JP2012200037A - ワイヤーハーネスの保護具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤーハーネスの保護具を、コルゲートチューブに対して位置決めしつつ容易に装着すること。
【解決手段】コルゲートチューブ6の両側から挟み込んで合体されることによって筒形状を形成する一対の分割部材102により構成され、一対の分割部材102は、支持体の貫通孔2hに挿入されると共にコルゲートチューブ6が内部に通される筒形状を形成する分割本体部20と、分割本体部20の外周部から外周側に張り出す形状に形成され、貫通孔2hの周縁部に対して挿入方向S前方側から係止する形態から内周側へ弾性変形可能な係止部30と、分割本体部20の外周部から外周側に張り出す形状に形成され、貫通孔2hの周縁部に対して挿入方向S後方側から対向する押え部40と、分割本体部20の内周部から周方向に沿って内周側に突起する凸条に形成され、コルゲートチューブ6に嵌合するリブ50とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、貫通孔に通されるワイヤーハーネスの保護具に関する。
自動車等の車両に搭載されるワイヤーハーネスが、車両のボディを形成する金属パネル等に形成された貫通孔に通される場合、ワイヤーハーネスWHが貫通孔の開口縁部と接触して傷つくことを防ぐ必要がある。
特許文献1には、ワイヤーハーネスを内部に挿通させて、車両の金属パネルに形成された貫通穴の開口縁部に装着され、貫通穴の挿通部分におけるワイヤーハーネスの保護を図る樹脂インナー付きグロメットが開示されている。この樹脂インナー付きグロメットの樹脂インナーは、貫通穴に挿入される長円枠状の周壁と、該周壁の下端より突出した係止分割鍔部と、U字状に折り返しているロック片の外面にて突出して貫通穴の周縁に係止する係止爪とを有する部材である。
このような樹脂インナーは、貫通孔に通されるワイヤーハーネスを保護するエッジプロテクタとして単体で用いられることもある。
特開2003−134644号公報
ところで、エッジプロテクタは、電線がコルゲートチューブに覆われて構成されたワイヤーハーネスを保護するために用いられることもある。この場合、コルゲートチューブがエッジプロテクタの内部に通される。
しかしながら、コルゲートチューブに対して凹凸による嵌合構造を採用して位置決めする場合、エッジプロテクタにコルゲートチューブを通すことが困難であった。
そこで、本発明は、ワイヤーハーネスの保護具を、コルゲートチューブに対して位置決めしつつ容易に装着することを目的とする。
第1の態様は、ワイヤーハーネスにおける電線を覆うコルゲートチューブが通される貫通孔が形成された支持体において、前記貫通孔の周縁部に取り付けられるワイヤーハーネスの保護具であって、前記コルゲートチューブの両側から挟み込んで合体されることによって筒形状を形成する一対の分割部材により構成され、前記一対の分割部材は、前記一対の分割部材の合体状態において前記支持体の前記貫通孔に挿入されると共に前記コルゲートチューブが内部に通される筒形状を形成する分割本体部と、前記分割本体部の外周部から外周側に張り出す形状に形成され、前記貫通孔の周縁部に対して前記分割本体部の挿入方向前方側から係止する形態から内周側へ弾性変形可能な係止部と、前記分割本体部の外周部から外周側に張り出す形状に形成され、前記貫通孔の周縁部に対して前記挿入方向後方側から対向する押え部と、前記分割本体部の内周部から周方向に沿って内周側に突起する凸条に形成され、前記分割本体部の内部に通される前記コルゲートチューブに嵌合する位置決め嵌合部とを備える。
第2の態様は、第1の態様に係るワイヤーハーネスの保護具であって、前記一対の分割部材は、同形状に形成されている。
第3の態様は、第2の態様に係るワイヤーハーネスの保護具であって、前記分割本体部は、前記一対の分割部材の合体状態において、前記挿入方向に直交する断面視において一対の弧状部を一対の直線部が結ぶ筒形状に形成され、前記係止部は、少なくとも前記直線部の中間部位に複数設けられ、前記分割部材は、短脚部と、前記短脚部より長く前記直線部を含む長脚部と、前記短脚部及び前記長脚部を結ぶ湾曲部とを有する形状に形成されている。
第4の態様は、第1〜3の態様のいずれか一態様に係るワイヤーハーネスの保護具であって、前記一対の分割部材は、一方の端部に合体用係止部を有すると共に、他方の端部に前記合体用係止部が係止する合体用被係止部を有している。
