JP2012202687A - 電気二重層キャパシタの状態観測装置 - Google Patents

電気二重層キャパシタの状態観測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】使用部品数を削減して全体としての構成を簡素化し、人的な作業負担を軽減することができる技術を提供する。
【解決手段】充電用にソーラーパネル(太陽光発電装置104)を用いた場合、充電用の電流値が定電流とならず不測に変動するが、状態観測装置100は、EDLC電流検出部116を用いて一定時間毎に充電用の電流値を測定し、その結果を用いて制御部112によりEDLC102の充電容量を正確に算出することができる。また、充電容量の算出結果を複数の充電サイクルで比較し、その変化からEDLC102の劣化の状態を判定したり、残り寿命を予測したりすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、充電用電源から電流の供給を受けて充電される電気二重層キャパシタ(Electric Double Layer Capacitor:以下、「EDLC」と称する。)の状態を観測する電気二重層キャパシタの状態観測装置に関する。
従来、充放電のサイクルを繰り返しながら使用されるEDLCについて、残り寿命や劣化の程度等を判定する先行技術がある(例えば、特許文献1参照。)。この先行技術では、直流負荷を有するキャパシタ適用機器に検査回路を組み込み、接続スイッチを開放してEDLCと直流負荷との接続を切断することにより、電圧計と検査回路とを用いたEDLCの検査を可能としている。検査回路はEDLCに並列接続されており、その内部に放電スイッチや放電抵抗、短絡スイッチ等を有している。接続スイッチの開放時に放電スイッチを接続すれば、EDLCの接続先が直流負荷から検査回路に切り替わるため、このとき短絡スイッチを開放して放電抵抗をEDLCに接続することにより、電圧計を用いて端子間電圧を観測することができる。電圧の観測はEDLCの劣化前と劣化時について行い、EDLCの放電を開始した時点から、EDLC端子電圧が設定電圧に低下する時点までの放電時間をそれぞれ求め、静電容量変化率からEDLCの寿命判定を行うことができる。
上記の先行技術によれば、キャパシタ適用機器に検査回路を組み込むことで、キャパシタ適用機器からEDLC全体を切り離す(取り外す)ことなく、その寿命判定を実行することができる。
特開2008−27946号公報
しかし、先行技術の手法には、EDLCの接続先を切り替えるために複数のスイッチ部品が必要となるほか、これらスイッチ部品を個別に投入・開放制御するための制御装置が別途必要であるため、それだけ装置全体の構成が複雑化するという問題がある。
また、先行技術の寿命判定は、EDLCが「劣化していないとき」と「劣化したとき」のそれぞれでスイッチの切り替え操作を行い、電圧計の読み取り値を監視しながら放電時間を観測するものであるが、EDLCが「劣化していないとき」、「劣化したとき」という2つの状況は別途人為的に判断する必要がある。このため、装置自身がEDLCの寿命を自主的に判定(自動判定)できるわけではなく、その運用にはある程度の人的な作業負担を要するという問題がある。
そこで本発明は、使用部品数を削減して全体としての構成を簡素化し、また、人的な作業負担を軽減することができる技術の提供を課題とする。
本発明は以下の解決手段を採用する。すなわち本発明は、充電用電源から電流の供給を受けて充電されるEDLCの状態を観測するEDLCの状態観測装置であって、電流の測定手段及び容量の算出手段を備える。測定手段は、充電用電源から供給される電流値を複数の時点(複数の異なる時点、複数の異なるタイミング)で測定するものである。また算出手段は、測定手段により異なる時点で測定された複数の電流値を用いてEDLCの充電容量を算出する。
本発明の発明者等は、EDLCの充電容量(状態)を数式で正確に求めることができる点に着目し、上記の構成を採用するに至ったものである。すなわち、ある充電サイクル中に充電時の電流値Iを複数の時点で測定しつつ、これらを充電時間(秒単位)で積算すれば、充電時間内でのEDLCの積算電荷量Q’(=I・s)が明らかとなる。そして、この充電時間内での電圧変化量ΔVと積算電荷量Q’から充電容量C(=Q’/ΔV)を正確に算出することが可能となる。
