本発明の内容、その特徴および有利な点をより理解するために、添付の図面を参照しながら以下に説明する。
図1は、偏波変調信号をスクランブルして、偏波依存性ロスおよび偏波ホールバーニングを低減する、光ネットワーク100の例示的な実施形態を示す図である。以下で詳細に説明するが、光ネットワークの情報伝達能力を向上させるために、光信号の複数の偏波状態(SOP: state of polarization)が、データや情報によって変調され得、偏波多重光信号が生成される。しかしながら、これらの偏波多重信号は、光ネットワーク100を通過して伝搬する間に、様々な偏波依存効果を経験し得る。したがって、光信号の変調されたある偏波状態は、同じ光信号の変調された他の偏波状態とは異なった影響を受けることがある。また、偏波多重信号の偏波の性質は、望ましくない効果をもたらし得る。これらの偏波依存効果は、偏波依存性ロスおよび偏波ホールバーニングを含み得る。
以下で詳細に説明するが、光ネットワーク100は、偏波変調信号の偏波スクランブルを通過する偏波変調信号の偏波依存性ロスおよび偏波ホールバーニングを低減しやすくするために、偏波スクランブラ(PS: polarization scrambler)114と、偏波スクランブラ114に結合するスクランブル・ドライバ116とを含み得る。本明細書の記載の目的上、用語「信号」または「光信号」は、偏波変調信号を指し得る。偏波スクランブルは、偏波依存効果が低減され、または最小化されるように、光信号の変調された偏波状態の偏波配向を絶え間なく変化させ得る。光ネットワーク100は、光信号の受信と情報抽出を容易にするために、偏波スクランブラ114によって生成された偏波スクランブルのコヒーレントな検出とデスクランブルとを可能にし得る、偏波モニタ124と、偏波デスクランブラ(PDS: polarization descrambler)126と、偏波モニタ124および偏波デスクランブラ126に結合したデスクランブル・ドライバ117を追加的に含み得る。
光ネットワーク100は、ターミナルノードを有する二地点間の光ネットワーク、リング光ネットワーク、メッシュ光ネットワーク、またはその他の任意の適切な光ネットワークまたは光ネットワークの組合せを含み得る。光ファイバ106は、極めて僅かなロスしかない状態で光信号を長距離伝送できる、細いガラス・ストリングを含む。光ファイバ106は、単一モードファイバ(SMF: single-mode fiber)、広域実効ファイバ(ELEAF: enhanced large effective area fiber)またはTrueWave(登録商標)減少スロープ(TW−RS:TrueWave(R) Reduced Slope)ファイバなどの任意の適切な種類のファイバを含み得る。
光ネットワーク100は、ファイバ106で光信号を伝送する装置を含み得る。1以上の光波長の変調によって情報が波長上にエンコードされ、ネットワーク100を介して情報が送受信され得る。光ネットワークにおいて、ネットワークの伝送スペクトル内の1以上の光波長は、チャネルと呼ばれ得る。各チャネルは、光ネットワーク100を介して一定量の情報を搬送し得る。いくつかの例において、チャネルは、情報で変調された光の波長と、隣接チャネルの変調された波長間のバッファとしての役割を果たす付加的波長とを含み得る。
光ネットワーク100の情報伝達能力を向上させるために、複数のチャネルで伝送される複数の信号は、単一の光信号に畳重され得る。単一光信号で成る複数チャネルにおける情報の通信プロセスは、光学において、波長分割多重(WDM: wavelength division multiplexing)と呼ばれる。高密度波長分割多重(DWDM: dense wavelength division multiplexing)は、通常40を超える、より多く(より高密度)の波長をファイバに多重化させることを言う。波長分割多重、高密度波長分割多重、またはその他の複数の波長伝送技術が光ネットワークに採用されて、1光ファイバ当たりの統合バンド幅を増加させる。波長分割多重または高密度波長分割多重がなければ、光ネットワークにおけるバンド幅は、もっぱら1波長のビットレートに制限され得る。より多くのバンド幅を用いると、光ネットワークは、より多くの情報量を伝送し得る。光ネットワーク100は、波長分割多重、高密度波長分割多重またはその他の適切な複数チャネル多重技術を利用して、異なるチャネルを伝送し、複数チャネル信号を増幅し得る。
搬送されるチャネル数の他に、どれだけの量の情報が光ネットワークにおいて伝送され得るかに関して影響を与えるその他の要因は、伝送のビットレートであろう。ビットレートが大きいほど、伝送され得る情報量は多くなる。
偏波分割多重(PDM: polarization division multiplexing)技術は、情報伝送のための、より多くのビットレートを達成し得る。偏波分割多重伝送は、情報をチャネルに関連する光信号の様々な偏波要素へ変調させることを含む。光信号の偏波は、光信号の発振の方向を指し得る。用語「偏波」は、通常、空間地点で電界ベクトルのチップによって描かれる、光信号の伝搬方向と垂直なパスを指す。用語「線形偏波」は、通常、電界ベクトルの配向の単一方向を指し得る。通常、任意の線形偏波は、それぞれx、yと標識付けられた互いに同位相の2つの独立した直交する成分に分解され得る。
例えば、偏波多重伝送において、レーザにより生成された光ビームは、高度に線形偏波であり得る。ビームは、ビームのx偏波要素およびビームのy偏波要素に従って、偏波ビームスプリッタによって分離され得る。x偏波要素は、ビームの伝搬方向と垂直な水平軸に配置され得る。y偏波要素は、ビームの伝搬方向と水平軸の両方に垂直な垂直軸に配置され得る。したがって、x偏波要素は「水平偏波」であると言われ、y偏波要素は「垂直偏波」であると言われ得る。用語「水平」および「垂直」は、軸の間の直交関係とこれらの軸に対して配置される偏波配向とを表現するための座標系を示すために単に使用されているにすぎない。かかる用語は、絶対的な如何なる偏波配向に限定されない。
ビームをx偏波要素とy偏波要素とに分離することに続いて、2つのビーム上で情報が変調され得る。変調に続き、2つのビームは、各々の偏波要素上に変調された情報を有する2つの偏波要素(例えば、x偏波要素とy偏波要素)を有する光信号を、結合されたビームが含むように、偏波ビーム結合器によって結合され得る。したがって、情報を信号のy偏波要素およびx偏波要素の両方に変調することによって、その信号に関連するチャネルによって任意の所定時間に渡り搬送される情報量は、増加し得る(例えば、チャネルのビットレートが増加する)。
光ネットワークにおける様々な構成要素および装置は、光信号に関連する各チャネルの変調されたx偏波要素およびy偏波要素に異なる影響を及ぼし得る。その影響は、x偏波要素とy偏波要素の配向に依存し得る。ファイバ106、マルチプレクサ104、および挿入/分岐モジュール(明示せず)は、信号がこれらの構成要素を通過する時に信号を減衰させ得、増幅器108は、信号を増幅させ得る。これらの構成要素は、偏波要素の配向に依存して、信号内で各チャネルの様々な偏波要素を異なる程度に減衰させ、または増幅させ、これが、偏波依存性ロスと偏波依存性ゲイン(PDG: polarization dependent gain)の原因となる。
例えば、マルチプレクサ104は、あるチャネルに関連する変調された波長のy偏波を同じ波長の変調されたx偏波を減衰させるよりも大きく減衰させ得る。また、あるチャネルに関連するある波長の変調されたx偏波およびy偏波は、異なるチャネルに関連する他の波長の変調されたx偏波およびy偏波とは異なる影響を受け得る。同様に、増幅器108は、光信号に関連する各チャネルの変調されたx偏波要素およびy偏波要素を異なる程度で増幅し得る。したがって、多重偏波波長分割多重信号において、各チャネルの各変調された偏波要素は、光ネットワークを通過する間に、異なる程度のゲインとロスとを経験し得る。様々なネットワーク構成要素の偏波依存効果は、偏波依存性ロスおよび偏波依存性ゲインとの双方の結果であるが、その効果全体の結果は、単に偏波依存性ロスと称され得る。
その他の偏波依存効果は、偏波ホールバーニングである。偏波ホールバーニングは、通信システム内で信号強度を増幅するために利用される、エルビウム・ドープ・ファイバ増幅器(EDFA:erbium-doped fiber amplifier)などのレアアース・ドープ・ファイバ光増幅器の性能を大幅に低下させ得る。
偏波ホールバーニングは、強い偏波光信号がエルビウム・ドープ・ファイバ増幅器に入射されるときに起きる。この強い信号は、増幅器の異方性飽和をもたらし得る。かかる飽和効果は、エルビウム・ドープ・ファイバ増幅器の反転分布力学に関連するものであるが、飽和信号と同じ偏波状態(SOP)で、エルビウム・ドープ・ファイバ増幅器の光に対する利得を減少させる。したがって、偏波ホールバーニングは、飽和信号に直交する偏波状態を有する信号に、飽和信号の有する利得よりも大きな増幅を与える。
その結果、飽和信号に直交する偏波状態における増幅自然放出(ASE: amplified spontaneous emission)雑音は、飽和信号の偏波状態におけるそれよりも早く蓄積する。飽和、または飽和の近傍で動作する一連のエルビウム・ドープ・ファイバ増幅器を用いる通信システムでは、増幅自然放出雑音は、各増幅段階で蓄積し得る。システム全体に雑音が蓄積すると、飽和信号に直交する偏波状態を有する信号の信号雑音比(SNR: signal noise ratio)が看過できないレベルまで上昇する。かかる場合における信号雑音比は、受信したデータストリームにおいてエラーを引き起こし得る。したがって、増幅光システムにおいて偏波ホールバーニングの効果を緩和することが望ましい。
以下でさらに詳細に開示するが、ネットワーク100は、変調された偏波要素(例えば、x偏波要素およびy偏波要素)の配向が絶えず変化するように、偏波分割多重信号の偏波をスクランブルし得る。変調された偏波要素の配向が絶えず変化し、偏波ホールバーニングおよび偏波依存性ロスがその偏波配向に依存することによって、任意の特定の変調された偏波要素上の偏波依存性ロスおよび偏波ホールバーニングが実質的に低減され、または分岐され得る。
