以下、本発明の実施形態について図1乃至図4を参照して説明する。各図においてリード線等による配線接続関係は省略して示している場合がある。なお、同一部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
本実施形態の照明器具は、器具取付面に設置された配線器具としての引掛けシーリングボディに取付けられて使用される一般住宅用のものであり、基板に実装された複数の発光素子を有する光源部から放射される光によって室内の照明を行うものである。
図1乃至図3において、照明器具は、本体1と、光源部2と、拡散部材3と、点灯装置4と、点灯装置カバー5と、取付部6と、カバー部材7とを備えている。また、器具取付面としての天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに電気的かつ機械的に接続されるアダプタAを備えている。このような照明器具は、丸形の円形状の外観に形成され、前面側を光の照射面とし、背面側を天井面Cへの取付面としている。
本体1は、冷間圧延鋼板等の金属材料の平板から円形状に形成されたシャーシであり、略中央部に、後述する取付部6を配設するための円形状の開口11が形成されている。また、光源部2が取付けられる内面側の平坦部12の外周側には、背面側に向かう段差部13が形成されて樋状の凹部14が形成されている。そして、前記段差部13には、カバー部材7が着脱可能に取付けられるカバー受部材が配置されている。カバー受部材は、より詳しくは、カバー受金具75であり、段差部13によって形成される凹部14に配置されるようになっている。さらに、本体1の背面側には、弾性部材15が設けられている。
光源部2は、基板21と、この基板21に実装された複数の発光素子22とを備えている。基板21は、所定の幅寸法を有した円弧状の4枚の基板21が繋ぎ合わされるように配設されて全体として略サークル状に形成されている。つまり、全体として略サークル状に形成された基板21は、4枚の分割された基板21から構成されている。
このように分割された基板21を用いることにより、基板21の分割部で熱的収縮を吸収して基板21の変形を抑制することができる。なお、複数に分割された基板21を用いることが好ましいが、略サークル状に一体的に形成された一枚の基板を用いるようにしてもよい。
基板21は、絶縁材であるガラスエポキシ樹脂(FR−4)の平板からなり、表面側には銅箔によって配線パターンが形成されている。また、配線パターンの上、つまり、基板21の表面には反射層として作用する白色のレジスト層が施されている。なお、基板21の材料は、絶縁材とする場合には、セラミックス材料又は合成樹脂材料を適用できる。さらに、金属製とする場合は、アルミニウム等の熱伝導性が良好で放熱性に優れたべース板の一面に絶縁層が積層された金属製のべース基板を適用できる。
発光素子22は、LEDであり、表面実装型のLEDパッケージである。このLEDパッケージが複数個サークル状の基板21の周方向に沿って、つまり、取付部6を中心とする略円周上に複数列、本実施形態では、内周側及び外周側の2列に亘って実装されている。また、LEDパケージには、発光色が昼白色Nのものと電球色Lのものとが用いられており、これらが交互に並べられていて、各列の隣接する発光素子22は略等間隔を空けて配設されている。この昼白色と電球色のLEDパッケージに流れる電流等を調整することにより調色が可能となっている。
なお、発光素子22は、必ずしも複数列に実装する必要はない。例えば、周方向に沿って1列に実装するようにしてもよい。所望する出力に応じて発光素子22の列数や個数を適宜設定することができる。
LEDパッケージは、概略的にはセラミックスや合成樹脂で形成された本体に配設されたLEDチップと、このLEDチップを封止するエポキシ系樹脂やシリコーン樹脂等のモールド用の透光性樹脂とから構成されている。LEDチップは、青色光を発光する青色のLEDチップである。透光性樹脂には、昼白色や電球色の光を出射できるようにするために蛍光体が混入されている。
なお、LEDは、LEDチップを直接基板21に実装するようにしてもよく、また、砲弾型のLEDを実装するようにしてもよく、実装方式や形式は、格別限定されるものではない。
