JP2012193745A - ベーンポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータの回転駆動時においてベーンの先端部にロータの回転方向と反対方向の外力が作用した際にベーンに生じる回転モーメントを低減できるベーンポンプを提供する。
【解決手段】ロータ3の回転駆動時においてベーン4の先端部にロータ3の回転方向と反対方向の外力が作用した際にベーン4に生じる回転モーメントcを低減する回転モーメント低減手段を備える。ベーン4の先端と反対側の端面をロータ3の回転方向前側程ベーン4の先端側に向かって傾斜したテーパー面31とする。ベーン4に回転モーメントとは逆方向の逆方向回転モーメントが作用するようテーパー面31を同面に対して略垂直な方向の力で押圧する押圧手段を設ける。押圧手段で回転モーメント低減手段を構成する。
【選択図】図1
【解決手段】ロータ3の回転駆動時においてベーン4の先端部にロータ3の回転方向と反対方向の外力が作用した際にベーン4に生じる回転モーメントcを低減する回転モーメント低減手段を備える。ベーン4の先端と反対側の端面をロータ3の回転方向前側程ベーン4の先端側に向かって傾斜したテーパー面31とする。ベーン4に回転モーメントとは逆方向の逆方向回転モーメントが作用するようテーパー面31を同面に対して略垂直な方向の力で押圧する押圧手段を設ける。押圧手段で回転モーメント低減手段を構成する。
【選択図】図1
Description
本発明はベーンポンプに関する。
従来のベーンポンプ1は、図23(a)のようにケーシング10に形成したポンプ室2の偏心位置にロータ3を収納し、ロータ3に放射状に伸びるベーン溝19を複数形成し、各ベーン溝19に先端がポンプ室2の内周面2aに摺接されるベーン4をロータ3のラジアル方向にスライド自在に設けている。ロータ3を回転駆動すると、各ベーン4の先端部はポンプ室2の内周面2aに摺接し、これによりポンプ室2の内面とロータ3の外周面3aとベーン4とで囲まれた作動室5の容積が大小変化し、この作動室5を介して吸入口6から作動流体を吸入すると共に吐出口7から作動流体を排出する。なお、図中21はベーン溝19に設けたばね材である(例えば特許文献1参照)。
ところで上記各ベーン4の先端部には、図23(b)に示すようにロータ3の回転駆動時において作動流体の圧力(矢印a1)やポンプ室2の内周面2aとの摺動抵抗(矢印a2)からなるロータ3の回転方向(矢印b)と反対方向の外力が作用し、各ベーン4にはロータ3の回転方向と反対側に向かう回転モーメント(矢印c)が生じる。この回転モーメントcが大きいと、ベーン4とベーン溝19の間には若干の隙間があるためベーン4が振動して騒音を発生したり、ベーン4が傾いてポンプ室2の内周面2aに対して局所的に接触・摺動し、これによりベーン4に偏った摩耗が生じたり、ベーン4のポンプ室2の内周面との摩擦損失が増大する恐れがある。
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、ロータの回転駆動時においてベーンの先端部にロータの回転方向と反対方向の外力が作用した際にベーンに生じる回転モーメントを低減でき、ベーンが振動して騒音を発生することや、ベーンがポンプ室の内周面に対して局所的に接触・摺動することを防止できるベーンポンプを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明に係るベーンポンプは、ポンプ室2と、ポンプ室2に収納したロータ3と、ロータ3のラジアル方向に移動自在となるようロータ3に設けられて先端がポンプ室2の内周面に摺接される複数のベーン4と、ポンプ室2の内面とロータ3の外周面とベーン4とで囲まれてロータ3の回転駆動によりその容積を大小変化させる作動室5と、容積拡大過程の作動室5に作動流体を流入させる吸入口6と、容積縮小過程の作動室5から作動流体を排出させる吐出口7と、ロータ3の回転駆動時においてベーン4の先端部にロータ3の回転方向と反対方向の外力が作用した際にベーン4に生じる回転モーメントcを低減する回転モーメント低減手段を備えたベーンポンプであって、ベーン4の先端と反対側の端面をロータ3の回転方向前側程ベーン4の先端側に向かって傾斜したテーパー面31とし、ベーン4に前記回転モーメントとは逆方向の逆方向回転モーメントが作用するようテーパー面31を同面に対して略垂直な方向の力で押圧する押圧手段を設け、該押圧手段で回転モーメント低減手段を構成して成ることを特徴とする。回転モーメント低減手段により、ロータ3の回転駆動時においてベーン4の先端部にロータ3の回転方向と反対方向の外力が作用した際にベーン4に生じる回転モーメントcを低減できる。これによりベーン4が振動して騒音が発生することを防止でき、またベーン4がロータ3のラジアル方向に対して傾き難く安定した姿勢を保つことができ、ベーン4がポンプ室2の内周面2aに対して局所的に接触・摺動することを防止できる。また、押圧手段によりテーパー面31を略垂直な力で押圧することで、回転モーメントcを低減すると共にベーン4の先端部をポンプ室2の内周面2aに押し付けることができ、これにより作動室5の密閉性を高めてポンプ効率を向上できる。