上記のように充電容量Cの算出を行えば、EDLCの組み込みシステムに利用して様々な状態判断や制御が可能になる。例えば、充電サイクルと放電サイクルを交互に切り替えて運用される組み込みシステムであれば、充電サイクル中の充電量を計算し、その結果を用いて放電サイクル中に単位時間あたりの放電電流を制御することが可能である。あるいは、EDLCの充電容量を長期間にわたって観測することにより、その変化からEDLCの劣化の傾向を推測し、残寿命を予測するといった利用形態も可能である。
本発明のより好ましい態様は、充電中のEDLCの電圧値を検出する検出手段と、検出手段により検出された電圧値に基づいてEDLCの充電容量の算出を行うべきか否かを判断する判断手段とをさらに備える。この場合、算出手段は、判断手段により算出を行うべきであると判断された場合に充電容量の算出を行うことができる。
上記の態様であれば、判断手段により算出を行うべきであると判断する電圧値(電圧変化量ΔV)を予め既知としておくことで、常に安定した条件の下で充電容量の算出が可能となる。
また判断手段は、検出手段により検出された電圧値が設定値にまで上昇した後、設定値より大きい規定値に達した場合に充電容量の算出を行うべきであると判断することとしてもよい。この場合、算出手段は、検出手段により検出された電圧値が設定値にまで上昇した後、規定値に達するまでの間に測定された複数の電流値を用いて充電容量を算出することができる。
これにより、毎回の観測時にEDLCの電圧が設定値から規定値(例えばV1〜V2:ただしV1<V2)の範囲内で変化(充電による上昇)する間に測定した電流値を用いて、EDLCの充電容量を正確かつ容易に算出することができる。
また本発明の好ましい別の態様は、複数回にわたる充電サイクルを通じて算出手段により算出された複数の充電容量に基づいて、EDLCの劣化の状態を判定する判定手段をさらに備える。
上記の態様であれば、現時点でのEDLCの劣化状態を判定できることはもとより、これまでの劣化の傾向から将来的な残り寿命(交換時期)を予測的に判定することもできる。これにより、EDLCの状態を観測しながら交換時期を自動判定することで、EDLCのメインテナンス性を向上することができる。
なお測定手段は、充電用電源から供給される電流値を所定の時間間隔で測定することもできる。この場合、電流値を測定した回数から充電時間を一意に決定することができる。このため、一意に決定される充電時間と複数の電流値から電荷量Q’(=I・s)を算出し、そこから容易に充電容量Cを算出することができる。特に測定の時間間隔を1sに設定すれば、毎秒の測定値を単純に積算するだけでよいため、さらに計算が容易になるという利点がある。
また本発明の状態観測装置は、少なくとも算出手段により算出された充電容量を結果情報として出力する情報出力手段をさらに備えてもよい。
この場合、出力される結果情報を利用して、さらなる状態の判断を行ったり、組み込みシステムの制御の利便性を向上したりすることができる。
本発明の好ましい態様においてEDLCの充電用電源は、光を受けて発電するソーラーパネルを有する。ソーラーパネルは受光(日照)の状態によって充電電流が変動しやすいため、定電流を前提とした充電容量の算出手法には不向きである。これに対し、本発明の手法では、充電電流が不測に変動するシステムにおいても、異なる複数の時点で電流値を測定しつつ、電圧変化量の範囲内で複数の電流値から正確に積算電荷量を求めることで、容易に充電容量を算出することができる。
本発明の状態観測装置は、部品点数の増加や構成の複雑化を抑え、比較的簡素な構成でEDLCの状態観測を実現することができる。また、状態の観測を装置自身が自動で行うことにより、観測作業やEDLCの保守・点検作業の人的負担を大きく軽減することができる。
EDLCの状態観測装置の構成を概略的に示したブロック図である。 コントローラの制御部により実行されるメイン処理の内容を示すフローチャートである。 メイン処理の中で実行されるEDLC充電制御処理の内容を具体的に示すフローチャートである。 容量検出実行処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。 任意の1日の一部時間帯におけるソーラーシステムの各種状態変化の一例を示したタイミングチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態となるEDLCの状態観測装置100の構成を概略的に示したブロック図である。この状態観測装置100は、例えば図示しないソーラーパネルを用いて太陽光発電を行い、その電力でEDLC102を充電するシステム(以下、「ソーラーシステム」と称する。)に組み込まれた形態を有する。このような形態において状態観測装置100は、ソーラーシステムの二次電池となるEDLC102の状態を観測する用途に用いられる。
〔充電用電源〕