また、さらに以下で説明するように、ネットワーク100は、変調された偏波要素の偏波配向をコヒーレントに検出し得る。したがって、ネットワーク100は、偏波分割多重信号をデスクランブルし得、偏波要素上に変調された情報が読み込まれるように、変調された偏波要素を再配向する。本明細書の目的上、光信号の用語「偏波」または「偏波配向」は、座標系に基づく、光信号の1つ以上の変調された偏波要素の偏波配向を指し得る。
光ネットワーク100は、特定波長において光ネットワーク100を通過する光信号を送信する、1つ以上の光送信器(Tx)102を含み得る。送信器102は、電気信号を光信号に変換し、光信号を送信するための任意のシステム、機器または装置を含み得る。例えば、送信器102は、レーザと、電気信号を受信し、電気信号に含まれる情報をレーザによって生成された光ビーム上に特定波長で変調し、ネットワークを通じて信号を運ぶビームを送信する変調器とをそれぞれ含み得る。
マルチプレクサ104は、送信器102に結合し得る。また、かかるマルチプレクサ104は、個別の波長において、送信器102によって送信される信号を単一の波長分割多重または高密度波長分割多重信号へと合成する任意のシステム、機器または装置であり得る。
増幅器108は、ネットワーク100内で多重チャネルの信号を増幅し得る。増幅器108は、ファイバ106の一定長さの前および/または後に配置され得る。増幅器108は、信号を増幅する任意のシステム、機器、または装置を含み得る。例えば、増幅器108は、光信号を増幅する光中継器を含み得る。この増幅は、光-電気または電気−光変換なしに行われ得る。いくつかの実施形態において、増幅器108は、レアアース元素でドープされた光ファイバを含み得る。信号がファイバを通過するときに、光ファイバのドープされた部分の原子を励起するために外部エネルギーが用いられ得、これによって光信号強度が増大する。一例として、増幅器108は、エルビウム・ドープ・ファイバ増幅器を含み得る。しかしながら、半導体光増幅器(SOA: semiconductor optical amplifier)などの、その他の任意の適切な増幅器も利用され得る。
ネットワーク100は、ネットワーク100の1つ以上の送信先において1つ以上のデマルチプレクサ105をも含み得る。デマルチプレクサ105は、波長分割多重信号をその個々のチャネルまたは波長に分離することによってデマルチプレクサとして動作し得る、任意のシステム機器または装置を含み得る。いくつかの実施形態において、デマルチプレクサ105は、個々のチャネルを合成して1つの波長分割多重信号にする代わりに、波長分割多重信号をその個々のチャネルに分離させ得るマルチプレクサ104を含み得る。例えば、ネットワーク100は、40チャネル高密度波長分割多重信号を送信および搬送し得る。デマルチプレクサ105は、単一の40チャネル高密度波長分割多重信号を40の異なるチャネルに従って40の個別の信号へと分離し得る。
ネットワーク100は、デマルチプレクサ105に結合した受信器112をも含み得る。各受信器112は、特定の波長またはチャネルにて送信される信号を受信し、それらが含む情報の信号を処理(例えば、変調をデコードして情報を抽出する)し得る。したがって、ネットワーク100は、ネットワークのチャネル毎に少なくとも1つの受信器112を含み得る。
上述のように、光信号を送受信することに加えて、ネットワーク100は、光信号の偏波をスクランブルして、偏波依存性ロスおよび偏波ホールバーニングを低減し得る。ネットワーク100は、マルチプレクサ104の出力に結合した偏波スクランブラ114を含み得る。偏波スクランブラ114は、マルチプレクサ104から受信した光信号の偏波をスクランブルし得る。偏波スクランブラ114は、スクランブル技術に関する情報に従ってその信号がデスクランブルをもされ得るように、光信号の偏波をスクランブルし得る任意の適切なシステム、機器または装置を含み得る。いくつかの実施形態において、偏波スクランブラ114は、一定の回転速度で光信号の偏波を絶えず回転させることによって、光信号をスクランブルし得る。
したがって、光信号は、回転ないしスクランブルを正すために偏波を反対方向にかつスクランブルで使用されるのと同量を回転させることによって、その後デスクランブルされ得る。いくつかの実施形態において、偏波スクランブラ114は、ファラデー回転子を含み得る。
ネットワーク100は、偏波スクランブラ114に結合したスクランブル・ドライバ116をも含み得る。スクランブル・ドライバ116は、偏波スクランブラ114の偏波スクランブルを制御および駆動する、任意の適切なシステム、機器または装置を含み得る。例えば、スクランブル・ドライバは、プロセッサおよびメモリを有する制御部を含み得る。メモリは、メモリ内に格納され、偏波スクランブラ114に信号のスクランブルを指示する命令を含み得る。プロセッサは、偏波スクランブラ114によって実行されるスクランブルをスクランブル・ドライバ116が制御できるように、メモリ内に格納された命令を読み出し、実行し得る。
いくつかの実施形態では、スクランブル・ドライバ116は、信号の偏波配向を完全に回転させ、一定の時間後に反復回転させるといったように、一定の周波数で信号の偏波を回転させるように偏波スクランブラ114を駆動させる。スクランブル速度は、近似的に2キロヘルツ(2kHz)以上である。例えば、いくつかの実施形態において、スクランブル速度は、近似的に8キロヘルツ(8kHz)であり得る。その他の実施形態において、スクランブル速度は16キロヘルツ(16kHz)であり得る。偏波スクランブルの回転特性に起因して、偏波スクランブルは、スクランブル周波数とも称され得る特定周波数を有する正弦関数または余弦関数として近似的には表され得る。正弦関数の位相は、スクランブルされた信号の偏波配向を示し得る。偏波配向は、特定の座標系からの偏角として表現され得る。
例えば、上述のように、偏波スクランブラ114に入力される前に、1つの信号は、所定の水平軸に配置および変調されたx偏波要素を含み得、また、所定の垂直軸に配置および変調されたy偏波要素を含み得る。水平軸および垂直軸は、偏波配向の座標系を提供し得る。したがって、偏波配向は、水平軸からの変調されたx偏波要素の偏角および垂直軸からの変調されたy偏波要素の偏角として表され得る。例えば、右回り30°(π/6ラジアン)の偏波配向は、変調されたx偏波要素およびy偏波要素と水平軸および垂直軸との間のそれぞれの角度が水平軸および垂直軸から右回り方向にそれぞれ30°(π/6ラジアン)であることを示し得る。
偏波スクランブルは、以下の方程式によって近似的に示され得る。
θ(t)= sin (ωt)
上記方程式において、正弦関数(θ)の位相は、座標系(例えば、x軸またはy軸)に対する偏波配向の角度を示し得る。また、ωは所定時間における回転周波数(例えば、1秒当たりの度数またはラジアン)を示し、tは所定時間を示し得る。
また、スクランブル・ドライバ116は、演算処理を行うことができ、ネットワーク100に一定クロックを提供するシステムマスタークロック120によって駆動され得る。スクランブル・ドライバ116は、スクランブル信号のスクランブル周波数および偏波配向が、マスタークロック120の関数となり得るように、マスタークロック120から受信したクロック信号に従って信号をスクランブルするように偏波スクランブラ114に指示し得る。例えば、スクランブル・ドライバ116は、マスタークロック120が「高」から「低」に、および/または「低」から「高」に推移するごとに信号の偏波を回転するように偏波スクランブラ114に指示し得る。
ネットワーク100は、ネットワーク100の1つ以上の送信先においてスクランブルされた信号をデスクランブルすることもできる。ネットワーク100におけるスクランブルされた信号の伝搬における伝搬遅延に起因して、特定時間に送信先で受信された信号の偏波配向は、その時間に偏波スクランブラ114によってスクランブルされた信号の偏波配向と同じとは限らない。この遅延によって、送信先で受信された信号と特定時間に偏波スクランブラ114によってスクランブルされた信号との間に偏波配向の位相シフトが生じ得る。
送信先ノードでの偏波スクランブルは、以下の方程式によって近似的に表され得る。
θ(t)= sin (ωt + Φ)
偏波スクランブラ114による偏波スクランブルを示す方程式と同様に、上記方程式において、正弦関数(θ)の位相は、座標系(例えば、x軸またはy軸)に対する偏波配向の角度を示し得る。また、ωは所定時間(1秒当たりの度数またはラジアン)における回転の周波数を示し、tは、所定時間を示し得る。さらにΦは、偏波スクランブラ114でスクランブルすることと、宛先ノードでスクランブルすることとの間の位相シフトを示し得る。
したがって、送信先ノードにおける偏波スクランブルは、スクランブルされた信号がデスクランブルされるように、送信先ノードで決定される必要があり得る。以下でさらに詳細に説明するが、送信先ノードにおける偏波スクランブルは、様々な方法および構成要素を使用して決定され得る。
いくつかの実施形態において、ネットワーク100は、スクランブルに使用されるものと同じ座標系に基づいて、スクランブルされた信号の偏波スクランブルを検出および決定する偏波モニタ124を含み得る。上述のように、座標系は、所定の「水平」軸と所定の「垂直」軸とに関連し得る。偏波モニタ124は、光信号の偏波スクランブルを検出および決定する、任意の適切なシステム、機器または装置を含み得る。本発明の実施形態において、偏波モニタ124は、ネットワーク100のノード103にて、ネットワーク100と結合し得る。また、偏波デスクランブラ126の入力ポートは、スクランブルされた信号がノード103から偏波デスクランブラ126に入力されるときに、偏波モニタ124が1つ以上のスクランブルされた信号の偏波スクランブルを決定し得るように、ノード103と結合し得る。決定された偏波スクランブルに基づいて、偏波モニタ124は、偏波モニタ124に連結したデスクランブル・ドライバ117に偏波情報を伝送する。