また前記吐出口7から吐出された作動流体の一部を分岐経路9を介して、ベーン4の外面に向けて吐出することで、ベーン4に前記回転モーメントcと逆方向の逆方向回転モーメントを生じさせる回転モーメント低減手段を構成することも好ましい。前記分岐経路9により回転モーメント低減手段を構成でき、吐出口7から吐出される作動流体を利用して上記回転モーメントcを低減できる。
また、ベーン4及びロータ3に磁石37、38を設け、両磁石37、38の磁力によりベーン4に対して上記回転モーメントcとは逆方向の逆方向回転モーメントeを発生させ、両磁石37、38で回転モーメント低減手段を構成することも好ましい。磁石37、38の磁力を変更して逆方向回転モーメントeの大きさを任意に設定できる。
また、前記ロータ3は、ベーン4をロータ3のラジアル方向にスライド自在に収納するベーン溝19と、ベーン溝19の内側面に設けたストッパ収納溝部29を備え、ベーン4はベーン4の側面から突出して前記ストッパ収納溝部29にベーン4のスライド方向にスライド自在に収納されるストッパ部30を備えることも好ましい。ストッパ部30によりベーン4がロータ3のスラスト方向にがたつくことを防止してベーン4の長寿命化を図れる。
またベーン4の少なくとも先端部を滑性に優れた摺動性材料で構成することも好ましい。ポンプ室2の内周面2aに対するベーン4の摩擦抵抗と、ポンプ室2の内周面2a及びベーン4の磨耗を低減できる。
またポンプ室の内周縁部を滑性に優れた摺動性材料で構成することも好ましい。ポンプ室2の内周面2aに対するベーン4の摩擦抵抗と、ポンプ室2の内周面2a及びベーン4の磨耗を低減できる。
また、ベーン4のロータ3から突出する先端部におけるロータ3の回転方向前側の面に流体入口32を形成し、該ベーン4の重心gよりも後側部分におけるロータ3の回転方向前側の面又は該ベーン4の重心gよりも先側部分におけるロータ3の回転方向後側の面に、該ベーン4を収納するベーン溝19の側面に対向する流体出口33を形成し、該ベーン4に前記流体入口32と流体出口33を連通接続する連通孔34を形成し、該連通孔34により回転モーメント低減手段を構成することも好ましい。ベーン4のロータ3の回転方向前側に位置する作動室5内の高圧の作動流体を、流体入口32、連通孔34、流体出口33を通じてベーン溝19の側面に供給して、ベーン4に回転モーメントcとは逆方向の逆方向回転モーメントeを生じさせることができ、これにより回転モーメントcを低減できる。また、ベーン4に連通孔34を形成するという簡単な構成により回転モーメント低減手段を構成できる。
本発明では、ロータの回転駆動時においてベーンの先端部にロータの回転方向と反対方向の外力が作用した際にベーンに生じる回転モーメントを低減でき、ベーンが振動して騒音が発生することを防止でき、またベーンがロータのラジアル方向に対して傾き難く安定した姿勢を保つことができ、ベーンがポンプ室の内周面に対して局所的に接触・摺動することを防止できる。また、押圧手段によりテーパー面を略垂直な力で押圧することで、回転モーメントを低減すると共にベーンの先端部をポンプ室の内周面に押し付けることができ、これにより作動室の密閉性を高めてポンプ効率を向上できる。
まず本発明のベーンポンプ1の基本的構成について説明する。図1乃至図3に示すように、本発明のベーンポンプ1は、ケーシング10内に設けたポンプ室2にロータ3を偏心させて収納し、先端がポンプ室2の内周面2aに摺接される複数のベーン4をロータ3に設け、ケーシング10に吸入口6及び吐出口7をポンプ室2に至るように設け、ロータ3を回転駆動させることでポンプ室2の内面とロータ3の外周面3aとベーン4とで囲まれた空間である作動室5の容積を大小させて、作動室5を介して吸入口6からの作動流体を吐出口7から排出する構成を有する。
ケーシング10は上ケース11と下ケース12とを合わせることで形成されている。下ケース12には上ケース11の合わせ面から下方に凹没した下凹所16が形成され、この下凹所16の上方開口を上ケース11の合わせ面で閉塞することで平面視円形のポンプ室2が形成される。また、図示はしないが、下ケース12の下方には下凹所16の底面に隣接するようにステータが配置されている。
ロータ3は中央に軸受18を備えて平面視円形に形成されており、ロータ3の上部には複数条(本例では4つ)のベーン溝19が放射状に形成され、これらロータ3の周方向に複数設けた各ベーン溝19はロータ3のラジアル方向に伸び、ロータ3の外周面から開口している。また、図示は省略するが、ロータ3の下部には永久磁石又は磁性体が一体に装着されている。このロータ3は、軸受18がポンプ室2を上下に貫いた固定軸20に回転自在に挿通されることで、外周面3aがポンプ室2の内周面2aに対向すると共にスラスト面(上面3b)が上ケース11のポンプ室2の上面構成部に対向するようにしてポンプ室2に回転自在に配置されている。また、各ベーン溝19にはベーン4がスライド自在に収納されてロータ3の外周面3aから突没自在にされている。ロータ3をポンプ室2に配置した際には永久磁石又は磁性体とステータとが隣接して配置されるのであるが、この隣接する永久磁石又は磁性体とステータとはロータ3を回転駆動させる駆動部を構成する。つまり、この駆動部は、図示しない電源部からステータに電流を入力することで、ステータと永久磁石又は磁性体との間の磁気作用によって永久磁石又は磁性体に回転トルクを発生させるものであり、この回転トルクにより永久磁石又は磁性体、ひいてはロータ3が回転駆動されるようになっている。