ソーラーシステムは、太陽光発電装置(PV)104を有しており、この太陽光発電装置104は、図示しないソーラーパネルを用いて充電用の電流(電力)をEDLC102に供給する。EDLC102は、複数のEDLC部品(素子)を直列又は並列に接続してクラスタ化した二次電池である。太陽光発電装置104から出力される電流は、例えばPWM(パルス幅変調)回路106を通じてEDLC102に供給されている。なおPWM回路106は、例えばパワーMOSFET等の素子を用いたスイッチング回路である。
ソーラーシステムは、昼間には主にEDLC102を充電し、夜間になるとEDLC102を放電させて直流負荷(DC負荷)108を駆動することができる。直流負荷108には任意の対象物として、例えばLED照明装置やDCモータ、コンピュータ機器等を挙げることができる。
〔コントローラ〕
本実施形態の状態観測装置100は、例えばシステムのコントローラ110に組み込まれている。システムのコントローラ110は、例えば昼間又は夜間を判断してシステムの動作モードを「昼モード」又は「夜モード」に切り替える。すなわちコントローラ110は、昼モードではEDLC102への充電を制御し、夜モードではEDLC102からの放電を制御する機能を有している。このためコントローラ110には、例えば図示しない光センサやタイマ等が付属しており、コントローラ110は光センサによる光検知信号やタイマの示す時刻に基づき、昼間又は夜間を判断してモードの切り替えを行う。
コントローラ110は制御部112を有しており、この制御部112は、例えばPIC(プログラマブルIC)やMPU、CPU等のプロセッサで構成されている。またコントローラ110は記憶部114を有しており、記憶部114には例えばRAM等のメモリデバイスが用いられている。
またコントローラ110は、EDLC電流検出部116及びPV電圧検出部118を有している。このうちEDLC電流検出部116は、太陽光発電装置104からPWM回路106を通じてEDLC102に供給される充電用の電流値に応じた電流検出信号を出力する。なおEDLC電流検出部116には、例えばホール素子等を用いた磁気比例式の電流センサを用いることができる。またPV電圧検出部118は、太陽光発電装置104の発生電圧に応じた電圧検出信号を出力する。なおPV電圧検出部118には、例えば太陽光発電装置104の出力端子間に並列接続した検出用抵抗を用いることができる。
その他にコントローラ110は、EDLC電圧検出部120を有している。EDLC電圧検出部120は、例えば充電時又は放電時におけるEDLC102の端子間電圧に応じた電圧検出信号を出力する。EDLC電圧検出部120にも、例えばEDLC102の端子間に並列接続した検出用抵抗を用いることができる。
上記のEDLC電流検出部116やPV電圧検出部118、EDLC電圧検出部120からの検出信号は、例えば図示しないADC(A/D変換器)や入出力ドライバを通じて制御部112に入力されている。制御部112は入力信号を所望のプログラム上で参照し、必要な値の測定や検出、計算等の処理に利用することができる。
本実施形態の状態観測装置100は、制御部112のハードウェアリソースを用いてソフトウェアにより実現することができる。すなわち状態観測装置100は、例えばEDLC電流検出部116からの電流検出信号に基づいて充電用の電流値を測定し(測定手段)、その値を用いてEDLC102の充電容量を制御部112の演算機能を用いて算出する(算出手段)。また状態観測装置100は、算出した充電容量に基づき、制御部112の演算機能を用いてEDLC102の劣化の状態を判断することもできる。
状態観測装置100による算出の結果や判断の結果は、出力情報として利用することができる。すなわち、コントローラ110には表示装置122が接続されており、この表示装置122は、例えば図示しない表示画面(LCDディスプレイ等)に出力情報を可視表示することができる。このため制御部112には、表示装置122を駆動するディスプレイドライバとしての機能も組み込まれている。
その他にコントローラ110には、例えば入力装置124が接続されている。この入力装置124は、例えばキーボードやポインティングデバイスのような入力インタフェースである。ソーラーシステムのオペレータは、入力装置124を通じてコントローラ110にアクセスし、必要な入力操作(例えば条件の設定や命令の入力等)を行うことができる。
〔コントローラによるメイン処理〕
図2は、コントローラ110の制御部112により実行されるメイン処理の内容を示すフローチャートである。制御部112は、その起動(電源投入)時に以下のメイン処理を実行する。
