JP2012208307A - 透過型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透過型表示装置1は、LCDパネル11と、面光源装置10と、LCDパネル11よりも出射側に設けられ、LCDパネル11の非観察画面領域となる周縁部を被覆する枠状のベゼル18とを備える。面光源装置10は、導光板13と、導光板13の少なくとも1つの側面に沿って配置された光源部12と、導光板13とLCDパネル11との間に少なくとも1枚設けられる第1プリズムシート14等の光学シートとを備える。少なくとも1枚設けられる光学シートのうちのいずれか1つは、光源部12側の端部に、光源部12の延在する方向に沿って遮光機能を有する帯状の遮光部15が設けられ、遮光部15は、その画面中央側の端部が、ベゼル18の画面中央側の端部よりも画面外側に位置するものとした。
【選択図】図4
Description
エッジライト型の面光源装置は、導光板の少なくとも一端面に対向する位置に、光源を配置する形態であり、各種光学シートの背面側に光源を配置する直下型の面光源装置に比べて、面光源装置の厚さを薄くできる等の利点がある。
近年、透過型表示装置の大画面化や、薄型化等に伴い、各種部材の省スペース化が行われており、ベゼルに関しても、その幅(LCDパネルを被覆する幅)をより狭くしたり、厚みを薄くしたりする傾向にある。
しかし、このようなベゼルの狭幅化に伴い、エッジライト型の面光源装置を用いる透過型表示装置では、光源部からの光が光学シートの光源部側側面等から入射して観察画面から出射することにより、LCDパネルの観察画面の光源部側端部に光が漏れているように観察される光漏れを生じるという問題がある。
特許文献1,2には、このような理由によって生じる光漏れに対する対策は開示されていない。
請求項1の発明は、透過型表示部(11)と、前記透過型表示部を背面側から照明する面光源装置(10)と、前記透過型表示部よりも出射側に設けられ、前記透過型表示部の非観察画面領域となる周縁部を被覆する枠状のベゼル部(18)とを備える透過型表示装置であって、前記面光源装置は、導光板(13)と、前記導光板の少なくとも1つの側面に沿って配置された光源部(12)と、前記導光板と前記透過型表示部との間に少なくとも1枚設けられる光学シート(14,16,17)と、を備え、少なくとも1枚設けられる前記光学シートのうちのいずれか1枚(14)は、その光源部側の端部に、前記光源部の延在する方向に沿って遮光機能を有する帯状の遮光部(15)が設けられ、前記遮光部は、その画面中央側の端部が、前記ベゼル部の画面中央側の端部よりも画面外側に位置すること、を特徴とする透過型表示装置(1)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の透過型表示装置において、前記遮光部(15)の長手方向に平行かつ前記透過型表示部(11)の観察画面に直交し、前記遮光部の前記導光板側の面であって画面中央側の端部となる点を通る平面(H1)と、前記遮光部の前記導光板側の面であって画面中央側の端部となる点(15a)と前記ベゼル部(18)の前記導光板側の面であって画面中央側の端部となる点(18a)を通る平面(H2)とがなす角度をθとするとき、0.2≦tanθ≦0.9を満たすこと、を特徴とする透過型表示装置(1)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の透過型表示装置において、前記遮光部(15)は、その幅方向において、一部が前記導光板(13)よりも前記光源部(12)側に突出するように設けられていること、を特徴とする透過型表示装置(1)である。
請求項6の発明は、請求項5に記載の透過型表示装置において、前記遮光機能層(153,153a)は、白色であり、前記遮光部の厚み方向において前記導光板側に設けられ、その厚さが10〜40μmの範囲内であること、を特徴とする透過型表示装置(1)である。
請求項7の発明は、請求項5に記載の透過型表示装置において、前記遮光機能層(153c)は、銀色であり、その厚さが1μm以下であること、を特徴とする透過型表示装置(1)である。
請求項9の発明は、請求項8に記載の透過型表示装置において、前記遮光機能層(153,153b)は、黒色であり、その厚さが10〜30μmの範囲内であること、を特徴とする透過型表示装置(1)である。
