JP2017190694A - ベーンおよびベーンポンプ - Google Patents

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寛二 前田
Kanji Maeda
寛二 前田
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Abstract

【課題】高い吐出圧力での使用であっても、ケーシングの内周面とベーンの上面との間から低圧側への液体のリークロスが少なく、効率よく液体を多量に輸送することのできるベーンポンプおよびそれに用いるベーンが望まれている。
【解決手段】ベーン1は、ベーン本体10の上部とベーン本体10の末端面1Cの下方とを連通する圧力導入用溝2がベーン本体10の前面1Aに刻設されるとともに、圧力導入用溝2はベーン本体10の末端面1Cに近づくほど深くなるように傾斜して形成されている。圧力導入用溝2は、ベーン本体10の前面1Aと先端面1Bが交わる前端辺4とベーン本体10の末端面1Cの前後途中位置とを結んで形成されている。また、ベーンポンプでは、ベーン収容溝においてベーン1の末端面1Cよりも奥部にある溝内空間とロータ回転方向前方のポンプ室とを、ベーン1の圧力導入用溝2が連通している。
【選択図】図1

Description

本発明は、小容量であっても高粘性液などを効率よく輸送するようにしたベーンポンプ、およびこれに用いられるベーンに関する。
従来、この種のベーンポンプを図9(a)に示す。このベーンポンプWは、円筒状のケーシング12内でケーシング12の軸心から偏心した軸心回りにロータ14が回転自在に設けられた容積式ポンプであって、ロータ14に半径方向に延びるベーン収容溝15が形成され、ベーン収容溝15にベーン51が出没自在に収容されている。そして、このベーンポンプWで使用されるベーン51は、図9(b)に示すように、正面視で矩形状の板体として形成されたベーン本体60から構成されている。このベーン本体60は、前面51A、先端面51B、末端面51C、左右の横側面および背面を有している。そして、ベーン本体60の上部とベーン本体60の下面51Cの下方の溝内空間15aとを連通する2条の圧力導入用溝52,52が、ベーン本体60の前面51Aに刻設されている。前記の圧力導入用溝52の奥底面53は、ベーン本体60の前面51Aと平行であって一様な深さに形成されている。図中符号の17は、ロータ14に形成されたピン収容穴であり、20はピン収容穴17内に収容されて低圧側のベーン51(図外)を押すためのピンである。このような構成のベーンポンプWでは、ロータ14が反時計回り(矢印R方向)に回転し、半径方向外向きの遠心力が各ベーン51にかかる。同時に、吐出ポート近傍で高圧側となっているポンプ室28に位置するベーン51には、矢印Gのように圧力導入用溝52を通してポンプ室28からの高圧の高粘性液Lが溝内空間5aに導かれ、ベーン51の末端面51Cを半径方向外向きに押圧することにより、ベーン51の先端面51Bをケーシング12の内周面に摺動自在に押し付けてシールする。
上記のようなベーン51およびベーンポンプWは、下記の特許文献1に記載されている。
特開平11−37062号公報
上記した従来のベーン51およびベーンポンプWはそれなりに好適なものであるが、ケーシング12の内周面に向けてベーン51を押す力は、溝内空間15a内で高粘性液Lから受ける押上げ力と遠心力とである。加えて、高圧側の高粘性液Lからの大きな抵抗を受けるので、ベーン51はケーシング12の内周面から一層離れやすくなる。これらのことから、ベーン51後方への液洩れを生じやすく、ポンプ効率の低下を招くおそれがあった。特に、比較的高い吐出圧力で使用する場合は、ケーシング12の内周面とベーン51の先端面51Bとの間から後方へのリークロスが更に多くなり、吐出量が著しく低下するという不具合があった。