第5の態様は、第4の態様に係るワイヤーハーネスの保護具であって、前記合体用係止部は、前記分割部材の前記一方の端部から突出し、前記分割本体部の内周側に突起する突起部を有し、前記合体用被係止部は、前記分割部材の前記他方の端部で開口して前記合体用係止部が挿入される凹状に形成され、内部に前記突起部が嵌り込む穴部を有している。
第6の態様は、第1〜5の態様のいずれか一態様に係るワイヤーハーネスの保護具であって、前記押え部は、前記一対の分割部材の合体状態において、前記分割本体部の外周部から外周側に張り出す環状を形成する分割鍔部と、前記分割鍔部から前記挿入方向前方側且つ外周側に向けて張り出すと共に前記挿入方向後方側に弾性変形可能に形成され、前記挿入方向において前記係止部との間で前記支持体を挟む付勢部とを有している。
第7の態様は、第6の態様に係るワイヤーハーネスの保護具であって、前記付勢部は、前記一対の分割部材の合体状態において、前記分割鍔部の周方向において等間隔に複数設けられている。
第8の態様は、第6の態様に係るワイヤーハーネスの保護具であって、前記付勢部は、前記一対の分割部材の合体状態において、前記分割鍔部の周方向に連続する環状を形成する。
第1の態様に係るワイヤーハーネスの保護具によると、コルゲートチューブの両側から挟み込んで合体されることによって筒形状を形成する一対の分割部材により構成されている。一対の分割部材は、支持体の貫通孔に挿入されると共に内部にコルゲートチューブが通される筒形状を形成する分割本体部と、貫通孔の周縁部に対して分割本体部の挿入方向前方側から係止する係止部と、貫通孔の周縁部に対して分割本体部の挿入方向後方側から対向する押え部とを備えている。これにより、貫通孔からの抜け出しを抑制して支持体に取り付けられる。また、分割本体部の内周部から周方向に沿って内周側に突起する凸条に形成された位置決め嵌合部が備えられており、一対の分割部材の合体動作により位置決め嵌合部がコルゲートチューブに嵌合するため、ワイヤーハーネスの保護具を、コルゲートチューブに対して相互に位置決めしつつ容易に装着することができる。
第2の態様に係るワイヤーハーネスの保護具によると、一対の分割部材が同形状に形成されているため、一つの金型で両部材を形成することができる。
第3の態様に係るワイヤーハーネスの保護具によると、分割本体部が、一対の分割部材の合体状態において、挿入方向に直交する断面視において一対の弧状部を一対の直線部が結ぶ筒形状に形成されている場合に、係止部が直線部の中間部位に位置するように設けられても、分割部材が、短脚部と短脚部より長く直線部を含む長脚部と短脚部及び長脚部を結ぶ湾曲部とを有する形状に形成されているため、一対の分割部材を同形状に形成することができる。
第4の態様に係るワイヤーハーネス保護具によると、一対の分割部材が、一方の端部に合体用係止部を有すると共に、他方の端部に合体用係止部が係止する合体用被係止部を有しているため、一対の分割部材がコルゲートチューブを挟んで合体された状態を自身で維持することができる。
第5の態様に係るワイヤーハーネス保護具によると、合体用係止部が分割部材の一方の端部から突出し、分割本体部の内周側に突起する突起部を有し、合体用被係止部が分割部材の他方の端部で開口して合体用係止部が挿入される凹状に形成され、内部に突起部が嵌り込む穴部を有している。このため、一対の分割部材がコルゲートチューブを挟んで合体した状態において合体用係止部が合体用被係止部に係止すると、合体用被係止部の内周側にはコルゲートチューブが存在しており、突起部が嵌り込む穴部の周辺部分が内周側に変形することが抑制されることにより突起部が穴部から抜け出ることが抑制され、一対の分割部材の合体状態がより確実に維持される。
第6の態様に係るワイヤーハーネスの保護具によると、押え部が、一対の分割部材の合体状態において分割本体部の外周部から外周側に張り出す環状を形成する分割鍔部と、分割鍔部の位置から挿入方向前方側に向けて張り出すと共に挿入方向後方側に弾性変形可能に形成された付勢部とを有している。そして、挿入方向において付勢部及び係止部の間で支持体を挟むため、支持体に対するがたつきを抑制することができる。
第7の態様に係るワイヤーハーネスの保護具によると、付勢部が、一対の分割部材の合体状態において、分割鍔部の周方向において等間隔に複数設けられているため、材料の使用量を軽減しつつ支持体に対するがたつきを抑制することができる。