いくつかの実施例において、偏波情報は、通常、偏波デスクランブラ126で受信した光信号の偏波スクランブルを示し得る周波数および位相を有する電気的な正弦波を含み得る。上述のように、正弦波の周波数は、偏波スクランブラ114によって使用される偏波スクランブル周波数を近似的に示す。電気的な正弦波の位相は、特定の座標系との偏角(例えば、x偏波要素による水平軸との偏角と、y偏波要素による垂直軸との偏角)として表される、偏波デスクランブラ126で受信した信号の偏波配向を示し得る。前述したように、偏波スクランブラ114と偏波デスクランブラ126と間の伝搬遅延により、偏波スクランブラ114によってスクランブルされる信号の偏波配向を表す位相は、偏波デスクランブラ126によって受信される信号の偏波配向を表す位相と同じとは限らない。また、上述の通り、この位相差は、通常偏波デスクランブラ126で受信した信号のスクランブルを表す方程式において、Φで表される。
デスクランブル・ドライバ117は、偏波デスクランブラ126により受信したスクランブルされた信号を偏波デスクランブラ126がデスクランブルするように、偏波デスクランブラ126を制御し、駆動する任意の適切なシステム、機器または装置を含み得る。例えば、デスクランブル・ドライバ117は、スクランブル・ドライバ116に類似したプロセッサおよびメモリを有する制御部を含み得る。いくつかの実施形態において、デスクランブル・ドライバ117は、スクランブルされた信号がデスクランブルされるように、偏波モニタ124から偏波情報を受信し、偏波デスクランブラ126で受信したスクランブルされた信号の偏波配向を適宜調整するように偏波デスクランブラ126に指示し得る。
偏波デスクランブラ126は、デスクランブル・ドライバ117に結合し得、デスクランブル・ドライバ117によって受信された命令に従って、光信号の偏波配向を調整する任意の適切なシステム、機器または装置を含み得る。したがって、偏波デスクランブラ126は、デスクランブル・ドライバ117による命令に従って、その入力端子で受信した信号をデスクランブルし得る。デスクランブル・ドライバ117および偏波デスクランブラ126は、まとめて、ネットワーク100のデスクランブル部と呼ばれ得る。いくつかの実施形態において、偏波デスクランブラ126は、光信号の偏波を回転させ得、ファラデー回転子を含み得る。
本明細書の実施形態において、偏波デスクランブラ126の出力は、デマルチプレクサ105がスクランブルされていない波長分割多重信号をその個別のチャネルに逆多重化するように、デマルチプレクサ105の出力と接続し得る。したがって、受信器112は、その各々のチャネルに含まれる情報を処理し得る。
以下の実施例は、スクランブルされた信号をデスクランブルするための、偏波モニタ124、デスクランブル・ドライバ117および偏波デスクランブラ126との相互作用を示す。偏波モニタ124は、偏波デスクランブラ126で受信した信号の偏波スクランブルを検出し得る。本明細書の実施例において、信号は、特定のスクランブル周波数で信号の偏波を回転させる偏波スクランブラ114によってスクランブルされ得る。したがって、偏波モニタ124は、スクランブルを表す電気信号を生成し得る。電気信号は、近似的にスクランブル周波数を表す周波数と、スクランブルされた信号の偏波配向を一般的に表す位相とを有する正弦波を含み得る。偏波モニタ124は、電気信号をデスクランブル・ドライバ117へ送信し得る。
デスクランブル・ドライバ117は、偏波デスクランブラ126に指示して偏波スクランブラ114が信号を回転させたであろう方向とは反対の方向へスクランブルされた信号を回転させ得る。例えば、偏波スクランブラ114は、信号を右回りに回転させ得、偏波デスクランブラ126は、信号を左回りに回転させてスクランブルをデスクランブルし得る。また、デスクランブル・ドライバ117は、偏波デスクランブラ126に指示して、スクランブルされた信号を電気信号が示す周波数(例えば、正弦波の周波数)、すなわちスクランブル周波数に関連する回転速度にて回転させ得る。したがって、偏波デスクランブラ126はまた、適切なデスクランブリングを確保するために、スクランブルと同じ回転速度でスクランブルされた信号を回転させ得る。
また、デスクランブル・ドライバ117は、電気信号の位相を用いて、信号の回転が開始する適切な座標系を決定し得る。例えば、デスクランブル・ドライバ117によって最初に受信された電気信号の位相は30°となり得る。この30°の位相は、座標系(例えば、水平軸および垂直軸)との偏波要素の30°の右回りの偏角を表し得る。したがって、デスクランブル・ドライバ117は、偏波デスクランブラ126に指示して、まず、スクランブルされた光信号の偏波を30°左回りに回転させ、その後スクランブルされた信号がデスクランブルと同位相になるように、スクランブル周波数にて回転させ得る。
スクランブルされた信号と同調し、スクランブルされた信号をスクランブルの回転速度と近似的に同じでありつつ反対方向に回転させることによって、偏波スクランブラ126を出た光信号はデスクランブルされ得、受信器112によって適切に受信され得る。上述のように、デスクランブルの後、信号は、デマルチクレクサ105によって受信され得、個別のチャネルが受信器112によって適切に処理され得る。先に述べたように、スクランブルは、偏波多重光信号の偏波依存性ロスおよび偏波ホールバーニングを低減させる上で有利であり、コヒーレントなデスクランブルは、スクランブルされた偏波多重信号からの情報を抽出する上で有利となり得る。
本明細書の保護の範囲から逸脱することなく、ネットワーク100に対して変形、追加、または削除がなされ得る。例えば、ネットワーク100は、本明細書中に挙げるものよりも多いまたは少ない数の構成要素を含み得る。また、本明細書中に挙げられた構成要素は、動作を行うために使用される様々な副次的構成要素を含み得る。
図2は、ネットワーク100においてデスクランブル・ドライバ117に結合した偏波モニタ124の例示的実施形態を含むシステム200のブロック図を示す。本実施例において、偏波モニタ124は、光信号の偏波スクランブルを検出および決定する、任意の適切なシステム、機器、または装置を含む偏波検出器202を含み得る。偏波検出器202は、光信号の検出された偏波スクランブルを示す電気信号を生成し得る。
一例として、偏波検出器202は、ネットワーク100のノード103においてスクランブルされた信号を受信する偏波ビームスプリッタ(PBS: polarization beam splitter)(明示せず)を含み得る。偏波ビームスプリッタは、座標系の水平軸および座標系の垂直軸に従ってスクランブルされた信号を分離し得、これにより、スクランブルされた信号を水平偏波ビームと垂直偏波ビームとに分離する。偏波検出器202は、光ダイオードを利用して、水平偏波ビームおよび垂直偏波ビームそれぞれを、水平偏波ビームおよび垂直偏波ビームそれぞれのパワーを示す電気信号に変換する。水平偏波ビームおよび垂直偏波ビームのパワーは、スクランブルされた信号の変調されたx偏波要素およびy偏波要素の偏波配向を示し得る。例えば、変調されたx偏波要素およびy偏波要素が座標系の水平軸および垂直軸と一直線に配置されるほど、水平偏波および垂直偏波のビームのパワーは大きくなり得る。さらに、変調されたx偏波要素およびy偏波要素が座標系の水平軸、垂直軸と一直線に配置されないほど、水平偏波および垂直偏波のビームのパワーは小さくなり得る。
いくつかの実施形態において、偏波検出器202は、光ダイオードと結合し、水平および垂直偏波ビーム(光信号の変調されたx偏波要素およびy偏波要素の配向を示し得る)を示す電気信号を受信する加算回路(明示せず)を含み得る。加算回路は、水平および垂直偏波ビームを示す電気信号を、偏波検出器202で受信したスクランブルされた信号の偏波配向を示す両方のビームのパワーを示す信号に加算し得る。いくつかの実施形態において、加算回路は、光増幅加算回路を含み得る。加算回路を出た合成された電気信号は、偏波検出器202に含まれるバンドパスフィルタ(明示ぜず)を通過して、加算回路と結合する。バンドパスフィルタは、スクランブル周波数と実質的に同じ電気信号の周波数を通過させ、その他の周波数を阻止し得る。したがって、バンドパスフィルタを出た電気信号は、スクランブル周波数を示す周波数を有する電気信号の正弦波を含み得る。
バンドパスフィルタを出た電気信号は、水平および垂直な偏波要素のパワーに関連する振幅を有し得るが、かかる要素は、スクランブルされた信号の偏波配向と関連し得る。時間領域における電気信号の振幅は、周波数領域における電気信号の位相と関連し得る。したがって、バンドパスフィルタを出た電気信号の位相は、スクランブルされた信号の偏波配向を示し得る。バンドパスフィルタを出るのに続いて、スクランブル周波数および偏波配向をそれぞれ示す周波数および位相を有する電気信号は、偏波検出器202から出てもよい。
いくつかの実施例において、光ダイオードを出た電気信号とバンドフィルタによって行われた演算処理とを加算することは、処理部によって行われ得る。また、偏波スクランブル検出の具体的な構成が記載されているが、偏波検出器202が行うような、偏波スクランブルを検出し、偏波スクランブルを表示する信号を生成する任意の適切のシステム、機器または装置が考えられる。
上述の通り、偏波検出器202を出た電気信号は、上述のようにスクランブルされた信号の偏波スクランブルを一般的に示す、スクランブル周波数と同じ周波数を有する正弦波を含み得る。また、偏波検出器202によって生成された電気信号の位相は、スクランブルされた光信号の偏波配向を近似的に示し得る。しかしながら、偏波検出器202によって生成された信号は、偏波検出器202に入力される光信号に影響を及ぼし得る環境要因によって、周波数および位相における変動をも含み得る。したがって、偏波検出器202によって生成された電気信号は、一般的に、スクランブルされた信号の偏波スクランブルを示し得るが、変動は、偏波デスクランブルを損ない得る。
したがって、偏波検出器202により受信される信号内に変動を有するいくつかの実施形態において、偏波モニタ124は、偏波検出器202に結合し、かつ偏波検出器202からの電気信号を受信する、共鳴装置または空洞共振器206をも含み得る。空洞共振器206は、特定周波数で共鳴し、その周波数で信号を生成する任意の適切なシステム、機器または装置を含み得る。また、偏波検出器202からの電気信号を空洞共振器206が受信すると、空洞共振器206はスクランブル周波数を有する電気信号を生成させ得るといったように、空洞共振器206は、スクランブル周波数で共鳴させ得る。
