JP2012201886A - 表面改質処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置を小型化し、かつ、改質剤化合物と燃料ガスとを均一に混合した状態で燃焼させた火炎を噴射可能な表面改質処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の表面改質処理装置10は、金属原子、半金属原子または非金属原子と、有機基と、を有する改質化合物を燃料ガスと共にバーナー18にて燃焼させ、その火炎Fを固体物質Sの表面に吹き付けて固体物質Sの表面の改質を行うものである。本発明は、燃料ガスを液化した液化燃料と液状の改質化合物とを混合状態でボンベ11に収容し、そのボンベ11中の一部の混合液体を気化器14に通すことで改質化合物及び液化燃料を気化させてバーナー18に供給するようにしたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面改質処理装置に関する。
シリコンゴムやポリエチレン樹脂等の高分子、金属、セラミック等を材料とする固体物質の表面は、他の部材の接着、塗料の塗装、印刷などの表面処理が困難な場合がある。そこで、従来から、固体物質の表面を改質して、接着、塗装、印刷などの表面処理を容易なものとする表面改質処理装置が検討されている
このような表面改質処理装置としては、改質化合物を気化させて、空気などの引火性ガスや助燃ガスと混合してなる混合ガスをバーナーで燃焼させて固体物質の表面に噴射することにより表面処理が行われるものが知られている(例えば特許文献1を参照)。
上記のようなタイプの表面改質処理装置では、改質化合物を貯蔵する貯蔵タンク、引火性ガスを貯蔵する貯蔵タンク、気体状態の改質化合物と引火性ガスなどとを混合する混合室、および混合室で混合された燃料ガスを噴射する噴射部(バーナー)とが必要である。そのため、このようなタイプの表面改質処理装置としては、装置全体として大型の据え置き型のものが多い。表面改質処理装置を据え置き型とすると、設置スペースが必要であるとともに、装置が設置されている場所でしか表面改質処理を行うことができないという問題がある(特許文献1の図1を参照)。
特開2003−238710号公報
特許文献1には、カートリッジ式の貯蔵タンクを用いた携帯型の表面改質処理装置も提案されている。貯蔵タンクとしてカートリッジ式のものを用いることにより装置の小型化が可能である(特許文献1の図3を参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の携帯型の表面改質処理装置においては、燃料ガスとして、沸点27℃のテトラメチルシランと、沸点122℃のテトラメトキシシランと圧縮空気と、を充填したカートリッジ入りの混合ガスを用いている(特許文献1の段落[0060]を参照)。このように、沸点が相違する二種の化合物と圧縮空気(気体)とを1つのカートリッジ(貯蔵タンク)に収容すると、気化した化合物(テトラメチルシランおよびテトラメトキシシラン)と圧縮空気とが均一に混合されない状態で容器から噴射されることが懸念される。
改質化合物と引火性ガスとが不均一な混合状態で噴射されると、燃焼効率が悪化して、固体物質の表面の改質が不均一になるという問題がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、装置を小型化し、かつ、改質剤化合物と燃料ガスとを均一に混合した状態で燃焼させた火炎を噴射可能な表面改質処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するものとして本発明は、金属原子、半金属原子または非金属原子と、有機基と、を有する改質化合物を燃料ガスと共にバーナーにて燃焼させ、その火炎を固体物質の表面に吹き付けて前記固体物質の表面の改質を行うものにおいて、前記燃料ガスを液化した液化燃料と液状の前記改質化合物とを混合状態でボンベに収容し、そのボンベ中の一部の混合液体を気化器に通すことで前記改質化合物及び前記液化燃料を気化させて前記バーナーに供給するようにしたことを特徴とする表面改質処理装置である。
本発明において、液状の改質化合物と燃料ガスを液化した液化燃料とは、混合状態でボンベに収容されている。つまり、本発明においては、改質化合物および燃料ガスはともに液状なので、所定の混合比で均一に混合された状態でボンベから噴出させることができる。ボンベから噴出される改質化合物および燃料ガスは、気体状態あるいは液体状態である。液体状態の改質化合物および燃料ガス(混合液体)は気体状態のものとともに、ボンベから噴出された後、気化器に通される。気化器において混合液体は均一な混合状態のまま気化されて、気体状態で噴出されたものとともにバーナーに供給される。その結果、本発明によれば、改質化合物と燃料ガスとを所定の混合比で均一に混合した状態で燃焼させた火炎を固体物質に噴射することができるので、固体物質の表面を均一に改質することができる。
