JP2012200201A - 卓上型乳加工製品製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 加温機構5はヒータユニット50を具えて成るものであり、このヒータユニット50は、本体部1における下部筐体11に対し、高さ調節機能、断熱機能及び撥水機能が具えられた台座52を介在させて固定されているものであることを特徴として成る。
【選択図】図5
Description
そこで小規模の飲食店や家庭でチーズ作りを行う場合には、鍋を直接火にかけたり、あるいは鍋よりも一回り大きな容器を用いて湯せんを行って原料乳の温度を高め、殺菌、 醗酵に適した温度を維持する手法が採られている。この際、火(湯)加減を調節することにより温度管理が行われているが、殺菌工程や醗酵工程では厳密な温度管理が要求されるため、作業者が付っきりになることを余儀なくされ、この間は他の作業が行えなくなってしまう。そしてこのことが、特に小規模飲食店等でチーズ作りが定着しない要因となっていた。
その後、前記卓上型乳加工製品製造装置を市場に投入するにあたって改善要素を検討したところ、使い勝手や安全面での改善の余地が顕在化した。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
そして前記本体部1には、ボウル2に収容される原料乳M0等の被処理物を攪拌するためのミキサ機構3及び原料乳M0等の殺菌、醗酵を促すための加温機構5が具えられる。
以下、これら卓上型乳加工製品製造装置Dを構成する各要素について説明する。
そして上部筐体10に前記ミキサ機構3が具えられ、一方、下部筐体11に対して前記ボウル2が固定されるものであり、このような構成が採られることにより、ボウル2を下部筐体11に固定した状態で、上部筐体10を回動させてミキサ機構3に具えられる攪拌子30がボウル2内に入出できるように構成されている。
なおボウル2と下部筐体11との固定構造については後程説明を行う。
また前記回転軸32には、原料乳M0等の加工状態に応じた好適な形状の攪拌子30が選択的に装着されるものであり、この実施例では図1、8に示すようにフック型のものを装着するようにしたが、ビーター型、ホイッパー型等の攪拌子30を装着することもできる。もちろん攪拌子30としてはこれらの形状のほかに、適宜の形状が採り得るものである。
なおヒータユニット50における接触面50cは、後述するボウル2(収容部21、ジャケット22)の底面21a、底面22aと同じ曲面を有するものとされ、これらに対して密接するように形成されている。
なお下部筐体11には取付穴110が形成されており、この取付穴110を下方から覆うようにして安全カバー56が取り付けられる。
また前記台座52は、一例としてPTFEから成る素材が所定の高さ寸法に設定された円筒状に成形されることにより、ヒータユニット50の高さ調節機能並びに断熱機能及び撥水機能が具えられたものである。
また前記断熱マット51は、一例として耐熱ファイバーや耐熱ゴム等のノンアスベスト素材により形成されるものである。
具体的には図6に示すように、裏面50fには発熱体50bに給電するための端子50dが設けられるとともに、メネジ孔50eが二箇所に形成されており、このメネジ孔50eに対して輻射熱分散板55がビス止めされる。
なお輻射熱分散板55の形状はヒータユニット50と同様に平面視円形状とされるものであるが、前記端子50dを避けるように一部が切除されている。
また図示は省略するが温度ヒューズが具えられるものであり、この温度ヒューズは、一方の端子50dに接続される給電線に対して設けられるものであり、所定値以上に温度が上昇した場合に、内部に具えられたヒューズ素子が溶断することにより、給電を停止するものである。
そしてボウル2の底部には円筒状の勘合部23が具えられるものであり、この勘合部23には、前記下部筐体11に設けられる係合片11aと噛み合うバヨネット溝23aが形成されている。なお前記係合片11aの下方には液抜口11bが形成される。
このような形態が採られることにより、収容部21またはジャケット22内に入れられた被処理物は、底面21a、22a付近において中央部分(平面視)と側壁部との間に形成される最深部に流下することとなる。この結果図4(a)に示すように、遊星運動を行う攪拌子30が作用しない、中央部分に位置する被処理物を、攪拌子30が作用する部位(最深部)にまで取り込むことができ、被処理物を満遍なく攪拌することが可能となるものである。
なお底面21a、22aの曲面は、前記ヒータユニット50における接触面50cと同じ曲面となっており、これらが密に接触することが可能となっている。
まず、前記収容部21におけるフランジ21bには、位置決め機構を兼ねた取手片61が具えられ、一方、前記ジャケット22におけるフランジ22bには、図2に示すような位置決め機構を兼ねた取手片62が具えられる。
そしてこれら取手片61、62にはそれぞれ、凸部または凹部が形成されるものであり、この実施例では、取手片62の上面に連結凹部62bを形成し、一方、取手片61の下部付近を凸部として機能させるようにした。