空洞共振器206は、空洞共振器206によって生成された信号の周波数(例えば、スクランブル周波数)が僅かな変動(ときにジッタと呼ばれる)を含むか、もしくは変動を含まない、実質的にクリーンな信号を生成し得る。対照的に、前述の通り、偏波検出器202を出た電気信号は、偏波検出器202に入力される光信号に影響を与え得る環境要因による変動を含み得る。空洞共振器206によって生成される信号は、近似的にスクランブル周波数を有するが、いくつかの例において、空洞共振器206によって生成された信号は、偏波検出器202によって生成された信号と位相不一致となり得る。したがって、空洞共振器206によって生成された信号は、偏波検出器202によって受信された光信号の偏波スクランブルと位相不一致となり得る。その結果、偏波検出器202および空洞共振器206は、偏波検出器202および空洞共振器206によって生成された信号が位相検出器204によって受信されるように、ともに位相検出器204に結合し得る。
位相検出器204は、偏波検出器202および空洞共振器206によって生成された信号間の位相差を決定する、任意の適切のシステム、機器または装置を含み得る。例えば、位相検出器204は、偏波検出器202および空洞共振器206から受信した信号間の位相差を検出するハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはその任意の組合せを含み得る。したがって、位相検出器204は、空洞共振器206から生成された実質的にクリーンな電気信号と、偏波検出器202において受信し、偏波検出器202によって生成された電気信号により示される信号の偏波スクランブルとの間の位相差を決定し得る。本発明の実施形態において、位相検出器204は、信号処理方法を利用して、空洞共振器206および偏波検出器202によって受信された電気信号を分析し得る。位相検出器204は、位相検出器204によってアクセス可能なメモリに格納された演算処理命令に従って位相差を決定するハードウェア、ソフトウェアまたはその双方の組合せを含み得る。位相検出器204は、平均部208に結合し得、かかる平均部208に位相差を送信し得る。
平均部208は、位相検出器204から受信した位相差を平均化する、任意の適切なシステム、機器または装置を含み得る。例えば、平均部208は、位相検出器204から受信した位相差を平均化するハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはその任意の組合せを含み得る。決定された位相差を平均化することで、平均部208は、偏波検出器202によって生成された信号内のジッタによって発生し得る、位相検出器204によって決定される位相差における位相変動を低減し得る。平均部208は、平均化された位相差を平均部208に結合した位相シフト部210に送信し得る。
空洞共振器206によって生成された信号と平均部208によって生成された平均化された位相差とを位相シフト部210が受信するように、位相シフト部210は、平均部208と空洞共振器206とに結合し得る。位相シフト部210は、平均部208から受信された平均化された位相差分、空洞共振器206から受信された信号の位相をシフトさせる任意の適切なシステム、機器または装置を含み得る。例えば、位相シフト部210は、空洞共振器206によって生成された信号の位相を、平均化された位相差分シフトさせるハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはその任意の組合せを含み得る。
上述のように、位相差は、空洞共振器206によって生成された信号と偏波検出器202にて受信された光信号のスクランブルとの間の位相差を示し得る。したがって、平均化された位相差で空洞共振器206から受信した電気信号をシフトさせることによって、位相シフト部210は、一般的に、偏波検出器202にて偏波モニタ124によって受信され、また偏波デスクランブラ126によっても受信されたスクランブルされた信号の偏波スクランブルを一般的に示す電気信号(例えば、スクランブル周波数と偏波配向をそれぞれ示す、周波数および位相を有する電気正弦波)を生成し得る。また、位相シフトと、空洞共振器206によって生成された比較的クリーンな電気信号とを組み合わせることによって、位相シフト部210は、僅かなジッタしか有さないか、ジッタを有さない電気信号を生成し得る。位相シフト部210は、デスクランブル・ドライバ117に通信接続し得、偏波スクランブルを示す信号をデスクランブル・ドライバ117へ送信し得る。
デスクランブル・ドライバ117は、位相シフト部210を介して偏波モニタ124から受信した電気信号の周波数および位相に従って、スクランブルされた信号をデスクランブルするように偏波デスクランブラ126に指示し得る。例えば、上述のように、デスクランブル・ドライバ117は、スクランブルされた信号を位相シフト部210からのデスクランブル・ドライバ117によって受信された電気信号の周波数で回転させるように偏波デスクランブラ126に指示し得る。また、上述のように、デスクランブル・ドライバ117は、電気信号の位相を用いて、信号を回転させる際にスクランブルされた信号に適切な位相シフトを提供し得る。したがって、偏波モニタ124およびデスクランブル・ドライバ116は、光信号の偏波スクランブルをコヒーレントに検出し、デスクランブルし得る。
本発明の保護の範囲から逸脱することなく、システム200について修正、追加、または省略がなされ得る。例えば、スクランブルされた信号が僅かなジッタしか有さないか、ジッタを有さない実施形態においては、空洞共振器206、位相検出器204、平均部208および位相シフト部210は、不要であり得る。また、ある機能が独立の構成要素によって行われるものとして記載されているが、システム200は、記載された動作を行うためのより多くのまたはより少ない構成要素を含み得る。
図3は、偏波依存性ロスおよび偏波ホールバーニングを低減させるための偏波変調信号をスクランブルする光ネットワーク300の他の実施例の形態を示す。ネットワーク300は、送信器102、マルチプレクサ104、偏波スクランブラ114、スクランブル・ドライバ116、増幅器108、ファイバ106、デスクランブル・ドライバ117、偏波デスクランブラ126、デマルチプレクサ105および受信器112など、ネットワーク100と実質的に同様の構成要素を含み得る。
ネットワーク300は、スクランブルされた信号に関連する偏波情報を送信する光監視チャネル送信器302、光監視チャネル受信器304を含む光監視チャネル(OSC: optical supervisory channel)構成要素をも含み得る。ネットワーク300は、スクランブルされた信号をデスクランブルする準備として、光監視チャネル上で送信される偏波情報に部分的に基づいて信号の偏波スクランブルを決定する偏波モニタ306をも含み得る。
上述のように、いくつかの実施例において、スクランブルされた信号のスクランブル周波数および偏波配向は、マスタークロック120の関数であり得る。したがって、受信器112によって信号が受信される前に、クロック情報301に基づいて偏波デスクランブラ126が適切に信号をデスクランブルし得るように、偏波スクランブラ114での信号のスクランブルに関連するクロック情報301をネットワーク300を通じて送信することが有利であり得る。
ネットワーク300のクロック情報301は、マスタークロック120の関数として、偏波スクランブラ114によってスクランブルされる信号の偏波を決定するために用いられ得る任意の適切な情報を含み得る。いくつかの実施形態において、クロック情報301は、マスタークロック120によって生成される電気信号を一般的に示し、かつ偏波スクランブラ114によって光信号のスクランブルを駆動させる光信号を含み得る。同じまたはその他の実施形態において、偏波スクランブルがマスタークロックの関数であることから、クロック情報301は、スクランブル周波数を近似的に示す信号を含み得る。しかしながら、以下でさらに説明するように、光監視チャネルとスクランブルされた信号との間の伝搬時間差に起因して、クロック情報301の位相がスクランブルされた信号の偏波配向を正確に示さないなど、クロック情報301は、偏波スクランブルと位相不一致となり得る。
光監視チャネルは、ネットワーク300の監視ならびにメンテナンス情報を提供する専門チャネルを含み得る。光監視チャネルを介してクロック情報301を送信することは、光監視チャネルに関する情報が偏波スクランブルされていないため、有利であり得る。そこで、信号をデスクランブルするのに必要なクロック情報301は、スクランブルされることなく送信され得る。
本発明の実施形態において、ネットワーク300は、偏波スクランブラ114によって行われる偏波スクランブルに関連するクロック情報301を送信する光監視チャネル送信器302aを含み得る。光監視チャネル送信器302aは、電気信号を光監視チャネル上で送信される光信号に変換する任意の適切な光送信器を含み得る。
光監視チャネル送信器302aは、光監視チャネル送信器302aおよびスクランブル・ドライバ116がマスタークロック120からのクロック信号を同時に受信するように、スクランブル・ドライバ116と並列にマスタークロック120と結合し得る。したがって、光監視チャネル送信器302aは、スクランブル・ドライバ116を駆動させて、電気マスタークロック信号を、一般的にマスタークロック120を示す光信号を含むクロック情報301に変換し得る。したがって、クロック情報301に関連するスクランブルされた信号がネットワーク300を伝播すると同時に、スクランブルされた信号の偏波スクランブルに関連するクロック情報301は、光監視チャネルを介してネットワーク300内を伝搬し得る。
以下でさらに詳細に説明するが、偏波モニタ306は、クロック情報301を受信し得、偏波モニタ304にて受信したスクランブルされた信号のスクランブル周波数および偏波配向をそれぞれ一般的に示す周波数および位相を有する電気信号を、クロック情報301に部分的に基づいて生成し得る。図1についての記載と同様であるが、偏波モニタ306は、デスクランブル・ドライバ117が偏波デスクランブラ126にスクランブルされた信号をデスクランブルするように指示するように、デスクランブル・ドライバ117へ信号を送信し得る。
