本願発明を詳細に説明する前に、本願における用語の意味を説明すると次の通りである。
ウエハとは、半導体素子または集積回路の製造に用いる単結晶シリコン基板(一般にほぼ平面円形状)、SOI(Silicon On Insulator)基板、エピタキシャル基板、サファイア基板、ガラス基板、その他の絶縁、反絶縁または半導体基板等並びにそれらの複合的基板をいう。また、本願において半導体装置というときは、シリコンウエハやサファイア基板等の半導体または絶縁体基板上に作られるものだけでなく、特に、そうでない旨明示された場合を除き、TFT(Thin Film Transistor)およびSTN(Super-Twisted-Nematic)液晶等のようなガラス等の他の絶縁基板上に作られるもの等も含むものとする。
デバイス面もしくは素子形成面とは、ウエハの主面であって、その面にリソグラフィにより、複数のチップ領域に対応するデバイスパターンが形成される面をいう。
コントラストとは、画面中に表現されている白と黒の対比のこという。また、その現れる様子を階調(tone)という。高コントラストというのは、明暗や濃淡の差がはっきりしていることで、鮮明度ともいう。
指向特性とは、LEDの明るさ強度の方向依存性を相対値で表したものをいう。明るさ強度がピーク値の50%である角度を指向角半値幅と呼び、指向特性の鋭さを表す目安となる。
正反射とは、鏡のようなワーク面に照射され、そのまま反射されて像を映し出すことをいい、またその光を正反射光という。
散乱光とは、被写体と衝突あるいは相互作用して方向を変えられた光をいう。たとえば、純白の紙に照射した光はさまざまな方向に散乱するため、紙には映像は映らないし、透明なガラスのように透き通って紙の向こう側の物が見えたりしないが、それでも光は散乱され、紙の表裏とも明るく見える。これが散乱光であり、散乱反射光または散乱透過光ともいう。
平行光とは、光線が広がらずにどこまでも平行に進む光をいう。遠い宇宙から地球に照射される太陽光も平行光に極めて近い。被写体に対して照射角のばらつきの小さい光である。
照度とは、あるものの表面が、光源から受ける光量を表すものをいう。単位面積当りに入射する光束で与えられ、単位としてlx(ルクス)を用いる。照度(lx)=光束(lm:ルーメン)/面積(m2)である。
輝度とは、光源のある方向に対する明るさをいう。照度が光を照射されたものの明るさを表すのに対して、輝度は、いくら離れていても距離は無関係で、単位はcd(カンデラ)/m2を用いる。
同軸落射照明もしくは同軸照明とは、ハーフミラー(透過鏡)を用いてカメラと同じ光軸にて被写体に光を照射する照明をいい、正反射(照明をレンズの光軸と平行に当てて垂直に返ってくる反射)で映像を作る。
拡散フィルタもしくは拡散板とは、光源から出る光を拡散し、照明むらを低減させる乳白色等の色のフィルタもしくは板状治具をいう。
リング照明とは、リング形状で斜め上方から照射する照明をいう。
同軸スポット照明とは、小さい面積を明るく照射できる高輝度の同軸照明をいう。
面発光照明とは、面型の発光面より均一な照射を行う照明をいい、チップLEDを面実装した薄型フラット照明または拡散板により照射光が均一化される構造を有する。
鏡筒とは、対物レンズ等が取り付けられている筒状の成型品のことをいい、所定個所以外からの光の侵入および内面での光の反射を防ぐ構造となっている。
コレットとは、ダイシング等によりウエハを個々のチップに分割した後で、1個ずつチップを移送するために使用する吸着保持具をいう。
チップ突き上げとは、ウエハを個々のチップに分割した後、チップを個々に分離吸着して移送する際に、ウエハの裏面に貼付されていた粘着テープ越しにチップを裏面側から針状のピン等で突き上げることをいう。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、実施例等において構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、材料等について言及するときは、特にそうでない旨明記したとき、または、原理的または状況的にそうでないときを除き、特定した材料は主要な材料であって、副次的要素、添加物、付加要素等を排除するものではない。たとえば、シリコン部材は特に明示した場合等を除き、純粋なシリコンの場合だけでなく、添加不純物、シリコンを主要な要素とする2元、3元等の合金(たとえばSiGe)等を含むものとする。
また、本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
また、本実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするために部分的にハッチングを付す場合がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態1は、配線基板上にチップを実装する半導体パッケージの製造に適用したものであり、その製造方法を図1〜図32を用いて工程順に説明する。
まず、図1に示すような単結晶シリコンからなるウエハ1Wの主面に集積回路を形成した後、格子状のスクライブライン(分割領域)によって区画された複数のチップ形成領域(チップ領域)1CAのそれぞれに形成された集積回路の電気試験を行い、その良否を判定する。
次に、図2に示すように、ウエハ1Wの集積回路形成面(図の下面側)に集積回路保護用のバックグラインドテープ3を貼り付ける。そして、この状態でウエハ1Wの裏面(図の上面側)をグラインダで研削し、続いて、この研削によって生じた裏面のダメージ層を、ウエットエッチング、ドライポリッシング、プラズマエッチングなどの方法によって除去することにより、ウエハ1Wの厚さを100μm以下、たとえば20μm〜90μm程度まで薄くする。前記ウエットエッチング、ドライポリッシング、プラズマエッチングなどの処理方法は、ウエハの厚さ方向に進行する処理速度が、グラインダによる研削の速度に比べて遅い反面、ウエハ内部に与えるダメージがグラインダによる研削に比較して小さいだけでなく、グラインダによる研削で発生したウエハ内部のダメージ層を除去することができ、ウエハ1Wおよびチップが割れにくくなるという効果がある。
次に、バックグラインドテープ3を除去した後、図3に示すように、ウエハ1Wの裏面(集積回路形成面の反対側の面)にチップを配線基板へ実装する際の接着剤となるDAF(Die Attach Film(図示は省略))を貼付し、さらにそのDAF上に厚さ60μm〜120μm程度のダイシングテープ(粘着テープ)4を貼り付け、この状態でダイシングテープ4の周辺部をウエハリング5に固定する。ダイシングテープ4に前もってDAFが貼付されているものにウエハ1Wを貼り付ける方法を用いることも多い。ダイシングテープ4は、ポリオレフィン(PO(透明または半透明))、ポリ塩化ビニル(PVC(透明または青色半透明))、ポリエチレンテレフタレート(PET(透明または半透明))などからなるテープ基材の表面に粘着剤を塗布して粘着性(tackness)を持たせた円形に裁断したものでUV硬化型粘着剤やアクリル系粘着剤を使用している場合も多い。
次に、図4に示すように、ダイシングブレード6を使ってウエハ1Wをダイシングすることにより、前記複数のチップ形成領域1CAのそれぞれを正方形のチップ1Cに分割する。この時、分割されたそれぞれのチップ1Cを円形のダイシングテープ4上に残しておく必要があるので、ダイシングテープ4は、その厚さ方向に数十μmのみ切り込む。なお、ダイシングテープ4としてUV硬化型粘着テープを使用した場合は、以下で説明するチップ1Cの剥離工程に先立ってダイシングテープ4に紫外線を照射し、粘着剤の粘着力を低下させておく。
次に、図5(平面図)および図6(断面図)に示すように、ウエハリング5に固定したダイシングテープ4の上方に押さえ板7を配置すると共に、下方にエキスパンドリング8を配置する。そして、図7に示すように、ウエハリング5の上面に押さえ板7を押し付けると同時に、ダイシングテープ4の裏面の周辺部をエキスパンドリング8で上方に押し上げる。このようにすると、ダイシングテープ4(の粘着面)は、その中心部から周辺部に向かう強い張力を受けるので、水平方向に弛みなく引き伸ばされる。