第8の態様に係るワイヤーハーネスの保護具によると、付勢部が、一対の分割部材の合体状態において分割鍔部の周方向に連続する環状を形成するため、より確実に支持体に対するがたつきを抑制することができる。
第1実施形態に係るエッジプロテクタの分解斜視図である。 第1実施形態に係るエッジプロテクタの斜視図である。 図2のIII−III線断面図である。 第1実施形態に係るエッジプロテクタの分割部材の詳細図である。 第2実施形態に係るエッジプロテクタの斜視図である。 図5のVI−VI線断面図である。 第2実施形態に係るエッジプロテクタの分割部材の詳細図である。 変形例に係るエッジプロテクタの斜視図である。
<第1実施形態>
以下、第1実施形態に係るエッジプロテクタ10の構成について説明する(図1〜図4参照)。エッジプロテクタ10は、板状の支持体2に形成された貫通孔2hに通して配索されるワイヤーハーネスWHを、該貫通孔2hの周縁部から保護する部材である(図3参照)。
支持体2は、例えば、自動車のボディを構成する金属パネルであり、ボディからドアに向かう配索経路等ではボディを貫通してワイヤーハーネスWHを配索するために、貫通孔2hが形成されている。ここでは、貫通孔2hの周縁部は、一対の弧状部を一対の直線部が結ぶ形状を成しているものとする。
本エッジプロテクタ10の保護対象となるワイヤーハーネスWHは、電線5とその電線5の周囲を覆うコルゲートチューブ6とを備えている。このコルゲートチューブ6は、電線5を外部から保護するための保護チューブである。より具体的には、コルゲートチューブ6は、筒形状に形成され、周方向に沿った凸条の山部7及び凹条の谷部8が軸方向に交互に連続した部材である。コルゲートチューブ6は、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ABS樹脂又はポリエチレン(PE)等の合成樹脂材料を押出成型すると共に、ブロー成型或いはバキューム成型して製造される一体成形部材である。他にも、コルゲートチューブ6は、比較的硬質なゴム(エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、エラストマー等)により形成されることもある。
なお、ここでは、コルゲートチューブ6が、中心軸に直交する断面視において一対の弧状部を一対の直線部が結ぶ筒形状に形成されている例で説明する。
エッジプロテクタ10は、一対の分割部材102により構成されている(図1、図2、図4参照)。なお、図3においては、エッジプロテクタ10の分割箇所の形状を省略して示している。一対の分割部材102は、ワイヤーハーネスWHのコルゲートチューブ6の両側から挟み込んで合体されることによって筒形状を形成する部材である。ここでは、一対の分割部材102の合体状態について説明した後に、一対の分割部材102の個々の形状について説明する。一対の分割部材102は、それぞれ、分割本体部20と、係止部30と、押え部40と、リブ50とを備えている。
分割本体部20は、一対の分割部材102の合体状態において、貫通孔2hに挿入されると共にコルゲートチューブ6が内部に通される筒形状を形成する部分である。以下、一対の分割部材102の合体状態において、端部同士が突き合わされた一対の分割本体部20について説明する。一対の分割本体部20は、支持体2の貫通孔2hに対して、支持体2を挟んだ一方側から他方側に向けて挿入される。説明の便宜上、この方向を挿入方向Sとして説明し、エッジプロテクタ10自体の向きを説明するのにも利用する。そして、一対の分割本体部20は、支持体2の貫通孔2hに通されるワイヤーハーネスWHとその貫通孔2hの周縁部との間に介在して、ワイヤーハーネスWHが支持体2における貫通孔2hの周縁部と接触して傷つくことを防ぐ(図3参照)。
より具体的には、一対の分割本体部20の外周部は、貫通孔2hの周縁部に対応した形状で、且つ、該貫通孔2hより僅かに小さいサイズに設定されている。また、一対の分割本体部20の内周部は、コルゲートチューブ6の山部7の外周部の外形状に対応した形状で、且つ、該山部7より僅かに大きいサイズに設定されている。ここで、対応した形状とは、略相似形状であって、全体的に相手方の形状に沿って存在する形状をいう。ここでは、一対の分割本体部20は、挿入方向Sに直交する断面視において、一対の弧状部22を一対の直線部24が結ぶ筒状に形成されている。もっとも、分割本体部20は、コルゲートチューブ6の外形状及び貫通孔2hの周縁部の形状に対応した形状に形成されていればよく、上記形状に限られるものではない。
