JP2012190872A - 面発光レーザ素子の製造方法、光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】素子特性を低下させることなく、長寿命化を図ることができる面発光レーザ素子の製造方法を提供する。
【解決手段】 基板上に下部反射鏡、活性層を含む共振器構造体、及び被選択酸化層を含む上部反射鏡が積層された積層体にメサ構造体を形成し(S403)、被選択酸化層の一部を酸化してメサ構造体に電流通過領域を形成し(S405)、電流通過領域を介して活性層に電流を供給するための電極を形成し(S413)、通常のESD試験装置と同等の構成を持つ装置を用いて、p側電極とn側電極との間に静電耐圧以下の電圧を印加する(S421)。
【選択図】図5
【解決手段】 基板上に下部反射鏡、活性層を含む共振器構造体、及び被選択酸化層を含む上部反射鏡が積層された積層体にメサ構造体を形成し(S403)、被選択酸化層の一部を酸化してメサ構造体に電流通過領域を形成し(S405)、電流通過領域を介して活性層に電流を供給するための電極を形成し(S413)、通常のESD試験装置と同等の構成を持つ装置を用いて、p側電極とn側電極との間に静電耐圧以下の電圧を印加する(S421)。
【選択図】図5
Description
本発明は、面発光レーザ素子の製造方法、光走査装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、基板表面に直交する方向に光を射出する面発光レーザ素子の製造方法、該製造方法で製造された面発光レーザ素子を有する光走査装置、及び該光走査装置を備える画像形成装置に関する。
垂直共振器型の面発光レーザ素子(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)は、基板に対して垂直方向に光を射出する半導体レーザ素子であり、基板に対して平行方向に光を射出する端面発光型の半導体レーザ素子に比べて、(1)低価格、(2)低消費電力、(3)小型で高性能、(4)2次元集積化が容易、という特徴を有している。
面発光レーザ素子は、電流流入効率を高めるために狭窄構造体を有している。この狭窄構造体としては、Al(アルミニウム)As(ヒ素)層の選択酸化による狭窄構造体(以下では、便宜上「酸化狭窄構造体」ともいう)がよく用いられている。
この酸化狭窄構造体は、p−AlAsからなる被選択酸化層が側面に露出している所定の大きさのメサ構造体を形成した後、高温の水蒸気雰囲気中に置いて、Alをメサ構造体の側面から選択的に酸化させ、メサ構造体の中心付近に、被選択酸化層における酸化されていない領域を残留させたものである。この酸化されていない領域が、面発光レーザ素子の駆動電流の通過領域(電流注入領域)となる。
このように、容易に電流狭窄が可能となる。酸化狭窄構造体におけるAlの酸化物(AlxOy)の屈折率は、1.6程度であり、半導体層に比べて低い。これにより、共振器構造体内に横方向の屈折率差が生じ、光がメサ中央に閉じ込められるので、発光効率を向上させることができる。その結果、低閾値電流、高効率等の優れた特性を実現することが可能となる。
面発光レーザ素子の応用分野としては、プリンタにおける光書き込み系の光源(発振波長:780nm帯)、光ディスク装置における記録・再生用光源(発振波長:780nm帯、850nm帯)、光ファイバを用いるLAN(Local Area Network)などの光伝送システムの光源(発振波長:1.3μm帯、1.5μm帯)が挙げられる。さらには、ボード間、ボード内、集積回路(LSI:Large Scale Integrated circuit)のチップ間、及び集積回路のチップ内の光伝送用の光源としても期待されている。
このように様々な用途への応用が期待される面発光レーザ素子には高い信頼性が求められている。すなわち、面発光レーザ素子には、基本横モードで安定して長時間動作することが要求されている。
そこで、長寿命化を図る目的で、面発光レーザ素子の構造に関して種々検討された(例えば、特許文献1〜4参照)。
しかしながら、特許文献1〜4に開示されている対策では、とりわけ素子特性との両立を図ることが難しく、素子の長寿命化を実現する一方で、素子特性を犠牲にする場合があった。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、素子特性を低下させることなく、長寿命化を図ることができる面発光レーザ素子の製造方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、安定した光走査を行うことができる光走査装置を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、高品質の画像を形成することができる画像形成装置を提供することにある。