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、高い吐出圧力での使用であっても、ケーシングの内周面とベーンの上面との間から低圧側への液体のリークロスが少なく、効率よく液体を多量に輸送することのできるベーンポンプおよびそれに用いるベーンの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るベーンは、矩形板状に形成されたベーン本体から成り、ベーンポンプのロータに使用される際にベーン本体の前面がロータ回転方向前向きに配置されるベーンであって、ベーン本体の上部とベーン本体の下面の下方とを連通する圧力導入用溝がベーン本体の前面に刻設されるとともに、圧力導入用溝はベーン本体の下面に近づくほど深くなるように傾斜して形成されたものである。
また、前記構成において、圧力導入用溝は、ベーン本体の前面と上面が交わる前端辺とベーン本体の下面の前後途中位置とを結んで形成されているものである。
そして、本発明に係るベーンポンプは、略円筒状のケーシングと、ケーシングの端面を封止してケーシング内にポンプ室を形成するサイドプレートと、ケーシング内で当該ケーシングの軸心から偏心した位置に回転自在に設けられたロータと、ロータに複数形成されたベーン収容溝にそれぞれ半径方向に出没自在に収容されるベーンを有するベーンポンプにおいて、ベーンとして請求項1または請求項2に記載のベーンが用いられ、ベーンの圧力導入用溝が、ベーン収容溝においてベーンの下面よりも奥部にある溝内空間とロータ回転方向前方のポンプ室とを連通しているものである。
本発明に係るベーンおよびこのベーンを用いたベーンポンプによれば、ベーン本体の上部とベーン本体の下面の下方とを連通する圧力導入用溝がベーン本体の前面に刻設されるとともに、圧力導入用溝はベーン本体の下面に近づくほど深くなるように形成されているので、ロータ回転方向と正対する圧力導入用溝の奥底面はロータ半径方向に対して傾斜している。このように圧力導入用溝の奥底面にかかる力は、ロータ接線方向の分力とロータ半径方向の分力とに分けられる。その結果、圧力導入用溝の奥底面の全面で受ける力から派生したロータ半径方向の分力も、ベーンを半径方向外向きに押し出す力に加えられる。すなわち、ベーンは、遠心力、圧力導入用溝内に入り込んだ高粘性液がベーンの下面を押し上げる力、および前記した圧力導入用溝の奥底面にかかる分力を合わせた力により、ベーン収容溝内で半径方向外向きに強く押し出される。これによって、ベーンの上面はケーシングの内周面にしっかりと強く押し当てられながら摺動回転するので、ケーシングの内周面とベーンの上面との間からのリークロスを極めて少なくすることができる。その結果、吐出圧力が高い場合であっても、流体の大きな吐出量を得ることができ、効率よく流体を輸送できる。
また、圧力導入用溝が、ベーン本体の前面と上面が交わる前端辺とベーン本体の下面の前後途中位置とを結んで形成されているものでは、上面に圧力導入用溝が存在しない。従って、ベーンの上面の全体をポンプケーシングの内周面との摺接に全て使用できる。これにより、ロータ回転方向前方のポンプ室からロータ回転方向後方のポンプ室へと上面を通過する液体のリークを最大限に抑制することができる。他方で、圧力導入用溝は下面の前後方向途中位置までにしか形成されていないので、広い面積の下面が残っている。これにより、ベーンポンプの溝内空間内に導かれた高圧の液体による下面の大きな押上げ力を得ることができる。