ステップS10:先ず制御部112は、別途定義済みの状態測定処理を実行する。この状態測定処理では、制御部112は例えばEDLC電流検出部116やPV電圧検出部118、EDLC電圧検出部120からの各種検出信号を読み込み、これらを個別にデータ化して記憶領域に記憶する。記憶領域は、制御部112の内部バッファレジスタであるか、もしくは上述した記憶部114に確保される。また図示しない光センサやタイマを備える場合、制御部112は状態測定処理において検出信号や時刻情報を取得する。
ステップS12:状態測定処理から復帰すると、次に制御部112はモード判断を行う。モード判断は、上記のように現在が「昼モード」又は「夜モード」のいずれであるかを判断するものである。例えば、光センサからの検出信号が一定の閾値を超えていたり、EDLC電流検出部116からの検出信号が0より大きい電流値を示していたりする場合、制御部112は現在が「昼モード」であると判断することができる。これに対し、光センサからの検出信号が一定の閾値に達していなかったり、EDLC電流検出部116からの検出信号が0を示していたりする場合、制御部112は現在が「夜モード」であると判断することができる。あるいは、単純にタイマからの時刻情報(地域別の年月日を含む)が昼間を示す場合、制御部112は現在が「昼モード」であると判断し、逆に夜間を示す場合、制御部112は現在が「夜モード」であると判断することもできる。
〔昼モード時〕
ステップS14:いずれにしても、先のステップS12で「昼モード」と判断した場合、制御部112は現在のモード値として「昼モード」を設定する。
ステップS16:そして制御部112は、別途定義済みのEDLC充電制御処理を実行する。このEDLC充電制御処理では、制御部112は主にPWM回路106を駆動してEDLC102への充電を制御する他、状態観測装置100としての動作をも実行する。なお、EDLC充電制御処理の詳細については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS18:EDLC充電制御処理から復帰すると、制御部112はその他処理を実行する。この処理では、制御部112は状態測定処理で行われない処理(例えば表示装置122へのデータ出力や外部通信等)を実行する。その他処理から復帰すると、制御部112はステップS10の状態測定処理に戻ってメイン処理をループする。
〔夜モード時〕
ステップS20:この後、時間の経過に伴い、先のステップS12で「夜モード」と判断した場合、制御部112は現在のモード値として「夜モード」を設定する。
ステップS22:そして制御部112は、別途定義済みのEDLC放電制御処理を実行する。このEDLC放電制御処理では、制御部112は主に、直流負荷108を駆動する際のEDLC102から直流負荷108への放電を制御する。
EDLC放電制御処理から復帰すると、制御部112は「昼モード」と同様にその他処理(ステップS18)を実行し、そこからの復帰後は同様にメイン処理をループする。
〔EDLC充電制御処理〕
次に図3は、メイン処理の中で実行されるEDLC充電制御処理の内容を具体的に示すフローチャートである。このEDLC充電制御処理の実行に伴い、コントローラ110が状態観測装置100としての機能を実現する。以下、コントローラ110を用いて実現される状態観測装置100としての機能について説明する。
ステップS100:ここで制御部112は、メイン処理中の状態測定処理(図2中のステップS10)で測定した充電用の電流値及び電圧値を読み込む。なお、ここで読み込む値は最新(今回)の測定値とする。
ステップS102:次に制御部112は、より詳細な定義済みの充電制御処理(PWM制御)を実行する。この処理では、制御部112は読み込んだ電流値及び電圧値に基づき、予め用意された制御手法を用いてPWM回路106の駆動制御を行う。
ステップS104:充電制御処理から復帰すると、制御部112は容量検出モードに移行するべきか否かを判断する。この判断は、例えば先の状態測定処理で読み込み済みのEDLC電圧値を用いて行うことができる。本実施形態では、EDLC電圧値がある設定値(例えば10V)以上である場合、制御部112は容量検出モードに移行するべきであると判断する(判断手段)。未だEDLC電圧値が設定値まで上昇していなければ(No)、制御部112はEDLC充電制御処理を抜けてメイン処理に復帰する。これに対し、EDLC電圧値が設定値まで上昇していれば(Yes)、制御部112は次のステップS106を実行する。
〔容量検出モード移行判断時〕
