JP2012207881A - 貯湯タンクユニットおよび給湯機 - Google Patents

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Abstract

【課題】運搬時や据付時に貯湯タンクユニットに衝撃が加わった場合であっても、外郭ケースに塑性変形が発生しない貯湯タンクユニットを提供する。
【解決手段】加熱された湯を貯留する貯湯タンクと、貯湯タンクの少なくとも上部を断熱する断熱材と、断熱材を覆う外郭ケースと、外郭ケースと断熱材との間に配置され、一端は外郭ケースに当接し、他端は前記断熱材に接合され、前記外郭ケースを前記断熱材にて部分的に支持する支持部材と、を備え、支持部材は外郭ケースから断熱材にかけて剛性の低い低剛性体と剛性の高い高剛性体を直列に有し、支持部材の少なくとも一端は低剛性体か高剛性体のどちらかで構成される。
【選択図】図1

Description

この発明は、貯湯タンクユニットおよび給湯機において、輸送時や据付時の衝撃による貯湯タンクの変形を防止する技術に関する。
従来の貯湯タンクユニットは湯が貯湯タンクの上側から出入りする。そして、貯湯タンクの下側から加熱されていない水が導入され、貯留タンク内は常に満たされた状態になっている。このため、貯湯タンク内の上部には常に湯があり、高温になっている。従って、貯湯タンクの特に上部からの放熱ロスを防ぐことが重要となる。
そのため、例えば特許文献1記載の貯湯タンクユニットは、少なくとも貯湯タンクの上部の断熱材を成型断熱材とし、成形断熱材の肉厚が薄くなっている部分の上部に真空断熱材を密着して配置している。貯湯タンク上部と成形断熱材および真空断熱材を接触させないことで放熱ロスを防いでいる。
特開2009−92306号公報(図1)
従来の貯湯タンクユニットは、輸送時や据付時に例えば落下による衝撃が加わると薄板で形成されている外郭ケースは強度が弱いために、ひずみによる変形が生じる問題があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、輸送時や据付時に外郭ケースに衝撃が加わっても、変形が起きない貯湯タンクユニットを提供することを目的とする。
本発明に係る貯湯タンクユニットは、加熱された湯を貯留する貯湯タンクと、貯湯タンクの少なくとも上部を断熱する断熱材と、断熱材を覆う外郭ケースと、外郭ケースと断熱材との間に配置され、一端は外郭ケースに当接し、他端は断熱材に接合され、外郭ケースを断熱材にて部分的に支持する支持部材と、を備え、支持部材は外郭ケースから断熱材にかけて剛性の低い低剛性体と剛性の高い高剛性体を直列に有し、支持部材の少なくとも一端は低剛性体か高剛性体のどちらかで構成される。
この発明によれば、支持部材は低剛性体と高剛性体を直列に有し、低剛性体で断熱材と外郭ケースの間の寸法誤差を吸収するとともに、高剛性体で落下時の衝撃による荷重等を支持するため、貯湯タンクユニット内部の多少の寸法誤差にかかわらず貯湯タンクユニットが変形することを防止することができる。
この発明の実施の形態1に係る貯湯タンクユニットの断面図である。 この発明の実施の形態1に係る貯湯タンクユニットの概略斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る支持部材の構造を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る支持部材と成型断熱材との嵌合構造を示す拡大断面図である。 この発明の実施の形態1に係る外郭ケース天板と成形断熱材との間の寸法誤差がない場合を示す構成図である。 図5の場合の各部材の荷重−変位線図である。 この発明の実施の形態1に係る外郭ケース天板と成形断熱材との間の寸法誤差がプラスの場合を示す構成図である。 図7の場合の各部材の荷重−変位線図である。 この発明の実施の形態1に係る外郭ケース天板と成形断熱材との間の寸法誤差がマイナスの場合を示す構成図である。 図9の場合の各部材の荷重−変位線図である。 この発明の実施の形態1に係る支持部材に長穴部を有する構造を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る支持部材にくりぬき部を有する構造を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る支持部材に複数の台形状の歯を有する構造を示す断面図である。 この発明の実施の形態2に係る貯湯タンクユニットの平面断面図である。 この発明の実施の形態2に係る支持部材と成型断熱材との嵌合構造を示す拡大断面図である。 この発明の実施の形態2に係る支持部材と実施の形態1に係る支持部材を組み合わせた図である。 この発明の実施の形態3に係る貯湯タンクユニットの平面断面図である。 この発明の実施の形態3に係る支持部材と成型断熱材との嵌合構造を示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1に係る給湯機の断面図である。
図2は、本実施の形態1に係る貯湯タンクユニットの概略斜視図である。
本実施の形態に係る貯湯タンクユニット100は、外周を外郭ケース天板11と外郭ケース側板10からなる外殻ケース200と底板9によって囲まれている。貯湯タンクユニット100は内部に貯湯タンク1と成型断熱材7とタンク脚8と支持部材13を有する。貯湯タンクユニット100は加熱手段4と入水配管3および出湯配管5を介して接続されている。