本発明の一実施形態に係るベーンを示す図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は平面図、(e)は側面図、(f)は(b)におけるA−A線矢視断面図である。 前記ベーンを用いたベーンポンプのケーシング内を見た側面図および当該側面図中の部分拡大図である。 前記ベーンポンプの一部断面を含む正面図である。 前記ベーンポンプのベーン、ロータおよびピンを示す分解斜視図である。 対をなすベーンの位置関係を示す説明図である。 前記ベーンポンプのポンプ性能を調べる試験設備の概略構成図である。 前記試験設備を用いて得られた本実施形態のベーンポンプと従来のベーンポンプのポンプ性能データを表したグラフの図である。 本発明の種々の実施形態に係るベーンにおける図1(b)のA−A線矢視断面に対応した図であって、(a)は別のベーンを示す断面図、(b)は更に別のベーンを示す断面図、(c)は他のベーンを示す断面図、(d)は更に他のベーンを示す断面図である。 ケーシング内で動作する従来のベーンおよびロータの状態を示すものであって、(a)は運転中のベーンの状態を示す状態説明図、(b)はベーンの斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態に係るベーンを示す図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は平面図、(e)は側面図、(f)は(b)におけるA−A線矢視断面図である。但し、図9に示した従来のベーンポンプWと同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略することがある。
図1において、この実施形態に係るベーン1は、正面視で矩形状の板体として形成されたベーン本体10から構成されている。このベーン本体10は、前面1A、先端面(上面の例)1B、末端面(下面の例)1C、左右の横側面1D,1D、および背面1Eを有している。このベーン1では、ベーン本体10の先端側部分(上部の例)とベーン本体10の末端面1Cの下方空間とを連通する圧力導入用溝2が、ベーン本体10の前面1Aに左右2条刻設されている。前記の圧力導入用溝2はベーン本体10の末端面1Cに近づくほど深くなるように傾斜して形成されている。すなわち、圧力導入用溝2は、正面に対向する奥底面3が、ベーン本体10の前面1Aと先端面1Bが交わる前端辺4と、ベーン本体10の末端面1Cの後端辺5よりも前方位置(末端面1Cの前後途中位置)とを結ぶように、前面1Aに対し傾斜角θぶん傾斜して形成されている。
そして、この実施形態に係るベーンポンプは、例えばマヨネーズ,ケチャップ,チョコレート,接着剤(染色用やダンボール用などの糊料),ロックペイントなどのインク材などの高粘性液L(粘度5000〜100000cP程度)を輸送するのに適している。
そして、図2〜図5に示すように、このベーンポンプVは、ポンプ外郭をなす外側ケーシング27内に収納された円筒状のケーシング12と、ケーシング12の両筒端面を封止してケーシング12内にポンプ室28を形成する一対のサイドプレート25,26と、ケーシング12内で当該ケーシング12の軸心Eから偏心した位置の軸心C回りに回転自在に設けられたロータ14と、ロータ14の外周面に6か所形成されたベーン収容溝15,15,15,・・・にそれぞれ半径方向に出没自在に収容される6つのベーン1,1,1,・・・と、を有している。上記のサイドプレート25には、180°対角の位置に吸込ポート21と吐出ポート22が設けられている。外側ケーシング27の側面には、吸込ポート21と連通する吸込管23が取り付けられており、外側ケーシング27の上面には、吐出ポート22と連通する吐出管24が取り付けられている。
ロータ14には、図4に示すように、ロータ軸13を装着するための軸穴29がロータ軸心部に穿設されている。また、ロータ14の外周部には、軸心Cを中心として放射状に、6つのベーン収容溝15,15,・・・が設けられている。これらのベーン収容溝15,15,・・・はそれぞれ軸心C廻りに60°ずつ角度を変えて設けられている。この場合、3対のベーン収容溝15,15がロータ直径線上の対角位置に設けられている。ロータ14を駆動するロータ軸13は、歯車などの連結機構32を介してモータMと連結されている。ロータ軸13のベーン配置部分(図5)には、3つのピン収容孔18,18,18が穿設されている。これらのピン収容孔18,18,18も軸心C廻りにそれぞれ60°ずつ角度を変えて設けられている。また、ロータ軸13のピン収容孔18,18,18と連通する位置のロータ14には、ピン収容孔17,17,17がそれぞれ穿設されている。これらのピン収容孔17,18により、対をなすベーン収容溝15,15間が連通するようになっている。そして、3組のピン収容孔17,18には、それぞれピン20が孔芯方向に移動可能に装入される。