係止部30は、支持体2における貫通孔2hの周縁部に対して挿入方向S前方側から係止する部分である。この係止部30は、体部20の外周部(ここでは、挿入方向S前方側の端部)から外周側且つ挿入方向S後方に向けて延び出て、その先端部が自由端とされた形状の部分である(図3参照)。すなわち、挿入方向S前方側から後方側に向けて徐々に外周側への突出寸法が大きくなる形状に形成されている。また、係止部30は、その先端部に挿入方向S後方を臨む係止面を有している。これにより、係止部30は、分割本体部20の外周部から外周側に張り出して、支持体2における貫通孔2hの周縁部に対して係止面が挿入方向S前方側から接触して係止する形態から、それよりも内周側へ弾性変形可能に構成されている。
そして、係止部30は、支持体2の貫通孔2hを通過する際に、その貫通孔2hの周縁部に接触しつつ、貫通孔2h内に収まる形態まで内周側に弾性変形する。さらに、係止部30は、貫通孔2hを通過後、弾性復帰する力によりもとの形態に戻って、貫通孔2hの周縁部に対して挿入方向S前方側から対向する。
ここでは、係止部30は、一対の分割本体部20において、一対の弧状部22の各中間部位及び一対の直線部24の各中間部位の4箇所にそれぞれ設けられている(図2参照)。これにより、各係止部30は、貫通孔2hの周縁部に対して、周方向においてバランスよく挿入方向S前方側から係止することができる。
押え部40は、分割本体部20の外周部から外周側に張り出す形状に形成され、支持体2の貫通孔2hの周縁部に対して挿入方向S後方側から対向する部分である。この押え部40は、一対の分割部材102の合体状態において、分割本体部20の外周部から外周側に張り出して支持体2の貫通孔2hの周縁部に沿う環状を形成する部分である。また、押え部40は、挿入方向Sに直交する面に沿って扁平な形状に形成されている。この押え部40は、貫通孔2hより大きいサイズに形成されている。ここでは、押え部40は、分割本体部20における挿入方向S後方の端部に設けられている(図3参照)。
リブ50は、分割本体部20の内周部から周方向に沿って内周側に突起する凸条に形成されている部分である。このリブ50は、分割本体部20の内部に通されるワイヤーハーネスWHのコルゲートチューブ6の外周部における谷部8に嵌り込む部分である(図3参照)。リブ50は、挿入方向Sにおいて、コルゲートチューブ6の谷部8が設けられている間隔で複数設けられている。また、リブ50の突出寸法は、コルゲートチューブ6の山部7と谷部8との高低差と同じかそれより小さい(ここでは小さい)寸法に設定される。また、リブ50の幅寸法は、コルゲートチューブ6における隣合う山部7同士の間隔と同じかそれより小さい(ここでは小さい)寸法に設定される。
そして、一対の分割部材102がコルゲートチューブ6の両側から合体される際に、一対の分割部材102の各々に設けられたリブ50が、コルゲートチューブ6の谷部8に嵌り込む。これにより、分割本体部20の内周部及びリブ50とコルゲートチューブ6とが、凹凸による嵌合構造により互いに位置決めされる。
ここでは、一対の分割部材102は、同形状に形成されている。さらに、分割部材102は、短脚部104と、該短脚部104より長く分割本体部20の直線部24を含む長脚部106と、分割本体部20の弧状部22を含む湾曲部108とを有する形状(略J字形状)に形成されている。
上述したように、係止部30は、分割本体部20の周方向において、一対の弧状部22の中間部位及び一対の直線部24の中間部位に対応する位置にそれぞれ設けられている。そして、分割部材102は、略J字形状に分割された分割本体部20、押え部40及びリブ50と、周方向において一方の弧状部22及び一方の直線部24の各中間部位に設けられた2つの係止部30とが射出成型等により一体形成されて製造される。
一対の分割部材102は、相互に合体された状態を維持するロック機構を備えている。ここでは、図4に示すロック機構の一例について説明する。このロック機構は、分割部材102の一方の端部に設けられたアーム部114と、他方の端部にアーム部114が係止する受け部116とにより構成されている。ここでは、アーム部114が長脚部106に設けられ、受け部116が短脚部104に設けられている。より具体的には、アーム部114は、分割部材102の一方の端部から突出し、突出片の先端部から分割本体部20の内周側に突起する突起部115を有している。また、受け部116は、分割部材102の他方の端部で開口してアーム部114が挿入される凹状に形成され、内部に突起部115が嵌り込む穴部117を有している。すなわち、穴部117は、分割本体部20の内周側に凹んだ形状に形成されている。ここでは、穴部117は、分割本体部20の内部空間内に貫通している。