請求項11の発明は、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の透過型表示装置において、前記遮光部(15)は、接合層(151)により少なくとも1枚の前記光学シート(14)の前記導光板側の面に貼付されていること、を特徴とする透過型表示装置(1)である。
(1)本発明による透過型表示装置は、面光源装置の導光板と透過型表示部との間に少なくとも1枚設けられる光学シートのうちのいずれか1枚が、その光源部側の端部に、光源部の延在する方向に沿って遮光機能を有する帯状の遮光部が設けられており、遮光部は、その画面中央側の端部が、ベゼル部の画面中央側の端部よりも画面外側に位置する。
従って、光源部からの光が導光板を透過せずに光学シートの側面から入射して観察画面上に漏れる光漏れや、光源部近傍の画面端部が他の領域よりも著しく明るく観察される明るさムラを改善し、良好な映像を表示することができる。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、特許請求の範囲の記載は、シートという記載で統一して使用した。従って、シート、板、フィルムの文言は、適宜置き換えることができるものとする。例えば、プリズムシートは、プリズムフィルムとしてもよいし、プリズム板としてもよい。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
図1は、実施形態の透過型表示装置を説明する図である。
透過型表示装置1は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル11と、LCDパネル11を背面側から照明する面光源装置10と、LCDパネル11よりも出射側(観察面側)に配置されるベゼル18と、面光源装置10及びLCDパネル11をベゼル18と挟んで保持する筐体部19(図4参照)とを備える液晶透過型表示装置である。
面光源装置10は、光源部12、導光板13、第1プリズムシート14、遮光部15、第2プリズムシート16、光拡散シート17等を備えており、エッジライト型の面光源装置(バックライト)である。
ベゼル18は、LCDパネル11よりも出射側(観察面側)に配置される平板状の枠状の部材であり、LCDパネル11の非観察画面領域となる周縁部を覆う部材である。そして、ベゼル18の開口部分に相当する領域が透過型表示装置1の表示領域(観察画面領域)となる。このベゼル18は、光を透過しない。
本実施形態の透過型表示装置1は、その表示領域の画面サイズが対角32インチ(740mm×420mm)、解像度1280×768ドットである。
なお、図中及び以下の説明において、透過型表示装置1使用時において、観察者がLCDパネル11を正面から観察した場合の画面上下方向(鉛直方向)をY方向、画面左右方向(水平方向)をX方向、奥行方向(観察画面に直交する方向)をZ方向とする。観察者は、観察者側Z2から背面側Z1に向けて、LCDパネル11の画面の表示を視認する。以下の説明中において、特に断りが無い場合、画面左右方向、画面上下方向とは、透過型表示装置1及び面光源装置10の使用状態における画面左右方向(X方向)、画面上下方向(Y方向)であるとする。
この光源部12は、発光源として点光源であるLED121を複数用いており、このLED121が、入光面13aに沿って画面左右方向に等間隔で複数配列されている。
本実施形態の導光板13は、アクリル系樹脂製であり、不図示の反射板側(Z1側)となる背面13dには、印刷等によりドット(不図示)等が形成されている。
なお、本実施形態の導光板13は、略均等な厚みを有する略平板状である例を示しているが、これに限らず、例えば、画面上下方向において、光源部12側となる入光面13a側(Y1側)が厚く、他方の面13b側(Y2側)が薄い板状としてもよい。
導光板13の背面側(Z1側)には、光を反射可能な板状の部材である不図示の反射板が設けられている。この反射板は、背面側へ向かう光を、反射して再度第1プリズムシート14側へ向ける機能を有している。
図2は、第1プリズムシート14を説明する図である。図2(a)は、第1プリズムシート14をシート面に直交し、かつ、単位プリズム141の配列方向に平行な断面の一部を拡大した図であり、図2(b)は、第1プリズムシート14を入射側の面(導光板13側の面)14aから見た斜視図である。