拡散部材3は、レンズ部材であり、例えば、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の絶縁性を有する透明合成樹脂からなり、前記発光素子22の配置に沿って略サークル状に一体的に形成されていて、発光素子22を含めて基板21の全面を覆うように配設されている。
また、レンズ部材は、略サークル状の内周側部分と外周側部分とに発光素子22に対向して円周方向に2条の山形であって、断面形状が一定の突条部31が連続して形成されている。この突条部31の内側には、U字状の溝32が円周方向に沿って連続して形成されている。したがって、U字状の溝32は、複数の発光素子22と対向して配置されるようになっており、複数の発光素子22は、U字状の溝32内に収められて覆われている状態となっている。
さらに、これら突条部31からは幅方向に延出する平坦部33が形成されており、これにより基板21の全面が覆われるようになっている。
このように構成されたレンズ部材によれば、複数の発光素子22から出射された光は、突条部31によって、主として円周上の内周方向及び外周方向に拡散されて放射される。すなわち、発光素子22から出射された光は、発光素子22が配置されたところのサークル状の中心を原点とする半径方向へ主として拡散して放射されるようになる。
したがって、レンズ部材によって複数の発光素子22から出射される光による照射光の均斉度を向上することが可能となる。さらに、各発光素子22の輝度による粒々感を抑制することができる。この場合、拡散による配光角度を120度〜160度程度に設定するのが望ましい。
また、拡散部材3には、平坦部33が形成されて基板21の全面を覆うようになっているので、充電部が拡散部材3によって覆われ保護される。
なお、拡散部材3は、略サークル状に一体的に形成されていなくてもよい。例えば、分割された基板21に対応して、これらの基板21ごとに分割して形成するようにしてもよい。この場合には、一つの基板21に実装された複数の発光素子22ごとに連続して拡散部材3によって覆われるようになる。
また、拡散部材3は、レンズ部材に限らず、拡散シート等を適用するようにしてもよい。上記のように構成された光源部2は、基板21が取付部6の周囲に位置して、発光素子22の実装面が前面側、すなわち、下方の照射方向に向けられて配設されている。また、基板21の裏面側が本体1の内面側の平坦部12に密着するように面接触して取付けられている。具体的には、基板21の前面側から拡散部材3が重ね合わされ、この拡散部材3を例えば、ねじS等の固定手段によって本体1に取付けることにより、基板21は、本体1と拡散部材3との間挟み込まれて押圧固定されるようになっている。つまり、1本のねじSによって基板21と拡散部材3とが共締めされている。
したがって、基板21は、本体1と熱的に結合され、基板21からの熱が裏面側から本体1に伝導され放熱されるようになっている。なお、基板21と本体1との面接触は、基板21の全面が本体1に接触する場合に限らない。部分的な面接触であってもよい。
加えて、拡散部材3における平坦部33は、基板21の実装面側に密着するように面接触しているので、基板21の実装面側から熱が拡散部材3に伝わり、拡散部材3を経由して放熱することが可能となる。つまり、基板21の前面側からも放熱できるようになっている。
点灯装置4は、回路基板41と、この回路基板41に実装された制御用IC、トランス、コンデンサ等の回路部品42とを備えている。回路基板41は、取付部6の周囲を囲むように略円弧状に形成されていて、アダプタA側が電気的に接続されて、アダプタAを介して商用交流電源に接続されている。したがって、点灯装置4は、この交流電源を受けて直流出力を生成し、リード線を介してその直流出力を発光素子22に供給し、発光素子22を点灯制御するようになっている。
このような点灯装置4は、取付部6と光源部2、すなわち、基板21との間に配設されている。
点灯装置カバー5は、冷間圧延鋼板等の金属材料によって略短円筒状に形成され、点灯装置4を覆うように本体1に取付けられている。側壁51は、背面側に向かって拡開するように傾斜状をなしており、前面壁52には、取付部6と対応するように開口部53が形成されている。したがって、発光素子22から出射される一部の光は、側壁51によって前面側に反射され有効に利用されるようになる。また、この開口部53に周縁には背面側へ凹となる円弧状のガイド凹部54が形成されている。
