JP2012198291A - 光ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】耐側圧性が高く難燃性も有する、外径が小さく安価なスロット型光ケーブルを提供する。
【解決手段】光ケーブル1は、スロットロッド3の長手方向に沿って設けられた溝3aに光ファイバテープ心線2を収納し、スロットロッド3の外側をシース5で被覆してなるものであって、シース5が、2層からなり、従来から用いられる低価格で難燃特性を有する材料が外層5bに用いられ、外層5bの材料よりも硬度が高い材料が内層5aに用いられる。
【選択図】図1
【解決手段】光ケーブル1は、スロットロッド3の長手方向に沿って設けられた溝3aに光ファイバテープ心線2を収納し、スロットロッド3の外側をシース5で被覆してなるものであって、シース5が、2層からなり、従来から用いられる低価格で難燃特性を有する材料が外層5bに用いられ、外層5bの材料よりも硬度が高い材料が内層5aに用いられる。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数心の光ファイバ心線を収容する光ファイバケーブルに関する。
従来からある代表的な多心用光ケーブルとしてスロット型光ケーブルがある(例えば、特許文献1または2参照)。スロット型光ケーブルは、例えば、図3に示すように、光ファイバテープ心線101を複数本、スロットロッド(スペーサともいう)102の外周に形成してある複数のスロット溝102aの中にそれぞれ収納し、その外周に押さえ巻きテープ103を巻き付けた上で、さらにシース104で覆ったものである。スロットロッド102の中心には抗張力体としての鋼線102bが埋設され、シース104内に引き裂き紐105が埋設されている。
近年の光ファイバケーブル網の拡大に伴い、また、将来のFTTH(Fiber to The Home)網の構築を考慮すると敷設される光ケーブルのスペースにも限りがあるため、光ケーブルにはできるだけ細径化が求められている。図3のスロット型光ケーブル100を細径化する方法として、スロットロッド102の外径を小さくする方法が考えられる。
しかしながら、現行の構造のスロット型光ケーブル100にあっては、強度的に必要なリブ厚Wを確保するためにスロットロッド102の外径をある程度大きくする必要があり、細径化には限界がある。リブ厚Wが薄い場合、ケーブル100に側圧などの外力が加わるとリブ部102cが倒れてしまい、スロット溝102aに収容されているテープ心線101に外傷が生じたり、該心線101の光ファイバの特性に損失が生じたりすることがある。
リブ倒れを起こさないためには、リブ厚Wを大きくする以外にシース104を厚くする、もしくは、硬度の高いシース材料を用いて、耐側圧性を高める方法がある。シース104を厚くすると外径が大きくなってしまい細径化の目的には合わないため、高硬度のシース材料を用いる方が良い。ただし、高硬度のシース材料は材料費も高く、また難燃性等の特性と高硬度の特性を両立することも難しい。
以上のような課題について、特許文献1や特許文献2には開示も示唆もされていない。
以上のような課題について、特許文献1や特許文献2には開示も示唆もされていない。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、耐側圧性が高く難燃性も有する、外径が小さく安価なスロット型光ケーブルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の光ケーブルは、スロットロッドの長手方向に沿って設けられた溝に光ファイバ心線を収納し、スロットロッドの外側をシースで被覆してなるものであって、シースが、2層からなり、内層の材料が外層の材料よりも硬度が高いことを特徴とする。
また、シースの内層の材料がJIS K 7215タイプDで規定される硬度がHDD50以上のポリエチレンであり、厚みが0.3mm以上であることが好ましく、シースの溝への落ち込み高さが0.1mm以上であることも好ましい。
本発明のスロット型光ケーブルは、シースを2層構造とし、内層のシースに外層のものより硬度の高い材料を用いているので、外径を小さくすることができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明のスロット型光ケーブルに係る好適な実施の形態について説明する。図1は、本発明によるスロット型光ケーブルの一例を示す断面図で、図中、1はスロット型光ケーブル(以下、単に光ケーブルという)を示す。この光ケーブル1は、光ファイバテープ心線2、スロットロッド3、押さえ巻きテープ4及びシース5を備えて構成される。