ステップS106:容量検出モード移行の判断時には、制御部112は容量検出実行処理を実行する。この処理では、制御部112はEDLC102の充電容量の算出に必要な各種演算を実行する。以下、容量検出実行処理について、さらに別のフローチャートを用いて説明する。
〔容量検出実行処理〕
図4は、容量検出実行処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS200:先ず制御部112は、先の状態測定処理で読み込み済みである充電用の電流値を改めて読み込む。ここでの電流値は、上述のように最新(今回)の値である。
ステップS202:そして制御部112は、今回の読み込んだ電流値を前回までに積算した電流値に加算する。例えば、前回までの積算電流値がImであり、今回の読み込んだ電流値がInであるとすると、In+Imの演算を実行する。そして制御部112は、演算の結果を新たな積算電流値Imとして更新し、その結果を記憶領域に保存する。
ステップS204:続いて制御部112は、容量検出モードの終了判断を行う。この判断は、同じく先の状態測定処理で読み込み済みのEDLC電圧値を用いて行うことができる。本実施形態では、EDLC電圧値が設定値より大きい別の規定値(例えば15V)に達した場合、制御部112は容量検出モードを終了すると判断する(判断手段)。未だEDLC電圧値が規定値に達していなければ(No)、制御部112はステップS206に進む。
ステップS206:この場合、制御部112は時間調整処理を実行する。この処理では、例えばコントローラ110に内蔵の図示しないタイマを用いて待ち時間(インターバル)の調整を行う。なお、調整時間の設定は任意(例えば数ms〜数百ms、あるいは1s)である。時間調整処理から復帰すると、制御部112は容量検出実行処理を抜けてEDLC充電制御処理に復帰する。
〔積算電流値の加算〕
容量検出モード移行時、制御部112がここまでの手順を繰り返し実行していくと、コントローラ110内部では積算電流値Imが毎回更新されていく。更新の結果は、現在までの積算した電荷量Q’となる。
〔計算例〕
例えば、1時間内で1s毎に読み込んだ複数の電流値I,I,I,・・・I3600を積算すると、充電容量Q=I・sより、
Q=I+I+I+・・・+I3600=Q’〔C〕を得ることができる。
なお、上記計算例は1s毎の電流値で表しているが、調整時間τが1s未満であれば、電流値の積算結果を調整時間τに応じて逓倍すればよい。
この後、EDLC電圧値が規定値まで上昇すると、制御部112はステップS204で容量検出モード終了と判断する(Yes)。この場合、制御部112はステップS208以降を実行する。
ステップS208:制御部112は、今回の容量計算を実行する。具体的には、これまでの積算電荷量Q’と、この間の電圧変化量ΔVとの関係から、充電容量C=Q’/ΔVを算出する(算出手段)。上記の計算例であれば、C=Q’/5〔F〕となる。電圧変化量ΔVは、本実施形態において規定値と設定値との差(規定値−設定値)に該当する。
ステップS210:制御部112は、計算結果である今回の充電容量C〔F〕を記憶領域に保存する。
ステップS212:そして制御部112は、今回の容量計算に用いた各種値(電流値、電圧値、積算電荷量等)をリセットする。
ステップS214:今回の容量計算を行った場合、ここで制御部112は表示要求が設定されているか否かを確認する。表示要求は、例えばフラグとして予めコントローラ110(制御部112)に対して設定しておくことができ、この表示要求が設定されていれば(Yes)、制御部112はステップS216を実行する。
ステップS216:この場合、制御部112はデータ表示処理を実行し、上述した表示装置122の表示画面等に計算結果を出力情報として表示させる(情報出力手段)。そして制御部112は容量検出実行処理を抜けてEDLC充電制御処理に復帰する。
なお、特に表示要求が設定されていなければ(ステップS214:No)、制御部112はデータ表示処理を実行することなく容量検出実行処理を抜け、EDLC充電制御処理に復帰する。
〔観測例〕
図5は、任意の1日の一部時間帯におけるソーラーシステムの各種状態変化の一例を示したタイミングチャートである。この例では、夜間の終了直前からみた状態変化を示しているものとする。
〔夜間終了直前〕
図5中(A)に示されているように、夜間の終了直前は充電用の電流値が0となっており、図5中(C)において、制御上のモードは「夜モード」に設定されている。
〔昼モード開始〕
図5中(C)に示されているように、ある時刻t1において制御上のモードが「夜モード」から「昼モード」に切り替わると、ソーラーシステムによるEDLC102の充電制御が開始される。