そして図2(c)に示すように、取手片61が連結凹部62bに嵌り込むように係合した状態で、これらが取り付けられている収容部21とジャケット22とが所定の間隔を保った状態に位置決めされる(図3(c)、図4参照。)。この実施例では、取手片61と取手片62とが、それぞれ収容部21、ジャケット22に対して、対向する二箇所の位置に具えられているため、前記位置決めはより正確且つ強固に行われることとなる。
具体的には図2(b)に示すように、取手片62における一方の長辺の中心から他方の長辺に向けて、一定幅の切り込みを入れ、この部分をロックバー受入部62aとするものである。そしてこのロックバー受入部62aの最奥部には、ロックバー63が軸支されるものであり、このロックバー63の回動端側には図3に示すようにオネジが形成されている。そしてこのオネジに対して、ノブ64に形成されたメネジが螺合することとなる。
一方、取手片61にも同様のロックバー受入部61aが形成されるものであり、図2(d)に示すように、取手片61と取手片62が係合した状態で、ロックバー受入部61aとロックバー受入部62aとはピッタリと重なることとなる。
なお前記ロックバー受入部62aの開放側は、平面視V字状に切欠62cが形成されるものとした。
また前記取手片61、62は、樹脂材料等、熱伝導性の低い素材により形成されるものとする。
更に前記本体部1には、被加温側温度センサ76によって検出された値と、予め設定された値とを比較して、ヒータユニット50に供給する電力の調整やオンオフ操作を行うようなプログラムが記憶されている。
また制御部7には、加温側温度センサ75によって検出された値が、予め設定された値よりも高くなった場合に、ヒータユニット50への給電を強制的に停止するようなプログラムも記憶されている。
また制御部7には、本体部1の適宜の個所に設けられた磁気センサ78から所定の信号が送られてこない場合に、モータ31及びヒータユニット50への電力供給が行われないようなプログラムも記憶されている。なおこの実施例では、図7(b)に示すように、下部筐体11におけるボウル2と対面する個所に磁気センサ78が具えられるようにした。
更に前記上部筐体10におけるミキサ機構3付近には、ガード8が具えられる。このガード8は、上部筐体10を下方に回動させて攪拌子30をボウル2内に進入させた状態で、ボウル2の上部開口部を実質的に塞ぐものであり、例えば小児がボウル2内に手を入れてしまうことを防ぐことができる。
この実施例では一例として、線材をメッシュ状に組むことによりガード8を構成し、稼働中のボウル2内を目視することができるようにした。
以下、このような製造工程において行われる準備操作、加熱操作、混合操作について説明する。
まずジャケット22内に収容部21を入れ込んだ状態で、取手片61を連結凹部62bに嵌め込む。これにより、収容部21はジャケット22に対し所定の間隔を保った状態に位置決めされた状態でセットされる(図3(b)、図4参照。)。この際、取手片61の下部形状は、連結凹部62bの形状に合致しており、更に取手片61と取手片62とが、それぞれ収容部21、ジャケット22に対して、対向する二箇所の位置に具えられているため、前記位置決めを正確且つ迅速に行うことができる。
次に図3(c)に示すようにロックバー63を引き起こすとともに、ノブ64を締め込んで、取手片61と取手片62との係合状態を保持することによりボウル2が形成される。
次いで図7(a)に示すように、上部筐体10を上方に回動させてた状態で、ボウル2(ジャケット22)のバヨネット溝23aを下部筐体11における係合片11aに係合させることにより、ボウル2を本体部1に固定する(図7(b))。
この状態で磁気センサ78によって下部筐体11にボウル2が装着されたことが検知されるものの、上部筐体10が上方に回動した状態であるため、ミキサ機構3は起動できない状態とされている。
更に図8(a)に示すように回転軸32に攪拌子30を装着する。
なお図7、8においては、卓上型乳加工製品製造装置Dを、ガード8が装着されていないものとしたが、もちろん図1に示すようにガード8を具えるようにしてもよい。
次にボウル2内の被処理物の加温操作について説明する。
まずボウル2におけるジャケット22と収容部21との間の空間に水Wを注入し、更に収容部21内に原料乳M0を投入する。
またヒータスイッチ73をオン状態とするとともに、ジャケット22内の水Wに被加温側温度センサ76を挿入し、表示部71上の温度設定値を一例として65℃にセットすると。
すると制御部7によってヒータユニット50がオン状態とされ、ここからボウル2に熱が伝導されて水Wの温度が上昇し、更に原料乳M0の温度が上昇する。やがて被加温側温度センサ76の検出値に応じて適宜オンオフが繰り返され、水W(原料乳M0)の温度が設定値に保たれることとなる。
この際、ジャケット22の底面22aは、ヒータユニット50の接触面50cと同様の曲面を有しているため、熱伝導が高効率で行われることとなる。
また収容部21内に収容された原料乳M0には、ヒータユニット50の熱がジャケット22内に収容された水Wを介在させて伝導されるため、原料乳M0の温度変動を緩やかなものにして、原料乳M0を殺菌に適した温度に、高精度で保つことができる。