ここで、シート面とは、各シートにおいて、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであり、本明細書中、及び、特許請求の範囲においても同一の定義として用いている。例えば、第1プリズムシート14のシート面は、第1プリズムシート14全体として見たときにおける、第1プリズムシート14の平面方向となる面であり、LCDパネル11の観察画面に平行な面である。
また、第1プリズムシート14は、その入射側(導光板13側、Z1側)の面14aの光源部12側の端部に、遮光部15を備えている。
遮光部15は、帯状であって、画面左右方向(X方向)を長手方向として、第1プリズムシート14の光源部12側(Y1側)端部に設けられている。この遮光部15の詳細な形状等については、後述する。
本実施形態の単位プリズム141は、底角α=45°、配列ピッチP=64μm、高さh=32μm、曲率半径R=1μmであり、第1プリズムシート14の厚さは140μmである。
第1プリズムシート14は、PC(ポリカーボネート)樹脂を押し出し成形することにより形成されている。第1プリズムシート14の屈折率は、1.585である。
従って、第2プリズムシート16は、その画面上下方向(Y方向)における寸法と、単位プリズム161の配列方向が第1プリズムシート14とは異なる点以外は、第1プリズムシート14と略同様の形態である。
光拡散シートとして使用されるものには、透明基材フィルムの表面に拡散剤をコーティングしたタイプ、拡散剤を基材に練り込んだタイプ、表面を粗面にしたタイプ、及びこれらの組み合わせが存在する。
本実施形態の光拡散シート17は、これらの内で、透明基材フィルムの表面に拡散剤をコーティングしたタイプであり、透明基材層(フィルム)上に、バインダ中に微小ビーズを混練した拡散層をコートして形成している。この拡散層は、微小ビーズをバインダよりも突出させることにより、表面に微細凸形状が形成されている。
本実施形態で使用した光拡散シート17は、恵和(株)製の光拡散フィルムBS−702であり、ヘイズ値は、89.2%(メーカーカタログ値)である。また、透明基材層(フィルム)は、厚さ188μmであり、光拡散シート17としての厚さは220μmである。
なお、このような光拡散シート17に換えて、例えば、特定の偏光状態の光のみを透過し、それ以外の偏光状態の光を導光板側へ反射する偏光反射シートを用いてもよいし、この光拡散シート17と偏光反射シートとを組み合わせて用いてもよい。
この遮光部15は、図2(b)に示すように、帯状の部材であり、第1プリズムシート14の導光板13側の面14aの光源部12側の端部に設けられている。この遮光部15の幅(画面上下方向の寸法)は、Aである。また、遮光部15は、総厚が100μm以下となることが、遮光部15の厚みによって形成される隙間による第1プリズムシート14の撓み等を防止する観点等から好ましい。
遮光部15は、接合層151、基材層152、遮光機能層153を備えている。
接合層151は、この遮光部15を第1プリズムシート14に接合するための層であり、各種粘着材や接着材等を用いることができる。この接合層151は、透明又は半透明である。接合層151の厚さは、5〜10μmの範囲内が好ましい。
本実施形態の接合層は、感圧型接着剤であり、アクリル樹脂製である。
遮光機能層153は、光を反射又は吸収することにより遮光する機能を有する層である。
図3(a)に示す遮光部15−1の遮光機能層153は、光を反射する作用を有している。従って、遮光部15−1は、遮光機能層153の光反射作用による遮光性を有している。
この遮光部15−1の遮光機能層153は、基材層152の接合層151とは反対側の面に酸化チタン系の白色塗料を所定の厚さでコーティング等して形成されている。このような光を反射する作用を有する遮光機能層153とする場合には、その反射率が70%以上であることが好ましい。また、遮光機能層153として、白色塗料に限らず、他の反射性の高い明色系の塗料やマイカやビーズ等を含有する塗料等を用いてもよい。
この遮光機能層153は、基材層152の接合層151とは反対側の面にカーボンブラック等の黒色塗料を所定の厚さでコーティング等して形成されている。このような光吸収作用を有する遮光機能層153とする場合には、その透過率が0.5%以下であることが好ましい。また、黒色塗料に限らず、他の光吸収性の高い暗色系の塗料を用いてもよいし、表面にマット形状等を付してもよい。
