JP2012210287A - レーザ治療装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ビーム品質の高いレーザ光のスペックルノイズを抑制して好適に治療を行えるレーザ治療装置を提供すること。
【解決手段】 治療レーザ光を出射するレーザ光源と、該レーザ光源から出射されたレーザ光を導光するためのマルチモードファイバと、該マルチモードファイバから出射されたレーザ光を患者の組織に照射する照射光学系と、を備えるレーザ治療装置において、
前記マルチモードファイバから出射されるレーザ光のビームプロファイルを略平坦とするために前記レーザ光源と前記マルチモードファイバとの間に配置される非線形光学素子であって、前記マルチモードファイバに入射するレーザ光のスペクトル幅を自己位相変調効果によって拡張させる非線形光学素子と、を備えること。
【選択図】 図4

Description

本発明は、患者の組織に治療用のレーザ光を照射して治療を行うレーザ治療装置に関する。
患者の組織に治療用のレーザ光を照射し治療を行うレーザ治療装置が知られている。例えば、特許文献1に開示される眼科用レーザ治療装置(光凝固装置)では、患者眼の眼底等に治療レーザ光を照射し、レーザ光のエネルギによって照射部位を熱凝固する。この装置では、レーザ光源ユニットとレーザ照射ユニット(レーザデリバリ)とが分離されており、マルチモードファイバにて光学的に接続されている。レーザ照射ユニットは、マルチモードファイバの出射端面は、患者眼の眼底と共役とする光学系を備えている。レーザ光源ユニットから出射されたレーザ光は、マルチモードファイバによって導光され、照射ユニットを介して眼底等に照射される。近年では、レーザ光源(基本波レーザ光源)として、ファイバレーザ光源を用いるものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−310653号公報 特開2007−117511号公報
特許文献1に開示されるように、レーザ光がマルチモードファイバを介して導光されることにより、マルチモードファイバの出射端上でスペックルノイズが発生し、患者眼の眼底上で焼けムラが発生しやすくなる。特許文献1に開示される技術でスペックルノイズは低減できるが、特許文献2に開示されるファイバレーザのようなビーム品質が高いレーザ光には効果が高いとは言えない。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、ビーム品質の高いレーザ光のスペックルノイズを抑制して好適に治療を行えるレーザ治療装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 治療レーザ光を出射するレーザ光源と、該レーザ光源から出射されたレーザ光を導光するためのマルチモードファイバと、該マルチモードファイバから出射されたレーザ光を患者の組織に照射する照射光学系と、を備えるレーザ治療装置において、
前記マルチモードファイバから出射されるレーザ光のビームプロファイルを略平坦とするために前記レーザ光源と前記マルチモードファイバとの間に配置される非線形光学素子であって、前記マルチモードファイバに入射するレーザ光のスペクトル幅を自己位相変調効果によって拡張させる非線形光学素子と、
を備える、ことを特徴とする。
(2) (1)のレーザ治療装置において、
前記レーザ光源は、レーザ光の中心波長に対して±0.2nm未満のスペクトル幅のレーザ光を出射し、
前記非線形光学素子は、患者眼に照射されるレーザ光の波長が所期する治療効果を果たすために、前記レーザ光源から出射されたレーザ光の波長が±0.5nm以上、±10nm以下となるスペクトル幅に拡張する、ことを特徴とする。
(3) (1)又は(2)のレーザ治療装置において、
前記非線形光学素子は、レーザ光源から連続出射されるレーザ光のスペクトル幅を拡張させるために,シングルモードファイバである、ことを特徴とする。
(4) (3)の何れかのレーザ治療装置において、
前記シングルモードファイバの出射端は、前記マルチモードファイバの入射端に融着されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、ビーム品質の高いレーザ光のスペックルノイズを抑制して好適に治療を行える。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、眼科用レーザ治療装置として、患者眼の眼底等の光凝固治療を行う眼科用レーザ治療装置を例に挙げる。図1は眼科用レーザ治療装置の光学系及び制御系の概略構成図である。