さらに、本発明では、改質化合物と燃料ガスとが均一に混合されて1つのボンベに収容されているので、改質化合物や燃料ガスを別々に貯蔵した構成のものと比較してボンベの数を少なくすることができ、ボンベから噴出する噴出物の量の制御を行う装置も1つで済むので部品点数を減らすとともに装置の小型化を図ることができる。
以上より、本発明によれば、装置を小型化し、かつ、改質剤化合物と燃焼ガスとを均一に混合した状態で燃焼させた火炎を噴射可能な表面改質処理装置を提供することができる。
本発明は以下の構成であってもよい。
前記ボンベは、前記改質化合物を含んだ前記液化燃料が噴出される噴出口を下方に向けた状態で配置されていてもよい。
例えば、改質化合物の沸点と燃料ガスの沸点に差がある場合に、ボンベの噴出口を上方に向けた状態で、ボンベ内の内容物を噴出させると、気化しやすい物質が先に噴出されてしまい、改質化合物と燃料ガスとが不均一な混合状態でバーナーに供給され、固体物質の表面改質が不均一となることが懸念される。そこで、上記のような構成とすると、噴出口には、改質化合物を含んだ液化燃料(液状物)が配されるので、改質化合物と燃料ガスの沸点に差がある場合などであっても、改質化合物と燃料ガスとが均一に混合された状態で噴出される。
前記気化器は、キャピラリチューブとその先に接続したキャピラリチューブよりも内径が大きな気化パイプとから構成されていてもよい。このような構成とすると、ボンベから噴出された改質化合物を含んだ液化燃料は、キャピラリチューブ内を円滑に移動し、キャピラリチューブよりも内径が大きな気化パイプに至ると気化するので、簡易な構成でありながらも円滑に気化を行うことができる。
前記気化器には、前記キャピラリチューブ内を通過する前記改質化合物を含んだ前記液化燃料を加熱する加熱装置が設けられていてもよい。このような構成とすると気化器における改質化合物を含んだ液化燃料の気化が促進される。
前記バーナーは、前記気化器で気化したガスを噴出させることで周囲の空気を吸引するブンゼン式のバーナーであってもよい。このような構成とすると、空気の導入ならびに空気の導入量の制御を容易に行うことができ、これにより、ガスの燃焼効率の制御を容易に行うことができる。
前記気化器と前記バーナーとの間には、前記気化器から前記バーナーに供給されるガスを通す多孔質材料を備えた液除去装置が配置されていてもよい。このような構成とすると、改質化合物を含んだ液化燃料が気化器において完全に気化されずに液状のまま残っている場合に、液状物を含むガスを多孔質材料に通すことで、液状物の気化が促進されるとともに液状物が吸着されてバーナーに供給されるので、より均一な表面処理を行うことができる。
また、上記のような構成とすると、ボンベ内に多孔質材料を配置しなくても、改質化合物を含んだ液化燃料の気化を促進できるのでボンベを低コスト化することができる。
本発明によれば、装置を小型化し、かつ、改質剤化合物と燃料ガスとを均一に混合した状態で燃焼させた火炎を噴射可能な表面改質処理装置を提供することができる。
実施形態1の表面改質処理装置を説明する模式図 実施形態2の表面改質処理装置を説明する模式図
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1によって説明する。
本実施形態の表面改質処理装置10は、図1に示すように、液状の改質化合物と、燃料ガスを液化した液化燃料との混合液体を収容するボンベ11と、気化器14と、気化器14から供給されるガスに空気を混合してなる改質ガスの火炎Fを固体物質Sの表面に吹き付けるバーナー18と、を備える。本実施形態の表面改質処理装置10は、図示しない持ち運び可能なケースに収容可能な大きさおよび重さのものである。
ボンベ11は、図1に示すように、噴出口11Aが下方に向けて配置されている。ボンベ11は、略円柱状をなしており、図示上側に配置されている側がボンベ11の底部11Bである。例えば、表面改質処理装置10を収容するケースの蓋面にボンベ11を保持する保持部を設けて当該保持部にボンベ11を噴出口11Aを下方に向けて取り付けることで、ボンベ11を噴出口11Aを下方に向けた状態で保持することが可能である。噴出口11Aの下方には、噴出口11Aから噴出される噴出物(気体状態または液体状態の燃料ガスと改質化合物)の量を制御する第1の弁12が設けられており、第1の弁12の下方には噴出口11Aから噴射された混合液体を気化器14に移送する第1移送管13が接続されている。