次いで、個々のチップ1Cの配線基板上へのダイボンディングを行う。ここで、図8は、そのダイボンディングを行うダイボンダの説明図であり、図9は、本実施の形態1におけるダイボンディング工程の詳細(工程P1〜P12)を説明するフローチャートである。
図8に示すように、個々のチップ1Cへと分割されたウエハ1Wは、たとえばウエハカセットWCに収容されて本実施の形態1のダイボンダまで搬送されてセットされる。ウエハカセットWCから取り出されたウエハ1Wは、XYテーブルHT上に載置され、XYテーブルHTは、水平方向で動作することによって、吸着コレットを含むボンディングヘッドBHによってピックアップされるチップ1Cが所定の位置に配置されるように調整する。配線基板11は、基板カセットFC1に収容された状態でダイボンダにセットされ、1枚ずつ基板カセットFC1から取り出され、搬送レールTRに沿ってチップ1Cがダイボンディングされる所定位置まで搬送され、チップ1Cのダイボンディングが完了すると基板カセットFC2へ収容される。
図10に示すように、ウエハ1Wが載置されたXYステージHTの中央には、駆動機構(図示は省略)によって水平方向および上下方向に移動する吸着駒102が配置されている。ダイシングテープ4は、その裏面が吸着駒102の上面と対向するように保持される。本実施の形態1では、この吸着駒102でダイシングテープ4の裏面を吸着しつつチップ1Cのダイシングテープ4からの剥離を行う。
図11は吸着駒102の断面図、図12は吸着駒102の上面近傍の拡大断面図、図13は吸着駒102の上面近傍の拡大斜視図である。
吸着駒102の上面の周辺部には、複数の吸引口103と、同心円状に形成された複数の溝104とが設けられている。溝104を設けずに吸引口103を全体に多く配置してもかまわない。吸引口103および溝104のそれぞれの内部は、吸着駒102を上昇させてその上面をダイシングテープ4の裏面に接触させる際、吸引機構(図示は省略)によって−90kPa〜−60kPaの吸引力で減圧される。このとき、ダイシングテープ4の裏面が下方に吸引され、吸着駒102の上面と密着する。
なお、ダイシングテープ4を下方に吸引する際、上記溝104の幅や深さが大きいと、剥離の対象となるチップ1Cに隣接するチップ1Cの下方のダイシングテープ4が溝104に吸引された際、隣接するチップ1Cとその下方のダイシングテープ4との界面が溝104の上部領域で剥離することがある。特に、比較的粘着力が弱い粘着剤を使用したダイシングテープ4では、このような剥離が生じ易い。このような現象が発生すると、剥離の対象となるチップ1Cをダイシングテープ4から剥がしている作業中に、隣接するチップ1Cがダイシングテープ4から脱落してしまうことがあるので、好ましくない。そこで、このような現象が発生するのを防ぐには、上記溝104の幅や深さをできるだけ小さくし、隣接するチップ1Cの下方のダイシングテープ4と吸着駒102の上面との間にできるだけ隙間が生じないようにすることが有効である。
吸着駒102の中心部には、ダイシングテープ4を上方に突き上げる第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cが組み込まれている。直径が最も大きい第1のブロック110Aの内側に、それよりも径の小さい第2のブロック110Bが配置され、さらにその内側に最も径の小さい第3のブロック110Cが配置されている。後述するように、3個の第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cは、外側の第1のブロック110Aと中間の第2のブロック110Bとの間に介在する第1の圧縮コイルばね111A、中間の第2のブロック110Bと内側の第3のブロック110Cとの間に介在し、上記第1の圧縮コイルばね111Aよりもばね定数の大きい第2の圧縮コイルばね111B、および第3のブロック110Cに連結され、図示しない駆動機構によって上下動するプッシャ112と連動して上下動するようになっている。
上記3個の第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cのうち、最も径の大きい外側の第1のブロック110Aは、剥離の対象となるチップ1Cよりも一回り(たとえば0.5mm〜3mm程度)径の小さいものを使用するとよい。たとえば、チップ1Cが正方形である場合には、それよりも一回り小さい正方形とすることが望ましい。また、チップ1Cが長方形である場合には、それよりも一回り小さい長方形とすることが望ましい。これにより、第1のブロック110Aの上面の外周となる角部がチップ1Cの外縁よりもわずかに内側に位置するようになるので、チップ1Cとダイシングテープ4とが剥離する際の起点となる箇所(チップ1Cの最外周部)に両者を剥離させる力を集中させることができる。
また、第1のブロック110Aの上面は、ダイシングテープ4との接触面積を確保するために、平坦な面または大きな局率半径を有する面にすることが望ましい。第1のブロック110Aの上面とダイシングテープ4との接触面積が小さい場合は、第1のブロック110Aの上面によって下から支えられるチップ1Cの周辺部に大きな曲げ応力が集中するので、チップ1Cの周辺部が割れる虞がある。
上記第1のブロック110Aの内側に配置された中間の第2のブロック110Bは、第1のブロック110Aよりも1mm〜3mm程度小さい径を有している。また、この第2のブロック110Bよりもさらに内側に配置された最も径の小さい第3のブロック110Cは、中間の第2のブロック110Bよりもさらに1mm〜3mm程度小さい径を有している。本実施の形態1では、加工の容易さなどを考慮して、中間の第2のブロック110Bおよび内側の第3のブロック110Cのそれぞれの形状を円柱状にしたが、外側の第1のブロック110Aと同じく四角柱状あるいはそれに近い形状にしてもよい。3個の第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cのそれぞれの上面の高さは、初期状態(第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cの非動作時)においては互いに等しく、また吸着駒102の上面周辺部の高さとも等しくなっている。
図12に拡大して示すように、吸着駒102の周辺部と外側の第1のブロック110Aとの間、および3個の第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cの間には、隙間(S)が設けられている。これらの隙間(S)の内部は、図示しない吸引機構によって減圧されるようになっており、吸着駒102の上面にダイシングテープ4の裏面が接触すると、ダイシングテープ4が下方に吸引され、第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cの上面と密着するようになっている。
また、本実施の形態1のダイボンダは、カメラ(撮像手段)CAM1を備えているが、このカメラCAM1の機能、構造および動作等の詳細については後述する。
本実施の形態1のダイボンディング工程では、まず、ウエハカセットWCから取り出されたウエハ1WがXYテーブルHT上に載置されてチップ1Cのピックアップが行われる基準位置まで搬送される(以降、この動作をウエハローディング(工程P1)と記す)。次いで、ウエハ1Wの配置位置がその基準位置と正確に一致するように微調整(ウエハアライメント)を行う(工程P2)。
次に、ウエハ1Wが載置されたXYテーブルHTを所定ピッチでピッチ移動(ウエハピッチ)させ、水平に保持することによって、最初にピックアップされるチップ1Cをピックアップ位置に配置する(工程P3)。
次いで、カメラCAM1によってピックアップ対象のチップ(第1の半導体チップ)1Cの主面(上面)を撮影し、取得した画像からピックアップ対象のチップ1Cの上記ピックアップ位置からの位置ずれ量を算出する(工程P4)。この位置ずれ量を基にウエハ1Wが載置されたXYテーブルHTを移動させ、ピックアップ対象のチップ1Cをピックアップ位置に正確に配置する。取得したチップ1Cの画像(第1の画像)から、チップ1Cの位置が認識できなかった場合には、後述する工程P5へ進み、認識できた場合には、位置ずれを修正した後に後述する工程P8へ進む。
