
カバー部材154を裏側構成体102に固定するための固定具や接着剤が不具備である一方、カバー部材154は表側構成体101及び裏側構成体102に挟持されてその設置箇所に固定されている。また、カバー部材154を裏側構成体102に固定するための固定具や接着剤が不具備である一方、カバー部材154は表側結合部142と裏側結合部176とを結合状態とすることで、その設置箇所に固定される。これにより、カバー部材154の固定に関して構成の簡素化を図りつつ、カバー部材154の設置箇所への固定を行うことができる。
連結部144を破壊することで、結合具181を用いた各結合部142,176の結合状態を維持しながら表側構成体101と裏側構成体102との分離を可能とする構成であるため、結合具181を用いた固定を強固に行うようにしつつ、表側構成体101と裏側構成体102との分離に際してその痕跡を残すことが可能となる。この場合に、連結部144は表側結合部142に対して設けられている。例えば、連結部144が裏側結合部176に対して設けられている構成を想定すると、連結部144を破壊しただけでは表側構成体101と裏側構成体102との分離を行うことができず、さらに受け部材153の破壊を要することが想定される。そうすると、表側構成体101と裏側構成体102との分離操作を容易に行うことができない。これに対して、連結部144が表側結合部142に対して設けられているため、上記のような不都合が生じることはなく、表側構成体101と裏側構成体102との分離操作を容易に行うことが可能となる。
また、連結部144は表側結合部142に対して設けられているとともに、各表側結合部142に対して個別に設けられている。これにより、例えば1組の表側結合部142と裏側結合部176とが固定状態となっていることに伴ってカバー部材154の固定が行われている状況において、当該1組の結合部142,176に対応した連結部144を破壊して表側構成体101と裏側構成体102とを分離させたとしても、当該1組の結合部142,176について結合具181を用いた固定状態が維持され、それに伴ってカバー部材154が固定された状態が維持される。よって、結合具181を介したカバー部材154の固定状態を良好に維持することができる。
カバー部材185は受け板部185を備えており、表側構成体101と裏側構成体102とを組み合わせた状態では表側構成体101の枠部112及び主制御基板91の周縁部と、裏側構成体102の支持台部188とにより受け板部185が挟持される。これにより、カバー部材185について専用の固定具などを設けなくても、カバー部材185を安定した状態で設置箇所に保持させることができる。
主制御装置63の基板ボックス92において、表側構成体101の長辺部にフック部111が設けられているとともに、裏側構成体102の長辺部にフック部111に対応させて係止受け121が設けられており、これらフック部111と係止受け121とが係止状態となることで、表側構成体101と裏側構成体102との境界を広げようとしても、それが物理的に抑制される。これにより、当該不正行為を抑制することが可能となる。
この場合に、フック部111が一体形成された枠部112の内側の面において基板ボックス92の内部空間を規定する周面の一部が構成されている。例えば、係止受け121を構成する台座部124,125の内側壁部126を基板ボックス92の内部空間側において枠部112の全体と重なり合うように設ける構成が考えられるが、そうすると基板ボックス92の内部空間がそれだけ縮小され、上記実施の形態と同じ程度の内部空間を確保しようとすると、上記実施の形態よりも基板ボックス92を大型化する必要がある。これに対して本構成によれば、基板ボックス92の小型化を図りつつ、上記不正行為を抑制することが可能となる。
フック部111及び係止受け121の組み合わせは、基板ボックス92において対向する長辺部にそれぞれ設けられているとともに、各長辺部において複数組ずつ設けられている。したがって、表側構成体101と裏側構成体102との境界を広げようとする行為をより強固に抑制することが可能となる。また、このように対向する長辺部のそれぞれにおいてフック部111及び係止受け121が設けられた構成においては、それだけ基板ボックス92の大型化が懸念される。これに対して、対応する長辺部の両方において、枠部112の内側の面が基板ボックス92の内部空間を規定する周面の一部を構成しているため、基板ボックス92の小型化を図ることが可能となる。