光監視チャネル伝搬とスクランブルされた信号伝搬と間の遅延差により、クロック情報301およびクロック情報301に関連するスクランブルされた信号は、偏波モニタ306および偏波デスクタンブラ126それぞれに同時に到着しない場合もある。したがって、偏波デスクランブラ126で受信された信号の偏波スクランブルは、偏波モニタ306で受信されたクロック情報301と位相不一致となり得る。
上述のように、位相シフトは、スクランブルされた信号とクロック情報301との間の遅延差によって発生し得る。例えば、光監視チャネル送信器302aおよびスクランブル・ドライバ116は、マスタークロック120から同時にクロック信号を受信し得る。光監視チャネル送信器302aは、受信した信号に基づいてクロック情報301を生成および送信し得、また、スクランブル・ドライバ116は、受信した信号に基づいて受信した信号の偏波を回転させるように偏波スクランブラ114に指示するための制御信号を生成し得る。しかしながら、光監視チャネル302aがクロック情報301を生成および送信するために必要な時間量は、偏波スクランブラ114がスクランブル・ドライバ116から制御信号を受信し、光信号を回転させるために必要な時間量とは異なり得る。したがって、クロック情報301がスクランブル周波数を示し得るにもかかわらず、マスタークロック120から受信した信号をこれらの信号を示すクロック情報301に変換することと光信号を回転させることと間の時間差により、クロック情報301と偏波スクランブラ114における信号のスクランブルとの間に位相差が生じ得る。
また、新たにスクランブルされた信号は、それが増幅器108aを通過する際にも遅延を経験し得る。したがって、クロック情報301と、クロック情報301に関連するスクランブルされた信号とは、クロック情報301とスクランブルされた信号との位相差が拡大するなど、ネットワーク300の地点303に同時に到着しないかもしれない。スクランブルされた信号とクロック情報301がネットワーク300を通過して伝播する際には、同様の遅延差が生じ得る。
その他の実施例として、増幅器108bに到着する前に、光監視チャネルは、伝搬信号からフィルタされて、光監視チャネル受信器304aへと送信され得る。光監視チャネル受信器304aは、光監視チャネルによって搬送される情報(クロック情報301を含む)を電気信号へ変換させて、少なくともその情報の一部を光監視チャネル送信器302bへ送信し得る。光監視チャネル送信器302bは、電気信号を光監視チャネル上で送信される光信号へ逆変換し、地点305を介してネットワーク300を通過させて送信する。かかる処理過程には、一定量の時間がかかり得る。
上記処理過程がクロック情報301に関して起きている間に、スクランブルされた信号は、増幅器108bを通過し得る。また、地点305に到着する前に、スクランブルされた信号は、分散補償モジュール(明示せず)をも通過し得る。スクランブルされた信号が増幅器108bと分散補償モジュールとを通過する時間量は、光監視チャネル受信と送信に要する時間量と同じ時間量ではないことがあり得る。したがって、クロック情報301に関連する偏波配向を有する信号との間の遅延も変わり得ることから、位相シフトの変化を生ぜしめる。
スクランブルされた信号が地点307で偏波デスクランブラ126および偏波モニタ306に到着する前に増幅器108cを通過して伝搬する間に、クロック情報301と同種の位相変化が光監視チャネル受信器304bおよび偏波モニタ306によって受信される。したがって、偏波モニタ306および偏波デスクランブラ126で受信したスクランブルされた信号の偏波配向は、偏波モニタ306で受信したクロック情報301に関連する偏波配向と位相不一致になり得る。
偏波スクランブルとクロック情報301との間には位相シフトがあり得るものの、図4に関して説明したように、偏波モニタ306は、クロック情報301を利用して信号の偏波スクランブルを決定し得る。
図4は、ネットワーク300においてデスクランブル・ドライバ117に結合した偏波モニタ306の例示的実施形態を含むシステム400のブロック図を示す。本発明の実施形態において、偏波モニタ306は、スクランブルされた信号の偏波スクランブルをクロック情報301を用いて決定し得る。偏波モニタ306は、図2における偏波検出器202と実質的に同様の偏波検出器402を含み得る。したがって、偏波検出器402は、ネットワーク300の地点307にて受信されるスクランブルされた光信号の偏波スクランブルを決定および検出し、偏波スクランブルを示す電気信号を生成し得る。いくつかの例において、電気信号は、一般的にスクランブル周波数を示す周波数と偏波配向を近似的に示す位相とを有する正弦波を含み得る。しかしながら、図2の偏波検出器202に関して説明したように、偏波検出器402によって生成された電気信号は、ファイバ周辺の環境要因に関連するジッタを含み得る。
偏波モニタ306は、クロック情報301を含む光監視チャネル受信器304bから電気信号をも受信し得る。本発明の実施形態において、クロック情報301は、スクランブルされた信号のスクランブル周波数を一般的に示す信号を含み得る。クロック情報301は、図2における空洞共振器206によって生成された信号と同様に、僅かなジッタしか有さないか、ジッタを有さない。したがって、偏波モニタ306は、図2において空洞共振器206によって生成された信号に基づいてデスクランブル・ドライバ117に送信するための信号を生成する偏波モニタ124と同様に、クロック情報301に基づいてデスクランブル・ドライバ117に送信するための電気信号を生成し得る。
上述のように、クロック情報301は、一般的にスクランブル周波数を示すが、クロック情報301は、偏波モニタ306および偏波デスクランブラ126によって受信される光信号の偏波スクランブルと位相不一致になり得る。したがって、クロック情報301は、偏波検出器402によって生成される電気信号と位相不一致でもあり得る。
図2の偏波モニタ124と同様に、偏波モニタ306は、クロック情報301を光監視チャネル受信器304bからの電気信号として受信する位相検出器404を含み得る。位相検出器404は、偏波検出器402からスクランブルされた信号のスクランブル周波数と偏波配向を示す電気信号とを受信し得る。位相検出器404は、クロック情報301と偏波検出器402から受信された電気信号との間の位相差を決定する任意の適切なシステム、機器または装置を含み得る。したがって、位相検出器404は、偏波モニタ306および偏波スクランブラ126にて受信されたクロック情報301と、光信号の偏波スクランブルとの間の位相差をも決定し得る。位相検出器404は、図2の位相検出器204と実質的に同様であり得る。位相検出器404は、決定された位相差を平均部408へ送信し得る。
平均部408は、図2の平均部208と実質的に同様であり得、位相検出器404によって検出および決定される位相差で平均値を決定し得る。平均化は、偏波検出器402によって検出されるスクランブルされた光信号に関連するジッタに起因して決定された位相差における可能な変動を補償するために行われ得る。平均部408は、位相シフト部410と結合し得、平均化された位相差が位相シフト部410へ送信されるようにし得る。
位相シフト部410は、図2の位相シフト部210と実質的に同様であり、平均部408および光監視チャネル受信器304bに通信接続し得る。位相シフト部410は、平均部408からの平均化された位相差情報を受信し得、また、光監視チャネル受信器304bからのクロック情報301を受信し得る。位相シフト部410は、クロック情報301の位相が位相差分シフトするように、平均化された位相差をクロック情報301に適用し得る。したがって、位相シフトユニット410は、スクランブルされた信号のスクランブル周波数および偏波配向をそれぞれ示す周波数および位相を有する電気信号を出力し得る。また、位相シフト部410の出力信号は、偏波検出器402によって検出されたスクランブル信号ではなく、クロック情報301に基づいて生成されたベース信号であるため、僅かなジッタしか有さないか、ジッタを有さない。位相シフト部410は、位相シフト部410からのスクランブルされた信号の偏波配向を示す出力信号をデスクランブル・ドライバ117が受信するように、デスクランブル・ドライバ117と結合し得る。
図3に戻ると、デスクランブル・ドライバ117は、図1および図2に関して記述したのと同様に、位相シフト部410から受信した信号に基づいて、偏波デスクランブラ126に指示してスクランブルされた信号をデスクランブルし得る。また、図3のデスクランブル・ドライバ117および偏波デスクランブラ126は、デスクランブル部とも呼ばれ得る。デスクランブルされた信号は、処理および分析のために、偏波デスクランブラ126からデマルチプレクサ105および受信器112へ送信され得る。
本明細書の保護の範囲から逸脱することなく、図3および図4に対して修正、追加または削除がなされ得る。例えば、ネットワーク300は、任意の適切な種類のネットワークを含み得て、本発明の開示内容は、実際に示した二地点間のネットワークに限定されない。また、いくつかの実施形態において、光ネットワークは、スクランブルされた信号の偏波配向を決定する偏波モニタを含まなくてよい。
図5は、偏波依存性ロスおよび偏波ホールバーニングを低減するために、偏波変調信号をスクランブルする光ネットワーク500の他の実施例の形態を示す。本発明の実施例において、ネットワーク500は、送信先ノードにおける信号の偏波スクランブルを決定する偏波モニタを含まなくてよい。さらに以下で詳しく説明するが、ネットワーク500は、情報がネットワーク500の送信先で受信された信号の偏波スクランブルを示すように、信号がネットワーク500を通って伝搬する際に光信号のスクランブルに関する情報を決定し、送信し得る。