ここで、図14は、カメラCAM1およびピックアップ対象のチップ1Cに画像撮影用の光を照射するライティング機構の配置を示す説明図である。
図14に示すように、カメラCAM1は鏡筒KT1の一端と接続され、鏡筒KT1の他端には対物レンズ(図示は省略)が取り付けられ、この対物レンズを通してチップ1Cの主面の画像を撮影する構成となっている。鏡筒KT1の対物レンズが取り付けられた端部の周囲にはリング照明RL1が取り付けられており、このリング照明RL1は、カメラCAM1によって取得するチップ1Cの画像が不鮮明な場合などに適宜点灯される補助照明としての役割を有している。
鏡筒KT1とチップ1Cとの間には、面発光照明(第1の光源、第1の面発光光源)SSL1、拡散板(第1の拡散板)KB1およびハーフミラー(半透過鏡)TK1を内部に備えた鏡筒KT2が配置されている。面発光照明SSL1からの照射光は、拡散板KB1を透過することによって散乱光となり、その散乱光は、ハーフミラーTK1によってカメラCAM1と同じ光軸で反射され、チップ1Cに照射される。カメラCAM1と同じ光軸でチップ1Cに照射されたその散乱光(第1の照射光)は、チップ1Cで反射し、そのうちの正反射光(第1の反射光)がハーフミラーTK1を透過してカメラCAM1に達し、チップ1Cの映像を形成する。すなわち、鏡筒KT2は、同軸落射照明(同軸照明)の機能を有している。
ところで、ウエハ1Wを形成していたシリコンとウエハ1W上に成膜された薄膜との間で熱膨張率が異なることから、チップ1Cが、たとえば100μm程度以下にまで薄くなると、それらシリコンと薄膜との間で生じる応力によって、チップ1Cに反りが生じてしまう場合がある。また、このチップ1Cの反りは、チップ1Cが薄くなるほど顕著になる。このような場合において、チップ1Cの主面のうちの小さい面積のみに光を照射する構成であると、チップ1Cの主面内での照度のばらつきが大きくなり、チップ1Cの画像が部分的に不鮮明となってしまい、ピックアップ対象のチップ1Cが前述のピックアップ位置に正確に配置されているか否かが判定できなくなってしまう不具合が懸念される。
上記のように、本実施の形態1では、それ自体で照射面積が大きくなる面発光照明SSL1からの照射光を、さらに拡散板KB1を透過させることによって照明むらが低減された拡散光とし、その照明むらが低減された拡散光をチップ1Cの主面に照射している。そのため、チップ1Cの主面のうちの大きな面積に光源(面発光照明SSL1)からの照射光を照射することが可能となる。その結果、チップ1Cで反射し鏡筒KT1内を進む正反射光は、大きな面積でカメラCAM1に入射することになり、チップ1Cの画像が部分的に不鮮明となってしまうことを防ぐことができるので(図15参照)、ピックアップ対象のチップ1Cがピックアップ位置に正確に配置されているか否かを容易に判定することが可能となる。本発明者らが行った実験によれば、図14に示した構成でチップ1Cの主面の画像を取得した場合には、チップ1Cの厚さが50μm〜70μm程度にまで薄くなった場合でも、鮮明な画像を取得することができた。
面発光照明SSL1および拡散板KB1を用いた上記の本実施の形態1の構成に対して、図16に示すような同軸スポット照明DSL1を用いた構成の場合には、同軸スポット照明DSL1から照射された平行光がハーフミラーTK1によってカメラCAM1と同じ光軸で反射され、小さい面積でチップ1Cに照射される。そのため、チップ1Cに反りが生じていると、チップ1Cからの反射光のうち、相対的にチップ1Cの外周に近い領域からの反射光は鏡筒KT1外へ反射されるので、鏡筒KT1内に入射する正反射光成分はチップ1Cへの照射光より小さい面積でカメラCAM1に入射することになり、チップ1Cの画像は部分的に、特に外周部が不鮮明になってしまうことになる(図17参照)。前述したように、本実施の形態1によれば、このような不具合を防ぐことができる。
前記工程P4において、ピックアップ対象のチップ1Cの位置が認識できなかった場合には、前記リング照明RL1を点灯もしくは消灯する等の手段により、チップ1Cへの光の照射条件を変えた状況下で再びカメラCAM1によってピックアップ対象のチップ1Cの主面を撮影し、取得した画像からピックアップ対象のチップ1Cの上記ピックアップ位置からの位置ずれ量を算出する(工程P5)。この位置ずれ量を基にウエハ1Wが載置されたXYテーブルHTを移動させ、ピックアップ対象のチップ1Cをピックアップ位置に正確に配置するのは工程P4の時と同様である。取得したチップ1Cの画像から、チップ1Cの位置が認識できなかった場合には、後述する工程P6へ進み、認識できた場合には、位置ずれを修正した後に後述する工程P8へ進む。
前記工程P5において、ピックアップ対象のチップ1Cの位置が認識できなかった場合には、カメラCAM1によって取得した画像から、ダイシングテープ4上においてピックアップ対象のチップ1Cが存在しないことを確認する(工程P6)。ピックアップ対象のチップ1Cが存在しないということは、既にピックアップ済みということである。ここで、ピックアップ対象のチップ1Cの有無が不明と判定された場合には、エラーを出力し、ダイボンディング工程を中止する(工程P7)。本実施の形態1においては、前述したようにチップ1Cの画像が不鮮明になってしまうことを防ぐことができるので、ピックアップ対象のチップ1Cが存在している場合には、前述の工程P6に進んでしまうことを防ぐことができるので、工程P7のエラー出力に進んでしまうことを大幅に低減することができる。すなわち、本実施の形態1の半導体装置の生産性を大幅に向上することが可能となる。また、この工程P7でピックアップ対象のチップ1Cが存在しないことが確認された場合には、再び工程P3を実施することによって、ウエハ1Wが載置されたXYテーブルHTを所定ピッチでピッチ移動(ウエハピッチ)させ、次にピックアップされるチップ1Cをピックアップ位置に配置する。
ピックアップ対象のチップ1Cが正確にピックアップ位置に配置された後、カメラCAM1によって取得した画像から、チップ1Cの外観検査を行う(工程P8)。ここで、チップ1Cの外観に問題なしと判定された場合には後述する工程P9へ進み、問題ありと判定された場合には、そのチップ1Cをスキップした後に再び工程P3を実施することによって、ウエハ1Wが載置されたXYテーブルHTを所定ピッチでピッチ移動(ウエハピッチ)させ、次にピックアップされるチップ1Cをピックアップ位置に配置する。
上記外観検査によって問題なしと判定された場合には、ピックアップ対象のチップ1Cが良品か否かを判定する(工程P9)。この時、チップ1Cに対しては、予めプローブ検査等が行われており、不良品であった場合には、インク等により主面にマークが付与されている。カメラCAM1によって取得した画像から、このマークを認識した場合には、ピックアップ対象のチップ1Cを不良品と判定し、再び工程P3を実施することによって、ウエハ1Wが載置されたXYテーブルHTを所定ピッチでピッチ移動(ウエハピッチ)させ、次にピックアップされるチップ1Cをピックアップ位置に配置する。
上記工程P9を経て良品と判定されたピックアップ対象のチップ1Cは、吸着コレットを含むボンディングヘッドBHによってダイシングテープ4からピックアップされ、配線基板11にダイボンディングされる。
吸着コレットを含むボンディングヘッドBHと吸着駒102とによってチップ1Cをダイシングテープ4から剥離するには、まず、図18に示すように、剥離の対象となる1個のチップ1C(同図の中央部に位置するチップ1C)の真下に吸着駒102の中心部(第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110C)を移動させると共に、このチップ1Cの上方に吸着コレット105を移動させる。ボンディングヘッドBHに支持された吸着コレット105の底面の中央部には、内部が減圧される吸着口106が設けられており、剥離の対象となる1個のチップ1Cのみを選択的に吸着、保持できるようになっている。