ここで、対をなすベーン1,1とピン20の位置関係を図5に示す。この場合、ピン20と一対のベーン1,1とを加えた全長Mは、運転初期時における各ベーン1,1の先端がケーシング12の内周面に強く摺接せず円滑に回転できる程度の長さとなるように設定されている。これにより、ピン20の所定長Nが規定される。尚、ベーン1は、ベーンポンプVのロータ14に使用される際にベーン本体10の前面1Aがロータ回転方向(矢印R方向)の前方を向くように配置される。また、各ベーン収容溝15内に装入されたベーン1は、その圧力導入用溝2が、ロータ14の各ベーン収容溝15においてベーン1の末端面1Cよりも奥部にある各溝内空間15aと、ロータ回転方向(矢印R方向)の前方のポンプ室28と、を連通している。図3中の符号30と31は、いずれもロータ軸13を枢支する軸受部と軸受である。
引続き、ベーンポンプVの動作について、図2を中心に、図3〜図5および図1(f)も参照しつつ説明する。まず、モータMの駆動によりロータ軸13が起動すると、ロータ14が反時計回り(図2中の矢印R方向)に回転し、半径方向外向きの遠心力が各ベーン1にかかる。同時に、吐出ポート22近傍のポンプ室28に位置するベーン1には、矢印Gのように圧力導入用溝2を通してポンプ室28からの高圧の高粘性液Lが溝内空間5aに導かれ、ベーン1の末端面1Cが半径方向外向きに押される。同時に、図1(f)に示されるように、奥底面3と直角の力(力線F)が圧力導入用溝2の奥底面3の全面にかかる。この場合、圧力導入用溝2の奥底面3は、ロータ半径方向に延びる前面1Aに対し傾斜角θぶん傾いているので、力線Fの力は、ロータ接線方向の力(分力線F1)とロータ半径方向の力(分力線F2)とに分配される。その結果、奥底面3の全面で受ける力から派生した力(分力線F2)も、ベーン1を半径方向外向きに押し出す力に加えられる。これらによって、ベーン1の先端面1Bはケーシング12の内周面にしっかりと強く押し当てられながら摺動回転する。従って、ケーシング12の内周面とベーン1の先端面1Bとの間からのリークロスを極めて少なくすることができる。その結果、吐出圧力が高い場合であっても、高粘性液Lの大きな吐出量を得ることができる。
また、圧力導入用溝2は、前面1Aと先端面1Bとの境界である前端辺4から前面1Aに形成されているので、先端面1Bには圧力導入用溝2が存在しない。従って、ベーン1の先端面1Bの全面をケーシング12の内周面との摺接に全て使用できるから、ロータ回転方向前方のポンプ室28からロータ回転方向後方へと先端面1Bを通過する高粘性液Lのリークを最大限に抑制できる。他方で、圧力導入用溝2は、末端面1Cの前後方向途中位置までにしか形成されていないので、広い面積の末端面1Cが残っている。これにより、溝内空間15a内に導かれた高圧の高粘性液Lによる末端面1Cの押上げ力を極力多く得ることができる。従って、このベーンポンプVは、高い吐出圧力であってもシール性よく高粘性液Lを輸送することができ、ポンプ効率を損なわない。