ボンベ11に収容されている混合液体(図示せず)は、固体物質Sの表面を改質して、塗装、印刷、接着などの処理を行いやすくする作用を有する液状の改質化合物と、燃料ガスを液化した液化燃料とを所定割合で混合したものであり、「改質化合物を含んだ液化燃料」ともいう。
改質化合物としては、常温(5〜35℃)で液体状のもの、または沸点が200℃以下の低沸点のものを用いるのが好ましく、具体的には、金属原子、半金属原子、または非金属原子に、1以上の有機基が結合した化合物等が用いられる。
改質化合物に含まれる金属原子としては、アルミニウム、ハフニウム、インジウム、イリジウム、鉄、ニッケル、ニオブ、鉛、ルテニウム、タンタル、スズ、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ベリリウム、カドミウム、クロム、コバルト、金、水銀、レニウム、タリウム、および亜鉛などが挙げられる。改質化合物に含まれる半金属原子としては、ヒ素、ホウ素、ゲルマニウム、アンチモン、およびシリコン等が挙げられ、改質化合物に含まれる非金属原子としては、リンなどが挙げられる。
改質化合物に含まれる有機基としては、カルボニル基(C=O)、アシル基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、アルキルフェニル基、アルキルアミノ基、ポリフルオロアルキル基などが挙げられる。本発明で用いる改質化合物には、これらの有機基のうち一種または2種以上のものが含まれている。なお、改質化合物は、これらの有機基以外に、一酸化炭素、ハロゲン、リン化合物、イオウ化合物等の配位子を有していてもよい。
アシル基としては、アセチル基、アセチルアセト基などがあげられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、secブトキシ基、tertブトキシ基、等が挙げられる。アルキル基としては、炭素数が1〜6の直鎖、分岐、環状のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。アルケニル基としては、アリル基、プロペニル基、シクロペンタジエニル基等が挙げられる。アルキルフェニル基としてはメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基などがあげられ、フェニル基に結合したアルキル基は直鎖状でも分岐状でもよい。アルキルアミノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などがあげられる。ポリフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基(−CF)などのアルキル基の水素の一部又は全部をフッ素に置き換えたものが挙げられる。
本実施形態で用いられる改質化合物の具体例としては、Al(O−secC、(CHAl、(C、B(O−C、B(O−iC、(n−CB(OH)、トリシクロヘキシルボロン[(C13B]、(CBe、(CCd、Cr(C−C、Ge(O−C、Ge(O−nC、Ge(O−tertC、Hf(O−tertC、In(O−CH、エチルシクロペンタジエニル(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム[Ir(C)(C12)]、Fe(CO)、Ni(CO)、Nb(O−C、Nb(O−secC、PO(O−CH、PO(O−C、PO(O−secC、P(O−CH、P(O−secC、Pb(O−iC、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム[Ru(C、Sb(O−nC、Ta(O−C、ジアセチルアセト−ジブトキシスズ[Sn(OC(C]、Ti(O−iC、Ti(O−secC、Ti[N(CH、VO(O−C、Zr(O−tertC、ヘキサメチルジシロキサン[(CHSi−O−Si(CH]等が挙げられる。
これらの改質化合物のうち、ヘキサメチルジシロキサンが好ましい。
改質化合物の混合割合は、混合液体全体を100モル%とした場合に、1×10−5モル%〜50モル%とすることができ、0.1モル%〜5モル%とするのが好ましい。改質化合物の混合割合が上記範囲外の場合には固体物質Sの改質効果が発現しない場合がある。