次に、図19に示すように、吸着駒102を上昇させてその上面をダイシングテープ4の裏面に接触させると共に、前述した吸引口103、溝104および隙間(S)の内部を減圧する。これにより、剥離の対象となるチップ1Cと接触しているダイシングテープ4が第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cの上面に密着する。また、このチップ1Cに隣接する他のチップ1Cと接触しているダイシングテープ4が吸着駒102の上面周辺部に密着する。なお、このとき、吸着駒102を僅かに(たとえば400μm程度)突き上げると、前述した押さえ板7とエキスパンドリング8によって水平方向の張力が加えられているダイシングテープ4に対して、さらに張力を加えることができるので、吸着駒102とダイシングテープ4をより確実に密着させることができる。
また、吸着駒102の上昇とほぼ同時に吸着コレット105を下降させ、吸着コレット105の底面を剥離の対象となるチップ1Cの上面に接触させてチップ1Cを80kPa程度の吸着力で吸着すると共に、チップ1Cを下方に軽く押さえ付ける。このように、吸着駒102を使ってダイシングテープ4を下方に吸引する際、吸着コレット105を使ってチップ1Cを上方に吸引すると、第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cの突き上げによるダイシングテープ4とチップ1Cの剥離を促進させることができる。
次に、図20に示すように、3個の第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cを同時に上方に突き上げてダイシングテープ4の裏面に上向きの荷重を加え、チップ1Cとダイシングテープ4とを押し上げる。また、この際、チップ1Cの裏面を、ダイシングテープ4を介して第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cの上面(接触面)で支え、チップ1Cにかかる曲げ応力を軽減するとともに、第1のブロック110Aの上面の外周(角部)を、チップ1Cの外周よりも内側に配置することにより、チップ1Cとダイシングテープ4の剥離起点となっている界面に剥離する応力を集中し、チップ1Cの周縁部をダイシングテープ4から効率的に剥離する。このとき、剥離の対象となるチップ1Cに隣接する他のチップ1Cの下方のダイシングテープ4を下方に吸引し、吸着駒102の上面周辺部に密着させておくことにより、チップ1Cの周縁部におけるダイシングテープ4の剥離を促進させることができる。図21は、このときの吸着駒102の上面近傍を示す拡大斜視図である(チップ1Cとダイシングテープ4の図示は省略)。
上記第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cの突き上げ量(ストローク)は、たとえば0.4mm程度であるが、剥離に必要な角度によってストロークを変更する場合もある。なお、ダイシングテープ4に塗布されている粘着剤は、製造元や品種によって粘着力に差がある。従って、チップ1Cのサイズが同じ場合でも、粘着力の大きい粘着剤を使用している場合には、突き上げ量を増やし、剥離の角度を確保する必要がある。
また、第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cを上方に突き上げてチップ1Cの裏面に荷重を加える際は、チップ1Cの最外周部において、チップの外周と直交する方向への曲げ応力を、チップの外周と平行な方向への曲げ応力より小さくすることが望ましい。チップ1Cの最外周部は、前述したダイシングブレード6を使ってウエハ1Wをダイシングした際に生じた微細なクラックが残留している。そのため、第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cを上方に突き上げた際にチップ1Cの最外周部に、チップ1Cの外周と直交する方向に沿った強い曲げ応力が加わると、クラックが成長してチップ1Cが割れる虞がある。本実施の形態1では、チップ1Cのサイズより一回り小さい上面を有する第1のブロック110Aを使って、チップ1Cの最外周部より僅かに内側に均等な荷重を加えるので、上記のような問題を回避しつつ、チップ1Cの周縁部全体をダイシングテープ4から均等に剥離することができる。
3個の第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cを同時に上方に突き上げるには、図22に示すように、プッシャ112を上方に押し上げることによって、プッシャ112に連結された内側の第3のブロック110Cを押し上げる。これにより、内側の第3のブロック110Cと中間の第2のブロック110Bとの間に介在する圧縮コイルばね111Bのばね力によって中間の第2のブロック110Bが押し上げられ、さらに外側の第1のブロック110Aと中間の第2のブロック110Bとの間に介在する圧縮コイルばね111Aのばね力によって外側の第1のブロック110Aが押し上げられるので、3個の第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cが同時に押し上げられる。そして、外側の第1のブロック110Aの一部(図の矢印で示す面)が吸着駒102の周辺部と接触することによって、第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cの上昇が停止する。この時、剥離の対象となるチップ1Cの大部分の領域は、3個の第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cの上面によって支えられており、第1のブロック110Aの上面の外周(角部)よりも外側の領域において、チップ1Cとダイシングテープ4との界面での剥離が効率的に進行する。
3個の第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cを同時に上方に突き上げる際は、ばね力が弱い圧縮コイルばね111Aが収縮しないような弱い力でプッシャ112が第3のブロック110Cを押し上げる。このようにすると、外側の第1のブロック110Aの一部が吸着駒102の周辺部と接触した後に、中間の第2のブロック110Bと内側の第3のブロック110Cがさらに上方に突き上ることはない。
また、圧縮コイルばね111Aは、少なくともダイシングテープ4の張力に抗して第1のブロック110Aを持ち上げることができる程度のばね力を備えている必要がある。圧縮コイルばね111Aのばね力がダイシングテープ4の張力よりも小さい場合は、プッシャ112を押し上げても外側の第1のブロック110Aが持ち上がらないので、外側の第1のブロック110Aの上面によってチップ1Cを支えることができなくなる。この場合は、チップ1Cとダイシングテープ4との剥離起点に十分な応力を集中させることができないので、剥離速度の低下を招いたり、チップ1Cに過大な曲げ応力が加わってチップ1Cが割れてしまったりする問題を引き起こす可能性がある。
次に、図23に示すように、中間の第2のブロック110Bと内側の第3のブロック110Cとを同時に上方に突き上げてダイシングテープ4を押し上げる。これにより、チップ1Cを支える第2のブロック110Bの上面の外周(角部)の位置が、第1のブロック110Aによって支えられていた状態に比較して、より内側に移るため、チップ1Cとダイシングテープ4との剥離が第2のブロック110Bの上面の外周より外側の領域からチップ1Cの中心方向へと進行する。図24は、このときの吸着駒102の上面近傍を示す拡大斜視図である(チップ1Cとダイシングテープ4の図示は省略)。