本発明は、第1の観点からすると、基板に直交する方向に光を射出する面発光レーザ素子の製造方法であって、基板上に下部反射鏡、活性層を含む共振器構造体、及び被選択酸化層を含む上部反射鏡が積層された積層体にメサ構造体を形成する工程と、前記被選択酸化層の一部を酸化して前記メサ構造体に電流通過領域を形成する工程と、前記電流通過領域を介して前記活性層に電流を供給するための電極を形成する工程と、前記電極を介して静電耐圧よりも低い電圧を印加する工程と、を含むことを特徴とする面発光レーザ素子の製造方法である。
これによれば、素子特性を低下させることなく、長寿命化を図ることができる。
本発明は、第2の観点からすると、光によって被走査面を走査する光走査装置であって、本発明の面発光レーザ素子の製造方法によって製造された面発光レーザ素子を有する光源と、前記光源からの光を偏向する光偏向器と、前記光偏向器で偏向された光を前記被走査面上に集光する走査光学系と、を備える光走査装置である。
これによれば、安定した光走査を行うことができる。
本発明は、第3の観点からすると、少なくとも1つの像担持体と、前記少なくとも1つの像担持体に対して画像情報に応じて変調された光を走査する本発明の光走査装置と、を備える画像形成装置である。
これによれば、高品質の画像を形成することができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図18に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る画像形成装置としてのレーザプリンタ1000の概略構成が示されている。
このレーザプリンタ1000は、光走査装置1010、感光体ドラム1030、帯電装置1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034、クリーニングユニット1035、トナーカートリッジ1036、給紙コロ1037、給紙トレイ1038、レジストローラ対1039、定着ローラ1041、排紙ローラ1042、排紙トレイ1043、通信制御装置1050、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置1060などを備えている。
通信制御装置1050は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
プリンタ制御装置1060は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、アナログデータをデジタルデータに変換するAD変換回路などを有している。そして、プリンタ制御装置1060は、上位装置からの要求に応じて各部を制御するとともに、上位装置からの画像情報を光走査装置1010に送る。
感光体ドラム1030は、円柱状の部材であり、その表面には感光層が形成されている。すなわち、感光体ドラム1030の表面が被走査面である。そして、感光体ドラム1030は、不図示の回転機構によって、図1における矢印方向に回転するようになっている。
帯電装置1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034及びクリーニングユニット1035は、それぞれ感光体ドラム1030の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム1030の回転方向に沿って、帯電装置1031→現像ローラ1032→転写チャージャ1033→除電ユニット1034→クリーニングユニット1035の順に配置されている。
帯電装置1031は、感光体ドラム1030の表面を均一に帯電させる。
光走査装置1010は、帯電装置1031で帯電された感光体ドラム1030の表面を、上位装置からの画像情報に基づいて変調された光束により走査し、感光体ドラム1030の表面に画像情報に対応した潜像を形成する。ここで形成された潜像は、感光体ドラム1030の回転に伴って現像ローラ1032の方向に移動する。なお、この光走査装置1010の構成については後述する。
トナーカートリッジ1036にはトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ1032に供給される。
現像ローラ1032は、感光体ドラム1030の表面に形成された潜像にトナーカートリッジ1036から供給されたトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着した像(以下では、便宜上「トナー画像」ともいう)は、感光体ドラム1030の回転に伴って転写チャージャ1033の方向に移動する。
給紙トレイ1038には記録紙1040が格納されている。この給紙トレイ1038の近傍には給紙コロ1037が配置されており、該給紙コロ1037は、記録紙1040を給紙トレイ1038から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対1039に搬送する。該レジストローラ対1039は、給紙コロ1037によって取り出された記録紙1040を一旦保持するとともに、該記録紙1040を感光体ドラム1030の回転に合わせて感光体ドラム1030と転写チャージャ1033との間隙に向けて送り出す。
