JP2012201947A - 鉄鋼ダスト還元焙焼用原料ペレット及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の鉄鋼ダスト還元焙焼用原料ペレットは、鉄鋼ダストを還元焙焼する粗酸化亜鉛の製造工程において用いられ、鉄鋼ダストと、炭素質還元剤と、前記鉄鋼ダストと前記炭素質還元剤とを付着しうるバインダーと、からなり、前記鉄鋼ダストの表面に、前記炭素質還元剤が前記バインダーを介して付着していることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明における鉄鋼ダストとしては、例えば鉄鋼の製造工程等において発生する製鋼煙灰等が挙げられる。鉄鋼ダストは、通常1mm未満の粉末状である。鉄鋼ダスト中には、鉄以外に亜鉛を主体とする有価金属が、金属、金属酸化物、又は金属ハロゲン化物として存在している。そのため、鉄鋼ダストは、資源リサイクルの観点から、ロータリーキルン等の還元焙焼炉内で還元焙焼法、いわゆるウェルツ法により還元焙焼され、亜鉛については還元揮発させて粗酸化亜鉛として回収され、インペリアルスメルティングプロセス(ISP法)や電解採取法による亜鉛製錬用原料として利用される。鉄については還元焙焼残渣として回収され、製鉄原料として再資源化される。本発明における鉄鋼ダストは、難処理原料と称される亜鉛の揮発率が低いものであってもよい。本発明の原料ペレットによれば、構成される鉄鋼ダストが難処理原料であっても、亜鉛を高い揮発率で揮発させることができる。
本発明の原料ペレットでは、上記鉄鋼ダストの表面に炭素質還元剤が分散して付着している。本発明の原料ペレットを構成する炭素質還元剤は、特に限定されず、例えば、石炭、コークス等が挙げられる。本発明の原料ペレットにおける炭素質還元剤の占める割合は、上記鉄鋼ダスト中に含まれる亜鉛の量に応じて、適宜、調整することが好ましい。なお、通常、上記鉄鋼ダストに対する炭素質還元剤の割合は、質量比で0.2程度である。
本発明の原料ペレットでは、バインダーは、上記鉄鋼ダストと上記炭素質還元剤とを付着しうるものであれば、特に限定されず、例えば、水分、樹脂、水ガラス、消石灰溶液、脱水ケーキ等を挙げることができる。これらの中でも、新たな原料供給に伴うコスト負担が生じない水分又は脱水ケーキが好ましい。バインダーとして水分を選択した場合には、例えば、図1に示すように、上記鉄鋼ダストと上記炭素質還元剤とが水分を介して付着する。また、バインダーとして脱水ケーキを選択した場合には、例えば、図2に示すように、上記炭素質還元剤が分散したバインダーからなる層が上記鉄鋼ダストを被覆し、上記炭素質還元剤が上記鉄鋼ダストの表面に付着する。
本発明の原料ペレットの平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、0.5〜25.0mmであることが好ましい。平均粒子径が小さいほど、粒子間の結合力であるファンデルワールス力が期待できるので、強度は高まると考えられるが、小さすぎるとロータリーキルン内のガス流によって持ちさられたり、ハンドリング性が低下したりする。また、平均粒子径が大きすぎると内部で反応が進まない。本発明の原料ペレットは、平均粒子径が上記範囲内であれば、十分に高い強度を得ることができ、且つ取り扱いが容易である。
本発明の原料ペレットの製造方法は、特に限定されず、例えば、上記鉄鋼ダストと、上記炭素質還元剤とをパン型ペレタイザーに少量ずつ連続的に投入し、バインダーであるミスト状の水分を添加しながら混合造粒し、ペレット化したり、上記鉄鋼ダストと、上記炭素質還元剤と、バインダーである脱水ケーキと、をパン型ペレタイザーに少量ずつ連続的に投入し、混合造粒することによりペレット化したり、上記鉄鋼ダストと、上記炭素質還元剤と、バインダーである脱水ケーキと、をコンクリートミキサーに少量ずつ連続的に投入し、混合造粒することによりペレット化したり、水と上記炭素質還元剤とを混合し、スラリー状にしたものを鉄鋼ダストに吹き付けて被覆したりする方法が挙げられるが、本発明では、特に、上記鉄鋼ダストと、上記炭素質還元剤と、バインダーである脱水ケーキと、を二軸混練機にて混合する方法が好ましい。