2個の第2のブロック110Bおよび内側の第3のブロック110Cを同時に上方に突き上げるには、図25に示すように、プッシャ112を押し上げることによって、プッシャ112に連結された第3のブロック110Cをさらに押し上げる。このとき、圧縮コイルばね111Bのばね力によって中間の第2のブロック110Bが押し上げられるので、2個の第2のブロック110Bおよび内側の第3のブロック110Cが同時に押し上げられる。そして、中間の第2のブロック110Bの一部(図の矢印で示す面)が外側の第1のブロック110Aと接触した時点で第2のブロック110Bおよび内側の第3のブロック110Cの上昇が停止する。また、プッシャ112が第3のブロック110Cを押し上げる力は、ばね力が弱い圧縮コイルばね111Aは収縮するが、ばね力が強い圧縮コイルばね111Bは収縮しない大きさとする。これにより、中間の第2のブロック110Bの一部が外側の第1のブロック110Aと接触した後、内側の第3のブロック110Cがさらに上方に突き上ることはない。
2個の第2のブロック110Bおよび内側の第3のブロック110Cを上方に突き上げる際には、チップ1Cとダイシングテープ4との剥離を促進させるために、第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cの隙間(S)の内部を減圧することによって、チップ1Cと接触しているダイシングテープ4を下方に吸引する。また、溝104の内部を減圧し、吸着駒102の上面周辺部に接するダイシングテープ4を吸着駒102の上面に密着させる(図23参照)。
次に、図26に示すように、内側の第3のブロック110Cをさらに上方に突き上げてダイシングテープ4の裏面を押し上げ、第3のブロック110Cの上面でチップ1Cの裏面を支える。図27は、このときの吸着駒102の上面近傍を示す拡大斜視図である(チップ1Cとダイシングテープ4の図示は省略)。内側の第3のブロック110Cを上方に突き上げるには、図28に示すように、圧縮コイルばね111Bが収縮するような強い力で第3のブロック110Cを押し上げる。これにより、ダイシングテープ4と接触している第3のブロック110Cの上面の外周(角部)よりも外側の領域において、チップ1Cとダイシングテープ4との剥離が進行する。
続いて、図29に示すように、第3のブロック110Cを下方に引き下げると共に、吸着コレット105を上方に引き上げることにより、チップ1Cをダイシングテープ4から剥がす作業が完了する。
上記第3のブロック110Cの上面は、第3のブロック110Cを上方に突き上げた際、吸着コレット105の吸引力だけでチップ1Cがダイシングテープ4から剥がれる程度に面積を小さくしておく必要がある。第3のブロック110Cの上面の面積が大きいと、チップ1Cとダイシングテープ4との接触面積が大きくなり、両者の粘着力も大きくなるので、吸着コレット105がチップ1Cを吸引する力だけではチップ1Cをダイシングテープ4から剥がせない。
一方、第3のブロック110Cの上面の面積を小さくした場合は、第3のブロック110Cがダイシングテープ4の裏面を押し上げる際、チップ1Cの狭い領域(中央部分)に強い荷重が集中的に加わるので、極端な場合にはチップ1Cが割れる虞がある。そこで、ブロック110Cを突き上げる際は、突き上げ速度を遅くしたり、第3のブロック110Cの上面がダイシングテープ4と接触している時間を短くしたり、第3のブロック110Cの突き上げ量(ストローク)を少なく(たとえば0.2mm〜0.4mm程度)したりすることによって、チップ1Cの狭い領域に強い荷重が加わらないようにすることが望ましい。
また、吸着コレット105の吸引力を大きくする一つの方法として、吸着コレット105の引き上げ速度を遅くすることが有効である。チップ1Cの一部がダイシングテープ4に密着した状態で吸着コレット105を急速に引き上げると、吸着コレット105の底面とチップ1Cの上面とに隙間が生じ、吸着コレット105の内部の真空度が低下するので、チップ1Cを吸引する力が低下してしまう。他方、吸着コレット105の引き上げ速度を遅くした場合は、チップ1Cをダイシングテープ4から剥がすのに要する時間が長くなる。そこで吸着コレット105の引き上げ速度を可変にし、引き上げ開始時には引き上げ速度を遅くして吸引力を充分確保し、チップ1Cとダイシングテープ4との接触面積がある程度まで小さくなったら引き上げ速度を速くして剥離時間の遅延を防ぐようにするとよい。また、吸着コレット105の底面の面積を第3のブロック110Cの上面の面積より大きくすることも、吸着コレット105の吸引力を大きくする有効な方法である。
このように、吸着コレット105の吸引力を大きくすることにより、チップ1Cとダイシングテープ4との接触面積が比較的大きい場合であっても、吸着コレット105の吸引力だけでチップ1Cをダイシングテープ4から剥がすことが可能となるので、剥離時間を短縮することができると共に、第3のブロック110Cの上面の面積を小さくした場合に生じる上記の問題を回避することができる。
また、チップ1Cが吸着コレット105によって下方に押さえ付けられた状態で第3のブロック110Cを下方に引き下げると、吸着コレット105も下方に移動するために、チップ1Cが第3のブロック110Cに当たって割れる虞がある。従って、第3のブロック110Cを下方に引き下げる際は、その直前に吸着コレット105を引き上げるか、少なくとも吸着コレット105が下方に移動しないように、その位置を固定しておくことが望ましい。
このようにして、ダイシングテープ4から剥離されたチップ1Cは、吸着コレット105に吸着、保持されて次工程(ペレット付け工程)に搬送される。そして、チップ1Cを次工程に搬送した吸着コレット105がチップ1Cのピックアップ位置に戻ってくると、前記図18〜図29に示した手順に従って、次のチップ1Cがダイシングテープ4から剥がされる。以後、同様の手順に従ってチップ1Cが1個ずつダイシングテープ4から剥がされる(工程P11)。すべてのチップ1Cのピックアップが完了すると、それらチップ1Cをウエハ1Wの外形で保持していたダイシングテープ4およびウエハリング5等をウエハカセットWCへアンローディングする(工程P12)。
次に、図30に示すように、ペレット付け工程に搬送されたチップ1Cは、予め裏面に貼付されていたDAF10を介して熱圧着によって配線基板(実装基板)11上の実装位置(チップ実装領域)に実装される。続いて、Auワイヤ12を介して配線基板11の電極13と電気的に接続される。
次に、図31に示すように、配線基板11上に実装されたチップ1Cの上にDAF10などを介して第2のチップ14が積層され、Auワイヤ15を介して配線基板11の電極16と電気的に接続される。第2のチップ14は、チップ1Cと異なる集積回路が形成されたシリコンチップであり、前述した方法でダイシングテープ4から剥がされた後、ペレット付け工程に搬送されてチップ1C上の実装位置(チップ実装領域)に積層される。
その後、配線基板11をモールド工程に搬送し、図32に示すように、チップ1Cおよび第2のチップ14をモールド樹脂17で封止することによって、積層パッケージ18が完成する。
なお、本実施の形態では、3個の第1のブロック110A、第2のブロック110Bおよび第3のブロック110Cを使ってチップを剥離する方法を説明したが、ブロックの数は3個に限定されるものではなく、剥離の対象となるチップ1Cのサイズが大きい場合には、4個以上のブロックを使ってもよい。また、剥離の対象となるチップ1Cのサイズが非常に小さい場合には、2個のブロックを使ってもよい。
(実施の形態2)
次に、本実施の形態2について説明する。
図33および図34は、本実施の形態2におけるダイボンディング工程で用いるカメラCAM1およびピックアップ対象のチップ1Cに画像撮影用の光を照射するライティング機構の配置を示す説明図である。図35は、図33および図34に示した構成において、カメラCAM1によって取得されるチップ1Cの主面の画像を示す説明図である。また、図36は、図33および図34に示したカメラCAM1およびライティング機構の配置と比較したカメラCAM1およびライティング機構の配置示す説明図であり、図37は、図36に示した構成で取得したチップ1Cの主面の画像を示す説明図である。