図1および図2に示す貯湯タンクユニット100において、貯湯タンク1は略円筒形状をなしている。貯湯タンク1の下部には、給水配管2が接続されている。この給水配管2を通して水が貯湯タンク1内に供給される。入水配管3は、一端が貯湯タンク1の下部に接続され、他端が加熱手段4に接続されている。出湯配管5は、一端が加熱手段4に接続され、他端が貯湯タンク1の上部に接続されている。貯湯タンク1の上部には、給湯配管6が接続されている。
貯湯タンク1内に給水配管2から供給された水は、入水配管3を通って加熱手段4へ搬送される。加熱手段4は、冷媒を圧縮する圧縮機と、放熱器に相当する沸上げ用熱交換器と、膨張弁と、蒸発器と、これらを環状に接続する循環配管とを有する冷凍サイクル部(図示せず)を備え、制御装置による制御の下に動作して熱源機として機能する。上記の冷凍サイクル部では、二酸化炭素等の冷媒が圧縮機で圧縮されて高温、高圧となった後に沸上げ用熱交換器で放熱し、膨張弁で減圧され、蒸発器で吸熱してガス状態となって圧縮機に吸入される。
加熱手段4に搬送された水は、加熱手段4により加熱され、その後加熱手段4から出湯配管5を通って貯湯タンク1内へ搬送され、貯留される。貯湯タンク1内に貯留された湯は、給湯配管6を通って、お風呂の浴槽、シャワー、台所や洗面所の蛇口などの給湯端末に供給される。この貯湯タンク1は、給水配管2からの給水により常に満水状態に保たれる。
貯湯タンク1は、貯湯タンクユニット100内部空間への放熱を防ぐために、所定形状に成型された成型断熱材7で覆われている。成型断熱材7は、例えば発泡ポリスチレンやそれ以上の断熱性能を有する材料で構成されていることが好ましい。
なお、図1の構成では、成型断熱材7は、貯湯タンク1の全体を密着して覆う形状に成型されているが、成型断熱材7は少なくとも貯湯タンク1の上部を覆うものであればよく、また発泡ポリスチレンの代わりに真空断熱材など他の断熱材を使用しても当然よい。ここで真空断熱材とは、多孔質構造の芯材をラミネートフィルムで被覆した後内部を減圧して封止した断熱材のことである。
貯湯タンク1は、複数のタンク脚8で支えられている。タンク脚8の上端は、ボルトなどの締結部品によって貯湯タンク1の下部に固定されている。タンク脚8の下端は、金属製の底板9上に、ボルトなどの締結部品によって固定されている。
成型断熱材7で覆われた貯湯タンク1は、空間を介して金属製の外郭ケース200に覆われている。本実施の形態1の外郭ケース200は、全体として箱状(直方体状)をなしている。この外郭ケース200は、成型断熱材7に覆われた貯湯タンク1の側部を包囲する外郭ケース側板10と、成型断熱材7で覆われた貯湯タンク1の上部を覆う外郭ケース天板11とを有している。
外郭ケース側板10と、外郭ケース天板11とは、ねじなどの締結部品により締結されている。そして、外郭ケース側板10の下部は、底板9にねじなどの締結部品により締結されている。図2に示すように、外郭ケース側板10の前方下部には、配管部材を取り付けるために、一般的に四角形の一部を切り落とした切り欠き部10aを有している。
底板9の下方には、複数本のタンクユニット脚12が設置されており、これらのタンクユニット脚12が貯湯タンクユニット100全体を支えている。
成型断熱材7は、貯湯タンク1からの放熱量を極力抑えるために、貯湯タンク1に密着するように設置されている。また、成型断熱材7と外郭ケース側板10との間、および成型断熱材7と外郭ケース天板11との間には空間(隙間)が設けられ、両者が直接接触しないようにされている。これにより、貯湯タンク1から外郭ケース200への熱伝導を抑制することができ、保温性能を高めることができる。
ところで、貯湯タンク1や外郭ケース側板10は、それぞれ多少の寸法誤差を有している。また、貯湯タンク1と底板9とはタンク脚8を介して連結されているが、組み立て時に寸法誤差を生じてしまう。これらの累積によって貯湯タンク1の上部を覆う成形断熱材7と外郭ケース天板11との間には規定寸法±2mm程度の寸法誤差が発生することが考えられる。
ここで、輸送時や据付時に貯湯タンクユニット100に落下等の衝撃が加わった場合について説明する。貯湯タンクユニット100が落下すると、タンク脚12が地面等に接地し、貯湯タンクユニット100は急停止する。外郭ケース100は、慣性のために下降を継続し、成型断熱材7と外郭ケース天板11との隙間の分だけ下方に下がり続けようとする。この下がり続けようとする力が切り欠き部10aに集中して作用し、外郭ケース側板10は塑性変形を起こす。そこで本実施の形態では外郭ケース200の内側、外郭ケース天板11と貯湯タンク1を覆う成形断熱材7との間に支持部材13を備えるようにした。
支持部材13は高剛性体と低剛性体を直列に連接した圧縮特性を有する。換言すると、支持部材13は剛性の高い部分と剛性の低い部分を直列に有している。また、支持部材13の低剛性体は高剛性体より短く形成されている。高剛性体は、圧縮変形することで落下等の衝撃緩和を目的とし、低剛性体は、衝撃緩和も多少はするが、前述した寸法誤差の吸収、調整を主な目的とする。
支持部材13の一端(下端)は、成型断熱材7の上面に接合しており、支持部材13の他端(上面)は、外郭ケース天板11の下面(裏面)に当接している。これにより、支持部材13は、成型断熱材7と外郭ケース天板11との間隔を保持している。この支持部材13は、上面から見た時に環状をなすような一つの部材であってもよいし、複数個の支持部材13が貯湯タンク1の周方向に間隔を空けて配置される構成となっていてもよい。また、支持部材13を外郭ケース天板11の対向する辺に対して延在させる梁のような構成としてもよい。