取付部6は、略円筒状に形成されたアダプタガイドであり、このアダプタガイドの中央部には、アダプタAが挿通し、係合する係合口61が設けられている。このアダプタガイドは、本体1の中央部に形成された開口11に対応して配設されている。アダプタガイドの外周部には、この外周部から突出するように基台が形成されていて、この基台には赤外線リモコン信号受信部や照度センサ等の電気的補助部品62が配設されている。
なお、取付部6は、必ずしもアダプタガイド等と指称される部材である必要はない。例えば、本体1等に形成される開口であってもよく、要は、配線器具としての引掛けシーリングボディCbに対向し、アダプタAが係合される部材や部分を意味している。
カバー部材7は、アクリル樹脂等の透光性を有し、乳白色を呈する拡散性を備えた材料から略円形状に形成されている。カバー部材7は、光源部2および電気的補助部品62などを含めた本体1の前面側を覆うように本体1の外周縁部に着脱可能に取付けられるようになっている。具体的には、カバー部材7を回動することによって、カバー部材7に設けられたカバー取付金具を本体1の外周部の段差部13における凹部14に配設されたカバー受金具75に係合することにより取付けられる。また、カバー部材7を取外す場合には、カバー部材7を取付時とは反対方向に回動して、カバー取付金具74とカバー受金具75との係合を解くことにより、取外すことができる。
電気的補助部品62の1部品である赤外線リモコン信号受信部は、赤外線受光ICであり、光電変換素子であるフォトダイオードや増幅器などから構成されており、赤外線リモコン送信器Rから送信される赤外線制御信号を受信して発光素子61の発光状態等を制御するように動作する。照度センサは、フォトダイオードなどからなっており、周囲の明るさを測定して検出信号を出力するように動作する。これにより周囲が明るい場合には、発光素子61を減光(調光)して点灯するようにしてもよい。
なお、照度センサ内には可視光領域の感度特性を有する照度センサから得られる出力を検出して点灯装置5に伝送される。しかし、光源部3および電気的補助部品62は、拡散性を有するカバー部材7内に配設されているため、カバー部材7の光拡散作用や、カバー部材7内面にて反射する反射光を検知することで、例えば照度センサは、器具直下の領域の照度とカバー部材7内にて拡散された照度を感知して調光制度が低下するおそれもある。このような場合には、点灯装置4の制御手段によって制御することが考えられる。例えば、カバー部材7を介して検出される照度検出値が大きくなり、実際の床面の照度との照度誤差が増大した場合、照度センサにより検出された照度検出値から照度誤差を削除した値に補正することにより、照度センサの検出精度を向上させることができる信頼性の高い動作を確保することができる。
また、カバー部材7内の拡散光や反射光を照度センサが感知し、調光制度が低下する虞のある場合には、別の方法として例えば、図4に示すような、照度センサ受光部とカバー部材7内面との間に、遮光可能な間接光遮光部材82を配設するなどしても構わない。なお、本実施の形態において、間接遮光部材82は黒色円筒状のスポンジであり、電機補助部品62としての照度センサ検出部を円筒状の開口に位置させ、スポンジの上下面を取付部6面およびカバー部材7に密着させている。なお、照度センサ誤動作を抑制する手段を設ける場合には、その構成などは限定されるものではないさらに、照度センサのみならず、人感センサなどの誤作動を抑制するための手段をさらに設けても構わない。
このようにカバー部材7が本体1に取付けられた状態においては、カバー部材7の内面側は、点灯装置カバー5の前面壁52に面接触するまたは近接配置される。なお、点灯装置カバー5の切り欠きには、電気的補助部品62の赤外線リモコン信号受信部および照度センサが介在し、カバー部材7の内面と近接配置している。なお、点灯装置4等から発生する熱は、接触または近接配置された点灯装置カバー5へ伝導し、さらにカバー部材7へ伝導させて放熱を促進することが可能となる。
なお、拡散部材3とカバー部材7との間の距離は、20〜60mm、好ましくは30〜50mmに設定されている。これにより、発光素子22から出射される光が拡散され照射光の均斉度が良好となり、また、基板21の実装面側から拡散部材3に伝導された熱がカバー部材7を経由して効果的に放熱されるようになる。
