JP2012192786A - 照射制御装置および照射制御システム - Google Patents

照射制御装置および照射制御システム Download PDF

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修 遠藤
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Abstract

【課題】配光パターンの形成または移動にアクチュエータを用いる車両用前照灯において適切な配光パターンを形成する。
【解決手段】照射制御装置において、スイブル制御部は、車両前方を撮像して生成された画像データを用いて目標スイブル角を決定する。スイブル制御部は、スイブルアクチュエータに作動のためのパルス信号を供給することにより、車両用前照灯の光軸を目標スイブル角に近づける。スイブル制御部は、車両前方を撮像して生成された画像データを用いて検出された最大照度位置を取得する。スイブル制御部は、光軸を目標スイブル角に近づけるべくスイブルアクチュエータにパルス信号が供給されたときにおいても、検出された最大照度位置A2が、供給したステップ数から想定される想定最大照度位置Atに位置していない場合、想定最大照度位置Atに位置するようスイブルアクチュエータにパルス信号を供給してスイブル角を補正する。
【選択図】図4

Description

本発明は、照射制御技術に関し、特に自動車など車両に搭載される車両用前照灯の照射制御技術に関するものである。
従来より、スイブル制御およびレベリング制御が可能な車両用照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。スイブル制御では、車両の旋回方向に照射方向が向くよう、舵角クセンサなどの検出結果を用いて車両用前照灯の光軸の水平方向の角度を制御する。レベリング制御では、前方車へのグレア付与を回避すべく、車高センサなどの検出結果などを用いて車両用前照灯の光軸の鉛直方向の角度を制御する。これらの制御では、目標となる変更角度をまず決定し、モータなどのアクチュエータに制御信号を与えてその変更角度だけ灯具を回転させる。例えばグレアの付与を回避すべき対象物を含むよう遮光領域を形成すべくアクチュエータを作動させてシェードを移動させる車両用前照灯も知られている。
特開2002−326536号公報
しかしながら、灯具の配置や回転機構の不具合などにより、例えば灯具の初期位置における光軸が本来の方向からずれている場合や、アクチュエータに与えた制御信号に相当する角度に満たない角度しか灯具が回転しない場合も生じ得る。この場合、スイブル制御またはレベリング制御により目標の変更角度だけ灯具を回転させるべくアクチュエータに制御信号を与えた後においても、灯具は目標とする照射方向に光を照射することができない場合が生じ得る。
また、アクチュエータの作動により遮光領域を形成可能な車両用前照灯では、グレアの付与を回避すべき対象物を遮光領域に含めるようアクチュエータに制御信号を与えた場合においても、アクチュエータに不具合が生じると、遮光領域を適切に形成することができず遮光領域に対象物が含まれない事態も生じ得る。この場合、対象物にグレアを与える可能性がある。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、配光パターンの形成または移動にアクチュエータを用いる車両用前照灯において適切な配光パターンを形成することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の照射制御装置は、所定の入力データを用いて目標照射方向を決定し、アクチュエータの作動によって光の照射方向を変更可能な車両用前照灯にアクチュエータを作動させるための制御信号を供給することにより、車両用前照灯による光の照射方向を目標照射方向に近づける照射制御部を備える。照射制御部は、車両前方を撮像して生成された画像データを用いて検出された車両用前照灯による光の照射位置を取得し、光の照射方向を目標照射方向に近づけるべく車両用前照灯に制御信号が供給されたときにおいても、検出された照射位置が所定基準を満たさない場合、所定基準を満たすよう車両用前照灯による光の照射方向を補正する。
この態様によれば、光の照射方向を変更した後においても、その照射方向を画像データを利用して補正することができる。このため、例えば灯具の初期位置における光軸が本来の方向からずれている場合や、アクチュエータに与えた制御信号に相当する角度に満たない角度しか車両用前照灯が回転しない場合においても、光の照射方向を目標照射方向に適切に近づけることができる。
照射制御部は、車両前方を撮像して生成された画像データを用いて検出された車両用前照灯による光の最大照度位置を照射位置としてを取得し、光の照射方向を目標照射方向に近づけるべく車両用前照灯に制御信号を供給したときにおいても、検出された最大照射位置が所定基準を満たさない場合、所定基準を満たすよう車両用前照灯による光の照射方向を補正してもよい。画像データを用いる場合、最大照度位置は配光パターン全体の位置よりもより簡易に特定することができる。このためこの態様によれば、簡易に光の照射位置を特定することができる。
本発明の別の態様もまた、照射制御装置である。この装置は、所定の入力データを用いて目標照射方向を決定し、アクチュエータの作動によって光の照射方向を変更可能な車両用前照灯にアクチュエータを作動させるための制御信号を供給することにより、車両用前照灯による光の照射方向を目標照射方向に近づける照射制御部と、車両前方を撮像して生成された画像データを用いて検出された車両用前照灯による光の照射位置を取得し、光の照射方向を目標照射方向に近づけるべく車両用前照灯に制御信号が供給されたときにおいても、検出された照射位置が所定基準を満たさない場合、エラーの発生を報知する報知装置にエラー信号を送信する報知制御部と、を備える。
この態様によれば、例えば灯具の初期位置における光軸が本来の方向からずれている場合や、アクチュエータに与えた制御信号に相当する角度に満たない角度しか灯具が回転しない場合において、その旨を運転者などに適切に報知することができる。このため運転者は、このような不具合を迅速に修理することが可能になる。
本発明の別の態様もまた、照射制御装置である。この装置は、所定の入力データを用いて形成すべき遮光領域を決定し、アクチュエータの作動によってシェードを移動させてシェードによる遮光領域を形成可能な車両用前照灯のアクチュエータに作動のための制御信号を供給することにより遮光領域を形成する照射制御部を備える。照射制御部は、車両前方を撮像して生成された画像データを用いて検出された遮光領域を取得し、遮光領域を形成すべくアクチュエータに制御信号が供給されたときにおいても、検出された遮光領域が所定基準を満たさない場合、遮光領域が所定基準を満たすようアクチュエータに制御信号を供給して遮光領域を補正する。