燃料ガスとしては、圧縮することにより常温(5〜35℃)で液体状とすることができるガスが用いられる。具体的には、液化プロパン、液化ブタン等があげられる。これらの燃料ガスのうち、液化ブタンが好ましい。
気化器14は、キャピラリチューブ14Aと、その先に接続されたキャピラリリューブ14Aよりも内径が大きな気化パイプ14Bとを備えている。気化器14においては、キャピラリチューブ14Aの内部をボンベ11から移送されてきた混合液体が通過し気化パイプ14Bに至ることで、改質化合物および液化燃料が液体状態から気体状態に気化するようになっている。
本実施形態ではキャピラリチューブ14Aを包囲するようにヒーター15が取り付けられており(加熱装置の一例)、ヒーター15によりキャピラリチューブ14Aが加熱されることで、混合液体の気化が促進される。本実施形態では、キャピラリチューブ14Aを通過した混合液体を気化させる気化パイプ14Bが、改質化合物および液化燃料の気化により生じたガスをバーナー18に移送する移送管としても機能している。
気化パイプ14Aとバーナー18との間には、気化パイプ14Aからバーナー18に移送されるガスの流量を制御する圧力調整器17が設けられている。
本実施形態において、バーナー18は、気化器14から移送されたガスを噴出させることで周囲の空気を吸引するブンゼン式のバーナー18である。バーナー18の先端には、気化室14から移送されたガスと空気とを混合してなる改質ガスの燃焼により生じる火炎Fを噴射させる噴射口20が設けられている。噴射口20を含むバーナー18の先端部19は回動可能とされ、先端部19の回動により空気吸引孔(図示せず)が開閉するようになっており、吸引される空気量が調整可能とされる。
改質ガスの燃焼により生じる火炎Fが吹き付けられる固体物質Sを構成する材料としては、例えば、シリコンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴムなどのゴム類、各種ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、変性ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂等の高分子材料、アルミニウム、マグネシウム、ステンレス、ニッケル、クロム、タングステン、金、銅、鉄、銀、亜鉛、スズ、鉛等の金属材料、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、石灰、ゼオライト、金、銀、銅、亜鉛、ニッケル、スズ、鉛、半田、ガラス、セラミック等の材料等が挙げられる。固体物質Sは、一種の材料から構成されていてもよいし、二種以上の材料から構成されていてもよい。
改質ガスの燃焼により生じる火炎Fの吹付けにより改質処理される固体物質Sの形態は、例えば、板状、シート状、フィルム状、テープ状、短冊状、パネル状、紐状などの平面構造を有するものであってもよく、筒状、柱状、球状、ブロック状、チューブ状、パイプ状、凹凸状、膜状、繊維状、織物状、束状等の三次元構造を有するものであってもよく、これらに限定されない。
また、固体物質Sの形態は、上記に例示した構造のものと、金属部品、セラミック部品、ガラス部品、紙部品、木部品等とを組み合わせた複合構造体であってもよい。
次に、本実施形態の表面改質処理装置10を用いた改質方法について説明する。
表面改質処理装置10をケースから取り出し、ボンベ11を噴出口11Aを下方に向けた状態で配置し、バーナー18の噴射口20を固体物質Sの表面に向けて配置する。
第1の弁12を開くと、ボンベ11に収容されている液状の改質化合物および燃料ガスを液化した液化燃料の混合物である改質化合物を含む液化燃料が、気体状態または液体状態で第1移送管13を経て気化器14に移送される。ここで本実施形態では改質化合物および液化燃料が混合された状態でボンベ11に収容されているので、所定の混合比で混合された混合物の状態で気化器14に移送される。なお、ボンベ11から気化器14に移送される改質化合物および液化燃料(気体状および液体状)の量は第1の弁12により調整可能である。
改質化合物を含む液体燃料を気化器14のキャピラリチューブ14Aを通過させて気化パイプ14Bに至らせるだけでも、改質化合物を含む液体燃料が液体状から気体状に気化するが、本実施形態では気化器14を加熱するヒーター15を備えるので、気化が促進される。そして、気化器14を通過した後は改質化合物および液体燃料が気化された状態で移送管として機能する気化パイプ14Bを通ってバーナー18に移送される。バーナー18に移送されるガスの流量は圧力調整器17により調整可能である。