転写チャージャ1033には、感光体ドラム1030の表面のトナーを電気的に記録紙1040に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム1030の表面のトナー画像が記録紙1040に転写される。ここでトナー画像が転写された記録紙1040は、定着ローラ1041に送られる。
定着ローラ1041では、熱と圧力とが記録紙1040に加えられ、これによってトナーが記録紙1040上に定着される。ここで定着された記録紙1040は、排紙ローラ1042を介して排紙トレイ1043に送られ、排紙トレイ1043上に順次積み重ねられる。
除電ユニット1034は、感光体ドラム1030の表面を除電する。
クリーニングユニット1035は、感光体ドラム1030の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラム1030の表面は、再度帯電装置1031に対向する位置に戻る。
次に、前記光走査装置1010の構成について簡単に説明する。
この光走査装置1010は、一例として図2に示されるように、光源14、カップリングレンズ15、開口板16、シリンドリカルレンズ17、反射ミラー18、ポリゴンミラー13、偏向器側走査レンズ11a、像面側走査レンズ11b、及び走査制御装置(図示省略)などを備えている。
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
カップリングレンズ15は、光源14から射出された光束を略平行光束とする。
開口板16は、開口部を有し、カップリングレンズ15を介した光束のビーム径を規定する。
シリンドリカルレンズ17は、開口板16の開口部を通過した光束を、反射ミラー18を介してポリゴンミラー13の偏向反射面近傍に副走査対応方向に関して結像する。
光源14とポリゴンミラー13との間の光路上に配置される光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。
ポリゴンミラー13は、高さの低い正六角柱状部材からなり、側面に6面の偏向反射面が形成されている。このポリゴンミラー13は、副走査対応方向に平行な軸のまわりを等速回転しながら、反射ミラー18からの光束を偏向する。
偏向器側走査レンズ11aは、ポリゴンミラー13で偏向された光束の光路上に配置されている。
像面側走査レンズ11bは、偏向器側走査レンズ11aを介した光束の光路上に配置されている。そして、この像面側走査レンズ11bを介した光束が、感光体ドラム1030の表面に照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー13の回転に伴って感光体ドラム1030の長手方向に移動する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」である。また、感光体ドラム1030の回転方向が「副走査方向」である。
ポリゴンミラー13と感光体ドラム1030との間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。なお、偏向器側走査レンズ11aと像面側走査レンズ11bの間の光路上、及び像面側走査レンズ11bと感光体ドラム1030の間の光路上の少なくとも一方に、少なくとも1つの折り返しミラーが配置されても良い。
光源14は、一例として図3に示されるように、面発光レーザ素子100を有している。なお、本明細書では、レーザ発振方向をZ軸方向とし、Z軸方向に直交する面内における互いに直交する2つの方向をX軸方向及びY軸方向として説明する。図3は面発光レーザ素子100をXZ面に平行に切断したときの切断面を示す図(縦断面図)である。
面発光レーザ素子100は、発振波長が780nm帯の面発光レーザ素子であり、基板101、バッファ層102、下部半導体DBR103、下部スペーサ層104、活性層105、上部スペーサ層106、上部半導体DBR107、及びコンタクト層109などを有している。
基板101は、表面が鏡面研磨面であり、図4(A)に示されるように、鏡面研磨面(主面)の法線方向が、結晶方位[1 0 0]方向に対して、結晶方位[1 1 1]A方向に向かって15度(θ=15度)傾斜したn−GaAs単結晶基板である。すなわち、基板101はいわゆる傾斜基板である。ここでは、図4(B)に示されるように、結晶方位[0 −1 1]方向が+X方向、結晶方位[0 1 −1]方向が−X方向となるように配置されている。
図3に戻り、バッファ層102は、基板101の+Z側の面上に積層され、n−GaAsからなる層である。