ネットワーク500は、図1および図3に関して記述されたものと実質的に同様のマスタークロック120、送信器102、1つ以上のマルチプレクサ104、偏波スクランブラ114、1つ以上の増幅器108、1つ以上のファイバ106、偏波デスクランブラ126、1つ以上のデマルチプレクサ105、および1つ以上の受信器112を含み得る。システム500は、マスタークロック120からのクロック信号を受信し、かつ、偏波スクランブラ114に指示して受信されたクロック信号に基づく信号をスクランブルするスクランブル・ドライバ506を含み得る。スクランブル・ドライバ506は、図1および図3のスクランブル・ドライバ116と実質的に同様の任意のシステム、機器または装置を含み得る。
システム500は、図3に関して記述された光監視チャネルと実質的に同様の光監視チャネルを含み得る。システム500は、ネットワーク500を通過する光監視チャネル上のクロックおよび位相情報510をそれぞれ送受信する光監視チャネル送信器502および光監視チャネル受信器504を追加的に含み得る。さらに以下で詳細に説明するが、クロックおよび位相情報510は、ネットワーク500を通過して伝搬する信号の偏波スクランブルを示し得る。いくつかの実施形態において、光監視チャネル送信器502および光監視チャネル受信器504は、図3の光監視チャネル送信器302および光監視チャネル受信器304に実質的に同様の任意のシステム、機器または装置を含み得る。
また、さらに詳細に説明すると、システム500は、光監視チャネルからクロックおよび位相情報510を受信するデスクランブル・ドライバ507を含み得る。デスクランブル・ドライバ507は、受信されたクロックおよび位相情報510に従って偏波デスクランブラ126によって受信されるスクランブル信号をデスクランブルするように偏波デスクランブラ126に指示し得る。
光監視チャネル送信器502aは、マスタークロック120からクロック信号を受信し、図3のクロック情報301と同様のクロック情報と称し得るマスタークロック120を示す光信号を生成し得る。クロック情報は、偏波スクランブラ114によってスクランブルされる信号のスクランブル周波数を一般的に示し或は表す信号を含み得る。先に記述と同様に、遅延差によって、地点512で受信された信号の偏波スクランブルと地点512で受信されたクロック情報との間で位相差が発生し得る。したがって、スクランブル・ドライバ506は、位相情報508を光監視チャネル送信器502aへ送信し得る。位相情報508は、スクランブル・ドライバ506がマスタークロック120からクロック信号を受信するときと、関連するスクランブルされた信号がネットワーク500の地点512に到着するときの間の遅延に関連し得る。
光監視チャネル送信器502aにおいて、クロック情報が偏波配向と同位相になるように、位相情報508は、クロック情報の位相をシフトさせるためのクロック情報に適用され得る。その結果信号は、ネットワーク500の地点512において送信されるクロックおよび位相情報510aを含み得る。したがって、地点512におけるクロックおよび位相情報510aは、地点512で受信される信号の偏波スクランブルを示す信号を含み得る。いくつかの実施形態において、クロックおよび位相情報512は、スクランブルされた信号のスクランブル周波数に関連する周波数と、地点512で受信されたスクランブルされた信号の偏波配向に関連する位相とを有する信号を含み得る。
同様に、クロックおよび位相情報510bは、光監視チャネル信号(例えば、クロックおよび位相情報510)と、ネットワーク500の地点513からネットワーク500の地点514へのスクランブルされた信号との伝搬の遅延差を記載するために光監視チャネル受信器504aおよび/または光監視チャネル送信器502bによって生成され得る。したがって、地点513および地点514との間の遅延差に関連する位相シフトは、クロックおよび位相情報510bを生成するためにクロックおよび位相情報510aに適用され得る。位相シフトは、光監視チャネル受信器504aがクロックおよび位相情報510aを電気信号に変換した後、クロックおよび位相情報510aに適用され得る。したがって、光監視チャネル送信器502bによって受信された電気信号は、追加的な位相シフトに関連するクロックおよび位相情報510bを含み得る。光監視チャネル送信器502bは、クロックおよび位相情報510bを光信号に変換し、地点514においてネットワーク500を介してクロックおよび位相情報510bを送信し得る。したがって、地点514におけるクロックおよび位相情報510bは、地点514におけるスクランブルされた信号の偏波スクランブルと同位相であり得る。
また、光監視チャネル受信器504bおよび/またはデスクランブル・ドライバ507は、クロックおよび位相情報510cを生成するために、位相シフトをクロックおよび位相情報510bに同様に適用し得る。位相シフトは、ネットワーク500の地点515からネットワーク500の地点516へのスクランブルされた信号と、地点515からデスクランブル・ドライバ507へのクロックおよび位相情報510と間の伝搬遅延差に関連し得る。いくつかの実施形態において、位相シフトは、デスクランブル・ドライバ507がクロックおよび位相情報510cを受信するときと、偏波デスクランブラ126がクロックおよび位相情報510cに基づいてデスクランブル・ドライバ507から受信した命令によってスクランブルされた信号をデスクランブルするときとの間の遅延に関連する。その他の実施形態において、デスクランブル・ドライバ507は、光監視チャネル受信器504bからクロックおよび位相情報を受信後に、位相シフトをクロックおよび位相情報に適用し得る。
本発明の実施例において、光監視チャネル受信器504bからデスクランブル・ドライバ507によって受信されたクロックおよび位相情報510cは、偏波デスクランブラ126によって受信されたスクランブルされた信号のスクランブル周波数および偏波配向にそれぞれ関連する周波数および位相を有する電気信号を含み得る。クロックおよび位相情報510cは、図1〜図2および図3〜図4にそれぞれ示す偏波モニタ124および306からのデスクランブル・ドライバ117によって受信された電気信号と実質的に同様であり得る。
したがって、デスクランブル・ドライバ507は、図1〜図4の偏波モニタからの電気信号に基づくデスクランブルと同様に、スクランブルされた信号をクロックおよび位相情報510cに基づいてデスクランブルするように偏波デスクランブラ126に指示し得る。デスクランブル・ドライバ507および偏波デスクランブラ126は、デスクランブル部に含まれ得、まとめてデスクランブル部と称され得る。したがって、ネットワーク500は、偏波モニタを利用することなく光信号をスクランブルし、光信号をコヒーレントにデスクランブルし得る。先に説明したように、スクランブルは、偏波多重光信号の偏波依存性ロスおよび偏波ホールバーニングを低減するために有利であり得、コヒーレントなデスクランブルは、偏波多重信号から情報を抽出する上で有利であり得る。
本明細書の保護の範囲から逸脱することなく、ネットワーク500に対して修正、追加または削除がなされ得る。例えば、いくつかのネットワークは、ネットワークに対して信号を挿入および分岐する1つ以上の光挿入/分岐モジュールなどの追加の構成要素を含み得る。
図6は、1つ以上の光挿入/分岐モジュールを含み、偏波変調信号をスクランブルして偏波依存性ロスと偏波ホールバーニングを低減し得る光ネットワーク600の例示的実施形態を示す。ネットワーク600は、ネットワーク100、300および500と実質的に同様であってよいが、光挿入/分岐モジュール602、偏波モニタ604a、スクランブル/デスクランブル・ドライバ608、偏波スクランブラ616および偏波デスクランブラ618をも含み得る。詳細に説明するように、光挿入/分岐モジュール602、偏波モニタ604a、ドライバ608、偏波スクランブラ616および偏波デスクランブラ618は、ネットワーク600へ、およびネットワーク600から信号を挿入(アド)および分岐(ドロップ)し得、挿入された信号をスクランブルし、分岐された信号をデスクランブルする。
光挿入/分岐モジュール602は、信号が地点612および地点614間でネットワーク600に挿入または、から分岐されるように、これらの地点間のファイバ106を介してネットワーク600に結合し得る。光挿入/分岐モジュール602は、挿入/分岐モジュールを含み得、ファイバ106からの光信号を挿入し、および/または分岐する任意のシステム、機器または装置を含み得る。光挿入/分岐モジュール602を通過後、信号はファイバ106に沿って直接送信先へ移動し得、または、信号が送信先へ到着する前に1つ以上の追加的な光挿入/分岐モジュールを通過し得る。
システム600は、光挿入/分岐モジュール602において分岐される信号がデスクランブルされるように、地点612にて光挿入/分岐モジュール602に入力されるスクランブルされた信号の偏波スクランブルを決定する偏波モニタ604aを含み得る。決定された偏波スクランブルは、光挿入/分岐モジュール602で挿入される信号がネットワーク600を既に伝搬した信号と同じ偏波スクランブルを有するようにスクランブルするために使用され得る。偏波モニタ604aは、偏波スクランブルを示す情報をスクランブル/デスクランブル・ドライバ608へ送信し得る(例えば、偏波モニタ604aは、スクランブルされた信号のスクランブル周波数および偏波配向とそれぞれ関連する周波数および位相を有する電気信号をドライバ608へ搬送し得る)。
いくつかの実施形態において、偏波モニタ604aは、図1および図2の偏波モニタ124と実質的に同様であり得る。その他の実施形態において、偏波モニタ604aは、光監視チャネル(明示せず)上で伝送されるクロック情報を受信し、かつ、図3および図4の偏波モニタ306と同様に、クロック情報に部分的に基づいた偏波スクランブル情報を生成し得る。さらに他の実施形態において、ネットワーク600は、偏波モニタ604aを含まなくてもよい。かかる実施形態において、ドライバ608は、図5に関して記載したものと類似の、光監視チャネル上でノード612にてスクランブルされた信号の偏波スクランブルを示すクロックおよび位相情報(明示せず)を受信し得る。
