JP2012195218A - 安全弁及び安全弁を備えた電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ばねの初期変形量がばらついても開弁圧のバラツキを小さく抑える。
【解決手段】 本願の安全弁30は、電池ケース内と電池ケース外とを連通する通気孔26aが設けられたシール部材24と、シール部材24に当接可能な当接面32aを有する板ばね31を備えている。板ばね31の当接面32aが初期変形するように板ばね31を電池ケースに取付けると、電池ケース内の圧力が所定の圧力以下のときは、板ばねの当接面32aとシール部材24とが当接し、その当接部位が通気孔26aの周囲を一巡することで通気孔を封止している。電池ケース内の圧力が所定の圧力を超えると、板ばねの当接面32aがシール部材24より離れて通気孔26aを開放する。そして、板ばね31の当接面32aの初期変形量が増加するのに応じて、当接面のうち電池ケース内の圧力を受ける受圧面の面積が増大するように構成されている。
【選択図】図2
【解決手段】 本願の安全弁30は、電池ケース内と電池ケース外とを連通する通気孔26aが設けられたシール部材24と、シール部材24に当接可能な当接面32aを有する板ばね31を備えている。板ばね31の当接面32aが初期変形するように板ばね31を電池ケースに取付けると、電池ケース内の圧力が所定の圧力以下のときは、板ばねの当接面32aとシール部材24とが当接し、その当接部位が通気孔26aの周囲を一巡することで通気孔を封止している。電池ケース内の圧力が所定の圧力を超えると、板ばねの当接面32aがシール部材24より離れて通気孔26aを開放する。そして、板ばね31の当接面32aの初期変形量が増加するのに応じて、当接面のうち電池ケース内の圧力を受ける受圧面の面積が増大するように構成されている。
【選択図】図2
Description
本願は、ニッケル−水素電池やリチウムイオン電池等の電池に関する。詳しくは、電池ケース内の圧力が上昇したときに開弁する安全弁を備えた電池に関する。
この種の電池では、使用環境等によって電池ケース内の圧力が一時的に上昇することがある。このため、電池ケース内の圧力が上昇したときに開弁する安全弁を備えた電池が開発されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の電池では、電池ケースに形成された通気孔に安全弁が設けられる。安全弁は、通気孔を開閉する弁体と、弁体を通気孔に向けて付勢するコイルばねと、コイルばねを収容する収容ケースを備えている。コイルばねは、予め圧縮変形(初期変形)が与えられた状態(初期状態)で収容ケース内に収容される。これにより、コイルばねの初期変形量に応じた押圧力(初期荷重)が弁体に作用する。電池ケース内の圧力が所定圧力(開弁圧)以下であると、電池ケース内から弁体に作用する圧力がコイルばねから弁体に作用する力より小さいため、弁体が通気孔の周囲のシール部に当接して通気孔を閉じている。電池ケース内の圧力が所定圧力(開弁圧)を超えると、電池ケース内から弁体に作用する圧力がコイルばねから弁体に作用する力より大きくなるため、弁体が通気孔のシール部より離間して通気孔を開く。これにより、電池ケース内の圧力が開放される。
上述したように、安全弁は複数の部品によって構成されるため、安全弁を製造する際には、各部品の寸法誤差や部品同士を組付ける際の組付け誤差など、様々な製造誤差が生じる。このような製造誤差が生じると、ばねの初期変形量(初期圧縮量)にバラツキが生じ、それによってコイルばねの初期荷重(開弁圧)にもバラツキが生じることとなる。開弁圧のバラツキが大きいと、安全弁が適切に動作しない場合が生じる。このため、製造誤差によってばねの初期変形量(初期圧縮量)がばらついても、開弁圧のバラツキを小さく抑えたいという要求がある。
しかしながら、特許文献1に記載の安全弁では、弁体を付勢するためにコイルばねを用い、このコイルばねの初期長さ(初期状態のときのコイルばねの長さ)を調整することで開弁圧を調整している。コイルばねは線形荷重特性を有するため、コイルばねの初期長さがばらつくと、コイルばねのばね定数に応じて開弁圧にバラツキが生じる。開弁圧のバラツキを小さくするためには、コイルばねのばね定数を小さくすることが好ましい。しかしながら、コイルばねのばね定数を小さくするためには、コイルばねを大型化しなければならず、コイルばねを設置するスペースに限りがあることから現実には難しい。