この遮光部15−3は、遮光機能層153に入射した光の一部を第1遮光機能層153aによって光を反射し、かつ、第1遮光機能層153aを透過した光を第2遮光機能層153bで吸収することにより遮光を実現している。
この遮光機能層153は、前述の白色塗料及び黒色塗料等を、基材層152の接合層151とは反対側の面に、黒色塗料を基材層152側としてそれぞれ所定の厚さで2層コーティングして形成されている。なお、第1遮光機能層153a及び第2遮光機能層153bに用いる塗料は、前述のように、所定の反射率及び透過率を満たすものを適宜使用してよい。
この遮光部15−4は、遮光機能層153に入射した光の一部を第1遮光機能層153aによって光を反射し、かつ、第1遮光機能層153aを透過した光の一部を第2遮光機能層153bで吸収させ、さらに、第2遮光機能層153bで吸収されず基材層152を透過した光を第3遮光機能層153cで反射して第2遮光機能層153bへ向かわせ、吸収させることにより遮光を実現している。
本実施形態の遮光部15は、光源部12の種類や透過型表示装置1の画面サイズ、使用環境等に応じて、上述の形態のいずれかを適宜選択して選んでよい。
筐体部19は、この透過型表示装置1の側面を保護する側面部19a及び背面を保護する背面部19bを有しベゼル18とともにLCDパネル11及び面光源装置10を挟むように収納する部材である。背面部19bは、略平板状であり、側面部19aはその背面部の周縁部に背面部19bの面に略直交する方向に凸となる平板状の枠状の部材である。
図4に示すように、光源部12は、側面部19aの内側(導光板13側)に設けられている。なお、これに限らず、背面部19bの側面部19a側端部に設けられていてもよい。また、前述の反射板は、この背面部19bの内側(導光板13側)に設けられている。
シート面(観察画面)に直交し、画面上下方向(光源部12のLEDの配列方向(冷陰極管の場合は長手方向)に直交する方向)において、遮光部15の幅はAであり、この遮光部15が導光板13より突出している部分の幅がA1、導光板13上に重なっている部分の寸法がA2である(A=A1+A2)。本実施形態では、幅A=6.0mmであり、A1=1.5mm、A2=4.5mmである。
0.2≦tanθ≦0.9
という式を満たす形態となっている。なお、この平面H1は、遮光部15の長手方向に平行かつLCDパネル11の観察画面に直交している。
ここで、画面上下方向において、遮光部15よりも画面内側に位置するベゼル18の幅方向の寸法をBとし、この透過型表示装置1の厚み方向(第1プリズムシート14のシート面(LCDパネル11の観察画面)に直交する方向)における遮光部15の導光板13側の面からベゼル18のLCDパネル11側の面までの寸法をCとすると、
tanθ=B/C
である。従って、
0.2≦tanθ=B/C≦0.9
という関係を、透過型表示装置1(ベゼル18及び遮光部15)は満たしている。本実施形態の透過型表示装置1では、tanθ=0.2である。
図5は、光漏れについて説明する図である。
図5では、遮光部を備えていない透過型表示装置1Bを示す。図5では、図4と同様に、透過型表示装置の観察画面(シート面)に直交し、かつ、画面上下方向に平行な断面(YZ平面)での光源部12近傍の様子を示している。
近年の透過型表示装置1の大画面化等にともなってベゼル18の幅を狭くする傾向になる。そのため、ベゼル18の幅が狭くなることにおり、図5に示すように、遮光部15を設けていない透過型表示装置1Bでは、光源部12からの光が、導光板13を透過せず、導光板13上の各光学シート(遮光部15を備えない第1プリズムシート14B,第2プリズムシート16,光拡散シート17)の光源部12側の端面から入射し、ベゼル18近傍から出射して観察される光漏れが生じる。
本実施形態では、上述のように、第1プリズムシート14に遮光部15を設けることにより、この光漏れの要因となる光を遮光し、光漏れを改善している。