ポンプ室2に収納したロータ3を駆動部にて回転駆動させた際には、各ベーン4はロータ3が回転することによる遠心力を受けてロータ3の外周面3aから外方へ突出させてその先端をポンプ室2の内周面2aに摺接させるのであり、ポンプ室2の内面(内周面2aや上面等)とロータ3の外周面3aとベーン4とで囲まれた複数の作動室5をポンプ室2に形成させる。ロータ3はポンプ室2の偏心位置にあるから、ポンプ室2の内周面2aとロータ3の外周面3aとの距離はロータ3の回転位置に応じて異なると共にベーン4のロータ3からの突出量もロータ3の回転位置に応じて異なるのであり、つまりロータ3を回転駆動させることで各作動室5はロータ3の回転方向に移動しながらその容積を大小に変化させる。ここで、上ケース11には作動流体を作動室5に引き込む吸入口6と作動流体を作動室5から排出する吐出口7とが形成されている。吸入口6や吐出口7はポンプ室2の上面に作動室5に連通可能にするように開口されている。なお図中14は吸入口6に至る上ケース11に形成した吸入経路であり、8は吐出口7から至る上ケース11に形成した吐出経路である。
各作動室5は吸入口6に連通する位置にある時にはロータ3の回転に伴い容積が増大し、吐出口7に連通する位置にある時にはロータ3の回転に伴い容積が減少するようにされ、従ってロータ3を回転駆動すれば、作動流体が吸入口6からこれに連通する作動室5内に流入し、この作動室5内で圧縮された後に吐出口7から吐出されるのであり、これによりポンプとして機能する。
ここで本例のベーンポンプ1は、背景技術の欄で示した各ベーン4に生じる回転モーメントcを低減するための回転モーメント低減手段を備えている。なお、この回転モーメントcは、ロータ3の回転駆動時においてベーン4の先端部にロータ3の回転方向(矢印b)と反対方向の外力が作用した際に生じるベーン4の重心周り(ロータ3の回転方向と逆回り)の回転モーメントである。
図4に回転モーメント低減手段の一例を示す。本例の各ベーン4を収納するベーン溝19内にはばね材21を配置している。各ばね材21はベーン4とベーン溝19の奥面との間に圧縮状態で設けてあり、各ベーン4はばね材21によりロータ3のラジアル方向の外側に向かって常時付勢される。このためロータ3の回転駆動時には、各ベーン4に対して上述のロータ3の遠心力に加えてばね材21からの付勢力が作用し、これにより各ベーン4の先端がポンプ室2の内周面2aに確実に密着されてポンプ性能が向上する。
ここで各ベーン4はその後端面でばね材21の付勢力を受けるものであるが、各ばね材21はベーン4の中心よりもロータ3の回転方向に対して後側にずれた位置に配置されており、これにより各ベーン4のばね材21の付勢力を受ける位置はベーン4の中心に位置する図中gに示す重心よりもロータ3の回転方向に対する後側にずれている。そして本例ではこのベーン4とばね材21で回転モーメント低減手段を構成している。なお図中fはベーン4の幅方向(平面視でロータ3のラジアル方向と直交する方向)の中心を通る中心線であり、該中心線fの延長線上にロータ3の中心は位置している。
上記により各ベーン4には図4(b)に示すようにベーン4の重心gからずれた位置にばね材21からの付勢力(矢印d)が作用し、上述の回転モーメントcとは逆方向の逆方向回転モーメント(矢印e)が生じ、この逆方向回転モーメントeと回転モーメントcが打ち消しあい、結果、回転モーメントcを低減でき、これにより従来のようにベーン4が振動して騒音が発生することを防止できる。またベーン4がロータ3のラジアル方向に対して傾き難く安定した姿勢を保つことができ、ベーン4がポンプ室2の内周面2aに対して局所的に接触・摺動することを防止できる。
以下、本実施形態の他例を列挙する。なお、先例と同様部位については同符号を付して説明を省略し、異なる点につき説明をする。
図5に示す他例のベーンポンプ1は、図5(b)中gに示す各ベーン4の重心位置をベーン4の中心位置からロータ3の回転方向に対する前側にずれた位置に配置してあり、このベーン4の重心gよりもロータ3の回転方向に対する後側にずれた位置でベーン4のばね材21から付勢力を受けるようにしている。各ベーン4の重心gを位置をベーン4の中心位置からロータ3の回転方向に対する前側にずらすには、図6(a)のようにロータ3の回転方向に対する前側部分(クロスハッチングで示す部分)の比重を反対の後側部分の比重よりも大きくする、又は図6(b)及び図6(c)のようにロータ3の回転方向に対する前側部分の体積を後側部分の体積よりも大きくする、などが挙げられる。なお図6(b)ではロータ3の回転方向に対する後側部分の内部に空所24を形成し、また図6(c)ではロータ3の回転方向に対する後側部分に切欠25を形成している。
