JP2012194057A - 制御棒監視制御システム及び診断方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原子炉の各制御棒に設けられた制御棒駆動機構及び位置検出装置と、複数本の制御棒を統括し自動診断部と診断バイパス部と判定部を有する補助コントローラ等を有し、前記補助コントローラは前記複数の制御棒のうち駆動対象制御棒以外の制御棒を診断対象制御棒として順次選択し、前記補助コントローラは前記選択された診断対象制御棒の第1診断部に現場コントローラ及び駆動コントローラを介して作動信号を出力し、前記第1診断検出部は前記現場コントローラから診断信号が入力されると第1切換部を動作させ電圧検出部で作動信号と設定値とを比較し、比較結果を前記現場コントローラに出力し、前記判定部は前記現場コントローラから出力された前記比較結果により各コントローラの信号入出力機能の健全性を診断する。
【選択図】図1
Description
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る制御棒監視制御システムについて図1乃至図11を参照して説明する。
図1は本実施形態に係る制御棒監視制御システムの全体構成図で、補助コントローラgnが統括するm本の制御棒のうちn本目の制御棒anに対する各コントローラ等との関連構成を示している。図1において、制御棒監視制御システムはm本の制御棒を統括する補助コントローラgnと、現場コントローラfnと、各コントローラ等との間で信号の入出力を行う駆動コントローラdn及び位置信号変換装置enと、駆動コントローラdnと制御棒駆動装置bnとの間に設けられた第1診断検出部5と、位置信号変換装置enと位置検出装置cnと間に設けられた第2診断検出部6とから構成される。
補助コントローラgn、現場コントローラfn、位置信号変換装置enの演算機能、位置検出装置cnのシンクロ発信器は、図28に示すように、2重化構成となっている。
(補助コントローラgn)
補助コントローラgnは、図2に示すように、m個の現場コントローラf1〜fmに接続され、2系統の駆動信号A、診断信号B及びバイパス信号Pを現場コントローラf1〜fmに順次出力し診断を行う自動診断部21と、駆動対象制御棒について診断をバイパスさせる診断バイパス部22と、診断信号Bと応答信号D及び駆動信号Aと位置信号Fを比較することにより各コントローラの信号入出力機能の健全性を判定する判定部23を備えている。また、診断対象の制御棒番号が診断対象制御棒番号として保持されている。
制御棒anに対応する現場コントローラfnは、補助コントローラgnから2系統の駆動信号A、診断信号B及びバイパス信号Pが入力され、駆動コントローラdnへ2系統の駆動信号A、診断信号B及びバイパス信号Pを出力するとともに、第1伝送路7および第2伝送路8に診断信号Bを出力する。
駆動コントローラdnは、バイパス機能を有するとともに、現場コントローラfnから2系統の駆動信号A、診断信号B及びバイパス信号Pが入力され、両系の駆動信号Aが一致した場合に駆動信号Aに対応した三相交流電圧を作動信号Cとして第1診断検出部5に出力する。
なお、駆動対象制御棒番号は操作装置i(図28)で選択された制御棒の情報であり、駆動信号Aと同様に操作装置iから補助コントローラgnへ入力される。
第1診断検出部5は、通常時(非診断時)と診断時とで切り替わる第1切替部5a及び電圧検出部3を有し、通常時は作動信号Cを制御棒駆動機構bnに出力しモータ駆動を行って制御棒を駆動させる。
第2診断検出部6は、通常時(非診断時)と診断時とで切り替わる第2切替部6a及び模擬信号Eを出力する発信器4を有する。この第2診断検出部6には、通常時には制御棒駆動機構bnの下部に同軸で連結され制御棒駆動機構bnのモータの回転量を検出する位置検出器cnから2系統のシンクロ信号が入力される。
一方、診断時には現場コントローラfnから伝送路7を介して入力される診断信号Bにより第2切換部6aが動作し、発信器4から模擬信号Eが出力される。
位置信号変換装置enは、通常時には第2診断検出部6から2系統のシンクロ信号が入力され16ビットの2系統の位置信号Fに変換し現場コントローラfnへ出力する。診断時には模擬信号Eが入力され同様に位置信号Fに変換し現場コントローラfnへ出力する。