下部半導体DBR103は、バッファ層102の+Z側の面上に積層され、n−Al0.93Ga0.07Asからなる低屈折率層と、n−Al0.3Ga0.7Asからなる高屈折率層のペアを42.5ペア有している。各屈折率層の間には、電気抵抗を低減するため、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた厚さ20nmの組成傾斜層が設けられている。そして、各屈折率層はいずれも、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、発振波長をλとするとλ/4の光学的厚さとなるように設定されている。なお、光学的厚さがλ/4のとき、その層の実際の厚さDは、D=λ/4n(但し、nはその層の媒質の屈折率)である。
下部スペーサ層104は、下部半導体DBR103の+Z側に積層され、ノンドープのAl0.33Ga0.67Asからなる層である。
活性層105は、下部スペーサ層104の+Z側に積層され、GaInAsP/Al0.33Ga0.67Asからなる3重量子井戸構造の活性層である。
上部スペーサ層106は、活性層105の+Z側に積層され、ノンドープのAl0.33Ga0.67Asからなる層である。
下部スペーサ層104と活性層105と上部スペーサ層106とからなる部分は、共振器構造体とも呼ばれており、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、λの光学的厚さとなるように設定されている。なお、活性層105は、高い誘導放出確率が得られるように、電界の定在波分布における腹に対応する位置である共振器構造体の中央に設けられている。
上部半導体DBR107は、上部スペーサ層106の+Z側に積層され、p−Al0.93Ga0.07Asからなる低屈折率層とp−Al0.33Ga0.67Asからなる高屈折率層のペアを32ペア有している。各屈折率層の間には組成傾斜層が設けられている。そして、各屈折率層はいずれも、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、λ/4の光学的厚さとなるように設定されている。
上部半導体DBR107における低屈折率層の1つには、p−Al0.99Ga0.01Asからなる被選択酸化層が厚さ30nmで挿入されている。この被選択酸化層の挿入位置は、上部スペーサ層106から2ペア目の低屈折率層中である。
コンタクト層109は、上部半導体DBR107の+Z側に積層され、p−GaAsからなる層である。
なお、このように基板101上に複数の半導体層が積層されたものを、以下では、便宜上「積層体」ともいう。
次に、面発光レーザ素子100の製造方法について図5のフローチャートを用いて説明する。
最初の工程S401は、結晶成長工程である。
この工程では、有機金属気相成長法(MOCVD法)あるいは分子線エピタキシャル成長法(MBE法)による結晶成長によって上記積層体を作成する(図6参照)。
III族の原料には、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)を用い、V族の原料には、フォスフィン(PH3)、アルシン(AsH3)を用いている。また、p型ドーパントの原料には四臭化炭素(CBr4)、ジメチルジンク(DMZn)を用い、n型ドーパントの原料にはセレン化水素(H2Se)を用いている。
次の工程S403は、メサ形成工程である。
この工程では、積層体の表面に一辺がL1(ここでは、25μm)の正方形状のレジストパターンを形成する。
そして、誘導結合型(ICP)ドライエッチング法で、上記レジストパターンをフォトマスクとしてメサ構造体(以下では、便宜上「メサ」と略述する)を形成する。ここでは、エッチングの底面は下部スペーサ層104中に位置するようにした。
そして、フォトマスクを除去する(図7参照)。
次の工程S405は、水蒸気酸化工程である。
この工程では、積層体を水蒸気中で熱処理する。メサの外周部から被選択酸化層108中のAlが選択的に酸化される。そして、メサの中央部に、Alの酸化物108aによって囲まれた酸化されていない領域108bを残留させる(図8参照)。これにより、発光部の駆動電流の経路をメサの中央部だけに制限する、酸化狭窄構造体が作成される。上記酸化されていない領域108bが電流通過領域(電流注入領域)である。ここでは、種々の予備実験の結果から、電流通過領域108bが所望の大きさとなるように、熱処理の条件(保持温度、保持時間等)を適切に設定している。
次の工程S407は、分離用溝形成工程である。
この工程では、積層体の表面に、分離用(チップ切り出し用)の溝を形成するためのレジストマスクを設ける。
そして、該レジストマスクをエッチングマスクとして、ドライエッチング法により分離用(チップ切り出し用)の溝を形成する。
次の工程S409は、パッシベーション膜形成工程である。
この工程では、プラズマCVD法を用いて、誘電体であるSiN、SiON及びSiO2のいずれかからなる厚さが150nm〜300nmのパッシベーション膜111を形成する(図9参照)。
次の工程S411は、コンタクトホール形成工程である。
この工程では、レーザ光の射出面となるメサ上部にp側電極コンタクトの窓開けを行うためのエッチングマスクを作成する。
そして、BHF(バッファード・ふっ酸)にてパッシベーション膜111をエッチングし、p側電極コンタクトの窓開けを行う。