図33に示した構成は、前記実施の形態1のカメラCAM1およびライティング機構の配置構成(図14参照)の比較対象として図16に示した構成からリング照明RL1を省略し、ローアングル(チップ1Cの主面となす角θが10°〜60°程度、好ましくは20°〜40°程度)でチップ1Cの主面に平行光(第2の照射光)を照射する2つの同軸スポット照明(第2の光源)DSL2、DSL3を配置したものである。これら2つの同軸スポット照明DSL2、DSL3は、平面ではチップ1Cを挟むように配置される。また、図34に示した構成は、図33に示した構成における2つの同軸スポット照明DSL2、DSL3を、2つの面発光照明(第2の光源)SSL2、SSL3に変更したものである。これら2つの面発光照明SSL2、SSL3からの照射光は、それぞれ拡散板KB2、KB3を透過させることによって照明むらが低減された拡散光(第2の照射光)となって、ローアングルでチップ1Cの主面に照射される。これら2つの面発光照明SSL2、SSL3についても、2つの同軸スポット照明DSL2、DSL3の場合と同様に、平面ではチップ1Cを挟むように配置される。図33に示した構成および図34に示した構成においては、同軸スポット照明DSL1の点灯および消灯は適宜可能で、チップ1Cの主面を撮影する際も必ずしも点灯する必要はない。
図36に示した構成の場合においても、図33に示した構成および図34に示した構成と同様に、同軸スポット照明DSL1の点灯および消灯は適宜可能で、チップ1Cの主面を撮影する際も必ずしも点灯する必要はない。また、図36に示した構成の場合においては、鏡筒KT1のチップ1Cと対向する端部の周囲に取り付けられたリング照明RL1からの照射光が、同軸スポット照明DSL1からの平行光がチップ1Cへ入射する際の入射角(約90°)に近いハイアングルの入射角で入射する。そのため、チップ1Cに反りが生じている場合には、チップ1Cの相対的に外周に近い領域で反射した照射光が鏡筒KT1内へ入射せず、カメラCAM1が取得したチップ1Cの画像においては、チップ1Cの相対的に外周に近い領域が暗くなり、不鮮明な画像(図37参照)となってしまう虞がある。
一方、図33および図34に示した本実施の形態2の構成の場合には、2つの同軸スポット照明DSL2、DSL3もしくは2つの面発光照明SSL2、SSL3がローアングルかつ平面でチップ1Cを挟むように配置されている。そのため、同軸スポット照明DSL2、DSL3もしくは面発光照明SSL2、SSL3からの照射光はローアングルでチップ1Cへ入射することになるので、チップ1Cに反りが生じている場合でも、チップ1Cの相対的に外周に近い領域で反射した照射光は、鏡筒KT1内へ入射することになる。その結果、カメラCAM1が取得したチップ1Cの画像は、図33の構成で取得した場合と図34の構成で取得した場合とで照度むらの差こそあれ、チップ1Cの相対的に外周に近い領域でも明るくなり、鮮明な画像とすることができる。本発明者らが行った実験によれば、図33および図34に示した本実施の形態2の構成でチップ1Cの主面の画像を取得した場合には、チップ1Cの厚さが20μm〜70μm程度にまで薄くなった場合でも、鮮明な画像を取得することができた。
また、図示は省略するが、前記実施の形態1の図14に示した構成においてリング照明RL1を省略し、図33にて示した2つの同軸スポット照明DSL2、DSL3もしくは図34にて示した2つの面発光照明SSL2、SSL3を配置する構成としても、図33および図34に示した構成と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
次に、本実施の形態3について説明する。
本実施の形態3は、前記実施の形態1、2でも説明したダイボンディング工程において、主面に形成された電極パッドおよび表面保護膜等のパターンの特徴が少ないチップ1Cに対して、その特徴をできるだけ際立たせるように画像撮影用の光を照射する方法を提供するものである。
図38は、本実施の形態3のライティング機構の一例を示す平面図である。図38に示すように、本実施の形態3では、前記実施の形態1で比較対象として示したライティング機構(図16参照)に含まれるリング照明RL1を、その外形を留めたまま弧状照明(第2の光源)AL1〜AL4に分割し、弧状照明AL1〜AL4のそれぞれが、平面でチップ1Cの四辺のいずれかと対向する構成となっている。弧状照明AL1〜AL4は、それぞれ個別に点灯および消灯が可能となっている。チップ1Cの主面に形成された電極パッドおよび表面保護膜等のパターンの輪郭のほとんどは、チップ1Cの四辺に対して直角または平行となっていることから、弧状照明AL1〜AL4をそれぞれ平面でチップ1Cの四辺のいずれかと対向するように配置し、適宜選択して点灯させてチップ1Cの主面に光を照射することにより、それらパターンの特徴を際立たせることが可能となる。また、上記弧状照明AL1〜AL4を用いる代わりに、図39に示すように、前記実施の形態2において図33もしくは図34に示した構成に、さらに同軸スポット照明DSL2、DSL3もしくは面発光照明SSL2、SSL3と同じ配置ルールで同軸スポット照明(第2の光源)DSL4、DSL5もしくは面発光照明(第2の光源)SSL4、SSL5を配置してもよい。この時、同軸スポット照明DSL2〜DSL5もしくは面発光照明SSL2〜SSL5は、上記弧状照明AL1〜AL4と同様に、それぞれが平面でチップ1Cの四辺のいずれかと対向する構成となっており、さらに個別に点灯および消灯ができるようになっている。弧状照明AL1〜AL4の場合と同様に、適宜選択して点灯させてチップ1Cの主面に光を照射することにより、チップ1Cの主面に形成された電極パッドおよび表面保護膜等のパターンの特徴を際立たせることが可能となる。
図38および図39においては、弧状照明AL1〜AL4、同軸スポット照明DSL2〜DSL5もしくは面発光照明SSL2〜SSL5をすべて点灯した状態を図示しており、図に着色を施すことで点灯状態を示している。また、図40は、弧状照明AL1〜AL4、同軸スポット照明DSL2〜DSL5もしくは面発光照明SSL2〜SSL5をすべて点灯した状況下で取得したチップ1Cの主面の画像の一例である。また、図41においては、平面でチップ1Cを挟んで対向する弧状照明AL1、AL2のみを点灯させた場合を図示し、図42においては、平面でチップ1Cを挟んで対向する同軸スポット照明DSL4、DSL5もしくは面発光照明SSL4、SSL5のみを点灯させた場合を図示し、図43においては、図41および図42の点灯状況下で取得したチップ1Cの主面の画像の一例を図示している。また、図44においては、平面でチップ1Cを挟んで対向する弧状照明AL3、AL4のみを点灯させた場合を図示し、図45においては、平面でチップ1Cを挟んで対向する同軸スポット照明DSL2、DSL3もしくは面発光照明SSL2、SSL3のみを点灯させた場合を図示し、図46においては、図44および図45の点灯状況下で取得したチップ1Cの主面の画像の一例を図示している。
本実施の形態3では、上記のように弧状照明AL1〜AL4、同軸スポット照明DSL2〜DSL5もしくは面発光照明SSL2〜SSL5を選択して点灯し、チップ1Cの主面のパターンの特徴が最も際立っている画像をピックアップ対象のチップ1Cの主面の画像として採用する。それにより、チップ1Cの主面のパターンの特徴が少ない場合、たとえばチップ1C内にメモリセルが形成されている場合でも、チップ1Cの主面の特徴を際立たせ、抽出することが可能となる。その結果、前記実施の形態1で説明した工程P7(図9参照)のエラー出力に進んでしまうことを大幅に低減することができる。すなわち、本実施の形態3の半導体装置の生産性を大幅に向上することが可能となる。
(実施の形態4)
次に、本実施の形態4について説明する。
前記実施の形態1において説明した、ダイボンディング工程におけるピックアップ対象のチップ1Cのピックアップ位置からの位置ずれ量の算出(工程P4(図9参照))は、さらに詳しく説明すると以下の通りである。