アダプタAは、天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに、上面側に設けられた引掛刃によって電気的かつ機械的に接続されるもので略円筒状をなし、周壁の両側には一対の係止部A1が、内蔵されたスプリングによって常時外周側へ突出するように設けられている。この係止部A1は下面側に設けられたレバーを操作することにより没入するようになっている。また、このアダプタAからは、前記点灯装置4へ接続する電源コードが導出されていて、点灯装置4とコネクタを介して接続されるようになっている。
次に、照明器具の天井面Cへの取付状態を説明する。まず、予め天井面Cに設置されている引掛けシーリングボディCbにアダプタAが電気的かつ機械的に接続されている。この状態から取付部6としてのアダプタガイドの係合口61をアダプタAに合わせながら、アダプタAの係止部A1がアダプタガイドの係合口61に確実に係合するまで器具本体を下方から手で押し上げて取付け操作を行う。そして、カバー部材7を本体1に取付ける。この取付完了状態が示す状態であり、このとき、弾性部材15が天井面Cと本体1の背面側との間に密着状態で介在され、照明器具は、天井面Cに固定状態となる。
また、照明器具を取外す場合には、カバー部材7を取外し、アダプタAに設けられているレバーを操作してアダプタAの係止部A1の係合を解くことにより取外すことができる。
照明器具の天井面Cへの取付状態において、点灯装置4に電力が供給されると、基板21を介して発光素子22に通電され、各発光素子22が点灯する。発光素子22から出射された光は、複数の発光素子22を連続して覆う拡散部材3によって半径方向へ拡散されるとともに、前面側へ放射される。前面側へ放射された光は、カバー部材7によって拡散され透過して外方へ照射される。したがって、照射光の均斉度の向上を図ることができるとともに、各発光素子22の輝度による粒々感を抑制することが可能となる。
また、半径方向の内周側へ向かう一部の光は、点灯装置カバー5における傾斜状の側壁51によって前面側に反射され有効に利用されるようになる。
さらに、カバー受金具75は、本体1の外周に形成された段差部13に配置されているので、前面側への突出量が少なく、発光素子22から出射される光の障害物となるのを抑制できる。
一方、発光素子22から発生する熱は、基板21の裏面側が本体1に面接触しているため、本体1に効果的に伝導され、広い面積で放熱されるようになる。また、基板21の外周側近傍には、基板21の外周に沿って段差部13が位置しているため、この段差部13によって放熱面積を増大させることができ、本体1外周部での放熱効果を高めることが可能となる。加えて、この段差部13は、本体1の補強効果を奏することができるものとなっている。
また、点灯装置4は、取付部6と基板21との間に配設されているため、点灯装置4は、基板21から熱的影響を受けるのを軽減される。これは、基板21の熱は、本体1の外周方向に向かって伝導し、放熱される傾向にあることに起因するものである。
さらに、カバー部材7は、点灯装置カバー5に面接触するようになっているので、点灯装置4から発生する熱を点灯装置カバー5へ伝導し、さらにカバー部材7へ伝導させて放熱をさせることができる。
加えて、拡散部材3における平坦部33は、基板21の実装面側に面接触しているので、基板21の実装面側から拡散部材3を経由して前面側からも放熱することが可能となる。また、この場合、拡散部材3は、基板21の全面を覆うようになっているので充電部が保護されるようになる。
以上のように本実施形態によれば、電気的補助部品62をカバー部材7内に配設しているので、器具本体の意匠性を向上させることができる。また、窓際などに器具本体1を取り付けた場合においても、外光を直接照度センサが受けることがないため、外光による照度検出精度を低下することも抑制できるため、居住空間における器具1配置制限をも抑制することができる。
なお、本発明は、上記各実施形態の構成に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、発光素子は、LEDや有機EL等の固体発光素子が適用でき、この場合、発光素子の個数は特段限定されるものではない。
次に、図5および図6に第2の実施の形態を示す。図5は、本実施形態にかかわる照明装置を天井に取り付けた状態を示す断面図であり、図6は図5中は線に囲まれた部分を示す拡大図である。
本実施の形態は、第1の実施の形態と同一のものは、同一の符号を付してその説明は省略する。