また加温側温度センサ75により、ヒータユニット50の温度を輻射熱分散板55の温度として検知することができ、この値が所定の値よりも高くなった場合には、前記被加温側温度センサ76の検出値に関わらず、ヒータユニット50への給電が停止される。
更にまたヒータユニット50が想定外の高温状態となった場合に、輻射熱分散板55を通じて温度ヒューズ57の温度が上昇することとなり、ヒューズ素子が溶断することによりヒータユニット50への給電を停止し、機器の損傷を回避することができる。
次にボウル2内に投入された被処理物の混合操作について説明する。
まず図8(a)に示す状態から、上部筐体10を下方に回動させて上部筐体10と下部筐体11との接合面が接した状態とし、攪拌子30をボウル2内に位置没入させる(図8(b))。
このような状態では、磁気センサ78によって下部筐体11にボウル2が装着されたことが検知され、更に上部筐体10が下方に回動した状態であるため、制御部7はミキサ機構3の起動を許容することとなる。
そしてミキサ速度調節ツマミ74を操作してミキサ機構3を起動するものであり、攪拌子30は、ミキサ速度調節ツマミ74の位置に応じた速度で、太陽歯車を中心として自転しつつ公転する。
この際、攪拌子30はボウル2内全域に作用するように設計されているが、ボウル2の断面形状に由来して、どうしても作用しない部位が存在してしまう。
しかしながら、収容部21及びジャケット22の縦断面形状は図4(a)に示すように、上下反転した放物線状の側壁部を有するものであり、更に中央部分において盛り上がった状態となって底面21a、22aが形成されているため、収容部21またはジャケット22内に入れられた被処理物は、底面21a、22a付近において中央部分(平面視)と側壁部との間に形成される最深部に流下することとなる。この結果図4(a)に示すように、遊星運動を行う攪拌子30が作用しない、中央部分に位置する被処理物を、攪拌子30が作用する部位(最深部)にまで取り込むことができ、被処理物を満遍なく攪拌することが可能となるものである。
1 本体部
10 上部筐体
11 下部筐体
11a 係合片
11b 液抜口
110 取付穴
12 ホルダ
2 ボウル
21 収容部
21a 底面
21b フランジ
22 ジャケット
22a 底面
22b フランジ
23 勘合部
23a バヨネット溝
24 ホルダ
3 ミキサ機構
30 攪拌子
31 モータ
32 回転軸
33 遊星歯車機構
5 加温機構
50 ヒータユニット
50a 係合凸部
50b 発熱体
50c 接触面
50d 端子
50e メネジ孔
50f 裏面
51 断熱マット
51a 係合凹部
52 台座
53 押え枠
55 輻射熱分散板
56 安全カバー
6 取手兼用連結部
61 取手片
61a ロックバー受入部
62 取手片
62a ロックバー受入部
62b 連結凹部
62c 切欠
63 ロックバー
64 ノブ
7 制御部
71 表示部
72 メインスイッチ
73 ヒータスイッチ
74 ミキサ速度調節ツマミ
75 加温側温度センサ
76 被加温側温度センサ
78 磁気センサ
8 ガード
Claims (4)
- 原料乳を収容するためのボウルを本体部に具えて成る装置であって、前記本体部には、原料乳を攪拌するためのミキサ機構と、原料乳の殺菌、醗酵または凝固のいずれか一つまたは複数を促すための加温機構とが具えられ、一方、前記ボウルは、本体部に対して着脱可能に取り付けられるものである卓上型乳加工製品製造装置において、前記加温機構はヒータユニットを具えて成るものであり、このヒータユニットは、前記本体部における下部筐体に対し、高さ調節機能、断熱機能及び撥水機能が具えられた台座を介在させて固定されているものであることを特徴とする卓上型乳加工製品製造装置。
- 前記ヒータユニットは、発熱体が金属に鋳込みされて成るものであり、裏面に対して輻射熱分散板が具えられていることを特徴とする請求項1記載の卓上型乳加工製品製造装置。
- 前記輻射熱分散板には、加熱側温度センサが具えられていることを特徴とする請求項2記載の卓上型乳加工製品製造装置。
- 前記輻射熱分散板には、温度ヒューズが具えられていることを特徴とする請求項2または3記載の卓上型乳加工製品製造装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011067407A JP2012200201A (ja) | 2011-03-25 | 2011-03-25 | 卓上型乳加工製品製造装置 |
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Citations (2)
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JP2006166964A (ja) * | 2004-12-13 | 2006-06-29 | Nakai Kikai Kogyo Kk | 電磁誘導加熱式の煮練り攪拌機 |
JP2010252678A (ja) * | 2009-04-24 | 2010-11-11 | Taisei Kisetsu Kk | 卓上型乳加工製品製造装置 |
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