このように各ベーン4の重心位置をベーン4の中心位置からロータ3の回転方向に対する前側にずらすことで、図5に示すようにベーン4のばね材21の付勢力を受ける位置をロータ3の回転方向においてベーン4の中心位置と一致させることができ、ばね材21によりベーン4を確実に押圧できる。上記実施例は付勢手段をばね材21で説明したが、吐出圧利用や磁力(電磁力)利用による付勢手段でも構わない。
また上記図4及び図5の例においては、各ベーン4がベーン溝19においてロータ3のスラスト方向にがたつくことを防止するため、図7に示すように各ベーン4にストッパ部30を設けることが好ましい。図示例では、各ベーン溝19の両側の内側面にロータ3のラジアル方向に沿ったストッパ収納溝部29を設けると共に、各ベーン4の両側面にロータ3のラジアル方向に沿ったストッパ部30を突設してあり、各ベーン4のストッパ部30をストッパ収納溝部29にベーン4のスライド方向(ロータ3のラジアル方向)にスライド自在に収納している。このようにベーン4のストッパ部30をストッパ収納溝部29にスライド自在に収納することで、ベーン4がロータ3のスラスト方向にがたつくことを防止してベーン4の長寿命化を図れる。
図8に示す更に他例のベーンポンプ1は、各ベーン4のクロスハッチングで示す先側部分の比重を後側部分の比重よりも高くしてあり、これにより各ベーン4の重心gをベーン4の先端側に片寄った位置に配置してある。そして本例ではこの重心gを先端側に配置したベーン4により上述の回転モーメント低減手段を構成している。上記により作動流体の圧力やポンプ室2の内周面2aとの摺動抵抗からなる外力が作用する箇所(即ちベーン4の先端部)をベーン4の重心gから近い位置に配置でき、これにより回転モーメントcを低減できる。
図9に示す更に他例のベーンポンプ1は、各ベーン4のクロスハッチングで示す先側部分は後側部分よりも幅広の膨大部26としてあり、これにより各ベーン4の重心gをベーン4の先端側に片寄った位置に配置してある。そして本例ではこの重心gを先端側に配置したベーン4により上述の回転モーメント低減手段を構成している。上記により作動流体の圧力やポンプ室2の内周面2aとの摺動抵抗からなる外力が作用する箇所をベーン4の重心gに近い位置に配置でき、これによりベーン4の重心g周りの回転モーメントcを低減できる。
図10乃至図12に示す更に他例のベーンポンプ1は分岐経路9を備えている。分岐経路9は吐出口7から吐出された作動流体の一部を、ケーシング10、固定軸20、軸受18、ロータ3を順に介して、ベーン溝19に送る流路であり、上ケース11に形成したケース流路部9aと、固定軸20に形成した軸流路部9bと、固定軸20に対して回転する軸受18に形成した軸受流路部9cと、ロータ3に形成したロータ流路部9dで構成してある。ケース流路部9aは吐出経路8から分岐して、その出口はポンプ室2の内底面(上ケース11のポンプ室2の上面構成部)に設けてある。
図12に示す軸流路部9bは固定軸20の上端から固定軸20の内部に至り、複数に分岐した後、固定軸20の外周面に至る流路であり、固定軸20の上端面に設けた入口はケース流路部9aの出口に連通している。軸受流路部9cは、管状の軸受18の内周面に形成した周溝27と、周溝27の周方向の複数箇所に形成した分岐孔28とで構成してある。周溝27は軸受18の内周面の全周に亘って形成してあり、ロータ3の回転角度に拘わらず常に軸流路部9bの複数の出口に連通するようになっている。ロータ流路部9dはロータ3の周方向に複数設けてあり、ロータ3の内部に形成されている。各ロータ流路部9dの入口は軸受流路部9cの分岐孔28に連通している。また各ロータ流路部9dの出口は各ベーン溝19のロータ3の回転方向の前側の側面に設けてあり、各出口はベーン溝19に収納したベーン4の重心gよりも後方の側面に対向している。なお各ロータ流路部9dの出口はベーン4がロータ3の外周面3aから最大限突出した状態でもベーン4の側面に対向し、またベーン4のロータ3の外周面3aからの突出量が最小の時にもベーン4の重心gよりも後方の側面に対向する。
本例のベーンポンプ1の駆動時には、ポンプ室2から吐出口7を介して吐出経路8に吐出された作動流体の一部は、図11及び図12に示すように分岐経路9を構成する、ケース流路部9a、軸流路部9b、軸受流路部9c、各ロータ流路部9dを順に介して各ベーン溝19に供給され、各ロータ流路部9dの出口から吐出された作動流体はベーン4のロータ3の回転方向の前側の側面においてベーン4の重心gよりも後方の部分に当たることとなる。従って図11(b)のように各ベーン4には先端がロータ3の回転方向の前側に向かう方向の回転モーメントcと逆方向の逆方向回転モーメントeが生じ、この逆方向回転モーメントeと回転モーメントcが打ち消しあい、結果、回転モーメントcが低減されることとなる。即ち本例では分岐経路9により回転モーメント低減手段を構成してあり、吐出口7から吐出された作動流体の一部をベーン4の外側面に向けて吐出して、ベーン4の先端がロータ3の回転方向の前側に向かう方向の逆方向回転モーメントeを生じさせることで、上記回転モーメントcを低減できる。