図3は、この発明の支持部材13の構造の拡大断面図である。
図3において、支持部材13の上部は低剛性体として高発泡成形材17で、下部は高剛性体として低発泡成形材18で構成されている。
発泡成形材の材料としては、スチレン、ウレタン、ポリエチレン等を用いることができる。なお、同じ材料を使用していても、成型時の発泡倍率を変えることによって、例えば高発泡では低剛性、低発泡では高剛性というように、剛性の高低を任意に設計することが可能である。
支持部材13と、成型断熱材7との接合は、接着剤などによる接着でもよく、あるいは図4に示すように、成型断熱材7の上肩部に凹型の嵌合部7aを設け、支持部材13の下方を嵌合させてもよい。
次に、支持部材13の役割を説明する。以下成形断熱材7と外郭ケース天板11との間に寸法誤差が無い場合、寸法誤差がプラスの場合、寸法誤差がマイナスの場合についての支持部材13の役割を説明する。
第一に、成形断熱材7と外郭ケース天板11との間に寸法誤差が無い場合について説明する。
図5は、外郭ケース天板11と成形断熱材7との間の寸法誤差がない場合を示す構成図である。
図6は、図5のときの各部材の荷重−変位線図である。縦軸が荷重、横軸が変位を示す。
図6中に実線で示したのは支持部材13に、破線で示したのは外郭ケース側板10に、2点鎖線で示したものが貯湯タンクユニット100に作用する荷重と変位の関係である。ここで、貯湯タンクユニット100に作用する荷重と変位の関係は、支持部材13と外郭ケース側板10とを合成したものである。なお、貯湯タンク1と外郭ケース天板11との間に作用する荷重は、支持部材13の荷重と変位の関係で決まる。
まず、支持部材13が無い状態で外郭ケース側板10に荷重が印加された場合について説明する。外郭ケース側板10は、弾性変形領域内の限界の応力である降伏点Pmaxを超える荷重が作用すると塑性変形が生じる。この際、配管取り付けのため設けた切り欠き部10aに応力が集中しやすい。外郭ケース側板10に圧縮荷重を印加した強度試験結果によると、降伏点Pmaxは概ね8000N程度であった。
次に、支持部材13を設けた場合について説明する。図5に示すように、支持部材13は組み立て時において、支持部材13中の低剛性体の一部が変位し、少しの圧縮荷重を発生することで、外郭ケース天板11は支持部材13と成型断熱材7を介して貯湯タンクに接している。
つまり外郭ケース天板11は支持部材13を介して貯湯タンク1に対して下方に押し付ける力が初期荷重として作用している。その初期荷重をP0とする。支持部材13を組み立てる際はこの初期荷重P0に相当する力で成型断熱材7を下方に押し下げて組み立てる。支持部材13の低剛性体の荷重−変位特性から初期荷重はおよそ300N程度である。
図5に示すように支持部材13を外郭ケース天板11と貯湯タンク1の上部を覆う成形断熱材7との間に設けた場合、外郭ケース200に外郭ケース側板10の弾性限界である8000Nと同様の圧縮荷重を作用させると、この圧縮荷重は外郭側板10と支持部材13とに分散される。なお、このとき支持部材13はまず低剛性体が圧縮変位する。低剛性体の変位に対する荷重は緩やかに上昇し、概ね500N程度で低剛性体は完全に圧縮されてしまう。その後支持部材13は高剛性体の荷重−変位特性にて変位する。
つまり、支持部材13を設けることで外郭ケース側板10にかかる荷重は降伏点8000Nより十分に低い荷重に分散されるため、外郭ケース側板10の塑性変形を抑制することができる。
このように、輸送時や据付時に落下した貯湯タンクユニット100のタンク脚12が床または地面に接地して貯湯タンク1の下降が急停止すると、支持部材13によって外郭ケース200は支持される。すなわち、外郭ケース側板10および外郭ケース天板11が更に下方に下がろうとするのを支持部材13によって受け止めて、外郭ケース側板10に掛かる応力を緩和することができるので、外郭ケース200の塑性変形を抑制することができる。
また、支持部材13を組み立てる際の初期荷重は300N程度であるから、簡単な装置、例えばてこの原理を用いた押圧装置やあるいは人力程度で外郭ケース側板10を下方に押し下げられ、容易に組み立てることができる。
第二に、成形断熱材7と外郭ケース天板11間の寸法誤差が規定寸法よりもプラスの場合について説明する。
図7は、成形断熱材7と外郭ケース天板11間の寸法誤差がプラスの状態を示す構成図である。なお、寸法誤差がプラスとは、例えば成形断熱材7と外郭ケース天板11間の規定寸法がxだとすると、x+2mm程度寸法が大きい場合のことである。
図7に示すような寸法誤差がプラスの場合の組み立て時においても、支持部材13中の低剛性体の一部は変位し、外郭ケース天板11は支持部材13と成型断熱材7を介して貯湯タンク1を下方に押し付ける力が初期荷重P1として作用している。これは、支持部材13は低剛性体がつぶれることで寸法誤差を吸収する関係上あらかじめ成形断熱材7と外郭ケース天板11間の規定寸法よりも大きく成型されているためである。
そのため寸法誤差がない場合と同様に低剛性体の一部が変位し、概ね100N程度の初期荷重P1が発生する。この初期荷重P1に相当する力で外郭ケース側板10を下方に押し下げて支持部材13を組み立てる。
図8は図7のときの各部材の荷重−変位線図である。縦軸が荷重、横軸が変位を示す。