この態様によれば、アクチュエータの作動により遮光領域を形成する車両用前照灯において、遮光領域を形成した後においても、その遮光領域を画像で確認して補正することができる。このため、例えばグレアの付与を回避すべき対象物を含むよう遮光領域を形成すべくアクチュエータを作動させた場合においても、アクチュエータの不具合などにより、形成された遮光領域に対象物が含まれていなかった場合においても、対象物を含むよう遮光領域を適切に補正することができる。
本発明によれば、配光パターンの形成または移動にアクチュエータを用いる車両用前照灯において適切な配光パターンを形成することができる。
第1の実施形態に係る前照灯ユニットの概略鉛直断面図である。 照射制御システムの構成を模式的に示す機能ブロック図である。 第1の実施形態に係る車両用灯具システムのオートレベリング制御の実行手順を示すフローチャートである。 車両用前照灯によって形成されるロービーム用配光パターンPLを示す図である。 第2の実施形態に係る照射制御システムによる照射位置補正制御の実行手順を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る照射制御システムによる照射位置補正制御の実行手順を示すフローチャートである。 車両用前照灯によって形成されるロービーム用配光パターンPLを示す図である。 第4の実施形態に係る照射制御システムによる照射位置補正制御の実行手順を示すフローチャートである。 車両用前照灯によって形成されるロービーム用配光パターンPLを示す図である。 第5の実施形態に係る照射制御システムによる照射位置補正制御の実行手順を示すフローチャートである。 車両用前照灯によって形成される可変配光パターンPAを示す図である。 (a)は、補正制御実行前の回転シェードの状態と、補正制御実行前の回転シェードによって遮光される、投影レンズの後方焦点面上の第1光源像PS1と、を示す図である。(b)は、第1光源像PS1によって投影レンズを通じて投影される第1可変配光パターンPA1を示す図である。 (a)は、補正制御実行後の回転シェードの状態と、補正制御実行後の回転シェードによって遮光される、投影レンズの後方焦点面上の第1光源像PS1と、を示す図である。(b)は、第1光源像PS1によって投影レンズを通じて投影される第1可変配光パターンPA1を示す図である。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る前照灯ユニットの概略鉛直断面図である。車両には、前方左側に左前照灯ユニット210L、右側に右前照灯ユニット210Rが装着される。図1は、右前照灯ユニット210Rを例として示している。左前照灯ユニット210Lは、左前照灯ユニット210Lと左右対称に構成されている。以下、右前照灯ユニット210Rと左前照灯ユニット210Lとを適宜、前照灯ユニット210と総称する。前照灯ユニット210は、ロービーム用光源として機能する。なお、前照灯ユニット210がロービーム用光源およびハイビーム用光源のいずれにも機能するよう設けられていてもよい。
前照灯ユニット210は、車両用前照灯205および照射制御部228を有する。車両用前照灯205は、車両前方側に開口部を有するランプボディ212と、この開口部を覆う透光カバー214とを有する。ランプボディ212は、その車両後方側にバルブ14の交換時等に取り外すことができる着脱カバー212aを有する。ランプボディ212と透光カバー214とによって灯室216が形成されている。灯室216には、光を車両前方に照射する灯具ユニット10が収納されている。
灯具ユニット10は、回転シェード12を含むシェード機構18、光源としてのバルブ14、リフレクタ16を内壁に支持する灯具ハウジング17、および投影レンズ20を備える。バルブ14は、第1の実施形態では白熱灯が採用されている。ただし、例えば、ハロゲンランプ、放電灯、LED(Light Emitting Diode)など他の光源がバルブ14に採用されてもよい。リフレクタ16は、バルブ14から放射された光を反射する。バルブ14からの光およびリフレクタ16で反射した光は、その一部が回転シェード12を経て投影レンズ20へと導かれる。
リフレクタ16は、その少なくとも一部が楕円球面状であり、この楕円球面は、灯具ユニット10の光軸Axを含む断面形状が楕円形状の少なくとも一部となるように設定されている。リフレクタ16の楕円球面状部分は、バルブ14の略中央に第1焦点を有し、投影レンズ20の後方焦点面上に第2焦点を有する。
投影レンズ20は、車両前後方向に延びる光軸Ax上に配置される。バルブ14は、投影レンズ20の後方焦点を含む焦点面である後方焦点面よりも後方側に配置される。投影レンズ20は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズからなり、後方焦点面上に形成される光源像を、反転像として前照灯ユニット210前方の仮想鉛直スクリーン上に投影する。なお、灯具ユニット10の構成は特にこれに限定されず、投影レンズ20を持たない反射型の灯具ユニットなどであってもよい。
シェード機構18は、回転シェード12を有する。回転シェード12は、水平方向且つ光軸Axと垂直に延在する回転軸12aを中心に回転可能に形成されている。回転シェード12は、回転軸12aを中心に回転可能な円筒形状の部材であり、軸方向に一部が切り欠かれた切欠部と、複数のシェードプレート(図示せず)とを備える。切欠部またはシェードプレートのいずれかが光軸Ax上に移動されて、所定の配光パターンが形成される。この所定の配光パターンには、ロービーム用配光パターンも含まれる。
灯具ユニット10の下面には、曲線道路走行時などに進行方向を照らす曲線道路用配光可変前照灯などを構成するためのスイブルアクチュエータ222の回転軸222aが固定されている。スイブルアクチュエータ222は、ユニットブラケット224に固定されている。スイブルアクチュエータ222には、ステッピングモータが採用されている。なお、スイブルアクチュエータ222に他のモータや他のアクチュエータが採用されてもよい。スイブルアクチュエータ222は、作動することにより鉛直方向に延在する回転軸222aを中心に灯具ユニット10を回動させる。
灯具ユニット10の一部には、当該灯具ユニット10の上下左右方向の揺動中心となるピボット機構218aを有するランプブラケット218が形成されている。ランプブラケット218は、ランプボディ212の壁面に回転自在に支持されたエイミング調整ネジ220と螺合している。したがって、灯具ユニット10は、エイミング調整ネジ220の調整状態で定められた灯室216内の所定位置に固定されるとともに、その位置を基準にピボット機構218aを中心として、前傾姿勢または後傾姿勢等に姿勢変化可能に構成されている。