眼科用レーザ治療装置100は、大別して、レーザ光源ユニット10が配置された本体部100Aと、治療レーザ光を患者眼へと照射する照射光学系80が配置されたデリバリ部100B(レーザ照射ユニット)であって,患者眼を観察するスリットランプに取り付けられたデリバリ部100Bと、レーザ光源ユニット10からのレーザ光をデリバリ部100Bに配置された照射光学系80に導光する導光用のファイバ(マルチモードファイバ)50を含む導光光学系と、を備える。本体部100Aとデリバリ部100Bは、個別のユニットであり、離れた位置に置かれて使用される。ファイバ50は、離れた位置に置かれた本体部100Aとスリットランプデリバリ部100Bを光学的に繋ぐ役割を持つ。ファイバ50は、数m程度の長さとされる。
本体部100Aは、治療レーザ光を出射するレーザ光源ユニット10と、治療レーザ光の出力、照射時間等の治療レーザ光の照射条件、装置の設定・操作を行う操作ユニット20と、装置全体を制御する制御ユニット30と、を備える。デリバリ部100Bにおけるスリットランプは、患者眼を照明する照明ユニット60、観察光学系としての双眼の顕微鏡ユニット70を備える。
本体部100Aに配置されたレーザ光源ユニット10は、レーザ光源としてのファイバレーザ11と波長変換素子13とを組み合せて、基本波レーザ光の第2高調波の波長のレーザ光(第2高調波レーザ光)を得る(出射させる)SHG(Second Harmonic Generation)レーザの構成とする。本実施形態では、近赤外光の基本波を、治療に適した可視光(中波長〜長波長領域)のレーザ光に波長変換する構成とする。ファイバレーザ11は、励起光源11a及び励起光源11aに接続され共振器(励起光を発振させる)となるファイバ11bと、を備えている。ファイバレーザ11は、連続波(CW:Continuous Wave)の基本波レーザ光を出射する。
レーザ光源ユニット10は、ファイバレーザ11から出射された基本波レーザ光を波長変換素子13に入射させる集光光学系としてのレンズ12と、入射レーザ光をその第2高調波(レーザ光)に変換する波長変換素子13と、波長変換素子13を透過したレーザ光を波長により分割するダイクロイックミラー14aと、波長変換されなかったレーザ光を吸収するダンパ14bと、第2高調波レーザ光の一部をパワーモニタ42へ反射させるビームスプリッタ15と、第2高調波レーザ光を遮断する安全シャッタ16と、エイミング光源43から出射されたエイミング光の光軸をレーザ光の光軸と同軸とするためのダイクロイックミラー17と、フォトニック結晶ファイバ19の入射端面にレーザ光を結像させる結像光学系としてのレンズ18と、レーザ光(第2高調波)のスペクトルを拡張させる非線形光学素子であるフォトニック結晶ファイバ(以下、結晶ファイバと略す)19と、を備える。なお、波長変換素子13は、波長変換効率を一定に維持とするために波長変換素子の温度を調節する温度調節ユニット41を備える。温度調節ユニット41としては、接触物(波長変換素子13)に加熱、吸熱可能なペルチェ素子とペルチェ素子の駆動回路を備えている。
励起光源11aは、レーザダイオードとされ、ファイバ11bは、土類金属等の特定の元素がドープされたシングルモードファイバである。ファイバレーザ11からは、近赤外域のレーザ光、例えば、波長1064nmの赤外レーザ光(基本波レーザ光)が出射される。波長変換素子13は、非線形結晶から作製された擬似位相整合素子であり、基本波レーザ光の波長に合わせて分極反転周期が決定されている。ここで、波長変換素子13は、波長1064nmのレーザ光の第2高調波である波長532nmのレーザ光(治療レーザ光)を得る構成とする。治療レーザ光としては、可視光領域で中長波長(緑色〜赤色)の領域が用いられることが好ましい。励起光源11aは、制御ユニット30の駆動信号(印加電流)に基づいて励起発光する。制御ユニット30は、ファイバレーザ11から出射されるレーザ光が、設定されたパルス幅(持続時間幅)となるように、励起光源11aを駆動させる。本実施形態では、パルス幅は、0.01ms〜3s程度とする。このようにして、ファイバレーザ11、レンズ12、波長変換素子13が、治療レーザ光のレーザ光源となる。