そして、エッチングマスクを除去する(図10参照)。
次の工程S413は、p側電極形成工程である。
この工程では、p側電極となる部分以外をフォトレジストによりマスクし、p側の電極材料の蒸着を行なう。
そして、アセトン等のフォトレジストが溶解する溶液中で超音波洗浄し、p側電極113を形成する(図11参照)。p側電極は、Cr/AuZn/Auからなる多層膜、もしくはAuZn/Ti/Auからなる多層膜である。なお、このとき、電極パッド及び配線部材も同時に形成しても良い。
次の工程S415は、裏面研磨工程である。
この工程では、基板101の裏側を所定の厚さ(例えば、100μm〜300μm程度)まで研磨する。
次の工程S417は、n側電極形成工程である。
この工程では、研磨された基板101の裏側にn側の電極材料を蒸着し、n側電極114を形成する(図12参照)。n側電極114は、AuGe/Ni/Auからなる多層膜である。
そして、アニールによって、p側電極113とn側電極114のオーミック導通をとる。これにより、メサは発光部となる。
次の工程S419は、チップ分離工程である。
この工程では、溝のスクライブラインをダイシングあるいはスクライビングし、チップを切り出す。
次の工程S421は、静電負荷工程である。
この工程では、切り出されたチップに対して、p側電極とn側電極との間に所定の電圧を印加する。なお、ここでの条件等は後述する。
次の工程S423は、検査工程である。
この検査工程で合格と判定されたチップが、面発光レーザ素子100となる。
このようにして製造された面発光レーザ素子100に対して、2つのESD(Elctrostatic discharge)試験を行った。
第1のESD試験では、図13に示されるように、可変電圧直流電源、充電抵抗器、コンデンサ、放電抵抗器、面発光レーザ素子100がセットされるホルダ部材(DUT)、及びスイッチからなる第1の試験装置を用いた。
可変電圧直流電源と充電抵抗器とコンデンサとからなる部分は充電回路であり、コンデンサと放電抵抗器とホルダ部材(DUT)とからなる部分は放電回路である。スイッチは、充電回路と放電回路を切りかえるためのスイッチである。
放電抵抗器の抵抗値は1.5kΩであり、コンデンサの静電容量は100pFである。この場合は、いわゆる人体帯電モデル(HBM:Human Body Model)に対応したESD試験が可能である。すなわち、第1の試験装置は、人体帯電モデルに対応したESD試験装置である。
第1の試験装置を用いてESD試験を実施したところ、面発光レーザ素子100の静電耐圧は240Vであった。
第2のESD試験では、図14に示されるように、可変電圧直流電源、充電抵抗器、コンデンサ、面発光レーザ素子100がセットされるホルダ部材(DUT)、及びスイッチからなる第2の試験装置を用いた。
可変電圧直流電源と充電抵抗器とコンデンサとからなる部分は充電回路であり、コンデンサとホルダ部材(DUT)とからなる部分は放電回路である。スイッチは、充電回路と放電回路を切りかえるためのスイッチである。
放電抵抗器の抵抗値は0Ωであり、コンデンサの静電容量は200pFである。この場合は、いわゆる機械帯電モデル(MM:Machine Model)に対応したESD試験が可能である。すなわち、第2の試験装置は、機械帯電モデルに対応したESD試験装置である。
第2の試験装置を用いてESD試験を実施したところ、面発光レーザ素子100の静電耐圧は30Vであった。
なお、ここでの静電耐圧とは、ESD試験の実施前に対する面発光レーザ素子の動作電流の変化率が3%を越えたときの印加電圧をいう。
また、以下では、便宜上、第1の試験装置を「HBM装置」といい、第2の試験装置を「MM装置」ともいう。
上記静電負荷工程では、HBM装置あるいはMM装置を用いて、静電耐圧以下の電圧をチップに印加する。具体的には、HBM装置が用いられる場合は、140Vの電圧がチップに印加される。また、MM装置が用いられる場合は、20Vの電圧がチップに印加される。
そして、素子寿命を評価するための加速試験を行ったところ、面発光レーザ素子100は、上記静電負荷工程を省いて製造された面発光レーザ素子(以下では、便宜上「比較用面発光レーザ素子」という)に比べて、素子寿命が長かった(図15及び図16参照)。なお、図16におけるTjは、加速試験の温度である。
図17には、上記静電負荷工程でHBM装置が用いられた面発光レーザ素子100について、静電負荷工程での印加電圧と動作電流の変化率との関係が示されている。
図17によると、印加電圧が静電耐圧の20〜60%のときは、動作電流に変化はなかった。この範囲の印加電圧で上記静電負荷工程を行った面発光レーザ素子は、比較用面発光レーザ素子に比べて、素子寿命が長かった。一方、静電耐圧の60%を越えた印加電圧で上記静電負荷工程を行った面発光レーザ素子は、動作電流の変化率が大きくなり、素子寿命は比較用面発光レーザ素子とほほ同じであった。
図18には、上記静電負荷工程でMM装置が用いられた面発光レーザ素子100について、静電負荷工程での印加電圧と動作電流の変化率との関係が示されている。
