JP2012205442A - 電動モータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アーマチュアコア8は、コア本体9と、コア本体9から径方向に沿って延びる複数のティース12と、を有する複数の磁性板11が積層されてなり、コア本体9には、一方面側に突出した凸部35aと、他方面側に凸部35aに対応した凹部35bと、シャフト3が圧入される軸方向平面視で略正9角形状(多角形状)の圧入孔37と、が形成されており、複数の磁性板11は、凸部35aと凹部35bとをカシメたカシメ部35により固定されて積層され、圧入孔37の角部38の頂点と、カシメ部35と、ティース12とが、径方向に沿った同一直線α,β、γ上に形成されていることを特徴としている。
【選択図】図3
Description
巻線に電流が供給されると磁界が形成され、この磁界とマグネットとの間に生じる磁気的な吸引力や反発力によってアーマチュアが回転する。
また、カシメ部とティースとを同一直線上に形成することにより、カシメ部はティースの外縁から離間したティースの根元に形成される。これにより、カシメ時にティースの外形形状の変形を抑制できるので、磁気特性に影響を与えることなくアーマチュアコアを精度よく形成できる。
ところで、コア本体における隣接するティース間は、アーマチュアコアを通過する磁束の磁路となっている。しかし、本発明では、カシメ部とティースとを同一直線上に形成することで、アーマチュアコアの磁路を避けたティースの根元側の領域で磁性板をカシメている。したがって、磁路抵抗を上昇させることなく各磁性板をカシメることができる。
また、カシメ部とティースとを同一直線上に形成することにより、カシメ部はティースの外縁から離間したティースの根元に形成される。これにより、カシメ時にティースの外形形状の変形を抑制できるので、磁気特性に影響を与えることなくアーマチュアコアを精度よく形成できる。
ところで、コア本体における隣接するティース間は、アーマチュアコアを通過する磁束の磁路となっている。しかし、本発明では、カシメ部とティースとを同一直線上に形成することで、アーマチュアコアの磁路を避けたティースの根元側の領域で磁性板をカシメている。したがって、磁路抵抗を上昇させることなく各磁性板をカシメることができる。
図1は、電動モータ1の部分断面図である。
電動モータ1は、例えば車両のパワーウィンドウ、サンルーフ、電動シートおよびワイパ装置等の駆動用モータとして用いられる。
図2は、電動モータ1の分解斜視図である。
図3は、図1のA−A線における断面図である。なお、図3では、図面を分かり易くするために、ヨーク5、マグネット7およびアーマチュアコア8のみを図示し、アーマチュアコイル16aやインシュレータ14等(図2参照)の図示を省略している。
図2に示すように、ヨーク5は、例えば鉄等の金属からなる有底筒状の部材であり、深絞りによるプレス加工等により成型される。
図3に示すように、ヨーク5の大部分を占める筒部53は、内周壁53aが軸方向平面視で略正6角形状に形成されており、軸方向平面視で中心軸Oを挟んで径方向で対向する6個の平坦壁61と、各平坦壁61を連結する6個のコーナー部63とを有している。平坦壁61、およびコーナー部63は、周方向に沿って交互に配置されており、平坦壁61およびコーナー部63はそれぞれ対向して配置される。
コーナー部63は、軸方向平面視で略円弧状に形成されており、隣り合う6個の平坦壁61の間に跨るように、隣り合う平坦壁61の周方向端部を接続している。
マグネット7には、ネオジ焼結磁石やネオジボンド磁石等の希土類磁石や、フェライト磁石等が使用され、平板状のセグメント型に形成されている。
マグネット7の軸方向の長さは、ヨーク5の筒部53の軸方向の長さと略同一か、若干短くなるように設定される。マグネット7の周方向の幅は、平坦壁61の内面61aにおける周方向の幅よりも若干狭くなるように設定される。
外フランジ部52にはボルト孔52aが複数個(本実施形態では3個)形成されており、ボルト(不図示)が挿通されて、電動モータ1が外部機器に締結固定される。
ブラシホルダユニット20は、本体部分を構成するブラシホルダ22と、ブラシ30を付勢するスプリング21と、ノイズを抑制する不図示の雑防素子と、各部品を電気的に接続する不図示のバスバー等により構成されている。
ブラシホルダ22は、軸方向平面視で略長円形状に形成された、樹脂等からなる部材である。ブラシホルダ22の第1面Fには、ブラシ30、スプリング21および雑防素子等が配置されている。
ブラシホルダ22の略中央には、ブラシホルダ22の第1面Fと第2面Sとを貫通する貫通孔22aが形成されており、貫通孔22aにはすべり軸受40が圧入されている。すべり軸受40には、シャフト3が挿通されており、摺動抵抗により発生する負荷を最小限に抑制して効率よく回転できるようにしている。
図2に示すように、ヨーク5の筒部53内に回転自在に設けられたアーマチュア6は、シャフト3に外嵌固定されたアーマチュアコア8と、アーマチュアコア8に巻装されたアーマチュアコイル16aと、シャフト3の他端側に配置されたコンミテータ10とを備えている。
アーマチュアコア8は、磁性板11を軸方向に複数枚積層したものである。
磁性板11は、電磁鋼板等をプレスにより打ち抜いて形成される薄板部材であり、リング状のコア本体9と、コア本体9から径方向に延びる複数個(本実施形態では9個)のティース12と、を有している。