なお、上記図8乃至図12の各例では図4及び図5の例におけるばね材21を設けても良いし、ばね材21を設けなくても良い。
また上記各例では、図13(a)及び図13(b)に示すようにベーン4の少なくとも先端部を滑性に優れた摺動性材料で構成することも好ましい。図13(a)及び図13(b)では摺動性材料で構成した部分をクロスハッチングを付して示している。図13(a)の例ではベーン4の全体を滑性及び耐摩耗性が優れた摺動性材料で構成してあり、また図13(b)の例では各ベーン4の先端部のみを他部を構成するベーン4の母材よりも滑性及び耐摩耗性が優れて摺動性の良い摺動性材料で構成してある。摺動性材料としては、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、POM(ポリオキシメチレン)、PE(ポリエチレン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、等の樹脂材料、セラミック、カーボン、グラファイトなどの無機材料、二硫化モリブデンが挙げられる。このようにベーン4の少なくとも先端部を摺動性材料で構成することで、ポンプ室2の内周面2aに対するベーン4の摩擦抵抗と、ポンプ室2の内周面2a及びベーン4の磨耗を低減できる。
また上記図4乃至図13に示す各例ではポンプ室2の内周縁部を滑性に優れた摺動性材料で構成することが好ましい。この摺動性材料としては滑性及び耐摩耗性が優れて摺動性の良い材料が用いられ、ポンプ室2の内周面にコーティングしたDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜や、セラミックなどの無機材料で構成される。なお、本例ではケーシング10の少なくともポンプ室2の内周縁部を構成する部分を摺動性材料で構成してあれば良く、図示は省略するが、例えばケーシング10のポンプ室2の内周縁部を構成する部分のみを摺動性材料で構成しても良いし、他部も摺動性材料で構成してあっても良い。このようにポンプ室2の内周縁部を摺動性材料で構成することで、ポンプ室2の内周面2aに対するベーン4の摩擦抵抗と、ポンプ室2の内周面2a及びベーン4の磨耗を低減できる。
図14に示す更に他例のベーンポンプ1は、各ベーン4の先端と反対側の端面である後端面をロータ3の回転方向前側程ベーン4の先端側に向かって傾斜したテーパー面31とし、各ベーン4を平面視台形状としている。テーパー面31のロータ3の回転方向前側の縁はベーン4の重心gよりもベーン4の先端と反対側に位置している。
また、本例のベーンポンプ1は、回転モーメント低減手段として、各ベーン4に上記回転モーメントcとは逆方向の逆方向回転モーメントeが作用するよう各ベーン4のテーパー面31をテーパー面31に対して略垂直な力で押圧する押圧手段を備えている。
各ベーン4の先端部におけるロータ3の回転方向前側の面には流体入口32を形成している。また、各ベーン4のテーパー面31におけるロータ3の回転方向前側の部分には流体出口33を形成してあり、各ベーン4には前記流体入口32と流体出口33を連通接続する連通孔34を形成している。
各ベーン4の先端部のロータ3の回転方向前側に位置する作動室5は流体入口32、連通孔34、流体出口33を経て、ベーン溝19の後端部、即ちベーン4のテーパー面31とこのベーン4を収納するベーン溝19の奥面との間の隙間に連通している。よって、各ベーン4のロータ3の回転方向前側に位置する作動室5内の高圧の作動流体は連通孔34を経て各ベーン4の後方部に供給され、この作動流体の圧力が各ベーン4のテーパー面31に対して背圧として作用する。
上記背圧として各ベーン4のテーパー面31に加わる力Fはテーパー面31に対して略垂直に加わる力Fであり、つまり本例では連通孔34によって押圧手段を構成している。
ここで、力Fの向きはベーン4の基先方向に対してロータ3の回転方向後側に傾斜したものであり、ベーン4には力Fの分力としてロータ3の回転方向後側に向かう分力F1とベーン4の先端側に向かう分力F2が作用する。
分力F1は各ベーン4の回転モーメントcとは逆方向の逆方向回転モーメントeを生じさせる力として作用し、各ベーン4にかかる回転モーメントcを低減させる。また、分力F2によって各ベーン4はロータ3のラジアル方向外側に向かって押圧され、これにより各ベーン4の先端部はポンプ室2の内周面2aに押し付けられる。
このように本例では、ベーン4の後端面をテーパー面31とすると共に押圧手段によりテーパー面31をテーパー面31に対して略垂直な力で押圧することで、回転モーメントcを低減すると共にベーン4の先端部をポンプ室2の内周面2aに押し付けることができ、これにより作動室5の密閉性を高めてポンプ効率を向上できる。また、ベーン4にテーパー面31と連通孔34を形成するという簡単な構成により回転モーメントcを低減できる。