図18によると、印加電圧が静電耐圧の30〜70%のときは、動作電流に変化はなかった。この範囲の印加電圧で上記静電負荷工程を行った面発光レーザ素子は、比較用面発光レーザ素子に比べて、素子寿命が長かった。一方、静電耐圧の70%を越えた印加電圧で上記静電負荷工程を行った面発光レーザ素子は、動作電流の変化率が大きくなり、素子寿命は比較用面発光レーザ素子とほほ同じであった。
なお、面発光レーザ素子に、その静電耐圧を超える電圧を印加した場合には、例えば、MOCVD法によりエピタキシャル成長した層が溶融し、素子破壊に至るおそれがある。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る面発光レーザ100を製造する際に、本発明の製造方法が実施されている。
以上説明したように、本実施形態に係る面発光レーザ100によると、基板101上に下部半導体DBR103、下部スペーサ層104、活性層105、上部スペーサ層106、及び上部半導体DBR107が積層されている。
そして、製造過程において、チップ状に切り出された状態で、人体帯電モデルに対応したESD試験装置あるいは機械帯電モデルに対応したESD試験装置を用いて、p側電極とn側電極との間に静電耐圧以下の電圧が印加されている。この場合は、静電耐圧以下の静電負荷工程を実施することで、結晶成長工程で製膜された膜の膜質の良化が起き、素子寿命が長くなると考えられる。そこで、同様な構成を有する従来の面発光レーザ素子よりも素子寿命を長くすることができた。
そして、本実施形態に係る光走査装置1010によると、光源14が面発光レーザ100を有しているため、信頼性が高く安定した光走査を行うことが可能となる。
さらに、本実施形態に係るレーザプリンタ1000によると、光走査装置1010を備えているため、高品質の画像を形成することが可能となる。
また、面発光レーザ素子の寿命が向上するので、書き込みユニットもしくは光源ユニットの再利用が可能となる。
なお、上記実施形態において、活性層105として、圧縮歪みを誘起する組成であるGaInPAsからなり、バンドギャップ波長が約780nmである3層の量子井戸層と、該量子井戸と格子整合し、引張歪みを誘起する組成であるGa0.6In0.4Pからなる4層の障壁層とを有する活性層であっても良い。このとき、各スペーサ層として、ワイドバンドギャップである(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pを用いても良い。この場合は、スペーサ層をAlGaAs系で形成した場合に比べて、スペーサ層と量子井戸層とのバンドギャップ差を極めて大きく取ることができる。
また、上記実施形態では、レーザ発振方向に直交する断面でのメサ形状が正方形の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば円形、楕円形あるいは長方形など任意の形状とすることができる。
また、上記実施形態では、発光部の発振波長が780nm帯の場合について説明したが、これに限定されるものではない。感光体の特性に応じて、発光部の発振波長を変更しても良い。
また、面発光レーザ100は、画像形成装置以外の用途に用いることができる。その場合には、発振波長は、その用途に応じて、650nm帯、850nm帯、980nm帯、1.3μm帯、1.5μm帯等の波長帯であっても良い。
また、上記実施形態において、光源14は、前記面発光レーザ100に代えて、一例として図19及び図20に示されるように、前述した面発光レーザ素子100の製造方法と同様な製造方法で製造された面発光レーザアレイ100Mを有していても良い。
この面発光レーザアレイ100Mは、同一基板上に2次元的に配列されている複数(ここでは32個)の発光部を有している。図19及び図20におけるY軸方向は主走査対応方向であり、X軸方向は副走査対応方向である。なお、発光部の数は32個に限定されるものではない。
複数(ここでは32個)の発光部は、図20に示されるように、すべての発光部をX軸方向に伸びる仮想線上に正射影したときに、発光部間隔が等間隔d1となるように配置されている。なお、本明細書では、「発光部間隔」とは2つの発光部の中心間距離をいう。
ここでは、間隔d1は3μm、X軸方向の発光部間隔d2は24μm、Y軸方向の発光部間隔Xは30μmである。
各発光部は、図20のA−A断面図である図21に示されるように、前述した面発光レーザ素子100と同様な構造を有し、面発光レーザ素子100と同様の製造方法で製造されている。すなわち、面発光レーザアレイ100Mは、面発光レーザ素子100が集積された面発光レーザアレイである。そこで、面発光レーザ素子100と同様な効果を得ることができる。
この場合に、面発光レーザアレイ100Mでは、各発光部を副走査対応方向に延びる仮想線上に正射影したときの発光部間隔が等間隔d1であるので、点灯のタイミングを調整することで感光体ドラム1030上では副走査方向に等間隔で発光部が並んでいる場合と同様な構成と捉えることができる。