係止受け121は台座部124,125に対して設けられており、周壁部122,123及び内側壁部126により、フック部111と係止受け121との係止箇所は基板ボックス92の内部空間側及び基板ボックスの外側において囲まれている。これにより、フック部111と係止受け121との係止状態を不正に解除しようとする行為がそれだけ行いづらくなり、当該不正行為を阻止することが可能となる。この場合に、枠部112の内側の面及び内側壁部126の内側の面により、基板ボックス92の内部空間を規定する周面の一部が構成されているため、上記のようにフック部111と係止受け121との係止状態を不正に解除しようとする行為を阻止可能とした構成において、基板ボックス92の小型化が図られる。
枠部112の先端部は台座部124,125におけるフック部111の挿入口が形成された部位と重なっている。上記のように枠部112の内側の面により基板ボックス92の内部空間を規定する周面の一部を構成するようにした場合、枠部112と台座部124,125との間から基板ボックス92の内部空間にリード線などの不正用治具が挿入されてしまうことが想定される。これに対して、枠部112の先端部は台座部124,125におけるフック部111の挿入口が形成された部位と重なっているため、枠部112と台座部124,125との間から基板ボックス92の内部空間に不正用治具を挿入しようとする行為を阻止することが可能となる。
特に、枠部112におけるベース部110からの突出寸法を主制御基板91の厚み寸法と同一としたことにより、枠部112の内側の面において基板ボックス92の内部空間が規定された領域に主制御基板91の周縁部を挿入可能としつつ、枠部112の先端部の全体を台座部124,125におけるフック部111の挿入口が形成された部位に重ね合わせる(当接させる)ことができる。なお、枠部112におけるベース部110からの突出寸法を、主制御基板91の厚み寸法よりも大きくすることで、枠部112の先端部の全体と台座部124,125におけるフック部111の挿入口が形成された部位との重ね合わせを、余裕を持って行うことができる。
また、枠部112と台座部124,125との境界は、周壁部122,123により外側から塞がれているため、当該境界を通じて基板ボックス92の内部空間に不正用治具を挿入しようとしてもそれが行いづらくなっている。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)主制御装置の変形例を、図21(a),(b)に示す。
(1−1)図21(a)に示す主制御装置230は基板ボックス231を備えており、基板ボックス231は上記実施の形態における主制御装置63の基板ボックス92と同様に、結合構造を備えている。但し、結合構造を構成する結合部232は、基板ボックス231の一の短辺部233において両端側に1組ずつ設けられており、両結合部232は離間されている。この場合に、結合構造は、結合具を係止状態とする受け部材234を備えている。当該受け部材234は金属製であり、短辺部233の全体又は略全体に亘って設けられている。そして、離間された両結合部232の両方に亘って位置している。
本構成であっても、結合具を係止状態とする金属製の受け部材234が複数の結合部232に亘って設けられているため、各結合部232に対して個別に係止部を設ける構成に比べ、結合構造の形成作業を行う上での作業性が向上する。また、受け部材234は金属製であり、さらに短辺部233の全体に亘って設けられている。したがって、当該短辺部233を破壊して基板ボックス231の内部空間に不正にアクセスしようとする行為を、受け部材234において阻止することが可能となる。
(1−2)図21(b)に示す主制御装置240は基板ボックス241を備えており、基板ボックス241は上記実施の形態における主制御装置63の基板ボックス92と同様に結合構造を備えている。但し、結合構造は、基板ボックス241の一の短辺部だけでなく、両短辺部242,243に設けられている。この場合に、各短辺部242,243にはそれぞれ複数の結合部244が並設されている。また、両短辺部242,243のそれぞれに対して金属製の受け部材245,246が設けられている。各受け部材245,246は対応する短辺部242,243において全体又は略全体に亘って設けられている。
上記のように両短辺部242,243に結合構造が設けられていることにより、基板ボックス241の各構成体の固定をより強固に行うことができるとともに、その固定の解除に際して痕跡が残る箇所が増えることで発見の容易化が図られる。また、対向する短辺部242,243の全体又は略全体に亘って金属製の受け部材245,246が設けられていることにより、いずれかの短辺部242,243を破壊して基板ボックス241の内部空間に不正にアクセスしようとする行為を、受け部材245,246において阻止することが可能となる。