ダイクロイックミラー14aは、可視光を透過し、赤外光を反射する特性を持ち、波長変換された可視のレーザ光と波長変換されなかった赤外のレーザ光を分離する機能を有する。ビームスプリッタ15は、光軸上のレーザ光を僅かに反射する(例えば、5%)特性を有する。パワーモニタ42は、治療レーザ光の出力を検出(モニタ)し、制御ユニット30へと送る。パワーモニタ42には、フォトダイオード等の受光素子、イメージセンサ等の撮像素子が用いられる。ダイクロイックミラー17は、エイミング光(の波長)を反射し、治療レーザ光(の波長)を透過する特性を持ち、エイミング光と治療レーザ光を同軸とする役割を持つ。エイミング光源43は、治療レーザ光の照射位置が術者に確認できるように、エイミング光として適した波長のレーザ光を出射するレーザダイオードとされる。エイミング光源43は、可視レーザ光を出射する構成とする。ダイクロイックミラー17で、エイミング光と治療レーザ光とが合波されたレーザ光は、レンズ18を介して結晶ファイバ19へと入射される。結晶ファイバ19の出射端と光ファイバ50の入射端は融着されており、結晶ファイバ19に入射されたレーザ光は非線形効果により自己位相変調を受けて、高効率(高い結合効率)でファイバ50へと導光される。結晶ファイバ19とファイバ50は、それぞれの光軸が一致するように接続されている。ダイクロイックミラー14aで反射された赤外レーザ光は、ダンパ14bへと導かれ吸収される。ビームスプリッタ15とミラー17との間には、安全シャッタ16が置かれている。安全シャッタ16が、光路へ挿入されることにより、レーザ光源ユニット10からの治療レーザ光の出射が遮断される。
結晶ファイバ19は、コア部と、コア部に沿って形成された多孔部(クラッド)と、を有したシングルモードファイバである。本実施形態の結晶ファイバは、連続波である治療レーザ光に対して充分な非線形効果(例えば、後述する自己位相変調効果)を作用させるために、充分な長さを有する。このような非線形効果により、レーザ光のスペクトル幅を拡張させる(半値幅を広げる)。フォトニック結晶による非線形効果は、パルスレーザ光に対して顕著に作用するが、連続波のレーザ光への作用は大きくない。このため、本実施形態のような連続波である治療レーザ光に対し充分な非線形効果を作用させるためには、非線形光学素子(結晶ファイバ19)の光軸方向の長さを所定以上必要とする。例えば、結晶ファイバ19に入射するレーザ光のスペクトル幅が0.2nm(中心波長に対して±0.1nm)であり、そのスペクトル幅を20nm(中心波長に対して±10nm)程度まで拡張する場合、結晶ファイバ19は、少なくとも数mの長さとされ、好ましくは、十m程度から数十m程度までの長さとされる。なお、結晶ファイバ19に入射する治療レーザ光は、サージパルス等の影響が少なく、数十mW〜数W程度の出力のレーザ光とする。また、結晶ファイバの技術は、特開2004−4320号公報に開示されている。
操作ユニット20は、治療レーザ光を照射するトリガ信号を入力するためのフットスイッチ21、入出力手段であるタッチパネル式のモニタ22、を備える。モニタ22の操作により術者はグラフィカルに照射条件等の設定と確認ができる。モニタ22には、治療レーザ光のパルス幅(照射時間)を設定するパルス幅設定部23、治療レーザ光の出力を設定する出力設定部24、を備える。パルス幅設定部23は、現在設定(選択)されているパルス幅を表示する表示部23a、パルス幅を短くする設定信号を入力するスイッチ23b、パルス幅を長くするための設定信号を入力するスイッチ23c、を備える。同様に、出力設定部24は、現在設定(選択)されている出力(治療レーザ光の出力)を表示する表示部24a、出力を低くする設定信号を入力するスイッチ24b、出力を高くするための設定信号を入力するスイッチ24c、を備える。
制御ユニット30は、装置の統合・制御・判定等を行うユニットであり、励起光源11a、安全シャッタ16、温度調節ユニット41、パワーモニタ42、エイミング光源43、フットスイッチ21、モニタ22、メモリ31が接続される。
次に、デリバリ部100Bの構成を説明する。スリット光を投光する照明ユニット60は、可視光を出射する照明光源、コンデンサレンズ、照明用のスリット光を得るためのスリット板、投光レンズ、分割ミラーを備える。照明ユニット60には、各光学素子により照明光学系が構成される。照明ユニット60から出射されたスリット光は、コンタクトレンズCLを介して患者眼の眼底に投光される。