図15に示す更に他例は、上記押圧手段を分岐経路9で構成している。分岐経路9は図11の例で示した分岐経路9と略同様の構成を有するものであり、異なる点についてのみ説明する。
分岐流路9を構成する、ケース流路部9a、軸流路部9b、軸受流路部9c、各ロータ流路部9dのうち、各ロータ流路部9dの出口はベーン溝19のロータ3の回転方向前側の側面の後部から開口し、各ベーン溝19の後端部に連通している。なお各ロータ流路部9dの出口は対応するベーン4のロータ3の外周面3aからの突出量が最小の時にも各ベーン溝19の後端部に臨む位置に設けてある。
吐出口7から吐出された作動流体の一部は分岐経路9を通り、最終的に各ロータ流路部9dの出口から各ベーン溝19の後端部に供給され、この作動流体の圧力が各ベーン4のテーパー面31に対して背圧として作用する。
この背圧として各ベーン4のテーパー面31に加わる力Fも図15の例における力Fと同様にテーパー面31に対して略垂直に加わる力である。従って、本例においても、力Fの分力F1が各ベーン4の回転モーメントcとは逆方向の逆方向回転モーメントeを生じさせる力として作用し、また、分力F2によって各ベーン4の先端部はポンプ室2の内周面2aに押し付けられる。
このように本例では、吐出口7から吐出された比較的圧力変動の小さい作動流体の一部を分岐経路9を介してベーン溝19の後端部に供給することで、各ベーン4の背圧を高め押圧手段を構成している。このため、安定してテーパー面31に力Fを加えることができる。
図16に示す更に他例は、上記押圧手段をコイルばねからなるばね材35で構成している。
各ベーン4を収納するベーン溝19の奥面のテーパー面31に対向する部分はテーパー面31と平行な傾斜面36としてあり、傾斜面36はロータ3の回転方向前側程ベーン溝19の手前側に向かって傾斜している。各ベーン溝19の傾斜面36及びテーパー面31間には前記ばね材35を配設してある。各ベーン4のテーパー面31のロータ3の回転方向における中間部は各ばね材35にてテーパー面31に対して略垂直な力で押圧される。
上記各ばね材35の付勢力である力Fの向きはベーン4の基先方向に対してロータ3の回転方向後側に傾斜したものである。また、この力Fの作用点、即ちテーパー面31のばね材35によって押圧される部分は、力Fが各ベーン4に対して回転モーメントcとは逆方向の逆方向回転モーメントeを生じさせる力として作用する位置としてある。つまり、作用点から力Fの向きに直線を引いた場合、該直線はベーン4の重心gよりもロータ3の回転方向における後側を通過する。
従って、本例においても、力Fの分力F1が各ベーン4の回転モーメントcとは逆方向の逆方向回転モーメントeを生じさせる力として作用し、また、分力F2によって各ベーン4の先端部はポンプ室2の内周面2aに押し付けられる。
本例においてはばね材35のばね力を変更して力Fの大きさを任意に設定できる。また、作動流体の圧力だけを利用して力Fを発生させる場合と比較して、力Fをより大きな力とすることが可能となる。このため回転モーメントcをより低減することができ、また、ベーン4の先端部はポンプ室2の内周面2aに強く押し付けて作動室5の密閉性をより一層高めることができる。また、ばね材35により安定してテーパー面31に力Fを加えることができる。
図17に示す更に他例のベーンポンプ1は、各ベーン4とロータ3に磁石37、38を設け、両磁石37、38の磁力により各ベーン4に対して上記回転モーメントcとは逆方向の逆方向回転モーメントeを発生させるものであり、両磁石37、38で回転モーメント低減手段を構成している。
図17の例では、図14〜図16に示す例と同様に各ベーン4の後端面をテーパー面31とすると共に該テーパー面31を各ベーン4に設けた磁石37によって構成してある。磁石37は各ベーン4の後部を構成し、ベーン4の重心gよりも後端側に位置している。磁石37の着磁方向はテーパー面31に対して垂直である。
一方、各ベーン溝19の奥部のテーパー面31に対向する部分は図16の例と同様にテーパー面31と平行な傾斜面36としてあり、傾斜面36はロータ3に設けた磁石38によって構成してある。磁石38の着磁方向は傾斜面36に対して垂直であり、磁石37の着磁方向と略平行である。
上記両磁石37、38は対向面が異極となるよう配設してあり、両磁石37、38の磁力反発により磁石37のテーパー面31にはテーパー面31に対して略垂直な力Fが作用する。この力Fの向きは図14〜図16に示す例と同様にベーン4の基先方向に対してロータ3の回転方向後側に傾斜したものであり、ベーン4には力Fの分力としてロータ3の回転方向後側に向かう分力F1とベーン4の先端側に向かう分力F2が作用する。つまり、本例の両磁石37、38は押圧手段を構成する。従って、本例においても、力Fの分力F1が各ベーン4の回転モーメントcとは逆方向の逆方向回転モーメントeを生じさせる力として作用し、また、分力F2によって各ベーン4の先端部はポンプ室2の内周面2aに押し付けられる。