ドライバ608は、偏波スクランブラ616および偏波デスクランブラ618の双方に通信接続し得る。ドライバ608は、偏波スクランブラ616を駆動して光挿入/分岐モジュール602に挿入される信号をスクランブルし、かつ偏波デスクランブラ618を駆動して光挿入/分岐モジュール602にて挿入された信号をデスクランブルする任意の適切なシステム、機器または装置を含み得る。いくつかの実施形態において、システム600は、偏波スクランブラ616を駆動するための個別のドライバおよび偏波デスクランブラ618を駆動するための個別のドライバを含み得る。ドライバ608は、図1〜図5のスクランブル・ドライバおよびデスクランブル・ドライバと実質的に同様であり得る。
偏波スクランブラ616は、偏波スクランブラ114と実質的に同様であり得、偏波スクランブラ616が光挿入/分岐モジュール602にてネットワーク600に挿入した信号をスクランブルするように光挿入/分岐モジュール602と結合し得る。偏波デスクランブラ618は、偏波デスクランブラ126と実質的に同様であり得、偏波デスクランブラ618が光挿入/分岐モジュール602にてネットワーク600から分岐した信号をデスクランブルするように光挿入/分岐モジュール602と結合し得る。したがって、偏波スクランブルに関して、偏波スクランブラ616とドライバ608は、まとめてスクランブル部と称され得、偏波デスクランブルに関して、偏波デスクランブラ618とドライバ608とは、まとめてデスクランブル部と称され得る。したがって、コヒーレントな偏波スクランブル検出は、光挿入/分岐モジュール602にて信号を挿入および分岐する間に用いられ得、光挿入/分岐モジュール602を含むネットワーク600における偏波依存性ロスおよび偏波ホールバーニングを低減させるための偏波多重信号の偏波スクランブルを可能にする。
システム600は、信号がデマルチプレクサ105によって受信される前にスクランブルされた信号をデスクランブルする偏波モニタ604b、デスクランブル・ドライバ610、および偏波デスクランブラ126をも含み得る。偏波モニタ604bは、偏波モニタ604aと実質的に同様であり、偏波デスクランブラ126に入力されるスクランブルされた信号の偏波スクランブルを決定し得る。偏波モニタ604bは、偏波スクランブル情報をデスクランブル・ドライバ610へ送信し得る。例えば、偏波モニタ604bは、スクランブルされた信号のスクランブル周波数および偏波配向それぞれ関連する周波数および位相を有する電気信号をデスクランブル・ドライバ610へ搬送し得る。
いくつかの実施形態において、偏波モニタ604bは、図1および図2の偏波モニタ124と実質的に同様であり得る。その他の実施形態において、偏波モニタ604bは、光監視チャネル(明示せず)上で伝送されるクロック情報を受信し、図3および図4の偏波モニタ306の偏波モニタと同様に、クロック情報に部分的に基づいて偏波スクランブル情報を生成し得る。さらにその他の実施形態において、ネットワーク600は、偏波モニタ604bを含まなくてもよい。かかる実施形態において、デスクランブル・ドライバ610は、図5に関して記載されたものと同様に、光監視チャネル上でノード616におけるスクランブルされた信号の偏波スクランブルを示すクロックおよび位相情報(明示せず)を受信し得る。
デスクランブル・ドライバ610は、偏波デスクランブラ126に通信接続し得る。デスクランブル・ドライバ610は、偏波デスクランブラ126を駆動して、地点616にて偏波デスクランブラ126によって受信された信号をデスクランブルする任意の適切なシステム、機器または装置を含み得る。デスクランブル・ドライバ610は、図1〜図5のデスクランブル・ドライバと実質的に同様であり得る。
偏波デスクランブラ126は、図1、図3および図5の偏波デスクランブラ126と実質的に同様であり得、デスクランブル・ドライバ610から受信した指示に基づいてスクランブルされた信号をデスクランブルし得る。デスクランブル・ドライバ126によってデスクランブルされた後、波長分割多重信号は、デマルチプレクサ105へ送信され得、その個別の波長に従って分割され、受信器112によって受信され得る。
本明細書の保護の範囲から逸脱することなく、ネットワーク600に対して変形、追加、または削除がなされ得る。例えば、図7に関してさらに詳細に説明するが、スクランブルされた波長分割多重信号は、光挿入/分岐モジュールに入る前にデスクランブルされ得、その後光挿入/分岐モジュールからネットワークに再び入った後、再度スクランブルされる。
図7は、1つ以上の光挿入/分岐モジュールを含み、偏波変調信号をスクランブルして偏波依存性ロスおよび偏波ホールバーニングを低減し得る光ネットワーク700の他の例示的実施形態を示す。ネットワーク700は、ネットワーク600と実質的に同様であり得、光挿入/分岐モジュール602と実質的に同様である光挿入/分岐モジュール702を含み得る。しかしながら、ネットワーク700は、光挿入/分岐モジュール702で挿入される信号はデスクランブルされた信号に挿入され、また、光挿入/分岐モジュール702で分岐される信号が既にデスクランブルされるように、スクランブルされた信号が光挿入/分岐モジュール702に入る前に該信号をデスクランブルし得る。一方、ネットワーク600においては、挿入される信号は挿入される前にスクランブルされ得、分岐される信号は分岐した後にデスクランブルされ得る。
ネットワーク700は、光挿入/分岐モジュール702の入力においてネットワーク700と結合する偏波デスクランブラ716を含み得る。偏波デスクランブラ716は、図1〜図6の偏波デスクランブラ126と実質的に同様であり得、信号が光挿入/分岐モジュール702に入力される前にスクランブルされた信号をデスクランブルし得る。偏波デスクランブラ716は、図1〜図6のデスクランブル・ドライバと実質的に同様であるデスクランブル・ドライバ708から受信した命令に基づいて、スクランブルされた波長分割多重信号をデスクランブルし得る。したがって、光挿入/分岐モジュール702を通過する信号は、スクランブルされた信号を含まなくてよく、光挿入/分岐モジュール702にて挿入される信号はスクランブルしていない信号に挿入され、光挿入/分岐モジュール702にて分岐される信号は既にデスクランブルさているといった、光挿入/分岐モジュール702を含むネットワーク700における偏波依存性ロスおよび偏波ホールバーニングを低減するための偏波多重信号の偏波スクランブルを可能にする。
いくつかの実施形態において、デスクランブル・ドライバ708は、偏波モニタ704aから受信した偏波スクランブル情報に従ってスクランブルされた信号をデスクランブルするように偏波デスクランブラ716に指示し得る。その他の実施形態において、デスクランブル・ドライバ708は、例えば図5について記載したように、光監視チャネル(明示せず)上で受信されたクロックおよび位相情報に関連する偏波スクランブル情報に従ってスクランブルされた信号をデスクランブスするように偏波デスクランブラ716に指示し得る。デスクランブル・ドライバ708および偏波デスクランブラ716は、まとめてデスクランブル部と称され得る。
偏波モニタ704aは、ネットワーク700の地点712にてネットワーク700と結合し得る。偏波モニタ704aは、地点712で偏波デスクランブラ716に入力されるスクランブルされた信号の偏波スクランブルを決定する任意の適切な偏波モニタを含み得る。いくつかの実施形態において、偏波モニタ604aは、図1および図2の偏波モニタ124と実質的に同様であり得る。その他の実施形態において、偏波モニタ704aは、光監視チャネル(明示せず)上に送信されたクロック情報を受信し得、図3および図4の偏波モニタ306と同様に、クロック情報に部分的に基づいて、偏波スクランブル情報を生成する。
ネットワーク700は、偏波スクランブラ718が光挿入/分岐モジュール702からネットワーク700に入力される信号を受信するように、光挿入/分岐モジュール702の出力にてネットワーク700に結合した偏波スクランブラ718を追加的に含み得る。偏波スクランブラ718は、光挿入/分岐モジュール702からの信号をスクランブルして、これらの信号の偏波依存性ロスを低減し得る。偏波スクランブラ718は、偏波スクランブラ718に結合したスクランブル・ドライバ709によって指示されるように信号をスクランブルし得る。
いくつかの実施形態において、スクランブル・ドライバ709は、偏波スクランブラ114、スクランブル・ドライバ116およびマスタークロック120に関して図1に記載されたものと同様に、マスタークロック120から送信されたクロック信号に従って、信号をスクランブルするように偏波スクランブラ718に指示し得る。同様またはその他の実施形態において、偏波スクランブラ718によってスクランブルされる信号の偏波スクランブルに関連するクロック情報は、偏波スクランブラ114、スクランブル・ドライバ116、マスタークロック120および光監視チャネル送信器302aに関して図3に記載したものと同様に、ネットワーク700(明示せず)の光監視チャネルを介してネットワーク700を通過し得る。また、いくつかの実施形態において、スクランブル・ドライバは、スクランブルおよび伝搬遅延に関連する位相情報を光監視チャネル送信器に送信し得、光監視チャネル送信器は、図5に記載したものと同様に、ネットワーク700の光監視チャネルを介してクロックおよび位相情報をネットワーク700に送信し得る。
システム700は、信号がデマルチプレクサ105に受信される前にスクランブルされた信号をデスクランブルする、偏波モニタ704b、デスクランブル・ドライバ710、および偏波デスクランブラ126をも含み得る。偏波モニタ704bは、偏波モニタ704aと実質的に同様であり得、偏波デスクランブラ126に入力されるスクランブルされた信号の偏波スクランブルを決定し得る。偏波モニタ704bは、偏波情報をデスクランブル・ドライバ710に送信し得る。例えば、偏波モニタ704bは、スクランブルされた信号のスクランブル周波数および偏波配向にそれぞれ関連する周波数および位相を有する電気信号をデスクランブル・ドライバ710へ搬送し得る。