すなわち、図47に示すように、ピックアップ対象のチップ1Cの主面の撮影に用いるライティング機構およびカメラCAM1(たとえば図14も参照)を用いて、予め基準となるチップ1Cの主面の画像(第9の画像)PIC1を取得しておく。この時、基準となるチップ1Cの配置位置は既知である。次いで、取得した画像PIC1内において、特徴的なパターンPT1を含む部分(同一画像内において似たような形状および模様が他にない部分)を切り出してテンプレートTMP1とし、このテンプレートTMP1の画像PIC1内での座標を記録する。また、テンプレートTMP1は、ピックアップ対象のチップ1Cのピックアップ位置への位置決めをする際に、ピックアップ位置からの位置ずれ量の算出に用いるので、チップ1Cの主面内のうちの位置決めしたい領域から選択するようにする。
図48に示すように、カメラCAM1によってピックアップ対象のチップ1Cの主面を撮影し、取得した画像からピックアップ対象のチップ1Cの上記ピックアップ位置からの位置ずれ量を算出する際(工程P4(図9参照))には、前記実施の形態1でも説明したように、まず、カメラCAM1によってピックアップ対象のチップ1Cの主面を撮影し、画像(第1の画像)PIC2を取得する。次いで、画像PIC2からテンプレートTMP1のパターンPT1と同じパターンPT1が存在する部分を探し出し、見つかったパターンPT1が画像PIC2内で配置されている座標と、前述のテンプレートTMP1の座標とを比較計算することにより、ピックアップ対象のチップ1Cのピックアップ位置からの位置ずれ量を算出する。この比較計算には、正規化相関式等を用いることを例示できる。
また、図49に示すように、テンプレートTMP1となった特徴的なパターンPT1以外の他の特徴的なパターンPT2を含む部分を画像PIC1から切り出してテンプレートTMP1とし、このテンプレートTMP1の画像PIC1内での座標を記録してもよい。それにより、テンプレートTMP1およびTMP2の2つを作成することができる。これら2つのテンプレートTMP1、TMP2を用い、ピックアップ対象のチップ1Cの主面の画像である画像PIC2からパターンPT1、PT2のそれぞれの位置ずれ量を求めることにより、ピックアップ対象のチップ1Cのピックアップ位置からの位置ずれ量(チップ1Cの一辺に沿った方向での位置ずれ量、およびその一辺に対して垂直な他辺に沿った方向での位置ずれ量)ばかりでなく、チップ1Cの主面に沿った方向におけるチップ1Cの傾き量も算出することが可能となる。
ここで、前記実施の形態1において説明したダイボンディング工程における、ダイシングテープ4上においてピックアップ対象のチップ1Cが存在しないことを確認する工程(工程P6(図9参照))をさらに詳しく説明する。本実施の形態4では、この工程P6は、前記実施の形態2で説明したローアングルでチップ1Cの主面に光を照射するライティング機構(図33および図34参照)を用いて行う。また、前記実施の形態1でも説明したように、ダイシングテープ4は、透明または半透明の材料から形成されているため、ピックアップ対象のチップ1Cが存在しない場合には、照射した光がダイシングテープ4を透過することになる。そのため、ダイシングテープ4下に存在するものを上記画像PIC2中に捉えることができるようになるので、そのダイシングテープ4下に存在するもの(吸着駒102(図10参照))を画像PIC2中に認識することで、ピックアップ対象のチップ1Cがないことを判定することが可能となる。
たとえば、ピックアップ対象のチップ1Cが存在する場合には、カメラCAM1によって取得した画像PIC2中において、上記パターンPT1、PT2をそれぞれ領域PTAR1、PTAR2中に確認し、予め取得しておいた上記2つのテンプレートTMP1、TMP2中のパターンPT1、PT2との一致率(以降、マッチングレートと記す)が約90%であるとする(図50参照)。マッチングレートが所定の割合(第1の割合)、たとえば50%より大きい時にチップ1Cのピックアップを行うとすると、マッチングレートが約90%であるには、ピックアップ対象のチップ1Cの存在およびその位置を認識できるので、前記実施の形態1で説明した工程P4もしくは工程P5でピックアップ対象のチップ1Cのピックアップ位置からの位置ずれ量を算出することができ、工程P6へは進まない。
また、上記マッチングレートが50%以下の場合には、領域PTAR1、PTAR2中に吸着駒102を認識しない場合(図51参照)と認識した場合(図52参照)とで区別し、吸着駒102を認識した場合にピックアップ対象のチップ1Cが存在しないと判定する。領域PTAR1、PTAR2中に吸着駒102を認識しない場合は、領域PTAR1、PTAR2の少なくとも一方に異物や不良チップであることを示すインク等が映って、マッチングレートが50%以下となっているのであり、前記実施の形態1で工程P7(図9参照)として説明したように、エラーが出力されてダイボンディング工程が中止される。
ところで、本発明者らが行った実験によれば、前記実施の形態1において比較対象として提示したライティング機構(図16参照)を用いた場合には、照射光がダイシングテープ4を透過せず、ピックアップ対象のチップ1Cが存在しない場合でも、画像PIC2中の領域PTAR1、PTAR2中にてダイシングテープ4下の吸着駒102を認識することができなかった(図53参照)。すなわち、マッチングレートが50%以下である場合でも、ピックアップ対象のチップ1Cのダイシングテープ4下の吸着駒102を認識できないことから、ピックアップ対象のチップ1Cが存在しないことを判定できなくなる。そのため、ピックアップ対象のチップ1Cが存在しない場合でも、ピックアップ対象のチップ1Cの有無が不明となり、前記実施の形態1で説明した工程P7でエラーが出力されてダイボンディング工程が中止されてしまうことになる。
一方、図50〜図52を用いて説明したように、本実施の形態4では、画像PIC2中に吸着駒102を認識することでピックアップ対象のチップ1Cが存在しないことを確実に判定することができる。それにより、ピックアップ対象のチップ1Cが存在しない場合には、ピックアップ対象のチップ1Cの有無が不明と判定されてしまうことを確実に防ぐことができるので、上記工程P7に進んでエラーが出力され、ダイボンディング工程が中断されてしまうことを防ぐことができるようになる。その結果、本実施の形態4の半導体装置の製造歩留まりを向上することが可能となる。
(実施の形態5)
次に、本実施の形態5について説明する。
本実施の形態5は、前記実施の形態4において説明した予め取得しておいたチップ1Cの主面の画像から形成した2つのテンプレートTMP1、TMP2中のパターンPT1、PT2と、カメラCAM1によって取得したピックアップ対象のチップ1Cの主面の画像PIC2のパターンPT1、PT2とのマッチングレートがしきい値(約50%)付近であり、ピックアップ対象のチップ1Cが存在しないことを判定し難い場合の対策である。
上記マッチングレートがしきい値付近の場合には、たとえばカメラCAM1のシャッタースピードを上げて撮影することによって、画像PIC2をより鮮明にする手段が考えられる。しかしながら、前記実施の形態4でも用いた前記実施の形態2のライティング機構(図33および図34参照)では、カメラCAM1のシャッタースピードを上げるには光量が足りないLEDを光源とした同軸スポット照明もしくは面発光照明を用いている。そのため、前記実施の形態2のライティング機構では、カメラCAM1のシャッタースピード向上に対応できない虞がある。
ここで、図54は、本実施の形態5におけるダイボンディング工程で用いるカメラCAM1およびピックアップ対象のチップ1Cに画像撮影用の光を照射するライティング機構の配置を示す説明図である。図54に示すように、本実施の形態5のライティング機構は、前記実施の形態4でも用いた前記実施の形態2のライティング機構(図33および図34参照)における2つの同軸スポット照明DSL2、DSL3もしくは2つの面発光照明SSL2、SSL3を2つの高輝度照明KKS1、KKS2に置き換えたものである。本実施の形態5において、この高輝度照明KKS1、KKS2としては、LED光源より高輝度のハロゲンライト等を用いることを例示できる。このような本実施の形態5のライティング機構を用いてのピックアップ対象のチップ1Cの主面の画像PIC2の撮影方法を図55に示すフローチャートに沿って詳しく説明する。
