JP2012204232A - 閃光放電管 - Google Patents

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修 浅田
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【課題】キセノン閃光放電管においてカソード電極ペレット内のセシウム化合物の飛散量を低減させることで外観不良のない閃光放電管の提供。
【解決手段】カソード電極ピンに熱が加わりにくいカーボン形状を採用したことにより、カソード電極ペレット内のセシウム化合物の飛散量を低減することができ、結果としてセシウムが硝子管内に集中的に付着しなくなり、エージング工程において放電させることで発生するセシウムが黒くリング状に変色したことによる外観不良がなくなるという効果がある。さらに従来に比べ、点灯電圧のばらつき、発光かけがなくなり、また長寿命という効果を得ることが出来る。
【選択図】図1

Description

本発明は、細管化してもセシウム化合物がガラス管の内面に付着せず、外観不良が発生しない閃光放電管に関するものである。
閃光放電管は、従来よりストロボ装置の光源等に利用されている。近年ではデジタルカメラの普及により内蔵ストロボ用光源に利用されている閃光放電管は、デジタルカメラの小型化、薄型に対応するため、よりいっそうの小型化、細管化が望まれている。
この種の閃光放電管7は、図4に示すように、ガラス管5の一端にガラスビード2を介して封着されるアノード電極ピン4と、アノード電極ピン4に対向する一端にカソード電極ピン1を備え、ガラス管内にはキセノンガスが封入されている。アノード電極ピン4はガラスビード2が封着される部分及びガラス管5内の部分はタングステンであり、外部部分はニッケルで両者は溶接により接合されている。またカソード電極ピン1もアノード電極ピン4と同様の構成であり、タングステンの先端付近には、エミッタ材料としてセシウム化合物が含浸された高融点金属の焼結体であるペレット6を備えている。(特許文献1参照)
閃光放電管7を製造する方法において、ガラスビード2を封着済みのアノード電極ピン4およびカソード電極ピン1をそれぞれガラス管5の両端に封着するには、例えばキセノンガスをガラス管5内に封入させながら、封止部付近を覆うように、各電極及びガラス管5を、保持する形状の保持部を備えたカーボン治具が両端に付随している銅電極を通電することにより加熱され、その熱がガラス管5に伝わることでガラス管5両端のガラスとガラスビード2を溶融する。
その後、溶融したガラス管5のガラスとガラスビード2が一体化し外部との隙間を封鎖して冷却され、ガラス管5内にキセノンガスが封入される。
ここで、カソード電極ピン1を封着する際に、カーボン治具からカソード電極ピン1を解してペレット6に伝わる熱によって、ペレット6に含浸されているセシウム化合物の一部が熱により1.65μg以上がガラス管5内に飛散する。
特開2001−135273号公報
カソード電極ピン1のペレットから飛散するセシウムは、カーボン治具3が加熱されることでカソード電極ピン1に熱が伝達しガラス管5内に飛散する、ペレット内に含浸されているセシウムがガラス管5中に含まれる塩素と化学結合しセシウム化合物となって、ガラス管5の内壁の、高温部分から一定温度以下になる境の冷点にリング状に集中的に付着する。そしてエージング工程において閃光放電管7を繰り返し発光させると、前記セシウム化合物は発光時の熱により結晶構造が変化し、変色して黒色のリング状の線となる。この線は閃光放電管7がカメラ等に取付けた際に好ましくないため、外観不良と判断される。
また、閃光放電管7の発光によりガラス管5内に生じるキセノンイオンがキセノンガス中のセシウム化合物と衝突し、熱分解を起こしたセシウムがキセノンガス中の未反応の塩素と化合し、電子放出性が低下させることで、点灯電圧がばらついたり、発光欠け(不発光)が発生する。
さらに、カソード電極ピン1を加熱した際に、ペレット6からセシウムが飛散することでペレット6内のセシウム量が減少し、所定の量より少なくなるため、発光によるセシウムの消費が早くなり、発光寿命が短くなる。