図中に実線で示したのは支持部材13に、破線で示したのは外郭ケース側板10に、2点鎖線で示したものが貯湯タンクユニット100に作用する荷重と変位の関係である。ここで、貯湯タンクユニット100に作用する荷重と変位の関係は、支持部材13と外郭ケース側板10とを合成したものである。
図中の貯湯タンクユニット100に作用する荷重と変位の関係は、図6に示した寸法誤差のない場合に比べ初期荷重がかからないため、支持部材13の荷重と変位の関係のグラフが右方向にスライドした分貯湯タンクユニット100の見かけ上の剛性が低くなっている。
ここで、輸送時や据付時に貯湯タンクユニット100に落下等の衝撃が加わった場合を考える。支持部材13が無い場合は寸法ばらつきが無い場合と同様なので説明を省略する。
また、支持部材13が低剛性体を有さない、つまり衝撃緩和のための高剛性体のみで構成されている場合、支持部材13の寸法は成形断熱材7と外郭ケース天板11間の規定寸法となるように作られていると考えられる。そのため成形断熱材7と外郭ケース天板11間の寸法誤差がプラスだと、支持部材13と外郭ケース天板11との間に隙間が生じることになり、その状態で荷重を印加されると支持部材13は外郭ケース200を支持しきれず外郭ケース側板10が変形してしまう可能性がある。
しかし低剛性体を有する支持部材13を設けた場合、支持部材13が成形断熱材7と外郭ケース天板11間の寸法よりも大きく成型されていることによって、寸法誤差がプラスの場合の組み立て時においても支持部材13中の低剛性体の一部は変位する、つまり、支持部材13が成型断熱材7と外郭ケース天板11との間隔を保持し隙間が生じないため、圧縮荷重は分散される。よって、外郭ケース側板10にかかる荷重は外郭ケース側板10の降伏点8000Nより十分に低い荷重に分散されるため外郭ケース側板10の塑性変形を抑制することができる。
また、支持部材13を組み立てる際の初期荷重はおよそ100N程度であるから、簡単な装置、例えばてこの原理を用いた押圧装置やあるいは人力程度の力で外郭ケース側板10を下方に押し下げることにより容易に組み立てることができる。
第三に、成形断熱材7と外郭ケース天板11間の寸法誤差がマイナスの場合について説明する。
図9は、成形断熱材7と外郭ケース天板11間の寸法誤差がマイナスの状態を示す構成図である。なお、寸法誤差がマイナスとは、例えば成形断熱材7と外郭ケース天板11間の規定寸法がxだとすると、x-2mm程度寸法が小さい場合のことである。
図9に示すように、組み立て時において、外郭ケース天板11は貯湯タンク1に対して下方に押し付ける力が初期荷重として作用しており、その初期荷重をP2とする。この初期荷重P2に相当する力で外郭ケース側板10を下方に押し下げて組み立てる。支持部材13の低剛性体の荷重−変位特性からその初期荷重P2は概ね500N程度である。
図10は図9のときの各部材の荷重−変位線図である。縦軸が荷重、横軸が変位を示す。
図中に実線で示したのは支持部材13に、破線で示したのは外郭ケース側板10に、2点鎖線で示したものが貯湯タンクユニット100に作用する荷重と変位の関係である。ここで、実際に貯湯タンクユニット100に作用する荷重と変位の関係は、支持部材13と外郭ケース側板10とを合成したものである。
貯湯タンク1と外郭ケース天板11との間に作用する荷重は、支持部材13の荷重と変位の関係であり、低剛性体はすでに変形を終え座屈した状態にあり、概ね500N程度の初期荷重が作用している。
この貯湯タンクユニット100に作用する荷重−変位は、図6に示した寸法誤差のない場合に比べ、支持部材13の荷重―変位線図が左方向にスライドした分だけ見かけ上の剛性が高くなっている。
ここで、輸送時や据付時に貯湯タンクユニット100に落下等の衝撃が加わった場合を考える。支持部材13が無い場合については前述したので省略する。
また、支持部材13が低剛性体を有さない場合、支持部材13の寸法は成形断熱材7と外郭ケース天板11間の規定寸法となるように作られていると考えられる。そのため、成形断熱材7と外郭ケース天板11間の寸法誤差がマイナスだと、成形断熱材7と外郭ケース天板11の間に支持部材13を設置する際に支持部材13中の高剛性体のみ圧縮変形するため初期荷重が大きくなりすぎてしまい、外郭ケース側板10を下方に押し下げる組立工定時に簡単な押圧装置や人力等では貯湯タンクユニット100を組立てられない可能性がある。
しかし低剛性体を有する支持部材13を設けた場合、低剛性体がつぶれることで寸法誤差を吸収するため貯湯タンクユニット100を容易に組立てることができる。そして、寸法誤差がマイナスの時も初期荷重を低減させることができ、かつ高剛性体で荷重を支持するため外郭ケース側板10の降伏点である8000Nより十分に低い荷重に分散されるため外郭ケース側板10の塑性変形を抑制することができる。
このように、輸送時や据付時に落下した貯湯タンクユニット100のタンク脚12が床または地面に接地して貯湯タンク1の下降が急停止すると、支持部材13によって外郭ケース200は支持される。すなわち、外郭ケース側板10および外郭ケース天板11が更に下方に下がろうとするのを支持部材13によって受け止めて、外郭ケース側板10に掛かる応力を緩和することができるので、外郭ケース200の塑性変形を抑制することができる。
また、支持部材13を組み立てる際の初期荷重は500N程度であるから、簡単な装置、例えばてこの原理を用いた押圧装置やあるいは人力程度の力で外郭ケース側板10を下方に押し下げることにより容易に組み立てることができる。