双眼の顕微鏡ユニット70は、対物レンズ、変倍用のレンズを切り替え配置する変倍光学系、治療レーザ光の反射光から術者眼OEを保護する保護フィルタ、光路を折り曲げる正立プリズム群、光量調整用の視野絞り、接眼レンズを備える。顕微鏡ユニット70は、照明された患者眼PEの眼底からの反射光を術者眼OEへと導光する。顕微鏡ユニット70には、各光学素子により観察光学系が構成される。
照射光学系80は、レンズ81、レーザ光のスポットサイズを変更するために光軸に沿って移動可能なズームレンズ(変倍光学系)82、対物レンズ83、反射ミラー84、を備える。照射光学系80により、ファイバ50の出射端面の像を所定のスポットサイズとしてターゲットである患者組織(ここでは、患者眼PEの眼底)に結像される。従って、照射光学系80は、パーフォーカル光学系となる。なお、本実施形態では、ファイバ50のコア径は、50μmとし、照射光学系80により、結像倍率(眼底でのスポットサイズ)を1〜20倍の間で変更させる構成とする。
次に、治療レーザ光のスペクトル幅の拡張と、ビームプロファイルの平坦化(均一化、平滑化)について説明する。図2は、レーザ光のスペクトルを説明する図である。図3は、スペクトル幅の狭いレーザ光をマルチモードファイバに通したときのビームプロファイル(スペックルパターン)を示した模式図である。図4は、各波長のレーザ光をマルチモードファイバに通したときのビームプロファイルを説明する図である。なお、図3、4のビームプロファイルは、ファイバ50(マルチモードファイバ)の出射端面位置において、光軸を通る断面上のプロファイル(強度分布)とする。また、説明の簡便のため、マルチモードファイバは直線形状と仮定する。
図2に示すように、ファイバレーザ11から出射され、波長変換された治療レーザ光(波長=532nm)B1は、ビーム品質が高い。具体的には、M2(ビームクオリティファクタ)が1.0に近い。このため、スペクトル幅は狭く、例えば、中心波長に対するスペクトル幅は±0.2nm以下、ここでは、±0.1nm程度とする。波長変換素子13の変換効率を考慮すると、設定された中心波長に対してスペクトル幅が広がったとしても、±0.2nmとなる。また、図示は略すが、レーザ光B1のビームプロファイルは、ガウシアンとなっている。ここで、レーザ光B1がファイバ50を通ると想定する。レーザ光B1は、ファイバ50内で全反射を繰り返すことにより干渉が起こって、図3に示すスペックルパターンを示す。このビームプロファイルは、レーザ光B1の全波長に亘っている。このようなスペックルパターンは、患者眼の眼底へと結像されることとなり、熱の拡散に偏りが生じることとなり、焼けムラの原因となりやすい。なお、図3は、模式図であり、実際のファイバ50は屈曲して保持され、レーザ光B1のビームプロファイルは偏ってしまうことが多い。
一方、図2において、レーザ光B2は、波長変換された治療レーザ光(B1)を結晶ファイバ19に透過させたときのスペクトルを示している。結晶ファイバ19内を通るレーザ光B1のスペクトルは、自己位相変調(SPM:Self Phase Modulation)により拡張される。本実施形態では、波長(=532nm)を中心に、少なくとも1.0nm(中心波長に対して、±0.5nm)の幅でスペクトル幅を広げるものとする。このとき、図2におけるレーザ光B1の面積(波長幅と強度の積と一致)と、レーザ光B2の面積とが、概ね一致する。従って、結晶ファイバ19でのエネルギ損失は極めて小さいこととなる。このため、スペクトルが拡張されると、レーザ光のピーク強度は低下することとなる。言い換えると、レーザ光の強度分布において、スペクトル幅の拡張に応じて強度が拡散することとなる。
なお、スペクトル幅の拡張に関し、ファイバ50から出射するレーザ光のスペックルノイズを低減し、ビームプロファイルを平坦化する上では、スペクトル幅をできるだけ広くした方が良い。しかし、スペクトル幅が広すぎると、治療レーザ光の組織への侵達(進達)度、治療効果等に影響する。このため、スペクトル幅の拡張は、治療レーザ光(波長変換素子13で波長変換されたレーザ光)の中心波長に対して±10nmまでとする。好ましくは、±5nmまでであり、さらに好ましくは±1nmまでである。