なお、図21(b)の構成において、対向する長辺部に対しても結合部244を並設するとともに、これら長辺部の全体又は略全体に亘って位置するように金属製の受け部材を設置する構成としてもよい。また、対向する長辺部にのみ結合部244を並設するとともに、これら長辺部の全体又は略全体に亘って位置するように金属製の受け部材を設置する構成としてもよい。
(2)受け部材153が凹み空間161を有していることは必須の構成ではなく、一の板部に対して係止部158が形成されており、受け部材153単体で見た場合に、当該係止部158が空間内に収容されているのではなく、露出している構成としてもよい。この場合、係止部158が空間内に収容されていないことで上記実施の形態よりもセキュリティ性が低下するものの、受け部材154の構成の簡素化が図られる。
(3)上記実施の形態ではカバー部材154を合成樹脂製としたが、これに代えて金属製としてもよい。また、合成樹脂製又は金属製のカバー部材154を表側結合領域141に固定するための専用の固定具を設けてもよく、これに代えて、合成樹脂製又は金属製のカバー部材154を表側結合領域141に接着剤を用いて固定してもよい。この場合、カバー部材154の固定に関して上記実施の形態よりも構成が複雑化するものの、カバー部材154の表側結合領域141における保持を安定した状態で行うことができる。
(4)上記実施の形態では、受け部材153を金属製としたが、裏側構成体102の壁部よりも高強度であれば金属製に限定されない。例えば、裏側構成体102を形成する合成樹脂材料又はそれとは別の合成樹脂材料にガラス繊維などの補強剤を分散させた材料により受け部材153を形成することで、裏側構成体102の壁部よりも高強度にしてもよい。また、裏側構成体102を形成する合成樹脂材料又はそれとは別の合成樹脂材料により形成したものに対してメッキなどの表面処理を施すことによって受け部材153を形成することで、裏側構成体102の壁部よりも高強度にしてもよい。
(5)カバー部材154を不具備とし、代わりに、表側結合部142に対応した形状の開口や、表側結合部142をガイドするためのガイド部としての機能が、受け部材153に一体化された構成としてもよい。この場合、受け部材153を結合領域形成部152に設置することで裏側結合領域151が形成されるため、当該裏側結合領域151の形成作業を簡略化できるとともに、カバー部材154が不具備となることで部材点数の削減が図られる。
(6)受け部材153が裏側構成体102に対してインサート成型されていてもよい。この場合であっても、各裏側結合部176に対応させて個別に受け部材が設けられた構成に比べ、単一の受け部材153とすることで、裏側構成体102を成型する金型内に受け部材153を配置する作業の作業性が向上する。
(7)表側結合部142と裏側結合部176との結合が結合具181により行われるのではなく、破断ネジにより行われる構成としてもよい。ここで、破断ネジとは、ドライバなどの工具の先端を差込可能な頭部と、ネジ溝が形成された側との連結部分の強度が低く設定されたものであり、それ以上締めることができない位置において頭部に対して上記工具によりさらに所定の力を加えることにより、上記連結部分が切断され、頭部が分離されるものである。つまり、破断ネジは、螺着後において上記工具を用いて緩める方向へ回転させることを不可とするものである。本構成の場合、受け部材153は、破断ネジを螺着するためのネジ孔部が各裏側結合部176に対応させて設けられた構成であればよい。
また、表側結合部142と裏側結合部176との結合が破断ネジではなく通常のネジにより行われる構成としてもよい。この場合に、当該通常のネジにより表側結合部142と裏側結合部176とを結合した後に、当該ネジの取り外しを不可とするようにネジの頭部を封止することで、表側結合部142と裏側結合部176との結合状態の解除が不可又は困難なものとなる。
(8)基板ボックス92から連結部144を不具備とし、代わりに、基板ボックス92において内部空間を規定する壁部に、当該壁部を複数の領域に区画するようにして切断許容部を形成する構成としてもよい。この切断許容部は、複数の貫通孔を並設することにより形成してもよく、周囲に比べ肉薄な部分に形成してもよく、周囲に比べ弱い材料により形成してもよい。
(9)主制御装置の構成を図22に示すように変更してもよい。
図22に示す主制御装置250は基板ボックス251を備えている。当該基板ボックス251は上記実施の形態における主制御装置63の基板ボックス92と同様に、表側構成体252と裏側構成体253とを備えており、これら両構成体252,253が組み合わされて形成された内部空間に主制御基板254が収容されている。