ユニットブラケット224には、ランプボディ212の外部に配置されたレベリングアクチュエータ226が接続されている。レベリングアクチュエータ226には、ステッピングモータが採用されている。なお、レベリングアクチュエータ226に他のモータまたは他のアクチュエータが採用されてもよい。
レベリングアクチュエータ226は、作動することによりロッド226aを光軸Axと平行に移動させる。ロッド226aが光軸Axと平行に伸長すると、灯具ユニット10は、ピボット機構218aを中心として後傾姿勢または前傾姿勢になるように揺動する。このようにレベリングアクチュエータ226が作動することで、光軸Axのピッチ角度、すなわち、光軸Axの上下方向の角度を上方または下方に向けるレベリング調整ができる。
照射制御部228は、灯室216の内部において、灯具ユニット10下方の灯室216の内壁面上に配置されている。なお、照射制御部228が灯室216の外部に配置されていてもよい。照射制御部228は、可変シェードモータ238、スイブルアクチュエータ222、レベリングアクチュエータ226の作動、およびバルブ14の点灯を制御する。
図2は、照射制御システム200の構成を模式的に示す機能ブロック図である。図2はCPU、ROM、RAMなどのハードウェア、およびソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックが描かれている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェアおよびソフトウェアの組合せによって様々な形で実現することができる。照射制御システム200は、左前照灯ユニット210L、右前照灯ユニット210Rの他に、車両300に設けられた車両制御部302、ライトスイッチ304、カメラ306、画像処理部308、舵角センサ310、ナビゲーション装置316、および車高センサ314を含む。
カメラ306は、例えばフロントガラスの内側など車両内部に設置されている。撮像装置であるカメラ306は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを含み、撮像して得られた画像を画像データとして出力する。カメラ306には、ステレオカメラが採用されている。なお、カメラ306に他のカメラが採用されてもよい。カメラ306は、車両前方を撮像し、静止画または動画の画像データを生成する。
画像処理部308は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMを有する。画像処理部308は、カメラ306によって撮像された画像データを取得し、画像処理を施す。この画像処理により、画像処理部308は、車両前方に存在する、グレアの付与を回避すべき前方車や歩行者などの対象物を検出する。したがって画像処理部308は、対象物検出部として機能する。対象物が検出された場合、その位置を含む情報を車両制御部302に入力する。
舵角センサ310は、ステアリングセンサとも呼ばれ、運転者によって操作されたステアリングホイールの回転角度を検出する。車高センサ314は、車両300の各車輪付近に設けられ、各設置個所における車高を検出することで、左前照灯205Lおよび右前照灯205Rの各々の光軸の基準方向に対する傾斜角度を検出する。
ナビゲーション装置316は、GPS(Global Positioning System)により車両300の位置を検出する。ナビゲーション装置316はハードディスクなどの記憶装置(図示せず)を有し、記憶装置に地図情報を記憶している。ナビゲーション装置316は、さらに車両300の客室内部に設けられたディスプレイを有する。ナビゲーション装置316は、検出された車両300の位置を、周辺の地図とともにディスプレイに表示する。
ライトスイッチ304は、車両運転席付近に設けられる。運転者は、ライトスイッチ304を操作することにより、ロービーム用配光パターンの形成やハイビーム用配光パターンの形成を指示することができる。
車両制御部302もまた、CPU、ROM、RAMを有する。車両制御部302は、ライトスイッチ304の操作に応じて、ロービーム用配光パターンの形成要求またはハイビーム用配光パターンの形成要求を取得する。車両制御部302は、画像処理部308から対象物の位置情報を取得する。また、車両制御部302は、舵角センサ310および車高センサ314の各々の検出結果を取得する。さらに車両制御部302はナビゲーション装置316にも接続されており、ナビゲーション装置316から現在走行中の道路や周辺の道路などを含む地図情報を取得する。
左前照灯ユニット210Lは、照射制御部228Lおよび左前照灯205Lを含む。右前照灯ユニット210Rは、照射制御部228Rおよび右前照灯205Rを含む。照射制御部228Lは照射制御部228Rと同様に構成される。以下、左前照灯ユニット210Lを説明することにより右前照灯ユニット210Rの説明は省略する。
照射制御部228Lは、可変シェード制御部232、スイブル制御部234、レベリング制御部236、および点灯制御部237を有する。可変シェード制御部232は、可変シェードモータ238の作動を制御することにより、形成される配光パターンを選択する。スイブル制御部234は、舵角センサ310の検出結果を用いてスイブルアクチュエータ222の作動を制御することにより、車両用前照灯205の水平照射方向であるレベリング角を制御する。レベリング制御部236は、車高センサ314の検出結果を用いてレベリングアクチュエータ226の作動を制御することにより、車両用前照灯205の垂直照射方向であるレベリング角を制御する。点灯制御部237は、ロービーム用配光パターンの形成要求またはハイビーム用配光パターンの形成要求を取得したときに、バルブ14の点灯回路に点灯信号を出力してバルブ14を点灯させる。
車両制御部302は、舵角センサ310の検出結果を用いて舵角を算出し、算出結果のデータを照射制御部228に送信する。スイブル制御部234は、舵角センサ310から受信した舵角を用いて、目標水平照射方向として目標スイブル角を決定する。具体的には、スイブル制御部234は、舵角が大きいほど目標スイブル角も大きくなるよう舵角と目標スイブル角とが対応付けられたマップを保持しており、このマップを参照して舵角に対応する目標スイブル角を決定する。スイブル制御部234は、決定した目標スイブル角だけ灯具ユニット10を回転させるために必要なステップ数の信号をスイブルアクチュエータ222に与える。第1の実施形態では、スイブル角とは、車両300が直進しているときの光軸Axの初期方向に対する、スイブルアクチュエータ222作動後の光軸Axの水平方向の角度をいう。こうしてスイブル制御部234は、車両用前照灯205による光の照射方向を車両300の旋回方向に適切に近づけることができる。