本例においては磁石37、38の磁力を変更して力Fの大きさを任意に設定できる。また、作動流体の圧力だけを利用して力Fを発生させる場合と比較して、力Fをより大きな力とすることが可能となる。また、磁石37、38により安定してテーパー面31に力Fを加えることができる。
図18に示す更に他例は、各ベーン4の後端面をロータ3のラジアル方向と平行な基先方向に対して垂直な面とすると共に該後端面を各ベーン4に設けた磁石37によって構成している。磁石37は各ベーン4の後端部を構成し、ベーン4の重心gよりも後端側に位置している。磁石37の着磁方向はロータ3の回転方向と平行である。
一方、各ベーン溝19の奥部におけるロータ3の回転方向前側の側面は図16及び図17を除く他例と同様にロータ3のラジアル方向と平行な面部39となっているが、この面部39はロータ3に設けた磁石38によって構成してある。磁石38及び磁石37のロータ3のラジアル方向における長さは磁石38が長く、ベーン4のロータ3からの突出量にかかわらず常に磁石37の対向位置に磁石38が位置するよう設定してある。また、磁石38の着磁方向は面部39に対して垂直であり、磁石37の着磁方向と略平行である。
上記両磁石37、38は対向面が同極となるよう配設してあり、両磁石37、38の磁力反発により磁石37にはロータ3の回転方向後側に向かう力Fが作用する。この力Fは各ベーン4の回転モーメントcとは逆方向の逆方向回転モーメントeを生じさせる力として作用し、各ベーン4にかかる回転モーメントcを低減させる。
前述のようにロータ3の回転時には各ベーン4はロータ3が回転することによる遠心力を受けてロータ3の外周面3aから外方へ突出し、各ベーン4の先端部はポンプ室2の内周面を摺動する。このため各ベーン4はロータ3のラジアル方向に移動し、その位置が変化する。ここで、本例では各ベーン4のロータ3からの突出量にかかわらず常に磁石37の対向位置に磁石38が位置するものであるので、各ベーン4のロータ3のラジアル方向における位置が変化しても、常に磁石38の磁力を磁石37に安定して作用させることができ、安定して回転モーメントcを低減できる。
図19に示す更に他例は、図18の例における磁石38を各ベーン4のロータ3の回転方向後側に設けている。磁石38により各ベーン溝19の奥部におけるロータ3の回転方向後側の側面を構成してあり、同側面は図16及び図17を除く他例と同様にロータ3のラジアル方向と平行な面部40となっている。
両磁石37、38は対向面が異極となるよう配設してある。両磁石37、38の磁力吸引により磁石37にはロータ3の回転方向後側に向かう力Fが作用し、これによって回転モーメントcとは逆方向の逆方向回転モーメントeを生じさせる力として作用し、各ベーン4にかかる回転モーメントcを低減させる。
図20に示す更に他例は、図19の例における磁石37を磁性体41としてある。磁石38の磁力により磁性体41にはロータ3の回転方向後側に向かう力Fが作用し、これによって回転モーメントcとは逆方向の逆方向回転モーメントeを生じさせる力として作用し、各ベーン4にかかる回転モーメントcを低減させる。なお、本例では図19の例における磁石37を磁性体41としたが、図19の例における磁石38を磁性体41としても良い。
図21に示す更に他例は、図14の例における流体出口33を各ベーン4のロータ3の回転方向前側の側面で且つベーン4の重心gよりもベーン4の先端と反対側である後方に形成している。流体出口33はベーン4のロータ3からの突出量にかかわらず常にベーン溝19のロータ3の回転方向前側の側面に対向する。なお、本例ではテーパー面31を設けておらず、各ベーン4の後端面はベーン4の基先方向に対して垂直な面となっている。
各ベーン4の先端部のロータ3の回転方向前側に位置する作動室5の作動流体は、図21(b)の矢印h、iに示すように流体入口32から、連通孔34、流体出口33を経て、ベーン溝19のロータ3の回転方向前側の側面に向かって流れる。このため各ベーン4の後部には回転モーメントcとは逆方向の逆方向回転モーメントeを生じさせる力としてロータ3の回転方向後側に向かう力Fが作用し、各ベーン4にかかる回転モーメントcを低減させる。つまり、本例では連通孔34によって回転モーメント低減手段を構成している。
このように本例ではベーン4に連通孔34を形成するという簡単な構成により回転モーメントcを低減できる。
図22に示す更に他例は、図21の例における流体出口33を各ベーン4のロータ3の回転方向後側の側面で且つベーン4の重心gよりもベーン4の先端側である前方に形成している。流体出口33はベーン4のロータ3からの突出量にかかわらず常にベーン溝19のロータ3の回転方向後側の側面に対向する。