不等二軸混錬機(製品名:ダウペレタイザー,株式会社新日南社製)を用いて、原料ペレットを製造した。鉄鋼ダストには、鉄鋼の製造工程において発生する製鋼煙灰を、炭素質還元剤には、オイルコークス灰を、バインダーには、ニッケルの湿式精錬にて発生した脱水ケーキを用いた。配合比(質量比)は、78:12:10とした。製鋼煙灰と、オイルコークス灰と、脱水ケーキとは、不等速二軸混練機に同時に供給し、混練して造粒した。不等速二軸混練機の2つの回転軸は、回転比5:4の不等速で回転させた。回転速度は、150rpmに設定し、1分間混錬して原料ペレットを得た。
製造例1にて得られた原料ペレットを、外径3.5m、長さ50mの排出端側に重油燃焼バーナーを備えるロータリーキルン内に装入し、1200℃にて還元焙焼した。そして、揮発した亜鉛を排ガスとともに集塵機に導入し、粗酸化亜鉛として回収した。亜鉛の揮発率を測定したところ、93%以上であることが確認された。また、炉内には、スラグの融着も認められず、安定した操業を行うことができた。
パン型ペレタイザー(製品名:ペレタイザー,新日本海重工社製)を用いて、原料ペレットを製造した。鉄鋼ダストには、鉄鋼の製造工程において発生する製鋼煙灰を、炭素質還元剤には、オイルコークス灰を、バインダーには、ニッケルの湿式精錬にて発生した脱水ケーキを用いた。配合比(質量比)は、78:12:10とした。製鋼煙灰と、オイルコークス灰と、脱水ケーキとは、パン型ペレタイザーに同時に供給し、混練して造粒し、原料ペレットを得た。
製造例2にて得られた原料ペレットを手で潰し、鉄鋼ダストの表面に、オイルコークス灰が脱水ケーキを介して良好に分散し、付着しているかを目視にて確認した。その結果、手で潰すことができる程度の強度を有するペレットと、手で潰すことが困難な強度を有するペレットと、が存在していた。そして、手で潰れたペレットは脱水ケーキが丸まり、その表面に黒色のオイルコークス灰が付着した状態であった。
10 鉄鋼ダスト
11 炭素質還元剤
12 バインダー
Claims (4)
- 鉄鋼ダストを還元焙焼する粗酸化亜鉛の製造工程において用いられ、鉄鋼ダストと、炭素質還元剤と、前記鉄鋼ダストと前記炭素質還元剤とを付着しうるバインダーと、からなり、前記鉄鋼ダストの表面に、前記炭素質還元剤が前記バインダーを介して付着していることを特徴とする鉄鋼ダスト還元焙焼用原料ペレット。
- 前記バインダーは、金属の湿式精錬にて発生する脱水ケーキである請求項1に記載の鉄鋼ダスト還元焙焼用原料ペレット。
- 平均粒子径が0.5〜25.0mmである請求項1又は2に記載の鉄鋼ダスト還元焙焼用原料ペレット。
- 鉄鋼ダストと、炭素質還元剤と、金属の湿式精錬にて発生する脱水ケーキと、を二軸混練機にて混合することを特徴とする鉄鋼ダスト還元焙焼用原料ペレットの製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014214360A (ja) * | 2013-04-26 | 2014-11-17 | 住友金属鉱山株式会社 | 酸化亜鉛焼鉱の製造方法 |
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2011
- 2011-03-25 JP JP2011068981A patent/JP5729073B2/ja active Active
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