光ファイバテープ心線(以下、テープ心線という)2は、例えば、4心の光ファイバ心線を平行に並べ紫外線硬化樹脂で一体化してテープ状にしたものである。なお、本発明の光ケーブルに収納される光ファイバ心線は、テープ心線に限らず、単心の光ファイバ心線を複数心並べて収容するようにしてもよい。
スロットロッド3は、例えばポリエチレン等の樹脂を押出成形法により押し出すことで形成されるもので、複数のファイバ収納用の溝3aがケーブル1の長手方向にらせん状に設けられており、このファイバ収納用の溝3aには、テープ心線2が収納されている。また、スロットロッド3の中心にはテンションメンバ3bが挿通埋設されている。テンションメンバ3bは、抗張力体とも呼ばれ、引張り及び圧縮に対する耐力を有する鋼線や繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)等の線材が用いられる。
スロットロッド3は、例えばポリエチレン等の樹脂を押出成形法により押し出すことで形成されるもので、複数のファイバ収納用の溝3aがケーブル1の長手方向にらせん状に設けられており、このファイバ収納用の溝3aには、テープ心線2が収納されている。また、スロットロッド3の中心にはテンションメンバ3bが挿通埋設されている。テンションメンバ3bは、抗張力体とも呼ばれ、引張り及び圧縮に対する耐力を有する鋼線や繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)等の線材が用いられる。
スロットロッド3の外周面には、押さえ巻きテープ4が巻き付けられ、溝3a内のテープ心線2が外に飛び出るのを防止する。また、押さえ巻きテープ4は、開き巻きあるいは重ね巻きのいずれでもよく、シース5の成型時の熱が光ファイバ心線に及ばないように熱絶縁すると共に、押さえ巻きテープ4に吸水性のものを用いることにより、防水機能を持たせることもできる。押さえ巻きテープ4の外周には、シース5が形成される。
シース5は、樹脂材料からなるもので、内層5aと外層5bの2層からなり、押出し成形により内層5aが形成されてから、同じく押出し成形により外層5bが形成される。なお、内層5aと外層5bを同時に押出し成形してもよい。外層5bには、低密度ポリエチレン(LDP:Low Density Polyethylene)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP:Linear Low Density Polyethylene)等の従来から用いられる低価格で難燃特性を有する材料が用いられ、内層5aの材料には、LDPやLLDPよりも硬度が高い材料が用いられる。
このような構造とすることにより、光ケーブル1は、細くても耐側圧性が高くなっている。また、シース5のうちの一部すなわち内層5aのみに高硬度の樹脂を使用するので、コストを抑えることができ、安価である。さらに、外層5bに難燃特性をもった材料を用いたので光ケーブル1は難燃性がある。
このような構造とすることにより、光ケーブル1は、細くても耐側圧性が高くなっている。また、シース5のうちの一部すなわち内層5aのみに高硬度の樹脂を使用するので、コストを抑えることができ、安価である。さらに、外層5bに難燃特性をもった材料を用いたので光ケーブル1は難燃性がある。
内層5bの材料としては、例えば、JIS K 7215タイプDで規定される硬度がHDD50以上のポリエチレンを用いることができる。
なお、図示は省略したが、テープ心線2を取り出す時にシース5を引き裂くのに用いられる引き裂き紐が内層5a内に固定されている。
なお、図示は省略したが、テープ心線2を取り出す時にシース5を引き裂くのに用いられる引き裂き紐が内層5a内に固定されている。
(実施例)
実際に、実施例1,2として、JIS K 7215タイプDで規定される硬度がHDD50以上のポリエチレンを内層5bの材料とした本発明の光ケーブルを作製し、各実施例について、側圧試験後、加圧幅100mmの平板に挟み、上から1960Nの荷重をかけ一分間保持し、その後、10箇所についてシースを裂き、リブ倒れが発生したか否かを観察した。
また、比較例1〜3として、シースが一層のみからなり、その材料として通常材料を用いたものを作製し、同様にリブ倒れの発生を観察した。
なお、各例共通で、スロットロッドの直径が6mm、押さえ巻きテープの厚さが0.25mm、スロットロッドの溝の個数が3、その深さが1.5mmであり、テープ心線が厚さ0.3mmの4心のものを各溝に2枚ずつ入れるようにした。
実施例1,2及び比較例1〜3のリブ倒れの有無について、表1に示す。
実際に、実施例1,2として、JIS K 7215タイプDで規定される硬度がHDD50以上のポリエチレンを内層5bの材料とした本発明の光ケーブルを作製し、各実施例について、側圧試験後、加圧幅100mmの平板に挟み、上から1960Nの荷重をかけ一分間保持し、その後、10箇所についてシースを裂き、リブ倒れが発生したか否かを観察した。