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、製造誤差によってばねの初期変形量がばらついても、開弁圧のバラツキを抑えることができる安全弁を提供することを目的とする。
本明細書が開示する安全弁は、電池ケース内の圧力が所定の圧力を超えると開弁する安全弁であり、電池ケース内と電池ケース外とを連通する通気孔が設けられたシール部材と、そのシール部材に当接可能な当接面を有する板ばねを備えている。板ばねの当接面が初期変形するように板ばねを電池ケースに取付けると、(1)電池ケース内の圧力が所定の圧力以下のときは、板ばねの当接面とシール部材とが当接し、その当接部位が通気孔の周囲を一巡することで通気孔を封止し、(2)電池ケース内の圧力が所定の圧力を超えると、板ばねの当接面がシール部材より離れて通気孔を開放するように構成されている。また、当接面の初期変形量の増加に応じて、当接面のうち電池ケース内の圧力を受ける受圧面の面積が増大するように構成されている。
この安全弁では、板ばねの当接面の初期変形量が増大すると、電池ケース内の圧力が作用する受圧面の面積も大きくなる。電池ケース内から板ばね(当接面)に作用する力は、(受圧面の面積)×(電池ケース内の圧力)となるため、受圧面の面積が大きくなると電池ケース内から板ばねに作用する力も大きくなる。このため、当接面の初期変形量が増大することで、板ばねの当接面をシール部材に押圧するばね力が大きくなっても、電池ケース内から板ばねに作用する力も大きくなり、その影響を相殺することができる。その結果、初期変形量が変化しても開弁圧が大きく変化しない特性を示す区間を得ることができる。したがって、この区間内に初期変形量を設定することで、ばねの初期変形量がばらついても開弁圧のバラツキを小さくすることができる。
上記の安全弁においては、平面視すると円形状を有しており、シール部材に向かって凸もしくはほぼ平面状となる当接面を採用することができる。このような当接面を採用することで、上述した特性を得ることができる。
また、上記の安全弁においては、板ばねが発生させる荷重は、当接面の初期変形量が増加するのに応じて増加するように構成することができる。そして、板ばねの「当接面の初期変形量」と「当接面が通気孔を開放するときの電池ケース内の圧力」との関係が、前記所期変形量が変化しても「当接面が通気孔を開放するときの電池ケース内の圧力(開弁圧)」が一定となる特性を示す区間を有することが好ましい。この場合には、「当接面の初期変形量」を、「当接面が通気孔を開放するときの電池ケース内の圧力(開弁圧)」が一定となる特性を示す区間内に設定することが好ましい。このように初期変形量を設定することで、初期変形量のバラツキによる「開弁圧」のバラツキを効果的に抑えることができる。
ここで、「開弁圧(当接面が通気孔を開放するときの電池ケース内の圧力)が一定となる区間」には、初期変形量の変化に対して開弁圧の変化が十分に小さく、開弁圧が略一定とみなせるような区間まで含まれる。例えば、製造誤差から算出される初期変形量の変化(±Δd)に対して開弁圧の変化が±20%以内となる場合には、このような区間は開弁圧が略一定となる区間ということができる。
上記の安全弁においては、板ばねは、電池ケースに固定される固定部と、固定部が電池ケースに固定された状態で当接面の受圧面積を調整するための調整部を有していることが好ましい。このような構成によると、板ばねを電池ケースに固定した状態で当接面の受圧面積を調整でき、板ばねの当接面に適切な初期変形量を与えることができる。ここで、上記の「電池ケースに固定」には、電池ケースに直接固定される場合だけでなく、電池ケースに他の部材を介して固定される場合も含まれる。
また、本明細書が開示する電池は、上記の安全弁を備えたことを特徴とする。この電池では、開弁圧のバラツキが小さく抑えられるため、安全弁の適切な動作を確保することができる。