以上のように、本発明の実施の形態によれば、貯湯タンクユニット100に対して落下による衝撃荷重が作用した場合、内蔵された貯湯タンク1の保護と外郭ケース側板10自体の破損または座屈変形の防止の両方を可能とする構造を得ることができる。その結果、外観不良による外郭ケース200の取替えや貯湯タンク1の不具合による取替えに伴う無駄な資源使用を抑制することができる。また、一般に耐衝撃性を向上させるためには、外郭ケース200を厚い材料で形成したり、あるいは、輸送用梱包材を多量に用いる必要があるが、これらを避けることができて、資源消費や輸送コストを低減することができる。
また、支持部材13は衝撃を緩和する高剛性体と、寸法誤差の調整をする低剛性体を直列に有するので、組み立て時に支持部材13中の低剛性体の一部が変位し、貯湯タンクユニット100や外郭ケースの寸法誤差を吸収するとともに、高剛性体で落下時の衝撃による荷重等を支持する。それによって、輸送時や据付時に貯湯タンクユニット100に落下等の衝撃が加わった場合に、貯湯タンクユニット100の空間部の寸法誤差にかかわらず外郭ケース200の塑性変形を防止することができる。さらに、貯湯タンクユニット100を組み立てる際に寸法誤差が出た場合でも、支持部材13を加工することなく貯湯タンクユニット100を組み立てることができるので組み立て性が向上する。
また、外郭ケース天板11裏面と接触しているのが支持部材13の上面のみのため、成型断熱材7上面と外郭ケース天板11とが直接接触している場合と比べて接触面積は少なくて済み、貯湯タンク1の特に上部からの熱が外郭ケース200に逃げてしまうことをより抑制し、湯の保温性能を向上することができる。
また、支持部材13を高剛性体、低剛性体ともに発泡成形材を用いることで、金属部材によって完全に外郭ケースと貯湯タンクとを固定した場合と比べて落下等の衝撃が貯湯タンクに直接伝わりづらく、また金属よりも熱伝導性が低いため、熱が外郭ケースに逃げてしまうことをより抑制することができる。
なお、支持部材13は、寸法誤差を調整するための低剛性体を有しつつも、落下衝撃吸収のための高剛性体を長くすることによってより衝撃を吸収できるので、低剛性体の寸法は、剛性の高い部位の寸法の概ね5〜10%が望ましい。また、支持部材13の剛性の比は、低剛性体を1とすると高剛性体は概ね8〜20程度が望ましい。
なお、前述したように支持部材13と、成型断熱材7との接合は、接着剤などによる接着でもよく、あるいは成型断熱材7の上肩部に嵌合部を設け、支持部材13の下方を嵌合させてもよい。この際、水平方向からの衝撃が発生した時に支持部材13がずれないようにするため、支持部材13が成型断熱材7と接合する部分は、高剛性体にするとさらに望ましい。
なお、本実施形態における支持部材13の断面形状は、上底が下底より短い台形状をなしていてもよい。これによって、成形断熱材7に対する支持部材13の接触面積は、外郭ケース天板11に対する支持部材13の接触面積より小さくなり、支持部材13と外郭ケース天板11との接触面積をさらに十分に小さくすることができるので、外郭ケース天板11への熱伝導をさらに抑制し、湯の保温性能をさらに向上することができる。
なお、図3では支持部材13中の低剛性体と高剛性体は剛性が低い高発泡成形材17と剛性が高い低発泡成形材18にて構成されているが、本実施の形態に係る支持部材13の構成はこれに限定されるものではない。以下にその他の例を示す。
図11は本実施の形態の支持部材の構造の別の例を示す拡大断面図である。
図11において、支持部材23は、発泡成形材で構成されている。支持部材23の下方に成型した長穴部は、空間である。この長穴空間部14を設けたため、この長穴空間部14を有する部位の剛性は、他の空間を設けていない部位に比較して、有効断面積に比例して剛性が低くなる。長穴空間部14の高さは、支持部材23の高さの概ね5〜10%が望ましく,その有効断面積は、10〜20%が望ましい。
長穴空間部14の形状は、円と長方形の組み合わせを示したが,楕円形でもよく、また長方形でもよい。長穴空間部14の数として2個の場合を示したが、これに限らずもっと多くてもかまわない。
図12は本実施の形態の支持部材の構造の別の例を示す拡大断面図である。
支持部材33は、発泡成形材で構成されている。支持部材33の下部にはくり抜き部15を設けられている。このくり抜き部15を設けたため、くり抜き部15を有する部位は、他のくり抜き部を設けていない部位と比較して、有効断面積に比例して剛性が低くなる。くり抜き部15の高さは、支持部材33の高さの概ね5〜10%が望ましく、その有効断面積は、10〜20%が望ましい。
図13は本実施の形態の支持部材の構造の別の例を示す拡大断面図である。
支持部材43は、発泡成形材で構成されている。支持部材43の上部に複数の台形状の歯16が設けられている。この台形状の歯16を設けたため、この台形状の歯16を有する部位は、他の部位と比較して、有効断面積に比例して剛性が低い。台形状の歯16の高さは、支持部材13の高さの概ね5〜10%が望ましく、その有効断面積は、10〜20%が望ましい。また、台形状の歯16の数として4個の場合を示したが、これより多くても少なくてもかまわない。
以上図11〜図13にて述べてきた支持部材23、33、43を圧縮した場合でも、図6の実線で示す荷重―変位線図と同様の特性を示すので、本実施の形態にて説明した支持部材13と同様の効果が得られる。さらに、同一の剛性の発泡成形材に空間を設けることによって有効断面積に比例して剛性が低い部分を生じさせたため、異なる剛性の発泡成形材を接合する場合と比べて製造工程の簡略化、低コスト化といった効果を奏する。
実施の形態2.