ここで、レーザ光B2の5つの波長(λ0、λ1、λ2、λ3、λ4)に注目する。λ0は、中心波長の532nmであり、波長λ1、λ2は、短波長側に拡張された波長のおいて、531.5nm、531nmに対応する。同様に、波長λ3、λ4は、長波長側に拡張された波長において、532.5nm、533nmに対応する。図4の左側には、各波長(λ0〜λ4)でのレーザ光のビームプロファイル(スペックルパターン)が模式的に示されている。図2の場合と同様に、各波長では、異なる形状のスペックルパターンが表れている。各波長間では、干渉性は低い(レーザ光B2の縦モードの干渉性が低下する)。このため、レーザ光B2が入射するファイバ50内では、各波長(モード)が混在し、各波長毎にスペックルパターンが発生するが、これらのスペックルパターンは干渉することなく重なり合う。従って、図4の右側に示すビームプロファイルでは、波長λ0〜λ4のスペックルパターンが足し合わされた形状となる。スペックルパターンが異なる波長毎に足し合わされることによって、スペックルの山、谷が打ち消しあって、概ね平坦となる。 これにより、レーザ光B1がファイバ50を透過した場合のビームプロファイルは、上部が平坦なトップハット状となる。

以上のような構成を備える装置において、手術時の動作を説明する。術者は手術に先立ち、治療レーザ光の照射条件の設定を行う。装置100の電源を入れると、モニタ22のパルス幅設定部23の表示部23a及び出力設定部24の24aに現在の照射条件が表示される。術者は、スイッチ23b、23cを操作して所期するパルス幅を設定する。また、術者は、スイッチ24b、24cを操作して所期する治療レーザ光の出力値を設定する。設定されたパルス幅と出力は、メモリ31に記憶される。出力が設定されると、制御ユニット30は、励起光源11aを駆動する。制御ユニット30は、温度調節ユニット41を駆動し、一定の変換効率となるように波長変換素子13の温度を維持する。また、制御ユニット30は、シャッタ16を光路に挿入し、テスト照射を行う。設定された出力値に基づいて励起光源11aを駆動し、波長変換された治療レーザ光の一部をパワーモニタ42で受光し、出力を確認する。
装置100の設定が終わると、術者は患者眼を観察及びスポットの位置合せを行う。照明ユニット60を操作し、照明光によって眼底を照明する。眼底は顕微鏡ユニット70を通して観察される。術者は、図示なきスイッチによりエイミング光源43を点灯し、スポット径を調整して、所望のスポットサイズとする。照射光学系80を介して患者眼PEの眼底に照射される。術者はエイミング光の患部への位置合わせを行った後、フットスイッチ21を押して治療レーザ光の照射を行う。
このとき、制御ユニット30は、安全シャッタ16を光路から外し、励起光源11aを駆動する。励起光が入射されたファイバ11bからは赤外の基本波レーザ光が出射(発振)され、基本波レーザ光は、波長変換素子13により可視の治療レーザ光に変換され、結晶ファイバ19を介してファイバ50へと入射される。結晶ファイバ19でスペクトル幅が拡張された治療レーザ光は、ファイバ50内を通ることによって、全体としてスペックルノイズが低減される。ファイバ50から出射された治療レーザ光は、レンズ81、ズームレンズ82、対物レンズ83、反射ミラー84、コンタクトレンズCLを介して患者眼PEの眼底へと照射される。このとき、治療レーザ光の眼底上でのビームプロファイルは、トップハット状となっている。
以上のようにして、ビーム品質が高いレーザをマルチモードファイバで導光しても、スペックルの影響を抑制して、治療に適した平坦化されたトップハット状のビームプロファイルを得ることができ、治療が行える。
なお、以上説明した本実施形態では、結晶ファイバ19の出射端とファイバ50の入射端を互いの光軸が一致するように融着する構成としたが、ファイバ50に対して結晶ファイバ19の光軸を偏心させる構成としてもよい。このような場合、ファイバ50内で、各波長におけるレーザ光のスペックルパターンが多様化し、ビームプロファイルの平坦化が進む可能性がある。また、結晶ファイバ19とファイバ50は、必ずしも融着しなくてもよい。結晶ファイバ19から出射したレーザ光を、レンズを用いてファイバ50の入射端面に集光させる構成としてもよい。