以下に示す表1において、表1−1は、遮光機能層153を、光を反射する作用を有するものとした図3(a)に示す遮光部15−1の形態での評価結果を示す表であり、表1−2は、遮光機能層153を、光吸収作用を有するものとした図3(b)に示す遮光部15−2の形態での評価結果を示す表である。表1−3は、遮光機能層153を、光を反射する作用を有する第1遮光機能層153a及び光を吸収する作用を有する第2遮光機能層153bが積層された形態とした図3(c)に示す遮光部15−3の形態での評価結果を示す表である。表1−4は、遮光機能層153を、第1遮光機能層153a及び第2遮光機能層153bが積層された形態とし、さらに、基材層152の接合層151側に、光を反射する作用を有する第3遮光機能層153cを設けた図3(d)に示す遮光部15−4の形態での評価結果を示す表である。
なお、光を反射する作用を有する遮光部15−1の遮光機能層153及び遮光部15−3,15−4第1遮光機能層153aは、酸化チタンを含有する白色塗料により形成した。また、光を吸収する作用を有する遮光部15−2の遮光機能層153及び遮光部15−3,15−4第2遮光機能層153bは、カーボンブラックを主成分とする黒色塗料により形成した。さらに、第3遮光機能層153cは、銀の蒸着膜とした。
表1において、光漏れが全く観察されない非常に良好なものを「5」で示し、光漏れが極めて僅かに観察される良好なものを「4」で示し、光漏れが僅かに観察されるが使用可能であり使用に適する限度(許容範囲内)であるものを可として「3」で示し、光もれが観察されて使用に適さないものを不適として「2」で示し、光漏れが著しく観察され全く使用に適さないものを不可として「1」で示した。
遮光部15のたわみや反り等の変形は、光源部12の発する熱による第1プリズムシート14と遮光機能層153との熱膨張係数の差により生じるものと考えられる。このたわみや反り等は、遮光部15の光漏れ低減効果の妨げになるだけでなく、第1プリズムシート14の変形等を招き、輝度ムラ等の表示不良を生じさせるので、発生しないことが好ましい。
また、表1に示す光漏れ及びたわみや反り等の変形の総合評価については、光漏れの評価及びたわみや反り等の評価に基づいて行ったものであり、表1において、非常に良好なものを「5」で示し、良好なものを「4」で示し、使用に適する限度(許容範囲内)のものを可として「3」で示し、使用に適さないものを不適として「2」で示し、全く使用に適さないものを不可として「1」で示した。なお、ここでの総合評価に限り、光漏れの評価の方をより重要として判定している。
まず、遮光部15−1の結果について述べる。
表1−1に示すように、遮光機能層153の厚さを5μmとしたものは、遮光部15−1のたわみや反り等は生じていなかったが、光漏れが観察されており、使用に適さなかった。この遮光機能層153の厚さが5μmの遮光部15は、その反射率が70%未満であった。これは、遮光機能層153の厚さが薄く、光の反射性が不十分であったためと考えられる。
また、遮光機能層153の厚さを50μmとしたものは、厚みが十分であり、光漏れは生じなかったが、たわみや反り等が生じており、使用に適さなかった。
一方、遮光機能層153の厚さを10μm,20μm,30μm,40μmとしたものは、光漏れの低減効果も十分であり、たわみや反り等も生じていないか生じていても僅かであるか許容範囲内であり、総合評価がいずれも良又は良好であった。特に、厚みを20μmとした場合には、光漏れが観察されず、たわみ等も生じておらず、非常に良好な結果が得られた。このとき、20μm厚の白色の遮光機能層153を備えた遮光部15−1の反射率は、約80%であった。
次に、遮光部15−2の結果について述べる。
表1−2に示すように、遮光機能層153の厚さを5μmとしたものは、たわみや反り等は生じていなかったが、光漏れが観察されており、使用に適さなかった。この厚さ5μmの黒色の遮光機能層153を備えた遮光部15の透過率は0.5%を超えており、遮光機能層153の厚みが薄く、光吸収作用による遮光性が不十分であったためと考えられる。
また、遮光機能層153の厚さを40μmとしたものは、光漏れは生じなかったが、たわみや反り等が生じており、使用に適さなかった。
一方、遮光機能層153の厚さを10μm,20μm,30μmとしたものは、遮光機能層153の光吸収作用が十分であり、光漏れが殆ど観察されない又は全く観察されず、たわみ等も生じていないか生じていても僅かであるか許容範囲内であり、総合評価が良又は良好であった。
特に、遮光機能層153の厚みを20μmとした場合には、光漏れが観察されず、たわみも僅かしか生じておらず、非常に良好な結果が得られた。このとき、20μm厚の遮光機能層153を備えた遮光部15−2の透過率は、約0.05%であった。