このとき図5中(A)に示されているように、充電用の電流値は0からある程度まで上昇している。ただし、早朝時期の日照ではソーラーパネルから比較的微弱な電流しか得られておらず、システムが定格とする電流値Iaには及ばない。
この後、時間の経過にしたがって電流値は上昇する傾向にあるが、ソーラーパネルを用いた発電では、得られる充電用の電流値が不測に変動する。このため図5中(B)の実線で示されているように、EDLC電圧値の時間変化は定電流を前提とした充電特性(図中二点鎖線)を示していない。
〔容量検出モード移行判定〕
昼モード中に充電が進み、図5中(B)に示すように、ある時刻t2でEDLC電圧値が上記の設定値Vsまで上昇すると、上記のように制御部112は容量検出モードに移行する。これにより、所定の時間間隔(調整時間毎)で電流値の測定(毎回の読み込み)が行われ、その結果を用いて積算電荷量Q’の演算が行われていく。なお、この間も電流値は不測に変動しており、それによってEDLC電圧値の時間変化も定電流を用いた充電特性とは異なっている。
〔容量検出モード終了判定〕
さらに充電が進み、図5中(B)に示すように、時刻t3でEDLC電圧値が上記の規定値Veに到達すると、上記のように制御部112は容量検出モードを終了する。これにより、時刻t2から時刻t3までの時間内で演算した積算電荷量Q’(複数の電流値を積算した値)と電圧変化量ΔVから、今回の充電容量Cが算出される(算出手段)。
なお、この後も昼モード中はEDLC102の充電が継続され、EDLC電圧値は例えば定格値Vaにまで上昇していく。またEDLC電圧値が定格値Vaに達すると、制御部112は充電制御を終了する。
〔状態観測の応用〕
また状態観測装置100は、算出した充電容量Cを出力情報として表示するだけでなく、さらに内部的な演算を行ってEDLC102の劣化の状態を判定することもできる。劣化の状態は、例えばEDLC102の充電容量が初期値からどの程度(%)まで低下したかによって以下のように判定することができる。
〔劣化状態の判定例〕
ソーラーシステムをある程度の期間にわたって運用し、毎日の充電サイクルで容量計算を実行する。このとき、日々の電荷量Q’の算出結果として、初日:1000〔C〕、2日目:990〔C〕、3日目980〔C〕、・・・があり、電圧変化量が1〔V〕であるとすると、日々の容量変化は、初日:1000〔F〕、2日目:990〔F〕、3日目980〔F〕、・・・となる。これら日々の算出結果を比較することで、初日からの劣化状態を判定することができる。例えば、ある日の算出結果が700〔F〕であったとすると、初日の容量に対して30%の低下が見られるため、それをもってEDLC102が交換時期であると判定することができる。このような判定のロジックは単純であるため、制御部112において劣化判定処理を予めプログラミングしておけば、日々の劣化判定を出力情報として表示装置122に表示させることができる。
〔劣化予測例〕
また、劣化判断の結果を複数日にわたって記憶しておき、その変化の傾向からEDLC102の残り寿命を予測することができる。ソーラーシステムを略同程度の条件(設置場所や直流負荷が同程度の条件)で運用していれば、一般的にEDLC102の劣化の進行は線形特性を示す。このため、例えば10%まで劣化が進んだ日数が分かれば、その約3倍の日数で劣化が30%まで進行するであろうことは容易に予測可能である。このような寿命予測のロジックも単純であるため、制御部112において寿命予測処理を予めプログラミングしておけば、日々の寿命予測(残り寿命日数)を出力情報として表示装置122に表示させることができる。
以上のように、本実施形態の状態観測装置100によれば、充電用の電流値が不測に変動するソーラーシステムであっても、複数の異なる時点(所定の時間間隔)で測定した複数の電流値と充電時間から積算電荷量Q’を求め、そして、充電時間内での電圧変化量ΔVとの関係から充電容量Cを正確に算出することができる。
特に本実施形態の状態観測装置100は、コントローラ110のハードウェア資源を用いて容量計算を行い、その結果から劣化の状態を演算によって判定したり、寿命を予測したりすることができるため、状態観測装置100を構成するために別途特段の部品を用いる必要がない。