実施の形態1では支持部材を外郭ケース天板と成形断熱材との間に設けたが、本実施の形態では、支持部材を外郭ケース側板と成形断熱材との間に設けた場合について説明する。なお、実施の形態1と同一の箇所には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図14は、実施の形態2に係る貯湯タンクユニット110の正面断面図である。
成型断熱材7と外郭ケース側板10との間の空間には支持部材53が設置されている。支持部材53は高剛性体と低剛性体を直列に連接した圧縮特性を有する。換言すると、支持部材53は剛性の高い部分と剛性の低い部分を直列に有している。また、支持部材53の低剛性体は高剛性体より短く形成されている。このように支持部材53に低剛性体を設けることによって、組み立て時に低剛性体が変位し、成型断熱材7と外郭ケース200との間の空間の寸法誤差を吸収させることができる。
支持部材53の一端は、成型断熱材7の上肩部に接合し、支持部材53の他端は、外郭ケース側板10の上端内面に当接している。これにより、支持部材53は、成型断熱材7と外郭ケース側板10の上端との間隔を水平方向に保持する機能を発揮する。なお、外郭ケース側板10と成型断熱材7の間にて間隔保持ができれば支持部材53を設ける位置はこれに限るものではない。
図15は、支持部材53と成型断熱材7との嵌合構造を示す拡大断面図である。
支持部材53と、成型断熱材7との接合は、接着剤などによる接着でもよく、あるいは図15に示すように、成型断熱材7の上肩部に凹型の嵌合部7a、支持部材53の下方に凸型の嵌合部7bをそれぞれ設け、嵌合させてもよい。
次に、輸送時や据付時に貯湯タンクユニット110に衝撃が加わった場合の支持部材53の役割を説明する。ここでは主に貯湯タンクユニット110を横に寝かせ運搬する場合を考える。支持部材53が無い状態では貯湯タンク1の下部はタンク脚12を介して底板9で支えられているが、貯湯タンク1を覆う成型断熱材7と外郭ケース側板10との間は空間が存在するため、運搬のために貯湯タンクユニット110を横倒しにすると重力により貯湯タンク1は下になった外郭ケース側板10の方へ大きく移動する。そのため、貯湯タンク1の上部に接続された出湯管5や給湯配管6には大きな力が掛かり、その結果変形や破損などを招く可能性がある。
ここで、図14に示すように、支持部材53を設けた場合、貯湯タンク1の上部は、成型断熱材7、支持部材53を介して外郭ケース側板10の上端で支えられる。つまり、成型断熱材7と外郭ケース側板10との間隔は支持部材53によって保持されているため、輸送時に横倒ししても貯湯タンク1が側方に移動することは無く、貯湯タンク1の上部に接続された出湯管5や給湯配管6に大きな力が掛かることもないため、出湯管5や給湯配管6の変形や破損などの発生を抑制することができる。
以上のように、本発明の実施の形態2によれば、支持部材53を成型断熱材7と外郭ケース側板10との間に設け、支持部材53は高剛性体と低剛性体を直列に有しているため、低剛性体で貯湯タンクユニット110や外郭ケースの寸法誤差を吸収するとともに、高剛性体で輸送時に貯湯タンクユニット110を横に寝かせた場合等の荷重を支持し、成型断熱材7と外郭ケース側板10の上端との間隔を水平方向に保持する機能を発揮することができる。
これによって、組み立て時に支持部材53中の低剛性体の一部が変位し初期荷重を印加する状態であれば、貯湯タンク1を寝かせたことによる荷重を支持部材53によって受け止めて、貯湯タンク1の上部に接続された出湯管5や給湯配管6の塑性変形を防止することができる。つまり、成型断熱材7と外郭ケース側板10との間に空間がある場合でも、貯湯タンクユニット110を横に寝かせて運搬することができる。さらに、貯湯タンクユニット110を組み立てる際に寸法誤差が出た場合でも、支持部材53を加工することなく貯湯タンクユニット110を組み立てることができるので組み立て性が向上する。
図16は本実施の形態に係る支持部材53と実施の形態1に係る支持部材13との組み合わせである。
また、本実施の形態に係る支持部材53と実施の形態1に係る支持部材13とを組み合わせてもよい。これにより、横倒し時の衝撃による出湯管5および給湯配管6等の塑性変形を抑制するだけでなく、落下時の衝撃による外郭ケース側板10の塑性変形も抑制することができる。
また、支持部材53が外郭ケース側板10と接触する面積は、成型断熱材7が外郭ケース側板10と直接接触している場合と比べて接触面積は少なくて済み、そのため貯湯タンク1の熱が外郭ケース200に逃げてしまうことをより抑制し、湯の保温性能を向上することができる。
また、支持部材53を高剛性体、低剛性体共に発泡成形材を用いることで、金属部材によって完全に外郭ケースと貯湯タンクとを固定した場合と比べて衝撃が貯湯タンクに直接伝わりづらく、また金属よりも熱伝導性が低いため、熱が外郭ケースに逃げてしまうことをより抑制することができる。