そして、上記間隔d1が3μmであるため、光走査装置1010の光学系の倍率を約1.8倍とすれば、4800dpi(ドット/インチ)の高密度書込みができる。もちろん、主走査対応方向の発光部数を増加したり、前記間隔d2を狭くして間隔d1を更に小さくするアレイ配置としたり、光学系の倍率を下げる等を行えばより高密度化でき、より高品質の印刷が可能となる。なお、主走査方向の書き込み間隔は、発光部の点灯タイミングで容易に制御できる。
そして、レーザプリンタ1000では、書き込みドット密度が上昇しても印刷速度を落とすことなく印刷することができる。また、同じ書き込みドット密度の場合には印刷速度を更に速くすることができる。
ところで、2つの発光部の間の溝は、各発光部の電気的及び空間的分離のために、5μm以上とすることが好ましい。あまり狭いと製造時のエッチングの制御が難しくなるからである。また、メサの大きさ(1辺の長さ)は10μm以上とすることが好ましい。あまり小さいと動作時に熱がこもり、特性が低下するおそれがあるからである。
また、上記実施形態では、画像形成装置としてレーザプリンタ1000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、光走査装置1010を備えた画像形成装置であれば良い。
例えば、レーザ光によって発色する媒体(例えば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であっても良い。
例えば、媒体が、CTP(Computer to Plate)として知られている印刷版であっても良い。つまり、光走査装置1010は、印刷版材料にレーザアブレーションによって直接画像形成を行い、印刷版を形成する画像形成装置にも好適である。
また、例えば、媒体が、いわゆるリライタブルペーパーであっても良い。これは、例えば紙や樹脂フィルム等の支持体上に、以下に説明するような材料が記録層として塗布されている。そして、レーザ光による熱エネルギー制御によって発色に可逆性を与え、表示/消去を可逆的に行うものである。
透明白濁型リライタブルマーキング法とロイコ染料を用いた発消色型リライタブルマーキング法があり、いずれも適用できる。
透明白濁型は、高分子薄膜の中に脂肪酸の微粒子を分散したもので、110℃以上に加熱すると脂肪酸の溶融により樹脂が膨張する。その後、冷却すると脂肪酸は過冷却状態になり液体のまま存在し、膨張した樹脂が固化する。その後、脂肪酸が固化収縮して多結晶の微粒子となり樹脂と微粒子間に空隙が生まれる。この空隙により光が散乱されて白色に見える。次に、80℃から110℃の消去温度範囲に加熱すると、脂肪酸は一部溶融し、樹脂は熱膨張して空隙を埋める。この状態で冷却すると透明状態となり画像の消去が行われる。
ロイコ染料を用いたリライタブルマーキング法は、無色のロイコ型染料と長鎖アルキル基を有する顕消色剤との可逆的な発色及び消色反応を利用している。レーザ光により加熱されるとロイコ染料と顕消色剤が反応して発色し、そのまま急冷すると発色状態が保持される。そして、加熱後、ゆっくり冷却すると顕消色剤の長鎖アルキル基の自己凝集作用により相分離が起こり、ロイコ染料と顕消色剤が物理的に分離されて消色する。
また、媒体が、紫外光を当てるとC(シアン)に発色し、可視光のR(レッド)の光で消色するフォトクロミック化合物、紫外光を当てるとM(マゼンタ)に発色し、可視光のG(グリーン)の光で消色するフォトクロミック化合物、紫外光を当てるとY(イエロー)に発色し、可視光のB(ブルー)の光で消色するフォトクロミック化合物が、紙や樹脂フィルム等の支持体上に設けられた、いわゆるカラーリライタブルペーパーであっても良い。
これは、一旦紫外光を当てて真っ黒にし、R・G・Bの光を当てる時間や強さで、Y・M・Cに発色する3種類の材料の発色濃度を制御してフルカラーを表現し、仮に、R・G・Bの強力な光を当て続ければ3種類とも消色して真っ白にすることもできる。
このような、光エネルギー制御によって発色に可逆性を与えるものも上記実施形態と同様な光走査装置を備える画像形成装置として実現できる。
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
また、一例として図22に示されるように、複数の感光体ドラムを備えるカラープリンタ2000であっても良い。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、ブラック用のステーション(感光体ドラムK1、帯電装置K2、現像装置K4、クリーニングユニットK5、及び転写装置K6)と、シアン用のステーション(感光体ドラムC1、帯電装置C2、現像装置C4、クリーニングユニットC5、及び転写装置C6)と、マゼンタ用のステーション(感光体ドラムM1、帯電装置M2、現像装置M4、クリーニングユニットM5、及び転写装置M6)と、イエロー用のステーション(感光体ドラムY1、帯電装置Y2、現像装置Y4、クリーニングユニットY5、及び転写装置Y6)と、光走査装置2010と、搬送ベルト2080と、定着ユニット2030などを備えている。