上記のように構成された制御棒監視制御システムにおいて、補助コントローラgnは、現場コントローラf1〜fmに対し順次診断信号Bと駆動信号Aを出力する。このとき、補助コントローラgnの診断バイパス部22では、図4に示すように、2系統の演算機能によりそれぞれ診断対象制御棒番号と駆動対象制御棒番号を比較し、2系統の比較結果が両系ともに「一致」の場合、すなわち診断対象制御棒番号と駆動操作対象制御棒番号が同一の場合、次の現場コントローラf(n+1)に診断信号Bを出力することにより、駆動対象制御棒については診断をバイパスする。
(第1診断検出部5及び判定部23)
上述したように補助コントローラgnは現場コントローラfnに対し駆動信号Aと診断信号Bを出力する。ここでは例として駆動信号Aの値は作動信号CがAC100Vとなるような値とする。現場コントローラfnは、第1伝送路7を介して第1診断検出部5へ診断信号Bを出力し、また駆動コントローラdnへ駆動信号Aと診断信号Bを出力する。
現場コントローラfnは第2伝送路8を介して診断信号Bを第2診断検出部6へ出力する。第2診断検出部6では、診断信号Bによって第2切替部6aが切替わり、発信器4から模擬信号Eを出力する。ここで、模擬信号Eはある特定の値をもった電圧信号とし、ここでは位置信号Fが例えば1000mmとなるような値とする。模擬信号Eは位置信号変換装置enに入力され16ビットの位置信号F(値は1000)となって現場コントローラfnへ出力される。さらに現場コントローラfnは位置信号Fを補助コントローラgnに出力する。
以上説明したように、本第1の実施形態によれば、駆動対象制御棒を除く制御棒について、プラント稼働中に制御棒駆動機構および位置検出装置を駆動させずに、現場コントローラと駆動コントローラと位置信号変換装置の入出力の健全性を自動的に順次診断することができるとともに、異常がある場合には異常発生箇所を特定することができる。また、駆動対象制御棒についても駆動動作の終了後に上記診断を実施することができる。
本発明の第1の実施形態に係る制御棒監視制御システムについて、図12乃至図17を参照して説明する。なお、上記の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複説明を省略する。
上記第1の実施形態では電圧検出部3および発信器4は制御棒の本数分だけ各第1診断検出部5と第2診断検出部6に設置されているが、本第2実施形態ではこれらの電圧検出部3および発信器4を共有化する構成としている。
ここで、図13、図14に示すように、第1接続部9および第2接続部10はm個の第1診断検出部5と第2診断検出部6に接続される。
判定部23は、全ビット比較器によって応答信号D1と診断対象制御棒番号を比較し、比較結果が一致の場合に信号入出力機能が健全であると判定し正常信号「1」を出力する(図17)。
制御棒anに対して設置されるコントローラの信号入出力機能の診断が実施された場合について説明する。
補助コントローラgnは診断信号Bと、転送出力部24から作動信号Cの電圧値がn(V)となる値の駆動信号Aを現場コントローラfnへ出力する。第1診断検出部5では診断信号Bにより駆動コントローラdnと電圧変換検出部3aが接続されるように第1切替部5aを動作させる。駆動コントローラdnはn(V)の作動信号Cを出力する。作動信号Cは第1切替部5aから第1接続部9へ出力され、第1接続部9を介して電圧変換検出部3aに入力される。
本第2の実施形態によれば、複数の第1診断検出部及び第2診断検出部に対し一つの共通検出部と共通発信部を設けることにより、部品点数を大幅に削減することが可能となり、制御棒監視制御システムの低コスト化を図ることができる。
本発明の第3の実施形態に係る制御棒監視制御システムについて図18乃至図23を参照して説明する。なお、上記の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複説明を省略する。
上記第2の実施形態では、診断対象の制御棒ごとに、それぞれ特定の駆動信号Aおよび模擬信号Eを用いて入出力機能の健全性を確認しているが、本第3の実施形態では、各診断対象制御棒に対して駆動信号Aおよび模擬信号Eの値を変化させて作動信号Cおよび位置信号Fの精度を確認することを特徴としている。
判定部23は、図23に示すように、変換器1と、駆動信号Aと位置信号Fの値を減算し、差分値を精度信号「2」として出力する減算器2から構成する。
まず、診断対象が制御棒番号nの制御棒についての診断である場合、図19に示すように、正常信号「1」によりカウンタ2を動作させ、カウンタ2からの値Jを転送部2に出力する。ここではカウンタ2はJの値を1から10まで1ずつ増やして転送部2へ出力することで設定値T10から順にT100まで出力する。転送部2から出力される設定値は変換部2で16ビットの値に変換し駆動信号Aの値とする。駆動コントローラdnでは図20のように駆動信号A(値は設定値T10〜T100)に応じた電圧を有する作動信号を出力する。