(実施例1) 本実施例にかかる電池10を図面に基づいて説明する。本実施例にかかる電池10は、角形密閉式ニッケル水素蓄電池であり、図1に示すように、電池ケース12と、電池ケース12に固定された安全弁30を備えている。
電池ケース12は、金属(例えば、ニッケルめっき鋼板)により形成されており、直方体形状を有している。電池ケース12内には、電極体及び電解液が収容されている。電極体及び電解液は、公知のニッケル水素蓄電池に用いられているものと同様のものを用いることができる。電池ケース12の上面14には、図3に示すように、円形状の貫通孔14aが形成されている。貫通孔14aは、電池10の製造時には電池ケース12内に電解液を注入する注入孔として機能し、電池10の使用時にはガス抜き孔として機能する。
電池ケース12の上面14には、安全弁30が取付けられている。図2に示すように、安全弁30は、弁座16と、弁座16に取付けられたシール部材24と、シール部材24に当接する板ばね31を有している。
弁座16は、金属(例えば、ニッケルめっき鋼板)により形成されている。弁座16は、本体20と、本体20の下端に設けられたフランジ部18を有している。本体20は、フランジ部18から上方に突出し、その上端に上端面22が形成されている。上端面22は、電池ケース12の上面14と平行な平面であり、その中央に取付孔22aが形成されている。取付孔22aは、本体20を貫通し、本体20の表面と裏面とを連通している(図3,4参照)。フランジ部18は、電池ケース12の上面14に溶接される。フランジ部18が電池ケース12に溶接されることで、弁座16が電池ケース12に固定される。なお、本実施例では、電池ケース12と弁座16を別体で成形したが、電池ケース12と弁座16を一体で成形してもよい(すなわち、電池ケースが弁座を有していてもよい。)。
シール部材24は、ゴム(例えば、EPDM)により形成されている。シール部材24は、略円盤形状のシール部26と、シール部26の裏面から下方に突出する差込部28を有している。シール部26は、厚さ一定の平板状に形成されている。図3,4に示すように、弁座16にシール部材24が取付けられると、シール部26の裏面が弁座16の上端面22に当接する。シール部26の中央には、通気孔26aが形成されている。通気孔26aは、シール部26の上端面から差込部28の下端まで伸びており、シール部材24を上下方向に貫通している。差込部28は、弁座16の取付孔22aに差込まれる。差込部28の外径は、取付孔22aの内径よりわずかに大きくされている。このため、差込部28が取付孔22aに差込まれると、差込部28が取付孔22aにきつく嵌合し、差込部28の外周面が取付孔22aの内周面に密着する。差込部28の下端には、側方に突出する抜止部28aが形成されている。差込部28が取付孔22aに差込まれた状態では、抜止部28aの上端面が弁座16(本体20)の裏面に当接する。これによって、シール部材24が弁座16より抜けてしまうことが防止される。
板ばね31は、シール部材24のシール部26と当接する当接部32と、当接部32の周縁に設けられた側壁部35を有している。当接部32と側壁部35とは、一体に成形されており、一枚の金属板(例えば、ばね用ステンレス鋼)を塑性加工(プレス成形、曲げ加工等)することで製作することができる。
当接部32は、平面視すると円形状を有しており、図2,3に示されるように、シール部26に向かって凸な曲面、もしくはほぼ平面形状となっている。板ばね31の側壁部35が弁座16のフランジ部18に溶接され、当接部32に所定の初期変形量が与えられると、当接部32の下面(当接面)32aがシール部26の上面に当接して密着する。板ばね31の当接部32がシール部26を押圧する力(両者を密着させる力)は、当接部32の初期変形量が増加するのに比例して大きくなる。
図2〜4に示すように、側壁部35は、当接部32の周縁の2箇所に形成されている。2つの側壁部35は、同一の構成を有しており、板ばね31を平面視したときに当接部32の中心を挟んで互いに対向した位置に配置されている。側壁部35が当接部32の周縁に部分的に設けられているため、板ばね31の側方が外部に開放されている。なお、側壁部35の数及びその配置等は上記の例に限られず、例えば、側壁部35を4箇所又は8箇所に形成してもよい。また、板ばね31の側方が大きく開放されている必要はなく、板ばね31の側方がわずかに開放されているだけでもよい。