各感光体ドラムは、図22中の矢印の方向に回転し、各感光体ドラムの周囲には、回転方向に沿って、それぞれ帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニングユニットが配置されている。各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面を均一に帯電する。帯電装置によって帯電された各感光体ドラム表面に光走査装置2010により光が照射され、各感光体ドラムに潜像が形成されるようになっている。そして、対応する現像装置により各感光体ドラム表面にトナー像が形成される。さらに、対応する転写装置により、搬送ベルト2080上の記録紙に各色のトナー像が転写され、最終的に定着ユニット2030により記録紙に画像が定着される。
光走査装置2010は、前記面発光レーザ素子100と同様にして製造された面発光レーザ素子及び面発光レーザアレイのいずれかを含む光源を、色毎に有している。そこで、上記光走査装置1010と同様の効果を得ることができる。また、カラープリンタ2000は、この光走査装置2010を備えているため、上記レーザプリンタ1000と同様の効果を得ることができる。
ところで、カラープリンタ2000では、各部品の製造誤差や位置誤差等によって色ずれが発生する場合がある。このような場合であっても、光走査装置2010の各光源が前記面発光レーザアレイ100Mと同様な面発光レーザアレイを有していると、点灯させる発光部を選択することで色ずれを低減することができる。
以上説明したように、本発明の製造方法によれば、素子特性を低下させることなく、長寿命の面発光レーザ素子を製造するのに適している。また、本発明の光走査装置によれば、安定した光走査を行うのに適している。また、本発明の画像形成装置によれば、高品質の画像を形成するのに適している。
11a…偏向器側走査レンズ(走査光学系の一部)、11b…像面側走査レンズ(走査光学系の一部)、13…ポリゴンミラー(光偏向器)、14…光源、100…面発光レーザ素子、100M…面発光レーザアレイ、103…下部半導体DBR(下部反射鏡)、104…下部スペーサ層(共振器構造体の一部)、105…活性層、106…上部スペーサ層(共振器構造体の一部)、107…上部半導体DBR(上部反射鏡)、1000…レーザプリンタ(画像形成装置)、1010…光走査装置、1030…感光体ドラム(像担持体)、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、K1,C1,M1,Y1…感光体ドラム(像担持体)。
Claims (6)
- 基板に直交する方向に光を射出する面発光レーザ素子の製造方法であって、
基板上に下部反射鏡、活性層を含む共振器構造体、及び被選択酸化層を含む上部反射鏡が積層された積層体にメサ構造体を形成する工程と、
前記被選択酸化層の一部を酸化して前記メサ構造体に電流通過領域を形成する工程と、
前記電流通過領域を介して前記活性層に電流を供給するための電極を形成する工程と、
前記電極を介して静電耐圧よりも低い電圧を印加する工程と、を含むことを特徴とする面発光レーザ素子の製造方法。 - 前記電圧を印加する工程では、人体帯電モデル仕様の装置が用いられ、人体帯電モデルで計測された静電耐圧の20〜60%の電圧が印加されることを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザ素子の製造方法。
- 前記電圧を印加する工程では、機械帯電モデル仕様の装置が用いられ、機械帯電モデルで計測された静電耐圧の40〜70%の電圧が印加されることを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザ素子の製造方法。
- 光によって被走査面を走査する光走査装置であって、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子の製造方法によって製造された面発光レーザ素子を有する光源と、
前記光源からの光を偏向する光偏向器と、
前記光偏向器で偏向された光を前記被走査面上に集光する走査光学系と、を備える光走査装置。 - 少なくとも1つの像担持体と、
前記少なくとも1つの像担持体に対して画像情報に応じて変調された光を走査する請求項4に記載の光走査装置と、を備える画像形成装置。 - 前記画像情報は、多色のカラー画像情報であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
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- 2011-03-09 JP JP2011050988A patent/JP2012190872A/ja active Pending
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