図5、図6において、照明器具は、器具本体1と、光源部2と、点灯装置4と、センター部材4とを備えている。さらに、照明器具は、電気的補助部品としての照度センサ62aと、カバー部材7と、中央カバー部材8と、間接光光源部9とを備えている。
図に示すように、光源部2は、内周側の列及び外周側の列に、発光色が昼白色(N)のものと電球色(L)の発光素子22が用いられており、これらが円周上に略等間隔を空けて交互に並べられて配設されている。発光素子22は、青色光を発光するLEDチップである。透光性樹脂には、蛍光体が混入されており、昼白色(N)、電球色(L)の白色系の光を出射できるようにするために、主として青色の光とは補色の関係にある黄色系の光を放射する黄色蛍光体が使用されている。
中間の列に実装されている発光素子22には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光するものが用いられている。
これら赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光する発光素子22は、円周上に順次、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)と連続的に略等間隔を空けて配置されている。
図に示すように、光源部2の前面側には、光源部カバー25が配設されている。光源部カバー25は、例えば、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の絶縁性を有する透明合成樹脂からなり、前記発光素子22の配置に沿って略サークル状に一体的に形成されていて、発光素子22を含めて基板21の全面を覆うように配設されている。
したがって、発光素子22から出射される光は、光源部カバー25を透過するようになる。また、基板21の全面を覆うようになっているので、充電部が光源部カバー25によって覆われ絶縁性が確保される。
点灯装置4は、点灯装置カバー45に取付けられ覆われて、本体1の背面側に配置されるようになる。この場合、回路基板41は、回路部品42が前面側(図示上、下方側)に向けられて取付けられる。
間接光光源部9は、本体1の背面側に設けられていて、主として天井面を明るく照らす機能を有している。間接光光源部9は、基板91と、この基板91に実装された複数の発光素子92とを備えている。
この発光素子92が実装された基板91が前記点灯装置カバー35の側壁35aにおける4箇所に取付けられている。また、これら基板91は、箱状の透光性のカバー93に覆われるようになっている。
発光素子92は、前記光源部2と同様に、LEDであり、表面実装型のLEDパッケージである。そして、発光素子92は、点灯装置4に接続されて点灯制御されるようになっている。
さらに、点灯装置カバー45の背面側には、間接光光源部9の取付位置に対応して、その近傍に照明器具取付用ばね部材が取付けられている。ばね部材は、ステンレス鋼等の金属製からなり、横長の長方形状の板ばねを折曲して形成されている。
センター部材10は、図5の参照を加えて示すように、PBT樹脂等の合成樹脂材料で作られ、略短円筒状に形成されており、中央部に引掛けシーリングボディCbに対向する開口10aを有している。また、開口10aの周囲には、環状の空間部10bが形成されていて、この空間部10bには、後述する電気的補助部品62としての照度センサ62aが配設されるようになっている。
さらに、センター部材10の前面壁には、照度センサ62aの受光部と対向する受光窓10c及び複数の鍵状の係合孔が形成されている。さらにまた、前面壁の外周縁部には、前面側へ突出する複数の係合突起が形成されている。なお、前記受光窓10cは、前面壁から内側に向かって延出する円筒状の案内筒の前面端に形成されるようになっている。
このように構成されたセンター部材10は、主として図5に示すように、背面側のフランジが光源部カバー25を介してシャーシにねじ止めされて取付けられている。なお、センター部材10は、シャーシに直接的又は間接的に取付けることができ、その具体的な取付構成が限定されるものではない。
照度センサ62aは、フォトダイオード等のセンサ素子からなっていて、周囲の明るさを検知して検出信号を出力するように動作する。これにより、周囲が明るい場合には、光源部2、すなわち、発光素子22を調光(減光)して点灯するように制御する。