側壁部35は、当接部32の周縁から垂直下方に伸びる第1側壁部34と、第1側壁部34の下端に設けられた第2側壁部36と、第2側壁部36の下端に設けられた第3側壁部38を有している。第3側壁部38は、第2側壁部36の下端から外側に向かって伸びており、弁座16のフランジ部18に溶接によって固定される。本実施形態では、第3側壁部38が請求項でいう「固定部」に相当する。
第2側壁部36は、第3側壁部38の内周端から内側に向かって斜め上方に延び、その略中央で外側に屈曲し、その上端が第1側壁部34に接続されている。第2側壁部36に上下方向の圧縮力を作用させて永久変形させると、第1側壁部34と第2側壁部36の間の屈曲角度と、第2側壁部36の中央における屈曲角度と、第2側壁部36と第3側壁部38の間の屈曲角度とが変化する。これによって、第3側壁部38から第1側壁部34までの距離(高さ)が変化するようになっている。したがって、板ばね31が弁座16に固定された状態であっても、第2側壁部36に圧縮力を作用させて永久変形させることで、第3側壁部38から第1側壁部34までの距離(高さ)を調整することができる。後述する説明から明らかなように、本実施形態では、第2側壁部36が請求項でいう「調整部」に相当する。
上述した安全弁30を電池ケース12に取付けるには、まず、弁座16の取付孔22aにシール部材24を取付ける。具体的には、弁座16の取付孔22aにシール部材24の差込部28を差込む。これによって、差込部28の外周面が取付孔22aの内周面に密着すると共に、シール部材24のシール部26が弁座16の上端面22に当接する。次に、板ばね31の当接部32がシール部材24の上方に位置するように、板ばね31の第3側壁部38を弁座16のフランジ部18に溶接する。これにより、弁座16、シール部材24及び板ばね31がユニット化されて安全弁30となる。なお、この段階では、板ばね31の当接部32がシール部材24に当接しておらず、シール部材24の通気孔26aは閉じられていない。ただし、この段階で板ばね31の当接部32がシール部材24に当接し、通気孔26aを閉じた状態をとるようにしてもよい。
次に、ユニット化された安全弁30を電池ケース12の上面14に固定する。具体的には、弁座16のフランジ部18を電池ケース12の上面14に溶接する。この際、弁座16の内部空間(すなわち、本体20と電池ケース12によって囲まれた空間)に電池ケース12の貫通孔14aが開口するようにする。したがって、安全弁30を電池ケース12に取付けた状態では、電池ケース12の内部空間は、電池ケース12の貫通孔14a、弁座16の内部空間及び通気孔26aを介して電池ケース12の外部空間と連通する。
最後に、板ばね31の第2側壁部36に上下方向の圧縮力を作用させて永久変形させ、第3側壁部38から第1側壁部34までの距離(高さ)を調整し、板ばね31の当接部32に初期変形を与える。すなわち、第2側壁部36に上下方向の圧縮力を加えて、第3側壁部38から第1側壁部34までの距離を短くしていくと、板ばね31の当接部32がシール部材24に近接する方向に移動して、当接部32がシール部材24のシール部26に当接して初期変形が与えられる。これによって、当接部32の当接面32aがシール部材24のシール部26に押し付けられる。当接面32aがシール部26に押し付けられると、シール部材24の通気孔26aが閉じられ、電池ケース12内のガスが電池ケース12外に流出することが規制される。なお、本実施例では、安全弁30を電池ケース12に固定した後に、板ばね31を上下方向に圧縮して板ばね31に初期変形を与えたが、このような取付方法に限られず、安全弁30を電池ケース12に固定する前に板ばね31に初期変形を与えてもよい。