ところで、停止していたベーンポンプVが起動されると、高圧側に回ってきたベーン1がピン20を押すので、低圧側に回ってきたベーン1は前記のピン20によりケーシング12の内周面に向けて押し出される。すなわち、ピン20は、ベーン収容溝15内で動きにくくなっているベーン1に動き始めるキッカケを与える機能と、低圧側のベーン1を強制的に押し出す機能を呈する。従って、このベーンポンプVは、ピン20が支えとなり起動時における吐出圧や送り出し量の変動を招くことがない。また、ピン収容孔17,18とピン20との隙間は比較的狭いので、高粘性液Lが前記隙間を通って低圧側の溝内空間5aに至ることはなく、溝内空間5aに導かれた高圧の高粘性液Lが低圧側のベーン1に影響を及ぼしたりしない。
ここで、本実施形態のベーン1を用いたベーンポンプVによる実施例を説明する。この実施例は図6に示す試験装置40を用いて行った。前記の試験装置40は、高粘性液Lを貯留した貯槽44と、貯槽44の株式会社に接続された入側管41と、吸込管23に入側管41が連結されたベーンポンプVまたはWと、ベーンポンプVまたはWの吐出管24に連結されて高粘性液Lを貯槽44に戻すための出側管42と、出側管42の途中に配備された絞り弁43と、貯槽44内の高粘性液Lの水温を検出する温度計TIと、ベーンポンプVまたはWを駆動するモータMの駆動電流値を検出する電流計AIと、ベーンポンプVまたはWのロータ14の回転数rpmを検出する回転数計RIと、ベーンポンプVまたはWの吐出管24から絞り弁43までの出側管42内の液圧を検出する圧力計PIと、出側管42内を流れる高粘性液Lの流量を検出する流量計FIと、から構成されている。ここでは、実施例としてのベーンポンプV、または比較例としてのベーンポンプW(図9参照)を利用し、例えば粘度約8000cP(25℃)のチョコレートを高粘性液Lとして用いた。
先ず、ベーンポンプVを用いた実施例は、試験装置40において、モータMの駆動によりロータ軸13が回転し、その回転数が600rpmに保持される。そこで、絞り弁43が絞られて吐出管24出側の吐出圧力が0.025MPaに設定され、このとき得られた吐出量(59.0L/min)と電流値(3.59A)がそれぞれ記録された(実施例1)。以下同様にして、吐出圧力(MPa)が、0.102(実施例2)、0.200(実施例3)、0.300(実施例4)、0.402(実施例5)、0.501(実施例6)にそれぞれ変更設定され、得られた吐出量と電流値がそれぞれ記録された(実施例2〜実施例6)。
ベーンポンプWを用いた比較例も、ロータ軸13の回転数が固定(600rpm)で、吐出圧力(MPa)が、0.030、0.100、0.200、0.300、0.400、0.500にそれぞれ変更設定され、得られた吐出量と電流値がそれぞれ記録された(比較例1〜比較例6)。
これらの実施例および比較例の結果を、下記の表1に示す。
Figure 2017190694
斯かる表1のうち、吐出圧力に対する吐出量または電流値の関係を図7のグラフに表した。表1および図7のグラフによれば、吐出圧力が大小によらず、ベーンポンプVとベーンポンプWの電流値はほぼ同程度であった。しかしながら、吐出量に関しては、吐出圧力の全域にわたりベーンポンプVの方がベーンポンプWよりも大きかった。特に、吐出圧力が高くなってもベーンポンプVの吐出量はさほど低下せず、ベーンポンプWの吐出量との差が大きくなっている。すなわち、吐出圧力0.500MPa近辺では、ベーンポンプWの2倍近い吐出量になっている。これは、所要動力値が同程度でありながら、高い吐出圧力になるほどベーン1における圧力導入用溝2の奥底面3が受ける分力F2が大きくなり、ケーシング12の内周面への押付け力を大きくさせてリークロスが小さくなったことを表している。
尚、上記では、先端面1Bの前端辺4と末端面1Cの後端辺5よりも前方位置とを結ぶ傾斜角θの奥底面3が形成された圧力導入用溝2を有するベーン1を例示したが、本発明の圧力導入手段はそれに限定されない。例えば、図8(a)に示すように、先端面1Bの前端辺4と末端面1Cの後端辺5とを結ぶ傾斜角θ1の奥底面3aが形成された圧力導入用溝2aを有するベーン1aであってもよい。この場合、末端面1Cの面積は最も小さくなる。