また、本実施の形態における支持部材53の断面形状は、外郭ケース側板10と接する辺が成型断熱材7と接合する辺より短い台形状をなしていてもよい。これによって、支持部材53と外郭ケース側板10との接触面積をさらに十分に小さくすることができるので、外郭ケース側板10への熱伝導をさらに抑制し、湯の保温性能をさらに向上することができる。
なお、本実施の形態の支持部材53も、実施の形態1と同様に剛性が低い高発泡成形材17と剛性が高い低発泡成形材18にて構成されているが、実施の形態1にて説明したように、支持部材53の構成はこれに限るものではない。
実施の形態3.
本実施の形態では、支持部材を外郭ケース側板の上端を内側方向に折り曲げた折り曲げ部と成型断熱材との間に設けた場合について説明する。なお、実施の形態1および2と同一の箇所には同一の符号を付し、説明を省略する。
図17は、実施の形態3に係る貯湯タンクユニット120の正面断面図である。
図18は、支持部材63と成型断熱材7との嵌合構造を示す拡大断面図である。
図18に示すように、本実施の形態において、外郭ケース側板10の相対する一組は、外郭ケース側板10の上端を内側、つまり貯湯タンク1側に折り曲げられた折り曲げ部10bを有する。なお、図17においては外郭ケース側板10の相対する一組のみが折り曲げ部10bを有するが、もう一組の外郭ケース側板10にも折り曲げ部10bを設けてもよい。
成型断熱材7と外郭ケース側板10の折り曲げ部10bとの間には支持部材63が設置されている。支持部材63は高剛性体と低剛性体を直列に連接した圧縮特性を有する。換言すると、支持部材63は剛性の高い部分と剛性の低い部分を直列に有している。また、支持部材63の低剛性体は高剛性体より距離が短く形成されている。このように支持部材63に低剛性体を設けることによって、成型断熱材7と外郭ケース210との間の空間の寸法誤差を吸収させることができる。
支持部材63の一端は、成型断熱材7の上肩部の斜面に傾斜して接合し、支持部材63の他端は、外郭ケース側板10の上端の折り曲げ部10bの下面に当接している。これにより、支持部材63は、成型断熱材7と外郭ケース側板10の上端の折り曲げ部10bとの間隔を保持する機能を発揮する。
支持部材63と、成型断熱材7との接合は、接着剤などによる接着でもよく、あるいは図18に示すように、成型断熱材7の上肩部に凹型の嵌合部7a、支持部材63の下方に凸型の嵌合部7bをそれぞれ設け、嵌合させてもよい。
次に、輸送時や据付時等に貯湯タンクユニット120に例えば落下による垂直方向の衝撃が加わった場合の支持部材63の役割を説明する。
落下した貯湯タンクユニット120のタンク脚12が床または地面に着地して貯湯タンク1の下降が急停止すると、支持部材63によって外郭ケース側板10の上端の折り曲げ部10bは支持される。すなわち、外郭ケース側板10及び外郭ケース天板11が更に下方に下がろうとするのを支持部材63によって受け止めて、外郭ケース側板10に掛かる応力を緩和することができるので、外郭ケース210の塑性変形を抑制することができる。
次に、輸送時や据付時等に貯湯タンクユニット120に対して例えば寝かせたことによる水平方向の衝撃が加わった場合の支持部材63の役割を説明する。
成型断熱材7と折り曲げ部10bとの間は、水平方向に関しても支持部材63によって支持されている。そのため、寝かせたことによる重力によって貯湯タンク1が下になった外郭ケース側板10の方へ大きく移動することは無く、貯湯タンク1の上部に接続された出湯管5や給湯配管6に大きな力が掛かることもない。よって出湯管5や給湯配管6の変形や破損などの発生を抑制することができる。
以上のように、本実施の形態では、外郭ケース側板10は上端に内側方向に折り曲げられた折り曲げ部10bを有し、支持部材63を成型断熱材7と折り曲げ部10bとの間に設け、また支持部材63は高剛性体と低剛性体を直列に有しているため、低剛性体で貯湯タンクユニット120や外郭ケース210の寸法誤差を吸収するとともに、高剛性体で輸送時や据付時等に発生する落下による垂直方向の衝撃と横倒し等の水平方向からの衝撃による荷重を支持することができる。
つまり、成型断熱材7と外郭ケース210との間に空間がある場合でも、落下時や横倒し時の衝撃による貯湯タンクユニット120の塑性変形を抑制することができる。さらに、貯湯タンクユニット120を組み立てる際に寸法誤差が出た場合でも、支持部材63を加工することなく貯湯タンクユニット120を組み立てることができるので貯湯タンクユニット120の組み立て性が向上する。
また、支持部材63が外郭ケース210と接触する面積は、断熱材が外郭ケース210と直接接触している場合の接触面積と比べて少なくて済み、そのため貯湯タンク1の熱が外郭ケース210に逃げてしまうことをより抑制し、湯の保温性能を向上することができる。