また、以上説明した本実施形態では、非線形光学素子としてフォトニック結晶ファイバを用いる構成としたが、これに限るものではない。ファイバ50に入射する治療レーザ光のスペクトルを非線形効果により拡張できる光学素子であればよい。例えば、ファイバコアにドープされることによってファイバの非線形性を高めることができる元素、化合物をドープしたファイバ、シリカファイバであってもよい。コアにドープする物質としては、ゲルマニウム、ゲルマニウムの酸化物、フッ化物、希土類、等が挙げられる。シリカファイバの場合には、著しく長く(例えば、数km)とすることで、透過するレーザ光に非線形効果を作用させる構成とする。また、非線形光学素子は、ファイバの形態に限るものではない。バルクの非線形結晶に治療レーザ光を透過させる構成としてもよい。この場合、非線形結晶に入射させる治療レーザ光は、略平行光とし、出射した治療レーザ光をレンズでファイバ50の入射端に集光させる光学系を用いる。
また、以上の説明では、基本波レーザ光を出射するレーザ光源としてファイバレーザを挙げたが、これに限るものではない。レーザ光源としては、比較的スペクトル幅が狭いレーザ光源、例えば、固体レーザであってもよい。また、以上の説明では、赤外レーザ光を可視レーザ光に変換する構成としたが、これに限るものではない。赤外光を赤外光(基本波となる赤外光の第2高調波等)に変換する構成としてもよい。
また、以上の説明では、励起光源11aを駆動(電流制御)することによって、設定されたパルス幅で治療レーザ光を出射させる構成としたが、これに限らない。安全シャッタを治療レーザ光の光軸に挿脱することによって、治療レーザ光の出射を制御する構成としてもよい。また、以上の説明では、治療レーザ光を連続波として出射する構成としたが、これに限るものではなない。組織に照射される治療レーザ光のビームプロファイルが平坦状であることが好ましい治療においては、治療レーザ光を適宜パルス発振させてもよい。なお。このような場合、パルスは機械的破壊作用を持つジャイアントパルスでないことが好ましい。
また、以上の説明では、患者眼の眼底に治療レーザ光を照射する装置を例に挙げたが、患者の組織に治療レーザ光を照射・導光して治療する装置であれば、本発明は、何れの装置でも適用できる。
眼科用レーザ治療装置の光学系及び制御系の概略構成図である。 レーザ光のスペクトルを説明する図である。 スペクトル幅の狭いレーザ光をマルチモードファイバに通したときのビームプロファイル(スペックルパターン)を示した模式図である。 各波長のレーザ光をマルチモードファイバに通したときのビームプロファイルを説明する図である。
10 レーザ光源ユニット
11 ファイバレーザ
19 フォトニック結晶ファイバ
13 波長変換素子
20 操作ユニット
30 制御ユニット
31 メモリ
50 光ファイバ

Claims (4)

  1. 治療レーザ光を出射するレーザ光源と、該レーザ光源から出射されたレーザ光を導光するためのマルチモードファイバと、該マルチモードファイバから出射されたレーザ光を患者の組織に照射する照射光学系と、を備えるレーザ治療装置において、
    前記マルチモードファイバから出射されるレーザ光のビームプロファイルを略平坦とするために前記レーザ光源と前記マルチモードファイバとの間に配置される非線形光学素子であって、前記マルチモードファイバに入射するレーザ光のスペクトル幅を自己位相変調効果によって拡張させる非線形光学素子と、
    を備える、ことを特徴とするレーザ治療装置。
  2. 請求項1のレーザ治療装置において、
    前記レーザ光源は、レーザ光の中心波長に対して±0.2nm未満のスペクトル幅のレーザ光を出射し、
    前記非線形光学素子は、患者眼に照射されるレーザ光の波長が所期する治療効果を果たすために、前記レーザ光源から出射されたレーザ光の波長が±0.5nm以上、±10nm以下となるスペクトル幅に拡張する、ことを特徴とするレーザ治療装置。
  3. 請求項1又は2のレーザ治療装置において、
    前記非線形光学素子は、レーザ光源から連続出射されるレーザ光のスペクトル幅を拡張させるために,シングルモードファイバである、ことを特徴とするレーザ治療装置。
  4. 請求項3の何れかのレーザ治療装置において、
    前記シングルモードファイバの出射端は、前記マルチモードファイバの入射端に融着されている、ことを特徴とするレーザ治療装置。
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