図4は、電池ケース12内のガスの圧力が安全弁が開弁する開弁圧よりわずかに低い圧力となったときの状態を示している。図4に示すように、安全弁30が電池ケース12に取付けられた状態で、かつ、電池ケース12内のガス圧が所定値(開弁圧)以下のときは、板ばね31の当接部32を上方に押圧する力(電池ケース12内のガス圧による力)が板ばね31の当接部32を下方に押圧する力(板ばね31の当接部32の初期変形による力)より小さい。このため、当接部32の当接面32aとシール部材24のシール部26とが当接し、当接面32aとシール部26とが当接する部位Sが通気孔26aの周囲を一巡することで通気孔26aを封止する。これによって、電池ケース12内のガスが外部に流出することが禁止される。
一方、電池ケース12内の圧力が所定値(開弁圧)を超えると、板ばね31の当接部32を上方に押圧する力(電池ケース12内のガス圧による力)が、板ばね31の当接部32を下方に押圧する力(板ばね31の当接部32の初期変形による力)より大きくなる。このため、板ばね31の当接面32aがシール部材24のシール部26より離れ、シール部材24の通気孔26aが開放される。これによって、電池ケース12内のガスが外部に排出され、過大な力が電池ケース12に作用することが防止される。
ここで、図4に示す状態では、当接部32の当接部位Sより外側の部分は、電池ケース12内のガス圧を受けることはなく、当接部32の当接部位Sより内側の部分が電池ケース12内のガス圧を受け、上方に撓んでいる。すなわち、当接部位Sより内側の部分が受圧面となっている。したがって、当接部32を上方に押圧する力は、当接部32の当接部位Sより内側の部分の面積(π×d2/4)と電池ケース12内のガス圧の積で決まる。なお、電池ケース12内のガス圧が十分に低ければ、当接部32の当接部位Sより内側の部分が上方に撓むことは無く、当接部位Sより内側の部分の全体がシール部26に当接する。
また、当接部32の当接部位Sより内側の部分の面積は、当接部32に与える初期変形量が大きくなるほど増加する。例えば、板ばね31の当接部32が下方に凸な曲面となっている場合、当接部32がシール部26に近接する方向に移動すると、当接部32の中央先端からシール部26に当接を開始し、当接部32の初期変形量が増加するほど、当接部32とシール部26とが当接する面積も外側に向かって増大する。その結果、図4に示す状態となったときの当接部位Sより内側の部分の面積も、初期変形量の増加に応じて増大する。
上述した安全弁30の「当接部32の初期変位(初期変形量)」と「当接部32で発生する荷重(当接部32がシール部26に押付けられる力)」との関係と、「当接部32の初期変位(初期変形量)」と「開弁圧」との関係について説明する。図5に示すように、「当接部32で発生する荷重」は「当接部32の初期変位」の増加に比例して増加する。上述したように、「当接部32の初期変位」が増加すると、当接部32とシール部26の当接部位Sが外側に移動し、当接部位Sより内側の部分の面積(受圧面)が増大する。ここで、開弁圧をpとすると、p×(受圧面の面積(π×d2/4))=「当接部32の初期変位により発生する荷重」の関係が成立する。したがって、「当接部32の初期変位により発生する荷重」が「当接部32の初期変位」の増加に応じて増加しても、(受圧面の面積(π×d2/4))も「当接部32の初期変位」の増加に応じて増加する。このため、「当接部32の初期変位」が変化しても開弁圧pが殆ど変化しない区間(図中のSET区間)を得ることができる。本実施形態では、このSET区間内に、「当接部32の初期変位」を設定している。したがって、種々の製造誤差によって、「当接部32の初期変位」にバラツキが生じても、開弁圧pにバラツキが生じることを防止することができる。
上述した説明から明らかなように、本実施形態の安全弁30では、板ばね31の当接部32を下側に凸な曲面とし、当接部32の初期変形量に比例して電池ケース12内のガス圧が作用する受圧面の面積を増大させることで、当接部32の初期変形量が変化しても開弁圧pが殆ど変化しない区間を得ている。そして、このSET区間に当接部32の初期変形量を設定することで、製造誤差によって初期変形量が変化しても、開弁圧pのバラツキを効果的に抑えることができる。
また、当接部32の初期変形量は、板ばね31の第2側板部36により調整できるため、安全弁30を電池ケース12に取付けた後で調整することができる。このため、板ばね31の当接部32に適切な初期変形量を与えることができる。