そして、一対の分割部材102が合体されることにより、それぞれ、一方の分割部材102におけるアーム部114の突起部115が、他方の分割部材102における受け部116の穴部117に嵌り込み、一対の分割部材102の合体状態が維持される。より具体的には、突起部115が穴部117内に嵌り込んだ状態においては、一対の分割部材102の間にコルゲートチューブ6が介在しているため、受け部116における分割部材102の内周側の部分がそれより内周側に変形することを規制される。加えて、アーム部114における突起部115の突起方向とは反対側の部分が受け部116の内壁部と接触することにより、アーム部114の分割部材102の外周側への移動が規制される。これにより、アーム部114が受け部116に係止した状態がより確実に維持される。
なお、係止状態の維持の観点から言うと上記のアーム部114及び受け部116の形状の組み合わせが好ましいが、突起部115及び穴部117が一対の分割部材102の外周側に突起する或いは凹む形状に形成されていてもよい。
これまで、係止部30が分割本体部20の挿入方向S前方側の端部に設けられると共に、押え部40が分割本体部20の挿入方向S後方側の端部に設けられた構成について説明してきたが、係止部30及び押え部40は、分割本体部20の挿入方向Sの中途部に設けられてもよい。
第1実施形態に係るエッジプロテクタ10によると、コルゲートチューブ6の両側から挟み込んで合体されることによって筒形状を形成する一対の分割部材102により構成されている。一対の分割部材102は、支持体2の貫通孔2hに挿入されると共に内部にコルゲートチューブ6が通される筒形状を形成する分割本体部20と、貫通孔2hの周縁部に対して分割本体部20の挿入方向S前方側から係止する係止部30と、貫通孔2hの周縁部に対して挿入方向S後方側から対向する押え部40とを備えている。これにより、貫通孔2hからの抜け出しを抑制して支持体2に取り付けられる。また、分割本体部20の内周部から周方向に沿って内周側に突起する凸条に形成されたリブ50が備えられており、一対の分割部材102の合体動作によりリブ50がコルゲートチューブ6に嵌合するため、エッジプロテクタ10を、コルゲートチューブ6に対して相互に位置決めしつつ容易に装着することができる。
また、一対の分割部材102が同形状に形成されているため、一つの金型で両部材を形成することができる。これにより、金型の設計、製造に伴う設備導入費を軽減することができる。また、一種類の部品を扱うため、管理性、作業性の向上に寄与する。
また、分割本体部20が、一対の分割部材102の合体状態において、挿入方向Sに直交する断面視において一対の弧状部22を一対の直線部24が結ぶ筒形状に形成されている場合に、係止部30が直線部24の中間部位に位置するように設けられても、分割部材102が、短脚部104と直線部24を含む長脚部106と短脚部104及び長脚部106を結ぶ湾曲部108とを有する形状に形成されているため、一対の分割部材102を同形状に形成することができる。
また、一対の分割部材102が、一方の端部にアーム部114を有すると共に、他方の端部にアーム部114が係止する受け部116を有しているため、一対の分割部材102がコルゲートチューブ6を挟んで合体された状態を自身で維持することができる。
また、アーム部114が分割部材102の一方の端部から突出し、分割本体部20の内周側に突起する突起部115を有し、受け部116が分割部材102の他方の端部で開口してアーム部114が挿入される凹状に形成され、内部に突起部115が嵌り込む穴部117を有している。このため、一対の分割部材102がコルゲートチューブ6を挟んで合体した状態においてアーム部114が受け部116に係止すると、受け部116の内周側にはコルゲートチューブ6が存在しており、突起部115が嵌り込む穴部117の周辺部分が内周側に変形することが抑制されることにより突起部115が穴部117から抜け出ることが抑制され、一対の分割部材102の合体状態がより確実に維持される。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るエッジプロテクタ210について説明する(図5〜図7参照)。エッジプロテクタ210は、第1実施形態に係るエッジプロテクタ10と比較して、押え部240が分割鍔部242と付勢部246とを有することのみが異なる構成であるため、同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