まず、上記マッチングレートの確認により、ピックアップ対象のチップ1Cの認識を行う(工程P101)。ここで、マッチングレートが明らかにしきい値を上回っていた場合(ピックアップ対象のチップ1Cを認識できた場合)には、ピックアップ対象のチップ1Cの存在およびその位置を認識できるので、前記実施の形態1で説明した工程P4(図9参照)もしくは工程P5(図9参照)でピックアップ対象のチップ1Cのピックアップ位置からの位置ずれ量を算出することができる。ピックアップ対象のチップ1Cのピックアップ位置からの位置ずれ量を算出した後に、ピックアップ動作(工程P10(図9も参照))を含む以降の工程へ進むことができる。
一方、マッチングレートがしきい値付近であった場合には、カメラCAM1のシャッタースピードを変更した条件下(たとえば約1/2のシャッタースピード)で再度ピックアップ対象のチップ1Cの主面を撮影(撮像)し、改めて画像PIC2を取得する(工程P102、P103)。この時、カメラCAM1のシャッタースピードを変更するのに伴って、ピックアップ対象のチップ1Cの主面に照射する光量を変更する必要がある場合には、ハロゲンライトに比べて光量切り替えを短時間で行うことのできるLEDを光源とした同軸スポット照明DSL1への供給電流を変更し(たとえば約2倍)、同軸スポット照明DSL1からの照射量を変更する。それにより、高速での光量切り替えが可能となるので、チップ1Cの主面の再度の撮影(撮影のリトライ)をより短時間で行えるようになり、画像PIC2を効率よく再取得することができるようになる。また、マッチングレートが明らかにしきい値を上回っていた場合には、ピックアップ対象のチップ1Cの存在およびその位置を認識できるので、前記実施の形態1で説明した工程P4もしくは工程P5でピックアップ対象のチップ1Cのピックアップ位置からの位置ずれ量を算出することができる。ピックアップ対象のチップ1Cのピックアップ位置からの位置ずれ量を算出した後に、ピックアップ動作(工程P10)を含む以降の工程へ進むことができる。
一方、工程P103でもマッチングレートがしきい値付近であった場合には、工程P102、P103を行った回数(リトライ回数)が所定回数(たとえば3回)に達したか否かを確認し、達していない場合には、さらにカメラCAM1のシャッタースピードおよび同軸スポット照明DSL1からの照射量を変更した条件下で工程P102、P103を再び実施する。この時、カメラCAM1のシャッタースピードを遅く(長く)し、同軸スポット照明DSL1からの照射量を減少させた条件としてもよく、この場合でも、高速での光量切り替えができるので、チップ1Cの主面の撮影のリトライをより短時間で行うことができる。また、リトライ回数が所定回数に達している場合には、エラーを出力してダイボンディング工程を中止する(工程P7(図9も参照))。なお、リトライ回数は、生産性の向上等が求められている場合などに応じて、適宜設定することができる。
上記の本実施の形態5によれば、上記マッチングレートがしきい値付近であった場合に、効果的にチップ1Cの主面の撮影のリトライを行うことができるようになる。それにより、撮影のリトライによってマッチングレートが明らかにしきい値を上回った場合には、ピックアップ動作(工程P10)を含む以降の工程へ進むことができるようになるので、エラーを出力してダイボンディング工程を中止してしまう(工程P7)不具合を低減することが可能となる。すなわち、本実施の形態5の半導体装置の生産性を大幅に向上することが可能となる。
また、図示は省略するが、前記実施の形態1の図14に示した構成においてリング照明RL1を省略し、図54にて示した2つの高輝度照明KKS1、KKS2を配置する構成としても、図54に示した構成と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態6)
次に、本実施の形態6について説明する。
本実施の形態6は、前記実施の形態1〜5でも説明したカメラCAM1が特定の色の光のみを受光するようにしてピックアップ対象のチップ1Cの主面の画像PIC2を取得するものである。すなわち、本実施の形態6では、カメラCAM1に受光素子としてカラーCCD(Charge Coupled Devices)を備えさせ、そのカラーCCDがR(赤)、G(緑)およびB(青)の光のうちから選択的に1つ以上を受光するようにしたものである。このようなカラーCCDを用いた本実施の形態6の画像PIC2の取得方法について、図56に示すフローチャートに沿って詳しく説明する。
ピックアップ対象のチップ1Cの認識(画像PIC2の登録)処理が開始されると(工程P201)、まず、たとえばR、GおよびBのすべての光を受光するようにカラーCCDを設定してピックアップ対象のチップ1Cの主面の画像(RGB画像(第2の画像))を取得し、このRGB画像のマッチングレートを測定する(工程P202)。
次いで、Rの光を受光するようにカラーCCDを設定してピックアップ対象のチップ1Cの主面の画像(R画像(第3の画像))を取得し、このR画像のマッチングレートを測定する(工程P203)。
次いで、Gの光を受光するようにカラーCCDを設定してピックアップ対象のチップ1Cの主面の画像(G画像(第4の画像))を取得し、このG画像のマッチングレートを測定する(工程P204)。
次いで、Bの光を受光するようにカラーCCDを設定してピックアップ対象のチップ1Cの主面の画像(B画像(第5の画像))を取得し、このB画像のマッチングレートを測定する(工程P205)。
次いで、RおよびGの光を受光するようにカラーCCDを設定してピックアップ対象のチップ1Cの主面の画像(RG画像(第6の画像))を取得し、このRG画像のマッチングレートを測定する(工程P206)。
次いで、RおよびBの光を受光するようにカラーCCDを設定してピックアップ対象のチップ1Cの主面の画像(RB画像(第7の画像))を取得し、このRB画像のマッチングレートを測定する(工程P207)。
次いで、GおよびBの光を受光するようにカラーCCDを設定してピックアップ対象のチップ1Cの主面の画像(GB画像(第8の画像))を取得し、このGB画像のマッチングレートを測定する(工程P208)。
次いで、得られたRGB画像、R画像、G画像、B画像、RG画像、RB画像およびGB画像のうちからマッチングレートが最も高かったものを自動的にピックアップ対象のチップ1Cの主面の画像PIC2とする(工程P209)。
上記のように、本実施の形態6においては、R、GおよびBの光を単独またはそれぞれ組み合わせて種々の画像を作成し、そのうちのマッチングレートが最も高いものをピックアップ対象のチップ1Cの主面の画像PIC2とするので、チップ1Cの主面の材質および色等に応じて最適なチップ1Cの主面の画像PIC2を自動的に取得することができるようになる。すなわち、マッチングレートが最高となる受光条件を自動的に選択できるので、エラーを出力してダイボンディング工程を中止してしまう(工程P7(図9および図55参照))ことを低減することが可能となる。
また、本実施の形態6においては、R、GおよびBの光を単独またはそれぞれ組み合わせて種々の画像を作成し、そのうちのマッチングレートが最も高いものをピックアップ対象のチップ1Cの主面の画像PIC2とするので、チップ1Cの主面のパターンの特徴が少ない場合、たとえばチップ1C内にメモリセルが形成されている場合でも、可能な限りマッチングレートを向上させることができるようになる。それにより、エラーを出力してダイボンディング工程を中止してしまうことを低減できるので、本実施の形態6の半導体装置の生産性を大幅に向上することが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
たとえば、前記実施の形態では、ダイシングテープに保持されたチップをピックアップする際に、ダイシングテープに吸着駒を吸着させ、その吸着駒に備えられた多段式のプッシャ(突き上げ治具)でダイシングテープ側からピックアップ対象のチップを突き上げる場合について説明したが、多段式プッシャの代わりに、複数の突き上げピンをからなる突き上げ治具、または超音波を印加する振動子を備えた突き上げ治具等を用いてもよい。