また、上記のような問題を発生させないようにするため、カソード電極ピン1のガラスビード2とガラス管5との封着時の熱量を少なくすると、封着が不十分になりリーク不良や焼き不足の外観不良が発生する。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、ガラス管5とカソード電極ピン1のガラスビード2との熱封着時に、カソード電極ピン1のペレット6内に含浸乾燥されているセシウム化合物がガラス管5内に飛散する量を低減することで、外観不良の発生や点灯電圧のばらつき、短寿命を防止するとともに、焼き不足不良の発生しない閃光放電管を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、ガラス管の両端にビードガラスを介して封止されたアノード電極及びカソード電極を備え、ガラス管内に希ガスが封入されたキセノン閃光放電管において、前記ガラス管内に飛散したセシウム量を1.65μg未満としたことを特徴とする閃光放電管である。
本発明によれば、カソード電極に熱が加わりにくいカーボン形状を採用したことにより、閃光放電管7内のセシウム量を1.65μg未満に低減することができる為、セシウム化合物が硝子管内に集中的に付着しなくなり、エージング工程において発光させても、それらが黒くリング状に変色することはなく外観不良がなくなるという効果がある。
加えて、従来に比べ、点灯電圧のばらつき、発光かけがなくなり、飛散したセシウム量が少ないため長寿命という効果を得ることが出来る。
ガラスビードを電極ピンに融着する工程を表す断面図 アノード電極ピンをガラスバルブと封着する工程を表す断面図 カソード電極ピンをガラスバルブと封着する工程を表す断面図 閃光放電管の断面図
以下では、本発明に係る閃光放電管の一実施形態について図1、図2及び図3、図4に基づいて説明する。尚、基本的な構成は従来例と同じであり、同じ構成については、同じ符号としている。
図1にガラスビードを電極ピンに融着する工程を表す断面図、図2にアノード電極ピンをガラスバルブと封着する工程を表す断面図、図3にカソード電極ピンをガラスバルブと封着する工程を表す断面図を、図4にキセノン閃光放電管の断面図を示す。
ガラスビード2をアノード電極ピン4およびカソード電極ピン1に融着するためには、図1に示すようにアノード電極ピン4およびカソード電極ピン1をガラスビード2の孔に通した状態でカーボン治具3にセットし、カーボン治具3は両端に付随している銅電極を通電することにより高温に加熱されることでアノード電極ピン4およびカソード電極ピン1にガラスビード2を融着させる。
カーボン治具3は、アノード電極ピン4およびカソード電極ピン1の外部リード部の端部を保持する形状をしており、外部リード部はカーボン治具3に完全に覆われている。
またカーボン治具3は、ガラスビード2を加熱して熱融着させる加工治具であり、融着時ガラスビード2の端面より加熱し、ガラスビード2を軟化させアノード電極ピン4またはカソード電極ピン1に融着させる。
また、融着時大気圧以上の窒素ガスを封入することによりアノード電極ピン4およびカソード電極ピン1の酸化を防ぐとともに、ガラスビード2の融着強度を高めている。
カーボン治具3は高温で加熱されており、高温のまま取り出すとカーボン治具3は劣化してしまう為、一定時間窒素雰囲気中で冷却を行い取り出す。
ガラスビード2を融着したアノード電極ピン4をガラス管5に封止するには、図2に示すようにガラス管5の一端内部に、ガラスビード2を融着したアノード電極ピン4を挿入した状態で、カーボン治具3の両端に付随してある銅電極を通電することによりカーボン治具3を加熱する。
カーボン治具3は上記アノード電極ピン4の外部リード部の端部を保持する形状をしており、外部リード部はカーボン治具3に完全に覆われている。
上記でアノード電極ピン4に融着されたガラスビード2はガラス管5とカーボン治具3で、加熱され熱封着される。このとき、アノード電極ピン4の酸化を防ぐ為に、アルゴンガス雰囲気中でガラスビード2とガラス管5の端面より加熱し、ガラスビード2およびガラス管5を軟化させ封着させる。
アノード電極ピン4に融着されたガラスビード2とガラス管5が軟化し封着される最中に一瞬であるがアルゴンガスの封入を止め真空引きをすることでガラス管5のもう一端から塩素を逃がすことでガラス管内に塩素を付着させない。