また、車両制御部302は、車高センサ314の検出結果を用いて基準方向に対する光軸Axの鉛直方向の角度である車両傾斜角度を算出し、算出結果のデータを照射制御部228に送信する。レベリング制御部236は、舵角センサ310から受信した光軸Axの鉛直方向の角度を用いて、目標水平照射方向として目標レベリング角を決定する。具体的には、レベリング制御部236は、車両傾斜角度が大きいほど目標レベリング角も大きくなるよう車両傾斜角度と目標レベリング角とが対応付けられたマップを保持しており、このマップを参照して車両傾斜角度に対応する目標レベリング角を決定する。レベリング制御部236は、決定した目標レベリング角だけ灯具ユニット10を回転させるために必要なステップ数の信号をレベリングアクチュエータ226に与える。こうしてレベリング制御部236は、車両用前照灯205による光の照射方向を光軸Axの基準方向に適切に近づけることができる。
しかしながら、灯具ユニット10の配置にずれが生じていることで、例えば灯具ユニット10の初期位置における光軸Axが本来の方向からずれている場合ば生じ得る。また、スイブルアクチュエータ222またはレベリングアクチュエータ226の不具合などにより、これらのアクチュエータに与えた制御信号に相当する角度に満たない角度しか灯具ユニット10が回転しない場合も生じ得る。この場合、スイブル制御またはレベリング制御により目標の変更角度だけ灯具を回転させるべくアクチュエータに制御信号を与えた後においても、灯具は目標とする照射方向に光を照射することができない可能性がある。
このため、画像処理部308は、取得した画像データを用いて車両用前照灯による光の照射位置を検出する。このとき画像処理部308は、照射位置検出部としても機能する。照射制御部228は、車両前方を撮像して生成された画像データを用いて検出された車両用前照灯205による光の照射位置を取得する。照射制御部228は、光の照射方向を目標照射方向に近づけるべくスイブルアクチュエータ222またはレベリングアクチュエータ226に制御信号が供給されたときにおいても、検出された照射位置が所定基準を満たさない場合、所定基準を満たすようスイブルアクチュエータ222またはレベリングアクチュエータ226に制御信号を供給して車両用前照灯205による光の照射方向を補正する。
具体的には、画像処理部308は、車両前方を撮像して生成された画像データを用いて検出された車両用前照灯205による光の最大照度位置を照射位置として検出する。最大照度位置を検出するのは、ロービーム用配光パターンPL全体の形状から特定するよりも容易に照射位置を特定できるからである。なお、照射位置の特定方法がこれに限られないことは勿論であり、例えばロービーム用配光パターンPLの全体の形状から照射位置を特定してもよい。検出された最大照度位置は、車両制御部302を介して照射制御部228に送信される。
光の照射方向を目標スイブル角に近づけるべくスイブルアクチュエータ222に制御信号が供給されたときにおいても、検出された最大照度位置が所定基準を満たさない場合、スイブル制御部234は、所定基準を満たすようスイブルアクチュエータ222に制御信号をさらに供給して車両用前照灯205による光の水平照射方向を補正する。以下、この制御方法について図3および図4に関連して詳細に説明する。
図3は、第1の実施形態に係る車両用灯具システムのオートレベリング制御の実行手順を示すフローチャートである。このフローチャートにおける処理は、車両300のイグニッションスイッチがオンにされている間において、ライトスイッチ304の操作よってロービーム用配光パターンの形成要求が取得されたときに開始し、前照灯ユニット210の消灯要求が取得されたときまで所定時間毎に繰り返し実行される。
スイブル制御部234は、舵角センサ310の検出結果に基づいて車両300が旋回中か否かを判定する(S10)。旋回中でない場合(S10のN)、本フローチャートにおける処理を一旦終了する。旋回中の場合(S10のY)、スイブル制御部234は、旋回方向に車両用前照灯205の光軸Axを向けるため、目標スイブル角を決定する(S12)。目標スイブル角が決定されると、スイブル制御部234は、目標スイブル角に車両用前照灯205の光軸Axを向けるために必要なステップ数だけパルス信号をスイブルアクチュエータ222に供給してスイブルを実行する(S14)。
スイブルが実行されると、スイブル制御部234は、画像データ用いて検出された最大照射位置が目標スイブル角に適した適切位置か否かを判定する(S16)。最大照射位置が適切位置の場合(S16のY)、本フローチャートにおける処理は一旦終了される。移動後の最大照射位置が適切位置でない場合(S16のN)、スイブル制御部234は、移動後の最大照度位置が異常条件を満たすか否かを判定する(S18)。
ここで、図4に関連して、最大照射位置が適切位置か否か、および異常条件を満たすか否かの判定方法について説明する。図4は、車両用前照灯205によって形成されるロービーム用配光パターンPLを示す図である。図4に示す例では、直進していた車両300が右に旋回を始めたため、舵角に応じた目標スイブル角を決定し、目標スイブル角に応じたパルス信号をスイブルアクチュエータ222に供給して車両用前照灯205による光の照射方向を右方向に移動させたときの状態を示している。この例では、照射方向の移動前は最大照射位置がA1に位置していたロービーム用配光パターンPLは、最大照度位置はA2となる位置まで移動している。
一方、スイブル制御部234は、目標スイブル角と、その目標スイブル角に車両用前照灯205を向けたときに最大照度位置が位置すべき想定最大照度位置Atとの対応関係を示すマップを保持している。スイブル制御部234は、このマップを保持して、最大照度位置が位置すべき想定最大照度位置Atを特定する。
スイブル制御部234は、検出された最大照度位置であるA2と想定最大照度位置Atとを比較する。スイブル制御部234は、A2とAtの水平方向距離xが所定の許容距離以下か否かを判定することで、最大照射位置が適切位置か否かを判定する。この許容距離は、スイブル制御部234が予め保持している。例えばスイブルアクチュエータ222に不具合が生じて、目標スイブル角未満の角度しか車両用前照灯205を回転させることができない虞がある。このような場合においても、カメラ306によって撮像された画像データを利用してこのように想定最大照度位置AtとA2比較することで、スイブルが適切に実行されているかを確認することが可能となる。