また、比較例1〜3として、シースが一層のみからなり、その材料として通常材料を用いたものを作製し、同様にリブ倒れの発生を観察した。
なお、各例共通で、スロットロッドの直径が6mm、押さえ巻きテープの厚さが0.25mm、スロットロッドの溝の個数が3、その深さが1.5mmであり、テープ心線が厚さ0.3mmの4心のものを各溝に2枚ずつ入れるようにした。
実施例1,2及び比較例1〜3のリブ倒れの有無について、表1に示す。
比較例1〜3から明らかなように、従来の構造、すなわち、シースが一層の構造では、シースの厚みが2mm以下の場合、リブ倒れが発生してしまい、シースの厚みを2.5mm以上に厚くしなければ、リブ倒れを抑制することはできない。
しかし、実施例1,2では、内層シース厚が0.3mm以上であれば、外層シース厚が1.3mmで、内層と外層を合わせたシース厚が1.6mmや1.8mmと細くても、リブ倒れが発生しない。このようなに、本発明の光ケーブルは、細くても耐側圧性が高くなっている。
しかし、実施例1,2では、内層シース厚が0.3mm以上であれば、外層シース厚が1.3mmで、内層と外層を合わせたシース厚が1.6mmや1.8mmと細くても、リブ倒れが発生しない。このようなに、本発明の光ケーブルは、細くても耐側圧性が高くなっている。
図2は、本発明のスロット型光ケーブルの他の例を説明する部分拡大断面図である。図1のスロット型光ケーブル1と同様の構成部分については同じ参照番号を付すことによりその説明を省略する。
図2の光ケーブル1’は、図1の光ケーブル1と同様に、シース5’が内層5a’と外層5bの2層から成り、内層5a’の材料には外層5bのものより硬度が高いものを用いるものであるが、図1の光ケーブル1と異なり、スロットロッド3の溝3aに、シース5’の内層5aと押さえ巻きテープ4’が落ち込んだ構造となっている。この構造では、シース5’によりスロットロッド3のリブ3cを側方から支えることができる。したがって、図1の光ケーブル1に比べて、薄いシース厚でもリブ倒れが発生しない、すなわち、耐側圧性が高い。
図2の光ケーブル1’は、図1の光ケーブル1と同様に、シース5’が内層5a’と外層5bの2層から成り、内層5a’の材料には外層5bのものより硬度が高いものを用いるものであるが、図1の光ケーブル1と異なり、スロットロッド3の溝3aに、シース5’の内層5aと押さえ巻きテープ4’が落ち込んだ構造となっている。この構造では、シース5’によりスロットロッド3のリブ3cを側方から支えることができる。したがって、図1の光ケーブル1に比べて、薄いシース厚でもリブ倒れが発生しない、すなわち、耐側圧性が高い。
1,1’…スロット型光ケーブル、2…光ファイバテープ心線、3…スロットロッド、4…押さえ巻きテープ、5,5’…シース、5a,5a’…内層、5b…外層。
Claims (3)
- スロットロッドの長手方向に沿って設けられた溝に光ファイバ心線を収納し、前記スロットロッドの外側をシースで被覆してなる光ケーブルであって、
前記シースは、2層からなり、内層の材料が外層の材料よりも硬度が高いことを特徴とする光ケーブル。 - 前記シースの内層の材料がJIS K 7215タイプDで規定される硬度がHDD50以上のポリエチレンであり、厚みが0.3mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の光ケーブル。
- 前記シースの前記溝への落ち込み高さが0.1mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の光ケーブル。
Priority Applications (1)
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JP2011060810A JP2012198291A (ja) | 2011-03-18 | 2011-03-18 | 光ケーブル |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021110820A (ja) * | 2020-01-09 | 2021-08-02 | 古河電気工業株式会社 | 光ファイバケーブル |
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2011
- 2011-03-18 JP JP2011060810A patent/JP2012198291A/ja not_active Withdrawn
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