本第3の実施形態によれば、駆動信号の値を可変とし、出力される作動信号および位置信号の誤差を算出することで、作動信号および位置信号の精度を求めることができるため、現場コントローラと駆動コントローラと位置信号変換装置の入出力機能の健全性を高精度で診断することができる。
本発明の第4の実施形態に係る制御棒監視制御システムについて図24乃至図26を参照して説明する。なお、上記の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複説明を省略する。
第4の実施形態に係る制御棒監視制御システムは、図24に示すように、駆動コントローラdnから出力された作動信号Cを、第3診断検出装置16を介して位置信号変換装置enへ直接入力することによって回路構成を簡素化することを特徴としている。
自動診断部21は、図26に示すように、判定部23による正常信号「3」によりカウンタ3を駆動し、診断対象制御棒番号をn=n+1とすることにより順次診断を実施する。
第3診断検出部16は第1伝送路7より診断信号Bが入力されると、第3切替部16aを動作させることにより駆動コントローラdnと位置信号変換装置enを接続する。作動信号Cは第3切替部16aを介して位置信号変換装置enへ入力される。
本第4の実施形態によれば、より簡素化した回路構成で現場コントローラと駆動コントローラと位置信号変換装置の入出力機能の健全性を診断することができる。
本発明の第5の実施形態に係る制御棒監視制御システムについて図27を参照して説明する。なお、上記の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複説明を省略する。
本第5の実施形態は、上記の第1乃至第4の実施形態において、制御棒の緊急操作を要する緊急操作信号が入力された場合には診断を行わずに緊急操作を実施することを特徴としている。
補助コントローラgnは現場コントローラfnへ診断信号Bを出力する前提として、緊急操作信号Hが入力されていない場合に診断信号Bを出力する条件とする。これにより、緊急操作信号Hが入力された場合には診断信号Bを出力せず、緊急操作信号を現場コントローラfnへ出力する。
したがって、第1切替部5a、第2切替部6a及び第3切替部16aは動作せず、従来の制御回路によって制御棒の緊急操作を実施することができる。
本第5の実施形態によれば、本実施形態の診断機能が制御棒の緊急操作に影響を及ぼさないように、緊急操作信号が入力された場合には診断信号の出力を中止し緊急操作信号を出力することで、制御棒を確実に操作することができる。
Claims (11)
- 原子炉の各制御棒に設けられた制御棒駆動機構及び位置検出装置と、複数本の制御棒を統括するともに自動診断部と診断バイパス部と判定部を有する補助コントローラと、前記複数の制御棒毎に設けられ、前記補助コントローラから駆動信号、診断信号及びバイパス信号が入力される複数の現場コントローラと、前記現場コントローラから入力された駆動信号を作動信号として前記制御棒駆動機構に出力する第1診断検出部と、前記第1診断検出部に設けられた第1切替部及び電圧検出部と、を有する制御棒監視制御システムであって、
前記補助コントローラは前記複数の制御棒のうち駆動対象制御棒以外の制御棒を診断対象制御棒として順次選択するとともに、前記補助コントローラは前記選択された診断対象制御棒の第1診断部に前記現場コントローラ及び駆動コントローラを介して作動信号を出力し、前記第1診断検出部は前記現場コントローラから診断信号が入力されると前記第1切換部を動作させ前記電圧検出部で作動信号と設定値とを比較するとともに比較結果を前記現場コントローラに出力し、前記判定部は前記現場コントローラから出力された前記比較結果により各コントローラの信号入出力機能の健全性を診断することを特徴とする制御棒監視制御システム。 - 原子炉の各制御棒に設けられた制御棒駆動機構及び位置検出装置と、複数本の制御棒を統括するともに自動診断部と診断バイパス部と判定部を有する補助コントローラと、前記複数の制御棒毎に設けられ、前記補助コントローラから駆動信号、診断信号及びバイパス信号が入力される複数の現場コントローラと、前記位置検出信号からの位置信号が入力される第2診断検出部と、前記第2診断検出部から入力された位置信号を前記現場コントローラへ出力する位置信号変換装置と、前記第2診断検出部に設けられた第2切替部及び発信器と、を有する制御棒監視制御システムであって、