また、スイブル制御部234は、上述のA2とAtの水平方向距離xが所定の異常距離以上か否かを判定することで、異常条件を満たすか否かを判定する。この異常距離は、例えば車両300直進時の最大照度位置の基準位置であるA1と想定最大照度位置Atとの距離に50%や3分2といった所定割合を掛けた距離を異常距離として設定されていてもよい。
図3に戻る。このように光の照射方向を目標スイブル角に近づけるべくスイブルアクチュエータ222にパルス信号が供給されたときにおいても、検出された最大照度位置が異常条件を満たす場合(S18のY)、補正スイブルを実行しても光の照射位置を適正に補正することは困難と考えられるため、スイブル制御部234は、補正スイブルの実行を回避し、エラー信号を車両制御部302に出力する(S20)。なお、このときも補正スイブルを実行してもよい。車両制御部302は、車両300に設けられた警告ランプの点灯を制御する。車両制御部302は、エラー信号を受信すると、車両に設けられた警告灯を点灯させる。したがって車両制御部302および警告灯は、エラーの発生を報知する報知装置として機能する。また、照射制御部228は、エラーの発生を報知すべくエラー信号を出力する報知制御部としても機能する。
異常条件を満たさない場合(S18のN)、スイブル制御部234は、想定最大照度位置Atまで最大照度位置を移動させるべくスイブルアクチュエータ222に再びパルス信号を供給する補正スイブルを実行する(S22)。具体的には、スイブル制御部234は、上述のA2とAtの水平方向距離xだけ光の照射位置を移動させるための補正スイブル角を算出する。スイブル制御部234は、算出した補正スイブル角だけ光軸Axを移動させるために要するステップ数のパルス信号をスイブルアクチュエータ222へ供給することにより、補正スイブルを実行する。このように車両前方を撮像した画像データを利用して、スイブル実行後の照射位置が適切か否かを判断することができ、適切でない場合に照射位置を補正することが可能となる。
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係る照射制御システム200による照射位置補正制御の実行手順を示すフローチャートである。なお、特に言及しない限り、照射制御システム200の構成および動作は第1の実施形態と同様である。このフローチャートにおける処理は、車両300のイグニッションスイッチがオンにされている間において、ライトスイッチ304の操作よってロービーム用配光パターンの形成要求が取得されたときに開始し、前照灯ユニット210の消灯要求が取得されたときまで所定時間毎に繰り返し実行される。
図5に示すフローチャートは、S16がS30となった以外は図3に示すフローチャートと同様である。スイブルが実行されると、スイブル制御部234は、最大照射位置が車線形状が適した適切位置か否かを判定する(S30)。最大照射位置が適切位置の場合(S30のY)、本フローチャートにおける処理は一旦終了される。移動後の最大照射位置が適切位置でない場合(S30のN)、スイブル制御部234は、移動後の最大照度位置が異常条件を満たすか否かを判定する(S18)。
ここで、図4に関連して、最大照射位置が適切位置か否かについて説明する。画像処理部308は、カメラ306から取得した画像データを用いて、車両前方に延在する車線の形状を特定する。スイブル制御部234は、車両制御部302を介して、特定された車線形状を取得する。なお、スイブル制御部234は、ナビゲーション装置316が保持する地図情報を利用して車線形状を特定してもよい。このような車線形状特定技術は公知であるため説明を省略する。画像処理部308は、特定した車線形状に基づいて、光を照射すべき最適照射位置を特定する。
例えば画像処理部308は、車線が直線のときの車線の中心と、特定した車線の中心と、を結ぶ直線と同じ方向に同じ距離だけA1を移動させた個所を最適照射位置として特定してもよい。例えばカーブにおいても車線の曲率は一定でない場合も多いため、舵角に基づいてスイブルを実行した場合においても、実際の車線形状に適した照射位置となっていない可能性がある。このように舵角によるスイブル実行後に車線形状に基づいて照射位置をさらに補正することにより、照射位置をさらに適切な位置に移動させることができる。
(第3の実施形態)
図6は、第3の実施形態に係る照射制御システム200による照射位置補正制御の実行手順を示すフローチャートである。なお、特に言及しない限り、照射制御システム200の構成および動作は第1の実施形態と同様である。このフローチャートにおける処理は、車両300のイグニッションスイッチがオンにされている間において、ライトスイッチ304の操作よってロービーム用配光パターンの形成要求が取得されたときに開始し、前照灯ユニット210の消灯要求が取得されたときまで所定時間毎に繰り返し実行される。
レベリング制御部236は、車高センサ314の検出結果を用いて、レベリングの実行が必要か否かを判定する(S50)。レベリングの実行が必要でない場合(S50のN)、本フローチャートにおける処理を一旦終了する。レベリングの実行が必要な場合(S50のY)、レベリング制御部236は、目標レベリング角を決定する(S52)。目標レベリング角が決定されると、レベリング制御部236は、車両用前照灯205による光の照射方向を目標レベリング角に近づけるべくレベリングアクチュエータ226にパルス信号を供給してレベリングを実行する(S54)。
レベリングが実行されると、レベリング制御部236は、前方車や歩行者などグレアの付与を回避すべき対象物があるか否かを判定する(S56)。対象物がない場合(S56のN)、本フローチャートにおける処理を一旦終了する。対象物がある場合(S56のY)、レベリング制御部236は、その対象物にグレアを与える位置にロービーム用配光パターンPLが形成されているか否かを判定する(S58)。
対象物にグレアを与える場合(S58のY)、レベリング制御部236は、対象物にグレアを与えない位置までロービーム用配光パターンPLを下げるようレベリングアクチュエータ226にパルス信号を供給してレベリング角補正を実行する(S60)。対象物にグレアを与えない場合(S58のN)、S60はスキップする。
以下、図7に関連して、対象物にグレアを与える位置にロービーム用配光パターンPLが形成されているか否かの判定方法について説明する。図7は、車両用前照灯205によって形成されるロービーム用配光パターンPLを示す図である。図7に示す例では、直線の車線が車両前方において緩やかな下り坂にさしかかり、対象物が水平線(以下「H−H線」という)よりも下方に位置したときの状態を示している。