次に、遮光部15−3の結果について述べる。
表1−3の左枠に示すように、第1遮光機能層153a及び第2遮光機能層153bの厚さをともに変化させた場合、第1遮光機能層153a及び第2遮光機能層153bの厚さをともに5μmとしたものは、たわみや反り等は生じていなかったが、光反射作用及び光吸収作用による遮光性が不十分であり、光漏れが生じており、使用に適さなかった。
また、第1遮光機能層153a及び第2遮光機能層153bの厚さを共に30μm、40μmとしたものは、光反射作用及び光吸収作用による遮光性が十分であり光漏れは全く生じなかったが、たわみや反り等の変形が著しく生じており、使用に適さなかった。
一方、第1遮光機能層153a及び第2遮光機能層153bの厚さを共に10μm、20μmとしたものは、光反射作用及び光吸収作用による遮光性が十分となり、光漏れが殆ど観察されない又は全く観察されず、たわみ等の変形も生じていないか生じていても許容範囲内であり、総合評価が良又は良好であった。特に、第1遮光機能層153a及び第2遮光機能層153bの厚さを共に10μmとした場合には、光漏れが殆ど観察されず、たわみ等が生じておらず、非常に良好な結果が得られた。
一方、第2遮光機能層153bの厚さを20μmとし、第1遮光機能層153aの厚さを5μm,10μm,20μmとしたものは、光反射作用及び光吸収作用による遮光性が十分であり、光漏れが殆ど観察されない又は全く観察されず、たわみ等も生じていないか生じていても僅かであるか許容範囲内であり、総合評価が良又は良好であった。特に、第1遮光機能層153aの厚みを10μmとした場合には、光漏れが観察されず、たわみも殆ど生じておらず非常に良好な結果が得られた。
一方、第1遮光機能層153aの厚さを20μmとし、第2遮光機能層153bの厚さを5μm,10μm,20μmとしたものは、光反射作用及び光吸収作用による遮光性が十分であり、光漏れが殆ど観察されない又は全く観察されず、たわみ等も生じていないか生じていても僅かであるか許容範囲内であり、総合評価が良又は良好であった。特に、第2遮光機能層153bの厚みを10μmとした場合には、光漏れが観察されず、たわみも殆ど生じておらず非常に良好な結果が得られた。
表1−4に示すように、第1遮光機能層153a及び第2遮光機能層153bの厚さを共に30μm,40μmとし、第3遮光機能層の厚さを500nmとしたものは、光漏れは全く生じなかったが、たわみや反り等が著しく生じており、使用に適さなかった。
一方、第1遮光機能層153a及び第2遮光機能層153bの厚さをともに5μm、10μm、20μmとし、第3遮光機能層153cの厚さを500nmとしたものは、光反射作用及び光吸収作用による遮光性が十分であり、光漏れが殆ど観察されない又は全く観察されず、たわみが生じておらず、総合評価は良又は良好であった。特に、第1遮光機能層153a及び第2遮光機能層153bの厚さを共に10μmとし、第3遮光機能層153cの厚さを500nmとしたものは、光漏れが観察されず、たわみも生じておらず、しかも、同じく良好な第1遮光機能層153a及び第2遮光機能層153bの厚さを共に20μmとし第3遮光機能層153cの厚さを500nmとしたものと比べて厚みも薄くでき、非常に良好な結果が得られた。
さらに、遮光機能層153として第1遮光機能層153a及び第2遮光機能層153bを積層した遮光部15−3の形態に比べ、第1遮光機能層153a及び第2遮光機能層153bの厚さが薄い場合(例えば、第1遮光機能層153a及び第2遮光機能層153bの厚さがともに5μmの場合)であっても、第3遮光機能層153cの光反射作用により、光漏れ防止効果が向上していた。
次に、遮光部15とベゼルの位置関係について、tanθの値と観察角度を様々に変化させ、光漏れや明るさムラ等の発生の有無を評価した。
評価に用いた遮光部15は、図3(c)に示す遮光部15−3の形態で有り、第1遮光機能層153a及び第2遮光機能層153bの厚さが共に10μm、基材層152の厚さが20μm、接合層151の厚さが10μm、遮光部15の幅A=6.0mm(A1=1.5mm、A2=4.5mm)である。