いくつかの実施形態において、偏波モニタ704bは、図1および図2の偏波モニタ124と実質的に同様であり得る。その他の実施形態において、偏波モニタ704bは、図3および図4の偏波モニタ306と同様であり、光監視チャネル(明示せず)上で送信されたクロック情報を受信し、かつクロック情報に部分的に基づいて、偏波スクランブル情報を生成し得る。さらにその他の実施形態において、ネットワーク700は、偏波モニタ704bを含まなくてよい。かかる実施形態において、デスクランブル・ドライバ710は、図5に関して記載されたものと同様に、光監視チャネル上で、ノード720においてスクランブルされた信号の偏波スクランブルを示すクロックおよび位相情報(明示せず)を受信し得る。
デスクランブル・ドライバ710は、偏波デスクランブラ126と通信接続し得る。デスクランブル・ドライバ710は、偏波デスクランブラ126に指示して地点616で偏波デスクランブラ126によって受信された信号をデスクランブルするように偏波デスクランブラ126を駆動する任意の適切なシステム、機器または装置を含み得る。デスクランブル・ドライバ710は、図1〜図6のデスクランブル・ドライバと実質的に同様であり得る。
偏波デスクランブラ126は、図1、図3、図5および図6の偏波デスクランブラ126と実質的に同様に、デスクランブル・ドライバ710から受信した指示に従ってスクランブルされた信号をデスクランブルし得る。デスクランブル・ドライバ710および偏波デスクランブラ126は、まとめてデスクランブル部とも称され得る。デスクランブル・ドライバ126によってデスクランブルされた後、波長分割多重信号は、その個別の波長に従って分割さるようにデマルチプレクサ105へと送信され得、受信器112によって受信され得る。
本明細書の保護の範囲から逸脱することなく、ネットワーク100、300、500、600および700に対して変形、追加、または削除がなされ得る。例えば、以下でさらに詳しく説明するが、受信器112は、スクランブルされた波長分割多重信号がデマルチプレクサ105によって逆多重化される前の前述の偏波デスクランブルが不要となるように、各受信器において受信された信号の偏波配向を決定するよう構成されたコヒーレントな受信器を含み得る。
図8は、光信号の偏波スクランブルをコヒーレントに検出するコヒーレントな受信器804を含む実施例のネットワーク800を示す。ネットワーク800は、任意の適切な光ネットワークを含み得、本発明の実施例においては、図3のネットワーク300と実質的に同様のネットワークを含み得る。したがって、ネットワーク800は、光ネットワーク800の光監視チャネル上でクロック情報301を送信し得る。しかしながら、ネットワーク300とは異なり、ネットワーク800は、波長分割多重信号がデマルチプレクサ105に到着する前にスクランブルされた波長分割多重信号をデスクランブルする偏波デスクランブラ126、偏波モニタ306およびデスクランブル・ドライバ117を含まなくてもよい。代わりに、ネットワーク800は、1つ以上のコヒーレントな受信器804を含み得、それぞれのコヒーレントな受信器804は、コヒーレントな受信器804にて受信されたスクランブルされた光信号の偏波スクランブルを決定するよう構成され、信号を適宜デスクランブルし得る。
コヒーレントな受信器804は、受信した信号をデスクランブルする任意の適切なシステム、機器または装置を含み得る。コヒーレントな受信器804は、受信したスクランブルされた信号の変調要素(例えば、x偏波要素およびy偏波要素)の偏波配向を決定し得、その上に変調された情報を適宜処理し得る。
本発明の実施例において、コヒーレントな受信器804は、図3および図4の偏波モニタ306と同様の偏波モニタ(明示せず)をそれぞれ含み得る。したがって、コヒーレントな受信器804の偏波モニタは、クロック情報301を部分的に使用することでスクランブルされた信号の偏波スクランブルを示す信号を生成し得る。したがって、ネットワーク800は、クロック情報301をコヒーレントな受信器804それぞれの各偏波スクランブルモニタに分配する分配器802を含み得る。受信したスクランブルされた信号の偏波スクランブル情報の生成後、コヒーレントな受信器804の偏波モニタは、コヒーレントな受信器804それぞれに含まれるデジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)へ、かかる情報を通信し得る。
デジタル信号プロセッサは、偏波スクランブルを示す電気信号を使用することによって偏波スクランブルをデスクランブルし得る。デジタル信号プロセッサは、上述のデスクランブル・ドライバおよび偏波デスクランブラと同じ成果を達成させ得る。したがって、コヒーレントな受信器に関連するデジタル信号プロセッサは、デスクランブル部とも称され得る。
信号検出において、コヒーレントな受信器804は、座標系の水平軸および垂直軸にそれぞれ配置された水平偏波要素および垂直偏波要素に基づいて、スクランブルされた信号を分割し得る。(偏波スクランブルによって生じた)変調されたx偏波要素およびy偏波要素が水平軸および垂直軸に配向していない場合、変調されたxおよびy偏波要素に関連する情報を抽出する際にクロストークとして現れるエラーが生じ得る。これらのクロストークによるエラーは、偏波スクランブルの周波数および位相において現れ得る。したがって、いくつかの実施形態において、コヒーレントな受信器804に関連するデジタル信号プロセッサは、y偏波要素およびスクランブルされた信号のスクランブルを示す電気信号の位相関数として、x偏波要素からクロストークを差し引き、逆もまた同様である。このようにして、クロストークが相殺され得る。
例えば、いくつかの実施例において、y偏波要素(ypol)と偏波スクランブルとの関数としてのx偏波要素(xpol)のクロストーク相殺は、一般的に下記の方程式によって示される。
x偏波のクロストーク相殺=xpol-ypol*Sin (sin(ωt + Φ))
同様に、x偏波要素と偏波スクランブルとの関数としてのy偏波要素のクロストーク相殺は、一般的に、下記の方程式によって表される。
y偏波のクロストーク相殺=ypol-xpol*Cos (sin(ωt + Φ))
両方の方程式において、上記のように、sin(ωt + Φ)の計算結果は、座標系からの偏角として表され得る偏波配向を示し得る。さらに、ωは、スクランブル周波数を示し得て、Φは受信した信号の位相シフトを示し得る。さらに、上記の通り、偏波スクランブルを示し、デジタル信号プロセッサによって受信される電気信号は、通常sin(ωt + Φ)という方程式によっても表され得る。したがって、いくつかの実施例において、デジタル信号プロセッサは、偏波モニタから受信した電気信号を利用し得て、クロストークを相殺する上記の方程式を電気信号に使用することによって、クロストークを相殺する。したがって、デジタル信号プロセッサは、デスクランブル部としての役割を果たし、偏波スクランブルをデスクランブルする。
その他の実施形態において、コヒーレントな受信器804は、偏波モニタを含まなくてもよいが、各コヒーレントな受信器804によって受信したスクランブルされた信号(例えば、図5のクロックおよび位相情報510)のスクランブル周波数および偏波配向をそれぞれ示す周波数および位相を有するクロックおよび位相情報をそれぞれ受信し得る。かかる実施形態において、分配器802は、各コヒーレントな受信器804に結合し得、各コヒーレントな受信器の各デジタル信号プロセッサが、クロックおよび位相情報を受信する。
さらにその他の実施形態において、コヒーレントな受信器804は、偏波モニタを含まなくてもよく、位相シフトを示さないクロック情報301のみを受信し得る。かかる実施形態において、各コヒーレントな受信器804は、分配器802からクロック情報301を受信する位相シフト部(明示せず)をも含み得る。位相シフト部は、クロック情報301に関連する偏波スクランブルの位相をシフトさせ得る。位相シフト部は、シフトしたクロック情報301をコヒーレントな受信器804のデジタル信号プロセッサに送信し得る。
かかる実施形態において、デジタル信号プロセッサは、処理された信号をフレーマ(明示せず)に送信し得る。フレーマは、デジタル信号プロセッサから受信した情報のビット誤り率(BER)を決定し得る。クロック情報301が受信信号の偏波スクランブルと位相不一致になるほど、ビット誤り率は高くなり得る。フレーマは、フレーマに結合したビット誤り率モニタ(明示せず)のビット誤り率を送信し得る。
ビット誤り率モニタは、位相シフト部に接続し得、フレーマから受信したビット誤り率に従ってクロック情報301の位相をシフトするように位相シフト部に指示し、フィードバックループを適宜形成する。例えば、ビット誤り率が最低閾値より上にある場合、ビット誤り率モニタは、クロック情報301の偏波配向がスクランブルされた信号の偏波配向により近くなるように、クロック情報301の位相をシフトするよう位相シフト部に指示し得る。ビット誤り率が閾値の最低値以下になり、偏波スクランブルとクロック情報301によって示されたスクランブルとが実質的に同じであることを示すと、ビット誤り率モニタはクロック情報301のこれ以上のシフトを中止するよう位相シフト部に指示し得る。
その他の実施形態において、コヒーレントな受信器804は、図1および図2に関して記載されている偏波モニタ124と同様の偏波モニタ(明示せず)を含み得る。かかる実施形態において、偏波モニタは、受信した信号の偏波スクランブルを決定し得、それを示す情報を各コヒーレントな受信器804に含まれるデジタル信号プロセッサに送信する。また、かかる実施形態において、偏波モニタは、スクランブルされた信号の偏波配向を示す信号を生成するために、クロック情報301を利用する代わりに空洞共振器を含み得るので、分配器802は必ずしも必要でなく、クロック情報を分配する分配器802の必要性を分岐する。
本発明の開示内容の保護の範囲を逸脱することなく、変更、追加または削除が、図8に対してなされ得る。例えば、ネットワーク800は、ネットワーク800からのトラフィックを挿入および分岐する光挿入/分岐モジュールも含み得る。かかる実施形態において、システム800は、図6および図7のネットワーク600および700に関する記述と同様に、光挿入/分岐モジュールにて挿入および分岐する信号をスクランブルし、またデスクランブルし得る。
本発明の開示内容とその有利な点が、詳細に記載されているが、以下の請求の範囲によって定義される発明の精神および本明細書に開示した範囲から逸脱することなく様々な変更、代替および修正が本明細書についてなされ得る。