押え部240の分割鍔部242は、第1実施形態に係る押え部40と同形状に形成されている部分であり、支持体2の貫通孔2hに対して挿入方向S後方側から対向する。
付勢部246は、挿入方向Sにおいて、係止部30との間で支持体2を挟む部分である(図5、図6参照)。この付勢部246は、分割鍔部242から外周側且つ挿入方向S前方側に張り出す形状に形成され、先端部が自由端となっている。ここでは、付勢部246は、分割鍔部242の外周部から突出し、外周側に向かうにつれて徐々に挿入方向S前方側に傾く形状に形成されている。これにより、付勢部246は、上記形態から、先端側の部分が挿入方向S後方側へ弾性変形可能に構成されている。
付勢部246は、挿入方向Sにおいて、先端部が係止部30の係止面(先端部)に対して支持体2の厚さ寸法より小さい間隔で位置する形状に形成されている。そして、付勢部246は、分割本体部20が支持体2の貫通孔2hに挿入されて係止部30が貫通孔2hの周縁部に対して挿入方向S前方側から係止した状態で、支持体2における挿入方向S後方側の面に押し付けられて挿入方向S後方側に弾性変形する(図6参照)。これにより、付勢部246は、支持体2を挿入方向S後方側から前方側に向けて付勢した状態になっている。すなわち、エッジプロテクタ10は、係止部30及び付勢部246の間で挟持力を作用させた状態で支持体2を挟んで、この支持体2に装着されている。
また、付勢部246は、分割鍔部242の周方向において等間隔に複数設けられている(図5参照)。ここでは、付勢部246は、分割鍔部242の周方向において係止部30に対応する位置に設けられている。すなわち、付勢部246は、分割鍔部242の周方向において、分割本体部20の一対の弧状部22及び一対の直線部24の各中間部位に対応する位置に設けられている。
そして、分割部材202は、略J字形状に分割された分割本体部20、分割鍔部242及びリブ50と、周方向において一方の弧状部22及び一方の直線部24の各中間部位に対応する位置に設けられた2つの係止部30及び2つの付勢部246とが射出成型等により一体形成されて製造される(図7参照)。
もっとも、付勢部は、外周側に向かうにつれて徐々に挿入方向S前方側に傾く形状に限られず、先端部(外周側の部位)に支持体2の挿入方向S後方側の面に面接触する平坦部分を有していてもよいし、基端部と先端部との中間部位が挿入方向S前方側に隆起した断面視山形状に形成されていてもよい。また、これまで付勢部246が4箇所に設けられる構成について説明してきたが、これに限られず、例えば、付勢部246は、一対の分割部材202の合体状態において、分割本体部20の中心軸を挟んで対向する2箇所に設けられていてもよい。
また、図8に示すエッジプロテクタ310のように、分割鍔部342の周方向に連続する環状を形成する付勢部346を有する押え部340の形状を採用することもできる。この押え部340の分割鍔部342は、上述した押え部240の分割鍔部242と同形状である。また、付勢部346は、上述した付勢部246が分割鍔部342の周方向全体に連続した形状に形成されている。そして、分割部材302は、略J字形状に分割された分割本体部20、押え部340及びリブ50が射出成型等により一体形成されて製造される。この形状を採用する場合、より確実に支持体2に対するがたつきを抑制することができる。
第2実施形態に係るエッジプロテクタ210によると、押え部240が、一対の分割部材202の合体状態において分割本体部20の外周部から外周側に張り出す環状を形成する分割鍔部242と、分割鍔部242の位置から挿入方向S前方側に向けて張り出すと共に挿入方向S後方側に弾性変形可能に形成された付勢部246とを有している。そして、挿入方向Sにおいて付勢部246及び係止部30の間で支持体2を挟むため、支持体2に対するがたつきを抑制することができる。