カーボン治具3は高温で加熱されている為、高温のまま取り出すとカーボン治具3は劣化してしまう為、一定時間窒素雰囲気中で冷却を行い取り出す。
上記カーボン治具3で、加熱され熱封着されアノード封止済みのガラス管5は反転させ、ガラス管5の端面とカソード電極ピン1に融着されたガラスビード2を軟化させ封着させた後、所定のガス設定値以上のガス圧をガラス管5にかけることによりガラスビード2と封着させる。
ガラスビード2を融着し、先端部にペレット6がカシメられたカソード電極ピン1をガラス管5に封着するには、図3に示すようにカーボン治具3にガラス管5の一端内部にガラスビード2を融着したカソード電極ピン1を挿入した状態で真空引きした後、所定のガス圧になるように設定したキセノンガス雰囲気中でカーボン治具3の両端に付随してある銅電極に通電することによりカーボン治具3を加熱する。
ガラス管5の端面とカソード電極ピン1に融着されたガラスビード2を軟化させ封着させた後、ガラス管5内に封入されたキセノンガスはカーボン治具3が加熱されたことにより熱膨張をおこしガラス管を押し広げようとするのを、所定のガス設定値以上のキセノンガスを封入することによりガラス管5の熱膨張を抑え、ガラス管5の端面とカソード電極ピン1に融着されたガラスビード2を封着させる。
カーボン治具3は高温で加熱されている為、高温のまま取り出すとカーボン治具3は劣化してしまう為、一定時間窒素雰囲気中で冷却を行い取り出す。
カーボン治具3は、カソード電極ピン1の外部リード部の端部を保持しており、外部リード部はカーボン治具3に完全に覆われているが、アノード封止用のカーボン治具3に比べ覆っている面積が小さくなっている。
カーボン治具3が通電加熱されると、カーボン治具3の熱がカソード電極ピン1やガラス管5を介してガラスビード2やペレット6に伝達される。しかし、カーボン治具3がカソード電極ピン1を覆っている面積が小さいため、カーボン治具3に接触しているガラス管5とガラスビード2の封着は確実に行われるが、カソード電極ピン1を覆っている面積が小さいことでペレット6に伝わる熱が少なくなり、ペレット6に含浸乾燥しているセシウムの飛散を減少させることができる。
また、所定のガス設定値は0.1MPa以上0.4MPa以下であり、ガラス管5の端面とカソード電極ピン1に融着されたガラスビード2を封着する際には、所定のガス設定値以上のキセノンガスを封入する。
カーボン治具3で封着された閃光放電管7内に、ペレット6に予め含浸乾燥したセシウム化合物がガラス管内に飛散する量は、ICP−MS測定機による測定で1.65μg未満である。
上記、ガラス管内に飛散しているセシウム量が1.65μg未満であれば、セシウム化合物が硝子管内に集中的に付着しなくなり、エージング工程において放電が発生してもそれらが黒くリング状に変色することはなく外観不良がなくなるという効果がある。
また、硝子管内に飛散しているセシウム量が1.65μg未満であれば、長寿命という効果を得ることが出来る。
さらに、硝子管内に飛散しているセシウム量が1.65μg未満であれば、点灯電圧ばらつきが低減する効果を得ることが出来る。
本発明は、閃光放電管として広く利用することができる。
1 カソード電極ピン
2 ガラスビード
3 カーボン治具
4 アノード電極ピン
5 ガラス管
6 ペレット
7 閃光放電管

Claims (1)

  1. ガラス管の両端にビードガラスを介して封止されたアノード電極及びカソード電極を備え、ガラス管内に希ガスが封入されたキセノン閃光放電管において、前記ガラス管内に飛散したセシウム量を1.65μg以下としたことを特徴とするキセノン閃光放電管。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62206761A (ja) * 1986-03-04 1987-09-11 Stanley Electric Co Ltd 閃光放電管
JPH11185620A (ja) * 1997-12-22 1999-07-09 Fuji Photo Film Co Ltd キセノン放電管の製造システム、キセノン放電管の製造方法及びキセノン放電管の製造用治具

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