また、本実施形態では、電池ケース12に形成された貫通孔14aと比較して、シール部材24の通気孔26aの径が小さくされている。これによって、板ばね31に要求される機械的強度を下げることができ、安全弁30を小型化することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上述した実施形態では、電池ケース12に弁座16を取付け、その弁座16にシール部材24を取付けたが、本願の技術はこのような構成に限られない。例えば、電池ケースの貫通孔に直接シール部材を取付け、そのシール部材に板ばねの当接部を当接させるような構成を採用してもよい。
例えば、上述した実施形態では、電池ケース12に弁座16を取付け、その弁座16にシール部材24を取付けたが、本願の技術はこのような構成に限られない。例えば、電池ケースの貫通孔に直接シール部材を取付け、そのシール部材に板ばねの当接部を当接させるような構成を採用してもよい。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10 電池
12 電池ケース
16 弁座
24 シール部材
30 安全弁
31 板ばね
12 電池ケース
16 弁座
24 シール部材
30 安全弁
31 板ばね
Claims (6)
- 電池ケース内の圧力が所定の圧力を超えると開弁する安全弁であり、
電池ケース内と電池ケース外とを連通する通気孔が設けられたシール部材と、
そのシール部材に当接可能な当接面を有する板ばねを備えており、
板ばねの当接面が初期変形するように板ばねを電池ケースに取付けると、
(1)電池ケース内の圧力が所定の圧力以下のときは、板ばねの当接面とシール部材とが当接し、その当接部位が通気孔の周囲を一巡することで通気孔を封止し、
(2)電池ケース内の圧力が所定の圧力を超えると、板ばねの当接面がシール部材より離れて通気孔を開放するように構成されており、
当接面の初期変形量の増加に応じて、当接面のうち電池ケース内の圧力を受ける受圧面の面積が増大するように構成されている、安全弁。 - 当接面は、平面視すると円形状を有しており、シール部材に向かって凸もしくはほぼ平面状となっている、請求項1に記載の安全弁。
- 板ばねが発生させる荷重は、「当接面の初期変形量」が増加するのに応じて増加するように構成されており、
板ばねの「当接面の初期変形量」と「当接面が通気孔を開放するときの電池ケース内の圧力」との関係が、前記所期変形量が変化しても「当接面が通気孔を開放するときの電池ケース内の圧力」が一定となる特性を示す区間を有している、請求項1又は2に記載の安全弁。 - 「当接面の初期変形量」が、「当接面が通気孔を開放するときの電池ケース内の圧力」が一定となる特性を示す区間内に設定されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の安全弁。
- 板ばねは、電池ケースに固定される固定部と、固定部が電池ケースに固定された状態で当接面の受圧面積を調整するための調整部を有している、請求項1〜4のいずれかに記載の安全弁。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の安全弁を備える電池。
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JP (1) | JP2012195218A (ja) |
Cited By (4)
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KR101753213B1 (ko) | 2013-11-28 | 2017-07-19 | 주식회사 엘지화학 | 배터리 셀, 그리고 이를 포함하는 배터리 모듈 및 배터리 팩 |
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2011
- 2011-03-17 JP JP2011059450A patent/JP2012195218A/ja not_active Withdrawn
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