また、付勢部246が、一対の分割部材202の合体状態において、分割鍔部242の周方向において等間隔に複数設けられている形状によると、材料の使用量を軽減しつつ支持体2に対するがたつきを抑制することができる。
2 支持体
2h 貫通孔
5 電線
6 コルゲートチューブ
10、210、310 エッジプロテクタ
20 分割本体部
22 弧状部
24 直線部
30 係止部
40、240、340 押え部
242、342 分割鍔部
246、346 付勢部
50 リブ
102、202、302 分割部材
104 短脚部
106 長脚部
114 アーム部
115 突起部
116 受け部
117 穴部
S 挿入方向
WH ワイヤーハーネス

Claims (8)

  1. ワイヤーハーネスにおける電線を覆うコルゲートチューブが通される貫通孔が形成された支持体において、前記貫通孔の周縁部に取り付けられるワイヤーハーネスの保護具であって、
    前記コルゲートチューブの両側から挟み込んで合体されることによって筒形状を形成する一対の分割部材により構成され、
    前記一対の分割部材は、
    前記一対の分割部材の合体状態において、前記支持体の前記貫通孔に挿入されると共に前記コルゲートチューブが内部に通される筒形状を形成する分割本体部と、
    前記分割本体部の外周部から外周側に張り出す形状に形成され、前記貫通孔の周縁部に対して前記分割本体部の挿入方向前方側から係止する形態から内周側へ弾性変形可能な係止部と、
    前記分割本体部の外周部から外周側に張り出す形状に形成され、前記貫通孔の周縁部に対して前記挿入方向後方側から対向する押え部と、
    前記分割本体部の内周部から周方向に沿って内周側に突起する凸条に形成され、前記分割本体部の内部に通される前記コルゲートチューブに嵌合する位置決め嵌合部と、
    を備える、ワイヤーハーネスの保護具。
  2. 請求項1に記載のワイヤーハーネスの保護具であって、
    前記一対の分割部材は、同形状に形成されている、ワイヤーハーネスの保護具。
  3. 請求項2に記載のワイヤーハーネスの保護具であって、
    前記分割本体部は、前記一対の分割部材の合体状態において、前記挿入方向に直交する断面視において一対の弧状部を一対の直線部が結ぶ筒形状に形成され、
    前記係止部は、少なくとも前記直線部の中間部位に複数設けられ、
    前記分割部材は、短脚部と、前記短脚部より長く前記直線部を含む長脚部と、前記短脚部及び前記長脚部を結ぶ湾曲部とを有する形状に形成されている、ワイヤーハーネスの保護具。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のワイヤーハーネスの保護具であって、
    前記一対の分割部材は、一方の端部に合体用係止部を有すると共に、他方の端部に前記合体用係止部が係止する合体用被係止部を有している、ワイヤーハーネスの保護具。
  5. 請求項4に記載のワイヤーハーネスの保護具であって、
    前記合体用係止部は、前記分割部材の前記一方の端部から突出し、前記分割本体部の内周側に突起する突起部を有し、
    前記合体用被係止部は、前記分割部材の前記他方の端部で開口して前記合体用係止部が挿入される凹状に形成され、内部に前記突起部が嵌り込む穴部を有している、ワイヤーハーネスの保護具。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のワイヤーハーネスの保護具であって、
    前記押え部は、
    前記一対の分割部材の合体状態において、前記分割本体部の外周部から外周側に張り出す環状を形成する分割鍔部と、
    前記分割鍔部から前記挿入方向前方側且つ外周側に向けて張り出すと共に前記挿入方向後方側に弾性変形可能に形成され、前記挿入方向において前記係止部との間で前記支持体を挟む付勢部と、
    を有している、ワイヤーハーネスの保護具。
  7. 請求項6に記載のワイヤーハーネスの保護具であって、
    前記付勢部は、前記一対の分割部材の合体状態において、前記分割鍔部の周方向において等間隔に複数設けられている、ワイヤーハーネスの保護具。
  8. 請求項6に記載のワイヤーハーネスの保護具であって、
    前記付勢部は、前記一対の分割部材の合体状態において、前記分割鍔部の周方向に連続する環状を形成する、ワイヤーハーネスの保護具。
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