バーナー18に移送されたガスは、バーナー18の空気吸引孔から吸引された空気と混合されて改質ガスとされる。この改質ガスの燃焼により生じる火炎Fが、噴射口20から固体物質Sの表面に吹付けられて、改質処理が行われる。
本実施形態の表面改質処理装置10により改質処理を施した固体物質Sには、従来は接着に問題のあった異種材料との接着性を向上する効果、濡れ性(親水性)を向上する効果、帯電防止効果などが付与される。すなわち、本実施形態の表面改質処理装置10により改質処理を行うことにより、固体物質Sを改質し、接着、塗装、印刷などの表面処理を容易なものとすることができる。
次に本実施形態の効果について説明する。
本実施形態において、液状の改質化合物と燃料ガスを液化した液化燃料とは、混合状態でボンベ11に収容されている。つまり、本実施形態においては、改質化合物および燃料ガスはともに液状なので、所定の混合比で均一に混合された状態でボンベ11から噴出させることができる。ボンベ11から噴出される改質化合物および燃料ガスは、気体状態あるいは液体状態である。液体状態の改質化合物および燃料ガス(混合液体)は気体状態のものとともに、ボンベ11から噴出された後、気化器14に通される。気化器14において混合液体は均一な混合状態のまま気化されて、気体状態で噴出されたものとともにバーナー18に供給される。その結果、本実施形態によれば、改質化合物と燃料ガスとを所定の混合比で均一に混合した状態で燃焼させた火炎Fを固体物質Sに噴射することができるので、固体物質Sの表面を均一に改質することができる。
さらに、本実施形態では、改質化合物と燃料ガスとが均一に混合されて1つのボンベ11に収容されているので、改質化合物や燃料ガスを別々に貯蔵した構成のものと比較してボンベ11の数を少なくすることができ、ボンベ11から噴出する噴出物の量の制御を行う装置も1つで済むので部品点数を減らすとともに装置の小型化を図ることができる。
以上より、本実施形態によれば、装置を小型化し、かつ、改質剤化合物と燃焼ガスとを均一に混合した状態で燃焼させた火炎Fを噴射可能な表面改質処理装置10を提供することができる。
また本実施形態において、ボンベ11は、改質化合物を含んだ液化燃料が噴出される噴出口11Aを下方に向けた状態で配置されているから、噴出口11A側には、改質化合物を含んだ液化燃料が配される。したがって本実施形態によれば、改質化合物と燃料ガスの沸点に差がある場合などであっても、改質化合物と燃料ガスとが均一に混合された状態で噴出されるので、より均一な表面処理が可能となる。
また、本実施形態によれば気化器14は、キャピラリチューブ14Aとその先に接続したキャピラリチューブ14Aよりも内径が大きな気化パイプ14Bとから構成されているから、ボンベ11から噴出された改質化合物を含んだ液化燃料は、キャピラリチューブ14A内を円滑に移動し、キャピラリチューブ14Bよりも内径が大きな気化パイプ14Bに至ることで気化するので、簡易な構成でありながらも円滑に気化を行うことができる。
特に、本実施形態では、気化器14には、キャピラリチューブ14A内を通過する改質化合物を含んだ液化燃料を加熱するヒーター15(加熱装置)が設けられているから、気化器14における改質化合物を含んだ液化燃料の気化が促進される。
さらに、本実施形態では気化パイプ14Bが気化後のガスをバーナー18に移送する移送管を兼ねているので、部品点数を減らすことができる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図2によって説明する。実施形態1と同じ名称の部位には、同一の符号を用い、構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態の表面改質処理装置30では、気化器14にヒーター15が取り付けられていない点、および気化器14とバーナー18との間に、液除去装置31が取り付けられているという点で実施形態1と相違する。
液除去装置31は、気化器14からバーナー18に移送されるガスを通す多孔質材料を備える。多孔質材料としては、スポンジや発泡ウレタンなどがあげられる。上記以外の構成は実施形態1と概ね同様である。
本実施形態によれば、実施形態1と同様に装置の小型化を図るとともに、改質剤化合物と燃焼ガスとを均一に混合した状態で燃焼させた火炎Fを噴射可能な表面改質処理装置30を提供することができる。また、本実施形態においても、ボンベ11は、改質化合物を含んだ液化燃料が噴出される噴出口11Aを下方に向けた状態で配置されているから、噴出口11A側には、改質化合物を含んだ液化燃料が配される。したがって本実施形態によれば、改質化合物と燃料ガスの沸点に差がある場合などであっても、改質化合物と燃料ガスとが均一に混合された状態で噴出させることができるので、より均一な表面処理が可能となる。