この場合に、上記実施の形態における基板ボックス92では、フック部111が表側構成体101に設けられているとともに、係止受け121が裏側構成体102に設けられていたが、本基板ボックス251では、両者の関係が逆となっている。つまり、フック部255が裏側構成体253に設けられているとともに、係止受け256が表側構成体252に設けられている。当該構成であっても、裏側構成体253においてフック部255を有する縁部にて基板ボックス251の内部空間の周面が構成されているため、上記実施の形態と同様に、基板ボックス251の小型化を図ることができる。
(10)フック部と係止受けとの位置関係について、基板ボックス92の対向する長辺部における一方と他方とで逆となる構成としてもよい。つまり、基板ボックス92の一方の長辺部では、表側構成体101にフック部を設けるとともに、裏側構成体102に係止受けを設ける。また、他方の長辺部では、表側構成体101に係止受けを設けるとともに、裏側構成体102にフック部を設ける。本構成であっても、各構成体101,102においてフック部が形成された周壁部にて、基板ボックス92の内部空間を規定する周面の一部を構成することで、基板ボックス92の小型化が図られる。
(11)上記実施の形態では、基板ボックス92の対向する長辺部に対して、フック部111及び係止受け121の組み合わせを設けるようにしたが、これに代えて、基板ボックス92の対向する短辺部に対して、フック部111及び係止受け121の組み合わせを設けるようにしてもよい。また、対向する辺部の両方に対してフック部111及び係止受け121の組み合わせを設けるのではなく、一方にのみフック部111及び係止受け121の組み合わせを設けるようにしてもよい。
(12)上記実施の形態では、フック部111と係止受け121との係止箇所を基板ボックス92の内部空間及び外側において囲むように囲み部(周壁部122,122及び台座部124,125)を設けたが、これに代えて、囲み部において内側壁部126を不具備とし、フック部111と係止受け121との係止箇所が基板ボックス92の内部空間において露出した構成としてもよい。この場合、上記実施の形態に比べ、フック部111と係止受け121との係止箇所に対してアクセスし易くなるが、台座部124,125において内側壁部126を不具備とすることができるため、上記実施の形態よりも基板ボックス92の内部空間を拡張することができる。
(13)上記実施の形態において、基板ボックス92を形成するボックス構成体の数は複数であれば任意であり、4個以上のボックス構成体を組み合わせることにより、基板ボックス92が形成される構成としてもよい。この場合に、主制御基板91と表側構成体101との間に両者の空間を遮るように別のボックス構成体が設けられていてもよく、主制御基板91と裏側構成体102との間に両者の空間を遮るように別のボックス構成体が設けられていてもよい。
(14)上記実施の形態においてフック部111及び係止受け121を不具備とし、基板ボックス92の長辺部においては表側構成体101及び裏側構成体102を接着剤により接着する構成としてもよい。
(15)上記実施の形態において主制御装置63の基板ボックス92に適用した構成を、音声ランプ制御装置66、払出制御装置82、電源及び発射制御装置83といった他の制御装置に対して適用してもよい。
(16)上記各実施の形態では、外側貯留部として上皿57aと下皿58aとを備えたパチンコ機10に本発明を適用したが、これに代えて、単一の外側貯留部を備えたパチンコ機に本発明を適用してもよい。また、停電監視装置を主制御装置63とは別に設けることで、主制御基板91は主制御回路202のみの機能を有する構成としてもよい。
(17)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
10…パチンコ機、63…主制御装置、91…主制御基板、92…基板ボックス、101…表側構成体、102…裏側構成体、103…表側周縁部、104…膨出部、105…平面部、106…裏側周縁部、111…フック部、112…枠部、121…係止受け、122…上側周壁部、123…下側周壁部、124…上側台座部、125…下側台座部、128…受け部、141…固定手段を構成する表側結合領域、142…表側結合部、144…連結部、151…固定手段を構成する裏側結合領域、152…結合領域形成部、153…受け部材、154…カバー部材、158…係止部、161…凹み空間、164,165…対向板部、174…貫通孔部、175…区画壁部、176…裏側結合部、181…結合具、185…受け板部。