コア本体9の略中央には、シャフト3が挿入される圧入孔37が形成されている。圧入孔37は、後述する圧入孔37の変形を吸収する逃げ部としての9個の角部38と、各角部38の間に形成された9個の辺部39とにより、軸方向平面視で略正9角形状に形成されている。
3個のカシメ部35は、それぞれ圧入孔37の径方向外側に形成される。具体的には、各カシメ部35は、複数の圧入孔37の角部38のうち120°ピッチで配置された3個の角部38の頂点に対応した位置であって、複数のティース12のうち120°ピッチで配置される3個のティース12a,12b,12cの根元に形成されている。すなわち、3個のカシメ部35と、圧入孔37の3個の角部38の頂点と、3個のティース12a,12b,12cとは、それぞれ同一直線α、β、γ上に形成されている。
また、ティース12の外縁から離間したティース12の根元にカシメ部35を形成することで、カシメ時にティース12の外形形状の変形が抑制される。これにより、磁気特性に影響を与えることなくアーマチュアコア8を精度よく形成できる。
アーマチュアコア8の外周には、軸方向に沿って延在する溝状のスロット13が形成されている。スロット13は、隣接するティース12の外周部間に形成される。前述のとおりティース数が9個であるため、ティース12間のスロット13も9スロット形成される。また、ティース12が周方向に沿って等間隔に配置されているため、各スロット13も周方向に沿って等間隔に複数形成される。
しかし、カシメ部35は、圧入孔37の周辺におけるティース12の根元に形成されている。この圧入孔37の周辺におけるティース12の根元の領域は、コア本体9を通過する磁束の磁路から外れた領域となっている。このように、圧入孔37の周辺におけるティース12の根元にカシメ部35を形成するで、通過する磁束を妨げずにアーマチュアコア8の磁路抵抗を上昇させることなく各磁性板11をカシメている。
本実施形態によれば、圧入孔37の角部38の頂点と、カシメ部35とを同一直線上に形成することにより、凸部35aと凹部35bとをカシメた際にカシメ部35の周辺が変形しても、圧入孔37の角部38の頂点で磁性板11の変形量を分散させて吸収することができる。これにより、圧入孔37の変形を抑制できるので、安定した圧入荷重を得ることができる。したがって、十分な保持力を確保してシャフト3にアーマチュアコア8を外嵌固定できる。
また、カシメ部35とティース12a,12b,12cとを同一直線上に形成することにより、カシメ部35はティース12の外縁から離間したティース12の根元に形成される。これにより、カシメ時にティース12の外形形状の変形を抑制できるので、磁気特性に影響を与えることなくアーマチュアコア8を精度よく形成できる。
ところで、コア本体9における隣接するティース12間は、アーマチュアコア8の磁路となっている。しかし、本発明では、カシメ部35とティース12とを同一直線上に形成し、アーマチュアコア8の磁路を避けた位置で磁性板11をカシメている。したがって、磁路抵抗を上昇させることなく各磁性板11をカシメることができる。
このように、圧入孔37の角部38の頂点と、カシメ部35と、ティース12a,12b,12cとを同一直線上に形成することにより、カシメによる圧入孔37の変形を抑制し、十分な保持力を確保してシャフト3にアーマチュアコア8を外嵌固定できる
本実施形態では、電動モータ1は、例えば車両のパワーウィンドウ、サンルーフ、電動シートおよびワイパ装置の少なくとも何れか1つの駆動用として用いられる旨を説明した。しかしながら、電動モータ1の用途はこれらに限られるものではなく、例えば車両の電動パワーステアリングや車両以外の電装品など、さまざまな装置に適用することが可能である。
また、電動モータ1の連結先はウォームギヤからなる減速機構である旨を説明した。しかしながら、電動モータ1の連結先は減速機構に限られるものではなく、減速機構以外のアクチュエータ機構や、他の外部機器に連結するようにしてもよい。
3・・・シャフト
5・・・ヨーク
8・・・アーマチュアコア
9・・・コア本体
11・・・磁性板
12・・・ティース
35・・・カシメ部
35a・・・凸部
35b・・・凹部
38・・・角部
α・・・直線
β・・・直線
γ・・・直線
Claims (3)
- ヨーク内に回転可能に支持されたシャフトと、
前記シャフトに外嵌固定されるアーマチュアコアと、
を備えた電動モータにおいて、
前記アーマチュアコアは、コア本体と、前記コア本体から径方向に沿って延びる複数のティースと、を有する複数の磁性板が積層されてなり、
前記磁性板の前記コア本体には、
一方面側に突出した凸部と、
他方面側に前記凸部に対応した凹部と、
前記シャフトが圧入される圧入孔と、
が形成されており、
前記複数の磁性板は、前記凸部と前記凹部とを重ね合わせてカシメたカシメ部により固定されて積層され、
前記圧入孔には、前記カシメ部をカシメた際に圧入孔の変形を吸収する逃げ部が形成され、前記逃げ部と、前記カシメ部と、前記ティースとが、径方向に沿った同一直線上に形成されていることを特徴とする電動モータ。 - 前記圧入孔は、軸方向平面視で多角形状に形成され、前記逃げ部は多角形状の角部の頂点であることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。
- 前記圧入孔が正多角形状に形成されており、前記圧入孔の角部の頂点の数が、前記カシメ部の数の整数倍となるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電動モータ。
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