一方、車高センサ314の検出結果を用いてレベリングを実行しているため、上方のカットオフラインがH−H線と概ね重なる位置にロービーム用配光パターンPLが配置されている。このため、このままではロービーム用配光パターンPLによって対象物にグレアを与える可能性がある。
このため、まず画像処理部308は、カメラ306から取得した画像データを用いて対象物の位置を特定する。この特定方法は公知であるため説明を省略する。対象物が検出された場合、その位置を含む情報は車両制御部302を介して照射制御部228に送信される。一方、画像処理部308は、車両前方を撮像して生成された画像データを用いて検出された最大照度位置を照射位置として検出する。検出された最大照度位置は、車両制御部302を介して照射制御部228に送信される。
レベリング制御部236は、最大照度位置から上方のカットオフラインまでの距離を保持している。レベリング制御部236は、受信した最大照度位置の上方にその距離を加算することで、ロービーム用配光パターンPLの上方のカットオフラインの位置を特定する。なお、カットオフラインの位置の特定方法がこれに限られないことは勿論である。レベリング制御部236は、受信した対象物の位置がカットオフラインよりも下方か否かを判定することで、対象物にグレアを与える可能性があるか否かを判定する。対象物がカットオフラインよりも下方に存在する場合、レベリング制御部236は、補正基準を満たしたとして、対象物がカットオフラインよりも上方となるよう、レベリングアクチュエータ226にパルス信号を供給して車両用前照灯205による光の垂直照射方向を補正し、ロービーム用配光パターンPLを下方に移動させる。
このように、目標レベリング角だけ車両用前照灯205による光の照射方向を適正に変化させた場合においても、補正基準を満たす場合は、車両用前照灯205による光の照射方向を補正する。これにより、対象物へのグレアの付与を回避できる。
(第4の実施形態)
図8は、第4の実施形態に係る照射制御システム200による照射位置補正制御の実行手順を示すフローチャートである。なお、特に言及しない限り、照射制御システム200の構成および動作は第1の実施形態と同様である。
スイブル制御やレベリング制御を繰り返し実行すると、初期位置においても光軸Axが徐々にずれていく可能性がある。このため第4の実施形態では、光軸Axが初期方向を向いたとき、すなわち車両用前照灯205が初期位置に位置したときにゼロ点補正を実行する。
以下、フローチャートにしたがってゼロ点補正の手順を詳細に説明する。このフローチャートにおける処理は、車両300のイグニッションスイッチがオンにされている間において、ライトスイッチ304の操作よってロービーム用配光パターンの形成要求が取得されたときに開始し、前照灯ユニット210の消灯要求が取得されたときまで所定時間毎に繰り返し実行される。
照射制御部228は、車両用前照灯205がスイブル初期位置にあるか否かを判定する(S100)。スイブル初期位置とは、スイブル角がゼロ度のときの車両用前照灯205の回転軸222aを中心とした回転方向位置をいう。照射制御部228は、舵角センサ310によって検出された舵角がゼロ度か否かを判定することで、スイブル初期位置か否かを判定する。なお、ポテンショメータなどでスイブル角ゼロ度が検出されたか否かでスイブル初期位置か否かを判定してもよい。スイブル初期位置でない場合(S100のN)、本フローチャートにおける処理を一旦終了する。
スイブル初期位置の場合(S100のY)、照射制御部228は、車両用前照灯205がレベリング初期位置か否かを判定する(S102)。レベリング初期位置とは、車両300の垂直傾斜角度がゼロ度のときの車両用前照灯205のピボット機構218aを中心とした回転方向位置をいう。照射制御部228は、車高センサ314の検出結果を用いて車両300の垂直傾斜角度がゼロ度か否かを判定することで、レベリング初期位置か否かを判定する。レベリング初期位置でない場合(S102のN)、本フローチャートにおける処理を一旦終了する。
レベリング初期位置の場合(S102のY)、照射制御部228は、補正タイミングか否かを判定する(S104)。照射制御部228は、前回のゼロ点補正実行から1回以上スイブルまたはレベリングが実行されているときは補正タイミングと判定し、前回のゼロ点補正実行から1回もスイブルおよびレベリングが実行されていない場合は、補正タイミングでないと判定する。スイブルもレベリングも実行されていなければ、前回のゼロ点補正実行時から光軸Axにずれが生じている可能性は低いと考えられるからである。なお、補正タイミングがこれに限られないことは勿論であり、例えばライトスイッチ304がオンにされたタイミングでゼロ点補正を実行してもよく、スイブル角またはレベリング角を変化させて車両用前照灯205をスイブル初期位置およびレベリング初期位置に戻したときを毎回補正タイミングとしてもよい。補正タイミングでない場合(S104のN)、本フローチャートにおける処理を一旦終了する。
補正タイミングの場合(S104のY)、照射制御部228は、最大照度位置は許容範囲内か否かを判定する(S106)。最大照度位置が許容範囲外の場合(S106のN)、照射制御部228は、最大照度位置が許容範囲内となるようスイブルアクチュエータ222またはレベリングアクチュエータ226にパルス信号を供給してゼロ点補正実行する(S108)。最大照度位置が許容範囲内の場合(S106のY)、照射制御部228は、S108をスキップしてゼロ点補正を回避する。なお、このような補正が行われるのは、車両用前照灯205がスイブル初期位置およびレベリング初期位置にある「ゼロ点」にあるときに限定されるものではなく、車両用前照灯205の光軸Axが他の方向に向いているときに同様の補正が実行されてもよい。また、スイブル角のゼロ点補正とレベリング角のゼロ点補正を別々に実行してもよい。
以下、図9に関連して、ゼロ点補正の実行方法について説明する。図9は、車両用前照灯205によって形成されるロービーム用配光パターンPLを示す図である。図9に示す例では、車両用前照灯205がスイブル初期位置およびレベリング初期位置にあるときのロービーム用配光パターンPLを示している。照射制御部228は、車両用前照灯205が設計上のスイブル初期位置にあるときに位置すべきロービーム用配光パターンPLの水平方向の初期位置を保持する。また、照射制御部228は、車両用前照灯205が設計上のレベリング初期位置にあるときに位置すべきロービーム用配光パターンPLの垂直方向の初期位置を保持する。照射制御部228は、ロービーム用配光パターンPLの初期位置として、車両用前照灯205がスイブル初期位置およびレベリング初期位置にあるときの最大照度位置A0を保持する。なお、ロービーム用配光パターンPLの初期位置の特定方法がこれに限られないことは勿論である。