ところで、本実施形態のように、気化器14にヒーター15が取り付けられていない場合、キャピラリチューブ14Aを通過した混合物の一部が液体状のままバーナー18に移送される可能性がある。
しかしながら、本実施形態では、気化器14とバーナー18との間には、気化器14からバーナー18に移送されるガスを通す多孔質材料を備える液除去装置31が配置されているから、改質化合物を含んだ液化燃料が気化器14において完全に気化されず液状のまま残っている場合に、液状物を含むガスを多孔質材料に通すことで、液状物の気化が促進されるとともに液状物が吸着された後のガスがバーナー18に供給されるので、より均一な表面処理を行うことができる。
また、液除去装置31を配置すると、ボンベ11内に液状の液化燃料および改質化合物が液体状のまま噴出しないように配置する多孔質材料を配置しなくても気化を促進できるのでボンベ11を低コスト化することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態ではボンベの噴出口を下方に向けて配置した例を示したが、ボンベの噴出口を上方に向けて配置したものであってもよい。
(2)上記実施形態では、ヒーターが設けられた気化器を備えるが液除去装置を備えない表面改質処理装置、および、液除去装置を備えるが、ヒーターが設けられていない気化器を備える表面改質処理装置を示したが、気化器にヒーターが設けられておらず、液除去装置を備えないものであってもよいし、ヒーターが設けられている気化器と、液除去装置をともに備えるものであってもよい。
(3)上記実施形態では、キャピラリチューブを通過した混合液体が気化する気化パイプが、改質化合物と燃料ガスとを含むガスをバーナーに移送する移送管としても機能している構成のものを示したが、前記ガスをバーナーに移送する移送管を気化パイプと別途設けてもよい。
(4)上記実施形態では、持ち運び可能なケースに収容した表面改質処理装置を示したが、本実施形態は据え置き型の表面改質処理装置にも適用可能である。
10,30…表面改質処理装置
11…ボンベ
11A…噴出口
14…気化器
14A…キャピラリチューブ
14B…気化パイプ
15…ヒーター(加熱装置)
18…バーナー
20…噴射口
31…液除去装置
F…火炎
S…固体物質

Claims (6)

  1. 金属原子、半金属原子または非金属原子と、有機基と、を有する改質化合物を燃料ガスと共にバーナーにて燃焼させ、その火炎を固体物質の表面に吹き付けて前記固体物質の表面の改質を行うものにおいて、
    前記燃料ガスを液化した液化燃料と液状の前記改質化合物とを混合状態でボンベに収容し、そのボンベ中の一部の混合液体を気化器に通すことで前記改質化合物及び前記液化燃料を気化させて前記バーナーに供給するようにしたことを特徴とする表面改質処理装置。
  2. 前記ボンベは、前記改質化合物を含んだ前記液化燃料が噴出される噴出口を下方に向けた状態で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の表面改質処理装置。
  3. 前記気化器は、キャピラリチューブとその先に接続したキャピラリチューブよりも内径が大きな気化パイプとから構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表面改質処理装置。
  4. 前記気化器には、前記キャピラリチューブ内を通過する前記改質化合物を含んだ前記液化燃料を加熱する加熱装置が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の表面改質処理装置。
  5. 前記バーナーは、前記気化器で気化したガスを噴出させることで周囲の空気を吸引するブンゼン式のバーナーであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の表面改質処理装置。
  6. 前記気化器と前記バーナーとの間には、前記気化器から前記バーナーに供給されるガスを通す多孔質材料を備えた液除去装置が配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の表面改質処理装置。
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