ここで、明るさムラとは、観察画面の光源部12側の端部に、他の領域よりも極端に明るい領域が生じる観察画面内の明るさのムラをいう。これは、光漏れとは発生原因が異なり、ベゼル18の画面中央側端部での明暗差が顕著である場合に生じやすくなる。また、この明るさムラは、光漏れと同様に、観察画面の光源部12側端部に生じるが、光漏れよりも明るく、他の領域の明暗差が大きく観察されるものである。この明るさムラは、遮光部15によって遮光されるため、遮光部15近傍では光の落ち方が顕著になることによって、他の領域よりも極端に明るい領域がさらに際立つため、より認識され易くなる。
光漏れ及び明るさムラに関しては、透過型表示装置1(LCDパネル11)の画面中央を通る法線方向Z2側2mの位置から、画面中央を通る法線に対して水平方向に0°、15°、30°、45°、60°、75°、85°をなす方向から目視によって観察し、観察されるか否かによって評価し、その結果を表2にまとめた。
表2において、明るさムラが全く観察されない非常に良好なものを「5」で示し、明るさムラが極めて僅かに観察される良好なものを「4」で示し、明るさムラが僅かに観察されるが使用可能であり使用に適する限度であるものを可として「3」で示し、明るさムラが観察され使用に適さないものを不適として「2」で示し、明るさムラが著しく観察され全く使用に適さないものを不可として「1」で示した。
また、光漏れ及び総合評価の評価基準は前述の表1と同様である。
次に、透過型表示装置において、0.2≦tanθ=B/C≦0.9を満たす場合、表2にも示すように、光漏れも明るさムラも改善され、非常に良好な結果が得られた。
さらに、透過型表示装置において、tanθ=B/C>0.9となると、明るさムラは改善されるが、光漏れが観察されやすくなるという現象が生じていた。加えて、tanθ=B/C>0.9である場合、ベゼル18の幅が広くなる傾向になるため、観察画面の画面化及び筐体の省スペース化という観点からも好ましくない。
以上の結果から、いずれの観察角度から観察する場合においても、0.2≦tanθ=B/C≦0.9を満たすことが、光漏れ及び明るさムラを低減し、良好な映像を表示する観点から好ましく、本実施形態の透過型表示装置1は、これを満たしている。
光源部12側端部は、遮光部15により遮光されているため、遮光部15より画面中央側から光がLCDパネル11側へ多く出射する形態となる。透過型表示装置1がtanθ=B/C<0.2となる場合、画面上下方向における画面中央側のベゼル18端部と遮光部15端部の位置が近くなる傾向にある。そのため、ベゼル18の画面中央側端部近傍での明暗差が顕著となり、光源部12近傍の画面端部が必要以上に明るくなり、明るさムラとして感じられる。
しかし、透過型表示装置1が0.2≦tanθ=B/Cを満たす場合、画面上下方向における画面中央側のベゼル18端部と遮光部15端部の位置が離れる傾向にあり、LCDパネル11の画面上下方向の光源部12側端部から出射した光の一部は、ベゼル18の内側で反射する等して拡散される。これにより、ベゼル18の画面中央側端部近傍での明暗差が緩和され、明るさムラが低減されると考えられる。
また、透過型表示装置において、tanθ=B/C>0.9となると、明るさムラは改善されるが、光漏れが観察されやすくなるという現象が生じていた。この現象は、観察角度(画面中央を通る法線に対して水平方向になす角度)が小さい場合ほど顕著に発生していた。この理由は様々な要因が絡んで生じるものと思われる。
また、使用環境や光源種等に応じて、遮光部15の種類を適宜選択して用いることができる。この遮光部15は、光源部12の近傍で使用した場合であってもたわみや反り等の変形が生じることがない。しかも、第1プリズムシート14の光源部12側の入射面に貼付することにより、容易に設けることができる。
さらに、本実施形態によれば、0.2≦tanθ=B/C≦0.9を満たすことにより、光漏れも明るさムラも低減できることができるので、各種サイズの透過型表示装置に適用可能である。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態では、面光源装置10は、光源部12が導光板13の1つの端面13aに沿って配置される1灯式の例を示したが、これに限らず、例えば、光源部12が導光板13の対向する2つの端面(例えば13a,13b)に沿って配置される2灯式や、光源部12が導光板13の4つの端面に沿って配置される4灯式の面光源装置としてもよい。
また、本実施形態では、光源部12は、複数のLED121が複数配列されているものとしたが、これに限らず、例えば、冷陰極管を用いてもよい。