照射制御部228は、車両用前照灯205を初期位置に位置させたときに検出された最大照度位置A1が、保持された最大照度位置の初期位置A0に対して所定の許容範囲R外となるとき、ゼロ点補正基準を満たすとして、検出された最大照度位置A1を、保持された最大照度位置の初期位置A0に近づけるよう、スイブルアクチュエータ222またはレベリングアクチュエータ226にパルス信号を供給して車両用前照灯による光の照射方向を補正する。これにより、車両用前照灯205の光軸Axのずれを補正することができる。
(第5の実施形態)
図10は、第5の実施形態に係る照射制御システム200による照射位置補正制御の実行手順を示すフローチャートである。なお、特に言及しない限り、照射制御システム200の構成および動作は上述の実施形態と同様である。
第5の実施形態では、画像処理部308は、カメラ306からの画像データを用いて、前方車や歩行者などグレアの付与を回避すべき対象物の存在を検出する。画像処理部308は、検出された対象物の位置を、車両制御部302を介して照射制御部228に送信する。
可変シェード制御部232は、受信した対象物の位置を用いて、その遮光領域への光の照射を回避するよう、形成すべき遮光領域を決定する。可変シェード制御部232は、可変シェードモータ238に制御信号を供給することにより、回転シェード12に設けられた羽根の位置を切り替えて、遮光領域を形成する。したがって可変シェード制御部232は、灯具ユニット10による光の照射を制御する照射制御部としても機能する。
しかし、例えば回転シェード12の取り付け位置が正確でない場合などは、決定した遮光領域を形成するよう回転シェード12を回転させても、依然として対象物に光が照射される可能性がある。
このため第5の実施形態では、画像処理部308は、カメラ306からの画像データを用いて、シェード機構18によって形成された遮光領域の形状および位置を取得し、車両制御部302を介して照射制御部228に送信する。可変シェード制御部232は、検出された遮光領域を取得し、遮光領域を形成すべく可変シェードモータ238に制御信号が供給されたときにおいても、検出された遮光領域が所定基準を満たさない場合、遮光領域が所定基準を満たすよう可変シェードモータ238に制御信号を供給して遮光領域を補正する。具体的には、可変シェード制御部232は、検出された遮光領域と対象部の位置とを用いて対象物が遮光領域外に位置しているかを判定する。対象物が遮光領域外に位置している場合、可変シェード制御部232は、上記所定基準を満たさないとして、可変シェードモータ238に制御信号を供給して、遮光領域内に対象物が位置するよう遮光領域を補正する。
以下、図10に示すフローチャートに関連してこの制御について詳細に説明する。このフローチャートにおける処理は、車両300のイグニッションスイッチがオンにされている間において、ライトスイッチ304の操作よって可変ハイビーム用配光パターンの形成要求が取得されたときに開始し、可変ハイビーム用配光パターンの形成中止要求、または前照灯ユニット210の消灯要求が取得されたときまで所定時間毎に繰り返し実行される。
可変シェード制御部232は、車両制御部302を介して画像処理部308から前方車や歩行者などグレアの付与を回避すべき対象物の位置を取得したかを判定することにより、そのような対象物が車両前方に存在するか否かを判定する(S150)。そのような対象物がない場合(S150のN)、本フローチャートにおける処理を終了する。そのような対象物が存在する場合(S150のY)、可変シェード制御部232は、その対象物への光の照射を回避するようその対象物を含む遮光領域を形成する遮光制御を実行する(S152)。具体的には、可変シェード制御部232は、回転シェード12を回転させて、光軸Ax近傍に位置する羽根を切り替えることで、遮光領域を形成する。このような遮光領域の形成方法は公知であるため詳細な説明は省略する。
画像処理部308は、こうして形成された遮光領域の形状および位置を車両制御部302を介して照射制御部228に送信する。可変シェード制御部232は、受信した遮光領域の形状および位置と、対象物の存在位置とを比較し、対象物が遮光領域外に位置し当該対象物に光が照射されているか否かを判定する(S154)。対象物が遮光領域外に位置しているため対象物の存在位置に光が照射されている場合(S154のY)、可変シェード制御部232は、対象物が内部に位置するよう遮光領域の形成を補正する補正制御を実行する(S156)。対象物の存在位置に光が照射でないと判定された場合(S154のN)、S156の補正制御をスキップして本フローチャートにおける処理を終了する。
ここで、図11〜図13に関連して、遮光領域の補正制御について説明する。図11は、車両用前照灯205によって形成される可変配光パターンPAを示す図である。可変配光パターンPAは、右前照灯205Rによって形成される第1可変配光パターンPA1と、左前照灯205Lによって形成される第2可変配光パターンPA2とが重なり合うことで形成される。第1可変配光パターンPA1は、ロービーム用配光パターンに、そのロービーム用配光パターンの水平方向に伸びるカットオフラインのうち右側の部分から上方に突出する第1突出部PA11を設けた形状に形成される。第2可変配光パターンPA2は、ロービーム用配光パターンに、そのロービーム用配光パターンの水平方向に伸びるカットオフラインのうち左側の部分から上方に突出する第2突出部PA21を設けた形状に形成される。これにより、第1突出部PA11の左縁部である第1縦カットオフラインL1と第2突出部PA21の右縁部である第2縦カットオフラインL2との間に遮光領域Sが形成される。
画像処理部308は、カメラ306からの画像データを用いて遮光領域Sの形状および位置を特定し、車両制御部302を介してその結果を照射制御部228に送信する。具体的には、画像処理部308は、第1縦カットオフラインL1の位置と第2縦カットオフラインL2の位置とを、遮光領域Sの形状および位置として照射制御部228に送信する。照射制御部228は、第1縦カットオフラインL1と第2縦カットオフラインL2との間に前方車が位置しているかを判定することで、前方車が遮光領域Sの内部に位置しているか、その一部が外部に位置しているかを判定する。
図11は、対象物である前方車へのグレアの付与を回避するよう遮光領域Sを設ける遮光制御を実行したにもかかわらず、前方車が遮光領域Sの外部にその一部が位置している場合を示している。この場合、可変シェード制御部232は、シェード機構18を作動させ、回転シェード12を回転させることで、前方車が内部に位置するよう遮光領域Sの形状を補正する。