各ベーン4の先端部のロータ3の回転方向前側に位置する作動室5の作動流体は、図22(b)の矢印j、kに示すように流体入口32から、連通孔34、流体出口33を経て、ベーン溝19のロータ3の回転方向後側の側面に向かって流れる。このため各ベーン4の前部には回転モーメントcとは逆方向の逆方向回転モーメントeを生じさせる力としてロータ3の回転方向前側に向かう力Fが作用し、各ベーン4にかかる回転モーメントcを低減させる。
なお、例えば上記図14〜図22の各例において、図13(a)及び図13(b)に示すようにベーン4の少なくとも先端部を滑性に優れた摺動性材料で構成したり、図21の例における回転モーメント低減手段を各例に設ける等、上記各例の回転モーメント低減手段を適宜複数組み合わせて備えたものであっても良い。
また、上記各例では、ポンプ室2は平面視円形に形成されているが、平面視楕円形状に形成してもよい。またロータ3が固定軸20に対して回転自在に軸支されているが、上記固定軸20の代わりにロータ3に固定させた回転軸をポンプ室2に対して回転自在に軸支される構造を採用してもよい。また、ロータ3を回転駆動させる駆動部は磁気作用を発生させるステータと永久磁石又は磁性体とで構成しているが、駆動部としてはロータ3に固定した回転軸をモータにて回動駆動させる構造を採用してもよい。
c 回転モーメント
e 逆方向回転モーメント
g ベーンの重心
1 ベーンポンプ
2 ポンプ室
2a 内周面
3 ロータ
4 ベーン
5 作動室
6 吸入口
7 吐出口
9 分岐経路
19 ベーン溝
21 ばね材
30 ストッパ部
31 テーパー面
34 連通孔
37 磁石
38 磁石
41 磁性体
e 逆方向回転モーメント
g ベーンの重心
1 ベーンポンプ
2 ポンプ室
2a 内周面
3 ロータ
4 ベーン
5 作動室
6 吸入口
7 吐出口
9 分岐経路
19 ベーン溝
21 ばね材
30 ストッパ部
31 テーパー面
34 連通孔
37 磁石
38 磁石
41 磁性体
Claims (7)
- ポンプ室と、ポンプ室に収納したロータと、ロータのラジアル方向に移動自在となるようロータに設けられて先端がポンプ室の内周面に摺接される複数のベーンと、ポンプ室の内面とロータの外周面とベーンとで囲まれてロータの回転駆動によりその容積を大小変化させる作動室と、容積拡大過程の作動室に作動流体を流入させる吸入口と、容積縮小過程の作動室から作動流体を排出させる吐出口と、ロータの回転駆動時においてベーンの先端部にロータの回転方向と反対方向の外力が作用した際にベーンに生じる回転モーメントを低減する回転モーメント低減手段を備えたベーンポンプであって、ベーンの先端と反対側の端面をロータの回転方向前側程ベーンの先端側に向かって傾斜したテーパー面とし、ベーンに前記回転モーメントとは逆方向の逆方向回転モーメントが作用するようテーパー面を同面に対して略垂直な方向の力で押圧する押圧手段を設け、該押圧手段で回転モーメント低減手段を構成して成ることを特徴とするベーンポンプ。
- 前記吐出口から吐出された作動流体の一部を分岐経路を介して、ベーンの外面に向けて吐出することで、ベーンに前記回転モーメントと逆方向の逆方向回転モーメントを生じさせる回転モーメント低減手段を構成して成ることを特徴とする請求項1に記載のベーンポンプ。
- ベーン及びロータに磁石を設け、両磁石の磁力によりベーンに対して上記回転モーメントとは逆方向の逆方向回転モーメントを発生させ、両磁石で回転モーメント低減手段を構成して成ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベーンポンプ。
- 前記ロータは、ベーンをロータのラジアル方向にスライド自在に収納するベーン溝と、ベーン溝の内側面に設けたストッパ収納溝部を備え、ベーンはベーンの側面から突出して前記ストッパ収納溝部にベーンのスライド方向にスライド自在に収納されるストッパ部を備えて成ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のベーンポンプ。
- ベーンの少なくとも先端部を滑性に優れた摺動性材料で構成して成ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のベーンポンプ。
- ポンプ室の内周縁部を滑性に優れた摺動性材料で構成して成ることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のベーンポンプ。
- ベーンのロータから突出する先端部におけるロータの回転方向前側の面に流体入口を形成し、該ベーンの重心よりも後側部分におけるロータの回転方向前側の面又は該ベーンの重心よりも先側部分におけるロータの回転方向後側の面に、該ベーンを収納するベーン溝の側面に対向する流体出口を形成し、該ベーンに前記流体入口と流体出口を連通接続する連通孔を形成し、該連通孔により回転モーメント低減手段を構成して成ることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のベーンポンプ。
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