あるいは、図8(b)に示すように、先端面1Bにおける前端辺4の後方位置と末端面1Cにおける後端辺5の前方位置とを結ぶ傾斜角θ2の奥底面3bが形成された圧力導入用溝2bを有するベーン1bであっても構わない。この場合、先端面1Bの面積がベーン1aの先端面1Bよりも小さくなる。
または、図8(c)に示すように、先端面1Bの前端辺4の後方位置と末端面1Cの後端辺5の前方位置とを結ぶ傾斜角θ3の奥底面3cが形成された圧力導入用溝2cを有するベーン1cであってもよい。この場合、従来のベーン51と近い形状の圧力導入用溝を有することになる。
そして、図8(d)に示すように、前端辺4近傍の前面1Aの上部と末端面1Cの後端辺5の前方位置とを結ぶ傾斜角θ4の奥底面3dが形成された圧力導入用溝2dを有するベーン1dであっても構わない。この場合、圧力導入用溝2dの上部開口位置は、高圧側位置のロータ14(2点鎖線)の外周面から露出した位置にある。
因みに、圧力導入用溝2〜2dの傾斜角は、大きな順にθ1(ベーン1a)>θ(ベーン1)≒θ2(ベーン1b)>θ4(ベーン1d)>θ3(ベーン1c)となっていて、当該順に分力F2も大きくなる。それにしても、ベーン1は先端面1Bおよび末端面1Cの面積を最も広く採れるので最適となる。
上記のように、特徴的な圧力導入用溝2〜2dがベーン1〜1dに設けられているので、既存のベーンポンプのロータ14に対し既存のベーンから本実施形態のベーン1〜1dに取り替えるだけで、前述したような性能アップが図れるという効果を得られる。また、配管の接続態様を逆にし、かつ、ロータ軸13を逆回転させて、吐出側と吸込側とを逆にして用いたい場合でも、ベーン1〜1dをベーン収容溝15に対し、単に前後逆向きに差し替えるだけで済むという利点がある。
1,1a,1b,1c,1d ベーン
1A 前面
1B 先端面(上面)
1C 末端面(下面)
2,2a,2b,2c,2d 圧力導入用溝
3,3a,3b,3c,3d 奥底面
4 前端辺
5 後端辺
10 ベーン本体
12 ケーシング
13 ロータ軸
14 ロータ
15 ベーン収容溝
15a 溝内空間(下方空間)
25 サイドプレート
26 サイドプレート
28 ポンプ室
C 軸心
E 軸心
F 力線
F1 分力線
F2 分力線
L 高粘性液
V ベーンポンプ
θ,θ1,θ2,θ3,θ4 傾斜角

Claims (3)

  1. 矩形板状に形成されたベーン本体から成り、ベーンポンプのロータに使用される際に前記ベーン本体の前面がロータ回転方向前向きに配置されるベーンであって、
    前記ベーン本体の上部と前記ベーン本体の下面の下方とを連通する圧力導入用溝が前記ベーン本体の前面に刻設されるとともに、前記圧力導入用溝は前記ベーン本体の下面に近づくほど深くなるように傾斜して形成されていることを特徴とするベーン。
  2. 前記圧力導入用溝は、前記ベーン本体の前面と上面が交わる前端辺と前記ベーン本体の下面の前後途中位置とを結んで形成されている請求項1に記載のベーン。
  3. 略円筒状のケーシングと、前記ケーシングの端面を封止して前記ケーシング内にポンプ室を形成するサイドプレートと、前記ケーシング内で当該ケーシングの軸心から偏心した位置に回転自在に設けられたロータと、前記ロータに複数形成されたベーン収容溝にそれぞれ半径方向に出没自在に収容されるベーンを有するベーンポンプにおいて、前記ベーンとして請求項1または請求項2に記載のベーンが用いられ、前記ベーンの圧力導入用溝が、前記ベーン収容溝において前記ベーンの下面よりも奥部にある溝内空間とロータ回転方向前方の前記ポンプ室とを連通しているベーンポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019210881A (ja) * 2018-06-06 2019-12-12 株式会社ジェイテクト ベーンポンプ

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