照度センサ62aは、基板62bに実装され、その受光部が受光窓10cに対向するようにセンター部材10の空間部10b内に配設され取付けられている。より詳しくは、基板62bがセンター部材10のボスにねじ止めされ、照度センサ62aが案内筒に収容され、その受光部が受光窓10cに対向するように配設される。
カバー部材7は、アクリル樹脂等の透光性を有し、乳白色を呈する拡散性を備えた材料から略円形状に形成されており、中央部には円形状の開口71が形成されている。また、この開口71の開口縁部Eには、前記センター部材10における図示しない複数の係合突起に対向する複数の切欠き部が形成されている。さらに、カバー部材7の外周部には、カバー部材化粧枠が取付けられていて、このカバー部材化粧枠72は、アクリル樹脂等からなる透明材料から形成されている。
そして、カバー部材7は、光源部2を含めた本体1の前面側を覆うように本体1の外周縁部に着脱可能に取付けられるようになっている。具体的には、カバー部材7を回動することによって、カバー部材7に設けられたカバー部材取付金具74を、本体1の突出部によって形成された凹部に設けられたカバー部材受金具75に係合することにより取付けられる。
中央カバー部材8は、透明のアクリル樹脂等の材料から円形状に形成されている。この中央カバー部材8は、カバー部材7の開口71に対応し、センター部材10の前面壁に取付けられて、センター部材10の開口10aを覆って閉塞するように配設される。
中央カバー部材8には、照度センサ62aの受光窓10cと対向する円形状の透過部81が形成されているとともに、背面側にはセンター部材10の前面壁に形成された複数の鍵状の係合孔と対向する複数のL字状の係合突起が形成されている。
なお、中央カバー部材8の前面側には、少なくとも透過部81を残して不透光性のフィルム材等を貼着することが望ましい。
このような中央カバー部材8の取付工程において、カバー部材7の開口縁部Eとセンター部材10に形成された照度センサ62aの受光窓10cとの位置関係を図6(a)(b)を参照して説明する。
図6(a)に示すように、カバー部材7を本体1に取付けた状態、すなわち、中央カバー部材8を取付ける前の状態においては、カバー部材7の開口縁部Eは、センター部材10の前面より前面側に位置し、照度センサ6の受光窓10cより前面側に位置している。
この状態から図6(b)に示すように、中央カバー部材8を取付けることにより、カバー部材7の開口縁部Eは、センター部材10の前面より背面側に位置される。具体的には、カバー部材7の開口縁部Eは、照度センサ6の受光窓10cより背面側へ位置するようになる。
図6(a)に示すように、仮に、カバー部材7の開口縁部Eが照度センサ62aの受光窓10cより前面側に位置する場合には、光源部2から出射され、カバー部材7によって拡散又は導光された光が受光窓10cから入射し、照度センサ62aに影響する可能性がある。
しかしながら、図6(b)に示すように、カバー部材7の開口縁部Eをセンター部材10の前面より背面側に位置させ、照度センサ62aの受光窓10cより背面側へ位置させることにより、光源部2からの光が照度センサ62aに影響するのを抑制することが可能となる。
さらに、中央カバー部材8における照度センサ62aの受光窓10cと対応する周囲は、誤作動制御手段である間接光遮光部材76として、肉厚を薄く形成された肉薄部82が形成されている。この肉薄部82により光源部2からの光が中央カバー部材8に導光される光の量を部分的に少なくできるので、照度センサ62aにカバー部材7および中央カバー部材8からの光を受けて誤作動することを抑制することができる。加えて、前記周囲に黒色のテープを貼付したり、黒色の塗装を施したり、カバー部材7内で導光した光を照度センサ62aとは異なる方向へ導くような反射部や、切欠部などを形成することにより、遮光効果が高まり、光源部2からの光が照度センサ62aに影響するのを抑制する効果が高まる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。また、上記実施形態は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、上記実施形態においては、光源として好適なLED等の発光素子を用いるものについて説明したが、光源は特段限定されるものではなく、光源として蛍光ランプ等を用いる照明器具に適用することを妨げるものではない。