また、図18に示すように支持部材63の縦断面は略台形状をなし、底辺が上辺より長い寸法で形成されることで、成型断熱材7と支持部材63との接触面積が折り曲げ部10bと支持部材63との接触面積より大きくなる。これにより外郭ケース側板10から荷重を受けてもより安定して支えることができる。また、支持部材63と外郭ケース側板10の上端の折り曲げ部10bとの接触面積が小さいことから、外郭ケース側板10への熱伝導をより抑制することができる。
また、外郭ケース側板10の上端の折り曲げ部10bに支持部材63を当接させることによって、水平方向の荷重に対する強度が増し、より確実に衝撃を支持部材63に伝えることができる。
また、支持部材63を貯湯タンク1の水平面に対して外側に傾斜して接合することによって、支持部材63は垂直方向からと、水平方向からとの二つの方向の力をより確実に受けることができる。そのため、より確実に落下時や横倒し時の貯湯タンクユニット120の塑性変形を防止することができる。
また、支持部材63を高剛性体、低剛性体共に発泡成形材を用いることで、金属部材によって完全に外郭ケース210と貯湯タンク1とを固定した場合と比べて衝撃が貯湯タンク1に直接伝わりづらく、また金属よりも熱伝導性が低いため、熱が外郭ケース210に逃げてしまうことをより抑制することができる。
なお、外郭ケース天板11と支持部材63とを接触させる際には外郭ケース天板11の上端を内側方向に折り曲げることで本実施の形態と同様の効果を得られることができることは言うまでもない。
なお、本実施の形態の支持部材63も、実施の形態1と同様に剛性が低い高発泡成形材17と剛性が高い低発泡成形材18にて構成されているが、実施の形態1にて説明したように、支持部材63の構成はこれに限るものではない。
なお、上述した実施の形態1〜3においては、貯湯タンク1を覆う断熱材として、成型断熱材7のほかに真空断熱材等他の断熱材を使用してもよい。この際には実施の形態1〜3にて説明した支持部材を真空断熱材等に接着して取り付けることによって、実施の形態1〜3と同様の効果を得ることができる。
1貯湯タンク 2給水配管 3入水配管 4加熱手段 5出湯配管 6給湯配管 7成型断熱材 7a凹型嵌合部 7b凸型嵌合部 8タンク脚 9底板 10外郭ケース側板 10a切り欠き部 10b折り曲げ部 11外郭ケース天板 12タンクユニット脚 13、23、33、43、53、63支持部材 14長穴空間部 15くり抜き部 16台形状の歯 17高発泡成形材 18低発泡成形材 100、110、120貯湯タンクユニット 200、210外郭ケース 19ねじ。

Claims (7)

  1. 加熱された湯を貯留する貯湯タンクと、
    前記貯湯タンクの少なくとも上部を断熱する断熱材と、
    前記断熱材を覆う外郭ケースと、
    前記外郭ケースと前記断熱材との間に配置され、一端は前記外郭ケースに当接し、他端は前記断熱材に接合され、前記外郭ケースを前記断熱材にて部分的に支持する支持部材と、を備え、
    前記支持部材は前記外郭ケースから前記断熱材にかけて剛性の低い低剛性体と剛性の高い高剛性体を直列に有し、前記支持部材の少なくとも一端は前記低剛性体か前記高剛性体のどちらかで構成されたことを特徴とする貯湯タンクユニット。
  2. 前記外郭ケースは上部を覆う天板と側部を覆う側板とからなり、前記支持部材は前記側板と前記断熱材との間に配置され、一端が前記側板に当接し、他端が前記断熱材に接合されたことを特徴とする請求項1に記載の貯湯タンクユニット。
  3. 前記外郭ケースは上部を覆う天板と側部を覆う側板とからなり、前記側板は上端に内側方向に折り曲げられた折り曲げ部を有し、前記支持部材は前記折り曲げ部と前記断熱材との間に配置され、一端は前記折り曲げ部に当接し、他端が前記断熱材に接合することを特徴とする請求項1に記載の貯湯タンクユニット。
  4. 前記外郭ケースと前記断熱材との間に配置した前記支持部材の前記低剛性体は、前記高剛性体よりも短く形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の貯湯タンクユニット。
  5. 前記支持部材は、発泡成型材からなり、前記発泡成型材の一部に空間を設けることにより有効断面積に比例して剛性が低い部分を生じさせたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の貯湯タンクユニット。
  6. 前記支持部材は、剛性の低い発泡成型材と、剛性の高い発泡成型材とを直列配置の方向に接合したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の貯湯タンクユニット。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の貯湯タンクユニットから加熱手段へ水を搬送し、前記加熱手段により加熱された前記水を前記貯湯タンク内へ搬送し貯留することを特徴とする給湯機。
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