また、状態観測装置100の各種動作はプログラムを用いて実現できるため、人的な作業負担が増大することもない。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態の容量計算では、充電時間内で測定した複数の電流値(1s毎の電流値)を積算して電荷量Q’を求め、そこから容量を計算していた。しかし、これに代えて例えば、充電時間内で測定した複数の電流値(1s毎の電流値)を用いて測定時毎の電荷量Q(1s毎の電荷量)を求め、ΔQ=C・ΔV(ΔVは測定時間1s毎の電圧変化量)の関係から測定時毎(1s毎)に容量Cを算出し、その結果を積算して充電容量Cを算出することとしてもよい。
また、一実施形態で挙げた各種の値(電流値、電圧値、算出結果等)はいずれも例示であり、本発明の実施に際して各種の値は適宜に変更することができることは言うまでもない。
その他、状態観測装置100の構成要素である制御部112やEDLC電流検出部116、PV電圧検出部118、EDLC電圧検出部120等は適宜に変更や変形が可能であり、一実施形態で挙げた例に限定されるものではない。
一実施形態では、ソーラーシステムを状態観測装置の組み込み対象としていたが、本発明の状態観測装置はソーラーシステム以外のシステム(例えば太陽光以外の自然エネルギーを利用した充電システム)に組み込むこともできる。特に自然エネルギーを用いた充電システムは、充電用の電流値が不測に変動しやすいが、本発明の状態観測装置は電流値が変動する場合であっても、正確に容量を計算することができる点で利便である。
100 状態観測装置
102 EDLC
104 太陽光発電装置
106 PWM回路
108 直流負荷
110 コントローラ
112 制御部
114 記憶部
116 EDLC電流検出部
118 PV電圧検出部
120 EDLC電圧検出部
122 表示装置
124 入力装置

Claims (7)

  1. 充電用電源から電流の供給を受けて充電される電気二重層キャパシタの状態を観測する電気二重層キャパシタの状態観測装置であって、
    前記充電用電源から供給される電流値を複数の時点で測定する測定手段と、
    前記測定手段により測定された複数の電流値を用いて電気二重層キャパシタの充電容量を算出する算出手段と
    を備えた電気二重層キャパシタの状態観測装置。
  2. 請求項1に記載の電気二重層キャパシタの状態観測装置において、
    充電中の電気二重層キャパシタの電圧値を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された電圧値に基づいて電気二重層キャパシタの充電容量の算出を行うべきか否かを判断する判断手段とをさらに備え、
    前記算出手段は、
    前記判断手段により算出を行うべきであると判断された場合に充電容量の算出を行うことを特徴とする電気二重層キャパシタの状態観測装置。
  3. 請求項2に記載の電気二重層キャパシタの状態観測装置において、
    前記判断手段は、
    前記検出手段により検出された電圧値が設定値にまで上昇した後、前記設定値より大きい規定値に達した場合に充電容量の算出を行うべきであると判断し、
    前記算出手段は、
    前記検出手段により検出された電圧値が前記設定値にまで上昇した後、前記規定値に達するまでの間に測定された複数の電流値を用いて充電容量を算出することを特徴とする電気二重層キャパシタの状態管理装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の電気二重層キャパシタの状態観測装置において、
    複数回にわたる充電サイクルを通じて前記算出手段により算出された複数の充電容量に基づいて、電気二重層キャパシタの劣化の状態を判定する判定手段をさらに備えた電気二重層キャパシタの状態観測装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の電気二重層キャパシタの状態観測装置において、
    前記測定手段は、
    前記充電用電源から供給される電流値を所定の時間間隔で測定することを特徴とする電気二重層キャパシタの状態観測装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の電気二重層キャパシタの状態観測装置において、
    少なくとも前記算出手段により算出された充電容量を結果情報として出力する情報出力手段をさらに備えた電気二重層キャパシタの状態観測装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の電気二重層キャパシタの状態観測装置において、
    前記充電用電源は、
    光を受けて発電するソーラーパネルを有することを特徴とする電気二重層キャパシタの状態観測装置。
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