図12(a)は、補正制御実行前の回転シェード12の状態と、補正制御実行前の回転シェード12によって遮光される、投影レンズ20の後方焦点面上の第1光源像PS1と、を示す図である。図12(a)は、回転シェード12より後方から前方を見た図を示している。図12(b)は、第1光源像PS1によって投影レンズ20を通じて投影される第1可変配光パターンPA1を示す図である。このときの回転シェード12の羽根は、第1縦カットオフラインL1を形成する縁部L3を有する。図11に示す例では、第1縦カットオフラインL1をさらに右側に移動させる必要があることから、縁部L3よりもさらに左側に縁部を有する羽根に切り替える必要がある。
図13(a)は、補正制御実行後の回転シェード12の状態と、補正制御実行後の回転シェード12によって遮光される、投影レンズ20の後方焦点面上の第1光源像PS1と、を示す図である。図13(a)は、回転シェード12より後方から前方を見た図を示している。図13(b)は、第1光源像PS1によって投影レンズ20を通じて投影される第1可変配光パターンPA1を示す図である。
可変シェード制御部232は、補正制御において、縁部L3よりも左側の縁部L4を有する羽根によって第1光源像PS1が形成されるよう、可変シェードモータ238に制御信号を与えて回転シェード12を回転させる。これにより、図13(b)に示すように第1縦カットオフラインL1を右側に移動させることができ、前走車が外部に位置するよう遮光領域Sを形成することができる。
なお、回転シェード12を回転させるシェード機構18に代えて、投影レンズ20の後方焦点面近傍においてシェードを水平方向に移動させるシェード機構が設けられてもよい。このようなシェード機構は公知であるため説明を省略する。この場合においても、可変シェード制御部232は、検出された遮光領域と対象部の位置とを用いて対象物が遮光領域外に位置しているかを判定する。対象物が遮光領域外に位置している場合、可変シェード制御部232は、シェードを水平方向に移動させるためのモータなどのアクチュエータに制御信号を供給して、遮光領域内に対象物が位置するよう遮光領域を補正する。このように水平方向にシェードを移動させる場合においても、遮光領域を補正して対象物に与えるグレアを抑制することができる。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を本実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。
10 灯具ユニット、 16 リフレクタ、 20 投影レンズ、 200 照射制御システム、 205 車両用前照灯、 210 前照灯ユニット、 222 スイブルアクチュエータ、 226 レベリングアクチュエータ、 228,228L,228R 照射制御部、 234 スイブル制御部、 236 レベリング制御部、 237 点灯制御部、 300 車両、 302 車両制御部、 304 ライトスイッチ、 306 カメラ、 308 画像処理部、 310 舵角センサ、 314 車高センサ、 316 ナビゲーション装置。

Claims (5)

  1. 所定の入力データを用いて目標照射方向を決定し、アクチュエータの作動によって光の照射方向を変更可能な車両用前照灯の前記アクチュエータに作動のための制御信号を供給することにより、前記車両用前照灯による光の照射方向を前記目標照射方向に近づける照射制御部を備え、
    前記照射制御部は、車両前方を撮像して生成された画像データを用いて検出された前記車両用前照灯による光の照射位置を取得し、光の照射方向を目標照射方向に近づけるべく前記アクチュエータに制御信号が供給されたときにおいても、検出された照射位置が所定基準を満たさない場合、前記所定基準を満たすよう前記アクチュエータに制御信号を供給して前記車両用前照灯による光の照射方向を補正することを特徴とする照射制御装置。
  2. 前記照射制御部は、車両前方を撮像して生成された画像データを用いて検出された前記車両用前照灯による光の最大照度位置を前記照射位置として取得し、検出された最大照射位置が前記所定基準を満たさない場合、前記所定基準を満たすよう前記車両用前照灯による光の照射方向を補正することを特徴とする請求項1に記載の照射制御装置。
  3. 所定の入力データを用いて目標照射方向を決定し、アクチュエータの作動によって光の照射方向を変更可能な車両用前照灯に前記アクチュエータを作動させるための制御信号を供給することにより、前記車両用前照灯による光の照射方向を前記目標照射方向に近づける照射制御部と、
    車両前方を撮像して生成された画像データを用いて検出された前記車両用前照灯による光の照射位置を取得し、光の照射方向を目標照射方向に近づけるべく前記車両用前照灯に制御信号が供給されたときにおいても、検出された照射位置が所定基準を満たさない場合、エラーの発生を報知する報知装置にエラー信号を送信する報知制御部と、
    を備えることを特徴とする照射制御装置。
  4. 所定の入力データを用いて形成すべき遮光領域を決定し、アクチュエータの作動によってシェードを移動させて前記シェードによる遮光領域を形成可能な車両用前照灯の前記アクチュエータに作動のための制御信号を供給することにより前記遮光領域を形成する照射制御部を備え、
    前記照射制御部は、車両前方を撮像して生成された画像データを用いて検出された前記遮光領域を取得し、前記遮光領域を形成すべく前記アクチュエータに制御信号が供給されたときにおいても、検出された前記遮光領域が所定基準を満たさない場合、前記遮光領域が前記所定基準を満たすよう前記アクチュエータに制御信号を供給して前記遮光領域を補正することを特徴とする照射制御装置。
  5. 灯具と、前記灯具の姿勢を変化させるアクチュエータと、を有する車両用前照灯と、
    車両前方を撮像して画像データを生成する撮像装置と、
    前記アクチュエータに制御信号を供給することにより前記車両用前照灯による光の照射方向を変更させる照射制御装置と、
    を備え、
    前記照射制御装置は、
    所定の入力データを用いて目標照射方向を決定し、アクチュエータの作動によって光の照射方向を変更可能な車両用前照灯の前記アクチュエータに作動のための制御信号を供給することにより、前記車両用前照灯による光の照射方向を前記目標照射方向に近づける照射制御部を有し、
    前記照射制御部は、車両前方を撮像して生成された画像データを用いて検出された前記車両用前照灯による光の照射位置を取得し、光の照射方向を目標照射方向に近づけるべく前記アクチュエータに制御信号が供給されたときにおいても、検出された照射位置が所定基準を満たさない場合、前記所定基準を満たすよう前記車両用前照灯による光の照射方向を補正することを特徴とする照射制御システム。
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