前記補助コントローラは前記複数の制御棒のうち駆動対象制御棒以外の制御棒を診断対象制御棒として順次選択するとともに、前記現場コントローラは前記選択された診断対象制御棒の第2診断検出部に診断信号を出力し、前記第2診断検出部は前記診断信号が入力されると第2切換部を動作させ前記発信器から出力された模擬信号を前記位置信号変換装置に出力し、前記現場コントローラは前記位置信号変換装置から入力された位置信号を前記補助コントローラへ出力し、前記第2の判定部は前記現場コントローラから入力された位置信号と設定値とを比較し、当該比較結果により各コントローラの信号入出力機能の健全性を診断することを特徴とする制御棒監視制御システム。 - 原子炉の各制御棒に設けられた制御棒駆動機構及び位置検出装置と、複数本の制御棒を統括するともに自動診断部と診断バイパス部と判定部を有する補助コントローラと、前記複数の制御棒毎に設けられ、前記補助コントローラから駆動信号、診断信号及びバイパス信号が入力される複数の現場コントローラと、前記現場コントローラから入力された駆動信号を作動信号として前記制御棒駆動機構に出力する第1診断検出部と、前記第1診断検出部に設けられた第1切替部及び電圧検出部と、前記位置検出信号からの位置信号が入力される第2診断検出部と、前記第2診断検出部から入力された位置信号を前記現場コントローラへ出力する位置信号変換装置と、前記第2診断検出部に設けられた第2切替部及び発信器と、を有する制御棒監視制御システムであって、
前記補助コントローラは前記複数の制御棒のうち駆動対象制御棒以外の制御棒を診断対象制御棒として順次選択するとともに、前記補助コントローラは前記選択された診断対象制御棒の第1診断部に前記現場コントローラ及び駆動コントローラを介して作動信号を出力し、前記第1診断検出部は前記現場コントローラから診断信号が入力されると前記第1切換部を動作させ前記電圧検出部で作動信号と設定値とを比較するとともに比較結果を前記現場コントローラに出力し、前記判定部は前記比較結果により前記現場コントローラ及び駆動コントローラの信号入出力機能の健全性を判定し、
前記現場コントローラは前記選択された診断対象制御棒の第2診断検出部に診断信号を出力し、前記第2診断検出部は前記診断信号が入力されると第2切換部を動作させ前記発信器から出力された模擬信号を前記位置信号変換装置に出力し、前記現場コントローラは前記位置信号変換装置から入力された位置信号を前記補助コントローラへ出力し、前記判定部は前記位置信号と設定値とを比較し、当該比較結果により前記位置変換装置及び現場コントローラの信号入出力機能の健全性を診断することを特徴とする制御棒監視制御システム。 - 前記作動信号と設定値を比較する共通の電圧検出部を有する共通検出部を複数の第1診断検出部に接続したことを特徴とする請求項1又は3記載の制御棒監視制御システム。
- 模擬信号を出力する共通発信部を複数の第2診断検出部に接続したことを特徴とする請求項2又は3記載の制御棒監視制御システム。
- 前記駆動信号及び模擬信号の値を変化させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の制御棒監視制御システム。
- 前記模擬信号の値を変化させることを特徴とする請求項6記載の制御棒監視制御システム。
- 前記作動信号を前記第2診断検出部を介して前記位置信号変換装置に出力することを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の制御棒監視制御システム。
- 前記補助コントローラ、現場コントローラ、位置信号変換装置及び位置検出装置は2重化構成であることを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の制御棒監視制御システム
- 前記補助コントローラは制御棒の緊急操作信号が入力されると、診断信号の出力を中止し、前記緊急操作信号を制御棒駆動機構に出力することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の制御棒監視制御システム。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の制御棒監視制御システムを用いて、現場コントローラと駆動コントローラの信号入出力機能の健全性及び/又は位置変換装置を現場コントローラの信号入出力機能の健全性を判定することを特徴とする制御棒監視制御システムの診断方法。
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