また、第1プリズムシート14は、PC樹脂を押し出し成形することにより形成される例を示したが、これに限らず、例えば、樹脂製のシートの片面に紫外線硬化型樹脂等により単位プリズム141を形成したものとしてもよい。
10 面光源装置
11 LCDパネル
12 光源部
13 導光板
14 第1プリズムシート
15 遮光部
151 接合層
152 基材層
153 遮光機能層
153a 第1遮光機能層
153b 第2遮光機能層
153c 第3遮光機能層
16 第2プリズムシート
17 拡散シート
18 ベゼル
19 筐体部
Claims (11)
- 透過型表示部と、前記透過型表示部を背面側から照明する面光源装置と、前記透過型表示部よりも出射側に設けられ、前記透過型表示部の非観察画面領域となる周縁部を被覆する枠状のベゼル部とを備える透過型表示装置であって、
前記面光源装置は、
導光板と、
前記導光板の少なくとも1つの側面に沿って配置された光源部と、
前記導光板と前記透過型表示部との間に少なくとも1枚設けられる光学シートと、
を備え、
少なくとも1枚設けられる前記光学シートのうちのいずれか1枚は、その光源部側の端部に、前記光源部の延在する方向に沿って遮光機能を有する帯状の遮光部が設けられ、
前記遮光部は、その画面中央側の端部が、前記ベゼル部の画面中央側の端部よりも画面外側に位置すること、
を特徴とする透過型表示装置。 - 請求項1に記載の透過型表示装置において、
前記遮光部は、少なくとも1枚設けられる前記光学シートのうち、最も導光板側に配置される光学シートに設けられること、
を特徴とする透過型表示装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の透過型表示装置において、
前記遮光部の長手方向に平行かつ前記透過型表示部の観察画面に直交し、前記遮光部の前記導光板側の面であって画面中央側の端部となる点を通る平面と、前記遮光部の前記導光板側の面であって画面中央側の端部となる点及び前記ベゼル部の前記導光板側の面であって画面中央側の端部となる点を通る平面とがなす角度をθとするとき、
0.2≦tanθ≦0.9
を満たすこと、
を特徴とする透過型表示装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の透過型表示装置において、
前記遮光部は、その幅方向において、一部が前記導光板よりも前記光源部側に突出するように設けられていること、
を特徴とする透過型表示装置。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の透過型表示装置において、
前記遮光部は、光を反射する反射作用を有する遮光機能層を備えること、
を特徴とする透過型表示装置。 - 請求項5に記載の透過型表示装置において、
前記遮光機能層は、白色であり、前記遮光部の厚み方向において前記導光板側に設けられ、その厚さが10〜40μmの範囲内であること、
を特徴とする透過型表示装置。 - 請求項5に記載の透過型表示装置において、
前記遮光機能層は、銀色であり、その厚さが1μm以下であること、
を特徴とする透過型表示装置。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の透過型表示装置において、
前記遮光部は、光を吸収する光吸収作用を有する遮光機能層を備えること、
を特徴とする透過型表示装置。 - 請求項8に記載の透過型表示装置において、
前記遮光機能層は、黒色であり、その厚さが10〜30μmの範囲内であること、
を特徴とする透過型表示装置。 - 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の透過型表示装置において、
前記遮光部は、光を反射する反射作用を有する層と光を吸収する光吸収作用を有する層とが積層された遮光機能層を備えること、
を特徴とする透過型表示装置。 - 請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の透過型表示装置において、
前記遮光部は、接合層により少なくとも1枚の前記光学シートの前記導光板側の面に貼付されていること、
を特徴とする透過型表示装置。
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